JP5642930B2 - 液状硬化性組成物及びその硬化物 - Google Patents

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Description

本発明は、硬化性組成物及びその硬化物に関し、更に詳しくは、α−ビニルオキシ−ω−グリシジルエーテル化合物とカチオン重合開始剤が配合された硬化性組成物及びその硬化物に関するものである。本発明の硬化性組成物は硬化速度が速く、低粘度で作業性に優れたものであり、また、本発明組成物の硬化物は、耐熱性、可撓性に優れ、成形材料、封止材料、電気絶縁材料、接着剤、塗料、コーティング材料、インクジェット用インク等の用途に有用である。
カチオン重合開始剤を用いるカチオン重合は、酸素による重合阻害の影響を受けないことが知られており、このようなカチオン重合性の樹脂としては、従来より二官能を有するエポキシ樹脂が用いられている。そして得られたエポキシ樹脂は、耐熱性、接着性、耐水性、機械的強度及び電気特性等に優れていることから、接着剤、塗料、土木建築用材料、電気・電子部品の絶縁材料、封止材料等として広く用いられている。
なかでも、常温で液状や固体状であるビスフェノールA型のエポキシ樹脂は、各種の物性的にも、更には経済的にも優れることから、上記に示したような各種用途に最も多く使用されている。また、吸水性が低く、耐候性の改善されたエポキシ樹脂として、水素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル等の脂環基を有したエポキシ化合物が、各種用途に提案され、実用化されている。
しかしながら、従来のエポキシ樹脂は、カチオン開始剤に対する反応性が低いため、硬化速度が遅いことが問題であった。また、これらのエポキシ樹脂は固体状または高粘度の液状であるが、近年では、繊維複合材料における繊維間への含浸性の向上、更には数μm以下の微細な間隙の封止への対応のために、より低粘度のエポキシ樹脂が望まれている。更に、エポキシ樹脂の硬化物は一般に柔軟性に乏しく、近年需要が多くなってきたフレキシブルプリント配線基板に使用される絶縁材料として用いた場合にはクラックが生じ易く、工業上使用できないという問題があり、より可撓性の高い樹脂が求められていた。
上記の問題を解決しうる、より粘度の低い液状エポキシ樹脂として、シクロヘキサンジオール等の脂環式ジアルコールのジグリシジルエーテル化物を含む硬化性組成物が知られており、得られる硬化物の各種用途への適用が提案されている。例えば、特許文献1では、蒸留精製した低粘度のシクロヘキサンジオールジグリシジルエーテルと酸無水物系硬化剤を用いて得られる、粘度の低い硬化性エポキシ樹脂組成物及びその硬化物が開示されている。また、特許文献2では、4,4'−ビス(ヒドロキシメチル)ビシクロヘキシルのジグリシジルエーテル化物とフェノールノボラック系硬化剤を含む液状エポキシ樹脂組成物が、優れた低粘度性を有し、その硬化物は耐湿性、可撓性に優れた性能を有することが示されている。
一方、反応希釈剤として、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどのジアルコールのジグリシジルエーテル化物を用いて、粘度の低い硬化性エポキシ樹脂組成物が得られることが報告されている。例えば、特許文献3には、1,4−シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテルと水素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂とエポキシ硬化剤とを含む液状エポキシ樹脂組成物及びその硬化物が開示されている。また、特許文献4には、蒸留精製した1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル等の脂肪族エポキシ化合物と、ビスフェノールA型または水素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂とエポキシ硬化剤とを含む液状エポキシ樹脂組成物及びその硬化物が開示されている。更に、特許文献5には、縮重合物の含有量が5%以下、粘度1000mPa・s以下である水素化ビスフェノールAジグリシジルエーテルを反応希釈剤として用いたエポキシ樹脂組成物が開示されている。
しかしながら、1,4−シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテルや、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル等のジグリシジルエーテルは、従来酸無水物等の硬化剤や他のエポキシ樹脂と混合して用いられるため、得られる硬化物は高いガラス転移温度を有すものの、可撓性が低いという問題があった。一方、これらのジグリシジルエーテルを単独で硬化させた場合は、得られる硬化物は可撓性を示すが、ガラス転移温度が低く、耐熱性に問題があった。
特開平11−106607号公報 特開2006−188606号公報 特開平6−136092号公報 特開2003−73453号公報 特開2003−26766号公報
本発明は、上記のような問題に鑑みなされたものであり、硬化速度が速く、低粘度で作業性に優れ、バランスのとれた耐熱性と可撓性を有する硬化物を与える硬化性組成物の提供をその課題とするものである。
本発明者は、前記の課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、従来のジグリシジルエーテルに替えて、ビニル基とグリシジル基の2官能基を有する化合物を用いることにより、上記課題が達成されることを見出し、本発明に至った。
即ち、本発明は、以下に示す液状硬化性組成物及び硬化物である。
(1)次の成分(A)および(B)
(A)下記一般式(1)、
CH=CH−O−X−O−G (1)
(式中、Xは炭素数2〜12の2価の直鎖または分岐鎖アルキレン基またはシクロへ
キシレン基を含む脂環式アルキレン基を表し、Gはグリシジル基を表す)
で示されるα−ビニルオキシ−ω−グリシジルエーテル化合物
(B)カチオン重合開始剤
とを含む液状硬化性組成物。
(2)成分(A)であるα−ビニルオキシ−ω−グリシジルエーテル化合物が、4−ビニルオキシブチルグリシジルエーテルまたは4−(ビニルオキシメチル)−シクロヘキシルメタノールグリシジルエーテルである前記液状硬化性組成物。
(3)成分(B)であるカチオン重合開始剤が、オニウム塩である前記液状硬化性組成物。
(4)更に、成分(C)としてエポキシ樹脂を含む前記液状硬化性組成物。
(5)成分(C)の含有量が、成分(A)100質量部に対し、1〜50質量部である上記(4)の液状硬化性組成物。
(6)成分(C)のエポキシ樹脂が、芳香族エポキシ樹脂および/または脂環式エポキシ樹脂である上記(4)または(5)の液状硬化性組成物。
(7)成分(C)のエポキシ樹脂が、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、水素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂および水素化ビスフェノールF型エポキシ樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種のエポキシ樹脂である上記(4)または(5)の液状硬化性組成物。
(8)前記(1)ないし(7)の液状硬化性組成物を硬化して得られる硬化物。
本発明の硬化性組成物は硬化速度が速く、熱硬化及び活性エネルギー線の照射による硬化のいずれも可能であるとともに、優れた低粘度性を有し、作業性に優れる。また、本発明の硬化物は、バランスの取れた耐熱性と可撓性を有し、成形材料、封止材料、電気絶縁材料、接着剤、塗料、インクジェットプリンタ用インク等に好適に使用することができる。
(A)α−ビニルオキシ−ω−グリシジルエーテル化合物
本発明の液状硬化性組成物において、成分(A)として用いられるα−ビニルオキシ−ω−グリシジルエーテル化合物は、下記一般式(1)で示されるものである。
CH=CH−O−X−O−G (1)
(式中、Xは炭素数2〜12の2価の直鎖または分岐鎖アルキレン基またはシクロへ
キシレン基を含む脂環式アルキレン基を表し、Gはグリシジル基を表す)
この成分(A)は、硬化性化合物として作用するものであるが、その具体的な化合物としては、2−ビニルオキシエタノールグリシジルエーテル、3−ビニルオキシプロパノールグリシジルエーテル、4−ビニルオキシブタノールグリシジルエーテル、5−ビニルオキシペンタノールグリシジルエーテル、6−ビニルオキシヘキサノールグリシジルエーテル、3−ビニルオキシ−2,2−ジメチル−プロパノールグリシジルエーテル、5−ビニルオキシ−3−メチルペンタノールグリシジルエーテル、4−(ビニルオキシメチル)−シクロヘキシルメタノールグリシジルエーテルなどが挙げられる。
これらの成分(A)の中でも、粘度を低下させる効果が優れている点においては、4−ビニルオキシブタノールグリシジルエーテルが好ましく、低吸水性及び耐熱性の点では、4−(ビニルオキシメチル)−シクロヘキシルメタノールグリシジルエーテルが好ましい。
これら成分(A)の製造方法は特に限定されないが、例えば、炭素数2〜12の直鎖、分岐状またはシクロへキシレン基を含むα,ω−アルカンジオールのモノビニルエーテルと、エピハロヒドリンとの反応により得られる。該エピハロヒドリンとしては、エピクロルヒドリン、エピブロモヒドリン、β−メチルエピクロルヒドリン、β−メチルエピブロモヒドリンβ−メチルエピヨードヒドリン等が好ましく、エピクロルヒドリンがより好ましい。
上記α,ω−アルカンジオールのモノビニルエーテルとエピハロヒドリンとの反応は、例えば、(1)硫酸、三フッ化ホウ素エチルエーテル、四塩化錫等の酸性触媒または第4級アンモニウム塩類、第4級ホスホニウム塩類、クラウンエーテル類等の相間移動触媒の存在下に反応させて、ハロヒドリンエーテル体を製造し、次いで、このハロヒドリンエーテル体を水酸化ナトリウム等の脱ハロゲン化水素剤と反応させて閉環せしめる2段階法、または(2)水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物の存在下に、一段階で脱ハロゲン化水素反応を行いグリシジルエーテルを得る1段階法等により行うことができる。
反応終了後のα−ビニルオキシ−ω−グリシジルエーテル化合物の単離は、常法によって行うことができ、例えば、炭化水素等の非水溶媒を加え、次いで水洗して副生塩を溶出除去した後、脱溶媒、脱水、微量に析出する塩のろ過または粉液分離等を行うことによって、目的のα−ビニルオキシ−ω−グリシジルエーテル化合物を得ることができる。
このようにして得られたα−ビニルオキシ−ω−グリシジルエーテル化合物は、そのまま本発明の硬化性組成物の原料として用いることも可能であるが、更に、蒸留精製等により不純物を除去して用いることもできる。このように不純物を除去することにより、架橋による粘度の上昇を防止し、また、得られる硬化物の耐候性を向上させることができる。蒸留精製は、液温をα−ビニルオキシ−ω−グリシジルエーテル化合物の二量化(重合)が起こらない温度に保持しながら減圧下で行うことが好ましい。蒸留精製後のα−ビニルオキシ−ω−グリシジルエーテル化合物の好ましい純度は90質量%以上であり、より好ましくは95%以上である。
(B)カチオン重合開始剤
本発明の液状硬化性組成物において成分(B)として用いるカチオン重合開始剤としては、従来公知の熱によりカチオン種またはルイス酸を発生する熱カチオン重合開始剤、または、活性エネルギー線によりカチオン種またはルイス酸を発生する活性エネルギー線カチオン重合開始剤を用いることができる。
具体的な成分(B)の例としては、第四級アンモニウム塩、ホスホニウム塩、スルホニウム塩、アリールジアゾニウム塩、ジアリールヨードニウム塩等の各種オニウム塩及び、スルホン酸エステル、トリフルオロメタンスルホン酸塩、ホウ素系化合物等が挙げられる。その他、鉄化合物の混合配位子金属塩及びシラノール−アルミニウム錯体も使用することが可能である。
このうち、第四級アンモニウム塩としては、陰イオンとしてPF 、AsF 、SbF 、SbC1 、BF 、B(C 、SbF(OH)、HSO4−、p−CHSO 、CFSO 等を有するテトラブチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩、N,N−ジメチル−N−ベンジルアニリニウム塩、N,N−ジエチル−N−(4−メトキシベンジル)トルイジニウム塩等が挙げられる。
ホスホニウム塩としては、陰イオンとしてPF 、AsF 、SbF 等を有するエチルトリフェニルホスホニウム塩、テトラブチルホスホニウム塩等が挙げられる。
スルホニウム塩としては、陰イオンとしてPF 、AsF 、SbF 、SbC1 、BF 、ClO 、CFSO 、FSO 2−、FPO 、B(C 等を有するトリフェニルスルホニウム塩、トリス(4−メトキシフェニル)スルホニウム塩、ジフェニル(4−フェニルチオフェニル)スルホニウム塩、ジフェニル−4−チオフェノキシフェニルスルホニウム、ビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(ジ(4−(2−ヒドロキシエチル)フェニル)スルホニオ)フェニル]スルフィド、ビス−[4−(ジ(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド、ジアルキルフェナシルスルホニウム塩、ジアルキル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウム塩等が挙げられる。
アリールジアゾニウム塩としては、陰イオンとしてPF 、AsF 、SbF 、SbC1 、BF 、SnCl 、FeCl 、BiC1 2−等を有するフェニルジアゾニウム塩、4−メトキシフェニルジアゾニウム塩、4−ニトロフェニルジアゾニウム塩等が挙げられる。
ジアリールヨードニウム塩としては、陰イオンとして、PF 、AsF 、SbF 、SbC1 、BF 、ClO 、CFSO 、FSO 2−、FPO 、B(C 等を有するジフェニルヨードニウム塩、ビス(4−メトキシフェニル)ヨードニウム塩、ビス(4−メチルフェニル)ヨードニウム塩、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム塩、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウム塩、4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウム塩、4−メチルフェニル−4−(2−メチルプロピル)フェニルヨードニウム塩等が挙げられる。
また、スルホン酸エステルとしては、α−ヒドロキシメチルベンゾインスルホン酸エステル、N−ヒドロキシイミドスルホネート、α−スルホニロキシケトン、β−スルホニロキシケトン等が挙げられる。
トリフルオロメタンスルホン酸塩としては、トリフルオロメタンスルホン酸ジエチルアンモニウム、トリフルオロメタンスルホン酸トリエチルアンモニウム、トリフルオロメタンスルホン酸ジイソプロピルアンモニウム、トリフルオロメタンスルホン酸エチルジイソプロピルアンモニウム等が挙げられる。
ホウ素系化合物としては、三フッ化ホウ素エーテル錯化合物、三フッ化ホウ素、トリフェニルボレート等が挙げられる。
上記成分(B)のうち好ましいものとしては、取り扱い性及び硬化性に優れるオニウム塩類であり、特に好ましいカチオン重合開始剤は、陰イオンとしてPF 、AsF 、SbF 、SbC1 2−、BF 等を有するスルホニウム塩及びジアリールヨードニウム塩である。
これらのオニウム塩類には市販品があり、例えば、スルホニウム塩系カチオン重合開始剤として、株式会社ADEKA社製:商品名アデカオプトンCPシリーズ(CP−66及びCP−77等)、サンアプロ株式会社製:商品名CPIシリーズ(CPI−100P、CPI−101A)、三新化学工業製:商品名サンエイドSIシリーズ(SI−60L、SI−80L及びSI−100L)及び、日本曹達製:商品名CIシリーズ等を好ましく用いることができる。
また、ジアリールヨードニウム塩系カチオン重合開始剤の例としては、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製:商品名IRGACURE250、和光純薬工業製:商品名WPI−113等を好ましく用いることができる。
上記成分(B)は、単独で用いても良いし、2種類以上を併用しても良い。また、熱カチオン重合開始剤と活性エネルギー線カチオン重合開始剤とを併用しても良い。成分(B)の使用量は、成分(A)100質量部に対し、0.01〜20質量部であり、より好ましくは0.1〜10質量部の量である。成分(B)の使用量が上記範囲を外れると、得られる硬化物の耐熱性及び強度が低下する場合がある。
なお、成分(B)として、光によって硬化するカチオン重合開始剤を使用する場合には、増感剤を併用しても良い。増感剤を併用すると、成分(B)であるカチオン硬化開始剤が最も効率良く酸を発生する光の波長よりも長い波長の光を照射した場合であっても、硬化を開始することができる。増感剤として、例えば、ベンゾフェノン、アクリジンオレンジ、ペリレン、アントラセン、フェノチアジン、2,4−ジエチルチオキサントンなどが挙げられる。
また、成分(B)は連鎖移動剤と共に用いても良い。成分(B)と共に連鎖移動剤を併用すると、重合速度が高まり、未反応のエポキシ基が残存するのを防ぐことができる。連鎖移動剤として、一般的には、エチレングリコール、ブタンジオール、トリメチロールプロパントリオール、ペンタエリスリトール、ポリビニルアルコールなどの多官能アルコール類を使用することができる。ただし、連鎖移動剤を使用すると、硬化物の吸湿性が高まり、耐熱性が低下してしまう場合もあるため、連鎖移動剤の併用には注意する必要がある。
(C)エポキシ樹脂
本発明の液状硬化性組成物には、上記必須成分(A)および(B)のほか、更に必要により、成分(C)としてエポキシ樹脂を用いることができる。この成分(C)であるエポキシ樹脂としては、特に限定されるものではないが、芳香族エポキシ樹脂および/または脂環式エポキシ樹脂が好ましく用いられる。このうち、芳香族エポキシ樹脂の例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂等のジグリシジルエーテル類、アミノフェノール類等から得られるグリシジルアミン型エポキシ樹脂、フェノールノボラックから得られるエポキシ樹脂、クレゾールノボラックから得られるエポキシ樹脂、ビスフェノールAのノボラックエポキシ樹脂、フェノール類とヒドロキシベンズアルデヒド類から得られるノボラックエポキシ樹脂等の多官能エポキシ樹脂などが挙げられる。
一方、脂環式エポキシ樹脂の例としては、上記の芳香族エポキシ樹脂の芳香環を直接水素化したエポキシ樹脂または多価フェノール類を水素化した後、エピクロルヒドリンと反応させることにより得られるエポキシ樹脂等が挙げられる。より具体的には、水素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水素化ビスフェノールF型エポキシ樹脂、水素化ビフェノール型エポキシ樹脂、水素化フェノールノボラック型エポキシ樹脂、水素化クレゾールノボラックエポキシ樹脂、水素化ナフタレン型エポキシ樹脂等が挙げられる。
これらの中で、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、水素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、及び水素化ビスフェノールF型エポキシ樹脂を用いることが、低粘度のエポキシ樹脂が得られ、耐湿性及び耐熱性のバランスに優れる硬化物が得られるという点で好ましい。
成分(C)であるエポキシ樹脂の使用割合は、成分(A)100質量部に対して1〜50質量部であり、好ましくは、5〜40質量部である。成分(C)の使用割合が50質量部を越えると、得られる硬化物の耐熱性及び可撓性が低下する場合がある。
(D)任意成分
更に、本発明の液状硬化性組成物には、硬化物の性質を改善する目的で粉末状の補強剤や充填剤、着色剤または顔料、難燃剤、樹脂添加剤等の種々の添加剤成分を配合することができる。
粉末状の補強剤や充填剤としては、例えば酸化アルミニウム、酸化マグネシウム等の金属酸化物、微粉末シリカ、溶融シリカ、結晶シリカ等のケイ素化合物、ガラスビーズ等のフィラー、水酸化アルミニウム等の金属水酸化物、その他、カオリン、マイカ、石英粉末、グラファイト、二硫化モリブデン等を挙げることができる。これらの配合は、任意であるが、一般に硬化性組成物100質量部に対して、10〜100質量部が適当である。
着色剤または顔料としては、例えば二酸化チタン、モリブデン赤、紺青、群青、カドミウム黄、カドミウム赤及び有機色素等を挙げることができる。また、難燃剤、例えば、三酸化アンチモン、ブロム化合物及びリン化合物等を挙げることができる。これらの添加剤の配合は任意であるが、一般に硬化性組成物100質量部に対して、0.01〜30質量部配合される。
樹脂添加剤としては、フッ素樹脂、アクリル樹脂、シリコ−ン樹脂等の1種または2種以上の組み合わせを挙げることができる。これらの樹脂添加剤の配合割合は、本発明の硬化性組成物の本来の性質を損なわない範囲の量、すなわち本発明の硬化性組成物100質量部に対して、50質量部以下が好ましい。
本発明の液状硬化性組成物は、上記必須成分である成分(A)および成分(B)と、必要に応じ成分(C)や、任意成分(D)を常法により混合することによって製造することができ、液状物として得ることができる。なお、本発明において「液状」とは25℃で液状であることをいう。
以上のようにして得られる本発明の硬化性組成物は、通常の熱硬化性エポキシ樹脂組成物または光硬化性エポキシ樹脂組成物の場合と同様に、加熱または活性エネルギー線の照射により硬化させることができる。硬化条件は特に限定されないが、熱硬化の場合、温度60〜250℃、好ましくは80〜200℃の範囲で、1〜24時間程度加熱して硬化することができる。硬化剤(B)として活性エネルギー線硬化触媒を用いる場合は、紫外線、可視光、電子線等を照射し、室温〜150℃の範囲で硬化することもできる。
以下に、実施例、合成例及び比較例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例等によって何ら制限されるものではない。なお、例中の部は特に断りのない限り質量部を意味する。
合 成 例 1
4−ビニルオキシブタノールグリシジルエーテルの合成:
凝縮器及び水分分離器を備えた300mlの攪拌式ガラス製反応器に、4−ビニルオキシブタノール(別名:1,4−ブタンジオールモノビニルエーテル)51.8g(0.5mol)、エピクロルヒドリン92.5g、粒状水酸化ナトリウム20g及びテトラメチルアンモニウムクロライド1.2gを仕込み、激しく攪拌しながら反応温度75〜80℃、20〜25kPaの減圧下で、1.5時間反応を行った。反応中に生成する水は、エピクロルヒドリンと共沸させ、その蒸気を凝縮し、分離機にてエピクロルヒドリンのみ系内に循環させ、系外ヘ除去した。留去した水の量は9gでほぼ理論量であった、反応混合物を30℃まで冷却後、ろ過して沈殿物を除去した。沈殿物をエピクロルヒドリン50gで洗浄し、ろ液と合わせた。このろ過液を減圧下で蒸留し、エピクロルヒドリンを留去し、回収した。残存オイルを25℃まで冷却後、沈殿物をろ過により除去し、得られた油性生成物を高真空下で蒸留し、4−ビニルオキシブタノールグリシジルエーテル(以下、「14BD−VGE」と記す)76.5gを得た(塔頂75−80℃/0.1kPa、収率89%、ガスクロ法による純度99.5%)。
合 成 例 2
4−(ビニルオキシメチル)−シクロヘキシルメタノールグリシジルエーテル
の合成:
凝縮器及び水分分離器を備えた300mlの攪拌式ガラス製反応器に、4−(ビニルオキシメチル)シクロヘキシルメタノール(別名:1,4−シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル)102.2g(0.6mol)、エピクロルヒドリン100g、粒状水酸化ナトリウム37.5g及びベンジルトリメチルアンモニウムクロライド0.1gを仕込み、反応器を冷却して温度を40℃に保ちながら激しく撹拌させて10時間反応を行った。次に、シクロヘキサン100gを添加し、反応混合物をろ過して沈殿物を除去し、ろ液中に残存するアルカリ成分を水洗を繰り返して除去して油状生成物を得た。油状生成物からシクロヘキサンと未反応のエピクロルヒドリンを回収した後、高真空下で蒸留し、4−(ビニルオキシメチル)シクロヘキシルメタノールグリシジルエーテル(以下、「CHDM−VGE」と記す)112.7gを得た(塔頂140−145℃/0.4kPa、収率83%、ガスクロ法による純度99%)。
参 考 例 1
合成例1で得られた14BD−VGE100部と、熱カチオン重合開始剤としてアデカオプトンCP−66(株式会社ADEKA社製、商品名)1部を混合して液状の熱硬化性組成物を調製した。
参 考 例 2
14BDーVGEを、合成例2で得られたCHDM−VGEに代える以外は参考例1と同様にして熱硬化性組成物を調製した。
実 施 例 3
14BDーVGE100部を、上記CHDM−VGE80部と、水素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル(HBPAーDGE;エポキシ当量200、丸善石油化学社製)20部の混合物に代える以外は参考例1と同様にして熱硬化性組成物を調製した。
比 較 例 1
14BDーVGEを、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル(14BD−DGE)に代える以外は参考例1と同様にして熱硬化性組成物を調製した。
比 較 例 2
14BDーVGEを、1,4−シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル(CHDM−DGE)に代える以外は参考例1と同様にして熱硬化性組成物を調製した。
比 較 例 3
CHDM−DGEを100重量部に、硬化剤として4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸111部及び2−エチル−4−メチルイミダゾール1部を混合して熱硬化性組成物を調製した。
比 較 例 4
14BDーVGEを、HBPA−DGEに代える以外は参考例1と同様にして熱硬化性組成物を調製した。
試 験 例 1
実施例3、参考例1〜2および比較例1〜4で調製した熱硬化性組成物について、下記の組成物特性及び硬化物特性を評価した。この結果を組成と共に表1に示す。
< 粘 度 >
各組成物の粘度を、粘度計(株式会社エー・アンド・デイ社製、SV−10型)を用い、23℃で測定した。
<ゲルタイム>
約0.5gの熱硬化性組成物を150℃に加熱した熱板上に置き、スパチュラーの先端でかき混ぜながら樹脂組成物の状態を観察した。組成物を熱板上に置いてから、樹脂がゲル化して粘着性が無くなるまでの時間を計測し、ゲルタイムとした。
<耐屈曲性>
調製した熱硬化性組成物をアルミカップに入れ、熱風乾燥機にて100℃で3時間、150℃で4時間硬化させ、硬化物を得た。50mm×20mm、厚さ0.5mmになるよう機械加工を施し、試験片を作製した。直径2mmの芯棒を用い、JISK5600−5−1に準じて耐屈曲性試験を行い、クラック発生の有無を観察した。
<ガラス転移温度>
調製した熱硬化性組成物をアルミカップに入れ、熱風乾燥機にて100℃で3時間、150℃で4時間硬化させ、硬化物を得た。硬化物の破片を用いて示差走査熱量法(DSC法)にてガラス転移温度を測定した。窒素中、昇温速度20℃/min、150℃まで昇温を行った。
( 結 果 )


Figure 0005642930
参 考 例 4
合成例1で得られた14BD−VGE100部と光カチオン重合開始剤としてIRGACURE250(商品名、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)1部、熱カチオン重合開始剤としてアデカオプトンCP−66(商品名、株式会社ADEKA製)1部を混合して液状の光硬化性組成物を調製した。
参 考 例 5
14BD−VGEに代えて、合成例2で得たCHDM−VGEを用いる以外は、参考例4と同様にして光硬化性組成物を調製した。
実 施 例 6
14BD−VGE100部に代えて、CHDM−VGE80部と、前出HBPA−DGE20部の混合物を用いる以外は、参考例4と同様にして光硬化性組成物を調製した。
試 験 例 2
参考例4および5並びに実施例6で得られた光硬化性組成物を、アプリケーター(YOSHIMITSU(株)製、YA−2型)を用いて厚さ50μmとなるようアルミ板に塗布し、DeepUVランプを備えた紫外線照射装置(ウシオ電機株式会社製、商品名「スポットキュアSP−7」)を用いて4mW/cmで180秒間紫外線を照射した。次いで、熱風乾燥機にて120℃で30分ポストキュアを行い硬化物を得た。得られた硬化物のガラス転移温度を、参考例1と同様にDSC法にて測定した。この結果を、組成とともに表2に示す。なお、表中には、組成物の粘度も合わせて示した。


Figure 0005642930
参 考 例 7
合成例2で得られたCHDM−VGEに、光カチオン重合開始剤としてIRGACURE250(商品名、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)0.46mol%を混合して光硬化性脂組成物を調製した。
比 較 例 5
CHDM−VGEを、前出のCHDM−DVEに代える以外は、参考例7と同様にして光硬化性脂組成物を調製した。
比 較 例 6
CHDM−VGEを、前出のCHDM−DGEに代える以外は、参考例7と同様にして光硬化性脂組成物を調製した。
比 較 例 7
CHDM−VGE100部を、前出のCHDM−DVE43部と、CHDM−DGE57部の混合物に代える以外は、参考例7と同様にして光硬化性脂組成物を調製した。
試 験 例 3
参考例7及び比較例5〜7で得られた光硬化性組成物0.1gをアルミ板に塗布し、DeepUVランプを備えた紫外線照射装置(ウシオ電機株式会社製、商品名「スポットキュアSP−7」)を用いて2.5mW/cmで紫外線を照射し、樹脂が硬化するまでの時間を計測して、ゲルタイムとした。この結果を組成と共に表3に示す。


Figure 0005642930
参 考 例 8
合成例2で得られたCHDM−VGE100部と光カチオン重合開始剤としてIRGACURE250(商品名、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)3部、シリコーン系表面調整剤としてディスパロン1761(商品名、楠木化成(株))1部を混合して液状の光硬化性組成物を調製した。
比 較 例 8
CHDM−VGEを、前出のCHDM−DVEに代える以外は、参考例8と同様にして光硬化性脂組成物を調製した。
比 較 例 9
CHDM−VGEを、前出のCHDM−DGEに代える以外は、参考例8と同様にして光硬化性脂組成物を調製した。
比 較 例 10
CHDM−VGE100部を、前出のCHDM−DVE43部と、CHDM−DGE57部の混合物に代える以外は、参考例8と同様にして光硬化性脂組成物を調製した。
試 験 例 4
参考例8及び比較例8〜10で得られた光硬化性組成物をアプリケーター(YOSHIMITSU(株)製、YA−2型)を用いて厚さ50μmとなるよう軟鋼板に塗布し、高圧水銀ランプを備えた紫外線照射装置(セン特殊光源(株)製、商品名「ハンディキュアラブ」)を用いて10.6mW/cmで30秒間紫外線を照射した。次いで、熱風乾燥機にて150℃で30分ポストキュアを行い塗膜硬化物を得た。得られた塗膜硬化物の特性評価を以下の方法により行った。この結果を組成と共に表4に示す。
< 外 観 >
目視により表面状態を観測し、着色、しわ、割れの有無を確認した。
< 密着性 >
JISK5400方法に準じて碁盤目剥離試験を行った。100マスのうち剥離せず に残存したマスの数を示した。
< 鉛筆硬度 >
JISK5400に準じて評価を行った。


Figure 0005642930
比 較 例 11
CHDM−VGEを、前出のHBPA−DGEに代える以外は、参考例8と同様にして光硬化性脂組成物を調製した。
試 験 例 5
軟鋼板をガラス板に変えた以外は試験例4と同様にして塗膜硬化物の特性評価を行った。この結果を組成と共に表5に示す。


Figure 0005642930
前記試験例1に示すように、本発明の硬化性組成物は粘度が低く作業性に優れ、硬化速度が極めて速く、得られた硬化物は耐屈曲性に優れ、ジグリシジルエーテルの単独硬化物と比較して高いガラス転移温度を示し、耐熱性に優れるものであることが示された。更に、実施例3では、水素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂を20%配合することにより、耐屈曲性を保持したまま耐熱性を向上させることができることが示された。
これに対し、比較例1及び2に示されるように、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル及び1,4−シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテルの単独硬化物は耐屈曲性に優れるものの、硬化速度は遅く、また、ガラス転移温度が低く、耐熱性に劣っていた。また、比較例3に示したように、1,4−シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテルとエポキシ硬化剤と混合して用いた場合や、比較例4に示したように、水素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂を用いた場合は、得られた硬化物は高いガラス転移温度を示すが、逆に剛性が増して耐屈曲性が不十分となり、耐熱性と耐屈曲性が共に優れる硬化物は得られなかった。
また、本発明の硬化性組成物は、上記試験例3〜5に示した通り、活性エネルギー線照射によっても硬化可能である。活性エネルギー線による硬化の場合、活性エネルギー線カチオン重合開始剤単独でも硬化が可能であるが、熱カチオン重合開始剤と併用するとより耐熱性が高くなる。また、ジグリシジルエーテル系組成物及びジビニルエーテル系組成物との比較(比較例5〜10)から明らかなように、本発明の硬化性組成物は、ジグリシジルエーテル系硬化性組成物と比較して非常に硬化速度が速い。このような効果は、単にジグリシジルエーテルとジビニルエーテルとを混合した場合には得られず、一分子内にビニルエーテル基とグリシジルエーテル基の両方を有する本発明の硬化性組成物においてのみ発現するものである。更に、本発明の組成物は、ガラス板に対しても密着性に優れた塗膜硬化物を与えることが明らかとなった。
本発明の硬化性組成物は硬化速度が速く、熱硬化および活性エネルギーの照射による硬化のいずれも可能であるとともに、優れた低粘度性を有し、作業性に優れるものであり、この硬化性組成物を硬化させた硬化物は、バランスの取れた耐熱性と可撓性を有し、ガラスや金属への密着性に優れている。したがって、本発明の硬化性組成物およびその硬化物は、成形材料、封止材料、電気絶縁材料、接着剤、塗料、インクジェットプリンタ用インク等に好適に用いることができるものである。

Claims (6)

  1. 次の成分(A)ないし(C)
    (A)下記一般式(1)、
    CH=CH−O−X−O−G (1)
    (式中、Xは炭素数2〜12の2価の直鎖または分岐鎖アルキレン基またはシクロへ
    キシレン基を含む脂環式アルキレン基を表し、Gはグリシジル基を表す)
    で示されるα−ビニルオキシ−ω−グリシジルエーテル化合物
    (B)オニウム塩系のカチオン重合開始剤
    (C)エポキシ樹脂
    を含み、成分(C)の含有量が、成分(A)100質量部に対し、1〜50質量部であることを特徴とする液状硬化性組成物。
  2. 成分(A)のα−ビニルオキシ−ω−グリシジルエーテル化合物が、4−ビニルオキシブチルグリシジルエーテルまたは4−(ビニルオキシメチル)−シクロヘキシルメタノールグリシジルエーテルである請求項1記載の液状硬化性組成物。
  3. 成分(C)のエポキシ樹脂が、芳香族エポキシ樹脂および/または脂環式エポキシ樹脂である請求項1または2に記載の液状硬化性組成物。
  4. 成分(C)のエポキシ樹脂が、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、水素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂および水素化ビスフェノールF型エポキシ樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種のエポキシ樹脂である請求項の何れかに記載の液状硬化性組成物。
  5. 成形材料、封止材料、電気絶縁材料、接着剤、塗料またはインクジェットプリンタ用インク用の請求項1〜の何れかに記載の液状硬化性組成物。
  6. 請求項1〜5の何れかに記載の液状硬化性組成物を硬化して得られる硬化物。
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