JP3599416B2 - ポリエチレンテレフタレート系ブロック共重合体の製造方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、柔軟性、機械的特性及び熱安定性に優れると共に、耐熱耐久性、耐湿耐久性にも優れ、それ自身、軟質あるいはエラストマー性樹脂として有用であると共に、樹脂の改質剤、特にポリエステル系樹脂の成形性改良剤などとしても有用なポリエチレンテレフタレート系ブロック共重合体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
結晶性ポリエステル、特にポリテトラメチレンテレフタレートを硬質セグメントとし、ポリエーテル化合物、特にポリテトラメチレングリコールを軟質セグメントとしたポリエステル−ポリエーテルブロック共重合体は、機械的特性、耐熱性、耐薬品性などに優れ、その共重合比率を変化させることにより、軟質のゴム的特性から比較的硬質の特性まで広い範囲の性能を付与することが可能であり、電気、電子あるいは自動車部品などで利用される成形材料や、シート、弾性糸材料などの素材として広く利用されている。
【0003】
さらに、これらのポリエステル−ポリエーテルブロック共重合体を用いて、他樹脂を改質する方法も数多く提案されており、例えば特公昭50−36454、特公昭51−48169、特公平4−4339などには、ポリ塩化ビニル樹脂にブレンドする方法、特公昭60−38410、特公昭53−2655、特開昭50−95356などにはポリエステル樹脂にブレンドする方法、特開昭62−84150、特公平3−46022などにはポリカーボネート樹脂にブレンドする方法、などの各種樹脂とのブレンドが提案されている。
【0004】
このような、ポリエステル−ポリエーテルブロック共重合体を製造する方法としては、例えば、特公昭49−31558、特公昭53−19638、特公昭51−35518、特公昭51−35438、特公昭52−30999、特公昭61−46487、特開昭63−161019、特開平2─3429、特開平2−92953などが挙げられる。
これらにより得られるポリエステル−ポリエーテルブロック共重合体において、硬質セグメントにポリエチレンテレフタレートを用いたポリエチレンテレフタレート−ポリエーテルブロック共重合体は、結晶融点に代表されるように耐熱性が高く、例えば、特開昭63−297456、特開平2−92953などで既に知られている。
さらに、特公平5−8941ではポリエチレンテレフタレートの成形性、脆弱性などを改質する目的で、ポリエチレンテレフタレートとビスフェノール類のアルキシンオキシド付加重合体とのブロック共重合体を添加する方法が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このポリエチレンテレフタレート−ポリエーテルブロック共重合体は、硬質セグメントであるポリエチレンテレフタレートがエステル結合を有することから、加水分解が起こりやすく、さらに、軟質セグメントであるポリエーテル化合物は高温にさらされたとき、酸化分解や熱分解などが起こりやすいなどの問題があり、この結果、共重合体自身の耐熱耐久性や耐湿耐久性などにも問題を生じる。
【0006】
このような問題点を改善するため、特公昭63−30927にはグリシジルエステル化合物を添加する方法、特公昭55−43016にはポリエポキシドを添加する方法、特公昭56−18144にはアミド基含有フェノール系酸化防止剤を添加する方法、その他、酸化防止剤あるいはカルボジイミド化合物などを添加する方法などが提案されている。
確かに、このような方法で、耐熱耐久性や耐湿耐久性などはある程度は改善されるが、該共重合体自身の耐久性が劣るため、これら添加剤を多量に添加する必要があり、機械的強度の低下、添加剤の成形体表面へのブリード、局所的な粘度変化などの問題が新たに生じる。
【0007】
また、特公昭61−46487には上記のようなポリアルキレングリコールの問題点を改善するため、ポリアルキレングリコールとしてビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物を用いて共重合体を製造することが提案されている。
この方法では、ポリアルキレングリコール自体の熱安定性はある程度は改善されるが、硬質セグメントにポリエチレンテレフタレートを用いた場合の、高温あるいは高温高湿度下での耐久性については充分とは言えない。
さらに、このようなポリエチレンテレフタレート−ポリエーテルブロック共重合体を樹脂の改質剤として用いた場合でも、問題は同様である。
したがって、ポリエチレンテレフタレート−ポリエーテルブロック共重合体自身の耐熱耐久性、耐湿耐久性を改善することが強く求められている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、以上のような問題点を解決するため鋭意検討を行った結果、ゲルマニウム系化合物を触媒として用いて重合されたポリエチレンテレフタレート系樹脂とポリエーテル化合物とを反応させて得られるポリエチレンテレフタレート−ポリエーテルブロック共重合体が、柔軟性、機械的強度、熱安定性と共に耐熱耐久性、耐湿耐久性にも優れることを見い出し、本発明に至った。
【0009】
即ち、本発明は、エチレンテレフタレート単位を主たる構成成分とするポリエチレンテレフタレート系セグメントとポリエーテルセグメントからなるポリエチレンテレフタレート系ブロック共重合体を製造するにあたり、ゲルマニウム系化合物を触媒として用いて重合された、固有粘度が0.3(dl/g)以上のエチレンテレフタレート単位を主たる構成成分とするポリエチレンテレフタレート系樹脂と、末端にヒドロキシ基を有し、かつ分子量が400以上である下記一般式(I)、
【0010】
【化3】
【0011】
(式中、R1 は炭素数2〜5のアルキル基を、kは5以上の整数を表し、k個のR1 はそれぞれ異なっていてもよい。)
で表されるポリエーテル化合物、及び一般式(II)
【0012】
【化4】
【0013】
(式中、R2 は炭素数2〜5のアルキル基を、Xは−C(CH 3 ) 2 −又は−SO 2 −を表し、m及びnはそれぞれ1以上の整数であって、かつm+nは3以上である整数を表し、m及びn個のR2 はそれぞれ異なってもよい。)
で表されるポリエーテル化合物からなる群から選択される少なくとも1種とを溶融混合し重縮合反応させることを特徴とするポリエチレンテレフタレート系ブロック共重合体の製造方法を内容とするものである。
【0014】
本発明のポリエチレンテレフタレート系ブロック共重合体の製造に用いられるポリエチレンテレフタレート系樹脂とは、ゲルマニウム系化合物を触媒として、酸成分としてテレフタル酸又はそのエステル形成能を有する誘導体を用い、グリコール成分としてエチレングリコール又はそのエステル形成能を有する誘導体を用いて得られるエチレンテレフタレート単位を主たる構成成分とする、固有粘度が0.3(dl/g)〔フェノール/テトラクロロエタン=1/1(重量比)混合溶媒、25℃にて測定〕以上のポリエステルである。
【0015】
触媒として用いられるゲルマニウム系化合物としては、二酸化ゲルマニウム等のゲルマニウム酸化物、ゲルマニウムテトラエトキシド、ゲルマニウムテトライソプロポキシド等のゲルマニウムアルコキシド、水酸化ゲルマニウム及びそのアルカリ金属塩、ゲルマニウムグリコレート、塩化ゲルマニウム、酢酸ゲルマニウム等が挙げられ、これらは単独又は2種以上組み合わせて用いられる。かかるゲルマニウム系化合物の中では、二酸化ゲルマニウムが特に好ましい。
【0016】
ゲルマニウム系化合物の添加量は、得られるポリエチレンテレフタレート系樹脂に対して0.005〜0.1重量%であり、好ましくは、0.01〜0.05重量%である。また、添加時期は重合反応開始前の任意の時点でよい。
【0017】
ポリエチレンテレフタレート系樹脂の製造方法は、用いる触媒以外は特に限定されず、公知の重合方法を用いることができる。例えば、まずテレフタル酸とエチレングリコールとを無触媒又は触媒の存在下に直接エステル化させる方法、テレフタル酸ジメチルとエチレングリコールとを触媒の存在下にエステル交換させる方法などによって低重合度の重合体を合成し、次いでこの低重合度の重合体とゲルマニウム系化合物とを、例えば約250〜300℃程度の温度、例えば1Torr以下の真空下に保ち、溶融重縮合あるいは固相重縮合によって縮合重合を行い、ポリエチレンテレフタレート系樹脂を製造する方法を挙げることができる。
【0018】
低重合度の重合体を縮合重合させる際に、ゲルマニウム系化合物以外の化合物、例えばアンチモン系触媒などを用いて重合されたポリエチレンテレフタレート系樹脂を用いた場合、高温に保持されたときの耐熱耐久性、高温高湿度に保持されたときの耐湿耐久性が充分でない。これは、詳細な理由は今のところ不明であるが、ゲルマニウム系化合物以外の化合物を用いて得られたポリエチレンテレフタレート系セグメントは加水分解反応を生じやすいこと、ポリエチレンテレフタレート系セグメント及び/又はポリエーテルセグメントは酸化分解反応あるいは熱分解反応が生じやすいことに因るものと推定される。
【0019】
なお、ポリエチレンテレフタレート系樹脂を製造する際には、着色、熱劣化、酸化劣化などを抑制するなどの目的でフェノール系酸化防止剤、燐系化合物または酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤などの酸化防止剤、熱安定剤、着色防止剤などを反応前、反応途中あるいは反応終了後に添加してもよい。さらに、色調を改良するなどの目的でリン酸化合物、例えばリン酸、亜リン酸、次亜リン酸、リン酸モノメチル、リン酸ジメチル、リン酸トリメチル、リン酸メチルジエチル、リン酸トリエチル、リン酸トリイソプロピル、リン酸トリブチル、リン酸トリフェニル、リン酸トリベンジル、リン酸トリシクロヘキシル、亜リン酸トリメチル、亜リン酸メチルジエチル、亜リン酸トリエチル、亜リン酸トリイソプロピル、亜リン酸トリブチル、亜リン酸トリフェニル等の化合物をエステル化反応あるいはエステル交換反応後に添加してもよい。
【0020】
また、ポリエチレンテレフタレート系樹脂には、反応性や得られたブロック共重合体の機械的特性、化学的特性を損なわない範囲で、共重合体可能な公知の成分が使用できる。該成分としては炭素数8〜22の2価以上の芳香族カルボン酸、炭素数4〜12の2価以上の脂肪族カルボン酸、更には炭素数8〜15の2価以上の脂環式カルボン酸などのカルボン酸類及びこれらのエステル形成性誘導体、炭素数3〜15の脂肪族化合物、炭素数6〜20の脂環式化合物、炭素数6〜40の芳香族化合物であって分子内に2個以上の水酸基を有する化合物類、及びこれらのエステル形成性誘導体などが挙げられる。
【0021】
具体的には、カルボン酸類としては、テレフタル酸以外に、例えばイソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ビス(p−カルボキシフェニル)メタンアントラセンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカンジオン酸、マレイン酸、トリメシン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、デカヒドロナフタレンジカルボン酸などのカルボン酸又はそのエステル形成能を有する誘導体が挙げられ、水酸基含有化合物類としては、エチレングリコールの他に、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、デカンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジオール、2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、ハイドロキノン、グリセリン、ペンタエリスリトール等の化合物又はそのエステル形成能を有する誘導体が挙げられる。また、p−オキシ安息香酸、p−ヒドロキシエトキシ安息香酸のようなオキシ酸及びこれらのエステル形成性誘導体、ε−カプロラクトンのような環状エステル等も使用可能である。
上記成分の共重合量としては概ね20重量%以下であり、好ましくは15重量%以下、更に好ましくは10重量%以下である。
【0022】
該ポリエチレンテレフタレート系樹脂の固有粘度は0.30以上であり、好ましくは、0.40〜1.20、さらに好ましくは、0.50〜1.00である。0.30未満では、ブロック共重合体を得るための反応時間が長くなり、ポリエーテル化合物などの熱分解が起こる場合があり、1.20を越えると、ポリエーテル化合物との溶融混合の際の分散性が悪く、これにより均質な共重合体が得られ難くなるので好ましくない。
該ポリエチレンテレフタレート系樹脂は単独、又は共重合成分及び/又は固有粘度の異なるものを2種以上混合して用いられる。
【0023】
本発明で用いられるポリエーテル化合物は、一般式(I)
【0024】
【化5】
【0025】
(式中、R1 は炭素数2〜5のアルキル基を、kは5以上の整数を表し、k個のR1 はそれぞれ異なっていてもよい。)
で表されるポリエーテル化合物、及び一般式(II)
【0026】
【化6】
【0027】
(式中、R2 は炭素数2〜5のアルキル基を、Xは−C(CH 3 ) 2 −又は−SO 2 −を表し、m及びnはそれぞれ1以上の整数であって、かつm+nは3以上である整数を表し、m及びn個のR2 はそれぞれ異なってもよい。)
で表される化合物で、分子量400以上のものである。
【0028】
該ポリエーテル化合物の具体例としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリ(エチレンオキシド・プロピレンオキシド)共重合体、ポリ(エチレンオキシド・テトラヒドロフラン)共重合体、ポリ(エチレンオキシド・プロピレンオキシド・テトラヒドロフラン)共重合体、ビスフェノールA、ビスフェノールSなどのビスフェノール類のエチレンオキシド、プロピレンオキシド、テトラヒドロフランなどのアルキレンオキシド付加重合体などが挙げられる。
【0029】
上記のポリエーテル化合物としては、ビスフェノール類のアルキレンオキシド付加重合体の少なくとも1種からなることが、熱安定性、耐熱耐久性の点から好ましい。これらのなかでは、ビスフェノールAのエチレンオキシド付加重合体、ビスフェノールAのプロピレンオキシド付加重合体、ビスフェノールAのテトラヒドロフラン付加重合体、ビスフェノールAの(エチレンオキシド・プロピレンオキシド)付加重合体、ビスフェノールSのエチレンオキシド付加重合体、ビスフェノールSのプロピレンオキシド付加重合体、ビスフェノールSのテトラヒドロフラン付加重合体、ビスフェノールSの(エチレンオキシド・プロピレンオキシド)付加重合体などが好ましく用いられる。
【0030】
該ポリエーテル化合物の分子量は、400以上であり、好ましくは600〜6000、更に好ましくは800〜3000である。分子量が400未満の場合は、得られるブロック共重合体の機械的強度、成形性などが低下し、6000を越えると、ポリエチレンテレフタレート系樹脂との相溶性が低下し、反応性や得られた共重合体の機械的強度などの低下が見られるので好ましくない。
該ポリエーテル化合物は、単独あるいは異種及び/又は分子量の異なる2種以上を混合して用いられる。
【0031】
ポリエーテル化合物の共重合量は該セグメントとして、ポリエチレンテレフタレート系セグメントと合わせたものを100重量%として、3〜80重量%であり、好ましくは10〜70重量%、更に好ましくは15〜60重量%である。共重合量は3重量%未満では、ブロック共重合体自身の柔軟性が不充分であると共に、改質剤としての効果も小さい。また、80重量%を越えると、耐熱耐久性、耐湿耐久性及び成形性なとが低下するので好ましくない。
【0032】
ポリエチレンテレフタレート系樹脂とポリエーテル化合物との溶融混合方法は特に制限はなく、例えば、予め溶融されているポリエチレンテレフタレート系樹脂中に、ポリエーテル化合物を添加する方法、予めポリエーテルを減圧下あるいは不活性ガス雰囲気下及び/又は酸化防止剤存在下に約80〜250℃に加熱しておき、その中にポリエチレンテレフタレート系樹脂を断続的あるいは連続的あるいは一括に添加し、混合する方法、ペレット状、フレーク状あるいは粉体状のポリエチレンテレフタレート系樹脂にポリエーテル化合物をドライブレンドし、押出機、ニーダーなどの混練機で溶融混合する方法などが挙げられる。
【0033】
ポリエチレンテレフタレート系樹脂とポリエーテル化合物との溶融混合の際には、必要に応じて酸化防止剤などの熱安定剤を使用することができる。該安定剤としては、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロビオネート〕、オキタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロビオネート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、n−オキタデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N’−ビス−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオニルヘキサメチレンジアミン、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシヌレートなどのフェノール系抗酸化剤、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト、燐酸トリフェニルなどの燐系酸化防止剤、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ペンタエリスリトール−テトラキス−(β−ラウリル−チオプロピオネート)などのチオエーテル系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤などが挙げられる。
上記安定剤の添加量は得られる共重合体100重量部に対して0.01〜5重量部が好ましい。0.01重量部未満では安定剤の添加効果が充分でなく、また5重量部を越えると得られた共重合体の機械的強度等が低下する場合があるため好ましくない。
【0034】
ポリエチレンテレフタレート系樹脂とポリエーテル化合物を溶融混合し、重縮合する方法には特に制限はなく、通常のポリエステルを得る重縮合方法がそのまま利用できる。例えば、耐圧容器中で溶融混合した後、あるいは、溶融混合したものを耐圧容器中に添加し、次いで1Torr以下まで減圧して溶融重縮合する方法、溶融混合したものを1Torr以下に減圧された横型あるいは縦型の連続反応機に連続的に供給し、連続的に共重合体を得る方法、上記のような方法で溶融重縮合した後、更に固相重合する方法などが挙げられる。
【0035】
更に、本発明では、反応性基を少なくとも2個有するエポキシ化合物、有機カルボン酸及び/又はその無水物、オキサゾリン化合物、イソシアネート化合物などの群から選ばれる多官能性化合物を添加することにより、高分子量の共重合体を比較的短時間で得ることができ、ブロック共重合体の熱安定性の点からも有用である。
【0036】
これらエポキシ化合物の具体例としては、例えばビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、多価の脂肪族、脂環式、芳香族グリシジルエーテル化合物、多価の脂肪族、脂環式、芳香族グリシジルエステル化合物、不飽和基を複数有する脂肪族もしくは脂環式化合物を酢酸と過酢酸とエポキシ化したエポキシ化合物、多価の脂肪族、脂環式、芳香族グリシジルアミン化合物などが挙げられる。
【0037】
その具体例としては、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、テトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル等のアルキレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル等のポリアルキレングリコールジグリシジルエーテル、エリスリットポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、テレフタル酸ジグリシジルエステル、イソフタル酸ジグリシジルエステル、アジピン酸ジグリシジルエステル、ジグリシジルアニリン、テトラグリシジル4,4’−ジアミノジフェニルメタン、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、高級油脂のポリエポキシ化物、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、エポキシ化フェノールノボラック、エポキシ化クレゾールノボラックなどが挙げられ、これらは単独又は2種以上組み合わせて用いられる。
【0038】
有機カルボン酸としては例えば、トリトメリット酸、ピロメリット酸等が挙げられ、有機カルボン酸の無水物としては、例えば、ピロメリット酸二無水物、ベンゾフェノン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)チオエーテル二無水物、ビスフェノールAビスエーテル二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物などのテトラカルボン酸の二無水物などが挙げられ、これらは単独又は2種以上組み合わせて用いられる。
【0039】
オキサゾリン化合物としては、例えば2,2’−メチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−エチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−エチレンビス(4−メチル−2−オキサゾリン)、2,2’−プロピレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−テトラメチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−ヘキサメチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−p−フェニレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−m−フェニレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−o−フェニレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−ビス(2−オキサゾリン)、トリ(2−オキサゾリン)メタン、トリ(2−オキサゾリン)エタン、トリ(2−オキサゾリン)ベンゼンなどが挙げられ、これらは単独又は2種以上組み合わせて用いられる。
【0040】
イソシアネート化合物としては、例えばヘキサメチレンジイソシアネートなどが挙げられる。
【0041】
上記多官能性化合物を添加する方法には、特に制限はなく、通常の方法が利用される。例えば、重縮合終了前の任意の段階で添加する方法、重縮合終了後、不活性ガス雰囲気下で添加する方法、共重合体をペレット状、フレーク状、あるいは粉体状に取り出した後、添加し、押出機あるいはニーダーで溶融混合する方法などが挙げられる。
【0042】
得られるポリエチレンテレフタレート系ブロック共重合体の固有粘度は、0.35以上であり、好ましくは0.40〜2.00、更に好ましくは0.50〜1.20である。固有粘度が0.35未満の場合、得られたブロック共重合体の機械的特性、成形性が低下したり、改質剤として用いた場合の効果が小さく、2.00を越えると、ブロック共重合体の成形性の低下や、改質剤として用いた場合の樹脂への分散性が悪く、かえって機械的強度などの低下が見られるため好ましくない。
【0043】
本発明で製造されたポリエチレンテレフタレート系ブロック共重合体の成形加工法は、特に限定されるものではなく、熱可塑性樹脂について一般に用いられている成形法、即ち射出成形、中空成形、押出成形、シート成形、ロール成形、プレス成形、積層成形、溶融キャスト法によるフィルム成形、紡糸等の成形方法が適用できる。
【0044】
本発明で製造されたポリエチレンテレフタレート系ブロック共重合体をより高性能な物にするため、成形加工の際には、先述したフェノール系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤などの熱安定剤を単独又は2種類以上組み合わせて使用することが好ましい。さらに必要に応じて、通常良く知られた、安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、滑剤、離型剤、可塑剤、有機あるいは無機の核剤、結晶化促進剤、難燃剤、難燃助剤、顔料、染料、帯電防止剤、導電性付与剤、分散剤、相溶化剤、抗菌剤、多官能化合物の反応触媒などの添加剤あるいはガラス繊維、無機化合物などの強化充填剤などを単独又は2種類以上組み合わせて使用することができる。
【0045】
本発明で得られたポリエチレンテレフタレート系ブロック共重合体はそれ自身、軟質あるいはエラストマー樹脂として有用であるが、更に、他樹脂の改質剤としても有用である。用いられる樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレート、ポリヘキサメチレンテレフタレート、ポリ−ε−カプロラクトン、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、シクロヘキサンジメチルテレフタレート、ポリアリレート、あるいはこれらの共重合体などのポリエステル系樹脂、芳香族あるいは脂肪族のポリカーボネート系樹脂あるいはポリエステルカーボネート系樹脂、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−ブタジエン樹脂などのスチレン系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、塩素化ポリエチレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、塩素化ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニリデン樹脂、ポリアミド樹脂、マレイミド系樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル−エーテル型あるいはポリエステル−エステル型などのポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、スチレン系熱可塑性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマー、あるいはこれらの樹脂の2種以上のブレンド物などが挙げられる。
【0046】
上記の添加剤及び/又は樹脂と本発明で製造されたポリエチレンテレフタレート系ブロック共重合体の混練方法は特に限定されるものではない。例えば、ブロック共重合体の重縮合反応を終了するまでの任意の段階で添加し、混合する方法、重合反応終了後に添加い、混合する方法、ブロック共重合体をペレット状、フレーク状あるいは粉体状で取り出した後、添加剤及び/又は樹脂と混合し、単軸あるいは多軸の押出機に供給して、200〜300℃で溶融混合され、続いて冷却してペレットとして製造する方法が挙げられる。
【0047】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、以下の記載において、特に断らない限り、「部」は重量部を意味する。
【0048】
以下に示す実施例1〜6及び比較例1〜3で得られるブロック共重合体の物性、特性の測定は、下記の方法で行った。
〔固有粘度(dl/g)〕
フェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン=1/1(重量比)混合溶媒を用い、25℃、濃度0.25g/dlにて固有粘度の測定を行った。
〔結晶融点(℃)〕
示差走査熱量計(セイコー電子製)を用いて、25℃から290℃まで20℃/分にて昇温したときの結晶融解に由来するピークの温度を測定し、結晶融点とした。
〔熱安定性:加熱重量減少率(%)〕
熱天秤(セイコー電子製)にて280℃で60分保持したときの加熱重量減少率を測定した。
【0049】
得られた樹脂100重量部に対してフェノール系酸化防止剤(アデカスタブAO−60:旭電化株式会社の登録商標)を0.3重量部ドライブレンドした後、同方向回転2軸押出機(TEX−30:日本製鋼所の登録商標)を用いて押出混練して、ペレット状の樹脂を得た。これを、120℃にて4時間以上乾燥した後、75t射出成形機にて3号ダンベル(厚み3mm)及び1/4インチ厚みのバー(幅12mm、長さ127mm)を成形し、以下の試験評価を行った。
〔表面硬度〕
JIS K7215に準じ、ジュロメータ硬度計を用いて23℃におけるダンベルの表面硬度を測定した。
〔引張破断伸び(%)〕
3号ダンベルを用い、JIS K7110に準じて引張試験を行い、破断伸びの測定を行った。
〔ノッチ付きアイゾット衝撃強度(Kgcm/cm)〕
1/4インチバーを用い、JIS K7110に準じてノッチ付きアイゾット衝撃強度試験を行い、衝撃強度を測定した。
〔耐熱耐久性:引張破断伸び保持率(%)〕
ダンベルを150℃に保持されたオーブン中に120時間保持して加熱処理を行った。加熱処理前後の引張破断伸びを測定し、下記式より破断伸び保持率を求め、耐熱耐久性を評価した。
〔耐湿耐久性:引張破断伸び保持率(%)〕
ダンベルを80℃、95%RHに保持された恒温恒湿器内に200時間保持して湿熱処理を行った。湿熱処理前後の引張破断伸びを測定し、下記式より破断伸び保持率を求め、耐熱耐久性を評価した。
【0050】
実施例1
溜出管及び攪拌器を備えた耐圧容器(容量7リットル:日本耐圧ガラス製)にポリエーテル化合物(1)(ビスフェノールAのエチレンオキシド付加重合体:平均分子量1000)を900g、フェノール系酸化防止剤(アデカスタブAO−60:旭電化工業株式会社の登録商標)を10g添加し、窒素気流で攪拌しながら200℃まで昇温した後、二酸化ゲルマニウム触媒として用い重合されたポリエチレンテレフタレート(1)(固有粘度0.6)2100gを一括に添加して、引き続き、285℃まで攪拌しながら昇温し、溶融混合した。285℃に達した後、1Torr以下まで減圧し3時間攪拌して反応を終了し、共重合体を得た。
【0051】
実施例2
異方向2軸押出機にて、二酸化ゲルマニウムを用いて重合されたポリエチレンテレフタレート(2)(固有粘度0.85)を100部、フェノール系酸化防止剤(アデカスタブAO−60)を0.4部を溶融すると共に、液体添加ポンプにて、ポリエーテル化合物(1)21部を途中添加して溶融混合したものを連続的に、1Torr以下に減圧された格子型攪拌翼を備えた横型の反応槽に添加し、滞留時間2時間攪拌にて共重合体を得た。
【0052】
実施例3
ポリエーテル化合物(1)900gを、ポリエーテル化合物(1)600g及びポリエーテル化合物(2)(ポリエチレングリコール:平均分子量2000)300gに変更した以外は実施例1と同様にして共重合体を得た。
【0053】
実施例4
実施例1と同様の装置を用い、ポリエチレンテレフタレート(2)1800g、ポリエーテル化合物(1)900g及びポリエーテル化合物(3)(エチレンオキシドブロック−プロピレンオキシドブロック−エチレンオキシドブロック共重合体:平均分子量1600、エチレンオキシド約45モル%含有)300g、フェノール系酸化防止剤(アデカスタブAO−60)10gを同時に一括添加し、窒素気流下にて攪拌しながら285℃まで3時間昇温し、溶融混合した。285℃に達した後、1Torr以下まで減圧し3時間攪拌して反応を終了し、共重合体を得た。
【0054】
比較例1
ポリエチレンテレフタレート(1)2100gを、三酸化アンチモンを用いて重合されたポリエチレンテレフタレート(3)(固有粘度0.6)2100gに変更した以外は実施例1と同様にして、共重合体を得た。
【0055】
比較例2
ポリエチレンテレフタレート(1)2100gを、チタンテトラブトキシドモノマーを用いて重合されたポリエチレンテレフタレート(4)(固有粘度0.6)2100gに変更した以外は実施例1と同様にして、共重合体を得た。
【0056】
比較例3
ポリエチレンテレフタレート(1)2100gを、二酸化ゲルマニウムを用いて重合されたポリエチレンテレフタレート(5)(固有粘度0.2)2100gに変更した以外は実施例1と同様にして、重合を行った。その結果、実施例1と同様の固有粘度となるまでに重縮合時間を6時間要し、共重合体を得た。
【0057】
実施例1〜4及び比較例1〜3の評価結果を表1に示した。
【0058】
【表1】
【0059】
実施例5
溜出管及び攪拌器を備えた耐圧容器(容量7リットル)にポリエーテル化合物(1)900g、フェノール系酸化防止剤(アデカスタブAO−60)10gを添加し、窒素気流下で攪拌しながら200℃まで昇温した後、二酸化ゲルマニウムを触媒として用い製造されポリエチレンテレフタレート(1)2100gを一括に添加して、引き続き、285℃まで攪拌しながら昇温し、溶融混合した。285℃に達した後、1Torr以下まで減圧し、1時間30分攪拌した。次いで窒素にて常温まで戻した後、ピロメリット酸二無水物(試薬)を5g添加して10分攪拌した後、再び5分間減圧して反応を終了し、共重合体を得た。得られた共重合体の固有粘度は0.92、結晶融点は234℃であった。
【0060】
実施例6
溜出管及び攪拌器を備えた耐圧容器(容量7リットル)にポリエーテル化合物(1)900g、フェノール系酸化防止剤(アデカスタブAO−60)10gを添加し、窒素気流下で攪拌しながら200℃まで昇温した後、二酸化ゲルマニウムを触媒として用い製造されポリエチレンテレフタレート(1)2100gを一括に添加して、引き続き、285℃まで攪拌しながら昇温し、溶融混合した。285℃に達した後、1Torr以下まで減圧し、2時間攪拌した。次いで窒素にて常温まで戻した後、ノボラック型エポキシ樹脂(エピコート157S70:油化シェルエポキシ株式会社の登録商標)を30g添加して15分攪拌した後、再び5分間減圧して反応を終了し、共重合体を得た。得られた共重合体の固有粘度は0.82、結晶融点は234℃であった。
【0061】
実施例5〜6の評価結果を表2に示した。
【0062】
【表2】
【0063】
実施例1〜6と比較例1〜3を比較して明らかであるように、本発明の製造方法で得られたブロック共重合体は、柔軟性、機械的強度、熱安定性と共に、耐熱耐久性、耐湿耐久性いずれにおいても優れていることがわかる。
【0064】
以下に示す応用例1及び比較応用例1〜2で得られるブロック共重合体の物性、特性の評価は下記の方法で行った。
得られた樹脂組成物を140℃にて4時間以上乾燥した後、50t射出成形機を用いてシリンダー温度270℃、金型温度120℃にて射出成形を行い、ASTM1号ダンベルを得て、以下の評価を行った。
〔耐湿耐久性:引張強度保持率(%)〕
ダンベル105℃飽和加圧水蒸気下にて20時間保持して湿熱処理を行った。湿熱処理前後のダンベルをASTM D−638に従い引張試験を行い、引張強度保持率を求め、耐湿耐久性を評価した。
【0065】
〔表面光沢〕
得られた樹脂組成物を140℃にて4時間以上乾燥した後、50t射出成形機にてシリンダー温度270℃、金型温度90℃にて平板(厚み2mm、縦横120mm)を成形し、表面の光沢を目視にて観察して、次の基準にて判定評価した。
〇:良好、△:若干光沢悪い、×:光沢悪い。
【0066】
応用例1
ポリエチレンテレフタレート(固有粘度0.7)100部に対して、ガラス繊維(T−195H/PS:日本電気硝子株式会社)52部、フェノール系酸化防止剤(アデカスタブAO−60:旭電化株式会社の登録商標)0.3部、タルク(ミクロエースK−1:日本タルク株式会社の登録商標)8部、実施例1で得られた共重合体9部をドライブレンドした後、同方向2軸押出機を用いて溶融混練し、樹脂組成物を得た。
【0067】
比較応用例1
実施例1で得られた共重合体を、比較例1で得られた共重合体に変更した以外は応用例1と同様にして樹脂組成物を得た。
【0068】
比較応用例2
実施例1で得られた共重合体を添加しない以外は応用例1と同様にして樹脂組成物を得た。
【0069】
応用例1及び比較例応用例1、2の評価結果を表3に示した。表3より明らかなように、本発明の製造方法で得られた共重合体は樹脂の改質剤としても有用である。
【0070】
【表3】
【0071】
【発明の効果】
本発明によれば、柔軟性、機械的強度、熱安定性、耐熱耐久性、耐湿耐久性などに優れ、それ自身、軟質あるいはエラストマー性樹脂として有用であると共に、樹脂の改質剤、特にポリエステル樹脂などの成形性改良剤などとしても有用なポリエチレンテレフタレート系ブロック共重合体を得ることができる。
Claims (3)
- エチレンテレフタレート単位を主たる構成成分とするポリエチレンテレフタレート系セグメントとポリエーテルセグメントからなるポリエチレンテレフタレート系ブロック共重合体を製造するにあたり、ゲルマニウム系化合物を触媒として用いて重合された、固有粘度が0.3(dl/g)以上のエチレンテレフタレート単位を主たる構成成分とするポリエチレンテレフタレート系樹脂と、末端にヒドロキシ基を有し、かつ分子量が400以上である下記一般式(I)、
で表されるポリエーテル化合物、及び一般式(II)
で表されるポリエーテル化合物からなる群から選択される少なくとも1種とを溶融混合し重縮合反応させることを特徴とするポリエチレンテレフタレート系ブロック共重合体の製造方法。 - ポリエチレンテレフタレート系ブロック共重合体が、エチレンテレフタレート単位を主たる構成成分とするポリエチレンテレフタレート系セグメント97〜20重量%とポリエーテルセグメント3〜80重量%からなるポリエチレンテレフタレート系ブロック共重合体である請求項1記載の製造方法。
- 反応性基を2個以上有するエポキシ化合物、有機カルボン酸、有機カルボン酸の無水物、オキサゾリン化合物及びイソシアネ−ト化合物からなる群から選択される少なくとも1種の多官能性化合物を添加する請求項1又は2記載の製造方法。
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