従来、上部フレームと、底部と、上部フレームの短辺部にその上部水平部がヒンジ連結された、折り畳みコンテナーの内側方向に回動可能な側壁(以下、この側壁を、はね上げ側壁という。)と、上部分割側壁と下部分割側壁とからなる分割側壁とを有するとともに、上部分割側壁の上部水平部が、上部フレームの長辺側にヒンジ連結され.また、上部分割側壁の下部水平部と下部分割側壁の上部水平部とが互いにヒンジ連結され、更に、下部分割側壁の下部水平部が、底部の長辺部にヒンジ連結されている折り畳みコンテナーがが知られている。
本出願人は、本出願人の先の出願である特許文献1において、上述した折り畳みコンテナーにおける上部フレームとはね上げ側壁とのヒンジ連結手段について提案した。
以下に、特許文献1に開示されている折り畳みコンテナーについて、図7〜図12を用いて説明する。
折り畳みコンテナーは、上部フレーム1と、底部2と、上部フレーム1の長辺部にその上部水平部がヒンジ連結されたはね上げ側壁3と、上下に分割されているとともに、適当なヒンジ部を介して連結された分割側壁4とを有しており、分割側壁4は、ヒンジ部を挟んで上方に位置する上部分割側壁4’と、ヒンジ部を挟んで下方に位置する下部分割側壁4”とから構成されており、且つ、上部分割側壁4’の上部水平部が、上部フレーム1の長辺部にヒンジ連結されており、また、下部分割側壁4”の下端部が、底部2の長辺部にヒンジ連結されている。
図7に示されている箱型状態の折り畳みコンテナーの略垂直状のはね上げ側壁3を、折り畳みコンテナーの内部方向に回動させて、図8に示されているように、略水平状態とし、次いで、上部分割側壁4’と下部分割側壁4”を連結しているヒンジ部を、折り畳みコンテナーの内部方向に移動させて、上部分割側壁4’と下部分割側壁4”とを重ねることにより、箱型状態の折り畳みコンテナーを、図9に示されているように、高さの低いコンパクトな状態に折り畳むことができるように構成されている。また、底部2に対して上部フレーム1を持ち上げて、略水平状態に重ねられている上部分割側壁4’と下部分割側壁4”を、互いに略面一になるように略垂直に立て、次いで、上部フレーム1に、その上端部がヒンジ連結されているはね上げ側壁3を、略水平状態から垂直方向に回動させることにより、折り畳まれた状態の折り畳みコンテナーを、箱型に組み立てるように構成されている。
上部フレーム1は、外側壁部1aと、外側壁部1aの上端から水平方向内側に延在する天板部1bと、天板部1bの先端から下方に、且つ、外側壁部1aに対して略平行に延在するとともに、外側壁部1aより高さの低い内側壁部1cとにより、長手方向に直交する断面形状が略逆U字状に形成されている。
はね上げ側壁3がヒンジ連結される上部フレーム1の短辺枠1’には、外側壁部1aと天板部1bと内側壁部1cにより囲まれた上部フレーム1内に配置されているとともに、その下端部が、内側壁部1cの下端を越えて下方に延在し、且つ、短辺枠1’の長手方向に直交する支持片5が形成されている。
短辺枠1’の外側壁部1aには、水平板6aが連接されており、水平板6aの先端には、上方が開放された半筒状の軸受け部6bが形成されており、水平板6aと軸受け部6bとにより、軸受け部材6が構成されている。軸受け部材6の長辺枠1”側に位置する側面は、上述した支持片5に連接されている。また、軸受け部材6は、短辺枠1’を構成する外側壁部1aと内側壁部1cとの間に位置しているとともに、軸受け部材6を構成する軸受け部6bの先端上面6b1と、内側壁部1cの下端1c1との間には、後述するはね上げ側壁3に配設された水平軸が挿入可能な間隙が形成されている。
上部フレーム1の長辺枠1”の短辺枠1’側には、外側壁部1aを凹ますことにより形成された凹部7が形成されており、凹部7の奥壁7aは、内側壁部1cにより形成されている。この奥壁7aには、透孔7bが形成されており、奥壁7aの外壁面には、透孔7bの周囲を取り囲むように、コップ状のカバー8が取着されている。
はね上げ側壁3の上端フランジ3aの上面には、上部が半円形状で、上端フランジ3aの長手方向に直交する板片3bが、複数個、立設されている。板片3bには、板片3bの先端部から外側端面を経て上端フランジ3aまで達する、略逆J字状の横長の端部壁3cが形成されている。所定の間隔を置いて配置された板片3bに形成された端部壁3cの一部を省略することにより、板片3b間には、間隙Dが形成されている。このような間隙Dは、上述した上部フレーム1の短辺枠1’に形成された軸受け部材6に対応して、複数個、形成されている。本実施例においては、上部フレーム1の短辺枠1’に、2個の軸受け部材6が形成されているので、はね上げ側壁3にも、2個の間隙Dが形成されている。
はね上げ側壁3に形成された間隙Dを構成する、相対する板片3bのうち、端部壁3cの中央よりの板片3bには、片持ち状に水平軸9が突設されている。水平軸9の先端と水平軸9の先端と対向する板片3bとの間には、上述した上部フレーム1の短辺枠1’に形成された支持片5が挿通可能な間隙が形成されている。また、はね上げ側壁3の両側の垂直フランジ3dに面一になるように配置された、両端に位置する板片3bの外面には、端部水平軸10が突設されている。
はね上げ側壁3の両端に位置する板片3bの外面に突設された端部水平軸10を、上部フレーム1の長辺枠1”の短辺枠1’側に形成された奥壁7aに穿設された透孔7bに嵌入するが、端部水平軸10の奥壁7aから突出した部分は、奥壁7aの外壁面に取着されたコップ状のカバー8内に収容されることになる。また、はね上げ側壁3の相対する板片3b間に形成された間隙Dには、上部フレーム1の短辺枠1’に形成された支持片5と軸受け部材6が挿入されるとともに、はね上げ側壁3に形成された間隙Dを構成相対する板片3bの一方の板片3bに突設された片持ち状の水平軸9が、上部フレーム1の短辺枠1’に形成された軸受け部材6の上方が開放された半筒状の軸受け部6bの凹部6b2に収容されるように構成されている。この際、上部フレーム1の短辺枠1’に形成された支持片5は、はね上げ側壁3の水平軸9の先端と水平軸9の先端と対向する板片3bとの間に形成された間隙に挿入されることになる。このようにして、上部フレーム1の短辺枠1’に、はね上げ側壁3がヒンジ連結されるように構成されている。
11は、上部フレーム1を構成する短辺枠1’の内側壁部1cの下端中央部に垂下された係止片である。折り畳みコンテナーが箱型に組み立てられ、はね上げ側壁3が略垂直状態において、上記係止片11が、はね上げ側壁3の上端部に形成された略逆J字状の横長の端部壁3cの先端3c1に、当接或いは実質的に当接するように構成されている。このように構成することにより、箱型に組み立てられた状態において、はね上げ側壁3が、上部フレーム1から外れることを防止するように構成されている。
作業者が、折り畳まれた状態の折り畳みコンテナーの上部フレーム1の相対する短辺枠1’の一方を持って、垂直状態の折り畳まれた状態の折り畳みコンテナーを運搬することが行われるが、このように、折り畳まれた状態の折り畳みコンテナーを、垂直状態とした際には、上部フレーム1の短辺枠1’に形成された軸受け部材6の凹部6b2に収容されている、はね上げ側壁3の水平軸9が、軸受け部材6の先端上面6b1付近に引っ掛かった状態であるので、はね上げ側壁3の水平軸9が、上部フレーム1の短辺枠1’に形成された軸受け部材6の凹部6b2から抜け出て、はね上げ側壁3が、上部フレーム1から外れるという問題があった。
また、折り畳まれた状態の折り畳みコンテナーを段積みした状態で、輸送や保管を行う場合に、外部からの衝撃や振動により、段積みされた折り畳みコンテナーが倒れることがあるが、倒れた際の衝撃により、はね上げ側壁が、上部フレームから外れるという問題があった。
本発明の目的は、上述した折り畳みコンテナーが有する課題を解決することにある。
本発明は、上述した目的を達成するために、上部フレームと、底部と、上部フレームにその上端部が枢支されたはね上げ側壁と、上部分割側壁と下部分割側壁とを有する分割側壁とからなり、はね上げ側壁に形成された板片に突設された片持ち状の水平軸を、上部フレームに形成された軸受け部材の凹部に収容することにより、上部フレームにはね上げ側壁がヒンジ連結されるように構成されている折り畳みコンテナーにおいて、はね上げ側壁の上端フランジの上面に立設された板片に、係止水平軸が取着されているとともに、上部フレームには、該上部フレームを構成する内側壁部の下端に連結された係止板が配設されており、上部フレームとはね上げ側壁とがヒンジ連結された際には、はね上げ側壁に配設された係止水平軸の先端部が、箱型に組み立てられた折り畳みコンテナーの内側から見て、係止板の背後に位置するように構成されており、また、はね上げ側壁が略垂直状態における係止水平軸の上面には、係止部材が連接されており、はね上げ側壁が略垂直状態においては、はね上げ側壁に配設された係止部材が、箱型に組み立てられた折り畳みコンテナーの内側から見て、衝合板の背後に位置するように構成したものである。
はね上げ側壁の上端フランジの上面に立設された板片に、係止水平軸を取着するとともに、上部フレームに、係止板を配設し、上部フレームとはね上げ側壁とがヒンジ連結された際には、はね上げ側壁に配設された前記係止水平軸の先端部が、上部フレームに配設された前記係止板の背後に位置するように構成したので、折り畳まれた折り畳みコンテナーの略垂直に吊り下げられた状態の一方のはね上げ側壁に配設された一方のヒンジ部材が、上部フレームに配設されたもう一方のヒンジ部材から抜け出るようなことを防止することができ、従って、略垂直に吊り下げられた状態の一方のはね上げ側壁が、上部フレームから外れるようなことを防止することができる。
また、はね上げ側壁の上端フランジの上面に立設された板片に、係止水平軸を取着するとともに、上部フレームに、係止板を配設し、上部フレームとはね上げ側壁とがヒンジ連結された際には、はね上げ側壁に配設された前記係止水平軸の先端部が、上部フレームに配設された前記係止板の背後に位置するように構成したので、略垂直状態のはね上げ側壁の上部に、外側から負荷が加わった際には、はね上げ側壁に配設された上記の係止水平軸が、上部フレームに配設された係止板に当接することになるので、はね上げ側壁の内側方向への移動が阻止され、従って、はね上げ側壁と上部フレームとのヒンジ連結が解除されるようなことを防止することができるとともに、ヒンジ部材の損傷を防止することができる。
更に、はね上げ側壁の上端フランジの上面に立設された板片に、係止水平軸を取着するとともに、上部フレームに、係止板を配設し、上部フレームとはね上げ側壁とがヒンジ連結された際には、はね上げ側壁に配設された前記係止水平軸の先端部が、上部フレームに配設された前記係止板の背後に位置するように構成したので、折り畳まれた状態で段積みされた折り畳みコンテナーが倒れた際の衝撃により、はね上げ側壁と上部フレームとのヒンジ連結が解除されるようなことを防止することができる。
はね上げ側壁が略垂直状態における係止水平軸の上面に、係止部材を形成するとともに、上部フレームに、衝合板を配設し、上部フレームとはね上げ側壁とがヒンジ連結された際には、はね上げ側壁に配設された前記係止部材が、上部フレームに配設された前記衝合板の背後に位置するように構成したので、略垂直状態のはね上げ側壁の上部に、外側から負荷が加わった際には、はね上げ側壁に配設された係止部材が、上部フレームに配設された衝合板に当接することになるので、はね上げ側壁の内側方向への移動が阻止され、従って、はね上げ側壁と上部フレームとのヒンジ連結が解除されるようなことを防止することができるとともに、ヒンジ部材の損傷を防止することができる。
以下に、本発明の実施例について説明するが、本発明の趣旨を越えない限り何ら、本実施例に限定されるものではない。なお、上述した折り畳みコンテナーと同じ構成部材については、同じ符号を使用するとともに、その詳細な説明は、省略する。
上述した折り畳みコンテナーと同様に、上部フレーム1とはね上げ側壁3をヒンジ連結するために、上部フレーム1の短辺枠1’に形成された軸受け部材6と該軸受け部材6の凹部6b2に収容されるはね上げ側壁3の水平軸9とによるヒンジ連結手段が配設されているが、本発明の実施例においては、このようなヒンジ手段が、4箇所、配設されている例が示されている。また、上部フレーム1を構成する短辺枠1’の内側壁部1cの下端中央部に垂下された係止片11や、はね上げ側壁3の両端に位置する板片3bの外面に突設された端部水平軸10及び該端部水平軸10が収容される、上部フレーム1に形成されたコップ状のカバー8は、配設されていない。
上述した、ヒンジ連結手段を構成する上部フレーム1の短辺枠1’に形成された軸受け部材6は、短辺枠1’の両端部付近に、それぞれ、1個ずつ形成されており、この軸受け部材6に収容される水平軸9は、はね上げ側壁3の端部壁3cの両端部付近に、それぞれ、1個ずつ形成されている。また、ヒンジ連結手段を構成する上部フレーム1の短辺枠1’の中央部には、所定の間隔を置いて、2個の軸受け部材6が形成されており、この軸受け部材6に収容される水平軸9が、はね上げ側壁3の端部壁3cの中央部に、所定の間隔を置いて、2個形成されている。以下においては、上部フレーム1の短辺枠1’の中央部に形成されている軸受け部材6を、中央部側軸受け部材と称し、符号6’を使用し、また、はね上げ側壁3の端部壁3cの中央部に形成されている水平軸9を、中央部側水平軸と称し、符号9’を使用する。
上部フレーム1に配設された中央部側軸受け部材6’が連接されている支持片5には、支持片5の内側(箱型に組み立てられた折り畳みコンテナーの内側に位置する)に位置する垂直端面5aに沿って、支持片5の下端付近から上方に延在するとともに、上部フレーム1を構成する内側壁部1cの下端1c1に連結された係止板h1が形成されている。また、上部フレーム1の短辺枠1’を構成する内側壁部1cを下方に延在することにより、衝合板h2が形成されており、衝合板h2は、係止板h1の中程まで延在しているとともに、衝合板h2の一端は、係止板h1に連結されているとともに、衝合板h2の下部中央部を切り欠くことにより、衝合板h2には、嵌合切り欠き部h2aが形成されている。なお、本実施例においては、係止板h1が形成されている支持片5の側面5bと反対側に位置する側面5cに、中央部側軸受け部材6’が連接されている。
はね上げ側壁3に配設された中央部側水平軸9’と所定の間隙を置いて、且つ、中央部側水平軸9’と対向するように、係止水平軸s1が配置されており、係止水平軸s1は、中央部側水平軸9’が取着されている板片3bと所定の間隔を置いて形成されている板片3b’に取着されている。はね上げ側壁3が略垂直状態における係止水平軸s1の上面には、連結リブs2aが立設されており、連結リブs2aの上端には、係止ブロックs2bが連接されており、連結リブs2aと係止ブロックs2bとにより、係止部材s2が形成されている。係止部材s2の連結リブs2a及び係止ブロックs2bの板片3b’側の側面は、板片3b’に連接されているとともに、係止ブロックs2bの上面s2b’は、板片3b’の上端面板片3b”と略面一になるように形成されている。
なお、s3は、はね上げ側壁3が略垂直状態における係止水平軸s1の下端面と上端フランジ3aを連結するとともに、板片3b’に連接された垂直補強リブであり、s4は、はね上げ側壁3が略垂直状態における係止水平軸s1の外側面(箱型に組み立てられた折り畳みコンテナーの外側に位置する面)に形成された水平補強リブであり、水平補強リブs4の一端は、板片3b’に連接されている。なお、垂直補強リブs3や水平補強リブs4は、必要に応じて、省略することができる。
上部フレーム1の短辺枠1’に、はね上げ側壁3をヒンジ連結する場合には、先ず最初に、はね上げ側壁3に配設された水平軸9と上部フレーム1の短辺枠1’に配設された軸受け部材6とが対向するように、また、はね上げ側壁3に配設された中央部側水平軸9’と上部フレーム1の短辺枠1’に配設された中央部側軸受け部材6’とが対向するように、はね上げ側壁3と上部フレーム1とを配置する。このように配置した後に、はね上げ側壁3を上部フレーム1に接近させると、はね上げ側壁3に配設された水平軸9が、上部フレーム1の短辺枠1’に配設された軸受け部材6の凹部6b2に収容され、また、はね上げ側壁3に配設された中央部側水平軸9’が、上部フレーム1の短辺枠1’に配設された中央部側軸受け部材6’の凹部6b2に収容されて、はね上げ側壁3と上部フレーム1とがヒンジ連結されることになるが、本発明においては、はね上げ側壁3に配設された水平軸9と上部フレーム1の短辺枠1’に配設された軸受け部材6とが対向するように、また、はね上げ側壁3に配設された中央部側水平軸9’と上部フレーム1の短辺枠1’に配設された中央部側軸受け部材6’とが対向するように、はね上げ側壁3と上部フレーム1とを配置した際には、はね上げ側壁3に配設された係止水平軸s1の先端部が、上部フレーム1の短辺枠1’に配設された係止板h1と部分的に重なり、はね上げ側壁3を上部フレーム1に接近させた際には、はね上げ側壁3に配設された係止水平軸s1の先端部が、上部フレーム1の短辺枠1’に配設された係止板h1に当接するように構成されている。
上述した状態から、更に、はね上げ側壁3を上部フレーム1に接近させて、係止水平軸s1を、係止板h1に強く押し付けると、係止板h1が取着されている支持片5が弾性変形して傾動し、はね上げ側壁3に配設された係止水平軸s1の先端部が、上部フレーム1の短辺枠1’に配設された係止板h1を越えることができるとともに、係止水平軸s1の先端部が、係止板h1を越えた時点で、係止板h1が取着されている支持片5が、その弾性復元力により、元の垂直位置に戻り、従って、係止水平軸s1の先端部が、係止板h1の背後(箱型に組み立てられた折り畳みコンテナーの内側から見て)に位置することになる。このはね上げ側壁3に配設された係止水平軸s1の先端部の、上部フレーム1の短辺枠1’に配設された係止板h1の背後への移動と前後して、上述したように、はね上げ側壁3に配設された水平軸9が、上部フレーム1の短辺枠1’に配設された軸受け部材6の凹部6b2に収容され、また、はね上げ側壁3に配設された中央部側水平軸9’が、上部フレーム1の短辺枠1’に配設された中央部側軸受け部材6’の凹部6b2に収容されて、はね上げ側壁3と上部フレーム1とがヒンジ連結されることになる。
はね上げ側壁3が略水平の状態にある折り畳まれた状態の折り畳みコンテナーの上部フレーム1の短辺枠1’を持って、折り畳まれた折り畳みコンテナーを、略垂直状態で運搬したり、或いは、折り畳まれた状態の折り畳みコンテナーを、略垂直状態で保管するような場合に、略垂直に吊り下げられた状態の一方のはね上げ側壁3に配設された水平軸9には、上部フレーム1の短辺枠1’に配設された軸受け部材6の凹部6b2から抜け出ようとする負荷が加わることになるが、図4に示されているように、略垂直に吊り下げられた状態の一方のはね上げ側壁3に配設された係止水平軸s1の先端部が、上部フレーム1の短辺枠1’に配設された係止板h1に当接するように構成されているので、略垂直に吊り下げられた状態の一方のはね上げ側壁3に配設された水平軸9が、上部フレーム1の短辺枠1’に配設された軸受け部材6の凹部6b2から抜け出るようなことを防止することができる。
また、図5に示されているように、折り畳みコンテナーが箱型に組み立てられて、はね上げ側壁3が略垂直状態においては、はね上げ側壁3に配設された係止水平軸s1に連接されている係止部材s2の係止ブロックs2bが、上部フレーム1の短辺枠1’に配設された衝合板h2の背後(箱型に組み立てられた折り畳みコンテナーの内側から見て)に位置するように構成されている。従って、略垂直状態のはね上げ側壁3の上部に、外側から負荷が加わった際には、はね上げ側壁3に配設された係止部材s2の係止ブロックs2bが、上部フレーム1の短辺枠1’に配設された衝合板h2に当接することになるので、はね上げ側壁3の内側方向への移動が阻止され、従って、上部フレーム1の軸受け部材6の凹部6b2から、はね上げ側壁3の水平軸9が外れるようなことを阻止することができる。
なお、折り畳みコンテナーが箱型に組み立てられて、はね上げ側壁3が略垂直状態においては、はね上げ側壁3に配設された、係止水平軸s1が取着されている板片3b’が、上部フレーム1の短辺枠1’に配設された衝合板h2に形成されている嵌合切り欠き部h2aに、部分的に嵌合され、はね上げ側壁3の水平方向への回動が阻止されないように構成されている。
更に、上部フレーム1の短辺枠1’を構成する内側壁部1cの両端部付近には、内側壁部1cを下方に延在することにより、垂下板g1が形成されており、垂下板g1の高さ(内側壁部1cの下端から垂下板g1の下端までの距離)は、上部フレーム1の短辺枠1’を構成する内側壁部1cを下方に延在することにより形成された衝合板h2の高さ(内側壁部1cの下端から停止板g1の下端までの距離)と略同じに形成されている。一方、はね上げ側壁3の上端フランジ3aの両端部付近には、略逆J字状で、且つ、箱型に組み立てられた折り畳みコンテナーの内部方向が開口された端部壁3c’が形成されている。
はね上げ側壁3が箱型に組み立てられた際には、上部フレーム1の短辺枠1’を構成する内側壁部1cに垂設された垂下板g1の内面(上部フレーム1の外側壁部1aと対向する面)が、端部壁3c’の上端3c”に当接或いは実質的に当接するように構成されている。従って、折り畳みコンテナーが箱型に組み立てられ、略垂直状態のはね上げ側壁3の上部に、外側から負荷が加わった際には、はね上げ側壁3の上端フランジ3aの両端部付近に形成された端部壁3c’の上端3c”が、上部フレーム1の短辺枠1’を構成する内側壁部1cの両端部付近に形成された垂下板g1に当接することになるので、はね上げ側壁3の内側方向への移動が阻止され、従って、上部フレーム1の軸受け部材6の凹部6b2から、はね上げ側壁3の水平軸9が外れるようなことを阻止することができる。
上述したように、はね上げ側壁3の上端フランジ3aの上面に立設された板片3b’に、係止水平軸s1を取着するとともに、上部フレーム1の短辺枠1’に、係止板h1を配設し、はね上げ側壁3に配設された上記の係止水平軸s1の先端部が、上部フレーム1の短辺枠1’に配設された上記の係止板h1の背後に位置するように構成されているので、折り畳まれた折り畳みコンテナーの略垂直に吊り下げられた状態の一方のはね上げ側壁3に配設された、はね上げ側壁3と上部フレーム1とのヒンジ手段の一方のヒンジ部材を構成する水平軸9が、上部フレーム1の短辺枠1’に配設された、はね上げ側壁3と上部フレーム1とのヒンジ手段のもう一方のヒンジ部材を構成する軸受け部材6の凹部6b2から抜け出るようなことを防止することができ、従って、略垂直に吊り下げられた状態の一方のはね上げ側壁3が、上部フレーム1の短辺枠1’から外れるようなことを防止することができる。
また、折り畳みコンテナーが箱型に組み立てられて、はね上げ側壁4が略垂直状態においては、はね上げ側壁3に配設された係止水平軸s1の先端部が、上部フレーム1の短辺枠1’に配設された係止板h1の背後に位置するように構成されているので、略垂直状態のはね上げ側壁3の上部に、外側から負荷が加わった際には、はね上げ側壁3に配設された上記の係止水平軸s1が、上部フレーム1の短辺枠1’に配設された上記の係止板h1に当接することになるので、はね上げ側壁3の内側方向への移動が阻止され、従って、はね上げ側壁3と上部フレーム1とのヒンジ手段の一方のヒンジ部材を構成する、はね上げ側壁3に配設された水平軸9が、はね上げ側壁3と上部フレーム1とのヒンジ手段のもう一方のヒンジ部材を構成する、上部フレーム1の短辺枠1’に配設された軸受け部材6の凹部6b2から抜け出るようなことを防止することができるとともに、ヒンジ連結を構成する軸受け部材6や水平軸9の損傷を防止することができる。
更に、はね上げ側壁3に配設された係止水平軸s1に、係止部材s2を連接するとともに、上部フレーム1の短辺枠1’に、衝合板h2を配設し、はね上げ側壁4が略垂直状態においては、はね上げ側壁3に配設された上記の係止部材s2が、上部フレーム1の短辺枠1’に配設された上記の衝合板h2の背後に位置するように構成されているので、略垂直状態のはね上げ側壁3の上部に、外側から負荷が加わった際には、はね上げ側壁3に配設された上記の係止部材s2が、上部フレーム1の短辺枠1’に配設された上記の衝合板h2に当接することになるので、はね上げ側壁3の内側方向への移動が阻止され、従って、はね上げ側壁3と上部フレーム1とのヒンジ手段の一方のヒンジ部材を構成する、はね上げ側壁3に配設された水平軸9が、はね上げ側壁3と上部フレーム1とのヒンジ手段のもう一方のヒンジ部材を構成する、上部フレーム1の短辺枠1’に配設された軸受け部材6の凹部6b2から抜け出るようなことを防止することができるとともに、ヒンジ連結を構成する軸受け部材6や水平軸9の損傷を防止することができる。
図6に示されている実施例は、折り畳みコンテナーが折り畳まれた状態において、上部フレーム1の短辺枠1’に形成された係止板h1と対向するはね上げ側壁3に配設された係止水平軸s1の面を、略平面s1’に形成したものである。このように構成することにより、折り畳みコンテナーが折り畳まれた状態においては、上部フレーム1の短辺枠1’に形成された係止板h1とはね上げ側壁3に配設された係止水平軸s1の略平面s1’とが面接触することになり、従って、略垂直に吊り下げられた状態の一方のはね上げ側壁3が、上部フレーム1の短辺枠1’から外れるようなことを、確実に防止することができる。