JPWO2008035515A1 - 液状エポキシ樹脂組成物及びエポキシ樹脂硬化物 - Google Patents

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Abstract

硬化速度が速く、低粘度化効果に優れ、ベースとなるエポキシ樹脂の物性低下の少ない液状エポキシ樹脂組成物を提供することを目的とする。該液状エポキシ樹脂組成物は、次の成分(A)、(B)および(C)(A)エポキシ樹脂(B)下記一般式(1)CH2=CH−O−X−O−G (1)(式中、Xは炭素数2〜12の2価の直鎖または分岐鎖アルキレン基またはシクロへキシレン基を含む脂環式アルキレン基を表し、Gはグリシジル基を表す)で示されるα−ビニルオキシ−ω−グリシジルエーテル化合物(C)硬化剤を含有することを特徴とするものである。

Description

本発明は、液状エポキシ樹脂組成物及びその硬化物に関し、更に詳しくは、α−ビニルオキシ−ω−グリシジルエーテル化合物を反応性希釈剤として含む液状エポキシ樹脂組成物及びその硬化物に関するものである。
エポキシ樹脂は、耐熱性、接着性、耐水性、機械的強度及び電気特性等に優れていることから、接着剤、塗料、土木建築用材料、電気・電子部品の絶縁材料、封止材料等として広く用いられている。なかでも、常温で液状や固体状であるビスフェノールA型のエポキシ樹脂は、各種物性的に、更には経済的にも優れることから、上記に示したような各種用途に最も多く使用されている。
このようなエポキシ樹脂は一般に粘度が高いため、実際の使用ではハンドリング性の向上や他材料との混合性を良くするために未反応或いは反応タイプの各種希釈剤と併用されている。この場合、未反応型の希釈剤を用いると移行等、硬化後に変化が起き易いのに対し、反応型のものは硬化物の安定性に優れるといった長所がある。
従来、反応性希釈剤としては、ブチルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル等の低分子量モノグリシジルエーテルの蒸留精製品が公知であるが、低分子量モノグリシジルエーテルは非常に強い皮膚刺激性と変異原性を持つため、最近ではより低毒性の1,6−ヘキサンジオールやネオペンチルグリコール等の2価のアルコールのジグリシジルエーテルが使用されることが多くなってきた。しかし、これらのジグリシジルエーテルは、2価のアルコールとエピクロルヒドリンの反応から得られるため、残存塩素量が多く、使用分野が限定されるという欠点があった。
このため、塩素の含有量を低下させた反応性希釈剤も検討されており、例えば、特許文献1では、蒸留精製したジグリシジル体純度が90質量%以上、全塩素0.3質量%以下の脂肪族エポキシ化合物とエポキシ樹脂用硬化剤を含む液状エポキシ樹脂組成物等が開示されている。しかしながら、残存塩素量を低減させたジグリシジルエーテルにおいても、粘性低下効果は十分ではなく、また、これらのジグリシジルエーテルの添加により、得られる硬化物の機械的物性が低下したり、吸水性及び耐熱性が低下するという問題があった。
また、従来のエポキシ樹脂組成物は、酸無水物等の硬化剤を配合し熱硬化を行っているが、硬化速度が遅いことが問題となっており、生産効率の向上のため、硬化が短時間で終了することが強く要求されていた。
特開2003−73453号公報
本発明は、上記のような問題に鑑みなされたものであり、硬化速度が速く、粘度を低下させる効果に優れ、しかもベースとなるエポキシ樹脂の物性低下の少ない液状エポキシ樹脂組成物を提供しようとするものである。
本発明者は、前記の課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、従来のジグリシジルエーテルに替えて、ビニル基とグリシジル基の2官能基を有する化合物を反応性希釈剤として用いることにより、上記課題が達成されることを見出し、本発明に至った。
即ち、本発明は、以下に示す液状エポキシ樹脂組成物及び硬化物である。
(1)次の成分(A)、(B)および(C)
(A)エポキシ樹脂
(B)下記一般式(1)
CH=CH−O−X−O−G (1)
(式中、Xは炭素数2〜12の2価の直鎖または分岐鎖アルキレン基またはシクロへ
キシレン基を含む脂環式アルキレン基を表し、Gはグリシジル基を表す)
で示されるα−ビニルオキシ−ω−グリシジルエーテル化合物
(C)硬化剤
を含有することを特徴とする液状エポキシ樹脂組成物。
(2)成分(A)が、芳香族エポキシ樹脂および/または脂環式エポキシである前記の液状エポキシ樹脂組成物。
(3)成分(A)が、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、水素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂および水素化ビスフェノールF型エポキシ樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種のエポキシ樹脂である前記の液状エポキシ樹脂組成物。
(4)成分(A)が、少なくとも1個のエポキシシクロヘキシル基を含む脂環式エポキシドである前記の液状エポキシ樹脂組成物。
(5)成分(B)が、4−ビニルオキシブタノールグリシジルエーテルまたは4−(ビニルオキシメチル)−シクロヘキシルメタノールグリシジルエーテルである前記の液状エポキシ樹脂組成物。
(6)100質量部の成分(A)に対して、成分(B)を1〜150質量部含有する前記の液状エポキシ樹脂組成物。
(7)前記(1)ないし(6)の液状エポキシ樹脂組成物を硬化して得られるエポキシ樹脂硬化物。
本発明のエポキシ樹脂組成物は硬化速度が速く、低粘度であるため注型、塗布、含浸等の作業性に優れ、無機充填剤、導電性充填剤等の充填剤を多量に配合しても液状を保つことができ、更に、主剤となるエポキシ樹脂の物性を損なうことなく硬化物を得ることができる。したがって本発明のエポキシ樹脂組成物を硬化して得られる硬化物は、成形材料、封止材料、電気絶縁材料、接着剤、塗料、インクジェットプリンタ用インク等の用途に好適に使用することができる。
(A)エポキシ樹脂
本発明の液状エポキシ樹脂組成物において、主剤として用いる成分(A)のエポキシ樹脂としては、特に限定されるものではないが、好ましいものとして、芳香族エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂等が挙げられる。
このうち、芳香族エポキシ樹脂の例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂等のジグリシジルエーテル類、アミノフェノール類等から得られるグリシジルアミン型エポキシ樹脂、フェノールノボラックから得られるエポキシ樹脂、クレゾールノボラックから得られるエポキシ樹脂、ビスフェノールAのノボラックエポキシ樹脂、フェノール類とヒドロキシベンズアルデヒド類から得られるノボラックエポキシ樹脂等の多官能エポキシ樹脂などが挙げられる。
また、脂環式エポキシ樹脂の例としては、上記の芳香族エポキシ樹脂の芳香環を直接水素化したエポキシ樹脂または多価フェノール類を水素化した後、エピクロルヒドリンと反応させることにより得られるエポキシ樹脂等が挙げられる。より具体的には、水素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水素化ビスフェノールF型エポキシ樹脂、水素化ビフェノール型エポキシ樹脂、水素化フェノールノボラック型エポキシ樹脂、水素化クレゾールノボラックエポキシ樹脂、水素化ナフタレン型エポキシ樹脂等が挙げられる。更に、これらの化合物の他に、少なくとも1個のエポキシシクロヘキシル基を含む脂環式エポキシドを用いることもできる。当該脂環式エポキシドは、不飽和基を2個以上有し、そのうちの少なくとも1個がシクロヘキセン基である環状脂肪族不飽和化合物に、過酢酸を作用させてシクロヘキセン基の二重結合をエポキシ化したエポキシ樹脂であり、1分子中にエポキシ基を2個以上有するものが好ましい。具体的には、例えば、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3',4'−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(UCC社製商品名 UVR−6110およびUVR−6105、ダイセル化学工業(株)製商品名 セロキサイド2021P等)、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート(UCC社製商品名 UVR−6128等)、ε−カプロラクトン変性3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3',4'−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(ダイセル化学工業(株)製商品名 セロキサイド2081等)、1−メチル−4−(2−メチルオキシラニル)−7−オキサビシクロ[4.4.0]ヘプタン(ダイセル化学(株)製商品名 セロキサイド3000等)が挙げられる。
これらの中で、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、水素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、及び水素化ビスフェノールF型エポキシ樹脂を用いることが、低粘度のエポキシ樹脂が得られ、耐湿性及び耐熱性のバランスに優れる硬化物が得られるという点で好ましい。また、エポキシシクロヘキシル基を含む脂環式エポキシドは、硬化性が良好で硬化膜の強度が高く、基材への密着性も良好であり、インクジェットプリンタ用インクとしての特性に優れる点で好ましい。
(B)α−ビニルオキシ−ω−グリシジルエーテル化合物
本発明の液状エポキシ樹脂組成物において、成分(B)として用いられるα−ビニルオキシ−ω−グリシジルエーテル化合物は、反応性希釈剤として作用するものであり、下記一般式(1)で表される化合物である。
CH=CH−O−X−O−G (1)
(式中、Xは炭素数2〜12の2価の直鎖または分岐鎖アルキレン基またはシクロへ
キシレン基を含む脂環式アルキレン基を表し、Gはグリシジル基を表す)
本発明の液状エポキシ樹脂組成物において、成分(B)として用いられるα−ビニルオキシ−ω−グリシジルエーテル化合物の具体的な例としては、2−ビニルオキシエタノールグリシジルエーテル、3−ビニルオキシプロパノールグリシジルエーテル、4−ビニルオキシブタノールグリシジルエーテル、5−ビニルオキシペンタノールグリシジルエーテル、6−ビニルオキシヘキサノールグリシジルエーテル、3−ビニルオキシ−2,2−ジメチル−プロパノールグリシジルエーテル、5−ビニルオキシ−3−メチルペンタノールグリシジルエーテル、4−(ビニルオキシメチル)−シクロヘキシルメタノールグリシジルエーテルなどが挙げられる。
これらの化合物の中でも、粘度を低下させる効果(低粘度化効果)の点において、4−ビニルオキシブタノールグリシジルエーテルが好ましく、また、吸水性が低く、耐熱性が良い点で、4−(ビニルオキシメチル)−シクロヘキシルメタノールグリシジルエーテルが好ましい。
成分(B)である上記α−ビニルオキシ−ω−グリシジルエーテル化合物の製造方法は特に限定されないが、例えば、炭素数2〜12の直鎖、分岐状またはシクロへキシレン基を含むα,ω−アルカンジオールのモノビニルエーテルと、エピハロヒドリンとを反応させる方法を挙げることができる。ここで使用するエピハロヒドリンとしては、エピクロルヒドリン、エピブロモヒドリン、β−メチルエピクロルヒドリン、β−メチルエピブロモヒドリン、β−メチルエピヨードヒドリン等が好ましく、エピクロルヒドリンがより好ましい。
上記の、α,ω−アルカンジオールのモノビニルエーテルとエピハロヒドリンとの反応は、例えば、(1)硫酸、三弗化ホウ素エチルエーテル、四塩化錫等の酸性触媒または第4級アンモニウム塩類、第4級ホスホニウム塩類、クラウンエーテル類等の相間移動触媒の存在下に、まず、ハロヒドリンエーテル体を製造し、次いで、このハロヒドリンエーテル体を水酸化ナトリウム等の脱ハロゲン化水素剤と反応させて閉環せしめる2段階法、または(2)水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物の存在下に、一段階で脱ハロゲン化水素反応を行いグリシジルエーテルを得る1段階法等により行うことができる。
反応終了後のα−ビニルオキシ−ω−グリシジルエーテル化合物の単離は、常法によって行うことができ、例えば、炭化水素等の非水溶媒を加え、次いで水洗して副生塩を溶出除去した後、脱溶媒、脱水、微量に析出する塩のろ過または固液分離を行うことによって、目的のα−ビニルオキシ−ω−グリシジルエーテル化合物を得ることができる。
このようにして得られたα−ビニルオキシ−ω−グリシジルエーテル化合物は、そのまま本発明の液状エポキシ樹脂組成物の原料として用いることも可能であるが、更に、蒸留精製等により不純物を除去して用いることもできる。このように不純物を除去することにより、架橋による粘度の上昇を防止することができ、また、得られる硬化物の耐候性を向上させることができる。
蒸留精製は、液温をα−ビニルオキシ−ω−グリシジルエーテル化合物の二量化(重合)が起こらない温度に保持しながら減圧下で行うことが好ましい。この蒸留精製後のα−ビニルオキシ−ω−グリシジルエーテル化合物の好ましい純度は90質量%(以下、「%」と示す)以上であり、より好ましくは95%以上である。
成分(B)であるα−ビニルオキシ−ω−グリシジルエーテル化合物の添加量は、成分(A)であるエポキシ樹脂100質量部に対して1〜150質量部が好ましく、3〜120質量部がより好ましく10〜100質量部が特に好ましい。成分(B)の割合が1質量部未満であると粘度の低下効果が少なくなる場合があり、また150質量部を超えると硬化物の耐熱性等の特性が低下する場合がある。
(C)硬化剤
本発明の液状エポキシ樹脂組成物に用いる成分(C)の硬化剤としては、従来からこの分野で使用されているものを特に制限なく使用することができ、例えば、酸無水物系硬化剤、フェノール系硬化剤、アミン系硬化剤、カチオン重合触媒等が挙げられる。なかでも、より低粘度が要求される場合には酸無水物系硬化剤が好ましく、より高度な耐湿性や耐加水分解性が要求される場合にはフェノール系硬化剤が好ましく、低温硬化が必要な場合には、アミン系硬化剤やカチオン重合触媒が好ましい。
成分(C)のうち、酸無水物系硬化剤の具体的な例としては、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸等の芳香族酸無水物類、無水テトラヒドロフタル酸、無水メチルテトラヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水メチルヘキサヒドロフタル酸、無水メチルエンドメチレンテトラヒドロフタル酸、無水シクロドデセニルコハク酸、無水トリアルキルテトラヒドロフタル酸等の環状脂肪族酸無水物類及びこれらの混合物や変性物等を挙げることができる。
酸無水物系硬化剤には、さらに一般的にこの分野で使われている硬化促進剤を用いることができる。硬化促進剤の具体的な例としては、例えば、ベンジルジメチルアミン、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、ジメチルシクロヘキシルアミン等の3級アミン類;テトラエチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムブロマイド等の4級アンモニウム塩類;1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール等のイミダゾール類;トリフェニルホスフィン等のホスフィン類;テトラフェニルホスホニウムブロマイド、テトラ−n−ブチルホスホニウムブロマイド等の4級ホスホニウム塩類等を挙げることができる。これらの硬化促進剤は単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
また、成分(C)のうち、フェノール系硬化剤の具体的な例としては、カテコール、レゾルシン、ハイドロキノン、ビスフェノールF、ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビフェノール、フェノールノボラック類、クレゾールノボラック類、ビスフェノールA等の2価フェノールのノボラック化物類、トリスヒドロキシフェニルメタン類、アラルキルポリフェノール類、ジシクロペンタジエンポリフェノ−ル類等を挙げることができる。
更に、成分(C)のアミン系硬化剤の具体的な例としては、トリエチルアミン、ベンジルジメチルアミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,8−ジアザビシクロ−(5.4.0)−ウンデセン−7、1,5−ジアザビシクロ−(4.3.0)−ノネン−7等の3級アミン類及びその塩類;1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、トリスジメチルアミノメチルイミダゾール及び2−フェニルイミダゾール等のイミダゾール類;トリエチルアミン、ベンジルジメチルアミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,8−ジアザビシクロ−(5.4.0)−ウンデセン−7、1,5−ジアザビシクロ−(4.3.0)−ノネン−7等の3級アミン類及びその塩類;メタキシレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン等の芳香族ポリアミン類;ペンタエチレンヘキサミン、テトラエチレンペンタミン、トリエチレンテトラミン、ジエチレントリアミン等の脂肪族ポリアミン類;シクロヘキサンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ノルボルナジアミン、イソホロンジアミン、N−アミノエチルピペラジン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン等の脂環族ポリアミン類及びそれらの混合物や、カルボン酸類、エポキシ化合物、メタクリル酸メチル、フェノール・ホルムアルデヒド、アクリロニトリル等による変性物等を挙げることができる。
更にまた、成分(C)のカチオン重合触媒としては、ルイス酸を用いることが可能であり、例えば、BF、PF、AsF、SbF及びこれらのルイス酸とメチルアミン、エチルアミン、n−ブチルアミン等の有機一級アミン類との錯体、好ましくはエチルアミンとのBF錯体、及びトリフェニルホスフィン等を使用することも可能である。
また、加熱または紫外線、可視光線の照射により該触媒が分解して硬化剤として作用する熱カチオン重合触媒や光カチオン重合触媒として、芳香族ジアゾニウム塩、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩、トリアリールセレニウム塩等が挙げられる。具体的には、p−クロロベンゼンジアゾニウムヘキサフルオロホスフェート、p−メトキシベンゼンジアゾニウムヘキサフルオロホスフェート等の芳香族ジアゾニウム塩;ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、4,4−ジ−t−ブチルフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート等のジアリールヨードニウム塩;トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、ビス−[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド−ビス−ヘキサフルオロホスフェート等のトリアリールスルホニウム塩;トリフェニルセレニウムヘキサフルオロホスフェート等のトリアリールセレニウム塩等を使用することも可能である。
この他、ジシアンジアミド類、アジピン酸ジヒドラジッド及びフタル酸ジヒドラジッド等の有機酸ヒドラジッド類等も用いることができる。これらの硬化剤は、単独で使用しても良いし、2種以上を併用して使用することも可能である。
成分(C)として、上記酸無水物系硬化剤、アミン系硬化剤またはフェノール系硬化剤を使用する場合の使用量は、これらの合計として、成分(A)および成分(B)の合計100質量部に対して、50〜200質量部が好ましく、80〜150質量部がより好ましい。
また、成分(C)として、上記酸無水物系硬化剤と硬化促進剤とを併用する場合の硬化促進剤の使用量は、成分(A)と成分(B)の合計100質量部に対して、0.1〜10質量部が好ましく、0.3〜6質量部がより好ましい。
更に、成分(C)としてカチオン重合触媒を使用する場合の使用量は、成分(A)と成分(B)の合計100質量部に対し、0.1〜20質量部が好ましく、0.5〜10質量部がより好ましい。
硬化剤である成分(C)の配合割合がこれらの範囲を外れると、未反応物が残り、硬化物の諸物性が損なわれる場合があるため好ましくない。なお、成分(A)と成分(B)の合計100質量部に対し、硬化剤(C)を100質量部以上使用する場合は、エポキシ樹脂組成物粘度が高くならないよう、25℃で液状の硬化剤を用いることが好ましい。
(D)任意成分
更に、本発明の液状エポキシ樹脂組成物には、硬化物の性質を改善する目的で粉末状の補強剤や充填剤、着色剤または顔料、難燃剤、樹脂添加剤等の種々の添加剤成分を配合することができる。
粉末状の補強剤や充填剤としては、例えば酸化アルミニウム、酸化マグネシウム等の金属酸化物、微粉末シリカ、溶融シリカ、結晶シリカ等のケイ素化合物、ガラスビーズ等のフィラー、水酸化アルミニウム等の金属水酸化物、その他、カオリン、マイカ、石英粉末、グラファイト、二硫化モリブデン等を挙げることができる。これらの配合は、任意であるが、一般にエポキシ樹脂組成物100質量部に対して、10〜100質量部が適当である。
着色剤または顔料としては、例えば二酸化チタン、モリブデン赤、紺青、群青、カドミウム黄、カドミウム赤及び有機色素等を挙げることができる。また、難燃剤、例えば、三酸化アンチモン、ブロム化合物及びリン化合物等を挙げることができる。これらの添加剤の配合は任意であるが、一般にエポキシ樹脂組成物100質量部に対して、0.01〜30質量部配合される。
樹脂添加剤としては、フッ素樹脂、アクリル樹脂、シリコ−ン樹脂等の1種または2種以上の組み合わせを挙げることができる。これらの樹脂添加剤の配合割合は、本発明のエポキシ樹脂組成物の本来の性質を損なわない範囲の量、すなわち本発明のエポキシ樹脂組成物100質量部に対して、50質量部以下が好ましい。
本発明の液状エポキシ樹脂組成物は、上記必須成分(A)ないし(C)と必要により任成分(D)を常法により混合して得られる。なお、本発明において「液状」とは25℃で液状であることを意味する。
以上のようにして得られる本発明の液状エポキシ樹脂組成物は、通常の熱硬化性エポキシ樹脂組成物または光硬化性エポキシ樹脂組成物の場合と同様に、加熱または活性エネルギー線の照射により硬化させることができる。硬化条件は特に限定されないが、熱硬化の場合、温度60〜250℃、好ましくは80〜200℃の範囲で、1〜24時間程度加熱して硬化することができる。成分(C)として活性エネルギー線硬化触媒を用いる場合は、紫外線、可視光、電子線等を照射し、室温〜150℃の範囲で硬化することもできる。
以下に、実施例、合成例、試験例及び比較例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例等によって何ら制限されるものではない。なお、例中の部は特に断りのない限り質量部を意味する。
合 成 例 1
4−ビニルオキシブタノールグリシジルエーテルの合成:
凝縮器及び水分分離器を備えた300mlの攪拌式ガラス製反応器に、4−ビニルオキシブタノール(別名:1,4−ブタンジオールモノビニルエーテル)51.8g(0.5mol)、エピクロルヒドリン92.5g、粒状水酸化ナトリウム20g及びテトラメチルアンモニウムクロライド1.2gを仕込み、激しく攪拌しながら反応温度75〜80℃、20〜25kPaの減圧下で、1.5時間反応を行った。反応中に生成する水は、エピクロルヒドリンと共沸させ、その蒸気を凝縮し、分離機にてエピクロルヒドリンは系内に循環させ、水のみ系外ヘ除去した。留去した水の量は9gでほぼ理論量であった。反応混合物を30℃まで冷却後、ろ過して沈殿物を除去した。沈殿物をエピクロルヒドリン50gで洗浄し、ろ液と合わせた。このろ過液を減圧下で蒸留し、エピクロルヒドリンを留去し、回収した。残存オイルを25℃まで冷却後、沈殿物をろ過により除去し、得られた油性生成物を高真空下で蒸留し、4−ビニルオキシブタノールグリシジルエーテル(以下、「14BD−VGE」と記す)76.5gを得た(塔頂75−80℃/0.1kPa、収率89%、ガスクロ法による純度99.5%)。
合 成 例 2
4−(ビニルオキシメチル)−シクロヘキシルメタノールグリシジルエーテル
の合成:
凝縮器及び水分分離器を備えた300mlの攪拌式ガラス製反応器に、4−(ビニルオキシメチル)シクロヘキシルメタノール(別名:1,4−シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル)102.2g(0.6mol)、エピクロルヒドリン100g、粒状水酸化ナトリウム37.5g及びベンジルトリメチルアンモニウムクロライド0.1gを仕込み、反応器を冷却して温度を40℃に保ちながら激しく撹拌させて10時間反応を行った。次に、シクロヘキサン100gを添加し、反応混合物をろ過して沈殿物を除去し、ろ液中に残存するアルカリ成分を水洗を繰り返して除去して油状生成物を得た。油状生成物からシクロヘキサンと未反応のエピクロルヒドリンを回収した後、高真空下で蒸留し、4−(ビニルオキシメチル)シクロヘキシルメタノールグリシジルエーテル(以下、「CHDM−VGE」と記す)112.7gを得た(塔頂140−145℃/0.4kPa、収率83%、ガスクロ法による純度99%)。
実 施 例 1
合成例1で得られた14BD−VGE10部、水素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂(以下、「HBPA−DGE」と記す;丸善石油化学株式会社製、商品名「水素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル」、エポキシ等量200)100部、1−メチルシクロヘキサン‐1,2−ジカルボン酸無水物71部及び2−エチル‐4−メチルイミダゾール1部を混合して液状エポキシ樹脂組成物を調製した。
実 施 例 2
14BD−VGEを合成例2で得られた4−ビニルオキシブタノールグリシジルエーテル(CHDM−VGE)に変更する以外は、実施例1と同様にして液状エポキシ樹脂組成物を調製した。
実 施 例 3
14BD−VGE10部をCHDM−VGE20部に変更する以外は、実施例1と同様にして液状エポキシ樹脂組成物を調製した。
比 較 例 1
14BD−VGEを使用しない以外は、実施例1と同様にして液状エポキシ樹脂組成物を調製した。
比 較 例 2
14BD−VGE10部を1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル(14BD−DGE)20部に変更する以外は、実施例1と同様にして液状エポキシ樹脂組成物を調製した。
比 較 例 3
14BD−VGE10部を1,4−シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル(CHDM−DGE)20部に変更する以外は、実施例1と同様にして液状エポキシ樹脂組成物を調製した。
試 験 例 1
実施例1〜2および比較例1〜3で得られた液状エポキシ樹脂組成物の特性評価を以下の方法により行った。この結果を組成と合わせて表1に示す。
( 評価方法 )
< 粘 度 >
粘度計(株式会社エー・アンド・デイ社製、SV−10型)を用い、23℃にて測定した。
< ゲルタイム >
約0.5gのエポキシ樹脂組成物を120℃(または150℃)に加熱した熱板上に置き、スパチュラーの先端でかき混ぜながら樹脂組成物の状態を観察した。組成物を熱板上に置いてから、樹脂がゲル化して粘着性が無くなるまでの時間を計測し、ゲルタイムとした。
< ガラス転移温度 >
調製したエポキシ樹脂組成物をアルミカップに入れ、熱風乾燥機にて100℃で3時間、150℃で4時間硬化させ、硬化物を得た。硬化物の破片を用いて示差走査熱量法(DSC法)にてガラス転移温度を測定した。窒素中、昇温速度20℃/min、150℃まで昇温を行った。
( 結 果 )
Figure 2008035515
表1から、硬化剤として酸無水物系硬化剤を配合した場合、比較例1の反応性希釈剤なしと比較して、実施例1〜3のα−ビニル−ω−グリシジルエーテル(成分(B))を配合したものは、エポキシ樹脂組成物の粘度を低下させる性能及び硬化速度に優れており、特に実施例1の4−ビニルオキシブタノールグリシジルエーテルは、少量で高い粘度低下効果を示した。また、比較例2及び3のジグリシジルエーテルを配合した場合に比べ、実施例1〜3のα−ビニル−ω−グリシジルエーテルを配合したものは、希釈効果、硬化速度及び耐熱性に優れるものであった。
実 施 例 4
合成例1で得られた14BD−VGE10部、HBPA−DGE90部及び熱カチオン重合開始剤としてアデカオプトンCP−66(株式会社ADEKA社製、商品名)1部を混合して液状エポキシ樹脂組成物を調製した。
実 施 例 5
14BD−VGEをCHDM−VGEに変更する以外は、実施例4と同様にして液状エポキシ樹脂組成物を調製した。
実 施 例 6
14BD−VGE10部を、CHDM−VGE20部に代え、HBPA−DGEを90部から80部に代える以外は実施例4と同様にして液状エポキシ樹脂組成物を調製した。
比 較 例 4
14BD−VGEを使用しない以外は、実施例4と同様にして液状エポキシ樹脂組成物を調製した。
比 較 例 5
14BD−VGE10部を14BD−DGE20部に代え、HBPA−DGEを90部から80部に代える以外は実施例4と同様にして液状エポキシ樹脂組成物を調製した。
比 較 例 6
14BD−VGE10部をCHDM−DGE20部に代え、HBPA−DGEを90部から80部に代える以外は実施例4と同様にして液状エポキシ樹脂組成物を調製した。
試 験 例 2
実施例4〜6および比較例4〜6で得たエポキシ樹脂組成物について、吸水率を下記方法で測定した。また、試験例1と同様にして組成物特性及び硬化物特性を評価した(但し、ゲルタイムの測定温度は150℃とした)。この結果を組成と合わせ、表2に示す。
( 評価方法 )
< 吸水率 >
調製したエポキシ樹脂組成物をアルミカップに入れ、熱風乾燥機にて100℃で3時間、120℃で4時間硬化させ、硬化物を得た。これを一辺30mmの正方形で、厚さ1mmとになるよう機械加工を施し、試験片を作製した。この試験片を用いてJISK7209に準じて吸水率を測定した。
( 結 果 )
Figure 2008035515
表2から、成分(C)の硬化剤としてカチオン重合開始剤を配合した場合において、成分(B)としてα−ビニル−ω−グリシジルエーテルを配合した実施例4〜6のものは、比較例4の反応性希釈剤なしと比較して、エポキシ樹脂組成物の低粘度性、硬化速度及び低吸水性に優れており、特に実施例4の4−ビニルオキシブタノールグリシジルエーテルは、少量で高い低粘度効果を示した。また、実施例5及び6の4−(ビニルオキシメチル)シクロヘキシルメタノールグリシジルエーテルは、低吸水性に優れるものであった。更に、実施例4〜6のα−ビニル−ω−グリシジルエーテルを配合したものは、比較例5及び6のジグリシジルエーテルを配合した場合に比べ、高いガラス転移温度を示し、硬化速度及び耐熱性に優れているものであった。
実 施 例 7
合成例2で得られたCHDM−VGE20部、HBPA−DGE100部、1−メチルシクロヘキサン‐1,2−ジカルボン酸無水物71部及び2−エチル‐4−メチルイミダゾール1部と、光カチオン重合開始剤であるIRGACURE 250(商品名、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)1部を混合して光硬化性液状エポキシ樹脂組成物を調製した。
得られた光硬化性エポキシ樹脂組成物をアプリケーター(YOSHIMITSU(株)製、YA−2型)を用いて厚さ50μmとなるようアルミ板に塗布し、DeepUVランプを備えた紫外線照射装置(ウシオ電機株式会社製、商品名「スポットキュアSP−7」)を用いて4mW/cmで180秒間紫外線を照射した。次いで、熱風乾燥機にて120℃で30分ポストキュアを行い硬化物を得た。得られた硬化物のガラス転移温度を、実施例1と同様にDSC法にて測定したところ、77℃であった。
実 施 例 8
合成例2で得られたCHDM−VGE20部と、エポキシ樹脂としてHBPA−DGE80部及び光カチオン重合開始剤としてIRGACURE250 0.46mol%とを混合して光硬化性液状エポキシ樹脂組成物を調製した。
実 施 例 9
CHDM−VGEを40部、HBPA−DGEを60部とする以外は、実施例8と同様にして光硬化性液状エポキシ樹脂組成物を調製した。
実 施 例 10
CHDM−VGEを50部、HBPA−DGEを50部とする以外は、実施例8と同様にして光硬化性液状エポキシ樹脂組成物を調製した。
比 較 例 7
HBPA−DGEを100部とし、CHDM−VGEを使用しない以外は、実施例8と同様にして光硬化性液状エポキシ樹脂組成物を調製した。
試 験 例 3
上記実施例8〜10および比較例7で得られた光硬化性エポキシ樹脂組成物0.1gをアルミ板に塗布し、DeepUVランプを備えた紫外線照射装置(ウシオ電機株式会社製、商品名「スポットキュアSP−7」)を用いて2.5mW/cmで紫外線を照射し、樹脂が硬化するまでの時間を計測して、ゲルタイムとした。結果を表3に示す。
( 結 果 )
Figure 2008035515
実 施 例 11
合成例2で得られたCHDM−VGE20部と、エポキシ樹脂としてセロキサイド2081(商品名、ダイセル化学工業(株)製)80部及び光カチオン重合開始剤としてIRGACURE250 0.46mol%とを混合して光硬化性液状エポキシ樹脂組成物を調製した。
実 施 例 12
CHDM−VGEを40部、セロキサイド2081を60部とする以外は、実施例11と同様にして光硬化性液状エポキシ樹脂組成物を調製した。
実 施 例 13
CHDM−VGEを50部、セロキサイド2081を50部とする以外は、実施例11と同様にして光硬化性液状エポキシ樹脂組成物を調製した。
比 較 例 8
セロキサイド2081を100部とし、CHDM−VGEを使用しない以外は、実施例11と同様にして光硬化性液状エポキシ樹脂組成物を調製した。
試 験 例 4
実施例11〜13および比較例8で得られた光硬化性液状エポキシ樹脂組成物について試験例3と同様にしてゲルタイムを計測した。この結果を表4に示す。
( 結 果 )
Figure 2008035515
表3及び表4から、反応希釈剤としてCHDM−VGEを配合したものは、反応希釈剤なしの場合と比較して硬化速度が速くなり、硬化促進剤として有用であることがわかる。
実 施 例 14
合成例2で得られたCHDM−VGE20部と、エポキシ樹脂としてHBPA−DGE80部、光カチオン重合開始剤としてIRGACURE250 3部及びシリコーン系表面調整剤としてディスパロン1761(商品名、楠木化成(株))1部を混合して光硬化性液状エポキシ樹脂組成物を調製した。
実 施 例 15
CHDM−VGEを40部、HBPA−DGEを60部とする以外は、実施例14と同様にして光硬化性液状エポキシ樹脂組成物を調製した。
実 施 例 16
CHDM−VGEを50部、HBPA−DGEを50部とする以外は、実施例14と同様にして光硬化性液状エポキシ樹脂組成物を調製した。
実 施 例 17
HBPA−DGEをセロキサイド2081に代える以外は、実施例14と同様にして光硬化性液状エポキシ樹脂組成物を調製した
比 較 例 9
HBPA−DGEを100部とし、CHDM−VGEを使用しない以外は、実施例14と同様にして光硬化性液状エポキシ樹脂組成物を調製した。
試 験 例 5
実施例15〜17および比較例9で得られた光硬化性エポキシ樹脂組成物をアプリケーター(YOSHIMITSU(株)製、YA−2型)を用いて厚さ50μmとなるよう軟鋼板に塗布し、高圧水銀ランプを備えた紫外線照射装置(セン特殊光源(株)製、商品名「ハンディキュアラブ」)を用いて10.6mW/cmで30秒間紫外線を照射した。次いで、熱風乾燥機にて150℃で30分ポストキュアを行い塗膜硬化物を得た。得られた塗膜硬化物の特性評価を以下の方法により行った。結果を表5に示す。
( 評価方法 )
< 膜 厚 >
膜厚計(株式会社ケツト科学研究所製、LZ900J)を用いて測定した。
< 外 観 >
目視により表面状態を観測し、着色、しわ、割れの有無を確認した。
< 密着性 >
JISK5400方法に準じて碁盤目剥離試験を行った。100マスのうち剥離せずに残存したマスの数を示した。
< 鉛筆硬度 >
JISK5400に準じて評価を行った。
( 結 果 )
Figure 2008035515
表5より、反応希釈剤としてCHDM−VGEを配合したものは、反応希釈剤なしの場合と比較して塗膜の硬度が向上することがわかる。
比 較 例 10
HBPA−DGE80部をセロキサイド2081、100部とし、CHDM−VGEを使用しない以外は、実施例14と同様にして光硬化性液状エポキシ樹脂組成物を調製した。
試 験 例 6
実施例14、実施例17、比較例9および比較例10で得た光硬化性液状エポキシ樹脂組成物をアプリケーター(YOSHIMITSU(株)製、YA−2型)を用いて厚さ50μmとなるようPETフィルムに塗布した。次いで高圧水銀ランプを備えた紫外線照射装置(セン特殊光源(株)製、商品名「ハンディキュアラブ」)を用いて10.6mW/cmで30秒間紫外線を照射して塗膜硬化物を得た。得られた塗膜硬化物の特性評価を試験例5と同様に行った。この結果を組成と共に表6に示す。
( 結 果 )
Figure 2008035515
表6より、反応希釈剤としてCHDM−VGEを配合したものは、反応希釈剤なしの場合と比較して、塗膜の硬度が向上すると共に、外観が平坦で塗膜の収縮によるしわの発生が無く、寸法安定性に優れていることがわかる。
以上の各実施例および試験例より、本発明の液状エポキシ樹脂組成物は、粘度が低く作業性に優れ、硬化速度が速く、得られた硬化物は物性値の低下が少なく、優れた耐熱性及び低吸水性を示すものであることが明らかになった。また、本発明の液状エポキシ樹脂組成物は、実施例7〜17に示したように、活性エネルギー線照射によっても硬化可能であり、密着性、硬度及び表面状態に優れた塗膜硬化物が得られる。
本発明の液状エポキシ樹脂組成物は硬化速度が速く、低粘度で注型、塗布、含浸等の作業性に優れ、無機充填剤、導電性充填剤等の充填剤を多量に配合しても液状を保つことができ、更に、主剤となるエポキシ樹脂の物性を損なうことなく硬化物を得ることができるものである。
したがって本発明の液状エポキシ樹脂組成物を硬化して得られる硬化物は、成形材料、封止材料、電気絶縁材料、接着剤、塗料、インクジェットプリンタ用インク等の用途に好適に使用することができる。

Claims (7)

  1. 次の成分(A)、(B)および(C)
    (A)エポキシ樹脂
    (B)下記一般式(1)
    CH=CH−O−X−O−G (1)
    (式中、Xは炭素数2〜12の2価の直鎖または分岐鎖アルキレン基またはシクロ
    へキシレン基を含む脂環式アルキレン基を表し、Gはグリシジル基を表す)
    で示されるα−ビニルオキシ−ω−グリシジルエーテル化合物
    (C)硬化剤
    を含有することを特徴とする液状エポキシ樹脂組成物。
  2. 成分(A)が、芳香族エポキシ樹脂および/または脂環式エポキシ樹脂である請求項1記載の液状エポキシ樹脂組成物。
  3. 成分(A)が、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、水素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂および水素化ビスフェノールF型エポキシ樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種のエポキシ樹脂である請求項1または2記載の液状エポキシ樹脂組成物。
  4. 成分(A)が、少なくとも1個のエポキシシクロヘキシル基を含む脂環式エポキシドである請求項1または2記載の液状エポキシ樹脂組成物。
  5. 成分(B)が、4−ビニルオキシブタノールグリシジルエーテルまたは4−(ビニルオキシメチル)−シクロヘキシルメタノールグリシジルエーテルである請求項1〜4の何れかに記載の液状エポキシ樹脂組成物。
  6. 100質量部の成分(A)に対して、成分(B)を1〜150質量部含有する請求項1〜5の何れかに記載の液状エポキシ樹脂組成物。
  7. 請求項1〜6の何れかに記載の液状エポキシ樹脂組成物を硬化して得られるエポキシ樹脂硬化物。
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