以下に、本発明の実施例(第1実施例)について説明するが、本発明の趣旨を越えない限り何ら、本実施例に限定されるものでない。
本発明の折り畳みコンテナーは、底部1と、底部1の長辺側土手部1aにヒンジ連結された相対する長側壁2と、長辺側土手部1aより高さの低い短辺側土手部1bにヒンジ連結された相対する短側壁3とから構成されており、図1に示されている箱型に組み立てられた状態から、先ず最初に、短側壁3を、図2に示されているように、底部1に重なるように倒し、次いで、長側壁2を、底部1に重ねられた短側壁3に重なるように倒すことにより、図3に示されているように、折り畳みコンテナーを、高さの低いコンパクトに折り畳むことができるように構成されている。また、図3に示されている状態から、長側壁2を、略垂直に立て、次いで、短側壁3を略垂直に立てることにより、図1に示されているように、折り畳まれていた折り畳みコンテナーを、箱型に組み立てることができるように構成されている。
長側壁2は、横長の略長方形状の板状部2aを有しており、長側壁2の両垂直端には、板状部2aに略垂直で、且つ、長側壁2の内壁面方向に延在する、縦長の係合枠2bが形成されており、係合枠2bには、上下方向に所定の間隔を置いて、板状部2aに略平行な嵌合孔2b1が、適当数、形成されている(本実施例においては、2個の嵌合孔2b1が形成されている。)。
長側壁2の板状部2aの上部両端角部付近には、それぞれ、略コの字状のスリット2cが形成されており、略コの字状のスリット2cを形成することにより、スリット2cで囲まれた部分が、水平方向に延在する片持ち状の係止弾性片2dが形成されている。係止弾性片2dの内面側の先端には、係止突部2d1が突設されており、係止突部2d1の係合枠2b側は、係合枠2bの内面側の面と略平行な垂直面に形成されている。
長側壁2の板状部2aの上下端には、板状部2aに略垂直で、且つ、外側に延在する上端水平リブ2e及び下端水平リブ2fが形成されており、また、板状部2aの外面(折り畳みコンテナーを箱型に組み立てた際に、外側に位置する面)には、適当数の垂直リブ2gや水平リブ2hが形成されている。
短側壁3は、横長の略長方形状の板状部3aを有しており、板状部3aの上下端には、板状部3aに略垂直で、且つ、外側に延在する上端水平リブ3b及び下端水平リブ3cが、それぞれ形成されており、また、板状部3aの左右端には、板状部3aに略垂直で、且つ、外側に延在する端部垂直リブ3dが、それぞれ形成されている。端部垂直リブ3dの外側には、縦長の延長枠3eが形成されており、延長枠3eには、端部垂直リブ3dに沿って適当数の嵌合突部3e1が形成されている(本実施例においては、上述した係合枠2bに形成された2個の嵌合孔2b1に対応して、2個の嵌合突部3e1が形成されている。)。嵌合突部3e1は、上述した長側壁2の係合枠2bに形成された嵌合孔2b1に挿入できるように構成されている。更に、板状部3aの外面(折り畳みコンテナーを箱型に組み立てた際に、外側に位置する面)には、適当数の垂直リブ3fや水平リブ3gが形成されている。
折り畳みコンテナーを、図3に示されている折り畳まれた状態から、図1に示されている箱型に組み立てるには、先ず最初に、略水平状態の長側壁2を、垂直方向に回動させて、図2に示されているように、略垂直に立てる。次いで、底部1に重なるようにして折り畳まれている短側壁3を、略水平状態から垂直方向に回動させると、短側壁3の延長枠3eが、長側壁2に形成された係合枠2bに対向するように接近し、更に、短側壁3を、垂直方向に回動させると、短側壁3の延長枠3eの端部垂直面が、長側壁2の内面から突出している係止弾性片2dの係止突部2d1を押して、係止弾性片2dを、外側方向に、係止弾性片2dの弾性に抗して、湾曲させる。更に、短側壁3を、垂直方向に回動させると、短側壁3の延長枠3eに突設された嵌合突部3e1が、長側壁2の係合枠2bに形成された嵌合孔2b1に挿入される。この短側壁3の延長枠3eに突設された嵌合突部3e1が、長側壁2の係合枠2bに形成された嵌合孔2b1に挿入される過程において、短側壁3の延長枠3eの端部垂直面から、長側壁2に形成された係止弾性片2dの係止突部2d1が外れて、係止弾性片2dが、その弾性により元の位置に戻り、係止弾性片2dの係止突部2d1が、短側壁3の延長枠3eに当接或いは接近して位置する。従って、短側壁3が、底部1方向に回動しようとしても、短側壁3の延長枠3eが、長側壁2に形成された係止弾性片2dの係止突部2d1に当接し、底部1方向への回動が阻止されることになり、短側壁3に外側から負荷が掛かっても、底部1方向に倒れるようなことがない。同様にして、もう一方の短側壁3を、略水平状態から垂直方向に回動させて、折り畳みコンテナーを箱型に組み立てる。
箱型に組み立てられた折り畳みコンテナーを折り畳む際には、長側壁2に形成された係止弾性片2dの係止突部2d1を、短側壁3の延長枠3eから外れる方向に、即ち、外側方向に押して、長側壁2の係止弾性片2dを、その弾性に抗して湾曲させる。長側壁2に形成された係止弾性片2dの係止突部2d1が、短側壁3の延長枠3eから外れた時点で、短側壁3を、底部1方向に回動させて、一対の相対する短側壁3を、底部1上に重ねる。次いで、一対の相対する長側壁2を、底部1上に重ねられた一対の相対する短側壁3の上に重ねることにより、箱型に組み立てられた折り畳みコンテナーを折り畳むことができる。
図1や図4等に示されているように、長側壁2の板状部2aの中央領域には、上端水平リブ2eと下端水平リブ2fとを連結する一対の垂直区画リブ2iが、所定の間隔を置いて形成されており、また、一対の垂直区画リブ2iを連結する水平区画リブ2jを形成することにより、長側壁2には、板状部2aと一対の垂直区画リブ2iと水平区画リブ2jと下端水平リブ2fとで区画された、後述するロック部材が配設されロック部材配設空間A1が形成されている。
ロック部材配設空間A1内に位置する下端水平リブ2fには、下端水平リブ2fの長手方向に沿って、スリット2f1が穿設されており、また、ロック部材配設空間A1内に位置する水平区画リブ2jには、水平区画リブ2jの長手方向に沿って、スリット2j1が穿設されている。
次に、図4を用いて、ロック部材配設空間A1内に、水平方向に移動可能に配設されるロック部材S1について説明する。
ロック部材S1は、箱型状のスライド基部s1と、スライド基部s1の水平な天部s1aの中央部に立設された吊下部s2と、スライド基部s1の水平な裏面に垂設された嵌合ロッド部s3とから構成されている。
ロック部材S1を構成する吊下部s2は、略角柱状の柱状体s2aと柱状体s2aの周囲に形成された環状の突条s2bとから構成されている。柱状体s2aの短側面に沿った厚さは、長側壁2に形成されたロック部材配設空間A1内に位置する水平区画リブ2jに穿設されたスリット2j1の幅(板状部2aに対して垂直方向の長さ)W1と同じか、或いは、スリット2j1の幅W1より、若干、薄く形成されており、従って、吊下部s2の柱状体s2aは、水平区画リブ2jに穿設されたスリット2j1に簡単に挿入可能に構成されている。また、柱状体s2aの相対する長側面側に位置する突条s2bの短側面に沿った厚さT1は、ロック部材配設空間A1内に位置する水平区画リブ2jに穿設されたスリット2j1の幅W1より、厚く形成されており、従って、吊下部s2を、ロック部材配設空間A1内に位置する水平区画リブ2jの下方から、水平区画リブ2jに穿設されたスリット2j1に挿入する際には、柱状体s2aの相対する長側面側に位置する突条s2bを、強制的に、水平区画リブ2jに穿設されたスリット2j1に押し込むことになり、柱状体s2aが、水平区画リブ2jに穿設されたスリット2j1に挿入された際には、柱状体s2aの相対する長側面側に位置する突条s2bが、スリット2j1が穿設された水平区画リブ2jに載置され、ロック部材S1が、水平区画リブ2jに吊り下げられるように構成されている。
長側壁2に形成されたロック部材配設空間A1内に位置する下端水平リブ2fに穿設されたスリット2f1の幅(板状部2aに対して垂直方向の長さ)W2は、ロック部材S1を構成する吊下部s2及び嵌合ロッド部s3とが挿入可能なように構成されている。
ロック部材S1を、長側壁2に形成されたロック部材配設空間A1内に配設するには、ロック部材S1を、ロック部材配設空間A1内に位置する下端水平リブ2fの下方に配置し、その後、ロック部材S1を上動させて、ロック部材S1を構成する吊下部s2及びスライド基部s1を、長側壁2の下端水平リブ2fに穿設されたスリット2f1に挿入するとともに、上述したように、吊下部s2の柱状体s2aの周囲に形成された突条s2bを、強制的に、水平区画リブ2jに穿設されたスリット2j1に押し込み、ロック部材S1を、長側壁2に形成されたロック部材配設空間A1内に位置する水平区画リブ2jに吊り下げることにより、図5に示されているように、ロック部材S1を、長側壁2に形成されたロック部材配設空間A1内に配設する。
上述したようにして、ロック部材S1を、長側壁2に形成されたロック部材配設空間A1内に位置する水平区画リブ2jに吊り下げた際には、ロック部材S1を構成するスライド基部s1の裏面が、ロック部材配設空間A1内に位置する下端水平リブ2fの上面と同じか、或いは、下端水平リブ2fの上面より、若干、上方に位置するように構成されている。
また、上述したようにして、ロック部材S1を、長側壁2に形成されたロック部材配設空間A1内に位置する水平区画リブ2jに吊り下げた際には、ロック部材S1を構成する嵌合ロッド部s3が、長側壁2の下端水平リブ2fから下方に突出するように構成されている。このように、長側壁2に形成されたロック部材配設空間A1内に位置する水平区画リブ2jに吊り下げられたロック部材S1は、長側壁2に形成された水平区画リブ2jに穿設されたスリット2j1に沿って、水平方向にスライド可能に構成されている。
長側壁2に形成されたロック部材配設空間A1内に配設されたロック部材S1に対応して、図6及び図7に示されているように、底部1の長辺側土手部1aには、ロッド嵌合用空間部A2が形成されている。底部1の長辺側土手部1aは、底板1cの長辺に沿って、底板1cに略垂直に立設された内壁部1a1と、内壁部1a1の上端から、外側に水平に延在された水平部1a2と、水平部1a2の先端に、内壁部1a1と略平行に垂設された外壁部1a3とから、長辺側土手部1aの長手方向に対して垂直な側断面が、略逆U字状に形成されている。
底部1の長辺側土手部1aに形成されたロッド嵌合用空間部A2は、長辺側土手部1aを形成する内壁部1a1と外壁部1a3と外壁部1a3に対して略垂直な、相対する側壁部a1とにより形成されており、必要に応じて、底板部a2が形成されている。また、ロッド嵌合用空間部A2の一方の側壁部a1側に位置する長辺側土手部1aの内壁部1a1には、上述したロック部材S1の嵌合ロッド部s3が挿入可能な開口部a3が形成されている。
図3に示されているように、折り畳まれた状態の折り畳みコンテナーを、図1に示されているように、箱型に組み立てる場合には、先ず最初に、一方の長側壁2を、垂直方向に回動させることになるが、この長側壁2の垂直方向への回動に先立って、長側壁2のロック部材配設空間A1内に配設されたロック部材S1を、底部1の長辺側土手部1aに形成されたロッド嵌合用空間部A2を構成する内壁部1a1に形成された開口部a3方向にスライドさせて、ロック部材S1の嵌合ロッド部s3を、図5に示されているように、開口部a3の位置(図5において、ロック部材S1の吊下部s2が、水平区画リブ2jに穿設されたスリット2j1の右端付近に配置されている位置)に配置しておく。この状態から、長側壁2を、垂直方向に回動させると、長側壁2に配設されたロック部材S1の嵌合ロッド部s3が、長辺側土手部1aの内壁部1a1に当接することなく、開口部a3を経て、ロッド嵌合用空間部A2内に挿入されることになる。長側壁2が、略垂直に立てられた後に、ロック部材S1を、ロック部材配設空間A1を構成する開口部a3付近に位置する側壁部a1と対向するもう一方の側壁部a1方向にスライドさせて、図8に示されているように、ロック部材S1の嵌合ロッド部s3を、ロッド嵌合用空間部A2の長辺側土手部1aの内壁部1a1と外壁部1a3間に位置する空間部(以下、単に、ロック位置空間部という。)A2’に挿入する。次いで、同様にして、もう一方の長側壁2を、垂直方向に回動させて、もう一方の長側壁2が、略垂直に立てられた後に、ロック部材S1の嵌合ロッド部s3を、ロッド嵌合用空間部A2のロック位置空間部A2’に挿入する。その後、短側壁3を、垂直方向に回動させて、略垂直に立てることにより、折り畳まれた状態の折り畳みコンテナーが、箱型に組み立てられることになる。
上述したように.折り畳みコンテナーが箱型に組み立てられた状態においては、長側壁2のロック部材配設空間A1内に配設されたロック部材S1の嵌合ロッド部s3が、底部1の長辺側土手部1aに形成されたロッド嵌合用空間部A2を構成するロック位置空間部A2’に挿入されているので、箱型に組み立てられた折り畳みコンテナーの長側壁2に、外側から内側方向に負荷が加わった際には、ロッド嵌合用空間部A2を構成するロック位置空間部A2’に挿入されているロック部材S1の嵌合ロッド部s3が、ロック位置空間部A2’内に位置する長辺側土手部1aの内壁部1a1の内面(ロック位置空間部A2’内に位置する面)1a1’に当接することになり、従って、長側壁2が内側に傾倒したり湾曲するようなことを抑制することができる。
箱型に組み立てられた折り畳みコンテナーの長側壁2に、外側から内側方向に負荷が加わった場合には、ロッド嵌合用空間部A2を構成するロック位置空間部A2’に挿入されているロック部材S1の嵌合ロッド部s3が、ロック位置空間部A2’内に位置する長辺側土手部1aの内壁部1a1の内面1a1’に当接することになり、ロック位置空間部A2’内に位置する長辺側土手部1aの内壁部1a1に負荷がかかることになり、内壁部1a1が変形したり、損傷する場合がある。このような内壁部1a1の変形や損傷を防止するために、内壁部1a1の外面(底部1の底板1c側に位置する面)1a1”と底板1cにより形成される隅部に、適当数の補強用リブ4を形成する。本実施例には、補強用縦リブ4は、内壁部1a1の外面1a1”側に位置する棒状に垂直部4aと底板1c側に位置する棒状に水平部4bとにより構成されている例が示されているが、三角形状のリブでも、また、他の形状のリブでもよい。
また、箱型に組み立てられた折り畳みコンテナーの長側壁2に、内側から外側方向に負荷が加わった場合には、ロッド嵌合用空間部A2を構成するロック位置空間部A2’に挿入されているロック部材S1の嵌合ロッド部s3が、ロック位置空間部A2’内に位置する長辺側土手部1aの外壁部1a3の内面(ロック位置空間部A2’内に位置する面)1a3’に当接することになり、ロック位置空間部A2’内に位置する長辺側土手部1aの外壁部1a3に負荷がかかることになり、ロッド嵌合用空間部A2が形成されているために、強度や剛性が低下している外壁部1a3が、変形したり、損傷することになる。このような外壁部1a3の変形や損傷を防止するために、ロッド嵌合用空間部A2内に位置する外壁部1a3に、適当数の補強用凹部や補強用リブを形成することが好ましい。
更に、長側壁2の下端水平リブ2fには、ロック部材S1の嵌合ロッド部s3が挿入されるスリット2f1が穿設されているために、下端水平リブ2fの強度や剛性が低下しているので、このような強度や剛性の低下を防止するために、ロック部材配設空間A1を形成する一対の垂直区画リブ2i間に位置する下端水平リブ2fの上面に、スリット2f1を塞がないように、且つ、一対の垂直区画リブ2iを架橋する補強用リブを形成することが好ましい。なお、ロック部材配設空間A1を形成する一対の垂直区画リブ2i間に位置する下端水平リブ2fの裏面に、スリット2f1を塞がないように補強用リブと同様の補強用リブを垂設することもできる。下端水平リブ2fの裏面に、補強用リブを垂設した場合には、この補強用リブが、底部1の長辺側土手部1aに当接しないように、長辺側土手部1aには、補強用リブが嵌合する凹部を形成することになる。
なお、上述した実施例には、長側壁2の板状部2aの中央領域に、ロック部材配設空間A1を形成し、ロック部材配設空間A1にロック部材S1を配設するとともに、ロック部材配設空間A1に対応して、底部1の長辺側土手部1aに、ロッド嵌合用空間部A2を形成した例が示されているが、このような実施例に限定されることなく、長側壁2側のロック部材S1が配設されたロック部材配設空間A1及びロック部材配設空間A1に対応して形成される底部1の長辺側土手部1a側のロッド嵌合用空間部A2を、複数個、形成することもできる。
なお、長側壁2に配設されたロック部材S1の嵌合ロッド部s3が、底部1の長辺側土手部1aに形成されたロッド嵌合用空間部A2のロック位置空間部A2’から排出された場合、換言すれば、長側壁2と底部1の長辺側土手部1aとのロック部材S1によるロック解除位置においては、ロック部材S1のスライド基部s1の一部が、長側壁2のスリット2f1が穿設されている下端水平リブ2f(図4において、スリット2f1の右側に位置する下端水平リブ2f)に載置されるように構成し、また、長側壁2に配設されたロック部材S1の嵌合ロッド部s3が、底部1の長辺側土手部1aに形成されたロッド嵌合用空間部A2のロック位置空間部A2’内に位置する場合、換言すれば、長側壁2と底部1の長辺側土手部1aとのロック部材S1によるロック位置においては、ロック部材S1のスライド基部s1の一部が、長側壁2のスリット2f1が穿設されている下端水平リブ2f(図4において、スリット2f1の左側に位置する下端水平リブ2f)に載置されるように構成されている。このように構成することにより、ロック部材S1を構成する吊下部s2の突条s2bが、長側壁2の水平区画リブ2jに形成されたスリット2j1から、不用意に、抜け出て、ロック部材S1が落下するようなことを防止することができる。
次に、図9〜図12を用いて、本発明の他の実施例(第2実施例)について説明する。
長側壁2の下端水平リブ2fの中央部付近の裏面には、後述するロック部材の嵌合ロッド部が嵌合可能なロッド嵌合用空間部A3を有するロッド嵌合ブロック10が垂設されている。ロッド嵌合ブロック10に形成されているロッド嵌合用空間部A3は、ロッド嵌合ブロック10の内面10a側と相対する側面10bの一方の側面10b側が開放された窪み状凹部として形成されている。
底部1の長辺側土手部1aには、長側壁2を略垂直に立てた際に、長側壁2の下端水平リブ2fに垂設されたロッド嵌合ブロック10が挿入可能な嵌合ブロック挿入用凹部11が形成されている。嵌合ブロック挿入用凹部11は、長辺側土手部1aの外壁部1a3と外壁部1a3に対して略垂直な、相対する側壁部11aと底板部11bとにより形成されており、嵌合ブロック挿入用凹部11は、上方と折り畳みコンテナーの内側、換言すれば、長辺側土手部1aの内壁部1a1の一部が開口されている。
底部1の長辺側土手部1aには、嵌合ブロック挿入用凹部11の近傍に位置する長辺側土手部1aの外壁部1a3を、内壁部1a1方向に凹ますことにより、ロック部材配設空間A4が形成されている。ロック部材配設空間A4は、天部a10と底板部a11と相対する側壁部a12と奥壁部a13とから形成されており、外側のみに開口部A4’が形成されている。なお、天部a10を、長辺側土手部1aを構成する水平部1a2とすることができる。
ロック部材配設空間A4を形成する天部a10には、長辺側土手部1aの長手方向に沿って、換言すれば、長辺側土手部1aの内壁部1a1と略平行に、上部スリット或いは上部長溝a14が形成されており、また、底板部a11には、同様に、長辺側土手部1aの長手方向に沿って、換言すれば、長辺側土手部1aの内壁部1a1と略平行に、下部スリットa15が穿設されている。
また、底部1の長辺側土手部1aに形成された嵌合ブロック挿入用凹部11を構成する相対する側壁部11aのうち、嵌合ブロック挿入用凹部11側に位置する側壁部11aは、ロック部材配設空間A4を形成する相対する側壁部a12のうち、嵌合ブロック挿入用凹部11側に位置する側壁部a12と共通な隔壁Pとして形成されている。この嵌合ブロック挿入用凹部11とロック部材配設空間A4との隔壁Pには、後述するロック部材の嵌合ロッド部が挿通可能な透孔p1が穿設されている。
次に、図10を用いて、ロック部材配設空間A4内に、水平方向にスライド可能に配設されるロック部材S2について説明する。
ロック部材S2は、箱型状のスライド基部s10を有しており、スライド基部s10の相対する側壁部s10aの一方の側壁部s10aには、側壁部s10aに略垂直に、上述した底部1の長辺側土手部1aに形成された嵌合ブロック挿入用凹部11とロック部材配設空間A4との隔壁Pに穿設された透孔p1に挿通可能な嵌合ロッド部s11が突設されている。また、スライド基部s10の天部s10bには、上述した底部1の長辺側土手部1aに形成されたロック部材配設空間A4を構成する天部a10に形成された上部スリット或いは上部長溝a14に嵌合可能な上部ガイドピンs12が突設されており、更に、スライド基部s10の底板部s10cには、上述した底部1の長辺側土手部1aに形成されたロック部材配設空間A4を構成する底板部a11に穿設された下部スリットa15に嵌合可能な下部ガイドピンs13が複数個(本実施例においては、2個)垂設されている。
ロック部材S2を、底部1の長辺側土手部1aに形成されたロック部材配設空間A4に配設するには、ロック部材S2の嵌合ロッド部s11が、底部1の長辺側土手部1aに形成された嵌合ブロック挿入用凹部11とロック部材配設空間A4との隔壁Pに穿設された透孔p1側に位置するように配置するとともに、ロック部材S2のスライド基部s10の底板部s10cに垂設された下部ガイドピンs13を、ロック部材配設空間A4を構成する底板部a11に穿設された下部スリットa15に嵌合するとともに、ロック部材S2を、ロック部材配設空間A4の奥壁部a13方向に移動させて、強制的に、ロック部材S2のスライド基部s10の天部s10bに立設された上部ガイドピンs11を、ロック部材配設空間A4を構成する天部a10に形成された上部スリット或いは上部長溝a14に嵌合する。このようにして、ロック部材S2が、底部1の長辺側土手部1aに形成されたロック部材配設空間A4内を、水平方向にスライド可能に配設されることになる。
図3に示されているように、折り畳まれた状態の折り畳みコンテナーを、図1に示されているように、箱型に組み立てる場合には、先ず最初に、一方の長側壁2を、垂直方向に回動させることになるが、この長側壁2の垂直方向への回動に先立って、底部1の長辺側土手部1aに形成されたロック部材配設空間A4内に配設されたロック部材S2を、長辺側土手部1aに形成された嵌合ブロック挿入用凹部11とロック部材配設空間A4との隔壁Pから遠ざかる方向にスライドさせて、図11に示されているように、ロック部材S2の嵌合ロッド部s11を、隔壁Pに穿設された透孔p1から排出させておく。この状態から、長側壁2を、垂直方向に回動させると、長側壁2の下端水平リブ2fの中央部付近の裏面に垂設されたロッド嵌合ブロック10が、底部1の長辺側土手部1aに形成された嵌合ブロック挿入用凹部11に嵌合されて、長側壁2が、略垂直に立てられることになる。
次いで、図12に示されているように、ロック部材配設空間A4内に配設されたロック部材S2を、嵌合ブロック挿入用凹部11とロック部材配設空間A4との隔壁P方向にスライドさせて、ロック部材S2の嵌合ロッド部s11を、隔壁Pに穿設された透孔p1に挿通するとともに、ロック部材S2の嵌合ロッド部s11を、隔壁Pに穿設された透孔p1と連通状態に配置されているロッド嵌合ブロック10のロッド嵌合用空間部A3に挿入する。次いで、同様にして、もう一方の長側壁2を、垂直方向に回動させて、もう一方の長側壁2の下端水平リブ2fの中央部付近の裏面に垂設されたロッド嵌合ブロック10を、底部1の長辺側土手部1aに形成された嵌合ブロック挿入用凹部11に嵌合させて、もう一方の長側壁2を、略垂直に立て、その後、ロック部材配設空間A4内に配設されたロック部材S2を、嵌合ブロック挿入用凹部11とロック部材配設空間A4との隔壁P方向にスライドさせて、ロック部材S2の嵌合ロッド部s11を、隔壁Pに穿設された透孔p1に挿通するとともに、ロック部材S2の嵌合ロッド部s11を、隔壁Pに穿設された透孔p1と連通状態に配置されているロッド嵌合ブロック10のロッド嵌合用空間部A3に挿入する。その後、短側壁3を、垂直方向に回動させて、略垂直に立てることにより、折り畳まれた状態の折り畳みコンテナーが、箱型に組み立てられることになる。
上述したように.折り畳みコンテナーが箱型に組み立てられた状態においては、底部1の長辺側土手部1aに形成されたロック部材配設空間A4内に水平方向にスライド可能に配設されたロック部材S2の嵌合ロッド部s11が、嵌合ブロック挿入用凹部11とロック部材配設空間A4との隔壁Pに穿設された透孔p1に挿通されているとともに、長側壁2の下端水平リブ2fの裏面に垂設されたロッド嵌合ブロック10のロッド嵌合用空間部A3に挿入されているので、箱型に組み立てられた折り畳みコンテナーの長側壁2に、外側から内側方向に負荷が加わった際に、長側壁2が内側に倒れようとしても、ロッド嵌合ブロック10のロッド嵌合用空間部A3に挿入されているロック部材S2の嵌合ロッド部s11が、ロッド嵌合用空間部A3を構成する奥壁10cに当接し、従って、長側壁2が内側に傾倒したり湾曲するようなことを抑制することができる。
次に、図13〜図16を用いて、本発明の更に他の実施例(第3実施例)について説明する。
この実施例においては、図13に示されている長側壁2の板状部2aに形成された一対の垂直区画リブ2iと水平区画リブ2j’と下端水平リブ2fとで区画されたロック部材配設空間A5内に位置する下端水平リブ2fには、第1実施例と同様のスリット2f1が穿設されている。
長側壁2の下端水平リブ2fに穿設されているスリット2f1の一方の端部付近に位置する下端水平リブ2fには、スリット2f1を跨ぐように、相対する垂直部100aと相対する垂直部100aの上端部を連結する水平部100bとにより門形に形成された基台100が立設されている。
ロック部材S3は、回動腕部s100と回動腕部s100の一方の端部に形成された、回動腕部s100に対して垂直な嵌合ロッド部s101とから形成されている。そして、回動腕部1100の嵌合ロッド部s101が形成されていないもう一方の端部を、門形の基台100を構成する相対する垂直部100a間で、且つ、相対する垂直部100aの上端部付近に配置し、その後、回動腕部s100のもう一方の端部に穿設された水平孔及び基台100の相対する垂直部100aの上端部付近に穿設された水平孔に、軸ピン101を嵌入することにより、門形の基台100に、ロック部材S3を回動可能に枢支するように構成されている。
底部1の長辺側土手部1aには、上方が開放されたロッド嵌合用空間部A6が形成されており、ロッド嵌合用空間部A6は、長辺側土手部1aを構成する内壁部1a1と外壁部1a3と相対する側壁部a4とにより囲まれており、必要に応じて、底板部a5が形成されている。
長側壁2が、略垂直に立てられた状態において、ロック部材S3の回動腕部s100が、図13に示されているように、略水平状態の位置から、軸ピン101を中心に、回動腕部s100を下方に回動させて、ロック部材S3の回動腕部s100と嵌合ロッド部s101とを、長側壁2の下端水平リブ2fに穿設されたスリット2f1を通過させ、その後、ロック部材S3の回動腕部s100と嵌合ロッド部s101とを、図16に示されているように、ロッド嵌合用空間部A6に挿入する。
上述したように.折り畳みコンテナーが箱型に組み立てられた状態においては、長側壁2のロック部材配設空間A5内に配設されたロック部材S3が、底部1の長辺側土手部1aに形成されたロッド嵌合用空間部A6に挿入されているので、箱型に組み立てられた折り畳みコンテナーの長側壁2に、外側から内側方向に負荷が加わった際には、ロッド嵌合用空間部A6に挿入されているロック部材S3が、ロッド嵌合用空間部A6を構成する長辺側土手部1aの内壁部1a1の内面1a1’に当接することになり、従って、長側壁2が内側に傾倒したり湾曲するようなことを抑制することができる。
門形の基台100を構成する相対する垂直部100aの相対する側面100a’の一方の面或いは両方の面に、略水平状態のロック部材S3の回動腕部s100が当接する係止突部102を突設することにより、ロック部材S3の回動腕部s100が下動しないように構成することもできる。略水平なロック部材S3の回動腕部s100を下動させるには、回動腕部s100を下方に押し下げて、回動腕部s100を、基台100の垂直部100aの相対する側面100a’に突設されている係止突部102を越えて、強制的に、下動させることにより、回動腕部s100を、垂直方向に回動する。
上述した第3実施例には、長側壁2のロック部材配設空間A5に、ロック部材S3を配設し、底部1の長辺側土手部1aに、ロッド嵌合用空間部A6が形成されている例が示されているが、長側壁2に、ロッド嵌合用空間部A6を形成し、底部1の長辺側土手部1aに、ロック部材配設空間A5を形成することもできる。