JP5516177B2 - ウレタン(メタ)アクリレートの製造方法 - Google Patents

ウレタン(メタ)アクリレートの製造方法 Download PDF

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本発明は、ウレタン(メタ)アクリレートの製造方法に関するもので、ウレタン(メタ)アクリレートの製造に関する技術分野に属するものである。
従来、フレネルレンズ及びレンチキュラーレンズ等のレンズシートは、プレス法及びキャスト法等の方法により、成形して製造されていた。
しかしながら、前者のプレス法は加熱、加圧及び冷却のサイクルで製造するため、生産性が悪いという問題があった。又、後者のキャスト法は、金型にモノマーを流し込んで重合するため製作時間が長くかかるとともに金型が多数個必要なため、製造コストが上がるという問題があった。
このような問題を解決するために、活性エネルギー線硬化型組成物を使用することについて種々提案がなされている(例えば、特許文献1〜同6)。
しかしながら、従来の活性エネルギー線硬化型組成物は、屈折率及び透明性の点で不十分であり、さらにこの点を改良すべく、ビスフェノール型ジ(メタ)アクリレートと芳香族環を有するモノ(メタ)アクリレートを併用した組成物が検討されている(例えば、特許文献7及び同8)。
特開昭61−177215号公報(特許請求の範囲) 特開昭61−248707号公報(特許請求の範囲) 特開昭61−248708号公報(特許請求の範囲) 特開昭63−163330号公報(特許請求の範囲) 特開昭63−167301号公報(特許請求の範囲) 特開昭63−199302号公報(特許請求の範囲) 特開平9−87336号公報(特許請求の範囲) 特許3397448公報(特許請求の範囲)
しかしながら、前記した活性エネルギー線硬化型組成物で使用される(メタ)アクリレートにおいて、硬化物に硬度等を付与するため架橋性を有する2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物(以下、「多官能(メタ)アクリレート」という)が望まれるが、従来の多官能(メタ)アクリレートは得られる硬化物の屈折率が不充分であった。
さらに、多官能(メタ)アクリレートを製造する場合において、得られる生成物が結晶性を有したり高粘度を有するため、ハンドリングが困難であった。さらに、光学材料を製造する場合には、レンズ形状を有するスタンパーへ組成物を流し入れるため、組成物は低粘度であること、より好ましくは室温で低粘度であるのが好ましいが、従来の多官能(メタ)アクリレートを含む組成物は、高粘度であるためスタンパーへ組成物の流し入れが困難になる場合があった。
本発明者は、得られる(メタ)アクリレートが低粘度で取り扱いが容易であるうえ、その硬化物が高屈折率を有する多官能(メタ)アクリレートを見出すため鋭意検討を行ったのである。
本発明者らは、前記の課題を解決するため種々の検討を行った結果、多官能(メタ)アクリレートとして、ナフタレン構造を有する特定のウレタン(メタ)アクリレートが有効であり、さらに当該ウレタン(メタ)アクリレートを芳香族溶媒中で製造すれば、低粘度で取り扱いの容易な化合物を製造できることを見出した。
さらに、得られるウレタン(メタ)アクリレートとして、2個の芳香族環を有するグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸の付加物を使用した生成物が屈折率により優れることを見出したが、通常の反応方法では、得られるウレタン(メタ)アクリレートが有機溶媒に溶解せずに濁りを生じたり、結晶化して析出する問題が発生し、又、組成物として使用する場合、他の成分との相溶性が低下してしまうことが判明した。
そこで、本発明者は、1個の芳香族環を有するグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸の付加物と2個の芳香族環を有するグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸の付加物を併用することで前記問題を解消できることを見出し、本発明を完成した。
尚、本明細書においては、アクリル酸又はメタクリル酸を(メタ)アクリル酸と表し、アクリレート又はメタクリレートを(メタ)アクリレートと表す。
本発明の製造方法によれば、反応で得られるウレタン(メタ)アクリレートが有機溶媒に溶解せずに濁りを生じたり結晶化して析出することがない。又、得られる(メタ)アクリレートが低粘度であり室温での作業性に優れたものであり、得られる硬化物は、透明性に優れ、高屈折率でかつ光線透過率も良好である。
従って、本発明で得られるウレタン(メタ)アクリレートは、硬化型組成物として、透明性、高屈折率及び高光線透過率が要求されるレンズシート及びプラスチックレンズ等の光学部材に好適に使用できる。
本発明は、ナフタレンジイソシアネート〔以下、「化合物ND」という〕、1個の芳香族環を有するグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸の付加物(a-1)〔以下、「化合物(a-1)」という〕及び2個の芳香族環を有するグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸の付加物(a-2)〔以下、「化合物(a-2)」という〕を、ウレタン化触媒の存在下に芳香族有機溶媒中で加熱・攪拌する製造方法であって、
化合物(a-1)及び化合物(a-2)の合計量に対して化合物(a-1)を20〜90モル%及び化合物(a-2)を80〜10モル%の割合で使用する、
ウレタン(メタ)アクリレートの製造方法に関する。
以下、原料化合物及び製造方法について詳細に説明する。
1.化合物ND
本発明の原料化合物である化合物NDは、ナフタレンジイソシアネートである。
化合物NDとしては、ナフタン環の任意の位置に2個のイソシアネート基を有する化合物を使用できるが、反応性の観点からは、分子中のイソシアネート基の距離が近いと2個目のイソシアネートの反応性が低下するために、これらの位置は離れていたほうが良く、さらには工業的に入手しやすいという理由で、ナフタレン−1,5−ジイソシアネートが好ましい。
2.化合物(a-1)
本発明の原料化合物である化合物(a-1)は、1個の芳香族環を有するグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸の付加物である。
化合物(a-1)における1個の芳香族環を有するグリシジルエーテルにおいて、芳香族基としてはフェニル基等が挙げられる。これらの基は、アルキル基又はハロゲン原子で置換されていても良い。アルキル基としては、炭素数1〜10のアルキル基が好ましい。ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。
化合物(a-1)における1個の芳香族環を有するグリシジルエーテルの具体例としては、モノグリシジルエーテルが好ましく、フェニルグリシジルエーテル等が挙げられ、これら化合物の芳香族基は、アルキル基又はハロゲン原子で置換されている化合物であっても良い。
化合物(a-1)は、通常エポキシ(メタ)アクリレートと称され、具体例としては、フェニルグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸の付加物等が挙げられる。
化合物(a-1)は、常法に従い製造されたもので良く、製造方法としては、芳香族基含有グリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸を、触媒の存在下に加熱・攪拌する方法等が挙げられる。
この場合、1個の芳香族環を有するグリシジルエーテルのエポキシ基1当量に対して、(メタ)アクリル酸を好ましくは0.7〜1.5当量、さらに好ましくは0.9〜1.1当量となる比率で反応させて得られたものが好ましい。
3.化合物(a-2)
本発明の原料化合物である化合物(a-2)は、2個の芳香族環を有するグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸の付加物である。
化合物(a-2)における2個の芳香族環を有するグリシジルエーテルにおいて、芳香族基としては、p−クミルフェニル基及びフェニルフェニル基等が挙げられ、これらの基は、アルキル基又はハロゲン原子で置換されていても良い。アルキル基としては、炭素数1〜10のアルキル基が好ましい。ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。
化合物(a-2)における2個の芳香族環を有するグリシジルエーテルの具体例としては、モノグリシジルエーテルが好ましく、p−クミルフェニルグリシジルエーテル、o−フェニルフェニルグリシジルエーテル及びp−フェニルフェニルグリシジルエーテル等が挙げられ、これら化合物の芳香族基は、アルキル基又はハロゲン原子で置換されている化合物であっても良い。
化合物(a-2)は、通常エポキシ(メタ)アクリレートと称され、具体例としては、o−フェニルフェニルグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸の付加物及びp−フェニルフェニルグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸の付加物等が挙げられ、得られる組成物の硬化物が屈折率をより高くできることから、o−フェニルフェニルグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸の付加物が特に好ましい。
化合物(a-2)は、常法に従い製造されたもので良く、前記化合物(a-1)と同様の製造方法に従えば良い。
4.ウレタン化触媒
ウレタン化反応触媒としては、従来のウレタン化反応で使用されるものが使用でき、ジブチルスズジラウレート等のスズ触媒及びトリエチルアミン等のアミン化合物等が挙げられる。
又、反応液中のスズ触媒が問題となる用途によっては、ウレタン化触媒として、下記一般式(a)で表される金属化合物を触媒として使用することもできる。
M(X)n ・・・(a)
〔式(a)において、MはFe、Ru又はZnを表し、Xは同一又は異なってβ−ジケトン、ハロゲン原子、アシルオキシ基又はアルコキシ基を表し、nは2又は3の整数を表す。〕
これらの金属化合物は、従来のスズ触媒に対して優れた活性を有するため、少ない使用量で目的とするウレタン(メタ)アクリレートを製造することができる。
ウレタン化反応触媒の使用割合は、一般的なウレタン化反応における使用割合と同じで良く、反応溶液全体に対して10〜2,000ppmが好ましい。又、化合物(A-1)は反応活性が高いため、ウレタン化触媒を用いずに反応させることもできる。
5.芳香族有機溶媒
芳香族有機溶媒としては、トルエン及びキシレン等の芳香族炭化水素等が挙げられる。
芳香族有機溶媒としては、芳香族基含有モノ(メタ)アクリレート(以下、「ArMA」という)を使用することが好ましい。
ArMAは、得られるウレタン(メタ)アクリレートの溶解性に優れ、得られたウレタン(メタ)アクリレートの使用に際しては、有機溶媒を使用する場合の様に、蒸留等の操作により有機溶媒を除去する必要がない。さらに、そのまま組成物として使用する場合には、組成物を低粘度化し、又組成物の結晶化を防ぐことができるうえ、硬化物に屈折率等の光学特性を付与することができる成分である。
ArMAにおける芳香族基としては、フェニル基、p−クミルフェニル基及びフェニルフェニル基等が挙げられ、これらの基は、アルキル基又はハロゲン原子で置換されていても良い。アルキル基としては、炭素数1〜10のアルキル基が好ましい。ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。
これらの基の中でも、得られる組成物の硬化物の屈折率が高いものとなる点で、p−クミルフェニル基及びフェニルフェニル基が好ましい。
ArMAとしては、さらに組成物の結晶化を防ぐことができる点で、下記式(2)で表されるモノ(メタ)アクリレート(b-1)〔以下、「(b-1)成分」という〕又は/及び下記式(3)で表されるモノ(メタ)アクリレート(b-2)〔以下、「(b-2)成分」という〕)が好ましい。
Figure 0005516177
〔式(2)において、R3及びR4は、それぞれ独立して、水素原子又はメチル基を表し、nは0〜4の整数を表す。〕
Figure 0005516177
〔式(3)において、R5及びR6はそれぞれ独立して、水素原子又はメチル基を表し、mは0〜4の整数を表す。〕
(b-1)成分の具体例としては、例えば、p−クミルフェニル(メタ)アクリレート及びp−クミルフェノキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(b-1)成分としては、良好な硬化性が得られるということから、R3は水素原子であることが好ましい。又、得られる硬化物の屈折率がより高いものとなるうえ、組成物の粘度を低く抑えることができることから、lは0〜2であることが好ましい。
これらの中でも、室温で液状であり扱いやすく、屈折率が高く、入手しやすい点で、p−クミルフェニルアクリレート及びp−クミルフェノキシエチルアクリレートが好ましい。
(b-2)成分の具体例としては、例えば、o−フェニルフェニル(メタ)アクリレート、m−フェニルフェニル(メタ)アクリレート、p−フェニルフェニル(メタ)アクリレート、o−フェニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、m−フェニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート及びp−フェニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらの中でも、室温で液状であり扱いやすく、入手しやすい点で、o−フェニルフェニル(メタ)アクリレート及びo−フェニルフェノキシエチル(メタ)アクリレートが好ましい。さらにこれらの中でも、組成物の粘度を低く抑えることができることから、p=0であるo−フェニルフェニル(メタ)アクリレートが特に好ましい。
芳香族有機溶媒の使用割合としては、目的化合物及び目的粘度等に応じて適宜設定すれば良い。具体的には、反応溶液中に5〜40重量%が好ましく、より好ましくは10〜30重量%である。芳香族有機溶媒の割合を当該割合とすることで得られるウレタン(メタ)アクリレートの製造時間を長くすることなく、粘度を取り扱いやすい範囲に下げることができる。
芳香族有機溶媒としてArMAを使用する場合は、最終的な組成物中の硬化性成分の割合を勘案して割合を決定することが好ましい。例えば、硬化性成分の合計量100重量部に対して、40〜90重量部であり、好ましくは45〜80重量部である。ArMAの割合を40重量部以上とすることにより、硬化物の屈折率を高くでき、後記フェノール化合物や亜リン酸エステル等を配合する場合は、これらの相溶性を向上させることができ、一方、90重量部以下とすることにより、硬化物の耐熱性や機械的強度を高くすることができる。
6.製造方法
本発明は、化合物ND、化合物(a-1)及び化合物(a-2)を、ウレタン化触媒の存在下に芳香族有機溶媒中で加熱・攪拌する製造方法であって、
化合物(a-1)及び化合物(a-2)の合計量に対して化合物(a-1)を20〜90モル%及び化合物(a-2)を80〜10モル%の割合で使用する、
ウレタン(メタ)アクリレートの製造方法に関する。
化合物(a-1)を20モル%以上、又は化合物(a-2)を80モル%以下で使用することにより、得られるウレタン(メタ)アクリレートが、芳香族有機溶媒中に溶解せずに濁りを生じたり結晶化して析出することを防止することができ、又、組成物として使用する場合、他の成分との相溶性が低下してしまうことを防止することができる。一方、化合物(a-1)を90モル%以下、又は化合物(a-2)を10モル%以上で使用することにより、得られるウレタン(メタ)アクリレートを高い屈折率の化合物とすることができ、ウレタン(メタ)アクリレートの粘度を低くすることができるため、芳香族有機溶媒の添加量を少なくすることができる。
化合物(a-1)及び化合物(a-2)の割合としては、前記合計量に対して化合物(a-1)20〜60モル%及び化合物(a-2)を40〜80モル%の割合が好ましい。
化合物NDに対する化合物(a-1)及び化合物(a-2)の割合としては、化合物ND中のイソシアネート基合計1モルに対して、化合物(a-1)及び化合物(a-2)中の水酸基合計1.0〜1.3モルが、化合物NDを未反応で残存させることがなく好ましい。化合物NDが未反応で残存しないようにすることで、保存や使用の際に溶解性が悪いウレア等の生成を抑制し、光学部材用途に使用する場合に濁りの発生を防止することができる。
ウレタン化反応は、通常のウレタン(メタ)アクリレートの製造方法に従えば良い。
ウレタン化反応の反応温度としては、通常40〜150℃であり、好ましくは60〜100℃である。
反応は通常、常圧下で行われるが、用いる有機溶媒の沸点によっては、反応温度が前記温度範囲内になるように、加圧又は減圧下で行っても良い。
反応時間は、目的に応じて適宜設定すれば良く、1〜20時間が好ましい。
ウレタン化反応では、原料又は生成物の(メタ)アクリロイル基の重合を防止する目的で、重合禁止剤を使用することが好ましく、さらには含酸素ガスを反応液に導入してもよい。
重合禁止剤としては、例えば、ハイドロキノン、tert−ブチルハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,4,6−トリ−tert−ブチルフェノール、ベンゾキノン、フェノチアジン等の有機系重合禁止剤、塩化銅及び硫酸銅等の無機系重合禁止剤、並びにジブチルジチオカルバミン酸銅等の有機塩系重合禁止剤等が挙げられる。重合禁止剤は、一種を単独で使用しても又は二種以上を任意に組み合わせて使用しても良い。重合禁止剤の割合としては、反応液中に5〜20,000wtppmが好ましく、より好ましくは25〜3,000wtppmである。
含酸素ガスとしては、例えば空気、酸素と窒素の混合ガス、酸素とヘリウムの混合ガス等が挙げられる。
反応終了後、得られた反応混合物はそのまま使用することもでき、反応混合物中に残存する触媒や原料が硬化型組成物の物性上問題となる場合は、適宜精製を行うこともできる。
6−1.好ましい生成物
本発明の製造方法で得られるウレタン(メタ)アクリレートとしては、下記式(1)で表される化合物が好ましい。
Figure 0005516177
〔但し、式(1)において、R1、R2はそれぞれ独立して水素原子又はメチル基を表し、Ar1、Ar2はそれぞれ独立して水素原子又はフェニル基(但し、フェニル基は炭素数10以下のアルキル基又は塩素、臭素、ヨウ素を含んでいても良い)を表す。〕
本発明で得られるウレタン(メタ)アクリレートは、前記式(1)において、Ar1が水素原子でAr2がフェニル基である化合物、Ar1及びAr2が水素原子である化合物及びAr1及びAr2がフェニル基である化合物の混合物である。
7.使用方法
本発明で得られるウレタン(メタ)アクリレートは、種々の用途に使用することができる。
特に、本発明で得られたウレタン(メタ)アクリレートに、光又は熱重合開始剤を配合して、硬化型組成物として使用することが好ましい。
以下、硬化型組成物で使用する各成分について説明する。
7−1.光重合開始剤
光重合開始剤の具体例としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル及びベンゾインプロピルエーテル等のベンゾイン;アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン及びN,N−ジメチルアミノアセトフェノン等のアセトフェノン;2−メチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン及び2−アミルアントラキノン等のアントラキノン;2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン及び2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン;アセトフェノンジメチルケタール及びベンジルジメチルケタール等のケタール;ベンゾフェノン、メチルベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、ミヒラーズケトン及び4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド等のベンゾフェノン;並びに2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等が挙げられる。
光重合開始剤は、単独で使用しても、2種以上を併用しても良い。
光重合開始剤の含有割合としては、ウレタン(メタ)アクリレート、又は後記するエチレン性不飽和基を有する化合物を配合する場合は、ウレタン(メタ)アクリレートとエチレン性不飽和基を有する化合物(以下、これらをまとめて「硬化性成分」という)の合計100重量部に対して、0.01〜20重量部であり、好ましくは0.5〜10重量部である。光重合開始剤の割合を0.01重量部以上とすることにより、少ないエネルギーの活性エネルギー線照射により光学部材が得られるため生産性に優れ、一方、20重量部以下とすることにより、開始剤の分解物による光学部材の着色を防ぐことができる。
7−2.熱重合開始剤
硬化型組成物は、熱重合開始剤を配合し、加熱硬化させることもできる。
熱重合開始剤としては、種々の化合物を使用することができ、有機過酸化物及びアゾ系開始剤が好ましい。
有機過酸化物の具体例としては、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)2−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(4,4−ジ−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(m−トルオイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、2,5−ジーメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルパーオキシベンゾエート、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、α、α‘−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、t−ブチルトリメチルシリルパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ヘキシルハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド等が挙げられる。
アゾ系化合物の具体例としては、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2−(カルバモイルアゾ)イソブチロニトリル、2−フェニルアゾ−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾジ−t−オクタン、アゾジ−t−ブタン等が挙げられる。
これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。又、有機過酸化物は還元剤と組み合わせることによりレドックス反応とすることも可能である。
これら熱重合開始剤の使用量としては、硬化性成分の合計量100重量部に対して、10重量部を超えないことが好ましい。
熱重合開始剤を単独で用いる場合は、通常のラジカル熱重合の常套手段にしたがって行えばよく、場合によっては光重合開始剤と併用し、光硬化させた後にさらに反応率を向上させる目的で熱硬化を行うこともできる。
7−3.エチレン性不飽和基を含有する化合物
エチレン性不飽和基を含有する化合物であれば種々の化合物が使用できビニル化合物及び(メタ)アクリレート等が挙げられ、(メタ)アクリレートが好ましい。
(メタ)アクリレートの具体例としては、1個の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート(以下、「単官能(メタ)アクリレート」という)及び2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート(以下、「多官能(メタ)アクリレート」という)が挙げられる。
単官能(メタ)アクリレートとしては、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、カルビトール(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルモルホリン、グリシジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、マレイミド基を有する(メタ)アクリレート及び1,4−ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
多官能(メタ)アクリレートにおいて、2官能(メタ)アクリレートとしては、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリブロモフェニルオキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。3官能以上の(メタ)アクリレートとしては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート及びトリス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート等が挙げられる
多官能(メタ)アクリレートとしては、オリゴマーも使用でき、ポリウレタンポリ(メタ)アクリレート及びポリエステルポリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
ビニル化合物としては、N−ビニルカプロラクトン、N−ビニルカルバゾール、ビニルナフタレンを挙げることができる。
又、本願発明のウレタン(メタ)アクリレート以外のウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート及びエポキシ(メタ)アクリレート等のオリゴマーも使用することができる。
本願発明のウレタン(メタ)アクリレート以外のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、ポリオールと有機ポリイソシアネート反応物に対して、さらにヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートを反応させた反応物等が挙げられる。
ここで、ポリオールとしては、低分子量ポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール及びポリカーボネートポリオール等がある。低分子量ポリオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール及び3−メチル−1,5−ペンタンジオール等が挙げられる。ポリエーテルポリオールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等が挙げられる。ポリエステルポリオールとしては、これら低分子量ポリオール又は/及びポリエーテルポリオールと、アジピン酸、コハク酸、フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸及びテレフタル酸等の二塩基酸又はその無水物等の酸成分との反応物が挙げられる。ポリカーボネートポリオールとしては、1,6−ヘキサンジオールのポリカーボネートジオール等が挙げられる。
有機ポリイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート及びイソホロンジイソシアネート等が挙げられる。
ヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート及び2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、ポリエステルポリオールと(メタ)アクリル酸との脱水縮合物が挙げられる。ポリエステルポリオールとしては、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,6−ヘキサンジオール及びトリメチロールプロパン等の低分子量ポリオール、並びにこれらのアルキレンオキシド付加物等のポリオールと、アジピン酸、コハク酸、フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸及びテレフタル酸等の二塩基酸又はその無水物等の酸成分とからの反応物等が挙げられる。
エポキシアクリレートは、エポキシ樹脂に(メタ)アクリル酸を付加反応させたもので、ビスフェノールA型エポキシ樹脂の(メタ)アクリレート、フェノール又はクレゾールノボラック型エポキシ樹脂の(メタ)アクリ酸付加物;ビスフェノールAジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸付加物、臭素化ビスフェノールAジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸付加物、ポリエーテルのジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸付物等が挙げられる。
エポキシ(メタ)アクリレートとしては、グリセリンジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル及びトリグリシジルイソシアヌレート等のグリシジルエーテルの(メタ)アクリレート並びにビスフェノールA型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂及びクレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂の(メタ)アクリレート等が挙げられる。
7−4.使用方法
硬化型組成物の使用方法としては、基材に組成物を塗布した後、活性エネルギー線硬化型組成物の場合は、活性エネルギー線を照射し、熱硬化型組成物の場合は、加熱する。又、ハードコート剤の用途に使用する場合は、組成物として光重合開始剤及び熱重合開始剤を併用したものを使用し、これを活性エネルギー線照射した後、加熱硬化させることにより、基材との密着性を向上させる方法も採用することができる。
基材としては、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート及びポリ塩化ビニル等の成形樹脂加工品(プラスチック)、金属、ガラス、コンクリート、自然の木材及び合成木材等の木材、石材並びに紙等が挙げられる。
硬化型組成物は種々の用途に使用可能であり、塗料等のコーティング剤、インキ、レジスト及び成形材等が挙げられる。
特に、硬化型組成物は、その硬化物が高屈折率かつ高い生産性を有するため、光学材料に好ましく使用することができる。
光学材料の具体例としては、フレネルレンズ及びレンチキュラーレンズ、液晶表示装置のバックライト用プリズムシート等のレンズシート並びにプラスチックレンズ等の種々の光学材料に使用できる。
レンズシートとしては、更に詳細には、ビデオプロビェクター、プロジェクションテレビ及び液晶ディスプレイ等用途が挙げられる。
硬化型組成物を光学材料に使用する場合は、硬化物の経時での着色を著しく低く抑える目的で、組成物に、フェニル基中に少なくとも1個の基−C(CH32R(Rはアルキル基又はフェニル基を表す)を有するフェノール化合物及び亜リン酸エステル化合物を配合することが好ましい。
又、この用途の場合、硬化を進行させる目的で、硬化型組成物に光重合開始剤と熱重合開始剤を併用し、活性エネルギー線照射後に、加熱することもできる。
硬化型組成物を光学材料の製造に使用する場合の使用方法としては、具体的には、レンズ形状を有するスタンパーに組成物を塗布し、フィルム又はシート基材でラミネートした後に、活性エネルギー線を照射し硬化させる方法等が挙げられる。
以下に、実施例及び比較例を挙げ、本発明をより具体的に説明する。
尚、以下で使用した略号は、下記を意味する。
・ND:ナフタレン−1,5−ジイソシアネート:三井化学(株)製コスモネートND〔化合物ND〕
・PGEA:フェニルグリシジルエーテルとアクリル酸の付加物。東亞合成(株)アロニックスM−5700〔化合物(a-1)〕
・PPGEA:o−フェニルフェニルグリシジルエーテルのエポキシアクリレート。東亞合成(株)製TO−1317〔化合物(a-2)〕
・PPEA:o−フェニルフェノキシエチルアクリレート〔東亞合成(株)製アロニックスTO−1463。前記式(3)において、R5及びR6が水素原子、mが1である化合物〔化合物(b-2)〕
・BHT:ジtert−ブチルヒドロキシトルエン
・DBTL:ジブチルスズジラウレート
○実施例1
冷却管、温度計及び攪拌棒を備えた1L容量3つ口フラスコに、NDの42.04g(0.200モル)、反応溶媒としてPPEAの70g、重合禁止剤としてBHTの0.04g、合成触媒としてDBTLの0.023gを加え、攪拌しながら80℃まで昇温し、PGEAの48.90g(0.220モル)、PPGEAの65.63g(0.214モル)を1時間かけて連続的に滴下し、滴下終了後さらに5時間攪拌して、反応させた。
※PGEAとPPGEAの合計量に対する割合
PGEA:50.7モル%、PPGEA:49.3モル%
得られた反応液は、ND、PGEA及びPPGEAのウレタンアクリレートを30.9重量%含むPPEAとの混合物であり、粘度は1,055,000mPa・s(25℃)、屈折率(nD 25)は1.5941であった。
尚、反応溶媒として用いたPPEAの屈折率(nD 25)は1.5770である。
○実施例2
実施例1と同様のフラスコに、NDの42.04g(0.200モル)、PPEAの105g、BHTの0.05g、DBTLの0.024gを加え、攪拌しながら80℃まで昇温し、PGEAの29.34g(0.132モル)、PPGEAの91.89g(0.308モル)を1時間かけて連続的に滴下し、滴下終了後さらに5時間攪拌して、反応させた。
※PGEAとPPGEAの合計量に対する割合
PGEA:30.0モル%、PPGEA:70.0モル%
得られた反応液は、ND、PGEA及びPPGEAのウレタンアクリレートを39.1重量%含むPPEAとの混合物であり、粘度は1,782,000mPa・s(25℃)、屈折率(nD 25)は1.5971であった。
○比較例1
実施例1と同様のフラスコに、NDの42.04g(0.200モル)、PPEAの60g、BHTの0.04g、DBTLの0.019gを加え、攪拌しながら80℃まで昇温し、PPGEAの131.27g(0.44モル)を連続的に滴下した。
滴下30分程度で、NDが一旦反応液に均一溶解した後に発熱を伴い不溶なウレタンプレポリマーが生成し、その後30分で全量を滴下させてもウレタンプレポリマーは溶解せず、さらに5時間攪拌、反応させたが不溶なままであった。
○比較例2
実施例1と同様のフラスコに、NDの42.04g(0.200モル)、PPEAの60g、BHTの0.04g、DBTLの0.019gを加え、攪拌しながら80℃まで昇温し、PGEAの88.90g(0.400モル)を1時間かけて連続的に滴下し、滴下終了後さらに5時間攪拌して、反応させた。
得られた反応液は、NDとPGEAのウレタンアクリレートを31.4重量%含むPPEAとの混合物であり、粘度は490,500mPa・s(25℃)、屈折率(nD 25)は1.5869であった。
反応は問題なく進行し、得られた反応液は、濁り等の問題はなかったものの、前記実施例1及び同2で得られた反応液より屈折率が不充分なものであった。
○比較例3
実施例1と同様のフラスコに、トリレンジイソシアネート〔日本ポリウレタン(株)製 コロネートT−80。以下、「TDI」という。〕34.83g、PPEAの60g、BHTの0.04g、DBTLの0.019gを加え、攪拌しながら80℃まで昇温し、PGEAの88.90gを1時間かけて連続的に滴下し、滴下終了後さらに5時間攪拌、反応させた。
得られた反応液は、TDI及びPGEAの反応物を含むPPEAとの混合物であり、粘度は212,000mPa・s(25℃)、屈折率(nD 25)は1.5466であった。
ウレタンアクリレートにおいて、原料が脂肪族イソシアネートである場合よりも芳香族イソシアネートの場合の方が、屈折率が高くなることはよく知られているが、イソシアネートとして芳香族イソシアネートであるTDIを使用した場合であっても、本発明のナフタレンジイソシアネート以外を原料として製造された反応物は、屈折率が不十分なものであった。
○比較例4
製造例1と同様のフラスコに、NDの52.55g、PPEAの50g、BHTの0.03g、DBTLの0.016gを加え、攪拌しながら80℃まで昇温し、2−ヒドロキシエチルアクリレート58.06gを連続的に滴下した。
滴下開始から約30分で反応性希釈剤に不溶な反応物が生成し、さらに加熱・攪拌を続けても不溶であった。
このことから、2−ヒドロキシエチルアクリレートとNDから得られるウレタンアクリレートは、有機溶媒に対する相溶性が悪く、硬化性組成物の原料としては不適であった。
○比較例5
製造例1と同様のフラスコに、NDの52.55g、ラウリルアクリレートの100g、BHTの0.05g、DBTLの0.020gを加え、攪拌しながら80℃まで昇温し、PGEAの111.12gを連続的に滴下した。
滴下に伴いウレタン化反応が進行したが、反応液は白濁したままであり、さらに加熱・攪拌を続けても均一透明な反応液は得られなかった。
このことから、ラウリルアクリレートのような芳香族基を有さない化合物を希釈剤として用いると、PGEAとNDから得られるウレタンアクリレートは相溶性が悪く、活性エネルギー線硬化性組成物の原料としては不適であった。
本発明の製造方法は、ウレタン(メタ)アクリレートの製造に使用することができる。さらに、得られたウレタン(メタ)アクリレートは、硬化型組成物の成分として使用することができ、当該硬化型組成物は、種々の用途に使用することができる。

Claims (6)

  1. ナフタレンジイソシアネート〔以下、「化合物ND」という〕、1個の芳香族環を有するグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸の付加物(a-1)〔以下、「化合物(a-1)」という〕及び2個の芳香族環を有するグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸の付加物(a-2)〔以下、「化合物(a-2)」という〕を、ウレタン化触媒の存在下に芳香族有機溶媒中で加熱・攪拌する製造方法であって、
    化合物(a-1)及び化合物(a-2)の合計量に対して化合物(a-1)を20〜90モル%及び化合物(a-2)を80〜10モル%の割合で使用する、
    ウレタン(メタ)アクリレートの製造方法。
  2. ウレタン(メタ)アクリレートが、下記式(1)で表される化合物である請求項1記載のウレタン(メタ)アクリレートの製造方法。
    Figure 0005516177
    〔但し、式(1)において、R1、R2はそれぞれ独立して水素原子又はメチル基を表し、Ar1、Ar2はそれぞれ独立して水素原子又はフェニル基(但し、フェニル基は炭素数10以下のアルキル基又は塩素、臭素、ヨウ素を含んでいても良い)を表す。〕
  3. 化合物ND中のイソシアネート基合計1モルに対して、化合物(a-1)及び化合物(a-2)中の水酸基の合計1.0〜1.3モルの割合で反応させる請求項1又は請求項2に記載のウレタン(メタ)アクリレートの製造方法。
  4. 化合物(a-1)が、フェニルグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸の付加物であり、化合物(a-2)がフェニルフェニルグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸の付加物である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のウレタン(メタ)アクリレートの製造方法。
  5. 芳香族有機溶媒が、芳香族基含有モノ(メタ)アクリレートである請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のウレタン(メタ)アクリレートの製造方法。
  6. 芳香族有機溶媒が、下記式(2)で表されるモノ(メタ)アクリレート(b-1)又は/及び下記式(3)で表されるモノ(メタ)アクリレート(b-2)である請求項5に記載のウレタン(メタ)アクリレートの製造方法。
    Figure 0005516177
    〔但し、式(2)において、R3及びR4は、それぞれ独立して水素原子又はメチル基を表し、lは0〜4の整数を表す。〕
    Figure 0005516177
    〔但し、式(3)において、R5及びR6は、それぞれ独立して水素原子又はメチル基を表し、mは0〜4の整数を表す。〕
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