JP3766606B2 - 折り畳みコンテナー - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、底部を囲むように配設された側壁が、底部に重なるように折り畳むことが可能な折り畳みコンテナーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来,平面形状が略長方形に形成された底部の相対する長辺部に、ヒンジ部材を介して連結された長側壁と、同じく上記底部の相対する短辺部に、ヒンジ部材を介して連結された短側壁とからなり、底部に対して略垂直に長側壁と短側壁を立てることにより、箱型に組み立てられ、また、折り畳む際には、底部の上に重なるように、長側壁及び短側壁を折り畳むようにした折り畳みコンテナーが知られており、箱型に組み立てられ状態においては、長側壁或いは短側壁が、底部方向に倒れないように、互いに、係合部材により係合されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来より、箱型に組み立てられ、物品が収容された折り畳みコンテナーを、複数、上下方向に段積みすることが行われているが、所望の段積みされた折り畳みコンテナーから物品を取り出す際には、所望の折り畳みコンテナーに段積みされている上方に位置する折り畳みコンテナーを、一旦、下ろさなければならないという問題があった。
【0004】
本発明の目的は、上述した従来の折り畳みコンテナーが有する課題を解決することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述した目的を達成するために、底部と、底部にヒンジ連結された長側壁と、同じく底部にヒンジ連結された短側壁とを有するとともに、箱型に組み立てられた状態から、短側壁を底部に重なるように回動し、次いで、長側壁を短側壁に重なるように回動させることにより折り畳むことが可能な折り畳みコンテナーにおいて、第1には、長側壁が、略U字状の枠部材と該枠部材の水平梁部にヒンジ連結された扉部材とにより構成されているとともに、扉部材の下部水平フランジの下面には垂直リブが垂下されており、外側に倒された状態の扉部材を略垂直に立てた際には、扉部材の下部水平フランジの下面に垂下された垂直リブが、枠部材を構成する水平梁部の内壁面に当接するように構成したものであり、第2には、扉部材の施錠部材の弾性バネ部材として機能する部材を、アーチ部材により構成したものである。
【0006】
【実施例】
以下に、本発明の実施例について説明するが、本発明の趣旨を越えない限り何ら、本実施例に限定されるものでない。なお、以下の説明において使用されている、内側とか内面とかは、箱型に組み立てられた状態の折り畳みコンテナーの内側を意味し、また、外側とか外面とかは、箱型に組み立てられた状態の折り畳みコンテナーの外側を意味する。
【0007】
1は、平面形状が長方形状の底部であり、底部1の相対する長辺側には、後述するヒンジ部材を介して長側壁2が連結されており、また、底部1の相対する短辺側には、同じくヒンジ部材を介して短側壁3が連結されており、底部1と長側壁2とのヒンジ連結箇所は、底部1と短側壁3とのヒンジ連結箇所より、高い位置に位置している。
【0008】
図1に示されているように、箱型に組み立てられた状態の折り畳みコンテナーを折り畳むには、先ず最初に、底部1の相対する短辺側にヒンジ連結された短側壁3を、折り畳みコンテナーの内側に倒して、図2に示されているように、底部1の上に重ねる。次いで、底部1の相対する長側壁にヒンジ連結された長側壁2を、同じく、折り畳みコンテナーの内側に倒して、図3に示されているように、短側壁3の上に重ねて折り畳みコンテナーをコンパクトに折り畳む。逆に、図3に示されている折り畳まれた状態から、図1に示されているように組み立てるには、短側壁3の上に重ねられた状態の長側壁2を略垂直に立て、次いで、短側壁3を略垂直に立てて、折り畳みコンテナーを箱型に組み立てる。
【0009】
次に、図4を用いて、合成樹脂で一体成形された底部1について説明する。
【0010】
平面形状が略長方形状の底部1の底板1aの相対する長辺には、長辺側土手部1bが形成されており、長辺側土手部1bの上面1b1の外側縁には、上方に延在する外壁(以下、単に、長辺側外壁という。)1cが、長辺側土手部1bの外壁面と略面一になるように立設されている。
【0011】
また、長辺側土手部1bの上面1b1の内側縁には、所定の間隔で、略垂直な板状部h1が立設されており、板状部h1の上端には、長辺側外壁1cの方向に延在するとともに、先端が下方に湾曲したフックh2が形成されており、板状部h1とフックh2とにより、弾性を有する長辺側ヒンジ雌部材H1が構成されている。長辺側ヒンジ雌部材H1の上端、換言すれば、フックh2の上端は、長辺側外壁1cの上端と略同じ高さに形成されており、また、長辺側ヒンジ雌部材H1と長辺側外壁1cとの間には、所定の間隙が形成されている。なお、本実施例においては、5個の長辺側ヒンジ雌部材H1が配設されている例が示されている。
【0012】
底部1の底板1aの相対する短辺には、長辺側土手部1bより低い外壁(以下、単に、短辺側外壁という。)1dが形成されており、短辺側外壁1dの内側に位置する底板1aには、短辺側外壁1dと対向するように立設された板状部h1と、板状部h1の上端から、短辺側外壁1d方向に延在するとともに、先端が下方に湾曲したフックh2とからなる長辺側ヒンジ雌部材H1と同様の弾性を有する短辺側ヒンジ雌部材H2が形成されている。短辺側ヒンジ雌部材H2のフックh2の上端は、短辺側外壁1dの中央部に位置する、両端部より高い中央壁部1d1と略同じ高さに形成されている。なお、本実施例には、中央壁部1d1に対向するように、2個の短辺側ヒンジ雌部材H2が配設されている例が示されている。
【0013】
底部1の4つの角部には、長辺側外壁1c及び短辺側外壁1dを越えて上方に延在する、平面形状が略L字状の角部ブロック1eが形成されており、角部ブロック1eの内側には、長辺側ヒンジ雌部H1と略同じ高さを有する段部1e1が形成されている。1fは、短辺側外壁1dと略平行で、且つ、短辺側外壁1dに接近するように、長辺側土手部1bの両端部に形成されたピン挿入孔である。
【0014】
次に、図5〜図10を用いて、正面形状が略U字状の枠部材2’と、枠部材2’に開閉自在にヒンジ連結された扉部材2”とから構成されている長側壁2について説明する。
【0015】
先ず最初に、略U字状の枠部材2’について説明する。
【0016】
正面形状が略U字状の枠部材2’は、横長の水平梁部2aと、水平梁部2aの両端部に形成された正面形状が方形状の垂直枠部2bとから構成されており、水平梁部2a及び垂直枠部2bの下面には、上述した底部1の長辺側土手部1bに形成された長辺側ヒンジ雌部材H1に対応して、長側壁側ヒンジ雄部H3が形成されており、長側壁側ヒンジ雄部H3は、所定の間隔を置いて垂設された一対の下端縁が略半円形状に形成された支持片h3と、一対の支持片h3に架橋された水平ピンh4とから構成されている。2cは、隣接する長側壁側ヒンジ雄部H3の支持片h3同士を連結する連結梁であり、2dは、両端に配設された長側壁側ヒンジ雄部H3の支持片h3の外側に形成された支持片h3と同様に垂下片であり、垂下片2dと支持片h3とは、上記の連結梁2cと同様の連結梁2eで連結されている。
【0017】
H4は、水平梁部2aの上面に形成された凹部2fに形成された扉部材用ヒンジ雌部であり、扉部材用ヒンジ雌部H4は、外側に開口を有する水平スリットh5を有する側面形状が略C字状のブロック体h6として形成されている。本実施例には、3個の扉部材用ヒンジ雌部H4が形成されている。
【0018】
一対の垂直枠部2bの相対する垂直面2gの内側縁部からは、垂直面2gに垂直に、縦長の帯板2hが延設されており、帯板2hの先端部からは、上下方向に所定の間隔を置いて、垂直面2gと平行に延在する一対の係合片2iが延設されている。
【0019】
20は、垂直枠部2bの両側端部に形成された、長側壁2と短側壁3とによる係合機構を構成する長側壁側係合部材である。長側壁側係合部材20は、垂直枠部2bの内壁面2b1に垂直な端部垂直片21aと、端部垂直片21aの先端から内壁面2b1に略平行に延在する係合片21bとからなる上下方向に所定の間隔を置いて形成された一対の係合フック21、及び、一対の係合フック21の中間に形成された、相対する面に開口22aを有する箱状嵌合部22とを有している。更に、上方に位置する係合フック21と箱状嵌合部22との間に位置する垂直枠部2bには、所定の間隔をおいて平行で、且つ、垂直枠部2bの端部まで延在する一対の水平スリット23が形成されており、一対の水平スリット23間には、長側壁側係合部材20を構成する係止部材24が形成されている。係止部材24は、水平スリット23間に位置する弾性板部24aと、弾性板部24aの先端から垂直に外側に延在する垂直部24bと、垂直部24bの先端から垂直に、換言すれは、弾性板部24aと同じ方向に、外側に延在する持ち手部24cと、弾性板部24aの先端で、且つ、内側に突出した係止突部24dとから構成されている。
【0020】
扉部材2”は、略U字状の枠部材2’の水平梁部2aと垂直枠部2bとにより形成される空間に挿入されるように構成されている。扉部材2”の下部水平フランジ2jの下面には、上述した水平梁部2aに形成された扉部材用ヒンジ雌部H4に対応して、長側壁側ヒンジ雄部H3と同様の所定の間隔を置いて垂設された一対の支持片h7と、一対の支持片h7に架橋された水平ピンh8とからなる扉部材用ヒンジ雄部H5が形成されている。本実施例には、水平梁部2aに形成された3個の扉部材用ヒンジ雌部H4に対応して、3個の扉部材用ヒンジ雄部H5が形成されている。
【0021】
枠部材2’に、扉部材2”をヒンジ連結するには、枠部材2’の水平梁部2aに形成された扉部材用ヒンジ雌部H4の水平スリットh5に、扉部材2”に形成された扉部材用ヒンジ雄部H5の上記水平スリットh5の間隙より大きな外径を有する水平ピンh8を嵌入することにより、枠部材2’と扉部材2”とをヒンジ連結する。
【0022】
扉部材2”の下部水平フランジ2jと上部水平フランジ2kの両端を連結する端部垂直リブ2mの内側には、上述した垂直枠部2bの垂直面2gの内側縁部に形成された係合片2iが挿入可能な凹部2nが形成されている。
【0023】
扉部材2”の上部水平フランジ2kの下方には、所定の間隔を置いて中間水平リブ2pが形成されており、上部水平フランジ2kと中間水平リブ2pと端部垂直リブ2mとにより囲まれた領域は、中間垂直リブ2qにより2つの空間領域A1、A2に分割されている。
【0024】
次に、空間領域A1、A2に装着される合成樹脂で一体成形された施錠部材Cについて説明する。
【0025】
施錠部材Cは、略角柱状の棒状体c1を有しており、棒状体c1の一方の端部には、係止ブロックc2が形成されており、また、棒状体c1のもう一方の端部には、指が挿入可能なリング状の操作環c3が形成されている。棒状体c1の係止ブロックc2側に位置する上面c1aの略半分には、弾性バネ部材として機能する上部アーチc4が形成されており、また、棒状体c1の操作環c3側に位置する下面c1bの略半分にも、上部アーチc4と同様の弾性バネ部材として機能する下部アーチc5が形成されている。そして、施錠部材Cを正面から見た場合に、上部アーチc4と下部アーチc5とにより、略サインカーブが形成されている。なお、c6は、上部アーチc4の一方の端部と下部アーチc5の一方の端部が接近する部分に位置する棒状体c1の前面c1cに形成された棒状体c1の長手方向に沿った第1ガイドリブであり、c7は、操作環c3に連接して形成された棒状体c1の前面c1cに形成された、上記第1ガイドリブと同様の第2ガイドリブである。上記の施錠部材Cは、図7において、左側の空間領域A1に装着されるものであり、右側の空間領域A2に装着される施錠部材Cは、棒状体c1の係止ブロックc2側には下部アーチc5が形成され、また、操作環c3側には上部アーチc4が形成されている以外は、同じ構成を有している。
【0026】
上部水平フランジ2kと中間水平リブ2pと端部垂直リブ2mとにより囲まれ、且つ、中間垂直リブ2qにより2つに分割された空間領域A1、A2には、上部水平フランジ2kと中間水平リブ2pとを連結するとともに、施錠部材Cが挿入可能な透孔2r1、2s1、2t1が穿設された中央寄り装着リブ2r、中間装着リブ2s及び端部側装着リブ2tが形成されている。また、端部垂直リブ2mには、施錠部材Cの係止ブロックc2が挿入可能な水平孔2uが穿設されている。
【0027】
施錠部材Cを構成する棒状体c1の弾性を利用して、中間垂直リブ2q側に位置する中央寄り装着リブ2rの透孔2r1に、施錠部材Cの係止ブロックc2を挿入し、順次、中間装着リブ2sの透孔2s1及び端部側装着リブ2tの透孔2t1に挿入することにより、施錠部材Cを、それぞれ、空間領域A1、A2に装着する。そして、図7において左側に位置する空間領域A1に装着された施錠部材Cの係止ブロックc2が、図10に示されているように、端部垂直リブ2mに穿設された水平孔2uから突出していない状態においては、下部アーチc5が、中間装着リブ2sの下部水平部2s2に圧接し、また、上部アーチc4が、端部側装着リブ2tの上部水平部2t2に圧接するように構成されており、従って、中間装着リブ2sの下部水平部2s2に圧接している弾性バネ部材として機能する下部アーチc5及び端部側装着リブ2tの上部水平部2t2に圧接している弾性バネ部材として機能する上部アーチc4の弾性力により、施錠部材Cは、係止ブロックc2が、端部垂直リブ2mから突出する方向に付勢されるように構成されている。なお、図7において右側に位置する空間領域A2に装着された施錠部材Cの場合には、下部アーチc5が、端部側装着リブ2tの下部水平部2t2に圧接し、また、上部アーチc4が、中間装着リブ2sの上部水平部2s2に圧接するように構成されている。
【0028】
次に、主として、図11を用いて、短側壁3について説明する。
【0029】
短側壁3の下部水平フランジ3aの下面には、上述した底部1の短辺側外壁1dに接近して形成された短辺側ヒンジ雌部材H2に対応して、上述した長側壁側ヒンジ雄部H3と同様の短側壁側ヒンジ雄部H6が形成されており、短側壁側ヒンジ雄部H6は、下部水平フランジ3aの下面に、所定の間隔を置いて垂設された一対の下端縁が略半円形状に形成された支持片h3と、一対の支持片h3に架橋された水平ピンh4とから構成されている。なお、3bは、下部水平フランジ3aの下面の両端部付近に垂下された支持片h3と同様に垂下片であり、垂下片3bと支持片h3とは、連結梁3cで連結されており、また、短側壁側ヒンジ雄部H6間に位置する下部水平フランジ3aの下面にも、適当数の垂下片3bが垂設されており、垂下片3b間及び垂下片3bと支持片h3とも、同様に、連結梁3cで連結されている。
【0030】
短側壁3の下部水平フランジ3aの下面の両端部には、水平軸孔3d1を有する軸受け筒部3dが形成されている。また、3eは、上部水平フランジ3fと上部水平フランジ3fの下方に形成された中間水平リブ3gとの間の中央領域に形成された手持ち用開口である。
【0031】
30は、短側壁3の側端部に形成された、上述した長側壁2に形成された長側壁側係合部材20と係合する短側壁側係合部材である。短側壁側係合部材30は、長側壁側係合部材20に形成された一対の係合フック21の係合片21bが挿入可能な凹部30aと、長側壁側係合部材20に形成された箱状嵌合部22に挿入可能な係合片30bとを有している。
【0032】
次に、底部1、枠部材2’と扉部材2”とからなる長側壁2及び短側壁3を、折り畳みコンテナーに組み立てる作業について説明する。
【0033】
底部1に、長側壁2をヒンジ連結するには、底部1に形成された長辺側ヒンジ雌部材H1のフックh2と、長辺側外壁1cとの間隙に、長側壁2に形成された長側壁側ヒンジ雄部H3の水平ピンh4を挿入するとともに、水平ピンh4を、上記底部1に形成された長辺側ヒンジ雌部材H1のフックh2に引っ掛けることにより、底部1と長側壁2とをヒンジ連結する。
【0034】
また、底部1に、短側壁3をヒンジ連結するには、底部1の短辺側外壁1dの中央壁部1d1と短辺側ヒンジ雌部材H2のフックh2との間隙に、短側壁3に形成された短側壁側ヒンジ雄部H6の水平ピンh4を挿入するとともに、水平ピンh4を、上記底部1に形成された短辺側ヒンジ雌部材H2のフックh2に引っ掛ける。その後、図12に示されているように、短側壁3の下部水平フランジ3aの下面に形成された軸受け筒部3dの水平軸孔3d1及び底部1の長辺側土手部1bの両端部に形成されたピン挿入孔1fに、軸ピンPを嵌入することにより、底部1と短側壁3との両端部をヒンジ連結する。
【0035】
上述したようにして、底部1に、長側壁2及び短側壁3をヒンジ連結して、折り畳みコンテナーを組み立てる。
【0036】
図3に示されている折り畳まれた状態から、図1に示されているように組み立てるには、短側壁3の上に重ねられた状態の長側壁2を略垂直に立て、次いで、短側壁3を略垂直に立てるが、この短側壁3の垂直方向への回動過程において、図8に示されているように、短側壁3の側端部に形成された短側壁側係合部材30を構成する一対の凹部30aに、長側壁側係合部材20を構成する一対の係合フック21の係合片21bが挿入され、また、短側壁3の側端部に形成された短側壁側係合部材30を構成する係合片30bが、長側壁側係合部材20を構成する箱状嵌合部22に挿入されることになる。また、短側壁3の垂直方向への回動過程において、図13に示されているように、短側壁3の短側壁側係合部材30の端側面30cが、長側壁側係合部材20を構成する係止部材24の弾性板部24aの内壁面24a1を、弾性板部24aの弾性力に抗して外側に湾曲させ、その後、短側壁3の短側壁側係合部材30の端側面30cが、係止部材24の係止突部24dを越えた時点で、図14に示されているように、係止部材24の弾性板部24aが、その弾性力により、短側壁3の短側壁側係合部材30方向に復帰し、長側壁側係合部材20を構成する係止部材24の係止突部24dが、短側壁3の短側壁側係合部材30に形成されたノッチ部30dに係止され、短側壁3に形成された短側壁側係合部材30と長側壁20に形成された長側壁側係合部材20との係合状態が完了し、簡単には、短側壁3が、長側壁20との係合が解除されて、底部1方向に倒れないように構成されている。
【0037】
逆に、図1に示されているように、箱型に組み立てられた折り畳みコンテナーを、図3に示されているように、折り畳むには、図13に示されているように、長側壁2の長側壁側係合部材20を構成する係止部材24の持ち手部24cを、外側に移動させることにより、弾性板部24aを、根元部付近を中心に外側に回動させると、係止部材24の係止突部24dが、短側壁3の短側壁側係合部材30に形成されたノッチ部30dから外れて、長側壁側係合部材20を構成する係止部材24の係止突部24dと短側壁側係合部材30に形成されたノッチ部30dとの係止状態が解除されるので、この係止状態が解除されたままで、短側壁3を、底部1方向に回動させて、短側壁3を、底部1の上に重ね、次いで、長側壁2を、底部1方向に回動させて、短側壁3の上に重ねて、図3に示されているように、折り畳みコンテナーを、コンパクトに折り畳む。
【0038】
上述したように、箱型に組み立てられた折り畳みコンテナーの折り畳み作業の際には、長側壁2の長側壁側係合部材20を構成する係止部材24の持ち手部24cを、外側に移動させることにより、弾性板部24aを、根元部付近を中心に外側に回動させて、係止部材24の係止突部24dを、短側壁3の短側壁側係合部材30に形成されたノッチ部30dから外れるように構成したので、短側壁3の底部1方向への回動を阻止するような係合状態がなく、従って、従来のように、短側壁3を内側に引っ張って、長側壁2の係合部材からの短側壁3の係合部材の解除を行うというような無理な係合解除作業を行うことなく、簡単に、且つ、スムースに、短側壁3を、底部1方向に回動させることができる。
【0039】
また、上述したように、扉部材2”が略U字状の枠部材2’にヒンジ連結されている長側壁2は、端部垂直リブ2mから突出する方向に付勢されている施錠部材Cの係止ブロックc2が、枠部材2’の一対の垂直枠部2bの相対する垂直面2gに形成された凹部2g1に挿入されることにより、箱型に組み立てられた状態において、図1及び図9に示されているように、扉部材2”が閉じた状態にある。この扉部材2”が閉じた状態から、一対の施錠部材Cを内側に、即ち、図10に示されているように、一対の施錠部材Cの操作環c3が、互いに接近する方向に移動させると、施錠部材Cの係止ブロックc2が、枠部材2’の一対の垂直枠部2bの相対する垂直面2gに形成された凹部2g1から抜け出るので、この状態から、扉部材2”を、枠部材2’の扉部材用ヒンジ雌部H4と扉部材2”の扉部材用ヒンジ雄部H5とによるヒンジ部を中心に外側に回動させることにより、図15に示されているように、扉部材2”を開けることができる。従って、箱型に組み立てられ段積みされた折り畳みコンテナーから、上方に段積みされた折り畳みコンテナーを下ろすことなく、物品を取り出したり、或いは、箱型に組み立てられ段積みされた折り畳みコンテナーに、物品を収納することができる。
【0040】
なお、図6に示されているように、扉部材2”の下部水平フランジ2jの下面の内側縁部から下方に垂下するストッパーとして機能する垂直リブ2j1を形成し、扉部材2”を閉じるために枠部材2’方向に回動させた際に、扉部材2”が、略垂直に立てられた状態で、上記の垂直リブ2j1が、枠部材2’を構成する水平梁部2aの内壁面に当接するように構成することによって、扉部材2”が、それ以上、箱型に組み立てられた折り畳みコンテナーの内部に入り込まないように構成されている。このように構成することにより、扉部材2”が、箱型に組み立てられた折り畳みコンテナーの内部に入り込み、収容されている物品を損傷するようなことが防止できるとともに、施錠部材Cの係止ブロックc2と枠部材2’の垂直枠部2bの垂直面2gに形成された凹部2g1との位置合わせが容易になり、扉部材2”の閉鎖作業の作業性が向上する。
【0041】
箱型に組み立てられ物品が収容された折り畳みコンテナーは、短側壁3に形成された手持ち用開口3eに手を入れて運搬することになるが、従来の折り畳みコンテナーにおいては、底部1と短側壁3とをヒンジ連結するヒンジ部が、全て、短側壁3の短側壁側ヒンジ雄部H6を構成する水平ピンh4を、底部1の短辺側ヒンジ雌部材H2を構成するフックh2に引っ掛ることにより構成されていたので、特に、重量物が収容されている折り畳みコンテナーを、手持ち用開口3eに手を入れて運搬すると、水平ピンh4がフックh2から外れたり、フックh2や水平ピンh4が、負荷に耐えられずに損傷するという問題があった。しかしながら、本実施例においては、底部1と短側壁3とをヒンジ連結するヒンジ部のうち、両端部に位置するヒンジ部として、短側壁3の下部水平フランジ3aの下面に形成された軸受け筒部3dの水平軸孔3d1及び底部1の長辺側土手部1bの両端部に形成されたピン挿入孔1fに、軸ピンPを嵌入することにより構成される軸受け筒部と軸ピンとからなるヒンジ部材を使用したので、ヒンジ部に大きな負荷が掛かっても、水平ピンh4がフックh2から外れたり、フックh2や水平ピンh4が、負荷に耐えられずに損傷するというような課題を解決することができる。
【0042】
上述したように、本実施例においては、扉部材2”を形成したので、箱型に組み立てられ段積みされた折り畳みコンテナーから、上方に段積みされた折り畳みコンテナーを下ろすことなく、物品を取り出したり、或いは、箱型に組み立てられ段積みされた折り畳みコンテナーに、物品を収納することができるとともに、長側壁2に扉部材2”を形成することにより、短側壁3に扉部材2”を形成する場合に比べ、扉部材2”を開けた際の開口部を大きくすることができ、従って、物品の取り出し作業及び収納作業の作業性が向上する。
【0043】
また、施錠部材Cは、中間装着リブ2sに圧接している弾性バネ部材として機能する下部アーチc5及び端部側装着リブ2tに圧接している弾性バネ部材として機能する上部アーチc4の弾性力により、係止ブロックc2が、端部垂直リブ2mから突出する方向に付勢されるように構成されているので、施錠部材Cの係止ブロックc2が、不用意に、垂直枠部2bの垂直面2gに形成された凹部2g1から抜け出て、扉部材2”が開くようなことを防止することができる。また、施錠部材Cの弾性バネ部材として機能する部材が、アーチ状の上部アーチc4と下部アーチc5とにより構成されているので、長時間使用しても、弾性バネ機能が損なわれるようなことがない。
【0044】
【発明の効果】
本発明は、以上説明した構成を有しているので、以下に記載する効果を奏するものである。
【0045】
長側壁に扉部材を配設したので、箱型に組み立てられ段積みされた折り畳みコンテナーから、上方に段積みされた折り畳みコンテナーを下ろすことなく、物品を取り出したり、或いは、箱型に組み立てられ段積みされた折り畳みコンテナーに、物品を収納することができるとともに、長側壁に扉部材を形成することにより、短側壁に扉部材を形成する場合に比べ、扉部材を開けた際の開口部を大きくすることができ、従って、物品の取り出し作業及び収納作業の作業性が向上する。
【0046】
扉部材の施錠部材の弾性バネ部材として機能する部材を、アーチ部材としたので、扉部材の開閉作業を頻繁に行っても、弾性バネ機能が損なわれるようなことがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の折り畳みコンテナーが箱型に組み立てられた状態の斜視図である。
【図2】図2は本発明の折り畳みコンテナーの組み立て途中の斜視図である。
【図3】図3は本発明の折り畳みコンテナーの折り畳まれた状態の斜視図である。
【図4】図4は本発明の折り畳みコンテナーの底部の斜視図である。
【図5】図5は本発明の折り畳みコンテナーの長側壁の外側から見た分解斜視図である。
【図6】図6は本発明の折り畳みコンテナーの長側壁の内側から見た分解斜視図である。
【図7】図7は本発明の折り畳みコンテナーの長側壁を構成する扉部材の分解斜視図である。
【図8】図8は本発明の折り畳みコンテナーの角部付近の斜視図である。
【図9】図9は本発明の箱型に組み立てられた状態の折り畳みコンテナーの部分正面図である。
【図10】図10は図9と同様の本発明の箱型に組み立てられた状態の折り畳みコンテナーの部分正面図である。
【図11】図11は本発明の折り畳みコンテナーの短側壁の斜視図である。
【図12】図12は本発明の折り畳みコンテナーの底部と長側壁と短側壁の部分分解斜視図である。
【図13】図13は本発明の折り畳みコンテナーの長側壁と短側壁との係合状態を説明するための部分水平断面図である。
【図14】図14は図13と同様の本発明の折り畳みコンテナーの長側壁と短側壁との係合状態を説明するための部分水平断面図である。
【図15】図15は本発明の折り畳みコンテナーの扉部材が開けられた状態の斜視図である。
【符号の説明】
C・・・・・・・・・・・・施錠部材
1・・・・・・・・・・・・底部
2・・・・・・・・・・・・長側壁
2’・・・・・・・・・・・枠部材
2”・・・・・・・・・・・扉部材
3・・・・・・・・・・・・短側壁
20・・・・・・・・・・・長側壁側係合部材
30・・・・・・・・・・・短側壁側係合部材
Claims (2)
- 底部と、底部にヒンジ連結された長側壁と、同じく底部にヒンジ連結された短側壁とを有するとともに、箱型に組み立てられた状態から、短側壁を底部に重なるように回動し、次いで、長側壁を短側壁に重なるように回動させることにより折り畳むことが可能な折り畳みコンテナーにおいて、長側壁が、略U字状の枠部材と該枠部材の水平梁部にヒンジ連結された扉部材とにより構成されているとともに、扉部材の下部水平フランジの下面には垂直リブが垂下されており、外側に倒された状態の扉部材を略垂直に立てた際には、扉部材の下部水平フランジの下面に垂下された垂直リブが、枠部材を構成する水平梁部の内壁面に当接するように構成されていることを特徴とする折り畳みコンテナー。
- 扉部材の施錠部材の弾性バネ部材として機能する部材が、アーチ部材により構成されていることを特徴とする請求項1に記載の折り畳みコンテナー。
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