JP2004069889A - プラズマディスプレイ装置 - Google Patents
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【解決手段】金属製のシャーシ部材11の前面側にパネルを配置するとともに背面側に前記パネルに信号を印加して表示を行う回路ブロックを配置しかつその回路ブロックのグランド端子をシャーシ部材11に接続した表示ユニットと、この表示ユニットのシャーシ部材11に一端が固定される少なくとも2本の支柱32とこの支柱32の他端を固定する台座33とからなり前記表示ユニットを立てた状態で支持するスタンド31とを備え、前記スタンド31の支柱32を金属により構成するとともに、その金属製の支柱32を互いに電気的に絶縁した状態で台座33に固定した。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、大画面で、薄型、軽量のディスプレイ装置として知られているプラズマディスプレイ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
このプラズマディスプレイ装置では、ガス放電により紫外線を発生させ、この紫外線で蛍光体を励起して発光させカラー表示を行っている。そして、基板上に隔壁によって区画された表示セルが設けられており、これに蛍光体層が形成されている構成を有する。
【0003】
このプラズマディスプレイ装置には、大別して、駆動的にはAC型とDC型があり、放電形式では面放電型と対向放電型の2種類があるが、高精細化、大画面化および製造の簡便性から、現状では、プラズマディスプレイ装置の主流は、3電極構造の面放電型のもので、その構造は、一方の基板上に平行に隣接した表示電極対を有し、もう一方の基板上に表示電極と交差する方向に配列されたアドレス電極と、隔壁、蛍光体層を有するもので、比較的蛍光体層を厚くすることができ、蛍光体によるカラー表示に適している。
【0004】
このようなプラズマディスプレイ装置は、液晶パネルに比べて高速の表示が可能であり、視野角が広いこと、大型化が容易であること、自発光型であるため表示品質が高いことなどの理由から、フラットパネルディスプレイの中で最近特に注目を集めており、多くの人が集まる場所での表示装置や家庭で大画面の映像を楽しむための表示装置として各種の用途に使用されている。
【0005】
以下、プラズマディスプレイ装置について、図3〜図6を用いて説明する。まず、プラズマディスプレイ装置におけるプラズマディスプレイパネルの構造について図3を用いて説明する。図3に示すように、ガラス基板などの透明な前面側の基板1上には、スキャン電極とサステイン電極とで対をなすストライプ状の表示電極2が複数列形成され、そしてその電極群を覆うように誘電体層3が形成され、その誘電体層3上には保護膜4が形成されている。
【0006】
また、前記前面側の基板1に対向配置される背面側の基板5上には、スキャン電極及びサステイン電極の表示電極2と交差するように、オーバーコート層6で覆われた複数列のストライプ状のアドレス電極7が形成されている。このアドレス電極7間のオーバーコート層6上には、アドレス電極7と平行に複数の隔壁8が配置され、この隔壁8間の側面およびオーバーコート層6の表面に蛍光体層9が設けられている。
【0007】
これらの基板1と基板5とは、スキャン電極およびサステイン電極の表示電極2とアドレス電極7とがほぼ直交するように、微小な放電空間を挟んで対向配置されるとともに、周囲が封止され、そして前記放電空間には、ヘリウム、ネオン、アルゴン、キセノンのうちの一種または混合ガスが放電ガスとして封入されている。また、放電空間は、隔壁8によって複数の区画に仕切ることにより、表示電極2とアドレス電極7との交点が位置する複数の放電セルが設けられ、その各放電セルには、赤色、緑色及び青色となるように蛍光体層9が一色ずつ順次配置されている。
【0008】
図4にこのプラズマディスプレイパネルの電極配列を示しており、図4に示すようにスキャン電極およびサステイン電極とアドレス電極とは、M行×N列のマトリックス構成であり、行方向にはM行のスキャン電極SCN1〜SCNMおよびサステイン電極SUS1〜SUSMが配列され、列方向にはN列のアドレス電極D1〜DNが配列されている。
【0009】
このような電極構成のプラズマディスプレイパネルにおいては、アドレス電極とスキャン電極の間に書き込みパルスを印加することにより、アドレス電極とスキャン電極の間でアドレス放電を行い、放電セルを選択した後、スキャン電極とサステイン電極との間に、交互に反転する周期的な維持パルスを印加することにより、スキャン電極とサステイン電極との間で維持放電を行い、所定の表示を行うものである。
【0010】
図5は上記で説明した構造のパネルを組み込んだプラズマディスプレイ装置の全体構成の一例を示す分解斜視図である。図において、パネル10は、アルミニウム等からなるシャーシ部材11の前面に熱伝導シート12を介して接着することにより保持され、そしてシャーシ部材11の背面側には、パネル10を表示駆動させるための複数の回路ブロック13が取り付けられ、これにより表示ユニットが構成されている。前記熱伝導シート12は、パネル10で発生した熱をシャーシ部材11に効率よく伝え、放熱を行うためのものである。また、回路ブロックはパネル10の表示駆動とその制御を行うための電気回路を備えており、パネル10の縁部に引き出された電極引出部に、シャーシ部材11の四辺の外縁部を跨ぐように越えて延びる複数のフレキシブル配線板(図示せず)によって電気的に接続されている。
【0011】
前記表示ユニットを収容する筐体は、表示ユニットの回路ブロック13が配置された背面側を覆うように配設したバックカバー14と、前記表示ユニットのパネル10の前面側に配置されかつ前記パネル10の表示領域に対応した窓15aを有するとともに表示領域以外の周辺部を覆う金属製の前面枠15とから構成され、前面枠15の窓15aには光学フィルターおよびパネル10の保護を兼ねた前面ガラス16が配置されている。この前面ガラス16には電磁波の不要輻射を抑制するために、透明導電膜が施されている。さらに、バックカバー14には、パネル10等で発生した熱を外部に放出するための複数の通気孔14aが設けられている。
【0012】
このような構成のプラズマディスプレイ装置においては、表示ユニットを立てた状態で支持するためのスタンドが用いられるが、このスタンドの構造として、特開平11−143372号公報に記載されたものなどが知られている。
【0013】
図6に従来のプラズマディスプレイ装置におけるスタンドの構造を示しており、図6に示すように、従来のスタンド17は金属製の棒状の支柱18とこの支柱18を固定する金属製の板状の台座19とにより構成されており、そして表示ユニットの回路ブロック13が取り付けられかつ回路ブロック13のグランド端子が接続されるシャーシ部材11をスタンド17の金属製の支柱18に固定することにより、プラズマディスプレイ装置を立てた状態で支持する構造となっている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、この種のプラズマディスプレイ装置においては、上述したようにパネルの電極にパルス信号を印加することにより選択的に放電セルで放電させて表示を行う構成であるため、表示ユニットから電磁波の不要輻射が発生しやすいことから、この不要輻射に対する数々の対策が講じられている。
【0015】
しかしながら、上述した従来の構成では、スタンド17をシャーシ部材11に取り付けることにより、表示ユニットの回路ブロック13のグランド端子がシャーシ部材11−スタンド17の一方の支柱18−台座19−他方の支柱18−シャーシ部材11の経路で閉ループが形成され、そしてそのループ内を電流が流れることにより妨害電磁波が発生してしまうという問題があった。
【0016】
本発明はこのような従来の課題を解決するもので、妨害電磁波の発生を抑制することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、表示ユニットのシャーシ部材に一端が固定される少なくとも2本の支柱とこの支柱の他端を固定する台座とからなり前記表示ユニットを立てた状態で支持するスタンドを備え、前記スタンドの支柱を金属により構成するとともに、その金属製の支柱を互いに電気的に絶縁した状態で前記台座に固定したものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
すなわち、本発明の請求項1記載の発明は、金属製のシャーシ部材の前面側にパネルを配置するとともに背面側に前記パネルに信号を印加して表示を行う回路ブロックを配置しかつその回路ブロックのグランド端子をシャーシ部材に接続した表示ユニットと、この表示ユニットのシャーシ部材に一端が固定される少なくとも2本の支柱とこの支柱の他端を固定する台座とからなり前記表示ユニットを立てた状態で支持するスタンドとを備え、前記スタンドの支柱を金属により構成するとともに、その金属製の支柱を互いに電気的に絶縁した状態で前記台座に固定したことを特徴とするものである。
【0019】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1において、台座を電気的絶縁物により構成したものである。
【0020】
以下、本発明の一実施の形態によるプラズマディスプレイ装置について、図1及び図2を用いて説明する。なお、図1、図2において、図3〜図6に示す部分と同一部分については、同一番号を付している。
【0021】
図1に本発明の一実施の形態によるプラズマディスプレイ装置の要部構成を示し、図2にそのプラズマディスプレイ装置において、バックカバーを外して表示ユニットの配置構造を示す平面図であり、まず図2においてスキャンドライバ回路ブロック20はパネル10のスキャン電極に所定の信号電圧を供給し、サステインドライバ回路ブロック21はパネル10のサステイン電極に所定の信号電圧を供給し、アドレスドライバ回路ブロック22はパネル10のアドレス電極に所定の信号電圧を供給するもので、スキャンドライバ回路ブロック20、サステインドライバ回路ブロック21はシャーシ部材11の幅方向の両端部にそれぞれ配置され、またアドレスドライバ回路ブロック22はシャーシ部材11の高さ方向の上端部および下端部に配置されている。
【0022】
制御回路ブロック23は、テレビジョンチューナ等の外部機器に接続するための接続ケーブルが着脱可能に接続される入力端子部を備えた入力信号回路ブロック24から送られる映像信号に基づき、画像データをパネル10の画素数に応じた画像データ信号に変換してアドレスドライバ回路ブロック22に供給すると共に、放電制御タイミング信号を発生し、各々スキャンドライバ回路ブロック20およびサステインドライバ回路ブロック21に供給し、階調制御等の表示駆動制御を行うもので、シャーシ部材11のほぼ中央部に配置されている。
【0023】
電源ブロック25は、前記各回路ブロックに電圧を供給するもので、前記制御回路ブロック23と同様、シャーシ部材11のほぼ中央部に配置され、電源ケーブル(図示せず)が装着されるコネクタ26を有する電源入力ブロック27を通して商用電源電圧が供給される。
【0024】
フレキシブル配線板28は、パネル10のスキャン電極、サステイン電極の電極引出部とスキャンドライバ回路ブロック20、サステインドライバ回路ブロック21のプリント配線板とを接続し、フレキシブル配線板29はパネル10のアドレス電極の電極引出部とアドレスドライバ回路ブロック22のプリント配線板とを接続するもので、パネル10の外周部を通して、前面側より背面側に180度湾曲させて引き回して配置している。
【0025】
また、図示していないが、前記各回路ブロックは、グランド端子を金属製のシャーシ部材11に接続している。
【0026】
さらに、図2において、ブラケット30は、図1に示すようにスタンド31の2本の金属製の棒状の支柱32がそれぞれ装着されるもので、シャーシ部材11の高さ方向の下端部の位置に取り付けられている。据置用のスタンド31のそれぞれの支柱32の一端をブラケット30の孔に挿入し、ビス等により支柱32をブラケット30に固定することによりスタンド31が取り付けられ、これにより表示ユニットを立てた状態で支持されることとなる。また、スタンド31の支柱32は、他端を電気的絶縁物からなる板状の台座33に埋設することにより電気的に絶縁した状態で固定されている。なお、本実施の形態においては、スタンド31の支柱32が2本の場合の例を示しているが、2本以上の支柱32を設けてもよい。
【0027】
すなわち、本発明においては、表示ユニットのシャーシ部材11に一端が固定される少なくとも2本の支柱32とこの支柱32の他端を固定する台座33とからなるスタンド31を備え、スタンド31の支柱32を金属により構成するとともに、その金属製の支柱32を互いに電気的に絶縁した状態で台座33に固定したもので、スタンド31の支柱32が台座33で電気的に絶縁されることにより、表示ユニットの回路ブロックのグランド端子、シャーシ部材11、スタンド31の支柱32、台座33の間で閉ループが形成されないため、従来閉ループが形成されることにより問題となっていた妨害電磁波の発生を抑制することができる。
【0028】
【発明の効果】
以上のように本発明のプラズマディスプレイ装置によれば、スタンドの支柱を金属により構成するとともに、その金属製の支柱を互いに電気的に絶縁した状態で台座に固定したことにより、従来スタンドから発生していた妨害電磁波を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態によるプラズマディスプレイ装置を示す概略構成図
【図2】同プラズマディスプレイ装置の要部構造を示す平面図
【図3】プラズマディスプレイ装置のパネル構造を示す斜視図
【図4】プラズマディスプレイ装置の電極配列を示す電気配線図
【図5】プラズマディスプレイ装置の全体構成を示す分解斜視図
【図6】従来のプラズマディスプレイ装置を示す概略構成図
【符号の説明】
10 パネル
11 シャーシ部材
13 回路ブロック
31 スタンド
32 支柱
33 台座
Claims (2)
- 金属製のシャーシ部材の前面側にパネルを配置するとともに背面側に前記パネルに信号を印加して表示を行う回路ブロックを配置しかつその回路ブロックのグランド端子をシャーシ部材に接続した表示ユニットと、この表示ユニットのシャーシ部材に一端が固定される少なくとも2本の支柱とこの支柱の他端を固定する台座とからなり前記表示ユニットを立てた状態で支持するスタンドとを備え、前記スタンドの支柱を金属により構成するとともに、その金属製の支柱を互いに電気的に絶縁した状態で前記台座に固定したことを特徴とするプラズマディスプレイ装置。
- 台座を電気的絶縁物により構成した請求項1に記載のプラズマディスプレイ装置。
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