JP4649264B2 - 硬化性組成物および硬化物 - Google Patents

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Description

本発明は特定の反応性希釈剤、エポキシ樹脂および硬化剤を含有する硬化性組成物、並びに該組成物を硬化させて得られる硬化物に関する。
エポキシ樹脂は各種材料への密着性に優れ、耐熱性、耐薬品性、耐電性、電気絶縁性が高く、硬化収縮率が低いという性質を有する為、塗料、接着剤、半導体封止材等の様々な用途に使用されている。多くのエポキシ樹脂は高粘度で作業性が悪いことから、これを改善する為に、エポキシ樹脂に反応性希釈剤を使用することが知られている。反応性希釈剤としてはグリシジルエーテル化合物が、通常、用いられており、このようなグリシジルエーテル化合物としては、n−ブチルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、炭素数12〜13の高級アルコールの(モノ)グリシジル化物;1,6−ヘキサンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコールのジグリシジル化物などが知られている(非特許文献1参照)。
「総説 エポキシ樹脂 基礎編II」、エポキシ樹脂技術協会、2003年11月19日発行、45−54頁
上記したグリシジル化物を使用することで作業性は改善されるものの、得られる硬化物の力学的強度の低下や吸水率の上昇といった物性低下の問題がある。
本発明は、先行技術の上記状況に鑑み、硬化物の力学的強度の低下および吸水率の上昇が共に少ない、特定の反応性希釈剤を含有する硬化性組成物、および該硬化性組成物を硬化させてなる硬化物を提供することを目的とする。
本発明によれば、上記の課題は[1]下記式(1)
Figure 0004649264
で示されるグリシジルエーテル化合物(すなわち、1,9−ノナンジオールジグリシジルエーテル)[以下、グリシジルエーテル(1)と略称する]、エポキシ樹脂および硬化剤を含有する硬化性組成物、並びに該組成物を硬化させて得られる硬化物を提供することによって解決される。
本発明の、特定の反応性希釈剤を含有する硬化性組成物は、反応性希釈剤に由来する強度の低下および吸水性の上昇が共に少ない硬化物を与える。本組成物は樹脂改質剤、架橋剤、塗料、コーティング剤、インキ、医薬品、接着剤、バインダー、紙・繊維改質剤、半導体封止剤などの用途に用いることができる。
本発明の硬化性組成物に用いるグリシジルエーテル(1)の製造方法に特に制限はなく、1,9−ノナンジオールのグリシジル化によって製造することができ、具体的には、塩基性物質および必要に応じて相間移動触媒や溶媒の存在下、1,9−ノナンジオールとエピハロヒドリンとの反応により製造することができる。以下、この方法について説明する。
エピハロヒドリンとしては、例えばエピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン、エピヨードヒドリンなどが挙げられる。エピハロヒドリンの使用量に特に制限は無いが、1,9−ノナンジオールに対して、通常、0.5〜20倍モルの範囲であるのが好ましく、収率および容積効率の点から、1〜10倍モルの範囲であるのがより好ましい。
塩基性物質としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物;水素化ナトリウム、水素化カリウムなどのアルカリ金属水素化物などが挙げられる。塩基性物質の使用量は、1,9−ノナンジオールに対して0.5〜20倍モルの範囲であるのが好ましく、1〜10倍モルの範囲であるのがより好ましい。なお、塩基性物質は、水溶液の状態で使用してもよい。その場合、水の使用量は、該塩基性物質に対して、0.2〜10倍質量の範囲であるのが好ましく、0.5〜4倍質量の範囲であるのがより好ましい。
塩基性物質としてアルカリ金属水酸化物を反応に用いる場合や塩基性物質を水溶液として反応に用いる場合は、水(反応の進行に伴い副生する水を含む)を反応系外に除去しながら反応を行なうこともできる。水を反応系外に除去する方法としては、脱水剤として、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウムなどの無機塩;モレキュラーシーブなどの合成ゼオライトを反応系に共存させる方法や、原料として用いるエピハロヒドリン、または、溶媒を使用する場合には、その溶媒との共沸蒸留により水を反応系外に除去する方法などが挙げられる。
反応において、塩基性物質として、例えばアルカリ金属水酸化物の水溶液などの水溶液を用いる場合、通常、相間移動触媒を使用するのが好ましい。相間移動触媒に特に制限は無いが、例えばトリオクチルメチルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムブロミド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリドなどの第四級アンモニウム塩;テトラブチルホスホニウムクロリドなどのホスホニウム塩;15−クラウン−5、18−クラウン−6などのクラウンエーテルなどが挙げられる。相間移動触媒を使用する場合、その使用量は、1,9−ノナンジオールに対して、通常、0.001〜0.5倍モルの範囲であるのが好ましく、0.01〜0.2倍モルの範囲であるのがより好ましい。
反応は、溶媒の存在下または不存在下に実施できる。溶媒としては、反応に悪影響を与えない限り特に制限はないが、例えばベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの飽和脂肪族炭化水素;ジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル;塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素などが挙げられる。これらは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。溶媒を使用する場合、その使用量に特に制限はないが、1,9−ノナンジオールに対して、通常、0.01〜20倍質量の範囲であるのが好ましく、0.1〜10倍質量の範囲であるのがより好ましい。本反応の場合、溶媒の不存在下に実施してもグリシジルエーテル(1)を効率よく製造することができ、容積効率の観点からその方が好ましい。
反応温度は、通常、−30〜150℃の範囲であるのが好ましく、−10〜120℃の範囲であるのがより好ましい。−30℃未満では反応速度が極めて小さくなる傾向にある。一方、150℃を超えると、例えば重合などの副反応が起こり易くなり、収率が低下する傾向となる。また、反応時間は10分〜15時間の範囲であるのが好ましく、副反応抑制の観点からは10分〜10時間の範囲であるのが好ましい。
反応は、窒素、アルゴンのような不活性ガス雰囲気下で実施するのが好ましい。また、反応は減圧下、大気圧下、加圧下のいずれでも実施できる。
反応は、例えば攪拌型反応装置に塩基性物質の水溶液、1,9−ノナンジオール、エピハロヒドリンならびに必要に応じて溶媒および相間移動触媒を一度に、または分割して仕込み、エピハロヒドリンまたは溶媒との共沸蒸留により水を反応系外に除去しながら、所定温度で所定時間反応させることにより行なうことができる。
反応終了後、反応液から固体残留物をろ過して除去し、必要に応じて水、飽和食塩水などで洗浄してから濃縮し、さらに蒸留、カラムクロマトグラフィーなどの、有機化合物の精製において通常用いられる精製操作を行なうことによって、純度の高いグリシジルエーテル(1)を取得できる。
なお、グリシジルエーテル(1)の原料として用いる1,9−ノナンジオールは、7−オクテナールのヒドロホルミル化によって得られる1,9−ノナンジアールを、ラネーニッケルなどの水素添加触媒の存在下に水素添加する方法により製造することができ、適宜蒸留などにより精製することで、純度を高めることができる。
次に、グリシジルエーテル(1)、エポキシ樹脂および硬化剤を含有する硬化性組成物について説明する。
本発明の硬化性組成物に配合するエポキシ樹脂としては、公知のエポキシ樹脂または高粘度エポキシ化合物を使用することができ、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリスフェノールメタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、4官能ナフタレン型エポキシ樹脂、フェノール・ビフェニレン型エポキシ樹脂などのグリシジルエーテル;3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペートなどの脂環式エステル;フタル酸ジグリシジルエステル、ヘキサヒドロフタル酸グリシジルエステルなどのグリシジルエステル;テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、ジグリシジルトルイジン、テトラグリシジルメタキシリレンジアミン、トリグリシジルイソシアヌレートなどのアミン系グリシジル化合物などが挙げられる。これらは1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の硬化性組成物に配合するグリシジルエーテル(1)は、反応性希釈剤として使用する。グリシジルエーテル(1)の使用量は特に制限されないが、上記したエポキシ樹脂に対して、通常、5〜80質量%の範囲であるのが好ましく、10〜50質量%の範囲であるのがより好ましい。
本発明の硬化性組成物には必要に応じてグリシジルエーテル(1)以外の他の反応性希釈剤を用いることもできる。このような反応性希釈剤としては、公知の反応性希釈剤を使用することができ、例えばn−ブチルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、メチルフェニルグリシジルエーテル、p−t−ブチルフェニルグリシジルエーテルなどのモノグリシジルエーテル化合物;2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパンなどの多価アルコールとエピクロロヒドリンを反応させて得られるポリグリシジルエーテル化合物;ネオデカン酸グリシジルエステル、アジピン酸グリシジルエステル、ダイマー酸ジグリシジルエステルなどのグリシジルエステル;グリシジルメタクリレート、スチレンオキサイドなどが挙げられる。グリシジルエーテル(1)以外の他の反応性希釈剤を添加する場合、その添加量は、本発明のグリシジルエーテル(1)の効果が失われない程度、通常は、硬化性組成物中の全成分に対して、0.1〜30質量%の範囲であるのが好ましく、0.1〜20質量%の範囲であるのがより好ましい。
本発明の硬化性組成物に配合する硬化剤としては、公知の硬化剤を用いることができる。このような硬化剤としては、熱により硬化性能を発揮する硬化剤、紫外線などの活性エネルギー線の照射により硬化性能を発揮する硬化剤などが挙げられる。
熱により硬化性能を発揮する硬化剤としては、アミン系硬化剤、酸無水物系硬化剤、フェノール系硬化剤、イミダゾール系硬化剤、ジシアンジアミドなどが挙げられる。アミン系硬化剤としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ジエチルアミノプロピルアミン、メタキシリレンジアミン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンなどの脂肪族アミン;イソホロンジアミン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ノルボルネンジアミン、1,2−ジアミノシクロヘキサンなどの脂環式アミン;ジアミノジフェニルメタン、メタフェニレンジアミンなどの芳香族アミン;N−アミノエチルピペラジン等の複素環式アミンなどが挙げられる。酸無水物系硬化剤としては、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ドデセニル無水コハク酸、クロレンド酸無水物、3,4,5,6−テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、4−メチルテトラヒドロ無水フタル酸、5−メチルノルボルナン−2,3−ジカルボン酸無水物、5−メチル−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロ−3−フラニル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物などが挙げられる。フェノール系硬化剤としては、フェノールノボラック、トリフェニルメタンノボラック、キシリレンノボラック、ビフェニルノボラックなどが挙げられる。イミダゾール系硬化剤としては、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾリンなどが挙げられる。これらの硬化剤は1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
熱により硬化性能を発揮する硬化剤の使用量は、本発明の硬化性組成物を硬化せしめる量であれば特に限定されないが、例えばアミン系硬化剤を用いる場合、通常、硬化性組成物に含有されるエポキシ基に対して、硬化剤が有する活性水素が0.7から1.3当量の範囲であるのが好ましい。酸無水物系硬化剤を用いる場合、通常、硬化性組成物に含有されるエポキシ基に対して、硬化剤が有する酸無水物基が0.5から1.3当量の範囲であるのが好ましい。フェノール系硬化剤を用いる場合、通常、硬化性組成物に含有されるエポキシ基に対して、フェノール系硬化剤が有する活性水素が0.5から1.3当量の範囲であるのが好ましい。イミダゾール系硬化剤を用いる場合、通常、硬化性組成物中のエポキシ基を有する化合物に対して0.1〜10質量%の範囲であるのが好ましい。ジシアンジアミドを用いる場合、通常、硬化性組成物に含有されるエポキシ基に対して、ジシアンジアミドが有する活性水素が0.5から1.3当量の範囲であるのが好ましい。
紫外線などの活性エネルギー線の照射により硬化性能を発揮する硬化剤としては、例えば芳香族スルホニウム塩類、芳香族ヨードニウム塩類が挙げられる。芳香族スルホニウム塩類や芳香族ヨードニウム塩類の典型的な例としては、以下のものを挙げることができる。
Figure 0004649264
(式中、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜18のヒドロキシル基を有していてもよいアルキル基または炭素数1〜18のヒドロキシル基を有していてもよいアルコキシル基を表し、Mはホウ素原子、リン原子、ヒ素原子またはアンチモン原子を表し、Xはハロゲン原子またはペンタフルオロフェニル基を表す。また、kはMの価数を表し、具体的には、Mがホウ素原子の場合、kは3であり、Mがリン原子、ヒ素原子またはアンチモン原子の場合、kは5である。)
紫外線などの活性エネルギー線の照射により硬化性能を発揮する硬化剤の使用量は、硬化性組成物を硬化せしめる量であれば特に限定されないが、通常、硬化性組成物中のエポキシ基を有する化合物に対して0.1〜10質量%の範囲であるのが好ましい。
本発明の硬化性組成物には、必要に応じてさらに、例えば、改質剤、顔料、安定剤、充填剤、難燃剤、消泡剤、レベリング剤、硬化促進剤、増感剤などの添加剤を配合することができる。具体例を挙げると、改質剤としてはポリブタジエン、CTBN(末端カルボン酸変性ニトリルブタジエンゴム)など;顔料としては酸化チタン、カーボンブラック、レーキレッドC、トルイジンレッド、銅フタロシアニンなど;安定剤としては2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、6−エトキシ−1,2−ジヒドロ−2,2,4−トリメチルキノリンなど;充填剤としては炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化亜鉛、カオリンクレー、シリカなど;難燃剤としては水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、デカブロモジフェニルオキサイドなど;消泡剤としてはアクリル系共重合物、シリコーンなど;レベリング剤としてはフッ素系界面活性剤など;硬化促進剤としてはN−ベンジルジメチルアミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)−フェノール、イミダゾール、トリフェニルホスフィン、テトラ−n−ブチルホスホニウムテトラフェニルボレート、トリメチルアンモニウムフェノキシド、金属硝酸塩(硝酸マグネシウム、硝酸マンガンなど)、トリフルオロメタンスルホン酸及びその塩、過塩素酸マグネシウム、過塩素酸カルシウムなど;増感剤としてはアントラセン、ペリレン、チオキサントン、アセトフェノンなどが挙げられる。
添加剤を配合する場合、その使用量に特に制限はなく、用途に応じて任意に定めればよい。
本発明の硬化性組成物の硬化条件は、用いるエポキシ樹脂、硬化剤、他の反応性希釈剤および添加剤により変化するため、特に限定されない。熱で硬化性能を発揮する硬化剤を用いる場合には、通常、0〜200℃の温度で硬化を行なう。加熱時間は、温度によって異なり、0〜40℃であれば、通常、30分〜30日間、40〜200℃であれば、通常、10分〜30時間の範囲である。活性エネルギー線の照射により硬化性能を発揮する硬化剤を用いた場合には、紫外線、電子線、放射線、マイクロ波などの活性エネルギー線の照射により硬化を行なう。活性エネルギー線の照射時間は、その種類、強度により異なるが、通常、0.1秒〜1時間の範囲である。
以下、合成例、実施例、比較例および性能試験により本発明を詳しく説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。なお、以下の記述において、エポキシ樹脂を反応性希釈剤で希釈した配合物を希釈樹脂と称する。希釈樹脂の粘度は、B型粘度計(株式会社トキメック製、商品名:TVB−20L)を用いて25℃にて測定した。
<合成例1> グリシジルエーテル(1)の合成
ディーンスタークレシーバーを備えた内容積1Lの三口フラスコに、1,9−ノナンジオール100.0g(0.624mol)とエピクロロヒドリン346.3g(3.743mol)およびベンジルトリエチルアンモニウムクロリド14.2g(0.062mol)を仕込み、窒素置換した。その後、攪拌しながら内温を50℃、内圧を7.98kPaにして50質量%の水酸化ナトリウム水溶液199.7g(2.496mol)を1時間かけて滴下し、エピクロロヒドリンおよび水を還流させることにより水を除去した。滴下終了後、温度、圧力をそのまま保ちさらに2時間撹拌よび還流を行なった。反応液を室温まで冷却した後、反応液をろ過し、析出した未反応の水酸化ナトリウムと副生成物の塩化ナトリウムを除去した。得られたろ液をジエチルエーテル900mlで希釈し、50mlの水で4回洗浄した。得られた有機層から、減圧下(85℃/1.33kPa)でエピクロロヒドリンおよびジエチルエーテルを留去した。次いで、減圧蒸留(160℃/0.033kPa)することにより、目的とするグリシジルエーテル(1)111.7g(0.410mol;収率65.7%、純度98.5%)を得た。
<実施例1>
合成例1で得られたグリシジルエーテル(1)22.3質量部とビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名:エピコート828)77.7質量部とを混合して粘度600mPa・sの希釈樹脂を調製した。得られた希釈樹脂にアミン系硬化剤[ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名:エポメートB002W、主成分:3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン;以下「アミン系硬化剤1」と称する]54.1質量部を配合して硬化性組成物を調製した。この硬化性組成物を室温で24時間、80℃で3時間硬化させて硬化物を得た。なお、上記硬化性組成物においては、含有されるエポキシ基に対して、アミン系硬化剤が有する活性水素は1.1当量に相当する。
<比較例1>
市販のジグリシジルエーテル系の反応性希釈剤としての1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル(共栄化学株式会社製、商品名:エポライト1600)25.3質量部とビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名:エピコート828)74.7質量部とを混合して粘度600mPa・sの希釈樹脂を調製した。得られた希釈樹脂にアミン系硬化剤1を52.8質量部配合して硬化性組成物を調製した。この硬化性組成物を室温で24時間、80℃で3時間硬化させて硬化物を得た。なお、上記硬化性組成物においては、含有されるエポキシ基に対して、アミン系硬化剤が有する活性水素は1.1当量に相当する。
<比較例2>
市販のモノグリシジルエーテル系の反応性希釈剤としての高級アルコールのグリシジルエーテル(大日本インキ株式会社製、商品名:EPICLON703)21.2質量部とビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名:エピコート828)78.8質量部とを混合して粘度600mPa・sの希釈樹脂を調製した。得られた希釈樹脂にアミン系硬化剤1を46.4質量部配合して硬化性組成物を調製した。この硬化性組成物を室温で24時間、80℃で3時間硬化させて硬化物を得た。なお、上記硬化性組成物においては、含有されるエポキシ基に対して、アミン系硬化剤が有する活性水素は1.1当量に相当する。
実施例1並びに比較例1および2で得られた硬化物の吸水率の測定および引張り試験を以下のようにして行った。結果を表1に示す。
[1]吸水率
試験片の大きさを80mm×10mm×3mmとした以外は、JIS K 7209 (A法)に従って吸水率を測定した。すなわち、恒温槽で23℃に保った蒸留水に試験片を24時間浸漬し、試験前の試験片の質量と試験後の試験片の質量から、下式に従い、吸水率を算出した。
吸水率(%)=(m−m)/m×100
但し、m:試験前の試験片の質量(g)
:試験後の試験片の質量(g)
[2]引張り試験
JIS K 7162に従って引張り試験を行った。すなわち、JIS K 7162附属書A規定の1BA形小形試験片について、JIS K 7161の9に従い、万能材料試験機(インストロン社製、型番:5566)を用いて、気温25℃、湿度50%の条件下で、試験速度2mm/minで試験を行い、降伏応力および引張弾性率を測定した。
Figure 0004649264
表2より、グリシジルエーテル(1)を含有する本発明の硬化性組成物が、ジグリシジルエーテルとしての1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルを含有する硬化性組成物と同等又はそれ以上の良好な強度を持ち、かつ、モノグリシジルエーテルとしての高級アルコールのグリシジルエーテルを含有する硬化性組成物と同等の低い吸水率を示す硬化物を与えることが分る。

Claims (3)

  1. 反応性希釈剤、エポキシ樹脂および硬化剤を含有する硬化性組成物であって、反応性希釈剤として下記式(1)で示されるグリシジルエーテル化合物をエポキシ樹脂に対して5〜80質量%使用する前記硬化性組成物
    Figure 0004649264
  2. 硬化剤がアミン系硬化剤であり、前記硬化剤の使用量が、硬化剤が有する活性水素が硬化性組成物中に含有されるエポキシ基に対して0.7〜1.3当量となる量である請求項1記載の硬化性組成物。
  3. 請求項1又は2記載の硬化性組成物を硬化させて得られる硬化物。
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