JP6644659B2 - エポキシ化合物、硬化性組成物、硬化物、エポキシ化合物の製造方法および反応性希釈剤 - Google Patents

エポキシ化合物、硬化性組成物、硬化物、エポキシ化合物の製造方法および反応性希釈剤 Download PDF

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Description

本発明は、エポキシ化合物、硬化性組成物、硬化物、エポキシ化合物の製造方法および反応性希釈剤に関する。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂等のエポキシ化合物を含んでなる代表的な液状硬化性組成物は、粘度が高く、その取り扱い性には問題があった。液状硬化性組成物の低粘度化を目的として、硬化性組成物に溶剤を含有させることが行われているが、この方法では、硬化性組成物の硬化の際に溶剤が放出されてしまい、環境に悪影響を与えてしまうという問題があった。
このような問題に鑑み、ブチルグリシジルエーテルや1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサン等のエポキシ化合物等を、反応性希釈剤として、液状硬化性組成物に含有させることが行われている。
しかしながら、このようなエポキシ化合物を用いる方法では、硬化性組成物の粘度を十分に低下させることができない、硬化性組成物の耐熱性を過度に低下させてしまう、硬化性組成物を硬化させた際の重量減少率を増加させてしまう等の問題があった。
一方、耐熱性、耐候性等の優れた硬化性組成物として脂環式エポキシ化合物の実用化が進んでいる。ここで、引用文献1(特開昭49−126658号公報)には、特定のナフタレンタイプの骨格を持つ脂環式ジオレフィン化合物から製造された脂環式ジエポキシ化合物が開示されているが、これらの脂環式ジエポキシ化合物は針状結晶であり、固体であるため、液状硬化性組成物に用いることには適していない。
特開昭49−126658号公報
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、硬化性組成物に含有させたとき、硬化性組成物の耐熱性の低下およびこの硬化性組成物を硬化させた際の重量減少を防止しつつ、硬化性組成物の粘度を低下させることができるモノエポキシ化合物の提供をその目的とするものである。
すなわち、本発明は以下の発明を包含する。
(1)下記式(1):
(式中、 乃至R それぞれ独立して、水素、アルキル基およびアルコキシ基からなる群より選択される。)
で表される、モノエポキシ化合物。
(2)(1)に記載のモノエポキシ化合物、該モノエポキシ化合物と異なるその他のエポキシ化合物、および硬化剤またはカチオン重合開始剤を含んでなる、硬化性組成物。
(3)前記硬化性組成物における、前記(1)に記載のモノエポキシ化合物と、該モノエポキシ化合物と異なるその他のエポキシ化合物との含有量比が、質量基準で、1:99〜75:25である、(2)に記載の硬化性組成物。
(4)前記硬化剤が、フェノール化合物、アミン化合物、酸無水物系化合物およびアミド化合物からなる群より選択される1以上の硬化剤である、(2)または(3)に記載の硬化性組成物。
(5)前記モノエポキシ化合物と異なるその他のエポキシ化合物が、エポキシ樹脂である、(2)〜(4)のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
(6)前記モノエポキシ化合物と異なるその他のエポキシ化合物が、グリシジルエーテル型エポキシド、グリシジルエステル型エポキシド、および脂環式エポキシドからなる群から選択される、(2)〜(4)のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
(7)前記カチオン重合開始剤が、芳香族スルホニウム塩系のカチオン重合開始剤、芳香族ヨードニウム塩系のカチオン重合開始剤、およびアルミニウム錯体系のカチオン重合開始剤からなる群から選択される、(2)〜(4)のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
(8)(2)〜(7)のいずれか一項に記載の硬化性組成物の硬化物。
(9)(1)に記載のモノエポキシ化合物の製造方法であって、
下記式(2):
(式中、 乃至R それぞれ独立して、水素、アルキル基およびアルコキシ基からなる群より選択される。)
で表される化合物と、過酸とを反応させる工程を含んでなり、
前記過酸の使用量が、前記式(2)で表される化合物1.00モルに対して、0.10〜1.80モルであることを特徴とする、方法。
(10)前記過酸が、過酸化水素または有機過酸である、(9)に記載の方法。
(11)(2)〜(7)のいずれか一項に記載の硬化性組成物を硬化させる工程を含む、硬化物の製造方法。
(12)(1)に記載のモノエポキシ化合物を少なくとも含む、反応性希釈剤。
本発明によれば、硬化性組成物に含有させたとき、硬化性組成物の耐熱性の低下およびこの硬化性組成物を硬化させた際の重量減少を防止しつつ、硬化性組成物の粘度を低下させることができるモノエポキシ化合物を提供することができる。
図1は、実施例1−1で合成したモノエポキシ化合物(A)の13C−NMRチャートを表す。
1.定義
本明細書において、配合を示す「部」、「%」等は特に断らない限り質量基準である。
本明細書において、エポキシ当量とは、1当量のエポキシ基を含むモノエポキシ化合物の質量で定義され、JIS K7236に準じて測定することができる。
2.モノエポキシ化合物
(1)モノエポキシ化合物
本発明のモノエポキシ化合物は、下記式(1)で表されるモノエポキシ化合物である。
(式中、R乃至Rはそれぞれ独立して、水素、アルキル基およびアルコキシ基からなる群より選択される。)
本発明のモノエポキシ化合物は、上記式(1)中、R乃至Rはそれぞれ独立して、水素、アルキル基およびアルコキシ基からなる群より選択されるが、該アルキル基が有する炭素数は、1〜10であることが好ましく、1〜5であることがより好ましい。また、直鎖状のアルキル基であっても、分岐鎖状のアルキル基であってもよい。該アルコキシ基が有する炭素数は、1〜10であることが好ましく、1〜5であることがより好ましい。特に好ましくはR乃至Rは水素である。
上記式(1)で表される本発明のモノエポキシ化合物は、エポキシ当量が、110〜1000g/eqであることが好ましく、150〜500g/eqであることがより好ましく、160〜300g/eqであることがさらに好ましい。
(2)モノエポキシ化合物の製造方法
上記式(1)を満たす本発明のモノエポキシ化合物は、下記式(2)で表される化合物と、過酸と、を反応させる工程を含んでなる方法により得ることができる。
本発明のモノエポキシ化合物の製造方法は、好ましくは、下記式(2)で表される化合物と、過酸とを反応させる工程を含んでなり、過酸の使用量が、下記式(2)で表される化合物1.00モルに対して、0.10〜1.80モルであることを特徴とする。
本発明のモノエポキシ化合物の製造にあたっては、上述の製造方法で得られたモノエポキシ化合物の純度が低い場合は、蒸留やカラムにより精製を行うことが好ましい。
本発明のモノエポキシ化合物の製造に使用することのできる過酸としては、例えば、過ギ酸、過酢酸、過安息香酸、トリフルオロ過酢酸等の有機過酸や過酸化水素等が挙げられる。これらの中でも、過ギ酸、過酢酸や過酸化水素は、工業的に安価に入手可能であり、かつ安定性が高いため好ましい。
本発明のモノエポキシ化合物の製造における過酸の使用量は、上記式(2)で表される化合物1.00モルに対して、0.10〜1.80モルであることが好ましく、0.50〜1.50モルであることがさらに好ましい。
上記式(2)を満たす化合物は、5−ビニル−2−ノルボルネン(VNB)と、1,3−ブタジエンとをディールズアルダー反応させることにより得ることができる。なお、VNBは、1,3−ブタジエンとシクロペンタジエンのディールズアルダー反応させることにより得ることができる。
(3)モノエポキシ化合物の有用性
本発明のモノエポキシ化合物は、硬化性組成物に含有させたとき、硬化性組成物の耐熱性の低下およびこの硬化性組成物を硬化させた際の重量減少を防止しつつ、硬化性組成物を可塑化あるいは低粘度化することができる。そのため、缶、プラスチック、紙、木材等の様々なコーティング、インク、接着剤、シーリング剤、電気・電子材料、炭素繊維強化樹脂等の分野において好適に使用することができる。
より具体的には、三次元造形材料、酸除去剤、家具コーティング、装飾コーティング、自動車下塗り、仕上げ塗り、飲料缶およびその他缶のコーティング、UV硬化型インク、光ディスク記録層の保護膜、カラーフィルター保護膜、光ディスク貼り合わせ用接着剤、光学材料用接着材、半導体素子のダイボンディング、有機ELディスプレイのシール材、CCD,赤外線センサー等の受光装置の封止材、LEDや有機EL等の発光装置の封止材、光配線板、光コネクタ、レンズ等の光学半導体関連部材、光導波路、フォトレジスト、強化ガラスや防犯ガラス等の複合ガラス等に好適に使用することができる。また、ポリマーを構成するモノマーや、シランカップリング剤前駆体としても有用である。
また、本発明のモノエポキシ化合物は、反応性希釈剤の構成成分として好適に用いることができる。
なお、本発明において、反応性希釈剤とは、エポキシ基を有する化合物を含むため、高い反応性を有するとともに、硬化性組成物の可塑化あるいは粘度調整(低下)することのできる添加剤である。
3.硬化性組成物
本発明の硬化性組成物は、上記式(1)で表されるモノエポキシ化合物、該モノエポキシ化合物と異なるその他のエポキシ化合物、および硬化剤またはカチオン重合開始剤を含んでなることを特徴とする。
本発明の硬化性組成物が上記式(1)で表されるモノエポキシ化合物を含んでなることにより、硬化性組成物の粘度を低下させることができる。また、硬化性組成物を硬化させた硬化物の耐熱性の低下およびこの硬化性組成物を硬化させた際に生じうる重量減少を抑制することができる。
(1)前記モノエポキシ化合物と異なるその他のエポキシ化合物
本発明の硬化性組成物に含まれるその他のエポキシ化合物としては、上記式(1)で表されるモノエポキシ化合物以外の化合物であって、分子中にエポキシ基を1個以上、好ましくは2個以上有する化合物であり、このような化合物であれば特に限定されるものではない。
本発明の硬化性組成物に含まれるその他のエポキシ化合物としては、例えば、グリシジルエーテル型エポキシド、グリシジルエステル型エポキシド、グリシジルアミン型エポキシドおよび脂環式エポキシド等が挙げられる。また、その他のエポキシ化合物は、グリシジルエーテル型エポキシド、グリシジルエステル型エポキシド、グリシジルアミン型エポキシドおよび脂環式エポキシド等が重合したエポキシ樹脂であってよい。
グリシジルエーテル型エポキシドとしては、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、テトラメチルビフェノールジグリシジルエーテル、水素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル等の二価フェノールのグリシジルエーテル、ジヒドロキシナフチルクレゾールトリグリシジルエーテル、トリス(ヒドロキシフェニル)メタントリグリシジルエーテル、テトラキス(ヒドロキシフェニル)エタンテトラグリシジルエーテル、ジナフチルトリオールトリグリシジルエーテル、フェノールノボラックグリシジルエーテル、クレゾールノボラックグリシジルエーテル、キシリレン骨格含有フェノールノボラックグリシジルエーテル、ジシクロペンタジエン骨格含有フェノールノボラックグリシジルエーテル、ビフェニル骨格含有フェノールノボラックグリシジルエーテル、テルペン骨格含有フェノールノボラックグリシジルエーテル、ビスフェノールAノボラックグリシジルエーテル、ビスフェノールFノボラックグリシジルエーテル、ビスフェノールSノボラックグリシジルエーテル、ビスフェノールAPノボラックグリシジルエーテル、ビスフェノールCノボラックグリシジルエーテル、ビスフェノールEノボラックグリシジルエーテル、ビスフェノールZノボラックグリシジルエーテル、ビフェノールノボラックグリシジルエーテル、テトラメチルビスフェノールAノボラックグリシジルエーテル、ジメチルビスフェノールAノボラックグリシジルエーテル、テトラメチルビスフェノールFノボラックグリシジルエーテル、ジメチルビスフェノールFノボラックグリシジルエーテル、テトラメチルビスフェノールSノボラックグリシジルエーテル、ジメチルビスフェノールSノボラックグリシジルエーテル、テトラメチル−4,4’−ビフェノールノボラックグリシジルエーテル、トリスヒドロキシフェニルメタンノボラックグリシジルエーテル、レゾルシノールノボラックグリシジルエーテル、ハイドロキノンノボラックグリシジルエーテル、ピロガロールノボラックグリシジルエーテル、ジイソプロピリデンノボラックグリシジルエーテル、1,1−ジ−4−ヒドロキシフェニルフルオレンノボラックグリシジルエーテル、フェノール化ポリブタジエンノボラックグリシジルエーテル、エチルフェノールノボラックグリシジルエーテル、ブチルフェノールノボラックグリシジルエーテル、オクチルフェノールノボラックグリシジルエーテル、ナフトールノボラックグリシジルエーテル、水素化フェノールノボラックグリシジルエーテル等の多価フェノールのグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、テトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメチロールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル等の二価アルコールのグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、ソルビトールヘキサグリシジルエーテル、ポリグリセリンポリグリシジルエーテル等の多価アルコールのグリシジルエーテル、トリグリシジルイソシアヌレート等が挙げられる。
グリシジルエステル型エポキシドとしては、グリシジルメタクリレート、フタル酸ジグリシジルエステル、イソフタル酸ジグリシジルエステル、テレフタル酸ジグリシジルエステル、シクロヘキサンジカルボン酸ジグリシジルエステル、トリメット酸トリグリシジルエステル等のカルボン酸のグリシジルエステルやグリシジルエステル型のポリエポキシド等が挙げられる。
グリシジルアミン型エポキシドとしては、N,N−ジグリシジルアニリン、N,N−ジグリシジルトルイジン、N,N,N’,N’−テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’−テトラグリシジルジアミノジフェニルスルホン、N,N,N’,N’−テトラグリシジルジエチルジフェニルメタン等のグリシジル芳香族アミン、ビス(N,N−ジグリシジルアミノシクロヘキシル)メタン(N,N,N’,N’−テトラグリシジルジアミノジフェニルメタンの水素化物)、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−1,3−(ビスアミノメチル)シクロヘキサン(N,N,N’,N’−テトラグリシジルキシリレンジアミンの水素化物)、トリスグリシジルメラミン、トリグリシジル−p−アミノフェノール、N−グリシジル−4−グリシジルオキシピロリドン等のグリシジル複素環式アミン等が挙げられる。
脂環式エポキシドとしては、ビニルシクロヘキセンジオキシド、リモネンジオキシド、ジシクロペンタジエンジオキシド、ビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル、エチレングリコールビスエポキシジシクロペンチルエーテル、3,4−エポキシ−6−メチルシクロへキシルメチル 3’,4’−エポキシ−6’−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシシクロへキシルメチル 3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−1−メチルシクロへキシル 3,4−エポキシ−1−メチルヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−3−メチルシクロへキシルメチル 3,4−エポキシ−3−メチルヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−5−メチルシクロへキシルメチル 3,4−エポキシ−5−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシシクロへキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−メタジオキサン、メチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサン)、(3,3’,4,4’−ジエポキシ)ビシクロヘキシル、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールの1,2−エポキシ−(2−オキシラニル)シクロヘキサン付加物、テトラヒドロインデンジエポキシド等が挙げられる。本発明の硬化性組成物は、上記したようなその他のエポキシ化合物を1または2種以上含んでいてもよい。
硬化物の耐熱性という観点からは、上記したその他のエポキシ化合物の含有量は、本発明の硬化性組成物に対して1〜99質量%であることが好ましく、5〜95質量%であることがより好ましい。
本発明の硬化性組成物において、モノエポキシ化合物と、該モノエポキシ化合物と異なるその他のエポキシ化合物との含有量比は、質量基準で、1:99〜75:25であることが好ましく、5:95〜50:50であることがより好ましい。
本発明の硬化性組成物の好ましい実施態様において、前記モノエポキシ化合物と異なるその他のエポキシ化合物はエポキシ樹脂である。
本発明の硬化性組成物のさらに好ましい実施態様において、前記モノエポキシ化合物と異なるその他のエポキシ化合物が、グリシジルエーテル型エポキシド、グリシジルエステル型エポキシド、および脂環式エポキシドからなる群から選択されることを特徴とする。
(2)硬化剤
本発明の硬化性組成物に含有させることのできる硬化剤としては、酸無水物系硬化剤、アミン系硬化剤、フェノール系硬化剤および潜在性硬化剤等が挙げられる。
酸無水物系硬化剤としては、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、メチルナジック酸無水物、メチルブテニルテトラヒドロ無水フタル酸、水素化メチルナジック酸無水物、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、シクロヘキサントリカルボン酸無水物、メチルシクロヘキセンジカルボン酸無水物、メチルシクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水コハク酸、ドデセニル無水コハク酸、オクテニルコハク酸無水物、無水ピロメリット酸、無水トリメリット酸、アルキルスチレン−無水マレイン酸共重合体、クロレンド酸無水物、ポリアゼライン酸無水物、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸、エチレングリコールビスアンヒドロトリメリテート、グリセロールトリストリメリテート、グリセリンビス(アンヒドロトリメリテート)モノアセテート、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ポリアジピン酸無水物、ポリセバシン酸無水物、ポリ(エチルオクタデカン二酸)無水物、ポリ(フェニルヘキサデカン二酸)無水物、ヘット酸無水物、ノルボルナン−2,3−ジカルボン酸無水物等が挙げられる。
アミン系硬化剤としては、ポリオキシエチレンジアミン、ポリオキシプロピレンジアミン、ポリオキシブチレンジアミン、ポリオキシペンチレンジアミン、ポリオキシエチレントリアミン、ポリオキシプロピレントリアミン、ポリオキシブチレントリアミン、ポリオキシペンチレントリアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、m−キシレンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、イソフォロンジアミン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ノルボルナンジアミン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、ジアミノジフェニルメタン、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルスルフォン、N−アミノエチルピペラジン等が挙げられる。
フェノール系硬化剤としては、キシリレン骨格含有フェノールノボラック樹脂、ジシクロペンタジエン骨格含有フェノールノボラック樹脂、ビフェニル骨格含有フェノールノボラック樹脂、フルオレン骨格含有フェノールノボラック樹脂、テルペン骨格含有フェノールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック、ビスフェノールFノボラック、ビスフェノールSノボラック、ビスフェノールAPノボラック、ビスフェノールCノボラック、ビスフェノールEノボラック、ビスフェノールZノボラック、ビフェノールノボラック、テトラメチルビスフェノールAノボラック、ジメチルビスフェノールAノボラック、テトラメチルビスフェノールFノボラック、ジメチルビスフェノールFノボラック、テトラメチルビスフェノールSノボラック、ジメチルビスフェノールSノボラック、テトラメチル−4,4’−ビフェノールノボラック、トリスヒドロキシフェニルメタンノボラック、レゾルシノールノボラック、ハイドロキノンノボラック、ピロガロールノボラック、ジイソプロピリデンノボラック、1,1−ジ−4−ヒドロキシフェニルフルオレンノボラック、フェノール化ポリブタジエンノボラック、フェノールノボラック、クレゾール類ノボラック、エチルフェノール類ノボラック、ブチルフェノール類ノボラック、オクチルフェノール類ノボラック、ナフトール類ノボラック等が挙げられる。
潜在性硬化剤としては、ジシアンジアミド、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、ドデカン二酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、ケチミン、イミダゾール化合物、ジヒドラジド化合物、アミンアダクト系潜在性硬化剤等が挙げられる。本発明の硬化性組成物は、上記したような硬化剤を1種または2種以上含んでいてもよい。
本発明の硬化性組成物の好ましい実施態様においては、硬化剤が、酸無水物系硬化剤、アミン系硬化剤、フェノール系硬化剤および潜在性硬化剤からなる群より選択される1以上の硬化剤である。
(3)カチオン重合開始剤
本発明の硬化性組成物に含有させることのできるカチオン重合開始剤としては、芳香族スルホニウム、芳香族ヨードニウム、芳香族ジアゾニウムおよびピリジニウムなどから選ばれる少なくとも1種のカチオンと、BF 、PF 、SbF 、AsF 、CFSO 、(CFSOおよびB(C から選ばれる少なくとも1種のアニオンとから構成されるオニウム塩、アルミニウム錯体等の熱カチオン重合開始剤が挙げられる。
芳香族スルホニウム塩系の熱カチオン重合開始剤としては、(2−エトキシ−1−メチル−2−オキソエチル)メチル−2−ナフタレニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−(メトキシカルボニルオキシ)フェニルベンジルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−アセトキシフェニルジメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−ヒドロキシフェニルベンジルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−ヒドロキシフェニル(o−メチルベンジル)メチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−ヒドロキシフェニル(α−ナフチルメチル)メチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ビス[4−(ジ(4−(2−ヒドロキシエトキシ))フェニルスルホニオ)フェニル]スルフィドビスヘキサフルオロアンチモネート、ビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィドビスヘキサフルオロアンチモネートなどのヘキサフルオロアンチモネート塩、(2−エトキシ−1−メチル−2−オキソエチル)メチル−2−ナフタレニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、4−アセトキシフェニルベンジルメチルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、4−ヒドロキシフェニル(o−メチルベンジル)メチルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、4−ヒドロキシフェニル(α−ナフチルメチル)メチルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、ビス[4−(ジ(4−(2−ヒドロキシエトキシ))フェニルスルホニオ)フェニル]スルフィドビスヘキサフルオロホスフェート、ビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィドビスヘキサフルオロホスフェートなどのヘキサフルオロホスフェート塩、4−ヒドロキシフェニル(o−メチルベンジル)メチルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、4−ヒドロキシフェニルベンジルメチルスルホニウムヘキサフルオロアルセネートなどのヘキサフルオロアルセネート塩、(2−エトキシ−1−メチル−2−オキソエチル)メチル−2−ナフタレニルスルホニウムテトラフルオロボレート、4−ヒドロキシフェニル(o−メチルベンジル)メチルスルホニウムテトラフルオロボレート、4−ヒドロキシフェニルベンジルメチルスルホニウムテトラフルオロボレート、ジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、トリフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、ビス[4−(ジ(4−(2−ヒドロキシエトキシ))フェニルスルホニオ)フェニル]スルフィドビステトラフルオロボレート、ビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィドビステトラフルオロボレートなどのテトラフルオロボレート塩、4−ヒドロキシフェニル(o−メチルベンジル)メチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホン酸塩、4−ヒドロキシフェニルベンジルメチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホン酸塩などのトリフルオロメタンスルホン酸塩、ジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホン酸塩などのトリフルオロメタンスルホン酸塩、4−ヒドロキシフェニル(α−ナフチルメチル)メチルスルホニウムビス(トリフルオロメタンスルホン)イミド、4−ヒドロキシフェニルベンジルメチルスルホニウムビス(トリフルオロメタンスルホン)イミドなどのビス(トリフルオロメタンスルホン)イミド塩、(2−エトキシ−1−メチル−2−オキソエチル)メチル−2−ナフタレニルスルホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4−(メトキシカルボニルオキシ)フェニルベンジルメチルスルホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4−ヒドロキシフェニル(o−メチルベンジル)メチルスルホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4−ヒドロキシフェニル(α−ナフチルメチル)メチルスルホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4−ヒドロキシフェニルベンジルメチルスルホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルスルホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ビス[4−(ジ(4−(2−ヒドロキシエトキシ))フェニルスルホニオ)フェニル]スルフィドテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィドテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどのテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート塩等が挙げられる。
芳香族ヨードニウム塩系の熱カチオン重合開始剤の具体例としては、フェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、ジフェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホン酸塩、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムテトラフルオロボレート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等が挙げられる。
芳香族ジアゾニウム塩系の熱カチオン重合開始剤の具体例としては、フェニルジアゾニウムヘキサフルオロホスフェート、フェニルジアゾニウムヘキサフルオロアンチモネート、フェニルジアゾニウムテトラフルオロボレートおよびフェニルジアゾニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等が挙げられる。
ピリジニウム塩系の熱カチオン重合開始剤の具体例としては、1−ベンジル−2−シアノピリジニウムヘキサフルオロホスフェート、1−ベンジル−2−シアノピリジニウムヘキサフルオロアンチモネート、1−ベンジル−2−シアノピリジニウムテトラフルオロボレート、1−ベンジル−2−シアノピリジニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、1−(ナフチルメチル)−2−シアノピリジニウムヘキサフルオロホスフェート、1−(ナフチルメチル)−2−シアノピリジニウムヘキサフルオロアンチモネート、1−(ナフチルメチル)−2−シアノピリジニウムテトラフルオロボレート、1−(ナフチルメチル)−2−シアノピリジニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等が挙げられる。
アルミニウム錯体系の熱カチオン重合開始剤としては、アルミニウムのカルボン酸塩、アルミニウムアルコキシド、塩化アルミニウム、アルミニウム(アルコキシド)アセト酢酸キレート、アセトアセトナトアルミニウム、エチルアセトアセタトアルミニウム等が挙げられる。
ホスホニウム塩系の熱カチオン重合開始剤としては、エチルトリフェニルホスホニウムヘキサフルオロアンチモネート、テトラブチルホスホニウムヘキサフルオロアンチモネート等が挙げられる。
4級アンモニウム塩系の熱カチオン重合開始剤としては、N,N−ジメチル−N−ベンジルアニリニウムヘキサフルオロアンチモネート、N,N−ジエチル−N−ベンジルアニリニウムテトラフルオロボレート、N,N−ジメチル−N−ベンジルピリジニウムヘキサフルオロアンチモネート、N,N−ジエチル−N−ベンジルピリジニウムトリフルオロメタンスルホン酸、N,N−ジメチル−N−(4−メトキシベンジル)ピリジニウムヘキサフルオロアンチモネート、N,N−ジエチル−N−(4−メトキシベンジル)ピリジニウムヘキサフルオロアンチモネート、N,N−ジエチル−N−(4−メトキシベンジル)トルイジニウムヘキサフルオロアンチモネート、N,N−ジメチル−N−(4−メトキシベンジル)トルイジニウムヘキサフルオロアンチモネート等が挙げられる。
本発明の硬化性組成物は、上記したようなカチオン重合開始剤を1種または2種以上含んでいてもよい。
本発明の硬化性組成物のさらに好ましい実施態様においては、前記カチオン重合開始剤が、芳香族スルホニウム塩系のカチオン重合開始剤、芳香族ヨードニウム塩系のカチオン重合開始剤、およびアルミニウム錯体系のカチオン重合開始剤からなる群から選択されることを特徴とする。
(4)硬化剤またはカチオン重合開始剤の含有量
本発明の硬化性組成物における硬化剤またはカチオン重合開始剤の含有量は、使用する硬化剤またはカチオン重合開始剤の種類に応じ適宜変更することが好ましい。
例えば、硬化剤として酸無水物系硬化剤、アミン系硬化剤またはフェノール系硬化剤を使用する場合、硬化性組成物全体のエポキシ基1当量に対して、0.5〜1.5当量であることが好ましく、0.8〜1.2当量であることがより好ましい。
硬化剤として潜在性硬化剤を使用する場合、硬化性組成物100質量部に対し、1〜30質量部であることが好ましく、5〜20質量部であることがより好ましい。
カチオン重合開始剤を使用する場合、硬化性組成物100質量部に対し、0.1〜15質量部であることが好ましく、0.3〜7質量部であることがより好ましい。
本発明の硬化性組成物における硬化促進剤の含有量は、硬化性組成物の総量100質量部に対し、0.1〜6質量部であることが好ましい。
(5)硬化促進剤
本発明の硬化性組成物は、硬化促進剤をさらに含んでいてもよい。硬化促進剤としては、例えば、トリフェニルホスフィン、トリフェニルベンジルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラブチルホスホニウムジエチルホスホロジチオエート、テトラフェニルホスホニウムブロマイド、テトラブチルホスホニウムアセテート、テトラ−n−ブチルホスホニウムブロマイド、テトラ−n−ブチルホスホニウムベンゾトリアゾレート、テトラ−n−ブチルホスホニウムテトラフルオロボレート、テトラ−n−ブチルホスホニウムテトラフェニルボレート、メチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、エチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、エチルトリフェニルホスホニウムアイオダイド、エチルトリフェニルホスホニウムアセテート、メチルトリ−n−ブチルホスホニウムジメチルホスフェート、n−ブチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、ベンジルトリフェニルホスホニウムクロライド、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート等のホスフィン類とその第四級塩、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール、2,4−ジアミノ−6−[2−メチルイミダゾリル−(1)]エチル−s−トリアジン、2−フェニルイミダゾリン、2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[1,2−a]ベンズイミダゾール等のイミダゾール類、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、ベンジルジメチルアミン、テトラブチルアンモニウムブロミド等の3級アミンとその第四級塩、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、1,5−ジアザビシクロ(4,3,0)ノネン−5等の超強塩基性の有機化合物、オクチル酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、オクチル酸錫等の有機カルボン酸金属塩、ベンゾイルアセトン亜鉛キレート、ジベンゾイルメタン亜鉛キレートおよびアセト酢酸エチル亜鉛キレート等の金属−有機キレート化合物、テトラ−n−ブチルスルホニウム−o,o−ジエチルホスホロジチオネート等が挙げられる。本発明の硬化性組成物は、上記したような硬化促進剤を1種または2種以上含んでいてもよい。
(6)反応性希釈剤
本発明の硬化性組成物は、低粘度化のために、反応性希釈剤をさらに含んでいてもよい。反応性希釈剤としては、例えば、実施例1に記載された方法で調製されたモノエポキシ化合物(A)、ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、C12−13混合アルコールのグリシジルエーテル、1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサン等が挙げられる。硬化性組成物は、上記したような反応性希釈剤を1種または2種以上含んでいてもよい。反応性希釈剤の混合比率は、反応性希釈剤を含む硬化性組成物が所望の粘度となるように、適宜調整すればよい。
(7)オキセタン化合物
本発明の硬化性組成物は、オキセタン化合物をさらに含んでいてもよい。オキセタン化合物としては、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン、ジ[(3−エチル−3−オキセタニル)メチル]エーテル、3−エチル−3−(2−エチルヘキシルオキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−(シクロヘキシルオキシメチル)オキセタン、フェノールノボラックオキセタン、1,3−ビス[(3−エチルオキセタン−3−イル)]メトキシベンゼン、オキセタニルシルセスキオキサン、オキセタニルシリケート、ビス[1−エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテル、4,4’−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシメチル]ビフェニル、4,4’−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ビフェニル、エチレングリコール(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)ジフェノエート、トリメチロールプロパンプロパントリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタエリスリトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、フェノールノボラック型オキセタン等が挙げられる。本発明の硬化性組成物は、上記したようなオキセタン化合物を1種または2種以上含んでいてもよい。
硬化物の耐熱性という観点からは、硬化性組成物におけるオキセタン化合物の含有量は、1〜90質量%であることが好ましく、5〜85質量%であることがより好ましい。
(8)ビニルエーテル化合物
本発明の硬化性組成物は、ビニルエーテル化合物をさらに含んでいてもよい。ビニルエーテル化合物としては、例えば、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテルなどの単官能ビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、シクロヘキサンジオールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、グリセロールトリビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル等の多官能ビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、シクロヘキサンジオールモノビニルエーテル、9−ヒドロキシノニルビニルエーテル、プロピレングリコールモノビニルエーテル、ネオペンチルグリコールモノビニルエーテル、グリセロールジビニルエーテル、グリセロールモノビニルエーテル、トリメチロールプロパンジビニルエーテル、トリメチロールプロパンモノビニルエーテル、ペンタエリスリトールモノビニルエーテル、ペンタエリスリトールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、トリエチレングリコールモノビニルエーテル、テトラエチレングリコールモノビニルエーテル、トリシクロデカンジオールモノビニルエーテル、トリシクロデカンジメタノールモノビニルエーテル等の水酸基を有するビニルエーテル化合物およびアクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル、メタクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル等の異種の官能基を有するビニルエーテル等が挙げられる。本発明の硬化性組成物は、上記したようなビニルエーテル化合物を1種または2種以上含んでいてもよい。
硬化物の耐熱性という観点からは、硬化性組成物におけるビニルエーテル化合物の含有量は、1〜90質量%であることが好ましく、5〜85質量%であることがより好ましい。
(9)水酸基を有する化合物
本発明の硬化性組成物は、水酸基を有する化合物をさらに含んでいてもよい。硬化性組成物が、水酸基を有する化合物を含むことにより、硬化反応を緩やかに進行させることができる。水酸基を有する化合物としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン等が挙げられる。本発明の硬化性組成物は、上記したような水酸基を有する化合物を1種または2種以上含んでいてもよい。
硬化物の耐熱性という観点から、本発明の硬化性組成物における水酸基を有する化合物の含有量は、0.1〜10質量%であることが好ましく、0.2〜8質量%であることがより好ましい。
(10)その他の構成成分
本発明の硬化性組成物は、溶剤をさらに含んでいてもよい。溶剤としては、例えば、メチルエチルケトン、酢酸エチル、トルエン、メタノールおよびエタノール等が挙げられる。
本発明の硬化性組成物は、その特性を損なわない範囲において、各種添加剤を含んでいてもよい。添加剤としては、例えば、充填剤、シランカップリング剤、離型剤、着色剤、難燃剤、酸化防止剤、光安定剤および可塑剤、消泡剤、光安定剤、顔料や染料等の着色剤、可塑剤、pH調整剤、着色防止剤、艶消し剤、消臭剤、耐候剤、帯電防止剤、糸摩擦低減剤、スリップ剤、イオン交換剤等が挙げられる。
(11)硬化性組成物の製造
本発明の硬化性組成物の製造においては、当業者に広く知られた技術常識に従い、硬化性組成物にさらに含有させる成分、および硬化性組成物の調製方法を適宜選択することができる。
4.硬化物とその製造方法
本発明の硬化物は、上述の本発明の硬化性組成物を硬化させることにより得られたものである。硬化性組成物の硬化の方法は特に限定されるものではないが、加熱または光照射により適宜行うことができる。
加熱により、硬化性組成物を硬化させる場合、多段階的に硬化性組成物を加熱することが好ましい。これにより、硬化反応を十分に進めることができる。例えば、60〜120℃で10〜150分の一次加熱と、130〜200℃で60〜300分の二次加熱とにより硬化反応を行うことができる。また、例えば、60〜100℃で10〜150分の一次加熱と、120〜160℃で10〜150分の二次加熱と、180〜250℃で10〜150分の三次加熱とにより硬化反応を行うことができる。
5.反応性希釈剤
本発明の反応性希釈剤は、上記式(1)で表されるモノエポキシ化合物を少なくとも含んでなる。
また、本発明の反応性希釈剤は、前記モノエポキシ化合物と異なるその他のエポキシ化合物と混合することができ、この場合、上記式(1)で表されるモノエポキシ化合物と、該モノエポキシ化合物と異なるその他のエポキシ化合物との混合量比は、質量基準で、1:99〜75:25であることが好ましく、5:95〜50:50であることがより好ましい。
モノエポキシ化合物と、その他のエポキシ化合物の混合量比を上記数値範囲とすることにより、混合物の粘度をより一層低下させることができると共に、これを硬化させた硬化物の耐熱性をより向上させることができる。
以下、実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明がこれら実施例に限定されるものではない。
1.実施例1:モノエポキシ化合物(A)の合成
(1)モノエポキシ化合物(A)の合成(実施例1−1)
温度計、攪拌機、還流管、滴下装置を備えた反応容器に、下記式(3)で表されるジオレフィン化合物3132g、トルエン3132gおよび酢酸ナトリウムを投入し、−5℃で攪拌しながら38%過酢酸水溶液3783gを5時間かけて滴下した。そのまま−5℃で攪拌を継続し、17時間反応を行った。
次いで、10%亜硫酸ナトリウム水溶液を用いて中和処理を行った後、分液操作を行った。圧力2hPa、塔底温度130〜140℃で蒸留を行い、無色透明の液体2109gを得た。
得られた液体は、図1で示す13C NMRスペクトルおよびLC−MSによる精密質量測定において、理論構造に相当する[M+H]=191.1439が得られたことから、上記式(1)を満たす目的のモノエポキシ化合物(A)であることを確認した。
なお、13C NMRスペクトルから、式(4)、式(5)で表される立体異性体がそれぞれ75:25の混合物であることが確認された。モノエポキシ化合物(A)の粘度をE型粘度計を用いて測定したところ、11.0mPa・sであった。
(2)モノエポキシ化合物(A)の合成(実施例1−2)
ねじ口試験管に、アパタイト0.25gおよび(CetylPy)(NH)[H1242]を0.17gを秤取り、よく混合した。これらの混合物に、下記式(3)で表されるジオレフィン化合物1.21g、35%過酸化水素水1.05g、トルエン0.20gを加えた。20℃で6時間攪拌した後、反応混合物にトルエン10mLを加えてろ過を行い、酢酸エチル100mLを用いてろ液の分液抽出操作を行った。有機層を純水30mL、飽和食塩水30mLで洗浄した。硫酸マグネシウムによって脱水操作を行った後、ロータリーエバポレーターで溶媒を留去した。カラムクロマトグラフィーで精製を行い、上記式(1)を満たす目的のモノエポキシ化合物(A)0.54gを得た。
(3)モノエポキシ化合物(A)の合成(実施例1−3)
温度計、攪拌機、還流管、滴下装置を備えた反応容器に、35%過酸化水素6.4g、HPW1240を0.36gを投入し、60℃で30分撹拌した。40℃で冷却した後、上記式(3)で表されるジオレフィン化合物80.11g、セチルピリジニウムクロリド0.13g、クロロホルム596gを加えた。その後、40℃で攪拌しながら35%過酸化水素44.84gを滴下した後、40℃で6時間反応を行なった。反応後、クロロホルム450gを用いて分液抽出操作を行った。有機層を10%チオ硫酸ナトリウム水溶液300mL、10%炭酸ナトリウム水溶液300mL、純水300mLで洗浄した。硫酸マグネシウムによって脱水操作を行った後、ロータリーエバポレーターで溶媒を留去した。圧力3hPa、塔底温度140〜160℃で蒸留を行い、上記式(1)で表される目的のモノエポキシ化合物(A)50.1gを得た。
(4)式(6)で表されるジエポキシ化合物の合成(比較例1−1)
温度計、攪拌機、還流管、滴下装置を備えた反応容器に、下記式(3)で表されるジオレフィン化合物8.5g、クロロホルム50mLを投入し、−5℃で攪拌しながら8%過安息香酸クロロホルム溶液130mLを5時間かけて滴下した。そのまま−5℃で攪拌を継続し、反応を行った。
次いで、5%水酸化ナトリウム水溶液を用いて中和処理を行った後、分液操作を行った。硫酸ナトリウムによって脱水操作を行った後、ロータリーエバポレーターで溶媒を留去した。圧力1hPaで蒸留を行い、無色の固体として下記式(6)で表されるジエポキシ化合物5.8gを得た。
2.実施例2:モノエポキシ化合物(A)を含む硬化性組成物の調製とその評価(その1:エポキシ化合物(B−1)および硬化剤との組合せ)
(1)実施例2−1硬化性組成物の作製
実施例1−1で得られたモノエポキシ化合物(A)を13質量部、エポキシ化合物(B−1)を100質量部、硬化剤を91質量部および硬化促進剤を2質量部配合し、硬化性組成物を作製した。
(2)比較例2−1〜2−4
硬化性組成物の組成を下記表1に示されるように変更した以外は、実施例2−1と同様にして硬化性組成物を作製した。
(3)物性評価
(硬化性組成物の粘度)
実施例および比較例において得られた硬化性組成物の粘度をE型粘度計を用いて測定した。なお、測定温度は、25℃とした。測定結果を表1にまとめた。
(硬化性組成物の硬化物の重量減少率)
実施例2−1および比較例2−1〜2−4において得られた硬化性組成物を、熱風循環オーブンにより、100℃2時間、160℃4時間加熱することにより硬化させ、硬化性組成物の硬化物を得た。重量減量率を以下のようにして算出し、表1にまとめた。
重量減少率(%)=(硬化性組成物の重量−硬化性組成物の硬化物の重量)/硬化性組成物の重量×100
(硬化性組成物の硬化物の耐熱性)
上記のようにして得た硬化物のガラス転移温度を、日立ハイテクサイエンス製示差走査熱量計DSC7020により、30〜300℃まで10℃/minで昇温して測定し、硬化物の耐熱性とした。なお、ここでいうガラス転移温度は、JIS K7121「プラスチックの転移温度測定法」に記載されているうち「中点ガラス転移温度:Tmg」に基づいて測定した。測定結果を表1にまとめた。
(総合評価)
上記実施例および比較例において得られた硬化性組成物の総合評価を以下の評価基準に従い、評価した。評価結果を表1にまとめた。
○:粘度300mPa・s未満、重量減少率5%未満かつ耐熱性140℃以上
△:粘度300mPa・s未満、重量減少率5%未満かつ耐熱性120℃以上140℃未満
×:粘度300mPa・s以上、重量減少率5%以上および/または耐熱性120℃未満であり、実用上問題があった。
3.実施例3:モノエポキシ化合物(A)を含む硬化性組成物の調製とその評価(その2:エポキシ化合物(B−2)および硬化剤との組合せ)
(1)実施例3−1
実施例1−1で得られたモノエポキシ化合物(A)を17質量部、エポキシ化合物(B−2)を100質量部、硬化剤を129質量部および硬化促進剤を2質量部を配合し、硬化性組成物を作製した。
(2)比較例3−1〜3−4
硬化性組成物の組成を下記表2に示されるように変更した以外は、実施例3−1と同様にして硬化性組成物を作製した。
(3)物性評価
(硬化性組成物の粘度)
実施例および比較例において得られた硬化性組成物の粘度を実施例2−1と同様にして測定した。測定結果を表2にまとめた。
(硬化性組成物の硬化物の重量減少率)
実施例3−1および比較例3−1〜3−4において得られた硬化性組成物を、熱風循環オーブンにより、100℃2時間、160℃2時間、220℃2時間加熱することにより硬化させ、硬化性組成物の硬化物を得た。重量減量率を実施例2−1と同様にして算出した。測定結果を表2にまとめた。
(硬化性組成物の硬化物の耐熱性)
上記のようにして得た硬化物の耐熱性を実施例2−1と同様にして測定した。測定結果を表2にまとめた。
(総合評価)
上記実施例および比較例において得られた硬化性組成物の総合評価を以下の評価基準に従い、評価した。評価結果を表2にまとめた。
○:粘度70mPa・s未満、重量減少率5%未満かつ耐熱性200℃以上
△:粘度70mPa・s未満、重量減少率5%未満かつ耐熱性180℃以上200℃未満×:粘度70mPa・s以上、重量減少率5%以上および/または耐熱性180℃未満であり実用上問題があった。
4.実施例4:モノエポキシ化合物(A)を含む硬化性組成物の調製とその評価(その3:エポキシ化合物(B−1)およびカチオン重合開始剤との組合せ)
(1)実施例4−1
実施例1−1で得られたモノエポキシ化合物(A)を40質量部、エポキシ化合物(B−1)を60質量部およびカチオン重合開始剤を1質量部を配合し、硬化性組成物を作製した。
(2)比較例4−1〜4−4
硬化性組成物の組成を下記表3に示されるように変更した以外は、実施例4−1と同様にして硬化性組成物を作製した。
(3)物性評価
(硬化性組成物の粘度)
実施例および比較例において得られた硬化性組成物の粘度を実施例2−1と同様にして測定した。測定結果を表3にまとめた。
(硬化性組成物の硬化物の重量減少率)
実施例4−1および比較例4−1〜4−4において得られた硬化性組成物を、熱風循環オーブンにより、80℃2時間、120℃2時間、180℃2時間加熱することにより硬化させ、硬化性組成物の硬化物を得た。重量減量率を実施例2−1と同様にして算出した。測定結果を表3にまとめた。
(硬化性組成物の硬化物の耐熱性)
上記のようにして得た硬化物の耐熱性を実施例2−1と同様にして測定した。測定結果を表3にまとめた。
(総合評価)
上記実施例および比較例において得られた硬化性組成物の総合評価を以下の評価基準に従い、評価した。評価結果を表2にまとめた。
○:粘度300mPa・s未満、重量減少率5%未満かつ耐熱性130℃以上
△:粘度300mPa・s未満、重量減少率5%未満かつ耐熱性110℃以上130℃未満
×:粘度300mPa・s以上、重量減少率5%以上および/または耐熱性110℃未満であり、実用上問題があった。
5.実施例5:モノエポキシ化合物(A)を含む硬化性組成物の調製とその評価(その4:エポキシ化合物(B−2)およびカチオン重合開始剤との組合せ)
(1)実施例5−1
実施例1−1で得られたモノエポキシ化合物(A)を50質量部、エポキシ化合物(B−2)を50質量部およびカチオン重合開始剤を1質量部配合し、硬化性組成物を作製した。
(2)比較例5−1〜5−4
硬化性組成物の組成を下記表4に示されるように変更した以外は、実施例5−1と同様にして硬化性組成物を作製した。
(3)物性評価
(硬化性組成物の粘度)
実施例および比較例において得られた硬化性組成物の粘度を実施例2−1と同様にして測定した。測定結果を表4にまとめた。
(硬化性組成物の硬化物の重量減少率)
実施例5−1および比較例5−1〜5−4において得られた硬化性組成物を、熱風循環オーブンにより、60℃2時間、80℃2時間、120℃1時間、150℃1時間、180℃1時間加熱することにより硬化させ、硬化性組成物の硬化物を得た。重量減量率を実施例2−1と同様にして算出した。測定結果を表4にまとめた。
(硬化性組成物の硬化物の耐熱性)
上記のようにして得た硬化物の耐熱性を実施例2−1と同様にして測定した。測定結果を表4にまとめた。
(総合評価)
上記実施例および比較例において得られた硬化性組成物の総合評価を以下の評価基準に従い、評価した。評価結果を表4にまとめた。
○:粘度70mPa・s未満、重量減少率5%未満かつ耐熱性150℃以上
△:粘度70mPa・s未満、重量減少率5%未満かつ耐熱性130℃以上150℃未満×:粘度70mPa・s以上、重量減少率5%以上および/または耐熱性130℃未満であり実用上問題があった。
6.実施例6:モノエポキシ化合物(A)を含む硬化性組成物の調製とその評価(その5:各種エポキシ化合物との組合せ)
(1)実施例6−1〜6−6および比較例6−1〜6−12
硬化性組成物の組成を、以下の成分を用いて表5〜7に示されるように変更した以外は、実施例2−1と同様にして、硬化性組成物を得た。
(i)エポキシ化合物(B−2)
3’,4’−エポキシシクロヘキシルメチル 3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ダイセル社製、商品名:セロキサイド2021Pを用いた。
(ii)エポキシ化合物(B−4)
フェノールノボラック型エポキシ樹脂、新日鉄住金化学社製、商品名:YDPN−638を用いた。
(iii)エポキシ化合物(B−6)
水素化ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂、三菱化学社製、商品名:YX8000を用いた。
(iv)エポキシ化合物(B−9)
シクロヘキサンジカルボン酸ジグリシジルエステル、東京化成工業社製試薬を用いた。
(v)エポキシ化合物(B−10)
ビニルシクロヘキセンジオキシド、シグマアルドリッチ社製試薬を用いた。
(vi)エポキシ化合物(B−11)
2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールの1,2−エポキシ−(2−オキシラニル)シクロヘキサン付加物、ダイセル社製、商品名:EHPE3150を用いた。
(vii)エポキシ化合物(B−12)
(3,3’,4,4’−ジエポキシ)ビシクロへキシル、ダイセル社製、商品名:セロキサイド8000を用いた。
(viii) モノエポキシ化合物(A)
実施例1−1で得られたモノエポキシ化合物(A)を用いた。
(ix)反応性希釈剤C−2
2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、四日市合成社製、商品名:エポゴーセー2EHを用いた。
(x) カチオン重合開始剤(E−2)
4−アセトキシフェニルジメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、三新化学工業社製、商品名:SI−150Lを用いた。
(2)物性評価
(硬化性組成物の粘度)
実施例および比較例において得られた硬化性組成物の粘度を実施例2−1と同様にして測定した。測定結果を表5〜7にまとめた。
(硬化性組成物の硬化物の重量減少率)
上記のようにして得られた硬化性組成物を、以下の条件で加熱し、硬化物を得た。
(a)実施例6−1
上記のようにして得られた硬化性組成物を、熱風循環オーブンにより、150℃1時間、180℃1時間、240℃2時間加熱することにより硬化させ、硬化性組成物の硬化物を得た。
(b)実施例6−2
上記のようにして得られた硬化性組成物を、熱風循環オーブンにより、120℃1時間、220℃2時間加熱することにより硬化させ、硬化性組成物の硬化物を得た。
(c)実施例6−3
上記のようにして得られた硬化性組成物を、熱風循環オーブンにより、150℃1時間、170℃1時間、210℃2時間加熱することにより硬化させ、硬化性組成物の硬化物を得た。
(d)実施例6−4
上記のようにして得られた硬化性組成物を、熱風循環オーブンにより、120℃1時間、220℃2時間加熱することにより硬化させ、硬化性組成物の硬化物を得た。
(e)実施例6−5
上記のようにして得られた硬化性組成物を、熱風循環オーブンにより、110℃1時間、170℃1時間、220℃2時間加熱することにより硬化させ、硬化性組成物の硬化物を得た。
(f)実施例6−6
上記のようにして得られた硬化性組成物を、熱風循環オーブンにより、110℃1時間、130℃1時間、220℃2時間加熱することにより硬化させ、硬化性組成物の硬化物を得た。
(a')比較例6−1
上記のようにして得られた硬化性組成物を、熱風循環オーブンにより、150℃1時間、180℃1時間、240℃2時間加熱することにより硬化させ、硬化性組成物の硬化物を得た。
(b')比較例6−2
上記のようにして得られた硬化性組成物を、熱風循環オーブンにより、150℃1時間、180℃1時間、240℃2時間加熱することにより硬化させ、硬化性組成物の硬化物を得た。
(c')比較例6−3
上記のようにして得られた硬化性組成物を、熱風循環オーブンにより、120℃1時間、220℃2時間加熱することにより硬化させ、硬化性組成物の硬化物を得た。
(d')比較例6−4
上記のようにして得られた硬化性組成物を、熱風循環オーブンにより、120℃1時間、220℃2時間加熱することにより硬化させ、硬化性組成物の硬化物を得た。
(e')比較例6−5
上記のようにして得られた硬化性組成物を、熱風循環オーブンにより、150℃1時間、170℃1時間、210℃2時間加熱することにより硬化させ、硬化性組成物の硬化物を得た。
(f')比較例6−6
上記のようにして得られた硬化性組成物を、熱風循環オーブンにより、150℃1時間、170℃1時間、210℃2時間加熱することにより硬化させ、硬化性組成物の硬化物を得た。
(g')比較例6−7
上記のようにして得られた硬化性組成物を、熱風循環オーブンにより、120℃1時間、220℃2時間加熱することにより硬化させ、硬化性組成物の硬化物を得た。
(h')比較例6−8
上記のようにして得られた硬化性組成物を、熱風循環オーブンにより、120℃1時間、220℃2時間加熱することにより硬化させ、硬化性組成物の硬化物を得た。
(i')比較例6−9
上記のようにして得られた硬化性組成物を、熱風循環オーブンにより、110℃1時間、170℃1時間、220℃2時間加熱することにより硬化させ、硬化性組成物の硬化物を得た。
(j')比較例6−10
上記のようにして得られた硬化性組成物を、熱風循環オーブンにより、110℃1時間、170℃1時間、220℃2時間加熱することにより硬化させ、硬化性組成物の硬化物を得た。
(k')比較例6−11
上記のようにして得られた硬化性組成物を、熱風循環オーブンにより、110℃1時間、130℃1時間、220℃2時間加熱することにより硬化させ、硬化性組成物の硬化物を得た。
(l')比較例6−12
上記のようにして得られた硬化性組成物を、熱風循環オーブンにより、110℃1時間、130℃1時間、220℃2時間加熱することにより硬化させ、硬化性組成物の硬化物を得た。
上記のようにして得た硬化物の重量減量率を実施例2−1と同様にして算出した。測定結果を表5〜7にまとめた。
(硬化性組成物の硬化物の耐熱性)
上記のようにして得た硬化物の耐熱性を実施例2−1と同様にして測定した。測定結果を表5〜7にまとめた。
(総合評価)
上記実施例6−1〜6−6および比較例6−1〜6−12において得られた硬化性組成物の総合評価を、表5〜7にまとめた粘度、重量減少率および耐熱性の測定結果と、各実験区の実施例とその対応する比較例に共通に設定した表5〜7に記載の粘度、重量減少率および耐熱性の基準値を用いて、以下の評価基準に従い総合評価を行った。評価結果を表5〜7にまとめた。
評価基準
粘度の評価:硬化性組成物の粘度の各測定結果が各表の各実験区ごとに記載された基準値以下の場合に粘度の評価基準を満たすものとする。
重量減少率の評価:硬化物の重量減少率の各測定結果が各表の各実験区ごとに記載された基準値以下の場合に重量減少率の評価基準を満たすものとする。
耐熱性の評価:硬化物の耐熱性の各測定結果が各表の各実験区ごとに記載された基準値以上の場合に耐熱性の評価基準を満たすものとする。
総合評価:上の3つの評価基準の全てを満たす場合に総合評価を○と評価する。
7.実施例7:モノエポキシ化合物(A)を含む硬化性組成物の調製とその評価(その6:各種オキセタン化合物との組合せ)
(1)実施例7−1〜7−4および比較例7−1〜7−8
硬化性組成物の組成を、以下の成分を用いて表8および9に示されるように変更した以外は、実施例2−1と同様にして、硬化性組成物を得た。
(i)エポキシ化合物(B−1)
ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂、新日鉄住金化学社製、商品名:YD−128を用いた。
(ii) モノエポキシ化合物(A)
実施例1−1で得られたモノエポキシ化合物(A)を用いた。
(iii)反応性希釈剤C−2
2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、四日市合成社製、商品名:エポゴーセー2EHを用いた。
(iv)オキセタン化合物(D−1)
1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、東亞合成社製、商品名:アロンオキセタンOXT−121を用いた。
(v)オキセタン化合物(D−2)
3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、東亞合成社製、商品名:アロンオキセタンOXT−101を用いた。
(vi)オキセタン化合物(D−3)
ジ[(3−エチル−3−オキセタニル)メチル]エーテル、東亞合成社製、商品名:アロンオキセタンOXT−221を用いた。
(vii)オキセタン化合物(D−4)
3−エチル−3−(2−エチルヘキシルオキシメチル)オキセタン、東亞合成社製、商品名:アロンオキセタンOXT−212を用いた。
(viii) カチオン重合開始剤(E−2)
4−アセトキシフェニルジメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、三新化学工業社製、商品名:SI−150Lを用いた。
(2)物性評価
(硬化性組成物の粘度)
実施例および比較例において得られた硬化性組成物の粘度を実施例2−1と同様にして測定した。測定結果を表8および9にまとめた。
(硬化性組成物の硬化物の重量減少率)
上記のようにして得られた硬化性組成物を、以下の条件で加熱し、硬化物を得た。
(a)実施例7−1
上記のようにして得られた硬化性組成物を、熱風循環オーブンにより、120℃1時間、140℃1時間、220℃2時間加熱することにより硬化させ、硬化性組成物の硬化物を得た。
(b)実施例7−2
上記のようにして得られた硬化性組成物を、熱風循環オーブンにより、110℃1時間、150℃1時間、220℃2時間加熱することにより硬化させ、硬化性組成物の硬化物を得た。
(c)実施例7−3
上記のようにして得られた硬化性組成物を、熱風循環オーブンにより、110℃1時間、130℃1時間、220℃2時間加熱することにより硬化させ、硬化性組成物の硬化物を得た。
(d)実施例7−4
上記のようにして得られた硬化性組成物を、熱風循環オーブンにより、120℃1時間、170℃1時間、220℃2時間加熱することにより硬化させ、硬化性組成物の硬化物を得た。
(a')比較例7−1
上記のようにして得られた硬化性組成物を、熱風循環オーブンにより、120℃1時間、140℃1時間、220℃2時間加熱することにより硬化させ、硬化性組成物の硬化物を得た。
(b')比較例7−2
上記のようにして得られた硬化性組成物を、熱風循環オーブンにより、120℃1時間、140℃1時間、220℃2時間加熱することにより硬化させ、硬化性組成物の硬化物を得た。
(c')比較例7−3
上記のようにして得られた硬化性組成物を、熱風循環オーブンにより、110℃1時間、150℃1時間、220℃2時間加熱することにより硬化させ、硬化性組成物の硬化物を得た。
(d')比較例7−4
上記のようにして得られた硬化性組成物を、熱風循環オーブンにより、110℃1時間、150℃1時間、220℃2時間加熱することにより硬化させ、硬化性組成物の硬化物を得た。
(e')比較例7−5
上記のようにして得られた硬化性組成物を、熱風循環オーブンにより、110℃1時間、130℃1時間、220℃2時間加熱することにより硬化させ、硬化性組成物の硬化物を得た。
(f')比較例7−6
上記のようにして得られた硬化性組成物を、熱風循環オーブンにより、110℃1時間、130℃1時間、220℃2時間加熱することにより硬化させ、硬化性組成物の硬化物を得た。
(g')比較例7−7
上記のようにして得られた硬化性組成物を、熱風循環オーブンにより、120℃1時間、170℃1時間、220℃2時間加熱することにより硬化させ、硬化性組成物の硬化物を得た。
(h')比較例7−8
上記のようにして得られた硬化性組成物を、熱風循環オーブンにより、120℃1時間、170℃1時間、220℃2時間加熱することにより硬化させ、硬化性組成物の硬化物を得た。
上記のようにして得た硬化物の重量減量率を実施例2−1と同様にして算出した。測定結果を表8および9にまとめた。
(硬化性組成物の硬化物の耐熱性)
上記のようにして得た硬化物の耐熱性を実施例2−1と同様にして測定した。測定結果を表8および9にまとめた。
(総合評価)
上記実施例7−1〜7−4および比較例7−1〜7−8において得られた硬化性組成物の総合評価を、表8および9にまとめた粘度、重量減少率および耐熱性の測定結果と、各実験区の実施例とその対応する比較例に共通に設定した表8および9に記載の粘度、重量減少率および耐熱性の基準値を用いて、以下の評価基準に従い総合評価を行った。評価結果を表8および9にまとめた。
評価基準
粘度の評価:硬化性組成物の粘度の各測定結果が各表の各実験区ごとに記載された基準値以下の場合に粘度の評価基準を満たすものとする。
重量減少率の評価:硬化物の重量減少率の各測定結果が各表の各実験区ごとに記載された基準値以下の場合に重量減少率の評価基準を満たすものとする。
耐熱性の評価:硬化物の耐熱性の各測定結果が各表の各実験区ごとに記載された基準値以上の場合に耐熱性の評価基準を満たすものとする。
総合評価:上の3つの評価基準の全てを満たす場合に総合評価を○と評価する。
8.実施例8:モノエポキシ化合物(A)を含む硬化性組成物の調製とその評価(その7:各種カチオン重合開始剤との組合せ)
(1)実施例8−1〜8−4および比較例8−1〜8−8
硬化性組成物の組成を、以下の成分を用いて表10および11に示されるように変更した以外は、実施例2−1と同様にして、硬化性組成物を得た。
(i)エポキシ化合物(B−1)
ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂、新日鉄住金化学社製、商品名:YD−128を用いた。
(ii) モノエポキシ化合物(A)
実施例1−1で得られたモノエポキシ化合物(A)を用いた。
(iii)反応性希釈剤C−2
2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、四日市合成社製、商品名:エポゴーセー2EHを用いた。
(iv)カチオン重合開始剤(E−3)
4−ヒドロキシフェニルベンジルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、三新化学工業社製、商品名:SI−100Lを用いた。
(v)カチオン重合開始剤(E−4)
ビス[4−(ジ(4−(2−ヒドロキシエトキシ))フェニルスルホニオ)フェニル]スルフィドビスヘキサフルオロアンチモネート、ADEKA社製、アデカアークルズSP−170を用いた。
(vi)カチオン重合開始剤(E−5)
ジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、サンアプロ社製、CPI−101Aを用いた。
(vii)カチオン重合開始剤(E−6)
4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、東京化成工業社製試薬を用いた。
(2)物性評価
(硬化性組成物の粘度)
実施例および比較例において得られた硬化性組成物の粘度を実施例2−1と同様にして測定した。測定結果を表10および11にまとめた。
(硬化性組成物の硬化物の重量減少率)
上記のようにして得られた硬化性組成物を、以下の条件で加熱し、硬化物を得た。
(a)実施例8−1
上記のようにして得られた硬化性組成物を、熱風循環オーブンにより、115℃1時間、130℃1時間、190℃1時間、240℃2時間加熱することにより硬化させ、硬化性組成物の硬化物を得た。
(b)実施例8−2
上記のようにして得られた硬化性組成物を、熱風循環オーブンにより、120℃1時間、240℃2時間加熱することにより硬化させ、硬化性組成物の硬化物を得た。
(c)実施例8−3
上記のようにして得られた硬化性組成物を、熱風循環オーブンにより、80℃1時間、140℃1時間、180℃2時間加熱することにより硬化させ、硬化性組成物の硬化物を得た。
(d)実施例8−4
上記のようにして得られた硬化性組成物を、熱風循環オーブンにより、140℃1時間、160℃1時間、240℃2時間加熱することにより硬化させ、硬化性組成物の硬化物を得た。
(a')比較例8−1
上記のようにして得られた硬化性組成物を、熱風循環オーブンにより、115℃1時間、130℃1時間、190℃1時間、240℃2時間加熱することにより硬化させ、硬化性組成物の硬化物を得た。
(b')比較例8−2
上記のようにして得られた硬化性組成物を、熱風循環オーブンにより、115℃1時間、130℃1時間、190℃1時間、240℃2時間加熱することにより硬化させ、硬化性組成物の硬化物を得た。
(c')比較例8−3
上記のようにして得られた硬化性組成物を、熱風循環オーブンにより、120℃1時間、240℃2時間加熱することにより硬化させ、硬化性組成物の硬化物を得た。
(d')比較例8−4
上記のようにして得られた硬化性組成物を、熱風循環オーブンにより、120℃1時間、240℃2時間加熱することにより硬化させ、硬化性組成物の硬化物を得た。
(e')比較例8−5
上記のようにして得られた硬化性組成物を、熱風循環オーブンにより、80℃1時間、140℃1時間、180℃2時間加熱することにより硬化させ、硬化性組成物の硬化物を得た。
(f')比較例8−6
上記のようにして得られた硬化性組成物を、熱風循環オーブンにより、80℃1時間、140℃1時間、180℃2時間加熱することにより硬化させ、硬化性組成物の硬化物を得た。
(g') 比較例8−7
上記のようにして得られた硬化性組成物を、熱風循環オーブンにより、140℃1時間、160℃1時間、240℃2時間加熱することにより硬化させ、硬化性組成物の硬化物を得た。
(h') 比較例8−8
上記のようにして得られた硬化性組成物を、熱風循環オーブンにより、140℃1時間、160℃1時間、240℃2時間加熱することにより硬化させ、硬化性組成物の硬化物を得た。
上記のようにして得た硬化物の重量減量率を実施例2−1と同様にして算出した。測定結果を表10および11にまとめた。
(硬化性組成物の硬化物の耐熱性)
上記のようにして得た硬化物の耐熱性を実施例2−1と同様にして測定した。測定結果を表10および11にまとめた。
(総合評価)
上記実施例8−1〜8−4および比較例8−1〜8−8において得られた硬化性組成物の総合評価を、表10および11にまとめた粘度、重量減少率および耐熱性の測定結果と、各実験区の実施例とその対応する比較例に共通に設定した表10および11に記載の粘度、重量減少率および耐熱性の基準値を用いて、以下の評価基準に従い総合評価を行った。評価結果を表10および11にまとめた。
評価基準
粘度の評価:硬化性組成物の粘度の各測定結果が各表の各実験区ごとに記載された基準値以下の場合に粘度の評価基準を満たすものとする。
重量減少率の評価:硬化物の重量減少率の各測定結果が各表の各実験区ごとに記載された基準値以下の場合に重量減少率の評価基準を満たすものとする。
耐熱性の評価:硬化物の耐熱性の各測定結果が各表の各実験区ごとに記載された基準値以上の場合に耐熱性の評価基準を満たすものとする。
総合評価:上の3つの評価基準の全てを満たす場合に総合評価を○と評価する。

Claims (12)

  1. 下記式(1):
    (式中、 乃至R それぞれ独立して、水素、アルキル基およびアルコキシ基からなる群より選択される。)
    で表される、モノエポキシ化合物。
  2. 請求項1に記載のモノエポキシ化合物、該モノエポキシ化合物と異なるその他のエポキシ化合物、および硬化剤またはカチオン重合開始剤を含んでなる、硬化性組成物。
  3. 前記硬化性組成物における、前記請求項1に記載のモノエポキシ化合物と、該モノエポキシ化合物と異なるその他のエポキシ化合物との含有量比が、質量基準で、1:99〜75:25である、請求項2に記載の硬化性組成物。
  4. 前記硬化剤が、フェノール化合物、アミン化合物、酸無水物系化合物およびアミド化合物からなる群より選択される1以上の硬化剤である、請求項2または3に記載の硬化性組成物。
  5. 前記モノエポキシ化合物と異なるその他のエポキシ化合物が、エポキシ樹脂である、請求項2〜4のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
  6. 前記モノエポキシ化合物と異なるその他のエポキシ化合物が、グリシジルエーテル型エポキシド、グリシジルエステル型エポキシド、および脂環式エポキシドからなる群から選択される、請求項2〜4のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
  7. 前記カチオン重合開始剤が、芳香族スルホニウム塩系のカチオン重合開始剤、芳香族ヨードニウム塩系のカチオン重合開始剤、およびアルミニウム錯体系のカチオン重合開始剤からなる群から選択される、請求項2〜4のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
  8. 請求項2〜7のいずれか一項に記載の硬化性組成物の硬化物。
  9. 請求項1に記載のモノエポキシ化合物の製造方法であって、
    下記式(2):
    (式中、 乃至R それぞれ独立して、水素、アルキル基およびアルコキシ基からなる群より選択される。)
    で表される化合物と、過酸とを反応させる工程を含んでなり、
    前記過酸の使用量が、前記式(2)で表される化合物1.00モルに対して、0.10〜1.80モルであることを特徴とする、方法。
  10. 前記過酸が、過酸化水素または有機過酸である、請求項9に記載の方法。
  11. 請求項2〜7のいずれか一項に記載の硬化性組成物を硬化させる工程を含む、硬化物の製造方法。
  12. 請求項1に記載のモノエポキシ化合物を少なくとも含む、反応性希釈剤。
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