JP4660977B2 - プラズマディスプレイ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、大画面で、薄型、軽量のディスプレイ装置として知られているプラズマディスプレイ装置の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種のプラズマディスプレイ装置では、ガス放電により紫外線を発生させ、この紫外線で蛍光体を励起して発光させカラー表示を行っている。そして、基板上に隔壁によって区画された表示セルが設けられており、これに蛍光体層が形成されている構成を有する。
【0003】
このプラズマディスプレイ装置には、大別して、駆動的にはAC型とDC型があり、放電形式では面放電型と対向放電型の2種類があるが、高精細化、大画面化および製造の簡便性から、現状では、プラズマディスプレイ装置の主流は、3電極構造の面放電型のもので、その構造は、一方の基板上に平行に隣接した表示電極対を有し、もう一方の基板上に表示電極と交差する方向に配列されたアドレス電極と、隔壁、蛍光体層を有するもので、比較的蛍光体層を厚くすることができ、蛍光体によるカラー表示に適している。
【0004】
図4にプラズマディスプレイ装置におけるパネルの構造を示している。図4に示すように、ガラス基板などの透明な前面側の基板1上には、スキャン電極とサステイン電極とで対をなすストライプ状の表示電極2が複数列形成され、そしてその電極群を覆うように誘電体層3が形成され、その誘電体層3上には保護膜4が形成されている。
【0005】
また、前記前面側の基板1に対向配置される背面側の基板5上には、スキャン電極及びサステイン電極の表示電極2と交差するように、オーバーコート層6で覆われた複数列のストライプ状のアドレス電極7が形成されている。このアドレス電極7間のオーバーコート層6上には、アドレス電極7と平行に複数の隔壁8が配置され、この隔壁8間の側面およびオーバーコート層6の表面に蛍光体層9が設けられている。
【0006】
これらの基板1と基板5とは、スキャン電極およびサステイン電極の表示電極2とアドレス電極7とがほぼ直交するように、微小な放電空間を挟んで対向配置されるとともに、周囲が封止され、そして前記放電空間には、ヘリウム、ネオン、アルゴン、キセノンのうちの一種または混合ガスが放電ガスとして封入されている。また、放電空間は、隔壁8によって複数の区画に仕切ることにより、表示電極2とアドレス電極7との交点が位置する複数の放電セルが設けられ、その各放電セルには、赤色、緑色及び青色となるように蛍光体層9が一色ずつ順次配置されている。
【0007】
図5にこのプラズマディスプレイパネルの電極配列を示している。図5に示すようにスキャン電極およびサステイン電極とアドレス電極とは、M行×N列のマトリックス構成であり、行方向にはM行のスキャン電極SCN1〜SCNMおよびサステイン電極SUS1〜SUSMが配列され、列方向にはN列のアドレス電極D1〜DNが配列されている。
【0008】
このような電極構成のプラズマディスプレイパネルにおいては、アドレス電極とスキャン電極の間に書き込みパルスを印加することにより、アドレス電極とスキャン電極の間でアドレス放電を行い、放電セルを選択した後、スキャン電極とサステイン電極との間に、交互に反転する周期的な維持パルスを印加することにより、スキャン電極とサステイン電極との間で維持放電を行い、所定の表示を行うものである。
【0009】
図6に上記で説明した構造のパネルを組み込んだプラズマディスプレイ装置の全体構成の一例を示している。図において、パネル10を収容する筐体は、前面キャビネット11と金属製のバックカバー12とから構成され、パネル10の前面側の前面キャビネット11の開口部には光学フィルターおよびパネル10の保護を兼ねたガラス等からなる前面フィルター13が配置されている。また、この前面フィルター13には電磁波の不要輻射を抑制するために、例えば電磁波シールド層として銀蒸着が施されている。さらに、バックカバー12には、パネル10等で発生した熱を外部に放出するための複数の通気孔12aが設けられている。
【0010】
前記パネル10は、アルミニウム等からなる放熱板を兼ねた保持板としてのシャーシ部材14の前面にアクリル系、ウレタン系、またはシリコン系材料からなる両面接着材または熱伝導シート15を介して接着することにより保持され、そしてシャーシ部材14の後面側には、パネル10を表示駆動させるための複数の回路ブロック16が取り付けられている。前記熱伝導シート15は、パネル10で発生した熱をシャーシ部材14に効率よく伝え、放熱を行うためのものである。また、回路ブロック16はパネル10の表示駆動とその制御を行うための電気回路を備えており、パネル10の縁部に引き出された電極引出部に、シャーシ部材14の四辺の縁部を越えて延びる複数のフレキシブル配線板(図示せず)によって電気的に接続されている。
【0011】
また、シャーシ部材14の後面には、回路ブロック16を取り付けたり、バックカバー12を固定するためのボス部14aがダイカスト等による一体成型により突設されている。なお、このシャーシ部材14は、アルミニウム平板に固定ピンを固定して構成してもよい。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
このようなプラズマディスプレイ装置は、液晶パネルに比べて高速の表示が可能であり、視野角が広いこと、大型化が容易であること、自発光型であるため表示品質が高いことなどの理由から、フラットパネルディスプレイの中で最近特に注目を集めており、一般家庭用の他、大型・軽量・薄型・視野角の広さが特徴であるため、複数の人が一度に見ることができる交通機関・アミューズメント・医療関係等の業務用でも使用されている。
【0013】
本発明はこのような現状にあって、プラズマディスプレイ装置の電磁波シールド性能を簡単な構成で高めることを目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、パネルの前面側に配置されかつ少なくとも片面に電磁波シールド層を有する前面フィルターと、この前面フィルターの周縁部を押え金具とで挟持することにより保持する前面キャビネットとを有し、前記前面フィルターの周縁部に一方の面から他方の面にかけて前記電磁波シールド層に電気的に接続される導電部を設け、かつその前面フィルターの周縁部を導電部材を介して前面キャビネットと押え金具とで挟持することにより前面フィルターの導電部を導電部材を介して前記前面キャビネットと押え金具に電気的に接続したものである。
【0015】
この構成により、電磁波シールド層を2重にすることができ、電磁波シールド性能を高めることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
すなわち、本発明は、少なくとも前面側が透明な一対の基板を基板間に放電空間が形成されるように対向配置しかつ複数の放電セルを有するパネルと、このパネルの前面側に配置されかつ少なくとも片面に電磁波シールド層を有する前面フィルターと、この前面フィルターの周縁部に一方の面から他方の面にかけて電磁波シールド層に電気的に接続される導電部と、導電部材を介して前面フィルターの導電部を挟持する前面キャビネットと押さえ金具と、前面キャビネットと筐体を構成するバックカバーとを有し、前面フィルターは前面キャビネットと押さえ金具とを介してバックカバーに導通があることを特徴とするプラズマディスプレイ装置を提供するものである。
【0018】
以下、本発明の一実施の形態によるプラズマディスプレイ装置について、図1〜図3を用いて説明する。
【0019】
図1に本発明の一実施の形態によるプラズマディスプレイ装置の外観を示し、図2にその要部構造を示しており、図においてプラズマディスプレイ装置20は、図6に示すようにパネルを収容するための筐体を構成する前面キャビネット21およびバックカバー22と、パネルの前面側に配置される前面フィルター23を有している。なお、24はプラズマディスプレイ装置20を据置き状態で保持するためのスタンドである。
【0020】
また、図2に示すように、パネルの前面側に配置されるガラスなどからなる前面フィルター23のパネル側の片面には、電磁波シールド層25が設けられ、そして前面フィルター23の周縁部には、一方の面から他方の面にかけて前記電磁波シールド層25に電気的に接続される導電部としての導電テープ26が貼り付けにより配置されている。
【0021】
そして、前面フィルター23は、前面キャビネット21の開口部周縁部21aと、この開口部周縁部21aにねじ27により取り付けられる押え金具28とで周縁部を挟持することにより、前面キャビネット21に保持されている。また、前面フィルター23の前面キャビネット21と押え金具28とに保持される周縁部には、弾性を有する導電部材である導電性スポンジ29a,29bが配置されており、この導電性スポンジ29a,29bを介して前面キャビネット21と押え金具28とで挟持することにより、前面フィルター23の導電テープ26が導電性スポンジ29a,29bを介して前記前面キャビネット21と押え金具28に電気的に接続されている。
【0022】
また、前面キャビネット21とで筐体を構成するバックカバー22は、シャーシ部材にねじで固定することにより取り付けられ、そしてそのバックカバー22の周縁部は、前記押え金具28に導電部材である導電性スポンジ30を介して押し付けられ、これによりバックカバー22は前記前面キャビネット21と押え金具28に電気的に接続されている。
【0023】
ここで、前記前面キャビネット21とバックカバー22は、全体を金属で構成するか、または樹脂成形品にメッキを施したり、導電塗料等を塗布して導通がとれるように処理したものを用いてもよい。
【0024】
また、前面フィルター23は図2に示すように表面、または裏面のどちらか片面に電磁波シールド層25を設ける以外に、図3に示すように両面に電磁波シールド層25を設けてもよく、その場合もその周縁部に導電テープ26等を貼り付けることにより導電部を設けておく。
【0025】
次に、本実施の形態によるプラズマディスプレイ装置において、前面フィルターを取り付ける場合の説明をすると、まず前面キャビネット21の開口部周縁部21aにおいて、内側の前面フィルター23が接触する部分に、導電性スポンジ29aを貼り付けておく。そして、前面キャビネット21の開口部周縁部21a上に前面フィルター23を置き、後ろから押え金具28をねじ27で固定する。
その際、押え金具28の両端に導電性スポンジ29b,30を貼っておく。
【0026】
最後にバックカバー22を取り付けるのであるが、この時バックカバー22と内部のプリント基板のアースが接続されるようにしておくことにより、前面フィルター23の電磁波シールド層25が、導電テープ26、導電性スポンジ29a、前面キャビネット21、押え金具28、導電性スポンジ30、バックカバー22の接続経路と、後ろの導電性スポンジ29b、押え金具28、導電性スポンジ30、バックカバー22の接続経路とでアースに接続されることとなる。
【0027】
すなわち、この構成により、前面キャビネット21部の電磁波シールドを2重にすることができる。
【0028】
【発明の効果】
以上の様に本発明によれば、前面キャビネット部及び前面フィルターと前面キャビネット部の電磁波シールド面を2重にすることができ、電磁波シールド性能を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態によるプラズマディスプレイ装置の外観を示す斜視図
【図2】同プラズマディスプレイ装置の要部構成を示す断面図
【図3】本発明の他の実施の形態によるプラズマディスプレイ装置の要部構成を示す断面図
【図4】プラズマディスプレイ装置のパネル構造を示す斜視図
【図5】同パネルの電極配列を示す説明図
【図6】プラズマディスプレイ装置の全体構成を示す分解斜視図
【符号の説明】
20 プラズマディスプレイ装置
21 前面キャビネット
22 バックカバー
23 前面フィルター
25 電磁波シールド層
26 導電テープ
28 押え金具
29a,29b,30 導電性スポンジ
Claims (1)
- 少なくとも前面側が透明な一対の基板を基板間に放電空間が形成されるように対向配置しかつ複数の放電セルを有するパネルと、
前記パネルの前面側に配置されかつ少なくとも片面に電磁波シールド層を有する前面フィルターと、前記前面フィルターの周縁部に一方の面から他方の面にかけて前記電磁波シールド層に電気的に接続される導電部と、導電部材を介して前記前面フィルターの前記導電部を挟持する前面キャビネットと押さえ金具と、前記前面キャビネットと筐体を構成するバックカバーとを有し、
前記前面フィルターは前記前面キャビネットと前記押さえ金具とを介してバックカバーに導通があることを特徴とするプラズマディスプレイ装置。
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