JP2005042105A - エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

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博稔 鎌田
Keisuke Ota
啓介 太田
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和史 甲斐
Hiroshi Uchida
博 内田
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Abstract

【課題】 エポキシ樹脂に特定のカルボン酸を配合した、耐熱性に優れたエポキシ樹脂組成物の提供。
【解決手段】 エポキシ樹脂に、フマル酸モノエステルやマレイン酸モノエステル、イタコン酸モノエステルを配合して熱硬化を行うことで、容易に耐熱性の優れた硬化物を製造することができる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、エポキシ樹脂組成物及びこれを用いた硬化物に、そして高い耐熱性を有する熱硬化性樹脂の使用にも関する。
エポキシ樹脂はコーティング材料、電気絶縁材料、積層物構造材料、土木建築材料、接着剤など幅広い用途に使用されている熱硬化性樹脂である。
これらのエポキシ樹脂は酸無水物やカルボン酸、アミン類などを硬化剤に用いて硬化させる。
酸無水物やカルボン酸を用いたエポキシ樹脂の硬化物は、耐熱性、電気特性が優れており、電気絶縁性材料などに使用されている。
これらの酸無水物、カルボン酸としては、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸などの酸無水物、アジピン酸やテレフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸などのカルボン酸が用いられているが、その多くは固体であり、液状のエポキシ樹脂に配合する際、溶解作業性に問題がある。
酸無水物の中には、メチルテトラヒドロ無水フタル酸などのように液状のものもあるが、硬化した樹脂の耐熱性は必ずしも十分ではない。
耐熱性を上げるためには、無水ピロメリット酸のような芳香族酸無水物などを硬化剤として使用することが好ましいが、無水ピロメリット酸は融点が200℃以上であり、配合時の取り扱いは困難である。
これらを解決するためにエポキシ樹脂を改質している例がある。例えば、エポキシ樹脂を(メタ)アクリル酸などと反応させたエポキシ(メタ)アクリレート(ビニルエステル樹脂)が存在する。これは、エポキシ樹脂のエポキシ基に(メタ)アクリル酸のカルボン酸を付加反応させて、残った不飽和結合をラジカル重合によって硬化をさせるものである。ラジカル重合は短時間での成形が可能であり、成形性においては優れている。
しかしながら、一度(メタ)アクリル酸をエポキシ樹脂に反応させるための工程が必要であることや、得られたエポキシ(メタ)アクリレートは分子量が大きくなるため、反応時に希釈剤としてスチレン等のモノマーで希釈する必要があるため、耐熱性等の物性コントロールに関して制約があった。
エポキシ樹脂の耐熱性を上げる方法としては、特定のポリイミド樹脂を添加する方法も用いられている(特許文献1参照)。ポリイミド樹脂は、耐熱性、機械特性に優れるが、溶解性が悪く、有機溶剤に対しても汎用のものでは解けにくいという問題がある。
また、ビスマレイミドをエポキシ樹脂に配合して、耐熱性を上げる方法もあるが、ビスマレイミドをエポキシ樹脂に溶解する際、温度を上げる必要があり、必ずしも簡便な方法とは言えなかった(特許文献2参照)。
したがって、より簡易な作業により、エポキシ樹脂の耐熱性などの物性を上げることができる配合系が望まれていた。
特開平4−81421号公報 特開平2002−128996号公報
本発明の目的は、簡易な作業により、優れた耐熱性等の物性を有する硬化性エポキシ樹脂組成物及び硬化物を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するにために鋭意研究を重ねた。その結果、エポキシ化合物、特にエポキシ樹脂に、フマル酸モノエステルやマレイン酸モノエステル、イタコン酸モノエステルを配合して熱硬化を行うことで、容易に耐熱性の優れた硬化物となることを発見し、本発明を完成させるに至った。
一般にエポキシ樹脂とは、「1分子中に2個以上のエポキシ基(オキシラン環)をもつ化合物の総称」(「エンジニアリングプラスチック事典」 技報堂出版株式会社 1988年12月15日 1版1刷 発行 第621頁「24 エポキシ樹脂」の項)とされている。ここで示されている代表的なエポキシ樹脂としては、ビスフェノールAとエピクロルヒドリンの縮合によって製造されるビスフェノールA−ジグリシジルエーテルであるが、他にも(ポリ)エチレングリコールの末端水酸基にグリシジル基が付加したものや、1,6−ヘキサンジオールの水酸基にグリシジル基が付加したもの等、比較的低分子なものもエポキシ樹脂の一例として挙げられている。
一方、1分子内に1個のエポキシ基を有する化合物であるアリルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、クレゾールグリシジルエーテル(具体的には例えば、アデカグリシドールED−529(旭電化工業(株)製))等がエポキシ樹脂の希釈剤として市販されている。前記「エンジニアリングプラスチック事典」では、「24 エポキシ樹脂 1.2 硬化反応 (2)副資材」の項(第635頁)によれば、「この反応型希釈剤の中には、あらかじめエポキシ樹脂と混合され、その混合物がエポキシ樹脂の一グレードとして市販されているものもある。」(同第636頁)と記載されている。
従って、本明細書中でのエポキシ樹脂とは、「少なくとも一つ以上のエポキシ基を有する化合物」であればよく、分子量の大きさにより制限されないものと定義する。
本発明(I)は、エポキシ樹脂、及びマレイン酸、フマル酸、又はイタコン酸のモノエステル化合物(カルボン酸)を含むエポキシ樹脂組成物である。
本発明(II)は、本発明(I)のエポキシ樹脂組成物を硬化させる方法である。
本発明(III)は、本発明(I)のエポキシ樹脂組成物を硬化してなる硬化物である。
より具体的には、本発明(I)〜(III)は、以下に示す通りである。
〔1〕エポキシ樹脂(エポキシ基を有する化合物)、及び以下の一般式(1):
Figure 2005042105
{一般式(1)中、Xは、少なくとも一つのエチレン結合を有する基であり、そしてYは、以下の構造式(2)又は構造式(3)又は構造式(4)又は構造式(5)のいずれか
Figure 2005042105
Figure 2005042105
Figure 2005042105
Figure 2005042105
を表す。}で表されるカルボン酸の少なくとも一種以上を含むことを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
〔2〕以下の一般式(6):
Figure 2005042105
{式中、R1はアルコール化合物、フェノール化合物、カルボニル化合物又は有機高分子化合物から誘導される有機残基を表し、そしてpは1以上の整数を表す。}で表されるエポキシ樹脂、及び前記一般式(1)で示されるカルボン酸の少なくとも一種以上を含むことを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
〔3〕前記一般式(1)のXが以下の一般式(7):
Figure 2005042105
{一般式(7)中、R2、R3はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜炭素数5のアルキル基を表し、X1はそれぞれ独立に2個〜6個の水酸基を有する炭素数2〜炭素数30の多価アルコールから誘導された有機残基を表し、そしてn1は0〜10の整数を表す。}であることを特徴とする、〔1〕又は〔2〕に記載のエポキシ樹脂組成物。
〔4〕前記一般式(1)のXが以下の一般式(8):
Figure 2005042105
{一般式(8)中、R4は水素原子又は炭素数1〜炭素数5のアルキル基を表し、X2はそれぞれ独立に2個〜6個の水酸基を有する炭素数2〜炭素数30の多価アルコールから誘導された有機残基を表し、そしてn2は1〜10の整数を表す。}であることを特徴とする、〔1〕又は〔2〕に記載のエポキシ樹脂組成物。
〔5〕前記一般式(6)中、R1が、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA、ビスフェノールAプロピレンオキシド付加物、ビスフェノールAエチレンオキシド付加物、臭素化ビスフェノールA、水素化ビスフェノールA、ビスフェノールF、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、及びテレフタル酸から成る群から選ばれる化合物から誘導された有機残基であることを特徴とする、〔2〕に記載のエポキシ樹脂組成物。
〔6〕前記一般式(7)及び一般式(8)中のX1及びX2がそれぞれ独立にアルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基又は以下の一般式(9):
Figure 2005042105
{一般式(9)中、R5とR6はそれぞれ独立に水素原子又は以下の一般式(10)
Figure 2005042105
(一般式(10)中、R7は塩素原子、臭素原子、フッ素原子、水素原子又は炭素数1〜炭素数3のアルキル基を表す。)を表す。}で表される基であることを特徴とする、〔3〕又は〔4〕に記載のエポキシ樹脂組成物。
〔7〕前記一般式(7)及び一般式(8)中のX1及びX2が以下の構造式(11)〜下記構造式(14):
Figure 2005042105
Figure 2005042105
Figure 2005042105
Figure 2005042105
で表される有機残基の中から選ばれる少なくとも一種以上であることを特徴とする、〔3〕又は〔4〕に記載のエポキシ樹脂組成物。
〔8〕前記一般式(1)のYのうち60モル%以上が構造式(3)であることを特徴とする、〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
〔9〕前記一般式(1)のカルボン酸:80質量%〜10質量%、及び一般式(6)のエポキシ樹脂:20質量%〜90質量%を含有することを特徴とする、〔2〕〜〔7〕のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
〔10〕エポキシ樹脂組成物中のエチレン性不飽和結合を有する成分100質量部に対して、少なくとも一種のラジカル重合開始剤0.1質量部〜20質量部を含有することを特徴とする、〔1〕〜〔9〕のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
〔11〕エポキシ樹脂組成物中の全硬化性成分100質量部に対して、少なくとも一種以上の硬化促進剤0.01質量部〜10質量部を含有することを特徴とする、〔1〕〜〔10〕のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
〔12〕20℃〜200℃の温度で熱硬化させることを特徴とする、〔1〕〜〔11〕のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物の硬化方法。
〔13〕〔1〕〜〔11〕のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物を硬化して得られる硬化物。
本発明によれば、エポキシ樹脂に特定のカルボン酸を配合することで、容易に耐熱性の高い硬化物を得ることができる。
まず、本発明(I)について説明する。
本発明(I)は、エポキシ樹脂、及び一般式(1)で表されるカルボン酸の少なくとも一種以上を含むエポキシ樹脂組成物である。本発明のエポキシ樹脂は少なくとも一つのエポキシ基を有する化合物であれば特に制限なく使用することができるが、以下の一般式(6)で表されるエポキシ樹脂が特に好ましい。
まず、一般式(6)のエポキシ樹脂について説明する。
一般式(6)
Figure 2005042105
{式中、R1はアルコール化合物、フェノール化合物、カルボン酸化合物又は有機高分子化合物から誘導される有機残基を表し、そしてpは1以上の整数を表す。}
ここでいう「アルコール化合物」としては、以下に記す化合物を例示することができる:メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、t−ブタノールなどのモノオール化合物、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、ネオペンチルグリコール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,1−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素化ビスフェノールA、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノール、ビスフェノールAエチレンオキシド付加物、ビスフェノールAプロピレンオキシド付加物などのジオール化合物、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタンなどのトリオール化合物、ペンタエリスリトール、ジグリセリンなどのテトラオール化合物など。
また、ここでいう「フェノール化合物」としては、以下の化合物を例示することができる:フェノール、カテコール、レゾルシノール、ハイドロキノン、ビスフェノールA、臭素化ビスフェノールA、ビスフェノールF、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂など。
さらに、ここでいう「カルボニル化合物」としては、以下の化合物を例示することができる:酢酸、プロピオン酸、酪酸、安息香酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、無水1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、4−メチル−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、フタル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,2,3−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸など。
さらにここでいう「有機高分子化合物」としては、以下の化合物を例示することができる:グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、4−(2,3−エポキシプロポキシ)ブチル(メタ)アクリレート等の1分子中にエチレン性不飽和基とエポキシ基を有する化合物と、以下に例示するエチレン性不飽和化合物の共重合体。
エチレン性不飽和化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、(o,m,p−)ヒドロキシスチレン、酢酸ビニル等のビニル化合物、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチルアクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート類を挙げることができる。
一般式(6)中のR1としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA、ビスフェノールAプロピレンオキシド付加物、ビスフェノールAエチレンオキシド付加物、臭素化ビスフェノールA、水素化ビスフェノールA、ビスフェノールF、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸及びテレフタル酸からなる群から選ばれる化合物から誘導される有機残基が、入手の容易さといった観点から好ましい。
また、一般式(6)で表される化合物以外のエポキシ樹脂としては前記「エンジニアリングプラスチック事典」に詳細な記述がある。
一般式(6)で表される化合物におけるpは1以上の整数であれば特に制限はない。好ましくは2〜20の範囲である。
次に本発明の一般式(1)で表されるカルボン酸について説明する。
本発明のエポキシ樹脂組成物に用いるカルボン酸は、以下の一般式(1)で表されるカルボン酸である。
一般式(1)
Figure 2005042105
{一般式(1)において、Xは、少なくとも一つのエチレン結合を有する基を表し、そしてYは、以下の構造式(2)又は構造式(3)又は構造式(4)又は構造式(5)を表す。}
Figure 2005042105
Figure 2005042105
Figure 2005042105
Figure 2005042105
一般式(1)中のXとしては、エチレン性不飽和炭素結合(C=C)を有するものであればどのような基であってもよく、例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基などのアルケニル基や、以下の一般式(7)、一般式(8)などの基が挙げられる。
Figure 2005042105
{一般式(7)中、R2とR3はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜炭素数5のアルキル基を表し、X1はそれぞれ独立に2個〜6個の水酸基を有する炭素数2〜炭素数30の多価アルコールから誘導された有機残基を表し、そしてn1は0〜10の整数を表す。};
Figure 2005042105
{一般式(8)中、R4は水素原子又は炭素数1〜炭素数5のアルキル基を表し、X2はそれぞれ独立に2個〜6個の水酸基を有する炭素数2〜炭素数30の多価アルコールから誘導された有機残基を表し、そしてn2は1〜10の整数を表す。}。
一般式(7)のR2、R3はそれぞれ独立に水素原子、または炭素数1〜炭素数5のアルキル基を表す。一般式(7)においては、ラジカル重合性の点で、R2とR3の少なくとも一方が水素原子、又はメチル基であり、他方が水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基及びiso−プロピル基から成る群から選ばれる基であるものが好ましい。より好ましくは、R2とR3の少なくとも一方が水素原子であり、他方が水素原子又はメチル基であり、もっとも好ましくはR2とR3のいずれもが水素原子である。炭素数4以上のアルキル基では重合性が低下する恐れがあり好ましくない。
また、X1は2個〜6個の水酸基を有する炭素数2〜炭素数30の多価アルコールから誘導された有機残基を表す。
具体的な上記多価アルコールとしては、エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオールなどのアルキレンジオール、また置換したアルキレングリコールとしては、1−フェニルエチレングリコール、1,2−ジフェニルエチレングリコール、またこれらのポリアルキレンジオールなどが挙げられる。
また、そのほかの多価アルコールとしては、1,1−シクロヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,1−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノールなどの脂環式ジオール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ベンゼンジメタノールなどの芳香族ジオール、及びこれらの多価アルコールのエチレンオキシド付加体、プロピレンオキシド付加体、シクロヘキセンオキシド付加体、スチレンオキシドの付加体、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン等の三価アルコール、ペンタエリスリトール、ジグリセリン、ジトリメチロールプロパンなどの四価のアルコール、ジペンタエリスリトール、ソルビトールなどの六価のアルコールなど、またこれらの多価アルコールのエチレンオキシド付加体、プロピレンオキシド付加体、シクロヘキセンオキシド付加体、スチレンオキシド付加体などを挙げることができる。
多価アルコールの種類によっては、幾何異性体が存在する場合がある。例えば、シクロヘキシル環の2つの結合の位置関係は、cisとtransが考えられるが、カラムクロマトグラフィー等の処理によってどちらか一方の幾何異性体の存在比を高めて使用することも可能であるし、処理することなく使用することも可能である。
これらの中では、X1は、エチレン基(−(CH22−)、1,3−プロピレン基(−(CH23−)、1,2−プロピレン基(−CH2−CH(CH3)−)などの炭素数2〜炭素数4のアルキレン基、1,1−シクロヘキシレン基、1,2−シクロヘキシレン基、1,3−シクロヘキシレン基、1,4−シクロヘキシレン基、式(−CH2−C610−CH2−)で表される1,1−シクロヘキサンジメタノールから誘導された有機残基、1,2−シクロヘキサンジメタノールから誘導された有機残基、1,3−シクロヘキサンジメタノールから誘導された有機残基、又は1,4−シクロヘキサンジメタノールから誘導された有機残基などの炭素数6〜炭素数8のシクロアルキレン基が、硬化物の硬さの点で優れている。
さらに、硬化物の屈折率を向上させるには、ビスフェノールA及びビスフェノールAのエチレンオキシド付加体、1−フェニル−エチレングリコール、1,2−ジフェニレングリコールなどのフェニル基またはフェニレン基を有したアルキレンジオールが好ましい。
1が三価以上の多価アルコール有機残基の場合は、以下の一般式(15)のような分岐構造をとることも可能である:
Figure 2005042105
{一般式(15)中、aは0〜4の整数を表す。}。
1が三価以上の多価アルコール有機残基の場合における一般式(15)の具体例としては、トリメチロールエタンジアリルエーテル、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、ペンタエリスリトールジアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテルおよびこれらアルコールのエチレンオキシド付加物、プロピレンオキシド付加物から誘導される有機残基が挙げられる。
また、一般式(7)中、n1は0〜10である。繰り返し単位の数が10以上の場合、著しく粘度が高くなり、製造時にゲル化する恐れがあるので好ましくない。
一般式(8)中のR4は、水素原子又は炭素数1〜炭素数5のアルキル基を表す。重合性の点で好ましくは水素原子またはメチル基である。X2はそれぞれ独立に2個〜6個の水酸基を有する炭素数2〜炭素数30の多価アルコールから誘導された有機残基を表す。
具体的な多価アルコールとしては、X1で述べた化合物と同じである。また、X2が三価以上の多価アルコール有機残基の場合についても、X1と同様である。
2は1〜10である。繰り返し単位の数が10以上では、著しく粘度が高くなり、製造時にゲル化する恐れがあるので好ましくない。
一般式(1)中のYは、構造式(2)、構造式(3)、構造式(4)、構造式(5)で表される、マレート基、フマレート基、イタコネート基から成る群から選ばれる少なくとも一種である。ラジカル重合性の点では、フマレート基、イタコネート基が好ましく、製造のし易さの点では、マレート基、イタコネート基が好ましい。
また、一般式(1)中のXが一般式(7)で表される基である場合には、共重合性の点から構造式(3)で表されるフマレート基が好ましい。
一般式(1)中のXが一般式(7)で表される基である場合、末端の重合性基は、単独でのラジカル重合性が乏しく、Y基との共重合で硬化が進むため、一般にX基/Y基のモル比が1に近いものが硬化物の物性の点で優れている。好ましくはR1基/Y基のモル比が0.2〜2の範囲であり、より好ましくは0.8〜1.5の範囲である。
本発明で用いられる、一般式(1)で表されるカルボン酸は、1種類を用いても構わないし、数種類の一般式(1)で表されるカルボン酸を同時に用いても構わない。
本発明における一般式(1)で表されるカルボン酸の使用量としては、エポキシ樹脂とカルボン酸からなるエポキシ樹脂組成物中80質量%〜10質量%、好ましくは50質量%〜10質量%である。80質量%より高いと、硬化後のエポキシ樹脂の物性を損なう可能性があり、また、10質量%より低いと、十分硬化させることができない。
本発明における一般式(1)のカルボン酸としては、液状又は低融点のものが作業上好ましく、更には、Xにエチレン性不飽和二重結合を複数個有するものが架橋点を増やすことができ、耐熱性を上げることができる点で好ましい。
また、硬化作業時に低沸点のものは、硬化物にボイド等を発生させる原因になることがあるので、一般式(1)のXは、一般式(7)又は一般式(8)の官能基を有するものが好ましい。更には、Xが一般式(7)中R2とR3が水素原子であり、そしてYが構造式(3)のフマレート基を有するものが、硬化性及び硬化物の耐熱性の向上のために好ましい。特にフマレート基がYのうち60モル%以上、より好ましくは約70モル%であることが望ましい。
次に本発明で用いられる、一般式(1)で表されるカルボン酸の製造方法について説明する。
一般式(1)でYがマレイン酸残基(構造式(2))又はイタコン酸残基(構造式(4)と(5))である化合物の場合、以下の一般式(16)で表されるアルコールを、無水マレイン酸又は無水イタコン酸に付加反応させることにより製造することができる:
Figure 2005042105
{一般式(16)中、Xは少なくとも一つのエチレン結合を有する基である。}。
一般式(16)で表されるアルコールとしては、エチレングリコールモノビニルエーテル、プロピレングリコールモノビニルエーテル、4−ビニルオキシブタノール、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテルなどのビニルオキシ基を有するアルコール、エチレングルコールモノアリルエーテル、プロピレングルコールモノアリルエーテル、1,3−ブチレングリコールモノアリルエーテル、1,4−ブチレングリコールモノアリルエーテル、シクロヘキサンジオールモノアリルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノアリルエーテル、ジプロピレングルコールモノアリルエーテル、2−アリルオキシ−2−フェニルエタノール、2−アリルオキシ−1−フェニルエタノール、2−アリルオキシ−1,2−ジフェニルエタノールなどのアルケニルオキシ基を有するアルコール等が挙げられる。
また、(メタ)アクリロイル基を有するアルコールとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、δ−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ω−ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、ω−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、ω−ヒドロキシノニル(メタ)アクリレート、ω−ヒドロキシドデシル(メタ)アクリレート、ω−ヒドロキシステアリル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
また、前述した通りX1が三価以上の多価アルコール有機残基の場合、分岐構造をとることが可能であるが、それを可能とする一般式(16)で表されるアルコールの具体例としては、トリメチロールエタンジアリルエーテル、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、ペンタエリスリトールジアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、及びこれらアルコールのエチレンオキシド又はプロピレンオキシド付加物、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシプロピルメタクリレート、及びこれらアルコールのエチレンオキシド又はプロピレンオキシド付加体が挙げられる。
無水マレイン酸又は無水イタコン酸と一般式(16)で表されるアルコールとの付加反応は無触媒下又は触媒下で行うことができる。触媒としては、一般的なエステル化触媒であれば特に制限はないが、好ましくはトリエチルアミン、N,N−ジメチルアミノピリジンなどの塩基性触媒が挙げられる。
反応温度は20℃〜150℃、好ましくは40℃〜120℃で行う。反応温度が20℃未満では、反応の進行が遅くなり必要以上に時間を要するおそれがある。また、反応温度が150℃より高くなるとジエステルの生成量が多くなるなどし、収率が低下するおそれがあり好ましくない。
また、無水マレイン酸又は無水イタコン酸と一般式(16)で表されるアルコールの仕込量の比率には特に制限はない。一般的には無水マレイン酸又は無水イタコン酸1モルに対して、一般式(16)で表されるアルコールが0.2モル当量〜10モル当量の範囲、好ましくは0.5モル当量〜5モル当量、より好ましくは0.9モル当量〜2モル当量の範囲である。
一般式(16)で表されるアルコールの仕込量の比率が10モル当量を越えると、余剰のアルコールが多くなり、0.2モル当量未満では未反応の無水マレイン酸又は無水イタコン酸が多くなり、経済的に好ましくない。
また、この付加反応の際に溶媒を加えることも可能である。このような溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、メトキシエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンなどのエーテル類などが挙げられる。
次に一般式(1)でYがフマル酸残基(構造式(3))である化合物の場合について説明する。
一般式(1)でYがフマル酸残基である化合物の場合、前述した、Yがマレイン酸残基である化合物を溶媒中、触媒の存在下で反応して異性化することにより製造することができる。
異性化触媒としては、公知の塩酸等の酸性触媒、モルホリン、ピペリジン、ジエチルアミン等の塩基性触媒、チオ尿素、塩素、臭素、ヨウ素、酸クロリドなどが挙げられる。
溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、メトキシエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンなどのエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類が挙げられる。
当該異性化反応の反応温度には特に制限はない。一般には30℃〜200℃の範囲、好ましくは50℃〜150℃、より好ましくは70℃〜120℃の範囲である。反応温度が200℃を越えると、重合や分解反応の副反応の危険性が高くなり好ましくない。
また、この異性化反応においては、公知のヒンダードフェノール系の重合禁止剤や溶媒を用いても構わない。
このようにして得られた一般式(1)で表されるフマル酸モノエステルは、蒸留や分液、再結晶等の処理により精製することができる。
また、本発明のエポキシ樹脂組成物には、一般式(6)のエポキシ樹脂と一般式(1)のカルボン酸以外に、所望の硬化物物性を得るために、不飽和ポリエステル、(メタ)アクリロイル基を有するオリゴマー、アリル基を有するプレポリマー、ラジカル重合性単量体等を加えても構わない。
ここでいう不飽和ポリエステルとは、多価アルコールと、不飽和多塩基酸および飽和多塩基酸とのエステル化反応による縮合生成物であり、「ポリエステル樹脂ハンドブック」(日刊工業新聞社 1988年発行)16頁などに記載されており、その製造は公知の方法で行われる。
不飽和多塩基酸としては、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸等、飽和多塩基酸としては、フタル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、アジピン酸、セバシン酸、クロレンド酸、テトラブロモフタル酸、テトラブロモ無水フタル酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、無水1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、4−メチル−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸等が挙げられる。多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、水素化ビスフェノールA、ビスフェノールA・エチレンオキシド付加物、ビスフェノールA・プロピレンオキシド付加物、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
本発明の(メタ)アクリロイル基を有するオリゴマーとしては、(A)ウレタン(メタ)アクリレート、(B)多価アルコールと多塩基酸又はその無水物、及び(メタ)アクリル酸の反応によって得られるポリエステル(メタ)アクリレート(C)、水酸基含有化合物にエチレンオキシド又はプロピレンオキシドを付加した多価アルコールと(メタ)アクリル酸を反応することで得られるポリエーテル(メタ)アクリレート、(D)エポキシ化合物と(メタ)アクリル酸とを反応することで得られるエポキシ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
本発明の(A)ウレタン(メタ)アクリレートとは、多価アルコールとポリイソシアネートとヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートとを反応することで得られる。多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、水素化ビスフェノールA、ビスフェノールA・エチレンオキシド付加物、ビスフェノールA・プロピレンオキシド付加物、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
また、ポリイソシアネートとしては、トルエンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンイソシアネート、キシレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等が挙げられる。
本発明の(B)ポリエステル(メタ)アクリレートとは、多価アルコールと多塩基酸又はその無水物、及び(メタ)アクリル酸を反応することによって得られる。原料として使用される多塩基酸または無水物としては、例えば、フタル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、アジピン酸、セバシン酸、クロレンド酸、テトラブロモフタル酸、テトラブロモ無水フタル酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、無水1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、4−メチル−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸等が挙げられる。
多価アルコールとしては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、水素化ビスフェノールA、ビスフェノールA・エチレンオキシド付加物、ビスフェノールA・プロピレンオキシド付加物、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
本発明の(C)ポリエーテル(メタ)アクリレートとは、水酸基含有化合物にエチレンオキシド又はプロピレンオキシドを付加した多価アルコールと(メタ)アクリル酸を反応することで得られる。原料として使用される多価アルコールとしては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、水素化ビスフェノールA、ビスフェノールA・エチレンオキシド付加物、ビスフェノールA・プロピレンオキシド付加物、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。本発明の(D)エポキシ(メタ)アクリレートは、エポキシ化合物と(メタ)アクリル酸を反応させることにより得られる。原料に使用されるエポキシ化合物としては、ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノールF、ビスフェノールZ、テトラクロロビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールAのビスフェノール類のグリシジルエーテル、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂型グリシジルエーテルなどのエポキシ樹脂系の化合物等が知られている。
アリル基を有するプレポリマーとしては、フタル酸ジアリル、テレフタル酸ジアリル、イソフタル酸ジアリルなどのアリルエステルモノマーをラジカル重合開始剤によりプレポリマー化したものなどが挙げられる。
また、本発明のラジカル重合性単量体としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、フェニルエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、o−ブロモフェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性等ジシクロペンテニル(メタ)アクリレートの単官能(メタ)アクリレート類、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、
トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート類等、スチレン、α−スチレン、メトキシスチレン、ジビニルベンゼン等の芳香族ビニル化合物、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、カプロン酸ビニル等の脂肪族カルボン酸ビニルエステル、シクロヘキサンカルボン酸ビニルエステル等の脂環式ビニルエステル、安息香酸ビニルエステル、t-ブチル安息香酸ビニルエステル等の芳香族ビニルエステル、ヒドロキシエチルビニルエステル、ヒドロキシプロピルビニルエステル、ヒドロキシブチルビニルエステル等のヒドロキシアルキルビニルエステル、安息香酸アリル、コハク酸ジアリル、アジピン酸ジアリル、マレイン酸ジアリル、フマル酸ジアリル、フタル酸ジアリル、テレフタル酸ジアリル、イソフタル酸ジアリル、トリメリット酸ジアリル、ピロメリット酸テトラアリル等のアリルエステル類等が挙げられる。
これらのラジカル重合性単量体は一種又は二種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明のエポキシ樹脂組成物において、一般式(1)と一般式(6)の化合物の配合量の和が少なくとも50質量%以上であることが、得られる硬化物の耐熱性を向上させる点で好ましい。
次に本発明(II)について説明する。本発明(II)は、本発明(I)のエポキシ樹脂組成物の硬化方法である。
本発明のエポキシ樹脂組成物を、ロールコーター、スピンコーターなどのコーティングによる成形方法、注型成形法、プリプレグなどへ含浸させて加圧する圧縮成形などの成形方法により所望の形状とした後、加熱硬化させる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は無触媒でも硬化することができるが、硬化を速くし、耐熱性を高めるためには、ラジカル重合開始剤を併用いることが望ましい。
本発明で用いることができるラジカル重合開始剤としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビスイソバレロニトリル等のアゾ系化合物、メチルエチルケトンパーオキシド、メチルイソブチルケトンパーオキシド、シクロヘキサノンパーオキシド等のケトンパーオキシド類、ベンゾイルパーオキシド、デカノイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド等のジアシルパーオキシド類、ジクミルパーオキシド、t−ブチルクミルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド等のジアルキルパーオキシド類、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ) 3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキサン、
2,2−ジ(t−ブチルパーオキシ)ブタン等のパーオキシケタール類、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート、ジ−t−ブチルパーオキシアゼレート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシトリメチルアジペート、t−ブチルパーオキシ 2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ 2−エチルヘキサノエート等のアルキルパーオキシエステル類、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ-sec-ブチルパーオキシジカーボネート、t-ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート等のパーカーボネート類等が挙げられる。
ラジカル重合開始剤の使用量としては、本発明のエポキシ樹脂組成物中のエチレン性不飽和結合を有する成分100質量部に対して、0.01質量部〜20質量部、好ましくは0.1質量部〜10質量部の範囲である。
本発明で得られるエポキシ樹脂組成物に硬化促進剤を添加してもよい。硬化促進剤の具体的な例としては、2−エチル−4−メチルイミダゾール、シアノエチル−2−エチル−4−メチル−イミダゾール、1−ベンジル−2−メチル−イミダゾール、1−メチルイミダゾール、1,2−ジメチル−イミダゾール、ベンジルジメチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデンセン−7等の三級アミン、このような三級アミンの2−エチルヘキサン酸塩、フェノール塩、オレイン酸塩、ギ酸塩、酢酸塩等の三級アミン塩、テトラメチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリエチルアンモニウム等の四級アンモニウム塩、オクチル酸錫、オクチル酸亜鉛、ナトリウムメトキシド、コバルト、ニッケル等の金属アセチルアセトン錯塩等の金属塩が挙げられ、アミン系化合物を粒径10μm以下のマイクロカプセル化したもので市販されているものとしては、HX−3741、HX−3742、HX−3721、HX−3727(旭化成工業社製、商品名)、メラミン樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。
さらに、一般にエポキシ樹脂の硬化剤として用いられているジシアンジアミド、ポリメルカプタンや酸無水物なども、硬化促進剤と同様に併用することもできる。
これらの硬化促進剤は、エポキシ樹脂組成物中の全硬化成分100質量部に対して0.01〜10質量部、好ましくは0.05〜5質量部の範囲で配合される。ここでいう硬化成分とは、エポキシ基を有する化合物、及びエポキシ基と反応しうる官能基(例えば、カルボキシル基、アミノ基)を有する化合物である。
本発明で用いられるエポキシ樹脂組成物の硬化温度に関しては、20℃〜200℃、好ましくは80℃〜200℃である。20℃以下では硬化が遅延する。
本発明のエポキシ樹脂組成物の一般式(6)のエポキシ基と一般式(1)のカルボン酸のカルボキシル基の付加反応を促進することが、硬化物の耐熱性を向上させることにつながるため、このような付加反応を起こしやすい高温での硬化が好ましく、硬化温度としては80℃以上が好ましい。
また、ラジカル重合開始剤を使用するときは、開始剤の有効な分解温度により最適な温度を定める事が望ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物の硬化反応はエポキシ付加反応とラジカル重合反応を同時に行うことがより好ましい。このためには、エポキシ樹脂組成物にラジカル重合開始剤を配合し、80℃以上の高温で硬化反応を行うとよい。このようにして得られた硬化物は、重合開始剤を加えずに一般式(1)のカルボン酸と一般式(6)のエポキシ樹脂のエポキシ付加反応を一旦行った後に得られた化合物(改質エポキシ樹脂という)に重合開始剤を加えてラジカル重合して硬化させたものに比べ、耐熱性が高い傾向にある。エポキシ付加とラジカル重合の両方を同一系内で行うため、架橋密度が高くなると推察される。
最後に本発明(III)について説明する。本発明(III)は、本発明(I)のエポキシ樹脂組成物を硬化してなる硬化物である。
本発明(III)の硬化物は、例えば、木工コーティング、フィルムコーティング、金属コーティング、プラスチックコーティング、無機コーティング、ハードコーティング、光ファイバーコーティング、ゲルコート剤などのコーティング材料、塗装や印刷インキなどのペイント材料、光造形材料、光ディスク、眼鏡レンズ、プリズムなどの光学材料、接着剤、レジスト、封止材、プリプレグ、繊維強化複合材料、成型材料など幅広く硬化性樹脂の分野に利用することができる。
コーティングする場合の基材としては特に制限はない。
具体的には例えば、木、金属、ガラス、プラスチック等を挙げることができる。
以下本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるべきではない。
諸物性の測定については以下のとおりに実施した。
<粘度>
測定温度25℃で、東京計器株式会社製B型粘度計(型式B8U)を用いて測定した。ローターはNo.1、回転数は30rpmの条件で測定した。
<バーコル硬度>
934−1型を用い、JIS K 6911に従い測定した。
<HDT>
JIS K 7191−3に従って測定をした。
尚、測定機器は(株)東洋精機製作所 型式 H−8502−6Aを用いた。
<曲げ強さ、弾性率>
JIS K 7171に従って測定をした。
尚、測定機器はオートグラフAG−I((株)島津製作所製)を用いた。
製造例1:マレイン酸モノアリルオキシエチル(以下、「H−BAM」と略す。)の合成
2リットルのフラスコに無水マレイン酸500g(5.10mol)、エチレングリコールモノアリルエーテル573g(5.61mol)、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.05gを仕込んで窒素気流下、反応液を磁気攪拌子で攪拌しながら、オイルバスで50℃に加熱した。24時間後、加熱を止め、フラスコを冷却した。得られた反応液を分液ロートに移し、トルエン1Lと水を加え分液した。トルエン層をエバポレーターで濃縮して目的のH−BAMを920g得た。
25℃の粘度は76mPa・sで低粘度のモノマーであった。
製造例2:フマル酸モノアリルオキシエチル(以下、「H−BAF」と略す。)の合成
還流装置を備え付けた2リットルのフラスコに上記製造例1のH−BAM 500gを仕込み、トルエン220g、濃塩酸5g(原料に対して1質量%)、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.25gを仕込んで窒素気流下、反応液を磁気攪拌子で攪拌しながら、オイルバスで140℃で加熱してトルエンを還流させた。3時間後、加熱を止め、フラスコを冷却した。この反応液に500mlのトルエンを加えて、ろ過し、不溶物を除いた。塩酸を除くためにこのろ液に500mlの水を加えて分液ロートで分液した。トルエン層をエバポレーターで濃縮して目的のH−BAFを430g得た。
25℃の粘度は96mPa・sであった。
製造例3:改質エポキシ樹脂(サンプルA)
1lのフラスコにH−BAF400g、エピコート828(ビスフェノールAジグリシジルエーテル 商品名:ジャパンエポキシレジン(株)製)374g、TPP−Zc(ベンジルトリフェニルホスホスホニウムクロライド、北興化学工業(株)製)6g、IRGANOX1010(ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、チバスペシャルティーケミカルス(株)製)0.4gを仕込んで窒素気流下、反応液を磁気攪拌子で攪拌しながら、オイルバスで100℃に加熱した。9時間後、加熱を止め、フラスコを冷却した。この化合物を「サンプルA」とする。
実施例1〜実施例5、及び比較例1〜比較例3:
以下表1に示すように、ビスフェノールA型エポキシ樹脂であるエピコート828と各種カルボン酸、ラジカル重合開始剤、重合性化合物、硬化剤、硬化促進剤等を攪拌機を用いて配合して、注型重合により硬化物を得た。
注型重合はガラス板とシリコーンチューブをスペーサーとして用いた型に流し込む方法を行った。
また、表1中の硬化条件、カルボン酸、重合性化合物、硬化剤、硬化促進剤についての略号は以下のとおりである。
<硬化条件>
A:110℃で1時間+130℃で1時間+160℃で1時間
B:110℃で1時間+130℃で1時間+130℃〜180℃で5時間
C:80℃で3時間+160℃で5時間
<重合性化合物>
DATP:テレフタル酸ジアリル
VR−77:ビニルエステル樹脂(商品名;昭和高分子(株)製)
VR−77/St30:VR−77を70質量%+スチレン30質量%の組成物
<硬化剤、硬化促進剤、開始剤>
MEHHAP:メチルテトラヒドロ無水フタル酸
IBMI−12:1―イソブチル−2−メチルイミダゾール
(商品名 ジャパンエポキシレジン(株)製)
DCP:ジクミルパーオキシド
Figure 2005042105
表1から分かるように、本発明のカルボン酸とエポキシ樹脂を配合して得られる硬化物のHDTは高い値を示している。同じエポキシ樹脂を用いた場合、本発明の配合系である実施例と比較例1の硬化物のHDT値を比べると、明らかに実施例1〜実施例5が高く耐熱性が良いことがわかる。
また、比較例2のビニルエステル樹脂と比べても、実施例のHDTは高い。
さらに、比較例3の改質エポキシ樹脂であるサンプルAと同じ原料である実施例1〜実施例5のHDTと比べると実施例の方が高い。
これらのことから、本発明のエポキシ樹脂組成物硬化物の耐熱性が優れていることがわかる。

Claims (13)

  1. エポキシ樹脂(エポキシ基を有する化合物)、及び以下の一般式(1):
    Figure 2005042105
    {一般式(1)中、Xは、少なくとも一つのエチレン結合を有する基であり、そしてYは、以下の構造式(2)又は構造式(3)又は構造式(4)又は構造式(5)のいずれか
    Figure 2005042105
    Figure 2005042105
    Figure 2005042105
    Figure 2005042105
    を表す。}で表されるカルボン酸の少なくとも一種以上を含むことを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
  2. 以下の一般式(6):
    Figure 2005042105
    {式中、R1はアルコール化合物、フェノール化合物、カルボニル化合物又は有機高分子化合物から誘導される有機残基を表し、そしてpは1以上の整数を表す。}で表されるエポキシ樹脂、及び前記一般式(1)で示されるカルボン酸の少なくとも一種以上を含むことを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
  3. 前記一般式(1)のXが以下の一般式(7):
    Figure 2005042105
    {一般式(7)中、R2、R3はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜炭素数5のアルキル基を表し、X1はそれぞれ独立に2個〜6個の水酸基を有する炭素数2〜炭素数30の多価アルコールから誘導された有機残基を表し、そしてn1は0〜10の整数を表す。}であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のエポキシ樹脂組成物。
  4. 前記一般式(1)のXが以下の一般式(8):
    Figure 2005042105
    {一般式(8)中、R4は水素原子又は炭素数1〜炭素数5のアルキル基を表し、X2はそれぞれ独立に2個〜6個の水酸基を有する炭素数2〜炭素数30の多価アルコールから誘導された有機残基を表し、そしてn2は1〜10の整数を表す。}であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のエポキシ樹脂組成物。
  5. 前記一般式(6)中、R1が、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA、ビスフェノールAプロピレンオキシド付加物、ビスフェノールAエチレンオキシド付加物、臭素化ビスフェノールA、水素化ビスフェノールA、ビスフェノールF、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、及びテレフタル酸から成る群から選ばれる化合物から誘導された有機残基であることを特徴とする、請求項2に記載のエポキシ樹脂組成物。
  6. 前記一般式(7)及び一般式(8)中のX1及びX2がそれぞれ独立にアルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基又は以下の一般式(9):
    Figure 2005042105
    {一般式(9)中、R5とR6はそれぞれ独立に水素原子又は以下の一般式(10)
    Figure 2005042105
    (一般式(10)中、R7は塩素原子、臭素原子、フッ素原子、水素原子又は炭素数1〜炭素数3のアルキル基を表す。)を表す。}で表される基であることを特徴とする、請求項3又は4に記載のエポキシ樹脂組成物。
  7. 前記一般式(7)及び一般式(8)中のX1及びX2が以下の構造式(11)〜下記構造式(14):
    Figure 2005042105
    Figure 2005042105
    Figure 2005042105
    Figure 2005042105
    で表される有機残基の中から選ばれる少なくとも一種以上であることを特徴とする、請求項3又は4に記載のエポキシ樹脂組成物。
  8. 前記一般式(1)のYのうち60モル%以上が構造式(3)であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物。
  9. 前記一般式(1)のカルボン酸:80質量%〜10質量%、及び一般式(6)のエポキシ樹脂:20質量%〜90質量%を含有することを特徴とする、請求項2〜7のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物。
  10. エポキシ樹脂組成物中のエチレン性不飽和結合を有する成分100質量部に対して、少なくとも一種のラジカル重合開始剤0.1質量部〜20質量部を含有することを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物。
  11. エポキシ樹脂組成物中の全硬化性成分100質量部に対して、少なくとも一種以上の硬化促進剤0.01質量部〜10質量部を含有することを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物。
  12. 20℃〜200℃の温度で熱硬化させることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物の硬化方法。
  13. 請求項1〜11のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物を硬化して得られる硬化物。
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