JPH08301958A - 成形可能な樹脂組成物 - Google Patents

成形可能な樹脂組成物

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JPH08301958A
JPH08301958A JP10880395A JP10880395A JPH08301958A JP H08301958 A JPH08301958 A JP H08301958A JP 10880395 A JP10880395 A JP 10880395A JP 10880395 A JP10880395 A JP 10880395A JP H08301958 A JPH08301958 A JP H08301958A
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JP
Japan
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polyester
allyl
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molecular weight
unsaturated polyester
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Application number
JP10880395A
Other languages
English (en)
Inventor
Eiichiro Takiyama
栄一郎 滝山
Akihiro Shimizu
明浩 清水
Hideaki Otani
英明 大谷
Hiroshi Uchida
博 内田
Kazufumi Kai
和史 甲斐
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Denko KK
Showa Highpolymer Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 [A]α,β−不飽和多塩基酸と多価アルコ
ールとを反応して得られる、数平均分子量5,000以
上の不飽和ポリエステル、および[B]1分子中に2個
以上のアリルエステル基を有し、構成分子の主鎖がポリ
エステルである、数平均分子量300以上のアリルポリ
エステルを含有してなる、成形可能な樹脂組成物。 【効果】 本発明によれば、分子量5,000以上の高
分子量の不飽和ポリエステルと、1分子中に2個以上の
アリルエステル基を有するアリルポリエステルとを併用
することによって、スチレンモノマーを用いることな
く、耐熱性、機械的強度、取り扱い性に優れ、また収縮
率が小さく、さらに補強材およびフィラーとのなじみ
(接着性)がよく、各種用途に有用な樹脂組成物が提供
される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、成形材料、繊維強化プ
ラスチック(FRP)、焼付コーティングなどの各分野
に有用な加熱成形が可能な樹脂組成物に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、α,β−不飽和多塩基酸または
その酸無水物、代表的には無水マレイン酸、フマル酸
に、飽和多塩基酸あるいは不飽和環状脂肪族多塩基酸ま
たはその酸無水物を併用し、これと多価アルコール類と
をエステル化し、数平均分子量が1,000〜3,000
の不飽和ポリエステルを得、さらに該不飽和ポリエステ
ルを共重合可能なモノマーに溶解して樹脂とすること
は、よく知られていることである。
【0003】現在、FRPの無収縮タイプとして、前記
のような不飽和ポリエステル樹脂と熱可塑性ポリマーと
の併用系が、BMCやSMCとしての成形材料として盛
んに活用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような成形材料は頗る有用であるが、この系はスチレン
をモノマーとして用いていることから、耐熱性に制限が
あり、また製造作業上、臭気、取り扱い性の点で問題点
がある。さらに、必ずしもフィラーとの接着性を十分に
備えていない場合もあった。本発明は、上記のようなス
チレンモノマーの使用に由来する従来の課題を解決し、
実用上十分な耐熱性を有する各種物性、取り扱い性に優
れた成形可能な樹脂組成物を提供することを目的とする
ものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、従来の不
飽和ポリエステルのもつ欠点を解消し、加熱硬化で有用
な樹脂系を得るために種々検討した結果、数平均分子量
(以下、単に分子量ということがある)5,000以上
の高分子量の不飽和ポリエステルと、1分子中に2個以
上のアリルエステル基を有するアリルポリエステルとを
併用することによって、スチレンモノマーを用いること
なく、耐熱性、機械的強度、取り扱い性に優れ、また収
縮率が小さく、さらに補強材およびフィラーとのなじみ
(接着性)がよく、各種用途に有用な加熱成形が可能な
樹脂組成物を得ることができることを見出し、本発明を
完成することができた。
【0006】すなわち本発明は、[A] α,β−不飽
和多塩基酸と多価アルコールとを反応して得られる、数
平均分子量5,000以上の不飽和ポリエステル、およ
び[B] 1分子中に2個以上のアリルエステル基を有
し、構成分子の主鎖がポリエステルである、数平均分子
量300以上のアリルポリエステルを含有してなる、成
形可能な樹脂組成物を提供するものである。
【0007】また本発明は、不飽和ポリエステルおよび
アリルポリエステルの合計重量に対し、不飽和ポリエス
テルが5〜95重量%およびアリルポリエステルが95
〜5重量%使用される、前記の樹脂組成物を提供するも
のである。
【0008】さらに本発明は、不飽和ポリエステルが2
0〜80重量%およびアリルポリエステルが80〜20
重量%使用される、前記の樹脂組成物を提供するもので
ある。
【0009】さらにまた本発明は、不飽和ポリエステル
の末端基全体に対し、その10モル%以上が、カルボキ
シル基化されている、前記の樹脂組成物を提供するもの
である。
【0010】また本発明は、不飽和ポリエステルに多塩
基酸無水物を反応させることにより、カルボキシル化が
行われる、前記の樹脂組成物を提供するものである。
【0011】さらに本発明は、多塩基酸無水物が無水ト
リメリット酸である、前記の樹脂組成物を提供するもの
である。
【0012】以下、本発明をさらに詳細に説明する。 (不飽和ポリエステル)本発明の組成物においては、
[A]成分として、分子量5,000以上の不飽和ポリ
エステルを使用する。分子量5,000以上の高分子量
の不飽和ポリエステルを用いる理由を以下に示す。 (1) 理由は必ずしも明らかではないが、高分子量の不
飽和ポリエステルとアリルポリエステルの併用系は、フ
ィラーに対して頗る良好な接着性を示す。従来型のポリ
エステル(分子量が1,000〜3,000)を用いた場
合は、硬化樹脂がもろい傾向があり、接着性は必ずしも
よいとはいえない。 (2) 高分子量の不飽和ポリエステルを用いた場合、た
とえ低反応性であっても、アリルポリエステルと併用し
た硬化樹脂は強靭で、機械的性質が優れている。従来型
の不飽和ポリエステル樹脂を用いた場合、低反応性タイ
プは著しくもろくなり実用性に乏しい。 (3) 高分子量の不飽和ポリエステルを用いた場合、末
端基の濃度が低いためもあって、電気的諸性質が良好で
ある。
【0013】このような高分子量の不飽和ポリエステル
は、例えば次のようにして合成することができる。α,
β−不飽和多塩基酸(またはその無水物)に、必要に応
じて任意の飽和あるいは不飽和の多塩基酸(またはその
無水物)を併用し、これと多価アルコールとを不活性気
流中、160〜230℃でエステル化し、酸価が15以
下で分子量が500以上のヒドロキシルポリエステルを
得、該ヒドロキシポリエステル100重量部に、0.0
1重量部以上、好ましくは0.1〜0.3重量部の有機チ
タン化合物触媒、例えばテトラブチルチタネート、テト
ラプロピルチタネート等を加え、5mmHg以下、好ましく
は1mmHg以下の減圧下、脱グリコール反応を行うことに
より、分子量5,000以上、好ましくは7,000以上
の高分子量の不飽和ポリエステルが合成される。
【0014】飽和あるいは不飽和の多塩基酸(またはそ
の無水物)を併用した場合、α,β−不飽和多塩基酸
(またはその無水物)の使用割合は、該α,β−不飽和
多塩基酸(またはその無水物)および飽和あるいは不飽
和の多塩基酸(またはその無水物)の全体に対し、10
モル%以上とするのがよい。α,β−不飽和多塩基酸
(またはその無水物)の使用割合が10モル%未満で
は、物性、とくに組成物の機械的性質が急速に低下し、
硬化性もまた悪化して、完全硬化し難くなる。
【0015】α,β−不飽和多塩基酸(またはその無水
物)は、実用的には無水マレイン酸、フマル酸、イタコ
ン酸等が挙げられる。
【0016】飽和あるいは不飽和の多塩基酸(またはそ
の無水物)としては、無水フタル酸、イソフタル酸、テ
レフタル酸、ならびにジメチルエステル等のベンゼン核
を有するもの;テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテト
ラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、エ
ンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、メチルエンド
メチレンテトラヒドロ無水フタル酸、ヘット酸等の脂肪
族環状多塩基酸(またはその無水物);コハク酸、アジ
ピン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボ
ン酸等が挙げられる。。また含ハロゲン酸としてはヘッ
ト酸の他にテトラクロロ無水フタル酸、テトラブロム無
水フタル酸等がある。
【0017】多価アルコールとしては、沸点が300℃
/760mmHg以下のものが好ましく、例えば、エチレ
ングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリ
コール、ジプロピレングリコール、ブタンジオール1,
3、ブタンジオール1,4、ネオペンチルグリコール、
2−エチル−2−メチルプロパンジオール1,3、ペン
タンジオール1,5、ヘキサンジオール1,6、さらに、
アルキレンモノエポキシ化合物としては、エチレンオキ
シド、プロピレンオキシド、エピクロロヒドリン、フェ
ニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル等
が挙げられる。沸点が300℃/760mmHgを超える
高沸点で、グリコール交換し難い次のような種類の多価
アルコールは、多価アルコール成分全体に対して50モ
ル%以下の併用の形で利用することができる。すなわ
ち、高沸点の多価アルコールの例としては、水素化ビス
フェノールA、ビスフェノールAエチレンオキシド付加
物、ビスフェノールAプロピレンオキシド付加物、グリ
セリンジアリルエーテル、トリメチロールプロパンモノ
またはジアリルエーテルがあげられる。高沸点の多価ア
ルコールの割合が50モル%よりも多いと、脱グリコー
ル反応が起こり難くなり、高分子量化が困難になる。
【0018】このようにして得られる本発明の組成物の
一成分である高分子量の不飽和ポリエステルは、必要に
応じて、その末端を変性し、末端基としてカルボキシル
基を形成させることが望ましい。その理由および効果は
次のとおりである。一般のエステル化により合成される
低分子量の不飽和ポリエステルが、カルボキシル基とヒ
ドロキシル基とを末端基として有するのに比較して、上
記のように脱グリコール反応により不飽和ポリエステル
を高分子量化させた場合は、必然的に、その末端基はほ
ぼヒドロキシル基となる。ヒドロキシル基が末端基であ
っても差し支えない用途、例えば注型等にあってはその
ままでもよいが、少なくともその一部がカルボキシル基
でなければ、実用上差し支える場合もある。例えば、S
MCやBMCのように、末端カルボキシル基と2価金属
の酸化物、水酸化物と反応させ、分子量を増大させて成
形材料とするケース等がそうである。
【0019】上記のように末端を変性するために使用さ
れる化合物は、反応温度で揮発性または昇華性を示さ
ず、数平均分子量を低下させることなく不飽和ポリエス
テルの末端基にカルボキシル基が導入されるものであれ
ばとくに制限されないが、例えば、無水トリメリット
酸、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水アジピン酸、
テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フ
タル酸、エンドメチレンットラヒドロ無水フタル酸、ヘ
キサヒドロ無水フタル酸、無水ピロメリト酸等のような
多塩基酸無水物が挙げられる。中でも好ましくは無水ト
リメリット酸である。無水フタル酸も使用可能である
が、昇華性があり、計算量のカルボキシル化は難しい。
なお、末端基の一部をカルボキシル化するために、一般
の多塩基酸を加えてエステル化するのでは、不飽和ポリ
エステルが分解し、低分子量化する傾向があり、実用上
問題がある。
【0020】このような不飽和ポリエステルの末端基に
カルボキシル基を導入するための化合物は、脱グリコー
ル反応後に加えられ、5mmHg以下の減圧下、所望の温
度、例えば180〜220℃の温度で、不飽和ポリエス
テルと反応することができる。変性されるカルボキシル
基の割合は、不飽和ポリエステルの末端基全体に対し、
10モル%以上である。10モル%未満ではカルボキシ
ル基を導入した実質的な意味に乏しい。最も適当な範囲
は、用途により相違するのは当然であるが、10〜90
モル%である。
【0021】なお、単位重量当たりの末端基の数は、分
子量により相違するので、本発明でいう数平均分子量と
は、GPC(カラムShodex No. KF-805タイプ、排除限
界分子量ポリスチレンで4×106)測定によるもので
ある。
【0022】(アリルポリエステル)本発明の組成物の
[B]成分は、アリルポリエステルである。このアリル
ポリエステルは、多塩基酸と低級アルコールとのエステ
ル、多価アルコールおよびアリルアルコールを併用し、
脱低級アルコール反応により合成することができる。
【0023】多塩基酸と低級アルコールとエステルとし
ては、メチル、エチル、イソプロピル、アリルエステル
が用いられるが、そのものとしてジメチルテレフタレー
トを用いた場合のアリルポリエステルの合成反応のモデ
ルを、以下に示す。
【0024】
【化1】
【0025】本発明の組成物に用いられるアリルポリエ
ステルは、多塩基酸と低級アルコールとのエステルの種
類および多価アルコールの種類および比率等を適宜選択
することにより、様々な種類のものを合成することがで
きる。例えば、多塩基酸のエステルとしては、ジメチル
フタレート、ジメチルイソフタレート、ジメチルテレフ
タレート、ジメチルマレエート、ジメチルフマレート、
ジメチルエンドメチレンテトラヒドロフタレート、トリ
メリット酸トリメチルエステル、ピロメリット酸テトラ
メチルエステル、ジメチルアジペート、ジメチルセバケ
ート等が挙げられる。中でも好ましくはジメチルテレフ
タレートである。多価アルコールとしては、エチレング
リコール、プロピレングリコール、2−メチルプロパン
ジオール−1,3,ネオペンチルグリコール、ブタンジ
オール−1,2、ブタンジオール−1,3、ブタンジオー
ル−1,4、3−メチルペンタンジオール−1,5、ノナ
メチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノ
ール、トリシクロデカンジメタノール、ジエチレングリ
コール、ジプロピレングリコール、水素化ビスフェノー
ル−A、ビスフェノールAアルキレンエポキシド付加
物、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリ
スリット等が挙げられる。中でも好ましくは、プロピレ
ングリコールであり、分子中にアリル基を多数導入する
場合には、ペンタエリスリットが好適に用いられる。
【0026】脱低級アルコール反応は、亜鉛の有機酸
塩、有機錫化合物等の触媒を用いて、少量の不活性ガス
を流しながら、120〜250℃の温度、好ましくは1
60〜200℃の温度で行われる。
【0027】このようにして得られるアリルポリエステ
ルは、分子量が300以上、好ましくは500〜10,
000であるのがよい。分子量が300未満であると、
モノマーとなり、材料化したときにベタツキが出易く、
流動性が出過ぎて成形性が悪化する。
【0028】(配合割合)高分子量の不飽和ポリエステ
ルとアリルポリエステルとの配合割合はとくに制限を加
える必要はないが、一般に、両者の合計重量に対し、不
飽和ポリエステル5〜95重量%、アリルポリエステル
95〜5重量%、より望ましくは不飽和ポリエステル2
0〜80重量%、アリルポリエステル80〜20重量%
がよい。不飽和ポリエステルの配合割合が95重量%を
超えると、硬化性が著しく損なわれ、また、アリルポリ
エステルの配合割合が95重量%を超えると、硬化に長
時間を要することとなる。
【0029】本発明の組成物において、不飽和ポリエス
テルおよびアリルポリエステルの併用の形態は、両者を
硬化剤と共に加熱混練してもよく、また用途によっては
共通溶剤に溶解してもよい。両樹脂を併用、硬化する際
には、不飽和ポリエステルおよびアリルポリエステルの
合計100重量部に対し、硬化剤として有機過酸化物
(以下触媒と略称する)を1〜3重量部使用することが
必要である。触媒のタイプは中、高温分解型のものが望
ましく、例えば過酸化ベンゾイル、ターシャリーブチル
パーオクトエート、ターシャリーブチルパーベンゾエー
ト、ジクミルパーオキシド等が挙げられる。
【0030】本発明の組成物は、硬化収縮も小さく、接
着性、機械的諸物性、耐熱性等に優れ、エンジニアリン
グプラスチックとして活用でき、その実用化に際して
は、有機、無機の補強材、フィラー、変性用の熱可塑性
ポリマー、オリゴマー、滑剤、離型剤、着色剤等を必要
に応じて併用できることは勿論である。
【0031】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明する。実施例 1 高分子量の不飽和ポリエステル(A)の合成 撹拌機、分溜コンデンサー、温度計、ガス導入管を付し
た1リットルセパラブルフラスコに、プロピレングリコ
ール96g、1,4−シクロヘキサンジメタノール14
4g、ジメチルテレフタレート272g、ジメチルフマ
レート86g、オクチル酸亜鉛0.8g、テトライソプ
ロポキシドチタン0.1g、フェノチアジン0.08gを
仕込み、窒素気流中160〜180℃で脱メタノール反
応を行い、メタノールの溜出が認められなくなった段階
で温度を200℃に上昇、コンデンサーを交換して最終
的には0.8mmHgの減圧下、6時間脱グリコール反応を
行った。数平均分子量8,700、淡黄褐色透明なポリ
エステルが得られた。酸価は実質的にゼロであった。
【0032】さらに無水トリメリット酸10gを加え、
1〜2mmHgの減圧下、30分同温度(200℃)に保
ち、末端ヒドロキシル基のカルボキシル化を行った。
【0033】融点60℃、数平均分子量9,200、酸
価11の高分子量の不飽和ポリエステル(A)が得られ
た。
【0034】アリルポリエステル(B)の合成 蒸留装置のついた1リットル三つ口セパラブルフラスコ
に、ジアリルテレフタレート443g、ジアリルマレー
ト118g、1,4−シクロヘキサンジメタノール173
g、ネオペンチルグリコール104g、ジブチル錫オキサ
イド0.3gを仕込み、窒素気流下で180℃に加熱し、
生成してくるアリルアルコールを留去した。アリルアル
コールが150g程度留出したところで、反応系内を5
0mmHgまで減圧し、アリルアルコールの留出速度を速
めた。理論量のアリルアルコールが留出した後、さらに
2mmHgまで減圧し、1時間加熱を続けた。数平均分子
量5,000、融点128〜138℃、ヨウ素価17の
固形のアリルポリエステルが得られた。
【0035】次の配合割合により、本発明の組成物を調
製した。 不飽和ポリエステル(A) 50重量部 アリルポリエステル(B) 50重量部 ミルドファイバー 250重量部 シランカップリング剤 1重量部 ジクミルパーオキシド 2重量部 ステアリン酸亜鉛 3重量部
【0036】配合物を110〜115℃の加熱ニーダー
で混練し、JIS K6911のテスト金型で、160
〜165℃で成形したテストピースの物性は、表1に見
られる通りであり、本発明の組成物が成形材料として優
れていることが分かる。
【0037】
【表1】 曲げ強さ(kg/mm2) 12.7 曲げ弾性係数(kg/mm2) 1660 シャルピー衝撃値(kg・cm/cm2) 8.9 熱変形温度(℃) 154 バーコル硬さ 65 絶縁抵抗(Ω) 6.9×1015Ω 2時間煮沸後(Ω) 3.0×1015Ω
【0038】比較例 1 実施例1で使用した不飽和ポリエステル(A)にかえ
て、同一配合において、脱メタノール反応が終了した時
点での数平均分子量2,300の従来型のタイプのポリ
エステル(C)を用いたこと以外は、実施例1を繰り返
した。但しこの場合、末端基を、実施例1と同様に無水
トリメリット酸で処理すると、成形材料化した時に著し
く流動性が損なわれ、成形が困難となることから、無水
トリメリット酸による末端基処理は行わなかった。組成
物の配合割合は実施例1と同様にした。得られたテスト
ピース物性は、表2に見られるように、高分子量の不飽
和ポリエステル(A)を用いた場合と比較して、著しく
劣ったものとなった。
【0039】
【表2】 曲げ強さ(kg/mm2) 8.1 曲げ弾性係数(kg/mm2) 1260 シャルピー衝撃値(kg・cm/cm2) 4.9 熱変形温度(℃) 127 バーコル硬さ 60 絶縁抵抗(Ω) 3.0×1015Ω 2時間煮沸後(Ω) 1.6×1014Ω
【0040】実施例 2 高分子量の不飽和ポリエステル(D)の合成 エチレングリコール70g、ネオペンチルグリコール1
10g、イソフタル酸166gを、1リットルセパラブ
ルフラスコに仕込み、190〜200℃、窒素気流中で
酸価29.1迄エステル化を行った後、無水マレイン酸
98gを加え、さらに反応を続け酸価11.4とした
後、テトライソプロポキシチタン0.8g、ターシャリ
ーブチルカテコール0.08g、亜リン酸0.1gを加
え、温度190℃で最終的には0.8mmHgの減圧下6時
間脱グリコール反応を行った。淡黄褐色、融点約80
℃、数平均分子量8,900の高分子量の不飽和ポリエ
ステル(D)が得られた。
【0041】アリルポリエステル(E)の合成 蒸留装置のついた1リットル三つ口セパラブルフラスコ
に、ジアリルテレフタレート591g、プロピレングリ
コール180g、ジブチル錫オキサイド0.3gを仕込
み、窒素気流下で180℃に加熱し、生成してくるアリ
ルアルコールを留去した。アリルアルコールが160g
程度留出したところで、反応系内を50mmHgまで減圧
し、アリルアルコールの留出速度を速めた。理論量のア
リルアルコールが留出した後、さらに2mmHgまで減圧
し、1時間加熱を続けた。数平均分子量4,500、融
点72〜76℃、ヨウ素価16の固形のアリルポリエス
テルが得られた。
【0042】次の配合割合により、本発明の組成物を調
製した。 不飽和ポリエステル(D) 60重量部 アリルポリエステル(E) 38重量部 ジアリルテレフタレート 2重量部 ジクミルパーオキシド 2重量部 オクチル酸コバルト(8%Co) 0.1重量部 メチルエチルケトン 50重量部 イソプロピルアルコール 50重量部 キシレン 50重量部
【0043】得られた溶剤に溶解された組成物を、ボン
デライト鋼板上に塗膜厚(固型分)50μmになるよう
に塗布した。常温で一夜乾燥後、80℃で2時間、およ
び150℃で30分の焼付硬化を行った。得られた塗膜
の硬度は3H、ゴバン目密着テストは100/100と
優れており、塩水噴霧テスト300時間でも発錆が認め
られなかった。
【0044】実施例 3 高分子量の不飽和ポリエステル(F)の合成 撹拌機、分溜コンデンサー、温度計、ガス導入管を付し
た1リットルセパラブルフラスコに、エチレングリコー
ル50g、1,4−シクロヘキサンジメタノール86
g、3−メタルペンタンジオール1.5を71g、ジメ
チルテレフタレート272g、酢酸亜鉛1gを仕込み、
160〜200℃でメタノールの溜出が終了した段階
で、無水マレイン酸59g、テトライソプロポキシチタ
ン1g、フェノチアジン0.1g、亜リン酸0.1gを加
え、窒素ガス気流中、温度200〜205℃で酸価9.
1迄エステル化した後、最終的には0.7mmHgの減圧
下、4時間脱グリコール反応を行った。
【0045】次いで無水トリメリット酸10gを加え、
1〜2mmHgの減圧下、同じ温度(200〜205℃)
を維持し、融点65〜70℃、数平均分子量8900、
黄褐色の高分子量の不飽和ポリエステル(F)が得られ
た。
【0046】アリルポリエステル(G)の合成 蒸留装置のついた1リットル三つ口セパラブルフラスコ
に、ジアリルテレフタレート296g、ジアリルイソフ
タレート296g、ノナンジオール128g、ジブチル錫
オキサイド0.2gを仕込み、窒素気流下で180℃に加
熱し、生成してくるアリルアルコールを留去した。アリ
ルアルコールが60g程度留出したところで、反応系内
を50mmHgまで減圧し、アリルアルコールの留出速度
を速めた。理論量のアリルアルコールが留出した後、さ
らに2mmHgまで減圧し、1時間加熱を続けた。数平均
分子量700、ヨウ素価131、粘度2.8ポイズのシ
ラップ状のアリルポリエステルが得られた。
【0047】次の配合割合により、本発明の組成物を調
製した。 不飽和ポリエステル(F) 65重量部 アリルポリエステル(G) 35重量部 t−ブチルパーベンゾエート 2重量部 メチルエチルケトン 100重量部
【0048】得られた溶剤に溶解された組成物を、接着
試験用の鋼板厚さ2mm、150×75mm(#350ペー
パーで研磨後、1,1,1−トリクロロエタン溶液で洗
浄)の端部12.5mmの部分に約60μm厚になるように
塗布した後、常温で2時間、60℃で2時間乾燥後、そ
のままの温度で重ね合わせ、120℃で2時間、5kg/
cm2の圧力下で圧着した。常温下の引張り剪断による接
着強さは、189〜214kg/cm2と頗る大きかった。
【0049】
【発明の効果】本発明によれば、分子量5,000以上
の高分子量の不飽和ポリエステルと、1分子中に2個以
上のアリルエステル基を有するアリルポリエステルとを
併用することによって、スチレンモノマーを用いること
なく、耐熱性、機械的強度、取り扱い性に優れ、また収
縮率が小さく、さらに補強材およびフィラーとのなじみ
(接着性)がよく、各種用途に有用な樹脂組成物が提供
される。
フロントページの続き (72)発明者 内田 博 大分県大分市大字中の洲2 昭和電工株式 会社大分研究所内 (72)発明者 甲斐 和史 大分県大分市大字中の洲2 昭和電工株式 会社大分研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】[A] α,β−不飽和多塩基酸と多価ア
    ルコールとを反応して得られる、数平均分子量5,00
    0以上の不飽和ポリエステル、および[B] 1分子中
    に2個以上のアリルエステル基を有し、構成分子の主鎖
    がポリエステルである、数平均分子量300以上のアリ
    ルポリエステルを含有してなる、成形可能な樹脂組成
    物。
  2. 【請求項2】 不飽和ポリエステルおよびアリルポリエ
    ステルの合計重量に対し、不飽和ポリエステルが5〜9
    5重量%およびアリルポリエステルが95〜5重量%使
    用される、請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 不飽和ポリエステルが20〜80重量%
    およびアリルポリエステルが80〜20重量%使用され
    る、請求項2に記載の樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 不飽和ポリエステルの末端基全体に対
    し、その10モル%以上が、カルボキシル基化されてい
    る、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の樹脂組成
    物。
  5. 【請求項5】 不飽和ポリエステルに多塩基酸無水物を
    反応させることにより、カルボキシル化が行われる、請
    求項4に記載の樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 多塩基酸無水物が無水トリメリット酸で
    ある、請求項5に記載の樹脂組成物。
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