JP4659084B2 - 吸収性物品 - Google Patents

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本発明は、使い捨ておむつとしての吸収性物品に関するものである。
一般に、使い捨ておむつ、生理用ナプキン等の吸収性物品は、使用後に排泄物の付着面が内側となるように丸め若しくは折り畳み、サニタリーボックスやおむつ保管容器等の密閉性の高い保管容器に入れて一時保管し、容器内の貯留量がある程度に達したらゴミ袋に入れて廃棄するといった使用形態がとられている。使用後の吸収性物品からは排泄物の強い臭気が発生し、使用者に不快感をもたらす。このため、使用後の排泄物の臭気を抑制するべく、ゼオライトを含む消臭シートをトップシートの内側に配置すること(特許文献1)や、吸収体を包むクレープ紙に消臭剤を含有させること(特許文献2)等が提案されている。
特開2001−046423号公報 特開2000−350745号公報
しかしながら、これら先行技術においては、消臭剤の使用量の割には使用後の消臭効果に乏しいという問題点があった。
そこで、本発明の主たる課題は、より効果的に消臭効果が発揮される吸収性物品を提供することにある。
上記課題を解決した本発明は次記のとおりである。
<請求項1記載の発明>
前後方向中央より後側に延在する後身頃と、前後方向中央より前側に延在する前身頃とを有し、表面シートが内側になるように丸め若しくは折り畳んだ状態で固定するための後処理テープが前記前身頃及び後身頃の少なくとも一方の外面に設けられている使い捨ておむつであって、
液透過性表面シートと、液不透過性シートと、これらの間に介在された吸収体と、前記液不透過性シートに対して吸収体と反対の側に配置された消臭シートとを備え、
前記消臭シートは、シート基材と、このシート基材に接着樹脂を介して固定された消臭剤粒子とを有するものであり、且つ前記消臭剤粒子の外面に前記接着樹脂により被覆されていない部分を有するものであ
前記後処理テープは、おむつ外面に固定された基端部と、この基端部より先端側の部分であって且つおむつ外面に係止される係止部とを有しており、
前記消臭シートは、前記前身頃及び後身頃のうち少なくとも前記後処理テープを有する身頃に、前記後処理テープの少なくとも基端部の一部と重なるように配置されており、かつそれが配置される身頃よりも小さい面積を有し、少なくとも一部が前記吸収体と重なるように配置されている、
ことを特徴とする吸収性物品。
(作用効果)
本発明では、液不透過性シートの裏面側に消臭剤粒子が位置するため、特に使用後の保管時において、顕著な消臭効果を発揮する。 しかも、消臭剤粒子を液不透過性シートの裏面側に固定するための接着手段として樹脂(後述するようにインクや接着剤等)を用いる場合、その樹脂により消臭剤粒子の表面全体が覆われていると、消臭剤粒子が十分に機能しないが、本発明では、消臭剤粒子の外面に前記接着樹脂により被覆されていない部分を有するため、消臭剤粒子の機能が確実に発揮される。
また、吸収性物品の中でも特に使い捨ておむつは、廃棄時には表面シートが内側になるように且つ後処理テープを有する身頃が外側となるように丸め若しくは折り畳んだ状態で固定され廃棄される形態が広く採用されている。このような廃棄形態においては、表面シートに付着した排泄物や吸収体により吸収した排泄物から発生する臭気は後処理テープを有する身頃を通り外部に放出される。よって、本発明の消臭シート及び後処理テープを上述のような位置関係で設けることによって、おむつを丸めた若しくは折り畳んだ廃棄形態において、消臭シートが臭気の主たる通り道に位置するようになるため、より効果的に消臭効果が発揮される。また、おむつを丸めた若しくは折り畳んだ廃棄形態において、消臭シートがより外側に近く位置するため、例えば保管容器内の臭気等、当該物品の外部に存在する臭気に対しても消臭効果が効果的に発揮される利点もある。また、このような構成とすることにより、消臭シートをおむつの外面全体に設けなくても消臭効果が効果的に発揮されるため、コストパフォーマンスに優れる。
<請求項2記載の発明>
前記消臭剤粒子の平均粒径が2.0〜8.0μmであり、前記接着樹脂100重量部に対して前記消臭剤粒子を50〜100重量部含み、前記消臭剤粒子及び前記接着樹脂の合計含有量が前記消臭シート1m2当り0.10〜0.60gである、請求項1記載の吸収性物品。
(作用効果)
本発明においては、このような平均粒径の消臭剤粒子をこのような密度で含む接着樹脂をこのような目付で使用すると、前記接着樹脂の塗膜から前記消臭剤粒子の多くが露出するため好ましい。消臭剤使用量が少な過ぎると消臭効果に乏しくなり、また使用量が多過ぎると消臭剤粒子を固定するのが困難となる。なお、本発明における平均粒径とは、JIS K 1474−2007に規定されるメジアン径を意味する。
<請求項3記載の発明>
前記接着樹脂がウレタン系樹脂である、請求項2記載の吸収性物品。
(作用効果)
本発明の接着樹脂としては、通気性が高い点でウレタン系樹脂が好適である。
<請求項4記載の発明>
前記消臭剤粒子は、臭気を物理吸着する立体構造、層状構造、あるいは多孔質構造を有し、且つ臭気分子を化学吸着する金属イオンを含有するものである、請求項3記載の吸収性物品。
(作用効果)
臭気を物理吸着する消臭剤粒子は、液体で濡れた状態になると構造体の内部が液体で満たされてしまい、臭気分子を取り込めなくなる。よって、排泄物の液分の移動経路及び吸収保持部に消臭剤粒子を設けても、使用量の割には使用後の消臭効果が乏しくなってしまう。これに対して、本発明では、液不透過性シートの裏面側に消臭剤粒子が位置するため、消臭剤粒子の細孔が排泄物の液分により満たされてしまうことがないため、使用後であっても十分な消臭効果が発揮される。また、本発明の消臭剤粒子としては、このように金属イオンによる分解能をもつものが好適である。
<請求項5記載の発明>
前記シート基材は不織布または紙からなり、且つ通気性を有するものである、請求項4記載の吸収性物品。
(作用効果)
消臭シートのシート基材がこのような通気性シートであると、基材自体が臭気吸着により若干の消臭効果を発揮できるとともに、基材の表面積が大きく通気性があることから臭気と消臭剤粒子との接触確率が向上する。本発明の消臭剤粒子は臭気を物理吸着するものであるため、消臭効率を向上させるためには、シート基材はこのような特性を有しているのが好ましい。
<請求項記載の発明>
前記液不透過性シートの裏面を覆う外装シートを有するとともに、これら液不透過性シートと外装シートとの間に前記消臭シートが配置されており、
前記消臭シートと前記液不透過性シートとは、前記消臭シートの面積の70%以下の接着面積で貼り合わされており、
前記消臭シートと前記外装シートとは、前記消臭シートの面積の80%以上の接着面積で貼り合わされており、
前記消臭シートは、それが配置される身頃に占める吸収体の面積の30%以上の面積を有しており、且つそのうちの80%以上が吸収体と重なっており、
前記液不透過性シートは透湿性が6000g/m2・24h以上である、
請求項記載の吸収性物品。
(作用効果)
本発明の消臭シート及び後処理テープを上述のような位置関係で設ける場合、消臭シートと隣接シートとの接着面積、及び消臭シートの面積及び吸収体に対する位置、並びに液不透過性シートの透湿性をこのように構成すると、消臭シートとその吸収体側に位置する液不透過性シートとの間に、より大きく且つ外部に対して通気性の低い空間が形成され、消臭シートに効率良く接触するようになり、消臭効果がより一層のものとなる。また、液不透過性シートの透湿性をこのように高くすると、湿気が効率よく排出されるために着用者は快適であるが、臭気も漏れ出やすい。しかし、本発明では臭気が液不透過性シートを効率良く透過して消臭シートに接触するようになるため、液不透過性シートの透湿性を高くするのは、むしろ好ましい。なお、透湿性はJIS K 7129(A法)により測定される値を意味する。
以上のとおり、本発明によれば、より効果的に消臭効果が発揮されるようになる、等の利点がもたらされる。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照しつつ詳説する。
図1〜図10は、パンツ型使い捨ておむつの一例を示している。このパンツ型使い捨ておむつは、製品外面(裏面)をなす外装シート12と、外装シートの内面に貼り付けられた内装体200とから構成されているものである。内装体200は、尿等の排泄物等を吸収保持する部分であり、外装シート12は着用者に装着するための部分である。なお、断面図における点模様部分は各構成部材を接合する接合部分を示しており、ホットメルト接着剤などのベタ、ビード、カーテン、サミットまたはスパイラル塗布などにより形成されるものである。なお、「前後方向」とは腹側(前側)と背側(後側)を結ぶ方向を意味し、「幅方向」とは前後方向と直交する方向(左右方向)を意味し、「上下方向」とはおむつの装着状態、すなわちおむつの前身頃両側部と後身頃量側部を重ね合わせるようにおむつを股間部で2つに折った際に胴回り方向と直交する方向、換言すればウエスト開口部WO側と股間部側とを結ぶ方向を意味する。
(内装体)
内装体200は任意の形状を採ることができるが、図示の形態では長方形である。内装体200は、図3〜図5に示されるように、身体側となる表面シート30と、液不透過性シート11と、これらの間に介在された吸収要素50とを備えているものであり、吸収機能を担う本体部である。符号40は、表面シート30を透過した液を速やかに吸収要素50へ移行させるために、表面シート30と吸収要素50との間に設けられた中間シート(セカンドシート)を示しており、符号60は、内装体200の両脇に排泄物が漏れるのを防止するために、内装体200の両側に設けられた、身体側に起立するバリヤーカフス60を示している。
(表面シート)
表面シート30は、液を透過する性質を有するものであり、例えば、有孔又は無孔の不織布や、多孔性プラスチックシートなどを例示することができる。また、このうち不織布は、その原料繊維が何であるかは、特に限定されない。例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維などや、これらから二種以上が使用された混合繊維、複合繊維などを例示することができる。さらに、不織布は、どのような加工によって製造されたものであってもよい。加工方法としては、公知の方法、例えば、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法、ポイントボンド法等を例示することができる。例えば、柔軟性、ドレープ性を求めるのであれば、スパンボンド法、スパンレース法が、嵩高性、ソフト性を求めるのであれば、エアスルー法、ポイントボンド法、サーマルボンド法が、好ましい加工方法となる。
また、表面シート30は、1枚のシートからなるものであっても、2枚以上のシートを貼り合せて得た積層シートからなるものであってもよい。同様に、表面シート30は、平面方向に関して、1枚のシートからなるものであっても、2枚以上のシートからなるものであってもよい。
バリヤーカフス60を設ける場合、表面シート30の両側部は、液不透過性シート11とバリヤーカフス60との間を通して、吸収要素50の裏側まで回りこませ、液の浸透を防止するために、液不透過性シート11及びバリヤーカフス60に対してホットメルト接着剤等により接着するのが好ましい。
(中間シート)
表面シート30を透過した液を速やかに吸収体へ移行させるために、表面シート30より液の透過速度が速い、中間シート(「セカンドシート」とも呼ばれている)40を設けることができる。この中間シート40は、液を速やかに吸収体へ移行させて吸収体による吸収性能を高めるばかりでなく、吸収した液の吸収体からの「逆戻り」現象を防止し、表面シート30上を常に乾燥した状態とすることができる。中間シート40は省略することもできる。
中間シート40としては、表面シート30と同様の素材や、スパンレース、スパンボンド、SMS、パルプ不織布、パルプとレーヨンとの混合シート、ポイントボンド又はクレープ紙を例示できる。特にエアスルー不織布が嵩高であるため好ましい。エアスルー不織布には芯鞘構造の複合繊維を用いるのが好ましく、この場合芯に用いる樹脂はポリプロピレン(PP)でも良いが剛性の高いポリエステル(PET)が好ましい。目付けは20〜80g/m2が好ましく、25〜60g/m2がより好ましい。不織布の原料繊維の太さは2.2〜10dtexであるのが好ましい。不織布を嵩高にするために、原料繊維の全部又は一部の混合繊維として、芯が中央にない偏芯の繊維や中空の繊維、偏芯且つ中空の繊維を用いるのも好ましい。
図示の形態の中間シート40は、吸収体56の幅より短く中央に配置されているが、全幅にわたって設けてもよい。中間シート40の長手方向長さは、吸収体56の長さと同一でもよいし、液を受け入れる領域を中心にした短い長さ範囲内であってもよい。
(液不透過性シート)
液不透過性シート11の素材は、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂等からなるプラスチックフィルムや、不織布の表面にプラスチックフィルムを設けたラミネート不織布、プラスチックフィルムに不織布等を重ねて接合した積層シートなどを例示することができる。液不透過性シート11には、近年、ムレ防止の観点から好まれて使用されている不透液性かつ透湿性を有する素材を用いることが好ましい。透湿性を有するプラスチックフィルムとしては、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を混練して、シートを成形した後、一軸又は二軸方向に延伸して得られた微多孔性プラスチックフィルムが広く用いられている。このほかにも、マイクロデニール繊維を用いた不織布、熱や圧力をかけることで繊維の空隙を小さくすることによる防漏性強化、高吸水性樹脂または疎水性樹脂や撥水剤の塗工といった方法により、プラスチックフィルムを用いずに液不透過性としたシートも、液不透過性シート11として用いることができる。
液不透過性シート11は、防漏性を高めるために、吸収要素50の両側を回りこませて吸収要素50の表面シート30側面の両側部まで延在させるのが好ましい。この延在部の幅は、左右それぞれ5〜20mm程度が適当である。
また、液不透過性シート11の内側、特に吸収体56側面に、液分の吸収により色が変化する排泄インジケータ80を設けることができる。
(バリヤーカフス)
バリヤーカフス60は、内装体200の両側部に沿って前後方向全体にわたり延在する帯状部材であり、表面シート30上を伝わって横方向に移動する尿や軟便を遮断し、横漏れを防止するために設けられているものである。本実施の形態のバリヤーカフス60は、内装体200の側部から起立するように設けられ、付け根側の部分は幅方向中央側に向かって斜めに起立し、中間部より先端側の部分は幅方向外側に向かって斜めに起立するものである。
より詳細には、バリヤーカフス60は、内装体200の前後方向長さに等しい長さを有する帯状のバリヤーシート62を幅方向に折り返して二つに折り重ねるとともに、折り返し部分及びその近傍のシート間に、細長状弾性伸縮部材63を長手方向に沿って伸張状態で、幅方向に間隔をあけて複数本固定してなるものである。バリヤーカフス60のうち幅方向において折り返し部分と反対側の端部は内装体200の側縁部の裏面に固定された取付部分65とされ、この取付部分65以外の部分は取付部分65から突出する突出部分66(折り返し部分側の部分)とされている。また、突出部分66のうち前後方向両端部は、取付部分65から内装体200の側部を通り表面シート30の側部表面まで延在し且つこの表面シート30の側部表面に対してホットメルト接着剤やヒートシールによる前後固定部67固定された付け根側部分と、この付け根側部分の先端から幅方向外側に折り返され且つ付け根側部分に固定された先端側部分とからなる。突出部分のうち前後方向中間部は非固定の自由部分(内側自由部分)とされ、この自由部分に前後方向に沿う細長状弾性部材63が伸張状態で固定されている。
バリヤーシート62としてはスパンボンド不織布(SS、SSS等)やSMS不織布(SMS、SSMMS等)、メルトブロー不織布等の柔軟で均一性・隠蔽性に優れた不織布に、必要に応じてシリコンなどにより撥水処理を施したものを好適に用いることができ、繊維目付けは10〜30g/m2程度とするのが好ましい。細長状弾性伸縮部材63としては糸ゴム等を用いることができる。スパンデックス糸ゴムを用いる場合は、太さは470〜1240dtexが好ましく、620〜940dtexがより好ましい。固定時の伸長率は、150〜350%が好ましく、200〜300%がより好ましい。また、図示のように、二つに折り重ねたバリヤーシートの間に防水フィルムを介在させることもできる。
バリヤーカフス60の自由部分に設けられる細長状弾性伸縮部材63の本数は2〜6本が好ましく、3〜5本がより好ましい。配置間隔60dは3〜10mmが適当である。このように構成すると、細長状弾性伸縮部材63を配置した範囲で肌に対して面で当たりやすくなる。先端側だけでなく付け根側にも細長状弾性伸縮部材63を配置しても良い。
バリヤーカフス60の取付部分65の固定対象は、内装体200における表面シート30、液不透過性シート11、吸収要素50等適宜の部材とすることができる。
かくして構成されたバリヤーカフス60では、細長状弾性伸縮部材63の収縮力が前後方向両端部を近づけるように作用するが、突出部分66のうち前後方向両端部が起立しないように固定されるのに対して、それらの間は非固定の自由部分とされているため、自由部分のみが図3に示すように身体側に当接するように起立する。特に、取付部分65が内装体200の裏面側に位置していると、股間部及びその近傍においてバリヤーカフス60が幅方向外側に開くように起立するため、バリヤーカフス60が脚周りに面で当接するようになり、フィット性が向上するようになる。
バリヤーカフス60の寸法は適宜定めることができるが、乳幼児用紙おむつの場合は、例えば図7に示すように、バリヤーカフス60の起立高さ(展開状態における突出部分66の幅方向長さ)W6は15〜60mm、特に20〜40mmであるのが好ましい。また、バリヤーカフス60をトップシート30表面と平行になるように、平坦に折り畳んだ状態において最も内側に位置する折り目間の離間距離W3は60〜190mm、特に70〜140mmであるのが好ましい。
なお、図示形態と異なり、内装体200の左右各側においてバリヤーカフスを二重に(二列)設けることもできる。
(吸収要素)
吸収要素50は、吸収体56と、この吸収体56の全体を包む包装シート58とを有する。包装シート58は省略することもできる。
(吸収体)
吸収体56は、繊維の集合体により形成することができる。この繊維集合体としては、綿状パルプや合成繊維等の短繊維を積繊したものの他、セルロースアセテート等の合成繊維のトウ(繊維束)を必要に応じて開繊して得られるフィラメント集合体も使用できる。繊維目付けとしては、綿状パルプや短繊維を積繊する場合は、例えば100〜300g/m2程度とすることができ、フィラメント集合体の場合は、例えば30〜120g/m2程度とすることができる。合成繊維の場合の繊度は、例えば、1〜16dtex、好ましくは1〜10dtex、さらに好ましくは1〜5dtexである。フィラメント集合体の場合、フィラメントは、非捲縮繊維であってもよいが、捲縮繊維であるのが好ましい。捲縮繊維の捲縮度は、例えば、1インチ当たり5〜75個、好ましくは10〜50個、さらに好ましくは15〜50個程度とすることができる。また、均一に捲縮した捲縮繊維を用いる場合が多い。吸収体56中には高吸収性ポリマー粒子を分散保持させるのが好ましい。
吸収体56は長方形形状でも良いが、図1にも示すように、前端部、後端部及びこれらの間に位置し、前端部及び後端部と比べて幅が狭い括れ部とを有する砂時計形状を成していると、吸収体56自体とバリヤーカフス60の、脚回りへのフィット性が向上するため好ましい。
また、吸収体の寸法は適宜定めることができるが、前後方向及び幅方向において、内装体の周縁部又はその近傍まで延在しているのが好ましい。
(高吸収性ポリマー粒子)
吸収体56には、その一部又は全部に高吸収性ポリマー粒子を含有させることができる。高吸収性ポリマー粒子とは、「粒子」以外に「粉体」も含む。高吸収性ポリマー粒子の粒径は、この種の吸収性物品に使用されるものをそのまま使用でき、1000μm以下、特に150〜400μmのものが望ましい。高吸収性ポリマー粒子の材料としては、特に限定無く用いることができるが、吸水量が40g/g以上のものが好適である。高吸収性ポリマー粒子としては、でんぷん系、セルロース系や合成ポリマー系などのものがあり、でんぷん−アクリル酸(塩)グラフト共重合体、でんぷん−アクリロニトリル共重合体のケン化物、ナトリウムカルボキシメチルセルロースの架橋物やアクリル酸(塩)重合体などのものを用いることができる。高吸収性ポリマー粒子の形状としては、通常用いられる粉粒体状のものが好適であるが、他の形状のものも用いることができる。
高吸収性ポリマー粒子としては、吸水速度が40秒以下のものが好適に用いられる。吸水速度が40秒を超えると、吸収体56内に供給された液が吸収体56外に戻り出てしまう所謂逆戻りを発生し易くなる。
また、高吸収性ポリマー粒子としては、ゲル強度が1000Pa以上のものが好適に用いられる。これにより、嵩高な吸収体56とした場合であっても、液吸収後のべとつき感を効果的に抑制できる。
高吸収性ポリマー粒子の目付け量は、当該吸収体56の用途で要求される吸収量に応じて適宜定めることができる。したがって一概には言えないが、50〜350g/m2とすることができる。ポリマーの目付け量が50g/m2未満では、吸収量を確保し難くなる。350g/m2を超えると、効果が飽和する。
必要であれば、高吸収性ポリマー粒子は、吸収体56の平面方向で散布密度あるいは散布量を調整できる。たとえば、液の排泄部位を他の部位より散布量を多くすることができる。男女差を考慮する場合、男用は前側の散布密度(量)を高め、女用は中央部の散布密度(量)を高めることができる。また、吸収体56の平面方向において局所的(例えばスポット状)にポリマーが存在しない部分を設けることもできる。
(包装シート)
包装シート58を用いる場合、その素材としては、ティッシュペーパ、特にクレープ紙、不織布、ポリラミ不織布、小孔が開いたシート等を用いることができる。ただし、高吸収性ポリマー粒子が抜け出ないシートであるのが望ましい。クレープ紙に換えて不織布を使用する場合、親水性のSMS不織布(SMS、SSMMS等)が特に好適であり、その材質はポリプロピレン、ポリエチレン/ポリプロピレン複合材などを使用できる。目付けは、5〜40g/m2、特に10〜30g/m2のものが望ましい。
包装シート58の包装形態は適宜定めることができるが、製造容易性や前後端縁からの高吸収性ポリマー粒子の漏れ防止等の観点から、吸収体56の表裏面及び両側面を取り囲むように筒状に巻き付け、且つその前後縁部を吸収体56の前後から食み出させ、この食み出し部分を表裏方向に潰してホットメルト接着剤等の接合手段により接合する形態が好ましい。
(外装シート)
外装シート12は、股間部から腹側に延在する前身頃Fと、股間部から背側に延在する後身頃Bとを有し、これら前身頃Fの両側部と後身頃Bの両側部とが接合されて、図8及び図9に示すように、装着者の胴を通すための胴開口部WO及び脚を通すための左右一対の脚開口部LOが形成されているものである。符号12Aは接合部分を示している(以下、この部分をサイドシール部ともいう)。なお、股間部とは、展開状態における前身頃のウエスト端縁から後身頃のウエスト端縁までの前後方向中央を意味し、それよりも前側の部分及び後側の部分が前身頃F及び後身頃Bをそれぞれ意味する。
外装シート12は、胴開口部WOから脚開口部LOの上端に至る前後方向範囲として定まる胴周り部Tと、脚開口部LOを形成する部分の前後方向範囲として定まる中間部Lとを有する。胴周り部Tは、概念的に「ウエスト側端部」Wと「胴周り下部」Uとに分けることができる。これらの前後方向の長さは、製品のサイズによって異なり、適宜定めることができるが、一例を挙げると、ウエスト側端部Wは15〜40mm、胴周り下部Uは65〜120mmとすることができる。一方、中間部Lの両側縁は被着者の脚周りに沿うように括れており、ここが着用者の脚を入れる部位となる。この結果、外装シート12は、全体としては略砂時計形状をなしている。外装シート12の括れの程度は適宜定めることができ、図1〜図10に示す形態のように、すっきりとした外観とするために最も幅が狭い部分では内装体200の幅より狭くすることが好ましいが、最も幅が狭い部分でも内装体200の幅以上となるように定めてもよい。
外装シート12は、図3〜図5に示されるように、二枚のシート基材12S,12Hをホットメルト接着剤等の接着剤により張り合わせて形成されるものであり、内側に位置する内側シート基材12Hはウエスト開口部WOの縁までしか延在していないが、外側シート基材12Sは内側シート基材12Hのウエスト側の縁を回り込んでその内側に折り返されており、この折り返し部分12rは内装体200のウエスト側端部上までを被覆するように延在されている。
シート基材12S,12Hとしては、シート基材であれば特に限定無く使用できるが、不織布であるのが好ましい。不織布は、その原料繊維が何であるかは特に限定されない。例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維などや、これらから二種以上が使用された混合繊維、複合繊維などを例示することができる。さらに、不織布は、どのような加工によって製造されたものであってもよい。加工方法としては、公知の方法、例えば、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法、ポイントボンド法等を例示することができる。不織布を用いる場合、その坪量は10〜30g/m2程度とするのが好ましい。
また、後述する消臭シート25にデザイン印刷を施す場合、外装シート12を通してそのデザインを製品外面から良好に視認できるように、外装シート12の総目付けは20〜60g/m2程度であるのが好ましく、外装シート12のJIS K 7105に規定される全光線透過率が40%以上、特に50%以上となっているのが好ましい。
そして、外装シート12には、胴回りに対するフィット性を高めるために、両シート基材12S,12H間に糸ゴム等の細長状弾性伸縮部材15〜19が所定の伸張率で設けられている。細長状弾性伸縮部材15〜19としては、合成ゴムを用いても、天然ゴムを用いても良い。外装シート12の両シート基材12S,12Hの貼り合せや、その間に挟まれる細長状弾性伸縮部材15〜19の固定には種々の塗布方法によるホットメルト接着またはヒートシールや超音波接着を用いることができる。外装シート12全面を強固に固定するとシートの風合いを損ねるため好ましくない。これらを組合せ、細長状弾性伸縮部材15〜19の接着は強固にし、それ以外の部分は接着しないか弱く接着するのが好ましい。
より詳細には、後身頃B及び前身頃Fのウエスト端部(上端部)Wにおける内側シート基材12Hの内側面と外側シート基材12Sの折り返し部分12rの外側面との間には、幅方向全体にわたり連続するように、複数のウエスト部弾性伸縮部材17,18が上下方向に間隔を空けて、かつ所定の伸張率で幅方向に沿って伸張された状態で固定されている。また、ウエスト部弾性伸縮部材17,18のうち、胴周り下部Uに隣接する領域に配設される1本または複数本については、内装体200と重なっていてもよいし、内装体200と重なる幅方向中央部を除いてその幅方向両側にそれぞれ設けてもよい。このウエスト弾性伸縮部材17,18としては、太さ155〜1880dtex、特に470〜1240dtex程度(合成ゴムの場合。天然ゴムの場合には断面積0.05〜1.5mm2、特に0.1〜1.0mm2程度)の糸ゴムを、4〜12mmの間隔で3〜22本程度、それぞれ伸張率150〜400%、特に220〜320%程度で固定するのが好ましい。また、ウエスト部弾性伸縮部材17,18は、その全てが同じ太さと伸張率にする必要はなく、例えばウエスト側端部Wの上部と下部で弾性伸縮部材の太さと伸張率が異なるようにしてもよい。
また、前身頃F及び後身頃Bの胴周り下部Uにおける内側シート基材12Hの外側面と外側シート基材12Sの内側面との間には、内装体200と重なる幅方向中央部を除いて、その上側および幅方向両側の各部位に、幅方向全体にわたり連続するように、複数の細長状弾性伸縮部材15,19が上下方向に間隔を空けて、かつ所定の伸張率で幅方向に沿って伸張された状態で固定されている。
胴回り下部Uの細長状弾性伸縮部材15,19としては、太さ155〜1880dtex、特に470〜1240dtex程度(合成ゴムの場合。天然ゴムの場合には断面積0.05〜1.5mm2、特に0.1〜1.0mm2程度)の糸ゴムを、1〜15mm、特に3〜8mmの間隔で5〜30本程度、それぞれ伸張率200〜350%、特に240〜300%程度で固定するのが好ましい。
また、前身頃F及び後身頃Bの中間部Lにおける内側シート基材12Hの外側面と外側シート基材12Sの内側面との間には、内装体200と重なる幅方向中央部を除いて、その幅方向両側の各部位に、幅方向全体にわたり連続するように、複数の細長状弾性伸縮部材16が上下方向に間隔を空けて、かつ所定の伸張率で幅方向に沿って伸張された状態で固定されている。
中間部Lの細長状弾性伸縮部材16,18としては、太さ155〜1880dtex、特に470〜1240dtex程度(合成ゴムの場合。天然ゴムの場合には断面積0.05〜1.5mm2、特に0.1〜1.0mm2程度)の糸ゴムを、5〜40mm、特に5〜20mmの間隔で2〜10本程度、それぞれ伸張率150〜300%、特に180〜260%で固定するのが好ましい。
なお、図示のように、胴回り下部U及び中間部Lの細長状弾性伸縮部材15,19,16,18が、内装体200と重なる幅方向中央部を除いてその幅方向両側にそれぞれ設けられていると、内装体200が幅方向に必要以上に収縮することがなく、モコモコと見た目が悪かったり吸収性が低下したりすることがないため好ましい。この形態には、幅方向両側にのみ弾性伸縮部材が存在する形態の他、内装体200を横切ってその幅方向一方側から他方側まで弾性伸縮部材が存在しているが、内装体200と重なる幅方向中央部では弾性伸縮部材が切断され、伸縮力が作用しない(実質的には、弾性伸縮部材を設けないことに等しい)ように構成されている形態も含まれる。もちろん細長状弾性伸縮部材15,19,16,18の配設形態は上記例に限るものではなく、胴回り下部Uの幅方向全体にわたり伸縮力が作用するように、胴回り下部Uの細長状弾性伸縮部材15,19,16,18の一部または全部を、内装体200を横切ってその幅方向一方側から他方側まで設けることもできる。
また、細長状弾性伸縮部材15〜19が後述するデザイン印刷を施した消臭シート25を横切る場合において、細長状弾性伸縮部材15〜19として酸化チタンを含有するゴムを用いる場合には、酸化チタンの含有量が低い(例えば2%以下の)ものあるいは酸化チタンを含有しないものを用いるのが好ましい。
(後処理テープ)
外装シート12の後身頃Bの外面における幅方向中央部には、後処理テープ70(固定手段)が設けられている。後処理テープ70は、おむつを表面シート30が内側に且つ前身頃Fが内側となるように丸め若しくは折り畳んだ状態で固定するためのものである。一般的な後処理テープ70は、図5に示すように、基端部71が外装シート12の外面に接着剤等により固定されるとともに、この基端部71よりも先端側の部分は三つ折り(断面Z字状)や二つ折りで折り畳まれて、折り重なり部分間が仮止め接着剤72により剥離可能に固定(仮固定)されている。また、先端部に白色等の不透明色に着色された摘み部73を有するとともに、この摘み部73を除く部分が透明または半透明であり、この後処理テープ70における透明または半透明の部分を通して、後処理テープ70の外面側から後述するデザインが視認可能になっている。具体的な構造は適宜構成することができるが、図示形態では、全体を透明又は半透明の複数の基材を長手方向に連結して形成するとともに、摘み部73に着色テープ74を張り合わせた構造を採用している。
廃棄時には、おむつを表面シート30が内側になるとともに前身頃Fが内側となるように丸め若しくは折り畳んだ後、後処理テープ70の折り重なり部分を剥離して展ばし、丸めた若しくは折り畳んだおむつの後身頃Bからウエスト開口部WOを越えて反対側の外面まで巻き付けるようにして接着剤により固定する。後処理テープ70は、不使用時にはコンパクトに折り畳まれ、使用時には長尺状に展開できる三つ折り形状のものが特に好適である。
図示しないが、所謂テープ式使い捨ておむつは、身体にあてがった状態で、後身頃の両側部から突出する止着テープを腹側外面に止着することにより装着を行い、使用後は、止着テープを一旦腹側外面から取り外しした後に、前身頃と後身頃とを重ねて前身頃が内側となるように股間部側から丸め若しくは折り畳み、しかる後、後身頃の両側部の止着テープを丸めた若しくは折り畳んだおむつの両側から回しこみ外面に固定する。よって、テープ式使い捨ておむつの場合にはこの止着テープが後処理テープでもある。
また、図12に示すように、パンツ型使い捨ておむつにおいても、テープ式使い捨ておむつの止着テープと同様に、後身頃Bにおける両側部に後処理テープ70をそれぞれ設けることも可能である。この場合も、おむつを表面シート30が内側になるとともに前身頃Fが内側となるように丸め若しくは折り畳んだ後、後処理テープ70をそれぞれ引き出し、丸めた若しくは折り畳んだおむつの両側を回りこませ、反対側の外面まで巻き付けて固定する。
なお、後処理テープ70等の固定手段は、前身頃Fに設けてもよく、後身頃Bと前身頃Fの両方に設けてもよい。
(消臭シート)
液不透過性シート11と外装シート12との間(外装シート12の層間を含む)には、印刷によりデザインの施された消臭シート25が設けられている。外装シート12を省略し、消臭シート25が外面に露出する形態とすることもできる。また、図示例の消臭シート25は、それが配置される身頃よりも小さい面積を有しており、前身頃F及び後身頃Bに個別に設けられているが、前身頃Fから股間部を通り後身頃Bまで一体的に連続するように設けることもできる。
消臭シート25の寸法・形状は特に限定されないが、消臭機能を十分なものとするためには十分に面積を大きくするのが好ましく、例えば、消臭シート25の幅25Xは吸収体56の幅の50〜120%程度であるのが好ましく、消臭シート25の長さ25Yは少なくとも腹側及び背側の片側で物品全長Yの15〜30%程度であるのが好ましい。また、消臭シート25の形状はトリムロスが発生しない点では図示例のような矩形であるのが好ましいが、円形や楕円形、三角形、六角形等の幾何学形状、若しくはデザインの周囲に沿う形状にカットしても良い。
消臭シート25は、シート基材と、このシート基材に接着樹脂を介して固定された消臭剤粒子とを有するものであり、且つ消臭剤粒子の外面に接着樹脂により被覆されていない部分を有するものである。
消臭シート25のシート基材としては、プラスチックフィルムや不織布、紙などを用いることができるが、嵩高く通気性の高い素材が好ましい。消臭シート25のシート基材が通気性を有する繊維集合体、特にパルプ繊維を主原料とする紙であると、基材自体が臭気吸着により若干の消臭効果を発揮できるとともに、基材の表面積が大きく通気性があることから後述する消臭剤粒子と臭気との接触確率が向上し、消臭効率が向上する。プラスチックフィルムを用いる場合は、ムレ防止のため透湿性を有することが望ましい。不織布や紙は透湿性を有するため好ましく、後述するデザイン印刷を施す場合、不織布にあっては平滑性が高く印刷しやすいもの、紙にあっては強度が高くインクの滲み難いものを用いるのが好ましい。特に好ましいものとしては、目付け15〜35g/m2程度、厚み0.1〜0.3mm程度のクレープ紙(薄葉紙)や、目付け10〜25g/m2程度、厚み0.1〜0.3mm程度の不織布(特にスパンボンド部の繊度が1.0〜3.0dtex程度のスパンボンド不織布やSMS不織布)を挙げることができる。クレープ紙を用いる場合は、クレープ率は5〜20%程度、特に5〜15%程度のものを用いるのが好ましい。クレープ率が20%以上であると、インクの定着量は大きくなるが滲みが生じてデザイン印刷には適さない。クレープ率が5%以下であるとインクが浸透しにくいため定着量が少ない。
消臭剤粒子は特に限定されないが、臭気を物理吸着(表面吸着)する立体構造、層状構造、あるいは多孔質構造を有するものが好適であり、物理吸着のみを行うものでも化学吸着機能を併せ持つものでも良い。消臭剤粒子の構成物質は活性炭、ゼオライト(三次元骨格構造をもつアルミノシリケート)粒子、ジルコニウムリン酸塩からなる層状構造粒子、ケイ酸塩からなる立体構造粒子、酸化亜鉛等、公知の消臭剤粒子を用いることができる。多孔質粒子の細孔径は、表面積の観点から、通常1〜10オングストローム、特に3〜10オングストロームであるのが好ましい。細孔径が大き過ぎると表面積減少により効果が低下し、小さすぎると分子径の大きな臭気発生物質の吸着能が低下する。同様に、嵩密度/真密度は0.1〜0.3程度が好ましい。このような多孔質消臭剤粒子は、特に吸収性物品の廃棄時に問題となる臭気成分、具体的にはアンモニア、硫化水素、メチルメルカプタン、酢酸等の吸着性能に優れる点で好ましい。
また、消臭剤粒子は臭気分子を化学的に吸着する金属イオンを含有するのが好ましい。例としては、粒子物質中のイオン交換可能なイオンの一部または全部を銀イオン、銅イオン、亜鉛イオン等で置換してなる粒子を挙げることができ、より具体的にはゼオライト中のイオン交換可能なイオンの一部または全部を銀イオンで置換してなる粒子(市販品としては(株)シナネンゼオミック社のゼオミック(登録商標))や、ジルコニウムリン酸塩中のイオン交換可能なイオンの一部または全部を銅イオンで置換してなる粒子(Zr3(PO4・Cu2+))、ケイ酸塩中のイオン交換可能なイオンの一部または全部を銅イオンで置換してなる粒子、酸化亜鉛粒子、ケイ酸塩中のイオン交換可能なイオンの一部または全部を亜鉛イオンで置換してなる粒子等を例示することができる。一例として、銅イオンによる消臭(化学吸着)反応式を挙げると、次のとおりである。この場合、臭気分子と金属イオンとが配位結合し、錯イオンを形成する。
Cu2+ + H2S → H2S:Cu2+
消臭剤粒子に銀イオンが含有されている場合、湿度、太陽光、蛍光、Noxなどで黄色く変色するおそれがある。よって、消臭剤粒子として、粒子物質中のイオン交換可能なイオンの一部または全部を銀イオンで置換してなる粒子を用いる場合、次の(イ)〜(ハ)の少なくとも一つの構成を採用するのが好ましい。
(イ)消臭シート25における単位面積当たりの銀イオンの含有量を0.3mg/m2以下に抑える。これにより、変色の程度を抑えることができる。
(ロ)消臭剤粒子の接着手段としてのインクに黄色のインクを用いる。これにより、変色を目立ち難くすることができる。
(ハ)消臭シート25のシート基材のJIS K7105に規定される全光線透過率が50%以下、特に40%以下とし、液不透過性シート11側面にのみ消臭剤粒子を付着させる。これにより、変色が製品外面からは目立ち難くなる。(ハ)の場合は、シートの目付けや地合いの調整により全光線透過率を低く抑えてもよいが、白色その他のインクを全面に印刷(下地印刷)することで全光線透過率を下げてもよい。
接着樹脂は、消臭剤粒子をシート基材に接着しうる限り特に限定されないが、ウレタン系樹脂(ポリウレタン樹脂)が好適である。このように通気性の高い接着樹脂を用いることにより、消臭剤粒子に対する臭気の接触効率が高くなり、より優れた消臭効果が発揮されるようになる。ウレタン系樹脂は、有機ジイソシアネート化合物と高分子ジオール化合物とを反応させてウレタンプレポリマーを合成し、さらに鎖伸長剤、反応停止剤を反応させて得ることができる。ポリウレタン樹脂を合成するために利用可能な有機ジイソシアネート化合物としては、脂肪族ジイソシアネート化合物(例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートなど)、脂環族ジイソシアネート化合物(例えば、イソホロンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネートなど)、芳香脂肪族ジイソシアネート化合物(キシリレンジイソシアネート、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなど)、芳香族ジイソシアネート化合物(例えば、トルイレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなど)を挙げる事ができる。
消臭剤粒子の外面に接着樹脂により被覆されていない部分を有する構造とするため、並びに消臭効果を十分なものとするため、及び製造を容易にするためには、消臭剤粒子の平均粒径(JIS K 1474−2007に規定されるメジアン径)は2.0〜8.0μm、特に2.0〜5.0μmのものを用いるのが好ましい。平均粒径が小さ過ぎると取り扱いが困難となり、平均粒径が大き過ぎると表面積の減少により消臭効果が低下する。従って、インクを塗布して乾燥した後の膜厚は、2.0μm未満であると接着樹脂の塗膜から前記消臭剤粒子の多くが露出するため好ましく、1.0〜1.5μm程度であると、消臭効果も十分なものとなるため特に好ましい。さらに、接着樹脂100重量部に対して消臭剤粒子を1〜20重量部含むのが好ましい。
消臭シート25は、後処理テープ70を有する身頃に設けられている。すなわち、図示例の使い捨ておむつでは、後身頃Bに後処理テープ70が設けられており、廃棄時には前述のように表面シート30が内側になるとともに前身頃Fが内側となるように丸めた若しくは折り畳んだ状態で固定される。このような廃棄形態では、表面シート30に付着した排泄物や吸収体56により吸収した排泄物から発生する臭気は後身頃Bを通り外部に放出される過程で、後身頃Bに設けられた消臭シート25と接触するため、より効果的に消臭効果が発揮される。また、丸めた若しくは折り畳んだ廃棄形態において、消臭シート25がより外側に近く位置するため、外部に存在する臭気に対しても消臭効果が効果的に発揮される利点もある。従って、このような効果を発揮させるためには、図示例とは逆に前身頃Fに後処理テープ70等の固定手段が設けられている場合は、消臭シート25も前身頃Fに設けることが必要となる。また、このような効果を発揮させるためには、消臭シート25の少なくとも一部が吸収体56と重なるように配置されている方が好ましく、例えば図示形態のように幅方向中央部に配置されている方が好ましいが、消臭シート25の全体が吸収体56と重ならないように設けられていても良い。
より詳細には、図1〜図11に示すように幅方向中央部にのみ後処理テープ70を設ける形態では、消臭シート25は、後処理テープ70における少なくとも基端部71の一部、好ましくは全部と重なるように設けられているのが好ましく、さらにその重なり部分が吸収体56とも重なるように設けられているのが好ましい。また、図12に示すように、両側部にそれぞれ後処理テープ70を設ける場合には、これら左右の後処理テープ70を結ぶ線が消臭シート25上を横断するように、消臭シート25を配置するのが好ましい。いずれの場合にも、図11及び図13にそれぞれ示すように、おむつを丸めた若しくは折り畳んだ廃棄形態において、臭気に対する接触効率がより高い部位、つまり臭気発生源に対して外側であって且つ外面により近い部位に消臭シート25が位置するようになる。
消臭シート25は、その表面側に位置するシートである液不透過性シート11、及び裏面側に位置するシートである外装シート12に対してそれぞれ接着されている。図中の符号25Bは接着剤の塗布部分を示している。これらシート11,12に対する接着形態は適宜定めれば良いが、液不透過性シート11に対しては消臭シート25の少なくとも一部が離間して空間を形成するように、接着面積が消臭シート25の面積の0〜70%程度、特に0〜20%程度となるように間欠的に接着するのが好ましい。具体的には、接着剤の塗布部分25Bを縞状(複数条平行に設ける形態、図6形態では横縞状)や格子状等にして非塗布部分25Uを形成する。このように、消臭シート25とその吸収体56側に位置する液不透過性シート11との間に非塗布部分を設けることで、液不透過性シート11と消臭シート25との間に一時的に臭気を保持する空間を形成し、液不透過性シート11側からの臭気を効率良く消臭シート25に接触させることができるようになり、消臭効果を高めることが可能となる。なお、接着剤の塗布部分25Bには、カーテンスプレー、サミットスプレー、スパイラルスプレー等の塗布方式を用い、互いに交差する多数の繊維状あるいは糸状の接着剤により実質的に面状の塗布パターンを形成するのが好ましい。このような接着剤の塗布パターンは、接着面積が広いために接着強度に優れるとともに、繊維状あるいは糸状の接着剤同士の間は通気が妨げられないため、物品の通気性が大きく低下することがない。このような塗布パターンにおける接着剤の塗布目付けは、通常2〜8g/m2程度であり、繊維状あるいは糸状の接着剤1本の太さは0.02〜1mm程度である。
一方、外装シート12に対しては消臭シートがほぼ密着するように、接着面積が消臭シート25の面積の80〜100%程度となるように密に接着するのが好ましい。消臭シート25とその外面側に位置する外装シート12とを密に接着することで、当該物品の外部に存在する臭気に対しても消臭効果が効果的に発揮される。従って、外装シート12と消臭シート25との接着においても、カーテンスプレー、サミットスプレー、スパイラルスプレー等の塗布方式が好適である。
また、消臭シート25は、それが配置される身頃に占める吸収体56の面積の30%以上、より好ましくは50%以上の面積を有しており、且つそのうちの80%以上が吸収体56と重なっていると、臭気に対する接触効率の点でより好ましいものとなる。
さらに、液不透過性シート11としては、透湿性が高いもの、具体的には6000g/m2・24h以上であるものを用いても、消臭性に優れるため臭気が気にならない。むしろ、臭気が液不透過性シート11を効率良く透過して消臭シート25に接触するようになるため好ましい。
他方、消臭シート25の製造方法として、消臭剤粒子、接着樹脂、及び溶媒を主成分とするインクを用い、基材シート上に形成されるインクの膜厚が消臭剤粒子の平均粒子径よりも薄くなるように、基材シートに印刷を行い、印刷部分に消臭剤粒子を含む消臭シート25を得る手法を提案する。かくして得られた消臭シートをおむつの製造ラインに供給し、所定部位に接着剤等により固定することで上述のおむつを得ることができる。
インクには、一般的な印刷インキや塗料で使用されている各種の無機顔料(例えば、酸化チタン、ベンガラ、アンチモンレッド、カドミウムイエロー、コバルトブルー、紺青、群青、カーボンブラック、黒鉛など有色顔料、および、炭酸カルシウム、カオリン、クレー、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、タルクなどの体質顔料など)や、有機顔料(例えば、溶性アゾ顔料、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合アゾ顔料、銅フタロシアニン顔料、縮合多環顔料など)を含有させることができる。
溶媒としては、消臭シート25に残留した場合にも人体への影響が少ないイソプロピルアルコール等のアルコール系あるいは酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル系の有機溶媒が好適である。
また、消臭剤粒子の外面に接着樹脂により被覆されていない部分を有する構造とするため、並びに消臭効果を十分なものとするため、及び製造を容易にするためには、インクの配合としては、接着樹脂100重量部に対して、消臭剤を50〜130重量部及び溶媒を600〜1500重量部とするのが好適である。また、消臭シート25における消臭剤粒子及び接着樹脂の合計含有量が、1m2当り0.10〜0.60g/m2程度であるようにすると、接着樹脂により被覆されていない消臭剤粒子部分が多くなるため好ましく、0.20〜0.35g/m2程度であると特に好ましい。後述するようなデザイン印刷を兼ねた消臭印刷を施す場合、インクにおける顔料の含有量は、0.5〜50重量%の範囲で適宜調整するのが好ましい。インク膜厚が大きくなると、消臭剤粒子の被覆されない部分が少なくなる。従って、インクにおける顔料の含有量は、10重量%以下(2重量%以上)とするのが望ましい。また、塗布乾燥後(溶媒揮発後)のインクにおいては、消臭剤粒子は20〜60重量%程度含まれるのが好ましく、消臭剤粒子以外の成分の含有量と消臭剤粒子の含有量をほぼ同量(±10重量%以内)とするのがより好ましい。また、塗布乾燥後(溶媒揮発後)のインクにおける消臭剤粒子及び接着樹脂以外の成分の含有量は、30重量%以下であることが好ましく、10重量%以下であることがより好ましい。インク塗布量(溶媒揮発前)は0.5〜3.0g/m2程度が好ましく、塗布乾燥後(溶媒揮発後)のインク膜厚が2.0μm未満となるようにするのが好ましい。特に、インク塗布量(溶媒揮発前)は1.0〜1.7g/m2程度としたときに、塗布乾燥後(溶媒揮発後)のインク膜厚が1.0〜1.5μm程度となるようにするのが好ましい。
消臭シート25の製造に際しては、基材シートに接着樹脂を塗布した後に、接着樹脂上に消臭剤粒子を散布することも可能であるが、付着効率や付着力が不十分になり易く、連続製造には不向きである。これに対して、単なるデザイン印刷を施しただけの(消臭剤粒子を含まない)印刷シートを液不透過性シート11と外装シート12との間に設けることは従来から行われているため、その際のデザイン用インクあるいはデザインとは別の専用インクに消臭剤粒子を混合するだけで、上述消臭シート製造方法を実施できる、つまり既存設備を利用又は応用して極めて容易に連続製造することができる。
また、この説明からも判るように、消臭シート25にデザイン印刷を施すと、デザイン用のシートを省略することができるため好ましい。この場合、消臭剤粒子を混合したインクを用いて消臭シート25の基材の表裏少なくとも一方の面にデザイン印刷を兼ねた消臭印刷を施しても良く、また、消臭シート25の基材の表裏少なくとも一方の面にデザイン印刷を施すとともに、このデザインの印刷インクとは別のインク(色は透明または半透明であることが好ましい)に消臭剤粒子を混合したものを用いて消臭シート25の基材の表裏少なくとも一方の面に消臭印刷を施しても良い。もちろん両者を組み合わせても良い。前者の場合、デザイン(柄等)印刷の形態により消臭剤粒子の含有部位や量が制約を受けるが、後者の場合にはそのような制約が無い。特に、物品外部からのデザインの視認性を向上するため、デザイン印刷を消臭シート25の外装シート12側面に施し、液不透過性シート11側からの臭気が効率よく消臭剤粒子と接触するよう、消臭剤粒子を含むインクによる印刷は液不透過性シート11側面に施すのが好ましい。また、このように印刷を施すことで、消臭剤粒子を含むインクによる消臭印刷とデザイン印刷とが干渉し合い、消臭効果やデザインの表現性を妨げることが無くなる。図10に、後者の場合におけるデザイン印刷部分25d及び消臭剤粒子含有インクによる印刷部分25z(以下、単に消臭剤粒子印刷部分ともいう)の組み合わせ例を示した。図10(a)に示す例は、消臭シート25の裏面(外側面)にデザイン印刷部分25dを設けるとともに、表面(液不透過性シート11側面)の全体に消臭剤粒子印刷部分25zを設けたものであり、図10(b)に示す例は、消臭シート25の裏面(外側面)にデザイン印刷部分25dを設けるとともに、表面(液不透過性シート11側面)に消臭剤粒子印刷部分25zを横縞状に設けたものであり、図10(c)に示す例は、消臭シート25の裏面(外側面)にデザイン印刷部分を25d設けるとともに、表面(液不透過性シート11側面)に消臭剤粒子印刷部分25zを格子状に設けたものである。また、図10(d)及び(e)に示す例は、消臭シート25の裏面(外側面)にデザイン印刷部分25dを設けるとともに、同じ面におけるデザイン印刷部分25d以外の部分(図示例では周縁部)に消臭剤粒子印刷部分25zを設けたものである。特に図10(b)や図10(c)の例のように、デザイン印刷部分25dと重なるように消臭剤粒子印刷部分25zを特定のパターンで設ける場合においては、消臭剤粒子を混合するインクは透明または半透明であることが好ましい。
(外装シート分割構造)
上述の例では、前身頃Fから後身頃Bまでを一体的な外装シート12により連続的に覆っているが、外装シートが、装着者の胴回りのうち腹側を覆う腹側外装シートと背側を覆う背側外装シートとに分割されており、腹側外装シートの幅方向中央部内面に内装体の前端部がホットメルト接着剤等により連結されるとともに、背側外装シートの幅方向中央部内面に内装体の後端部がホットメルト接着剤等により連結されており、腹側外装シートと背側外装シートとが股間側で連続しておらず、離間されている形態も採用することができる。この離間距離は150〜250mm程度とすることができる。この場合、内装体における液不透過性シートの裏面には、内装体の裏面全体を覆うように、あるいは腹側外装シートと背側外装シートとの間に露出する部分全体を覆うように、股間部外装シートを固定することもできる。股間部外装シートとしては、前述した外装シートに用いられるものと同様の資材を用いることができる。股間部外装シート外装シートに相当する。
次の(1)〜(4)に示す手順で実験を行い、消臭剤の種類(粒径)及び添加量の違いによる臭気物質(メチルメルカプタン、硫化水素)の消臭効果を調べた。なお、検知管はガステック社製のもの(メチルメルカプタンはNo.70L、硫化水素はNo.4LTもしくは4LK)を用いた。また、実験時の室温は20℃であった。特記の無い条件については全ての例について共通とした。
(1)シート状のサンプルを180mm×90mmの大きさにカットする。
(2)5L試験袋(臭気測定用テドラーバッグ)にサンプルを入れて空気3Lを注入する。
(3)試験ガス(メチルメルカプタン、硫化水素)を(2)の試験袋に注入し、濃度を4ppm(初期濃度)になるように設定する。
(4)一定時間(2,4,6時間)経過後の残存ガス濃度を検知管にて測定する。
実験結果を表1に示した。表1中のブランクは消臭剤粒子のみ省略した消臭シートを意味する。同表から、平均粒径が2.0μm以上であるサンプルの消臭性能が高くなっていることが判った。また、物理吸着能に乏しい酸化亜鉛よりも、表面積が大きく物理吸着能に富むケイ酸塩やゼオライトの方が消臭性能が高いことも判った。さらに、平均粒径が2.0μ以上であれば、消臭剤粒子の添加量(接着樹脂100重量部に対する重量比)が5重量部以上で消臭効果が発揮されることが判った。
Figure 0004659084
本発明は、上記例のようなパンツ型使い捨ておむつに好適なものであるが、テープ式の使い捨ておむつにも適用できるものである。
パンツ型使い捨ておむつの内面を示す、おむつを展開した状態における平面図である。 パンツ型使い捨ておむつの外面を示す、おむつを展開した状態における平面図である。 図1の3−3断面図である。 図1の4−4断面図である。 図1の5−5断面図である。 パンツ型使い捨ておむつの要部のみを示す、おむつを展開した状態における平面図である。 パンツ型使い捨ておむつの要部のみを示す、断面図である。 製品状態の正面図である。 製品状態の背面図である。 各種印刷形態を示す消臭シートの平面図である。 廃棄時の状態を概略的に示す斜視図である。 他の形態のパンツ型使い捨ておむつの後側を示す斜視図である。 廃棄時の状態を概略的に示す斜視図である。
11…液不透過性シート、12…外装シート、12r…折り返し部分、25…消臭シート、200…内装体、30…トップシート、40…中間シート、50…吸収要素、56…吸収体、58…包装シート、60…側部バリヤーカフス、62…バリヤーシート。

Claims (6)

  1. 前後方向中央より後側に延在する後身頃と、前後方向中央より前側に延在する前身頃とを有し、表面シートが内側になるように丸め若しくは折り畳んだ状態で固定するための後処理テープが前記前身頃及び後身頃の少なくとも一方の外面に設けられている使い捨ておむつであって、
    液透過性表面シートと、液不透過性シートと、これらの間に介在された吸収体と、前記液不透過性シートに対して吸収体と反対の側に配置された消臭シートとを備え、
    前記消臭シートは、シート基材と、このシート基材に接着樹脂を介して固定された消臭剤粒子とを有するものであり、且つ前記消臭剤粒子の外面に前記接着樹脂により被覆されていない部分を有するものであ
    前記後処理テープは、おむつ外面に固定された基端部と、この基端部より先端側の部分であって且つおむつ外面に係止される係止部とを有しており、
    前記消臭シートは、前記前身頃及び後身頃のうち少なくとも前記後処理テープを有する身頃に、前記後処理テープの少なくとも基端部の一部と重なるように配置されており、かつそれが配置される身頃よりも小さい面積を有し、少なくとも一部が前記吸収体と重なるように配置されている、
    ことを特徴とする吸収性物品。
  2. 前記消臭剤粒子の平均粒径が2.0〜8.0μmであり、前記接着樹脂100重量部に対して前記消臭剤粒子を50〜100重量部含み、前記消臭剤粒子及び前記接着樹脂の合計含有量が前記消臭シート1m2当り0.10〜0.60gである、請求項1記載の吸収性物品。
  3. 前記接着樹脂がウレタン系樹脂である、請求項2記載の吸収性物品。
  4. 前記消臭剤粒子は、臭気を物理吸着する立体構造、層状構造、あるいは多孔質構造を有し、且つ臭気分子を化学吸着する金属イオンを含有するものである、請求項3記載の吸収性物品。
  5. 前記シート基材は不織布または紙からなり、且つ通気性を有するものである、請求項4記載の吸収性物品。
  6. 前記液不透過性シートの裏面を覆う外装シートを有するとともに、これら液不透過性シートと外装シートとの間に前記消臭シートが配置されており、
    前記消臭シートと前記液不透過性シートとは、前記消臭シートの面積の70%以下の接着面積で貼り合わされており、
    前記消臭シートと前記外装シートとは、前記消臭シートの面積の80%以上の接着面積で貼り合わされており、
    前記消臭シートは、それが配置される身頃に占める吸収体の面積の30%以上の面積を有しており、且つそのうちの80%以上が吸収体と重なっており、
    前記液不透過性シートは透湿性が6000g/m2・24h以上である、
    請求項記載の吸収性物品。
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