JP3215286B2 - 難燃性ポリエチレンテレフタレート系樹脂組成物 - Google Patents

難燃性ポリエチレンテレフタレート系樹脂組成物

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JP3215286B2
JP3215286B2 JP07970695A JP7970695A JP3215286B2 JP 3215286 B2 JP3215286 B2 JP 3215286B2 JP 07970695 A JP07970695 A JP 07970695A JP 7970695 A JP7970695 A JP 7970695A JP 3215286 B2 JP3215286 B2 JP 3215286B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、難燃性ポリエチレンテ
レフタレート系樹脂組成物に関し、更に詳しくは、引張
強度などの機械的強度、耐湿熱性、流動性、及び成形体
の外観に優れると共に、更に、射出成形などで成形する
際の離型性にも優れ、成形のハイサイクル化が可能な難
燃性ポリエチレンテレフタレート系樹脂組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレート系樹脂は、
機械的特性、電気的特性などに優れるため、従来から繊
維、フィルム、成形用材料などとして広く用いられてい
る。さらに、これらの熱可塑性ポリエステル樹脂にガラ
ス繊維をはじめとする強化充填剤を配合することにより
機械的強度、熱的特性が大幅に向上するため、こうして
得られる強化組成物は、いわゆる機能部品用素材として
好適である。近年、とりわけ電気あるいは電子部品分野
で、火災に対する安全性の要求が高まり、樹脂の難燃化
が行われ、例えば有機ハロゲン化合物あるいは高分子ハ
ロゲン化合物などが添加されている。一方、このような
難燃性樹脂分野においても、ポリエチレンテレフタレー
ト系樹脂は結晶化速度が遅いため、射出成形用に用いる
場合には、金型を高温に保ち、かつ冷却時間を長くする
必要がある。近年、成形品の製造コストを更に低減する
ことが望まれており、成形サイクルの短縮化による生産
性向上が可能な樹脂が求められている。また、ポリエチ
レンテレフタレート系樹脂は分子内にエステル結合を有
するため、高温高湿度等の条件に長時間さらされるとエ
ステル結合が加水分解を受けるため、機械的強度が徐々
に低下してくる、すなわち耐湿熱性が低いという問題点
がある。従って、耐湿熱性を必要とする用途への適用が
制限されており改良が求められている。この問題に対
し、カルボジイミド化合物を添加する方法が古くから知
られており、難燃性付与と共に耐湿熱性を改善する方法
には、例えば、特開昭59−129253には高分子量
ハロゲン化ビスフェノールA型共重合フェノキシ樹脂と
共にエポキシ化合物及び/又はカルボジイミド化合物を
添加する方法が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、難燃剤
として特開昭50−35257、特開昭62−1525
6などに提案されている末端にエポキシ基を有するハロ
ゲン化ビスフェノールA型エポキシ樹脂を用いた場合、
該ハロゲン化ビスフェノールA型エポキシ樹脂は比較的
低分子量であるため、成形体表面にブリード物が発生
し、表面特性や外観が悪化するといった問題がある。更
に、該ハロゲン化ビスフェノールA型エポキシ樹脂は、
例えばポリエチレンテレフタレートの成形加工温度は一
般に250〜290℃と比較的高温であるため、反応が
過度に進行して溶融粘度が上昇し、成形時の流動性が低
下する問題もある。このようなブリードや増粘の問題を
解決するために高分子量のハロゲン化ビスフェノールA
型フェノキシ樹脂あるいはハロゲン化ポリスチレン樹脂
を添加する方法が提案されているが、これらの難燃剤は
高分子量であるため樹脂の流動性の低下を招いたり、分
散性が悪く、かえって機械的強度の低下や成形体の表面
性が悪化するなどの問題がある。さらにこれに対し、特
開昭61−261346には高分子量ハロゲン化フェノ
キシ樹脂と多官能エポキシ化合物を添加する方法、特開
昭57−55957にはハロゲン化ポリスチレン樹脂と
特定の多官能エポキシ化合物を添加する方法が提案され
ているが、このような方法では加熱溶融時に多官能エポ
キシ化合物が架橋反応などを起こし、溶融粘度の上昇に
よる流動性の低下や、ゲル化が起こるため良好な成形体
が得られないなどの問題がある。更に成形のハイサイク
ル化を行うために金型内での冷却時間を短くすると、金
型からの離型性が不十分となり問題となっている。本発
明者らはこれら機械的強度、流動性、表面性の問題に対
し、難燃剤としてハロゲン化ポリスチレン、難燃助剤と
してアンチモン化合物を、カルボジイミド化合物と併用
添加することをすでに提案しているが、耐湿熱性に関し
ては不十分なものも存在していることが判明した。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、以上のよ
うな問題点を解決するため鋭意検討を行った結果、ゲル
マニウム系触媒を用いて重合されたポリエチレンテレフ
タレート系樹脂に難燃剤としてハロゲン化ポリスチレン
及び/又はハロゲン化ポリ−α−メチルスチレン、難燃
助剤としてアンチモン化合物を、カルボジイミド化合物
と併用添加することにより、機械的強度、流動性を低下
させることなく、耐湿熱性が大幅に改良でき、成形体の
外観にも優れることを見い出した。さらに、珪酸塩化合
物及び珪酸からなる群から選ばれる無機化合物を用いる
ことにより、射出成形などで成形する際、ハイサイクル
化が可能な難燃性ポリエチレンテレフタレート系樹脂組
成物が得られることを見い出し、本発明に至った。
【0005】即ち本発明の第1は、(A)ゲルマニウム
系触媒を用いて重合された、エチレンテレフタレート繰
り返し単位を少なくとも80%有するポリエチレンテレ
フタレート系樹脂100重量部に対し、(B)下記一般
式(I)
【0006】
【化3】
【0007】(式中、RはH又はCH3 基、Xは臭素又
は塩素原子、mは1〜5の整数、nは10以上の整数を
表す。)で表される、ハロゲン化ポリスチレン及び/又
はハロゲン化ポリ−α−メチルスチレン1〜50重量
部、(C)アンチモン化合物0.1〜20重量部、
(D)カルボジイミド化合物0.05〜10重量部、及
び(E)強化充填剤0〜150重量部を配合してなる難
燃性ポリエチレンテレフタレート系樹脂組成物を、
【0008】本発明の第2は、(A)ゲルマニウム系触
媒を用いて重合された、エチレンテレフタレート繰り返
し単位を少なくとも80%有するポリエチレンテレフタ
レート系樹脂100重量部に対し、(B)下記一般式
(I)
【0009】
【化4】
【0010】(式中、RはH又はCH3 基、Xは臭素又
は塩素原子、mは1〜5の整数、nは10以上の整数を
表す。)で表される、ハロゲン化ポリスチレン及び/又
はハロゲン化ポリ−α−メチルスチレン1〜50重量
部、(C)アンチモン化合物0.1〜20重量部、
(D)カルボジイミド化合物0.05〜10重量部、
(E)強化充填剤0〜150重量部、及び(F)珪酸塩
化合物及び珪酸からなる群から選ばれる少なくとも1種
の無機化合物0.1〜60重量部を配合してなる難燃性
ポリエチレンテレフタレート系樹脂組成物を、それぞれ
内容とするものである。
【0011】本発明に用いられる(A)ポリエチレンテ
レフタレート系樹脂は、ゲルマニウム系化合物を触媒と
して、酸成分としてテレフタル酸又はそのエステル形成
能を有する誘導体を用い、グリコール成分としてエチレ
ングリコール又はそのエステル形成能を有する誘導体を
用いて得られるエチレンテレフタレート単位を主たる構
成成分とするポリエステル樹脂である。
【0012】触媒として用いられるゲルマニウム系化合
物としては、二酸化ゲルマニウム等のゲルマニウム酸化
物、ゲルマニウムテトラエトキシド、ゲルマニウムテト
ライソプロポキシド等のゲルマニウムアルコキシド、水
酸化ゲルマニウム及びそのアルカリ金属塩、ゲルマニウ
ムグリコレート、塩化ゲルマニウム、酢酸ゲルマニウム
等が挙げられ、これらは単独又は2種以上組み合わせて
用いられる。かかるゲルマニウム系化合物の中では、二
酸化ゲルマニウムが特に好ましい。
【0013】ゲルマニウム化合物の添加量は、得られる
(A)ポリエチレンテレフタレート系樹脂に対して0.
005〜0.1重量%が好ましく、より好ましくは、
0.01〜0.05重量%である。0.005重量%未
満では、ポリエチレンテレフタレート系樹脂の重合が進
行しにくく、また0.1重量%を越えると、得られた樹
脂に多くのゲルマニウム系触媒が残存するため好ましく
ない副反応が生じる場合がある。また、添加時期は重合
反応開始前の任意の時点でよい。
【0014】また、このポリエチレンテレフタレート系
樹脂には、難燃性や成形性、離型性、機械的特性等を損
なわない範囲で、共重合可能な公知の成分が使用でき
る。該成分としては炭素数8〜22の2価以上の芳香族
カルボン酸、炭素数4〜12の2価以上の脂肪族カルボ
ン酸、更には炭素数8〜15の2価以上の脂環式カルボ
ン酸などのカルボン酸類及びこれらのエステル形成性誘
導体、炭素数3〜15の脂肪族化合物、炭素数6〜20
の脂環式化合物、炭素数6〜40の芳香族化合物であっ
て分子内に2個以上の水酸基を有する化合物類、及びこ
れらのエステル形成性誘導体などが挙げられる。
【0015】具体的には、カルボン酸類としては、テレ
フタル酸以外に、例えばイソフタル酸、ナフタレンジカ
ルボン酸、ビス(p−カルボキシフェニル)メタンアン
トラセンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボ
ン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−4,4’−
ジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン
酸、ドデカンジオン酸、マレイン酸、トリメシン酸、ト
リメリット酸、ピロメリット酸、1,3−シクロヘキサ
ンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン
酸、デカヒドロナフタレンジカルボン酸などのカルボン
酸又はそのエステル形成能を有する誘導体が挙げられ、
水酸基含有化合物類としては、エチレングリコールの他
に、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサン
ジオール、デカンジオール、ネオペンチルグリコール、
シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジオー
ル、2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、2,2’−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)
プロパン、ハイドロキノン、グリセリン、ペンタエリス
リトール等の化合物又はそのエステル形成能を有する誘
導体が挙げられる。また、p−オキシ安息香酸、p−ヒ
ドロキシエトキシ安息香酸のようなオキシ酸及びこれら
のエステル形成性誘導体、ε−カプロラクトンのような
環状エステル等も使用可能である。更に、ポリエチレン
グリコール、ポリプロピレングリコール、ポリ(エチレ
ンオキサイド・プロピレンオキサイド)ブロック及び/
又はランダム共重合体、ビスフェノールAのエチレンオ
キシド付加重合体、ビスフェノールAのプロピレンオキ
シド付加重合体、ビスフェノールAのテトラヒドロフラ
ン付加重合体、ポリテトラメチレングリコール等のポリ
アルキレングリコール単位を高分子鎖中に一部共重合さ
せたものを用いることもできる。これらは単独又は2種
以上組み合わせて用いられる。上記成分の共重合量とし
ては概ね20重量%以下であり、好ましくは15重量%
以下、更に好ましくは10重量%以下である。
【0016】該ポリエチレンテレフタレート系樹脂の固
有粘度〔フェノール:1,1,2,2−テトラクロロエ
タン=1:1(重量比)混合溶媒を用い、25℃で測定
した〕は0.35以上であり、好ましくは0.4〜1.
20、更に好ましくは0.50〜0.95である。0.
35未満では機械的強度が不充分であり、また1.20
を越えると成形性の低下が見られるので好ましくない。
該ポリエチレンテレフタレート系樹脂は単独、又は共重
合成分及び/又は固有粘度の異なるものを2種以上混合
して用いられる。
【0017】ポリエチレンテレフタレート系樹脂の製造
方法は、用いる触媒以外は特に限定されず、公知の重合
方法を用いることができる。例えば、まず、テレフタル
酸とエチレングリコールとを無触媒又は触媒の存在下に
直接エステル化させる方法、テレフタル酸ジメチルとエ
チレングリコールとを触媒の存在下にエステル交換させ
る方法などによって低重合度の重合体を合成し、次いで
この低重合度の重合体とゲルマニウム系化合物とを、例
えば約250〜300℃程度の温度、例えば1Torr以下
の真空下に保ち、溶融重縮合あるいは固相重縮合によっ
て縮合重合を行い、ポリエチレンテレフタレート系樹脂
を製造する方法を挙げることができる。
【0018】低重合度の重合体を縮合重合させる際に、
ゲルマニウム系化合物以外の化合物、例えばアンチモン
系触媒などを用いて重合されたポリエチレンテレフタレ
ート系樹脂を用いた場合、詳細な理由は今のところ不明
であるが、高温高湿度下に保持されたときの機械的強度
などの低下が大きく耐湿熱性が充分でない。これは、ゲ
ルマニウム系化合物以外の化合物を用いて得られたポリ
エチレンテレフタレート系樹脂は、加水分解反応を生じ
やすいことに因るものと推定される。
【0019】なお、ポリエチレンテレフタレート系樹脂
を製造する際には、着色、熱劣化、酸化劣化などを抑制
するなどの目的でフェノール系酸化防止剤、燐系化合物
または酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤などの酸化防止
剤、熱安定剤、着色防止剤、触媒失活剤などを反応前、
反応途中あるいは反応終了後に添加してもよい。
【0020】本発明に用いられる、(B)ハロゲン化ポ
リスチレン、ハロゲン化ポリ−α−メチルスチレンとし
ては、ポリジブロモスチレン、ポリトリブロモスチレ
ン、ポリペンタブロモスチレン、ポリジクロロスチレ
ン、ポリトリクロロスチレン、ポリペンタクロロスチレ
ン、ポリトリブロモα−メチルスチレン等が挙げられ
る。ハロゲン化ポリスチレン又はハロゲン化ポリ−α−
メチルスチレンは、ハロゲン化スチレン又はハロゲン化
−α−メチルスチレンを重合するか、又はポリスチレン
又はポリ−α−メチルスチレンをハロゲン化することに
より製造される。該ハロゲン含有率は好ましくは20重
量%以上、さらに好ましくは25重量%以上である。ハ
ロゲン化率が20重量%未満の場合、難燃性が不十分で
あるので好ましくない。また、一般式(I)中、Xは臭
素原子であることが難燃性の点から好ましい。また、n
が9以下では機械的強度、成形体の外観に劣る。
【0021】ハロゲン化ポリスチレン及び/又はハロゲ
ン化ポリ−α−メチルスチレンの使用量は、(A)ポリ
エチレンテレフタレート系樹脂100重量部に対し、1
〜50重量部、好ましくは10〜30重量部であり、1
重量部未満では難燃性が十分でなく、50重量部を越え
ると機械的強度が劣ると共に、成形体外観が劣る。
【0022】本発明の組成物には難燃助剤として(C)
アンチモン化合物を併用添加することにより難燃効果が
著しく高められる。アンチモン化合物としては、三酸化
アンチモン、四酸化アンチモン、五酸化アンチモン、ア
ンチモン酸ナトリウム、燐酸アンチモンなどが挙げら
れ。
【0023】該アンチモン化合物の使用量は、(A)ポ
リエチレンテレフタレート系樹脂100重量部に対し
て、0.1〜20重量部、好ましくは1〜15重量部で
ある。0.1重量部未満では難燃性が不十分であり、2
0重量部を超えると該難燃性ポリエチレンテレフタレー
ト系樹脂組成物の機械的強度が低下する。
【0024】本発明には更に、(D)カルボジイミド化
合物が添加される。カルボジイミド化合物とは、分子内
に少なくともひとつの(−N=C=N−)で表されるカ
ルボジイミド基を有する化合物であり、例えば適当な触
媒の存在下に、有機イソシアネートを加熱し、脱炭酸反
応で製造できる。カルボジイミド化合物の例としては、
ジフェニルカルボジイミド、ジ−シクロヘキシルカルボ
ジイミド、ジ−2,6−ジメチルフェニルカルボジイミ
ド、ジイソプロピルカルボジイミド、ジオクチルデシル
カルボジイミド、ジ−o−トリイルカルボジイミド、N
−トリイル−N′−フェニルカルボジイミド、N−トリ
イル−N′−シクロヘキシルカルボジイミド、ジ−p−
トリイルカルボジイミド、ジ−p−ニトロフェニルカル
ボジイミド、ジ−p−アミノフェニルカルボジイミド、
ジ−p−ヒドロキシフェニルカルボジイミド、ジ−p−
クロルフェニルカルボジイミド、ジ−o−クロルフェニ
ルカルボジイミド、ジ−3,4−ジクロルフェニルカル
ボジイミド、ジ−2,5−ジクロルフェニルカルボジイ
ミド、p−フェニレン−ビス−o−トリイルカルボジイ
ミド、p−フェニレン−ビス−ジシクロヘキシルカルボ
ジイミド、p−フェニレン−ビス−ジ−p−クロルフェ
ニルカルボジイミド、ヘキサメチレン−ビス−ジシクロ
ヘキシルカルボジイミド、エチレン−ビス−ジフェニル
カルボジイミド、エチレン−ビス−ジ−シクロヘキシル
カルボジイミド等のモノ又はジカルボジイミド化合物、
ポリ(1,6−ヘキサメチレンカルボジイミド)、ポリ
(4,4′−メチレンビスシクロヘキシルカルボジイミ
ド)、ポリ(1,3−シクロヘキシレンカルボジイミ
ド)、ポリ(1,4−シクロヘキシレンカルボジイミ
ド)等のポリカルボジイミド、ポリ(4,4′−ジフェ
ニルメタンカルボジイミド)、ポリ(3,3′−ジメチ
ル−4,4′−ジフェニルメタンカルボジイミド)、ポ
リ(ナフチレンカルボジイミド)、ポリ(p−フェニレ
ンカルボジイミド)、ポリ(m−フェニレンカルボジイ
ミド)、ポリ(トリルカルボジイミド)、ポリ(ジイソ
プロピルフェニレンカルボジイミド)、ポリ(メチル−
ジイソプロピルフェニレンカルボジイミド)、ポリ(ト
リエチルフェニレンカルボジイミド)、ポリ(トリイソ
プロピルフェニレンカルボジイミド)等の芳香族ポリカ
ルボジイミド等が挙げられ、市販品としてはバイエル社
のスタバクソールI、スタバクソールP(いずれも登録
商標)がある。該カルボジイミド化合物は単独あるいは
2種以上混合して用いられる。
【0025】かかるカルボジイミド化合物の使用量は、
(A)ポリエチレンテレフタレート系樹脂100重量部
に対して0.05〜10重量部、好ましくは0.1〜7
重量部、更に好ましくは0.4〜5重量部である。使用
量が0.05重量部未満の場合、耐湿熱性、流動性、成
形体の外観に対して効果が小さく、10重量部を越えた
場合、難燃性樹脂組成物の機械的強度が低下する。
【0026】本発明の難燃性ポリエチレンテレフタレー
ト系樹脂組成物は、以上の成分のほかに、更に(E)強
化充填剤を含めた組成物、すなわち強化難燃性ポリエチ
レンテレフタレート系組成物も包含するものであり、公
知の強化充填剤がそのまま使用できる。例えば、ガラス
繊維、炭素繊維、チタン酸カリウム繊維、ガラスビー
ズ、ガラスフレーク、炭酸カルシウム、硫酸カルシウ
ム、硫酸バリウムなどが挙げられる。該強化充填剤とし
ては、ガラス繊維、カーボン繊維等の繊維状強化剤が好
ましく、作業性の面から、集束剤にて処理されたチョッ
プドストランドガラス繊維を用いるのが好ましい。ま
た、樹脂と繊維状強化剤との密着性を高めるため、繊維
状強化剤の表面をカップリング剤で処理したものが好ま
しく、バインダーを用いたものであってもよい。
【0027】前記カップリング剤としては、例えばγ−
アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシ
プロピルトリメトキシシラン等のアルコキシシラン化合
物が、またバインダーとしては、例えばエポキシ樹脂、
ウレタン樹脂等が好ましく用いられるが、これらに限定
されるものではない。これらのカップリング剤、バイン
ダーはそれぞれ単独又は2種以上組み合わせて用いられ
る。
【0028】該強化充填剤にガラス繊維を用いる場合、
直径1〜20μm、長さ0.01〜50mm程度が好まし
い。繊維長が短すぎると強化の効果が充分でなく、逆
に、長すぎると押出加工性、成形加工性や成形品の表面
性などが悪くなるので好ましくない。
【0029】該強化充填剤は1種又は2種以上混合して
使用できる。かかる強化充填剤の使用量は(A)ポリエ
チレンテレフタレート系樹脂100重量部に対して15
0重量部までであり、好ましくは120重量部までであ
る。更に好ましくは2〜100重量部である。強化充填
剤の使用量が150重量部を越えると押出加工性、成形
加工性が低下する。
【0030】更に本発明では(F)珪酸塩化合物及び珪
酸からなる群から選ばれる1種以上の無機化合物を用い
ることにより、離型性を向上させることができ、成形ハ
イサイクル化の要求に対して充分満足できる組成物を得
ることができる。該無機化合物の中で、珪酸塩化合物と
は化学組成にしてSiO2 単位を含む粉体状、粒状、針
状、板状などの形状を持つ化合物であって、例えば、珪
酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、珪酸カルシウム、
タルク、マイカ、ワラストナイト、カオリン、珪藻土、
ベントナイト、クレーなどが挙げられる。なかでもタル
ク、マイカ、カオリン、ワラストナイトが好ましい。
【0031】かかる無機化合物は1種あるいは2種以上
混合して使用でき、その使用量は、(A)ポリエチレン
テレフタレート系樹脂100重量部に対して、0.1〜
60重量部、好ましくは1〜45重量部、さらに好まし
くは2〜30重量部である。使用量が0.1重量部未満
の場合、流動性、離型性に対して効果が小さくなり、6
0重量部を越えた場合、難燃性樹脂組成物の機械的強度
が低下する。該無機化合物は上記ポリエチレンテレフタ
レート系樹脂を製造する際、反応前、反応途中あるいは
反応終了後に添加してもよいし、本発明の組成物を製造
する際に難燃剤、アンチモン化合物、エポキシ化合物と
共に添加してもよい。
【0032】本発明の難燃性ポリエチレンテレフタレー
ト系樹脂組成物には、結晶化促進剤を添加することによ
り、更に離型性を向上させると共に、成形体表面の光沢
を向上させることができ、特に低温金型での離型性及び
表面光沢を向上させることができる。該結晶化促進剤と
しては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリ
コール、ポリ(エチレンオキサイド・プロピレンオキサ
イド)ブロック及び/又はランダム共重合体、ポリテト
ラメチレングリコール、ビスフェノール類のエチレンオ
キシド付加重合体、ビスフェノール類のプロピレンオキ
シド付加重合体、ビスフェノール類のテトラヒドロフラ
ン付加重合体等のポリアルキレングリコールあるいはそ
の末端エポキシ変性化合物、末端エステル変性化合物と
いったポリアルキレングリコール類、ポリ−ε−カプロ
ラクトン等の脂肪族ポリエステル類、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリテト
ラメチレンテレフタレート、ポリヘキサメチレンテレフ
タレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナ
フタレート、ポリシクロヘキサンジメタノールテレフタ
レート等のポリエステル系単位と、下記一般式(II) 及
び/又は一般式(III)
【0033】
【化5】
【0034】(式中、R1 は炭素数2〜5のアルキル基
を、kは5以上の整数で、k個のR1はそれぞれ異なっ
てもよい)
【0035】
【化6】
【0036】(式中、R2 は炭素数2〜5のアルキル基
を、Xは2価の結合基又は直接結合を表し、p及びqは
それぞれ1以上の整数で且つp+qは3以上の整数を表
し、p及びq個のR2 はそれぞれ異なってもよい)で表
される分子量400以上のポリエーテル単位とからな
る、ポリエチレンテレフタレート系樹脂よりもガラス転
移温度の低いポリエステル−ポリエーテル共重合体、ポ
リエチレンテレフタレート−ポリ−ε−カプロラクトン
共重合体、ポリテトラメチレングリコール−ポリ−ε−
カプロラクトン共重合体等の、ポリエチレンテレフタレ
ート系樹脂よりもガラス転移温度の低いポリエステル−
脂肪族ポリエステル共重合体、ネオペンチルグリコール
ジベンゾエート、ジオクチルフタレート、トリフェニル
ホスフェート、ブタン−1,3−ジオールアジペートオ
リゴマー、ブタン−1,4−ジオールアジペートオリゴ
マー、ヘキサン−1,6−ジオールアジベートオリゴマ
ー、ジブチルセバケート、ジオクチルセバケートといっ
た可塑剤等が挙げられ、これらは単独又は2種以上組み
合わせて用いられる。結晶化促進剤として酢酸ナトリウ
ム、安息香酸ナトリウムといった有機カルボン酸金属塩
あるいは高分子化合物のカルボン酸金属塩を用いた場合
は、耐湿熱性が低下するので好ましくない。
【0037】上記結晶化促進剤のなかで、機械的強度、
耐熱性やブルーミング性等の点からポリエステル−ポリ
エーテル共重合体が好ましい。該共重合体のポリエステ
ル単位としては、エチレンテレフタレート単位及び/又
はテトラメチレンテレフタレート単位を主たる構成成分
とするポリアルキレンテレフタレートが機械的強度、成
形性や離型性などの点から好ましい。
【0038】また、ポリエーテル単位としては、一般式
(II)及び/又は一般式(III)で表される単位であっ
て、一般式(II) 中のR1 の具体例としては、例えばエ
チレン、プロピレン、イソプロピレン、テトラメチレン
基等が挙げられ、一般式(III)中のR2 の具体例として
は、例えばエチレン、プロピレン、イソプロピレン、テ
トラメチレン等が挙げられ、更にXの具体例としては、
例えば、−C(CH3 2 −、−CH2 −、−S−、−
SO2 −、−CO−等の2価の結合基、あるいは直接結
合が挙げられる。更に、ポリエーテル単位においては、
一般式(II)中のkは5以上の整数、一般式(III)中の
p及びqは1以上の正数であってかつ、p+qは3以上
である整数を表し、いずれも分子量が400以上の単位
である。ポリエーテル単位の分子量としては、より好ま
しくは600〜6000、更に好ましくは800〜30
00である。分子量が400未満では、難燃性樹脂組成
物の離型性や成形体の表面光沢改善の効果が小さく、6
000を越えると均質な共重合体が得られ難くなり、難
燃性樹脂組成物に添加した場合、機械的強度の低下など
を招くので好ましくない。
【0039】該ポリエーテル単位の具体例としては、ポ
リエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポ
リテトラメチレングリコール、ポリ(エチレンオキシド
・プロピレンオキシド)共重合体、ポリ(エチレンオキ
シド・プロピレンオキシド・テトラヒドロフラン)共重
合体、ビスフェノールAあるいはビスフェノールSなど
のビスフェノール類のエチレンオキシド、プロピレンオ
キシド、テトラヒドロフランなどのアルキレンオキシド
付加重合体などの残基が挙げられる。これらは、単独あ
るいは2種以上混合して用いられるが、特に、一般式(I
II)で表されるポリエーテル単位を1種以上からなる場
合、熱安定性及び得られる難燃性樹脂組成物を低温金型
で成形した場合の離型性及び成形体の表面性などの点か
ら好ましい。これらの中では、ビスフェノールAのエチ
レンオキシド付加重合体、ビスフェノールAのプロピレ
ンオキシド付加重合体、ビスフェノールAのテトラヒド
ロフラン付加重合体、ビスフェノールAのエチレンオキ
シド・プロピレンオキシド付加重合体、ビスフェノール
Sのエチレンオキシド付加重合体、ビスフェノールSの
プロピレンオキシド付加重合体、ビスフェノールSのテ
トラヒドロフラン付加重合体、ビスフェノールSのエチ
レンオキシド・プロピレンオキシド付加重合体などが好
ましく用いられる。
【0040】該共重合体におけるポリエーテル単位の共
重合量は、得られた共重合体100重量%において、3
〜60重量%、好ましくは20〜55重量%、更に好ま
しくは25〜50重量%である。3重量%未満では、低
温金型で成形した際の離型性や表面光沢が不充分であ
り、60重量%を越えると成形体の機械的強度や耐湿熱
性等が低下する傾向があるので好ましくない。
【0041】該共重合体の固有粘度は0.35以上であ
り、好ましくは0.40〜2.00、更に好ましくは
0.50〜1.50である。固有粘度が0.35未満で
は得られる難燃性樹脂組成物の耐熱性の低下が見られ、
2.00を越えると分散性が低下して、得られる難燃性
樹脂組成物の機械的強度が低下するので好ましくない。
【0042】該結晶化促進剤の添加量は結晶化促進剤の
種類及び分子量によっても異なるが、概ね、(A)ポリ
エチレンテレフタレート系樹脂100重量部に対して
0.05〜50重量部であり、例えば、ポリアルキレン
グリコール類、脂肪族ポリエステル類、可塑剤などの低
分子量の結晶化促進剤の場合は、0.05〜30重量
部、上記ポリエステル−ポリエーテル共重合体あるいは
ポリエステル−脂肪族ポリエステル共重合体などの場合
は0.5〜50重量部である。更に、ポリエステル−ポ
リエーテル共重合体の添加量において、好ましくは1〜
40重量部、更に好ましくは2〜35重量部である。添
加量が上記の下限量未満では、低温金型での離型性や表
面光沢が不充分であり、また上記の上限量を越えると、
難燃性樹脂組成物の機械的強度、耐熱性や耐湿熱性等が
低下するので好ましくない。
【0043】本発明の組成物には、本発明を損なわない
範囲でさらに他の任意の熱可塑性あるいは熱硬化性の樹
脂、例えばポリエチレンテレフタレート系樹脂以外の飽
和あるいは不飽和のポリエステル系樹脂、液晶ポリエス
テル系樹脂、ポリエステルエステルエラストマー系樹
脂、ポリエステルエーテルエラストマー系樹脂、ポリオ
レフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート
系樹脂、ゴム質重合体強化スチレン系樹脂、ポリフェニ
レンスルフィド系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹
脂、ポリアセタール系樹脂、ポリサルホン系樹脂、ポリ
アリレート系樹脂、等を単独あるいは2種以上あわせて
添加してもよい。
【0044】また必要に応じて、通常良く知られた結晶
核剤、酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、離型剤、可塑剤、
紫外線吸収剤、光安定剤、顔料、染料、帯電防止剤、分
散剤、相溶化剤、抗菌剤等の添加剤を単独又は2種類以
上併せて使用することができる。
【0045】本発明の難燃性ポリエチレンテレフタレー
ト系樹脂組成物の製造方法は特に限定されるものではな
い。例えば上記に挙げられた成分を予め均一に混合した
後、単軸あるいは多軸の押出機に供給し、250〜30
0℃で溶融混合され、続いて冷却してペレットとして製
造される。
【0046】本発明の熱可塑性樹脂組成物の成形加工法
は特に限定されるものではなく、熱可塑性樹脂について
一般に用いられている成形法、すなわち射出成形、中空
成形、押出成形、シート成形、ロール成形、プレス成
形、積層成形、溶融キャスト法によるフィルム成形、紡
糸等の成形方法が適用できる。
【0047】
【実施例】以下、本発明を実施例によって詳しく説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。な
お、以下では特に断りがない限り、「部」は重量部を、
「%」は重量%を意味する。
【0048】評価方法 得られた樹脂組成物を熱風乾燥機を用いて140℃で4
時間乾燥後、50t射出成形機を用い、シリンダー温度
270℃、金型温度120℃にて成形を行い、厚み1/
16インチ(幅12mm、長さ127mm)バー、ASTM
1号ダンベル試験を得て、以下の物性測定に供した。
【0049】<引張強度>ASTM D−638に従
い、ダンベルの引張試験を行い、最大強度を求めた。 <耐湿熱性>試験片を121℃飽和加圧水蒸気下にて3
0時間処理した後、ASTM D−638による引張試
験の最大強度を評価し、処理前の同サンプルに対する保
持率(%)を求めた。 <難燃性>1/16インチバーを用いて、UL94に記
載された垂直燃焼試験法に従い難燃性を評価した。 <流動性>ペレット状の樹脂組成物及び比較樹脂組成物
を用い、JIS K−7210に準じて、キャビティー
設定温度280℃、予熱時間5分にてB法フローを測定
した。 <成形体表面外観性の評価>バー及びダンベルの表面を
目視にて観察し、次の基準にて判定評価した。 ○:良好 △:若干光沢悪いあるいはべたつきあり ×:光沢悪いあるいはべたつきあり <ハイサイクル成形性>1/4インチ(幅12mm、長さ
127mm)バーの成形を行い、形崩れが無く、外観が良
好となる成形体を得ることのできる最短の冷却時間
(秒)で評価した。冷却時間が短いほど、ハイサイクル
成形性に優れていることを示す。尚、成形は、シリンダ
ー温度300℃、金型温度140℃とし、射出保圧時間
を一定にし、冷却時間を変化させて行った。 <表面光沢>得られた樹脂組成物を140℃にて4時間
以上乾燥した後、50t射出成形機にてシリンダー温度
270℃、金型温度90℃にて平板(厚み2mm、縦横1
20mm)を成形し、表面の光沢を目視にて観察して、次
の基準にて判定評価した。 ○:良好、△:若干光沢悪い、×:光沢悪い。
【0050】実施例1 (A−1)ポリエチレンテレフタレート系樹脂として二
酸化ゲルマニウムを重合触媒として製造された固有粘度
0.65のポリエチレンテレフタレートを100部、
(B−1)ハロゲン化ポリスチレンとして臭素化ポリス
チレン(パイロチェック68PB:日産フェロ有機化学
株式会社製商品名:臭素含有率68%)を24部、(C
−1)アンチモン化合物として三酸化アンチモン(酸化
アンチモンC:住友金属鉱山株式会社製商品名)を6
部、(D−1)カルボジイミド化合物として芳香族ポリ
カルボジイミド(スタバクソールP:バイエル株式会社
製商品名)を3部混合し、さらにチオエーテル系安定剤
(アデカスタブAO−412S:旭電化株式会社製商品
名)を0.3部加え、スーパーミキサーにて攪拌した
後、ベント付き二軸押出機(TEX44:日本製鋼所株
式会社製商品名)にて、バレル温度260℃に設定し、
ホッパーから投入した。さらに、同押出機のサイドフィ
ーダーから(E−1)強化充填剤としてガラス繊維(T
−195H/PS:日本電気硝子株式会社製商品名)を
52部投入して溶融押出することにより、樹脂組成物を
得た。該樹脂組成物の評価結果を表1に示す。
【0051】実施例2〜7 (A−2)ポリエチレンテレフタレート系樹脂として二
酸化ゲルマニウムを重合触媒として製造された固有粘度
0.85のポリエチレンテレフタレート、(C−2)ア
ンチモン化合物としてアンチモン酸ナトリウム(サンエ
ポックNA−1070L:日産化学株式会社製)を用
い、表1中に示す割合で混合した以外は実施例1と同様
にして、樹脂組成物を得た。該樹脂組成物の評価結果を
表1に示す。
【0052】比較例1 (A−3)ポリエチレンテレフタレート系樹脂として三
酸化アンチモンを重合触媒として製造された固有粘度
0.65のポリエチレンテレフタレートを用いた以外は
全て実施例1と同様な方法にて樹脂組成物を得た。該樹
脂組成物の評価結果を表2に示す。
【0053】比較例2〜7 (A)〜(E)等にそれぞれ表2のものを用い、表2中
に示す割合で混合した以外は実施例1と同様にして、樹
脂組成物を得た。該樹脂組成物の評価結果を表2に示
す。
【0054】
【表1】
【0055】
【表2】
【0056】実施例1〜7である表1と比較例1〜7で
ある表2を比較して明らかであるように、本発明の組成
物はいずれも機械的強度、耐湿熱性、難燃性、流動性の
いずれにおいても優れており、更には成形体の外観も良
好であることがわかる。
【0057】実施例8 (A−1)ポリエチレンテレフタレート系樹脂として二
酸化ゲルマニウムを重合触媒として製造された固有粘度
0.65のポリエチレンテレフタレートを100部、
(B−1)ハロゲン化ポリスチレンとして臭素化ポリス
チレン(パイロチェック68PB:日産フェロ有機化学
株式会社製商品名:臭素含有率68%)を24部、(C
−1)アンチモン化合物として三酸化アンチモン(酸化
アンチモンC:住友金属鉱山株式会社製商品名)を6
部、(D−1)カルボジイミド化合物として芳香族ポリ
カルボジイミド(スタバクソールP:バイエル株式会社
製商品名)を3部、(F−1)無機化合物としてタルク
(ミクロエースK−1:日本タルク株式会社製商品名)
を6部混合し、さらにチオエーテル系安定剤(アデカス
タブAO−412S:旭電化株式会社製商品名)を0.
3部加え、スーパーミキサーにて攪拌した後、ベント付
き二軸押出機(TEX44:日本製鋼所株式会社製商品
名)にて、バレル温度260℃に設定し、ホッパーから
投入した。さらに、同押出機のサイドフィーダーから
(E−1)強化充填剤としてガラス繊維(T−195H
/PS:日本電気硝子株式会社製商品名)を50部投入
して溶融押出することにより、樹脂組成物を得た。該樹
脂組成物の評価結果を表3に示す。尚、参考までに、実
施例1の樹脂組成物についても同様の評価を行い、その
結果も表3に示す。
【0058】実施例9〜13 (F−2)マイカ(A−21S:山口雲母株式会社製商
品名)、(F−3)カオリン(SATINTON N
o.5:ENGELHARD製商品名)、(F−4)ワ
ラストナイト(NYAD325:NYCO製商品名)を
用い、表3中に示す割合で混合した以外は実施例8と同
様にして、樹脂組成物を得た。該樹脂組成物の評価結果
を表3に示す。尚、参考までに、実施例1の樹脂組成物
についても同様の評価を行い、その結果も表3に示す。
【0059】比較例8〜13 (A)〜(F)等にそれぞれ表4のものを用い、表4中
に示す割合で混合した以外は実施例8と同様にして、樹
脂組成物を得た。該樹脂組成物の評価結果を表4に示
す。
【0060】
【表3】
【0061】
【表4】
【0062】実施例8〜13である表3と比較例8〜1
3である表4を比較して明らかであるように、本発明の
組成物はいずれも機械的強度、耐湿熱性、難燃性、流動
性、ハイサイクル成形性のいずれにおいても優れてお
り、更には成形体の外観も良好であることがわかる。
【0063】参考例1 二酸化ゲルマニウムを触媒として製造されたポリエチレ
ンテレフタレートオリゴマー(平均エチレンテレフタレ
ート単位数約5〜8)を3500g、平均分子量約10
00のビスフェノールAのエチレンオキシド付加重合体
を1500gを10リットル容積のオートクレーブ(日
本耐圧ガラス製)に投入して、窒素気流下で攪拌しなが
ら290℃まで昇温した後、1Torr以下まで減圧した。
1Torr以下に達してから3時間攪拌した後、窒素で常圧
までもどし重合を終了し、共重合体(1)を得た。得ら
れた共重合体の固有粘度は0.7であった。
【0064】参考例2 ポリテトラメチレンテレフタレート(固有粘度0.9:
鐘紡株式会社製)を3500g、平均分子量約1000
のビスフェノールAのエチレンオキシド付加重合体を1
500gを10リットル容積のオートクレーブ(日本耐
圧ガラス製)に投入して、窒素気流下で攪拌しながら2
60℃まで昇温した後、1Torr以下まで減圧した。1To
rr以下に達してから3時間攪拌した後、窒素で常圧まで
もどし重合を終了し、共重合体(2)を得た。得られた
共重合体の固有粘度は0.8であった。
【0065】実施例14 (A−1)ポリエチレンテレフタレート系樹脂として二
酸化ゲルマニウムを重合触媒として製造された固有粘度
0.65のポリエチレンテレフタレートを100部、
(B−1)ハロゲン化ポリスチレンとして臭素化ポリス
チレン(パイロチェック68PB:日産フェロ有機化学
株式会社製商品名:臭素含有率68%)を20部、(C
−1)アンチモン化合物として三酸化アンチモン(酸化
アンチモンC:住友金属鉱山株式会社製商品名)を6
部、(D−1)カルボジイミド化合物として芳香族ポリ
カルボジイミド(スタバクソールP:バイエル株式会社
製商品名)を3部、(E−1)強化充填剤としてガラス
繊維(T−195H/PS:日本電気硝子株式会社製商
品名)を52部、参考例1で得られた共重合体(1)を
10部、チオエーテル系安定剤(アデカスタブAO−4
12S:旭電化株式会社製商品名)を0.3部からなる
樹脂組成物を実施例1と同様な方法で得た。表面光沢の
評価結果を表5に示す。
【0066】実施例15〜18 (A)〜(F)等にそれぞれ表5のものを用い、表5中
に示す割合で混合した以外は実施例1と同様にして、樹
脂組成物を得た。表面光沢の評価結果を表5に示す。
尚、参考までに、実施例1、8の樹脂組成物についても
同様に評価し、その結果も表5に示す。
【0067】
【表5】
【0068】表5より、共重合体(1)又は(2)を添
加することにより、低温金型で成形した場合でも、表面
光沢が良好であることがわかる。
【0069】
【発明の効果】本発明によれば、機械的強度、耐湿熱
性、難燃性、流動性のいずれにおいても優れた組成物を
得ることができ、また成形体の外観も良好である。さら
に珪酸塩化合物の添加によりハイサイクル成形性に優れ
た難燃性ポリエステル系樹脂組成物を提供することが可
能であり、工業的にも極めて有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08L 25:18) C08L 25:18) (56)参考文献 特開 平5−17669(JP,A) 特開 平2−202541(JP,A) 特開 平1−201357(JP,A) 特開 昭59−6251(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 67/00 - 67/02

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ゲルマニウム系触媒を用いて重合
    された、エチレンテレフタレート繰り返し単位を少なく
    とも80%有するポリエチレンテレフタレート系樹脂1
    00重量部に対し、(B)下記一般式(I) 【化1】 (式中、RはH又はCH3 基、Xは臭素又は塩素原子、
    mは1〜5の整数、nは10以上の整数を表す。)で表
    される、ハロゲン化ポリスチレン及び/又はハロゲン化
    ポリ−α−メチルスチレン1〜50重量部、(C)アン
    チモン化合物0.1〜20重量部、(D)カルボジイミ
    ド化合物0.05〜10重量部、及び(E)強化充填剤
    0〜150重量部を配合してなる難燃性ポリエチレンテ
    レフタレート系樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (A)ゲルマニウム系触媒を用いて重合
    された、エチレンテレフタレート繰り返し単位を少なく
    とも80%有するポリエチレンテレフタレート系樹脂1
    00重量部に対し、(B)下記一般式(I) 【化2】 (式中、RはH又はCH3 基、Xは臭素又は塩素原子、
    mは1〜5の整数、nは10以上の整数を表す。)で表
    される、ハロゲン化ポリスチレン及び/又はハロゲン化
    ポリ−α−メチルスチレン1〜50重量部、(C)アン
    チモン化合物0.1〜20重量部、(D)カルボジイミ
    ド化合物0.05〜10重量部、(E)強化充填剤0〜
    150重量部、及び(F)珪酸塩化合物及び珪酸からな
    る群から選ばれる少なくとも1種の無機化合物0.1〜
    60重量部を配合してなる難燃性ポリエチレンテレフタ
    レート系樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 無機化合物が、タルク、マイカ、カオリ
    ン及びワラストナイトからなる群から選ばれる少なくと
    も1種の珪酸塩化合物である請求項2記載の難燃性ポリ
    エチレンテレフタレート系樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 更に、、ポリエステル−ポリエーテル共
    重合体を0.5〜50重量部配合してなる請求項1〜3
    のいずれか1項に記載の難燃性ポリエチレンテレフタレ
    ート系樹脂組成物。
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