JP2003246837A - エポキシ樹脂および硬化性樹脂組成物 - Google Patents

エポキシ樹脂および硬化性樹脂組成物

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JP2003246837A
JP2003246837A JP2002049692A JP2002049692A JP2003246837A JP 2003246837 A JP2003246837 A JP 2003246837A JP 2002049692 A JP2002049692 A JP 2002049692A JP 2002049692 A JP2002049692 A JP 2002049692A JP 2003246837 A JP2003246837 A JP 2003246837A
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glycidyl
hydrogen atom
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JP2002049692A
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Hisanao Yamamoto
久尚 山本
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Asahi Kasei Epoxy Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 低粘度であってかつ可撓性、柔軟性、靭性、
接着性、耐衝撃性、制振性の優れた、硬化性の良好な新
規エポキシ樹脂を提供する。 【解決手段】 一般式(1) ;G1−(OR)m−O−R1
−O−(RO)n−G2・・・(1) (式中、m、nは夫々
1より大きく、3<m+n<6を満たす数で、RはC2
〜C 10のアルキレン基であり、R1は(a) フェニレン基
又はナフチレン基或いは (b)1又は2個の炭素−炭素結
合、エーテル酸素結合、硫黄原子、スルホニル基、スル
ホキシド基、カルボニル基、或いはC1〜C5のアルキレ
ン基又はアルキリデン基で結合された2又は3個のフェ
ニレン基で、G1、G2は水素原子又はグリシジル基を表
す。)で表されるエポキシ樹脂において、G1が水素原
子で、G2がグリシジル基であるものが10〜90モル
%であり、G1およびG2がグリシジル基であるものが1
0〜90モル%であるエポキシ樹脂、およびその硬化性
樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塗料、電気、接着
および土建分野の産業素材として有用である、低粘度か
つ優れた反応性を示し、その硬化物が可撓性、柔軟性、
接着性、耐衝撃性、制振性を与える新規エポキシ樹脂に
関する。
【0002】
【従来の技術】エポキシ樹脂はその優れた耐熱性、接着
性の故に産業素材として広範な分野に使用されている。
しかしながら、その粘度が高く作業性に劣っていたり、
また剛直な骨格を有するために可撓性、接着性、あるい
は衝撃や各種振動を吸収する特性に劣るという欠点があ
り、これを改良するために様々な試みがなされている。
例えば、特公昭36−20393号公報、特開平8−3
33357号公報では、2価アルコールをアルカリ性ま
たは酸性触媒の存在下で、エピクロロヒドリン等のエピ
ハロゲノヒドリンと反応させて得られたエポキシ樹脂は
従来のエポキシ樹脂に比較して、可撓性があり耐衝撃性
の優れた硬化物が得られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特公昭
36−20393号公報に記載された方法によって得ら
れたエポキシ樹脂の粘度は比較的に高いため、最近の無
公害化の動きに対応した無溶剤型ワニスへの応用が制限
されるという欠点がある。また、硬化性に劣るという問
題点も有している。また、特開平8−333357号公
報に記載のエポキシ樹脂は可撓性が改善されてはいる
が、その効果はまだ十分なレベルとはいえない。本発明
は、かかる課題が解決された、即ち低粘度であってかつ
可撓性、柔軟性、靭性、接着性、耐衝撃性、制振性の優
れた硬化物を与え、さらに硬化性の良好な新規エポキシ
樹脂を提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は前記課題の全
てを解決するべく様々の化合物について鋭意検討した結
果、特定の新規なエポキシ樹脂が特に優れた特性を有す
ることを見出し、本発明を完成するに至った。即ち、本
発明の第1は 一般式(1) ; G1−(OR)m−O−R1−O−(RO)n−G2・・・(1) (式中、m、nはそれぞれ1より大きく、3<m+n<
6を満たす数であり、Rは炭素原子数2〜10個のアル
キレン基であり、R1は(a) フェニレン基又はナフチレ
ン基であるか或いは (b)1個又は2個の炭素−炭素結
合、エーテル酸素結合、硫黄原子、スルホニル基、スル
ホキシド基、カルボニル基、或いは炭素原子数1〜5の
アルキレン基またはアルキリデン基で結合された2個又
は3個のフェニレン基からなる基を表し、各フェニレン
基、各ナフチレン基は、未置換又は各々炭素原子数1〜
4の1個又は2個のアルキル基或いは塩素原子又は臭素
原子の1個或いは2個によって1個の環又は複数個の環
が置換されており、G1、G2は水素原子又はグリシジル
基を表す。)で表されるエポキシ樹脂において、G1
水素原子で、G2がグリシジル基であるものが10モル
%以上90モル%以下であり、G1およびG2がグリシジ
ル基であるものが10モル%以上90モル%以下である
ことを特徴とするエポキシ樹脂である。本発明の第2
は、第1の発明のエポキシ樹脂が、一般式(1) におい
て、G1が水素原子で、G2がグリシジル基であるものが
25モル%以上75モル%以下であり、G1およびG2
グリシジル基であるものが25モル%以上で75モル%
以下であるに特徴を有する。また、本発明の第3は、第
1又は2の発明のエポキシ樹脂が、一般式(1) におい
て、R1が次式(2) :
【化2】 (式中、R2は炭素−炭素結合、メチレン基又はイソプ
ロピリデン基を表し、X、Yは夫々独立に水素原子、炭
素原子数1〜4のアルキル基或いは塩素原子又は臭素原
子であり、i、jはそれぞれ独立に1〜4の整数であ
る。)で表される基を表すにも特徴を有する。また、本
発明の第4は、(A) 本発明の第1〜3のいずれかのエポ
キシ樹脂、(B) 硬化剤を含む硬化性樹脂組成物である。
本発明の第5は、本発明の第4において、硬化剤(B) が
酸無水物である点に特徴を有する。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
上記一般式(1) において、m、nはそれぞれ1より大き
く、3<m+n<6を満たす数である。m+nが3より
大きいと硬化前のエポキシ樹脂の粘度が低くなるばかり
でなく、硬化物の接着性、制振性、可撓性が高まり、6
よりも小さいと硬化速度が速く、また接着性、制振性が
向上する。このような観点から、m+nの上限は好まし
くは5.9、より好ましくは5.8、特に好ましくは
5.5であり、下限は好ましくは3.5、より好ましく
は4、特に好ましくは4.8である。
【0006】上記一般式(1) において、G1が水素原子
で、G2がグリシジル基であるものは10モル%以上9
0モル%以下であり、G1およびG2がグリシジル基であ
るものは10モル%以上90モル%以下である。G1
水素原子で、G2がグリシジル基であるものが90モル
%以下であると接着性が高くなり、硬化性が速くなり、
10モル%以上であると硬化物の可撓性が十分に発現さ
れる。また、G1およびG2がグリシジル基であるものが
90モル%以下であると粘度が低くなり好ましく、また
硬化物の可撓性が十分発現され、また、10モル%以上
であると十分な強度を有する硬化物を得ることができ
る。このような観点から、G1が水素原子で、G2がグリ
シジル基であるものの好ましい範囲は、下限が25モル
%、特に好ましくは35モル%であり、上限が好ましく
は75モル%、特に好ましくは65モル%である。ま
た、G1およびG2がグリシジル基であるものの好ましい
範囲は、下限が25モル%、特に好ましくは35モル
%、上限が好ましくは75モル%、特に好ましくは65
モル%である。
【0007】そして本発明は、上記一般式(1) におい
て、m、nがそれぞれ1より大きく、3<m+n<6を
満たす数であることと、G1が水素原子で、G2がグリシ
ジル基であるものが10モル%以上90モル%以下であ
り、G1およびG2がグリシジル基であるものが10モル
%以上90モル%以下であることを同時に満たすことに
より、効果的に課題を解決することができる。即ち、
m、nがそれぞれ1より大きく、3<m+n<6を満た
す数であった場合に限り、G1が水素原子で、G2がグリ
シジル基であるものが90モル%以下であると90モル
%より大きい場合に比較して接着強度が極めて高く、ま
た硬化性が速くなる。また、3<m+n<6を満たす数
であった場合に限り、G1が水素原子で、G2がグリシジ
ル基であるものは10モル%以上であると、10モル%
よりも小さい場合に比較して硬化前の粘度が低く、また
硬化物の引張り伸度などで代表される可撓性が極めて高
く、衝撃強度、接着強度、制振性が発現されるのであ
る。
【0008】また、上記一般式(1) において、G1が水
素原子で、G2がグリシジル基であるものが10モル%
以上90モル%以下であり、G1およびG2がグリシジル
基であるものが10モル%以上90モル%以下である場
合に限り、m+nが3よりも大きくなると急激に硬化物
の接着性、制振性、可撓性が高まり、また、m+nが6
よりも小さくなると急激に硬化物の衝撃強度、接着性、
制振性が高まるのである。
【0009】一般式(1) において、Rは炭素原子数2〜
10個のアルキレン基である。具体例として、エチレ
ン、トリメチレン、プロピレン、ブチレン、ヘキシレ
ン、ヘプチレン、デシレン等が挙げられる。炭素数が大
きくなるほど粘度が低くなる一方、硬化物の強度が低下
する。このような観点から炭素原子数2〜3個のアルキ
レン基が特に好ましい。
【0010】また、一般式(1) において、R1基の好ま
しい例としては次式(2) :
【化3】 (式中、R2は炭素−炭素結合、メチレン基又はイソプ
ロピリデン基を表し、X、Yはそれぞれ独立に水素原
子、炭素原子数1〜4のアルキル基或いは塩素原子又は
臭素原子であり、i、jは夫々独立に1〜4の整数であ
る。)で表される基が挙げられる。本発明のエポキシ樹
脂は含有する塩素含有量で特定されるものではないが、
その含有量が少ないほど反応性と硬化樹脂の接着力、機
械的強度が高まり、好適に使用される。このような観点
から、加水分解性塩素含有量が5000ppm以下であ
ることが好ましく、より好ましくは1000ppm以
下、さらに好ましくは500ppm以下、特に好ましく
は50ppm以下である。
【0011】一般式(1) で表されるエポキシ樹脂は; 次式(3) : H(OR)m−O−R1−O(RO)nH・・・(3) (式中、m、nはそれぞれ1より大きく、3<m+n<
6を満たす数であり、R 1はフェニレン基又はナフチレ
ン基であるか或いは1個又は2個の炭素−炭素結合、エ
ーテル酸素結合、硫黄原子、スルホニル基、スルホキシ
ド基、カルボニル基、或いは炭素原子数1〜5のアルキ
レン基で結合された2個又は3個のフェニレン基からな
る基を表し、各フェニレン基、各ナフチレン基は、未置
換又は各々炭素原子数1〜4の1個又は2個のアルキル
基或いは塩素原子又は臭素原子の1個或いは2個によっ
て1個の環又は複数個の環が置換されている。)で表さ
れるジアルコール中のヒドロキシル基をグリシジル化す
ることによって製造できる。
【0012】具体的に、一般式(3) で表されるジアルコ
ールを用いて本願発明のエポキシ樹脂を製造するには、
次の方法のいずれか、或いはこれらを組み合わせて実施
することができる。 2工程法 一般式(3) で表されるジアルコールを、ルイス酸触媒
(例えば三弗化ホウ素又はこれらの錯体又は塩化第二ス
ズ)の存在下でエピクロロヒドリン若しくはグリセロー
ル−1,3−ジクロロヒドリンを反応させて得られたク
ロロヒドリンを、第二工程でエポキシ基を形成させるた
めアルカリで処理する。アルカリとしては通常水酸化ナ
トリウムであるが、1,2−クロロヒドリンを1,2−
エポキシドに変換させるのに使用する他のアルカリ性物
質、例えば水酸化バリウムまたは炭酸カリウムを使用す
ることもできる。 1工程法 一般式(3) で表されるジアルコールとエピハロゲノヒド
リン(例えばエピクロロヒドリン、エピブロムヒドリ
ン)の混合物に、相間移動触媒(典型的にはメチルトリ
オクチルアンモニウムクロライド、メチルトリデシルア
ンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムクロ
ライド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、
テトラブチルアンモニウムブロマイド、フェニルトリメ
チルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウ
ムブロマイドのようなテトラ−アルキルアンモニウムハ
ライド)の存在下、アルカリ(典型的には水酸化ナトリ
ウム)を加えて処理する。
【0013】一般式(I)で表される新規エポキシ樹脂
は、上記のいずれの方法によっても得ることができる
が、塩素含有量が低い樹脂を得ることができる点で、1
工程法の方が好ましい。両方法において、反応は炭化水
素、エーテルまたはケトンのような溶媒中で実施するこ
とができるが、1工程法においては溶媒として過剰のエ
ピクロロヒドリンの使用が好ましい。また、1工程法に
おける反応は、一般式(3) のジアルコール化合物を、典
型的には30℃〜100℃の範囲、好ましくは40℃〜
80℃の範囲の温度でジアルコール1当量に対して1〜
5当量、好ましくは1〜3当量のアルカリ及び0.00
5〜0.5当量、好ましくは0.01〜0.1当量の量
の相間移動触媒の存在下で、2〜12当量、好ましくは
3〜9当量のエピハロゲノヒドリン又はグリセロール−
1,3−ジクロロヒドリンを使用することにより行われ
る。また、一般式(3) で表されるジアルコール化合物
は; 一般式(4) : HO−R1−OH・・・(4) (式中、R1は前記の一般式(3) の場合と同様であ
る。)で表されるフェノール化合物をアルキレンオキシ
ド類と反応することなどによって得られる。
【0014】一般式(1) で表される本願発明のエポキシ
樹脂は、エポキシ樹脂用硬化剤(B)により硬化すること
ができる。硬化剤(B) の例としては、ポリカルボン酸ま
たはポリカルボン酸無水物、第一、第二または第三アミ
ン化合物、イミダゾール類、多価フェノール類、アルカ
リ金属アルコキシド、アルカン酸の第一錫塩、三弗化ホ
ウ素およびその錯体等が挙げられ、中でもポリカルボン
酸無水物が本発明のエポキシ樹脂の特徴を効果的に発揮
するので好適に用いられる。ポリカルボン酸またはポリ
カルボン酸無水物を例示すると、無水フタル酸、無水メ
チルテトラヒドロフタル酸、メチルエンドメチレン無水
テトラヒドロフタル酸、無水ノネニルコハク酸、無水ド
デセニルコハク酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサ
クロロエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、およ
びエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸ならびにこ
れらの混合物;無水マレイン酸、無水コハク酸、ピロメ
リット酸二無水物、ベンゾフェノン−3,3',4,4'
−テトラカルボン酸二無水物、無水ポリセバシン酸、無
水ポリアゼライン酸、前記酸無水物と対応する酸ならび
にイソフタル酸、テレフタル酸、クエン酸およびメリッ
ト酸が挙げられるが、無水メチルテトラヒドロフタル酸
は初期の粘度が低く作業性に優れる上に柔軟性と接着強
度が高い硬化物を与える点で特に好ましい。
【0015】また、アミン化合物としては、脂肪族、脂
環式、芳香族および複素環式アミンを挙げることがで
き、例えばm−およびp−フェニレンジアミン、ピス
(4−アミノフェニル)メタン、アニリンホルムアルデ
ヒド樹脂、ビス(4−アミノフェニル)スルフォン、エ
チレンジアミン、プロパン−1,2−ジアミン、プロパ
ン−1,3−ジアミン、N,N−ジエチルエチレンジア
ミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミ
ン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミ
ン、N−(2−ヒドロキシエチル)−,N−(2−ヒド
ロキシプロピル)−およびN−(2−シアノエチル)−
ジエチレントリアミン、2,2,4−トリメチルヘキサ
ン−1,6−ジアミン、2,3,3−トリメチルヘキサ
ン−1,6−ジアミン、m−キシリレンジアミン、N,
N−ジメチル−およびN,N−ジエチルプロパン−1,
3−ジアミン、エタノールアミン、ビス(4−アミノシ
クロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−アミノシク
ロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3
−メチルシクロヘキシル)プロパン、3−アミノメチル
−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルアミン(イソ
ホロンジアミン)、n−(2−アミノエチル)−ピペラ
ジン、ジシアンジアミド、2−エチル−4−メチルイミ
ダゾールなどのイミダゾール類、脂肪族ポリアミンおよ
び二量化若しくは三量化不飽和脂肪酸から製造したポリ
アミノアミド、アミンとジグリシジルエーテルのような
ポリエポキシドの理論量以下とのアダクトなどが例示さ
れ、中でもポリアミノアミド、2−エチル−4−メチル
イミダゾールは本願発明の目的とする特徴が効果的に発
現される点で好ましい。
【0016】また、多価フェノール類としては、クレゾ
ールノボラック、フェノールノボラック、ビスフェノー
ルAノボラックに代表されるノボラック類、レゾルシノ
ール、ハイドロキノン、ピロガロール、2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、油変性フェノー
ル−アルデヒド樹脂などが例示され、フェノールノボラ
ックが柔軟性と強度のバランスがとれる点で好ましい。
【0017】硬化剤(B) の配合量は、硬化剤がアミンの
場合、通常はエポキシ樹脂の1,3−エポキシ当量あた
り約0.75〜1.25のアミノ−水素当量のアミンが
使用されることが望ましく、ポリカルボン酸またはその
無水物を使用する場合、通常は1,2−エポキシ当量当
たり約0.4〜1.1当量のカルボン酸が使用されるこ
とが望ましい。一方、多価フェノールでは1,2−エポ
キシ当量当たり約0.75〜1.25のフェノール系ヒ
ドロキシ当量の硬化剤が使用されることが望ましい。ま
た、本発明のエポキシ樹脂を硬化する場合、硬化剤(B)
とともに適当な硬化促進剤を使用することもできる。そ
のような硬化促進剤としては、例えばn−ベンジルジメ
チルアミン、2,4,6−トリス(ジメチル−アミノメ
チル)−フェノール、イミダゾールおよびトリメチルア
ンモニウムフェノキシド、および前記に例示したアミン
化合物、更にトリフェニルホスフィンに代表されるホス
フィン類が挙げられる。硬化は硬化剤の性質に応じて、
室温(即ち4℃〜25℃)ないし高温(例えば50℃〜
250℃)で実施することができる。
【0018】また、本発明のエポキシ樹脂は本来目的と
する効果を損なわない範囲内において他のエポキシ樹脂
と混合して用いることができる。そのようなエポキシ樹
脂には特に制限はないが、エポキシ基が末端にある、即
ち次式(5) ;
【化4】 (式中、R3は水素原子またはメチル基を表す。)で表
される構造を有するエポキシ樹脂が反応性が高い点で好
ましく用いられる。このようなエポキシ樹脂としては、
分子当たり2個又はそれ以上のアルコール性ヒドロキシ
基または2個又はそれ以上のフェノール性ヒドロキシ基
を含有する化合物とエピクロロヒドリン、グリセロール
ジクロロヒドリン又はβ−メチルエピクロロヒドリンと
をアルカリ性の条件下で反応させるか、或いは酸性触媒
の存在下で反応させ、ついでアルカリと処理することに
よって得られるポリグリシジルおよびポリ(β−メチル
グリシジル)エーテルが挙げられる。
【0019】分子当たり2個又はそれ以上のアルコール
性ヒドロキシ基を含有する化合物としては、ジエチレン
グリコールおよびトリエチレングリコール、プロピレン
グリコールおよびポリ(オキシプロピレン)グリコー
ル、プロパン−1,3−ジオール、ブタン−1,4−ジ
オール、ペンタン−1,5−ジオール、ヘキサン−1,
6−ジオール、ヘキサン−2,4,6−トリオール、グ
リセロール、1,1,1−トリメチロールプロパンおよ
びペンタエリトリットのようなエチレングリコールおよ
びポリ(オキシエチレン)グリコール、キニトール、
1,1−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサ−3−
エン、ビス(4−ヒドロキシ−シクロヘキシル)メタン
および2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)
プロパン、またはN,N−ビス−(2−ヒドロキシエチ
ル)アニリンおよび4,4'−ビス(2−ヒドロキシエ
チルアミノ)ジフェニルメタンなどが例示される。
【0020】分子当たり2個又はそれ以上のフェノール
性ヒドロキシ基を含有する化合物としては、例えばレゾ
ルシノール、カテコール、ハイドロキノン、ビス(4−
ヒドロキシメチル)メタン、1,1,2,2−テトラキ
ス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、4,4'−ジヒ
ドロキシジフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)
スルホン、フェノール−ホルムアルデヒド系又はクレゾ
ール−ホルムアルデヒド系ノボラック樹脂、2,2−ビ
ス−(4−ヒドロキシフェニル)プロパンおよび2,2
−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)
プロパンなどが例示される。これらの中でも、2,2−
ビス−(4−ヒドロキシフェニル)プロパンとエピクロ
ロヒドリンから誘導されるエポキシ樹脂が、接着性と機
械的強度のバランスがとれる点で特に好ましい。
【0021】また、本発明のエポキシ樹脂と混合して用
いることができ、一般式(5) で示される構造を有する他
のエポキシ樹脂としては、分子当たり2個又はそれ以上
のカルボン酸基を含有する化合物、例えばシュウ酸、コ
ハク酸、アジピン酸、セバシン酸または二量化もしくは
三量化リノール酸のような脂肪族カルボン酸、ヘキサヒ
ドロフタル酸、4−メチルヘキサヒドロフタル酸、テト
ラヒドロフタル酸および4−メチルテトラヒドロフタル
酸のような脂環式カルボン酸、またはフタル酸、イソフ
タル酸およびテレフタル酸のような芳香族カルボン酸と
エピクロロヒドリン、グリセロールジクロロヒドリン又
はβ−メチルエピクロロヒドリンとをアルカリの存在下
で反応させることによって得られるポリグリシジルおよ
びポリ(β−メチル−グリシジル)エステルが挙げられ
る。さらに、例えばエピクロロヒドリンと窒素原子に直
接結合した水素原子を少なくとも2個含有するアミン、
例えばアニリン、N−ブチルアミン、ビス(4−アミノ
フェニル)メタン、ビス(4−アミノフェニル)スルホ
ンおよびビス(4−メチルアミノフェニル)メタンとの
反応生成物を脱塩化水素反応することによって得られる
ポリ(N−グリシジル)化合物を使用することができ
る。使用し得る他のポリ(N−グリシジル)化合物とし
ては、トリグリシジルイソシアヌレート、エチレン尿素
および1,3−プロピレン尿素のような環式アルキレン
尿素のN,N'−ジグリシジル誘導体および5,5−ジ
メチルヒダントインのN,N'−ジグリシジル誘導体が
挙げられる。
【0022】また、本発明のエポキシ樹脂は本発明に含
まれる複数のエポキシ樹脂を混合して使用することもで
きる。さらに、本発明のエポキシ樹脂は一般式(6) ; G1−(OR)m−O−R1−O−(RO)n−G2・・・(6) (式中、m、nはそれぞれ1より大きく、m+nが3以
下、またはm+nが6以上を満たす数であり、Rは炭素
原子数2〜10個のアルキレン基であり、R1は(a) フ
ェニレン基又はナフチレン基であるか或いは (b)1個又
は2個の炭素−炭素結合、エーテル酸素結合、硫黄原
子、スルホニル基、スルホキシド基、カルボニル基、或
いは炭素原子数1〜5のアルキレン基またはアルキリデ
ン基で結合された2個又は3個のフェニレン基からなる
基を表し、各フェニレン基、各ナフチレン基は、未置換
又は各々炭素原子数1〜4の1個又は2個のアルキル基
或いは塩素原子又は臭素原子の1個或いは2個によって
1個の環又は複数個の環が置換されており、G1、G2
水素原子又はグリシジル基を表す。)で示されるエポキ
シ樹脂と混合して使用することにより、耐熱性、柔軟
性、接着性、反応性、粘度等バランスにおいて優れた硬
化物を提供することができる。
【0023】また、本発明のエポキシ樹脂と混合して用
いることができる他のエポキシ樹脂としては、環式およ
びアクリル系ポリオレフィンのエポキシ化によって得ら
れるエポキシ化によって得られるエポキシ樹脂、例えば
ビニルシクロヘキセンジオキシド、リモネンジオキシ
ド、ジシクロペンタジエンオキシド、3,4−エポキシ
−ジヒドロキシジシクロペンタジエニルグリシジルエー
テル、エチレングリコールのビス(3,4−エポキシジ
ヒドロキシジシクロペンタジエニル)エーテル、3,4
−エポキシシクロヘキシルメチル−3',4'−エポキシ
シクロヘキサンカルボキシレートおよびこの6,6'−
ジメチル誘導体、エチレングリコールのビス(3,4−
エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、3,4−
エポキシシクロヘキサンカルボキシアルデヒドと1,1
−ビス(ヒドロキシメチル)−3,4−エポキシシクロ
ヘキサンで形成されたアセタール、ビス(2,5−エポ
キシ−シクロペンチル)エーテルおよびエポキシ化ブタ
ジエンまたはブタジエンとスチレンおよび酢酸ビニルの
ようなエチレン系化合物との共重合体を例示することが
できる。
【0024】本発明の硬化性樹脂組成物は、ジブチルフ
タレート、ジオクチルフタレートまたはトリクレジルホ
スフェートのような可塑剤:不溶性希釈剤およびいわゆ
る反応性希釈剤、例えばジグリシジルホルマールおよび
モノエポキシド(例えばブチルグリシジルエーテル、イ
ソオクチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエ
ーテル、スチレンオキシド、グリシジルアクリレート、
グリシジルメタクリレートおよび合成の高度に枝分かれ
した、主として第三脂肪族モノカルボン酸のグリシジル
エステル)をさらに含有していてもよい。
【0025】さらに、本発明の硬化性樹脂組成物は充填
剤、強化材、着色剤、流れ調整剤、難燃剤および成形用
滑剤のような添加剤を含有していてもよい。充填剤およ
び強化材としては、アスベスト、アスファルト、ビチュ
ーメン、ガラス繊維、紡績繊維、炭素繊維、雲母、アル
ミナ、石膏、チタニア、チョーク、石英粉、セルロー
ス、カオリン、粉砕ドロマイト、ウオラストナイト、コ
ロイダルシリカ(エアロジル)、長鎖アミンとの処理に
よって変性したクレー(ベントン)、粉末化ポリ塩化ビ
ニル、粉末化ポリオレフィン炭化水素、粉末化アミノプ
ラストおよびアルミニウムもしくは鉄粉のような金属粉
が挙げられる。三酸化アンチモンのような難燃助剤を混
入させることもできる。本発明のエポキシ樹脂は低粘度
であるため注型用樹脂として最適であるのみならず、積
層板用樹脂、塗料用樹脂、浸漬樹脂、成形コンパウン
ド、電気工業用の封止および絶縁材料、シーラントおよ
び接着剤として使用することができる。
【0026】
【実施例】次に実施例により本発明を説明するが、これ
らは本発明の範囲を制限するものでない。実施例におけ
る各種試験については下記の方法によって行った。 (1) 末端基の定量方法:原料ジアルコール、およびそれ
を原料として得られたエポキシ樹脂のC13NMRを測
定し、19ppm、31ppmのピークの積分値(夫々
p、qとする)から以下の式(1) に従って求めた。原料
ジアルコールのNMRを測定し、A=p/qを求める。
エポキシ樹脂のNMRを測定し、B=p/qを求める。 r=(A−B)/A ・・・(1) なお、両末端グリシジル化物=r×rで、片末端グリシ
ジル化物=2×r×(1−r)で表される。 (2) エポキシ当量:エポキシ樹脂をベンジルアルコール
と1−プロパノールで溶解する。この溶液にヨウ化カリ
ウム水溶液、ブロモフェノールブルー指示薬を添加した
後、1規定塩酸にて滴定し、反応系内が青色から黄色に
なった点を当量点とした。当量点より、樹脂のエポキシ
当量を以下の式(2) に従って算出する。 エポキシ当量(g/eq.)=1000×W/(V×N×F)・・・(2) (ただし、W;試料の重量(g)、V;滴定量(ml)
である。)
【0027】(3) 無機塩素含有量:試料10gをトルエ
ン100mlおよび、メタノール100mlを加え溶解
し、酢酸2mlを加えた後、硝酸銀水溶液を用いて電位
差滴定を行い、検出された変曲点からモル数を求め、全
量が塩素であるとして、無機塩素含有量を求めた。 (4) 加水分解性塩素含有量:試料0.1ないし3gを5
0mlのトルエンに溶解し、これに0.1規定KOH−
メタノ−ル溶液20mlを加えて15分間煮沸した後、
冷却し酢酸2mlを加え、硝酸銀水溶液を用いて電位差
滴定を行い、検出された変曲点からモル数を求め、全量
が塩素であるとして、塩素含有量を求めた。得られた塩
素含有量から無機塩素含有量を差し引くことにより加水
分解性塩素含有量を求めた。 (5) 全塩素含有量:試料0.1ないし3gを25mlの
エチレングリコールモノブチルエーテルに溶解し、これ
に1規定KOH−プロピレングリコール溶液20mlを
加えて20分間煮沸した後、酢酸100mlを加え、硝
酸銀水溶液を用いて電位差滴定を行い、検出された変曲
点からモル数を求め、全量が塩素であるとして、塩素含
有量を求めた。得られた塩素含有量から無機塩素含有量
を差し引くことにより全塩素含有量を求めた。
【0028】(6) ゲルタイム:試料を150℃のホット
プレート上に置き、竹串の端を試料に接し垂直に5cm
上げても試料が糸状になって切れなくなるまでの時間と
した。 (7) 引張伸度:JISK7113に従って測定した。引
張り伸度が大きいほど可撓性が高いことを示す。 (8) 粘度:キャノンフェンスケ粘度計にて測定した。 (9) 制振性:硬化物を−30℃〜50℃の範囲で変化さ
せた時の25℃における損失係数(tanδ)をDMA
(DynamicMechanicalAnalysi
s)を用いて測定し、25℃でのtanδの値で求め
た。数値が大きいほど振動エネルギーの吸収能が高く制
振性に優れており好ましい。
【0029】(10) シャルピー衝撃値:JIS−711
1に従って測定した。 (11) 銅箔剥離強度:150mmX150mmX15m
mの注型金型の底面に粗面を上方(樹脂側)に向けた状
態で銅箔を固定し、熱硬化性樹脂組成物を注型、加熱硬
化して硬化物を得、巾30mmの短冊試験片を作成し
た。引張り試験機(島津製作所製、オートグラフ500
0D)を用いて作成した試験片から、銅箔を垂直に引き
剥がすときの応力を測定した(試験速度50mm/
分)。
【0030】(実施例1)1モルのビスフェノールAに
プロピレンオキシドが5モル付加反応して得たジアルコ
ール(267g;水酸基1.0当量)、エピクロロヒド
リン(462g;5モル)および50質量%テトラメチ
ルアンモニウムクロライド水溶液(6g)を混合し、減
圧下に加熱して60〜65℃で穏やかな還流を行った。
50質量%水酸化ナトリウム水溶液(108g)を5時
間で滴下し、水をエピクロロヒドリンとの共沸混合物と
して連続的に除去し、凝縮したエピクロロヒドリン層を
連続的に反応器に戻した。その後、5時間反応して混合
物を冷却し、水で繰返し洗浄して得られた塩化ナトリウ
ムを除去した。過剰のエピクロロヒドリンを減圧下で蒸
留して除去し、エポキシ樹脂(エポキシ樹脂A)265
gを得た。NMR分析を行った結果、両末端グリシジル
化物は35モル%、片末端グリシジル化物は48モル%
であった。また、エポキシ当量480g/eq.25℃
での粘度は1200×10-62/sであった。加水分
解性塩素含有量は 350ppm、全塩素含有量は 6
00ppmであった。得られたエポキシ樹脂Aを硬化
し、硬化物の特性を評価した結果を表1に示した。
【0031】(実施例2)50質量%水酸化ナトリウム
水溶液の添加量を98gとした以外は実施例1と同様に
行い、260gのエポキシ樹脂Bを得た。NMR分析を
行った結果、両末端グリシジル化物は30モル%、片末
端グリシジル化物は55モル%であった。また、エポキ
シ当量530g/eq.25℃での粘度は1300×1
-62/sであった。加水分解性塩素含有量は 12
00ppm、全塩素含有量は 1600ppmであっ
た。得られたエポキシ樹脂Bを硬化し、硬化物の特性を
評価した結果を表1に示した。
【0032】(実施例3)原料として1モルのビスフェ
ノールAにプロピレンオキシドが3.2モル付加反応し
て得たジアルコール(207g;水酸基1.0当量)を
用いた以外は実施例1と同様に行い、205gのエポキ
シ樹脂Cを得た。NMR分析を行った結果、両末端グリ
シジル化物は34モル%、片末端グリシジル化物は50
モル%であった。また、エポキシ当量390g/eq.
25℃での粘度は1580×10-62/sであっ
た。加水分解性塩素含有量は340ppm、全塩素含有
量は770ppmであった。得られたエポキシ樹脂Cを
硬化し、硬化物の特性を評価した結果を表1に示した。
【0033】(実施例4)実施例1で得られた100g
のエポキシ樹脂Aをメチルイソブチルケトン400gに
溶解し、0.15gの50質量%水酸化ナトリウム水溶
液を加え50℃3時間反応させ、水洗後メチルイソブチ
ルケトンを留去してエポキシ樹脂Dを得た。エポキシ樹
脂Dの特性を表1に示した。
【0034】(比較例1)2,2−ビス〔p−(2−メ
チル−2−ヒドロキシエチルオキシ)フェニル〕プロパ
ン(100g;0.58当量)、エピクロロヒドリン
(432.2g;4.7当量)および50質量%テトラ
メチルアンモニウムクロライド水溶液(1.9g)を混
合し、減圧下に加熱して60〜65℃で穏やかな還流を
行った。50質量%水酸化ナトリウム水溶液(70.0
g)を5時間で滴下し、水をエピクロロヒドリンとの共
沸混合物として連続的に除去した。その後、2時間反応
して混合物を冷却し、水で繰返し洗浄して得られた塩化
ナトリウムを除去した。過剰のエピクロロヒドリンを減
圧下で蒸留して除去し、エポキシ当量250の2,2−
ビス〔p−(2−メチル−2−ヒドロキシエチルオキ
シ)フェニル〕プロパンのエポキシ樹脂(エポキシ樹脂
E)113gを得た。25℃での粘度は2,000×1
-62/s、加水分解性塩素含有量は700ppm、
全塩素含有量は1400ppmであった。NMR分析を
行った結果、両末端グリシジル化物は62モル%、片末
端グリシジル化物は38モル%であった。得られたエポ
キシ樹脂Eを硬化し、硬化物の特性を評価した結果を表
2に示した。
【0035】(比較例2)1モルのビスフェノールAに
プロピレンオキシドが5モル付加反応して得たジアルコ
ールの代わりにビスフェノールA1モルにプロピレンオ
キシドが6モル付加反応して得たジアルコール(294
g;水酸基1.0当量)を使用した以外は実施例1と同
様にしてエポキシ樹脂(エポキシ樹脂F)290gを得
た。NMR分析を行った結果、両末端グリシジル化物は
35モル%、片末端グリシジル化物は48モル%であっ
た。また、エポキシ当量531g/eq.、25℃での
粘度は1250×10-62 /sであった。加水分解性
塩素含有量は380ppm、全塩素含有量は700pp
mであった。NMR分析を行った結果、両末端グリシジ
ル化物は35モル%、片末端グリシジル化物は48モル
%であった。得られたエポキシ樹脂Fを硬化し、硬化物
の特性を評価した表2に示した。
【0036】(比較例3)1モルのビスフェノールAに
プロピレンオキシドが5モル付加反応して得たジアルコ
ール(366g;1.37当量)をトルエン366gに
溶解し、三弗化ホウ素−エーテル錯体(0.5g)を加
え攪拌した。温度を70℃に保ちつつエピクロロヒドリ
ン(153g;1.65当量)を70分で滴下した。そ
の後、3時間この温度で反応を続け、更に50質量%水
酸化ナトリウム水溶液(219g)を加え同温度で3時
間反応させた。水洗後トルエンを減圧下160℃で留去
し、エポキシ樹脂(エポキシ樹脂G)を得た。得られた
エポキシ樹脂Gの特性、および硬化物の性状を評価した
結果を表2に示した。
【0037】エポキシ樹脂A、B,C,Dは、一般式
(1) において、m、nはそれぞれ1より大きくて3<m
+n<6を満たす数であり、かつ一般式(1) において、
1が水素原子で、G2がグリシジル基であるものが10
モル%以上90モル%以下であり、G1およびG2がグリ
シジル基であるものが10モル%以上90モル%以下で
ある。本発明の要件を凡て満たすエポキシ樹脂Aは、ゲ
ルタイム、引張伸度、シャルピー衝撃値、銅箔剥離強
度、制振性のいずれにおいても良好な特性を示してい
る。これに対し、エポキシ樹脂Eは一般式(1) におい
て、n+mが2と小さいため、その他の要件は本発明の
範囲内であるにも拘わらず引張伸度、シャルピー衝撃
値、銅箔剥離強度、制振性のいずれにおいても低い性能
となった。また、エポキシ樹脂Fは一般式(1) におい
て、n+mが6と大きいため、その他の要件は本発明の
範囲内であるにも拘わらずシャルピー衝撃値、銅箔剥離
強度、制振性のいずれにおいても低い性能となった。さ
らに、エポキシ樹脂Gは一般式(1) において、n+mは
5とエポキシ樹脂AまたはBと同じにも拘わらず、G1
が水素原子で、G2がグリシジル基であるものが10モ
ル%未満であり、G1およびG2がグリシジル基であるも
のが90モル%よりも大きいために、引張伸度、シャル
ピー衝撃値、銅箔剥離強度、制振性のいずれにおいても
低い性能となった。
【0038】即ち、一般式(1) において、m、nはそれ
ぞれ1より大きくて3<m+n<6を満たす数であると
いうことと、一般式(1) において、G1が水素原子で、
2がグリシジル基であるものが10モル%以上90モ
ル%以下であり、G1およびG2がグリシジル基であるも
のが10モル%以上90モル%以下であることの両方を
満たすことにより、本願発明の目的が達せられるのであ
る。
【0039】
【表1】 (注) MTHPA;メチルテトラヒドロフタル酸無水物(酸当
量;83) 2E4Mz;2−エチル−4−メチルイミダゾール 硬化条件;120℃で1時間加熱硬化後、150℃で2
時間加熱硬化し、更に180℃で2時間加熱硬化した。
【0040】
【表2】 (注) MTHPA;メチルテトラヒドロフタル酸無水物(酸当
量;83) 2E4Mz;2−エチル−4−メチルイミダゾール 硬化条件;120℃で1時間加熱硬化後、150℃で2
時間加熱硬化し、更に180℃で2時間加熱硬化した。
【0041】
【発明の効果】本発明の新規エポキシ樹脂およびそれを
含む硬化性組成物は、低粘度、良可撓性、柔軟性、接着
性、良硬化性、耐衝撃性、制振性の全ての特性を同時に
満足する効果を有し、塗料、電気、接着および制振材を
含む土建分野の産業素材として有用である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) ; G1−(OR)m−O−R1−O−(RO)n−G2・・・(1) (式中、m、nはそれぞれ1より大きく、3<m+n<
    6を満たす数であり、Rは炭素原子数2〜10個のアル
    キレン基であり、R1は(a) フェニレン基又はナフチレ
    ン基であるか或いは (b)1個又は2個の炭素−炭素結
    合、エーテル酸素結合、硫黄原子、スルホニル基、スル
    ホキシド基、カルボニル基、或いは炭素原子数1〜5の
    アルキレン基またはアルキリデン基で結合された2個又
    は3個のフェニレン基からなる基を表し、各フェニレン
    基、各ナフチレン基は、未置換又は各々炭素原子数1〜
    4の1個又は2個のアルキル基或いは塩素原子又は臭素
    原子の1個或いは2個によって1個の環又は複数個の環
    が置換されており、G1、G2は水素原子又はグリシジル
    基を表す。)で表されるエポキシ樹脂において、G1
    水素原子で、G2がグリシジル基であるものが10モル
    %以上90モル%以下であり、G1およびG2がグリシジ
    ル基であるものが10モル%以上90モル%以下である
    ことを特徴とするエポキシ樹脂。
  2. 【請求項2】 一般式(1) において、G1が水素原子
    で、G2がグリシジル基であるものが25モル%以上7
    5モル%以下であり、G1およびG2がグリシジル基であ
    るものが25モル%以上で75モル%以下であることを
    特徴とする請求項1記載のエポキシ樹脂。
  3. 【請求項3】 一般式(1) において、R1が次式(2) : 【化1】 (式中、R2は炭素−炭素結合、メチレン基又はイソプ
    ロピリデン基を表し、X、Yはそれぞれ独立に水素原
    子、炭素原子数1〜4のアルキル基或いは塩素原子又は
    臭素原子であり、i、jはX、Yによる置換数を表し且
    つ夫々独立に1〜4の整数である。)で表される基であ
    ることを特徴とする請求項1又は2記載のエポキシ樹
    脂。
  4. 【請求項4】 (A) 請求項1〜3のいずれかに記載のエ
    ポキシ樹脂、(B) 硬化剤を含むことを特徴とする硬化性
    樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 硬化剤(B) が酸無水物であることを特徴
    とする請求項4記載の硬化性樹脂組成物。
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