JPH11106607A - 硬化性エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

硬化性エポキシ樹脂組成物

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JPH11106607A
JPH11106607A JP26960997A JP26960997A JPH11106607A JP H11106607 A JPH11106607 A JP H11106607A JP 26960997 A JP26960997 A JP 26960997A JP 26960997 A JP26960997 A JP 26960997A JP H11106607 A JPH11106607 A JP H11106607A
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JP
Japan
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epoxy resin
cyclohexanediol
weight
viscosity
resin composition
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JP26960997A
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English (en)
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Akiyoshi Shimoda
晃義 下田
Mitsuo Konishi
満月男 小西
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は硬化性エポキシ樹脂組成物に関し、
さらに詳しくは、シクロヘキサンジオールのグリシジル
エーテル化物を含有し、低温での保存性に優れ、粘性が
低く、硬化時の変色が少なく、且つ使用中における変色
が少ない硬化体を与える硬化性エポキシ樹脂組成物を提
供する。 【解決手段】 シクロヘキサンジオールのグリシジルエ
ーテル化物及び硬化剤を含有する硬化性エポキシ樹脂組
成物であって、粘度、全塩素濃度、エポキシ当量が特定
の範囲にあるシクロヘキサンジオールのグリシジルエー
テル化物を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は硬化性樹脂組成物に
関する。さらに詳しくは、シクロヘキサンジオールのグ
リシジルエーテル化物を含有し、低温での保存性に優
れ、粘性が低く、熱硬化時及び使用中における硬化物の
変色が少なく、さらに使用中において表面の光沢保持性
の高い硬化物を与える硬化性エポキシ樹脂組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】エポキシ樹脂は、適切な硬化剤と組み合
わせた硬化性エポキシ樹脂組成物として用いられ、得ら
れる硬化物は優れた機械的特性、接着性、耐薬品性、電
気特性等を有することから、注型成形材料、接着剤、塗
料、封止材料、さらには繊維複合材料のマトリックス樹
脂として広く用いられている。
【0003】近年においては、加工品の小型化、繊維複
合材料における繊維間への含浸性の向上、さらには数μ
m以下の微細な間隙の封止等、低粘度のエポキシ樹脂が
望まれている。さらに、塗料等として屋外で用いること
ができ、さらに長期間使用できるような、変色が少なく
且つ耐候性の高いエポキシ樹脂が要求されている。ま
た、屋外で取り扱う場合に、低温で結晶化等により大き
く増粘しない、低温保存性に優れたエポキシ樹脂及びそ
の組成物が要求されている。
【0004】従来より、エポキシ樹脂として多くの種類
が実用化又は提案されているが、その中でも、常温で液
状や固体状であるビスフェノールA型のエポキシ樹脂が
各種物性的に、さらには経済的にも優れることから、上
記に示したような各種用途に最も多く使用されている。
一般に、ビスフェノールA型エポキシ樹脂は、液状の場
合、通常25℃における粘度が10,000cp以上で
あり、粘性が高いことから、上記のような近年望まれて
いる分野への特性が十分でない。
【0005】また、一般に、ビスフェノールA型エポキ
シ樹脂等のフェノール系化合物のグリシジルエーテル型
エポキシ樹脂から得られる硬化物は、紫外線により経時
的に著しく変色したり、光沢性が消失したり、さらには
機械的物性や電気物性が低下する傾向がある等、耐候性
が低いために屋外用途においては使用範囲に限界があ
る。さらに、液状のビスフェノールA型エポキシ樹脂は
低温で容易に結晶化することにより白濁し、増粘するた
め、例えば冬場に屋外で保存したり取り扱う場合には作
業性を大幅に低下させることが知られている。
【0006】ビスフェノールA型エポキシ樹脂の粘性を
低下させる方法として、一般に該樹脂またはその組成物
を加熱したり、希釈剤を配合する方法が行われている。
しかしながら、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、また
は該樹脂を硬化剤と配合した組成物は加熱した場合に
は、硬化反応が進行するために長時間保存を行うことが
できない。
【0007】また、希釈剤としてはブチルグリシジルエ
ーテル、第3級カルボン酸グリシジルエステル、ブタン
ジオールジグリシジルエーテル等の脂肪族のグリシジル
エーテル系やグリシジルエステル系の反応性希釈剤が組
成物成分として用いられ、広く実用化されている。しか
し、これらの化合物は、ビスフェノールA型エポキシ樹
脂に対する粘性低下効果は優れるものの、得られる硬化
物に対し、曲げ強度や耐衝撃性等の機械的物性を低下さ
せたり、熱変形温度を低下させる傾向があり、その添加
量に限界がある。特に、ブチルグリシジルエーテルはそ
の粘度が非常に低いため(25℃で1.8cp)、少量
で粘性低下効果が高く且つビスフェノールA型エポキシ
樹脂の各種物性を大きく低下させない反応性希釈剤とし
て、最も一般的に用いられている。しかし、この物質は
沸点が常圧で約165℃であり、成形温度での揮発性も
高いため、配合時、脱泡時さらには硬化時に作業環境へ
揮散し、作業者の皮膚に接触する場合が多いため、作業
性が良好でない。従って、上記の反応性希釈剤を用いた
硬化性エポキシ樹脂組成物は、得られる硬化物の各種物
性の維持や、作業性の点で十分ではない。
【0008】また、近年、ビスフェノールA型エポキシ
樹脂に対し、耐候性の改善されたエポキシ樹脂として、
水添ビスフェノールAジグリシジルエーテルや3,4−
エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシ
シクロヘキサンカルボキシレート等の脂環基を有したエ
ポキシ化合物が、各種用途に提案され、実用化されてい
る。これらのエポキシ樹脂は、使用中の耐候性は優れる
ものの、粘性の点で上記近年望まれているような用途に
おいては十分ではない。実際、25℃における粘度が水
添ビスフェノールAジグリシジルエーテルの場合は20
00〜6000cpであり、3,4−エポキシシクロヘ
キシルメチルー3’,4’−エポキシシクロヘキサンカ
ルボキシレートは350〜500cpあるため、硬化剤
や充填剤等と配合することにより熱硬化性エポキシ樹脂
組成物として調整する際、例えば、該充填剤の添加量が
狭い範囲で制限される傾向がある。さらにはビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂と混合して耐候性や粘性を改善さ
せるような場合には、粘度低下効果が著しく低く、上記
に示したような反応性希釈剤がさらに必要となる場合が
多い。
【0009】ところで、従来より、脂環基を有したエポ
キシ化合物のなかで、耐候性、耐熱性、低粘性である化
合物としてシクロヘキサンジオールのグリシジルエーテ
ル化物の利用が提案され、該化合物の製造方法や得られ
る硬化物の各種用途への適用が提案されている。例え
ば、R.A.Babakhanovらは、脂環式アルコ
ールのグリシジルエーテルの製法に関して研究を行って
おり、エポキシ当量が126g/当量の黄色い粘調液体
である1,2−シクロヘキサンジオールジグリシジルエ
ーテルを得ている(Azerb.Khim.Zh(4)
88−93p,1987)。
【0010】また、英国特許第1144638号明細書
には、スイッチギアに脂環式エポキシ樹脂を用いること
が提案されており、合成後に蒸留精製することにより得
た、エポキシ当量が132g/当量、全不純物塩素濃度
が2.6%の1,4−シクロヘキサンジオールジグリシ
ジルエーテルが例示されている。さらに、欧州特許公開
第495339号明細書では、脂環式アルコールのグリ
シジルエーテルを高純度で得る製造法が提案されてお
り、エポキシ当量が167g/当量、全不純物塩素濃度
が4.3%の1,4−シクロヘキサンジオールジグリシ
ジルエーテルが例示されている。
【0011】一方、シクロヘキサンジオールのグリシジ
ルエーテル化物と硬化剤から硬化性樹脂を製造し、得ら
れる硬化体の各種用途への適用が提案されている例とし
て、例えば、米国特許第3425961号明細書では、
1,4−シクロヘキサンジオールジグリシジルエーテル
と限定された硬化剤及び触媒作用を有する硬化剤からな
る組成物を硬化させることにより、耐アーク性及び耐ク
リープ性に優れる樹脂硬化体の製造方法が例示されてい
る。また、米国特許第3652723号明細書において
は、1,2−シクロヘキサンジオールジグリシジルエー
テルを用いて硬化体の引張強度、引張伸度、及びガラス
転移点を向上させることが例示されている。
【0012】しかしながら、いずれの場合も、シクロヘ
キサンジオールジグリシジルエーテルのエポキシ当量、
全不純物塩素濃度、及び粘度の範囲など、硬化性エポキ
シ樹脂組成物の粘性を低下させたり、低温保存に適し且
つ得られる硬化物の使用中における変色を抑制できる好
ましい範囲が明記されていない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、粘性が低
く、低温での保存性に優れ、硬化時の変色が少なく、且
つ、得られる硬化物の使用中における変色が少ない硬化
性エポキシ樹脂組成物を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、シクロヘ
キサンジオールのグリシジルエーテル化物を含有する硬
化性エポキシ樹脂組成物に関して、上記課題を解決すべ
く鋭意検討した。一般にエポキシ樹脂中の全不純物塩素
濃度が高い場合には、例えば電気用途における使用が大
きく制限されたり、変色の原因となることが知られてい
る。従って、これらの問題を解決するために、エポキシ
樹脂中の全不純物塩素濃度を低減することが一般的に試
みられているが、全不純物塩素濃度が低減した場合は、
例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂の場合は0℃近
傍の温度で保存した場合には、結晶化が促進され、白濁
する現象が生じやすく、エポキシ樹脂又はその組成物の
粘性が著しく増加するため、作業性が悪化する等の低温
保存性が低下する傾向にあり、屋外における保存や使用
に制限があった。
【0015】本発明者らは、シクロヘキサンジオールの
グリシジルエーテル化物中の全不純物塩素濃度を低減さ
せる方向で検討を行い、さらにはエポキシ当量、及び粘
度を変化させて、硬化剤と配合した組成物を得ることに
より、その性状及び得られる硬化物に関して鋭意研究を
行った。その結果、全不純物塩素濃度、エポキシ当量及
び粘度が特定の範囲にあるシクロヘキサンジオールのグ
リシジルエーテル化物を用いた硬化性エポキシ樹脂組成
物が、硬化時の変色を低減させ、且つ使用中における変
色が少ない硬化物を与えることを見出した。また、該化
合物をビスフェノールA型エポキシ樹脂等の既存のエポ
キシ樹脂と併用して用いた場合においても、得られる硬
化物の機械的物性や熱的物性を大きく変化させず、且つ
粘度の低い硬化性エポキシ樹脂組成物が得られることを
見出した。さらに、本発明者らは、該硬化性エポキシ樹
脂組成物が、全不純物塩素濃度を低減させたにもかかわ
らず、驚くべきことに低温で長期にわたり結晶化せず、
粘性の著しい増加のない、優れた低温保存性を有するこ
とを見出し、本発明に至った。
【0016】すなわち、本発明は以下の通りである。 [1]エポキシ樹脂と硬化剤からなる硬化性エポキシ樹
脂組成物であって、該エポキシ樹脂がシクロヘキサンジ
オールのグリシジルエーテル化物を含有し、該シクロヘ
キサンジオールのグリシジルエーテル化物の粘度が25
℃において8〜50cP、全塩素濃度が2.000重量
%以下、且つエポキシ当量が114〜150g/当量で
あることを特徴とする硬化性エポキシ樹脂組成物。 〔2〕エポキシ樹脂がシクロヘキサンジオールのグリシ
ジルエーテル化物1〜99重量%、及びその他のエポキ
シ樹脂1〜99重量%からなる〔1〕記載の硬化性エポ
キシ樹脂組成物。 〔3〕シクロヘキサンジオールのグリシジルエーテル化
物中のシクロヘキサンジオールジグリシジルエーテルが
85重量%以上である〔1〕または〔2〕記載の硬化性
エポキシ樹脂組成物。 〔4〕シクロヘキサンジオールのグリシジルエーテル化
物の25℃における粘度が8〜40cPである〔1〕〜
〔3〕のいずれかに記載の硬化性エポキシ樹脂組成物。 〔5〕シクロヘキサンジオールのグリシジルエーテル化
物の全塩素濃度が0.500重量%以下である〔1〕〜
〔4〕のいずれかに記載の硬化性エポキシ樹脂組成物。 〔6〕シクロヘキサンジオールのグリシジルエーテル化
物のガードナー色数が1以下である〔1〕〜〔5〕のい
ずれかに記載の硬化性エポキシ樹脂組成物。 〔7〕〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の硬化性エポキ
シ樹脂組成物により得られる硬化物。
【0017】以下、本発明を詳細に説明する。本発明で
言うシクロヘキサンジオールのグリシジルエーテル化物
は、下式(1)〜(3)で表されるグリシジルエーテル
化合物を意味する。本発明においては、これらの中の一
種類又は二種類以上の化合物の混合物であってもよい。
【0018】
【化1】
【0019】
【化2】
【0020】
【化3】
【0021】(式中、p、qは0を含む正の整数、Xは
ハロゲンを表す。) 本発明においては、上記化合物のシクロヘキサン環に結
合する2つの官能基は1,2−位、1,3−位、1,4
−位、又はこれらの混合物であってもよい。さらに該官
能基は、立体構造的にcis、trans、又はこれら
の混合物であってもよい。式中のp、及びqは5以下が
望ましく、さらには2以下が望ましい。p、及びqが5
を越える化合物が本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物中
に多く存在する場合は、該組成物粘度が増加する傾向に
あり、さらに得られる硬化体の耐候性が低下する傾向に
あるため望ましくない。
【0022】上記化合物は、公知の方法により得ること
ができ、例えばシクロヘキサンジオールとエピハロヒド
リンからルイス酸等の触媒の存在下で得られるハロヒド
リンエーテルを、水酸化ナトリウム等のアルカリの存在
下で脱ハロゲン化水素を行うことにより閉環して上記グ
リシジルエーテル化合物混合物を得る方法、または、ジ
ヒドロキシベンゼンとエピハロヒドリンとを水酸化ナト
リウム等のアルカリの存在下で反応させて得られる化合
物に対して、該ベンゼン環を水添することにより得る方
法等がある。
【0023】上記シクロヘキサンジオールとエピハロヒ
ドリンを反応させ、ハロヒドリンエーテルを得る方法
は、特に制限はなく、公知の方法、例えば、欧州特許出
願第495339号明細書、英国特許第1144638
号明細書、米国特許第3425961号明細書等に記載
されている方法が好適に使用できる。具体的には、例え
ば、上記触媒は、弗化硼素エーテル錯体、四塩化錫、塩
化アルミ等のルイス酸系触媒や、二弗化亜鉛、二価のハ
ロゲン化亜鉛を助触媒と組み合わせた物等が好適に使用
できる。また、上記シクロヘキサンジオールとエピハロ
ヒドリンを反応させる場合においては、溶媒を用いても
よく、また、仕込み方法、溶媒、温度、反応時間、雰囲
気は特に制限はない。通常、溶媒を用いる場合は、ベン
ゼン、トルエン、キシレン等の不活性溶媒が用いられ
る。また、温度は通常、−10〜150℃の範囲にあ
る。
【0024】一方、上記ジヒドロキシベンゼンからシク
ロヘキサンジオールのグリシジルエーテル化物を得る場
合は、ジヒドロキシベンゼンはカテコール、レゾルシノ
ール、ハイドロキノン、及びこれらの混合物が使用でき
る。これらの化合物とエピハロヒドリンとを苛性ゾーダ
等のアルカリの存在下で反応させ、芳香族グリシジルエ
ーテルを得る方法、及び、ついで該グリシジルエーテル
の芳香環を例えばルテニウム系触媒を用いて水添する方
法は、公知の方法を好適に使用できる。
【0025】上記各方法で用いられるエピハロヒドリン
としては、エピクロルヒドリン、エピブロムヒドリン等
が挙げられる。エピブロムヒドリンを用いる場合には、
全塩素濃度が極端に低減できる点で望ましいが、最も入
手しやすく且つ経済的である点でエピクロルヒドリンを
用いることが産業上望ましい。これらの方法で得られる
シクロヘキサンジオールのグリシジルエーテル化物は、
通常、式(1)〜(3)の混合物で得られる。
【0026】上記方法で得られるグリシジルエーテル化
合物は、製造する際の各反応条件を制御するか、得られ
るグリシジルエーテル化合物の混合物を蒸留法、溶媒抽
出法等の方法により分離精製し、再度適当に配合するこ
とにより、その組成を変化させ、シクロヘキサンジオー
ルのグリシジルエーテル化物の粘度、エポキシ当量、全
塩素濃度を本発明の範囲に調節することができる。
【0027】本発明で用いられるシクロヘキサンジオー
ルのグリシジルエーテル化物は、25℃における粘度が
8〜50cPである。特に、8〜40cPが好ましく、
さらには8〜25cPであることが好ましい。該粘度が
50cPを越える場合は、得られる組成物の粘性が高く
なる傾向にあり、成形性が低下する傾向にあり好ましく
ない。さらに、得られる硬化物の機械的物性や熱変形温
度が低下する傾向にある。さらには、他のエポキシ樹
脂、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂と併用し
て用いる場合は、得られる組成物の粘度の低下効果が低
いため好ましくない。また、粘度が8cp未満の場合
は、得られる硬化体中に気泡を多く含んだり、硬化体の
表面平滑性が低い傾向にあり好ましくない。
【0028】本発明において、シクロヘキサンジオール
のグリシジルエーテル化物の粘度は、25℃において、
オストワルド粘度管により測定される値を意味する。本
発明においては、25℃の粘度が13.7cPである標
準液が、基準線間を約160秒で流れるオストワルド粘
度管を用いた。本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物に用
いるシクロヘキサンジオールのグリシジルエーテル化物
は、全塩素濃度が2.000重量%以下である。特に
0.500重量%以下、さらには、0.001〜0.0
50重量%の範囲にあることが好ましい。全塩素濃度が
2.0重量%を越える場合には、得られる組成物が例え
ば0℃以下のような低温で増粘するする傾向にあり、さ
らに、得られる硬化物が使用中において変色する傾向に
あるため好ましくない。
【0029】本発明でいう全塩素濃度とは、シクロヘキ
サンジオールのグリシジルエーテル化物中に存在する、
塩素原子の重量分率を示し、該化合物を燃焼させ、発生
する塩酸ガスを定量することにより測定することができ
る。該塩素は、主に、上記製造方法で最も好ましく用い
られるエピクロルヒドリンや、アルカリを用いて反応を
行った後の中和処理時に使用する塩酸等に由来するもの
で、式(1)〜(3)において、Xが塩素原子である形
態や、または塩として存在する。本発明においては、上
記全塩素濃度の範囲であれば、どの形態で塩素が存在し
ていてもかまわないが、式(1)〜(3)中のpおよび
qが3以下の状態で存在する場合や、塩が存在しない場
合の方が、熱変形温度が高く、且つ曲げ強度が高くなる
傾向にあるため望ましい。
【0030】本発明で用いるシクロヘキサンジオールの
グリシジルエーテル化物のエポキシ当量は114〜15
0g/当量である。特に、114〜125g/当量の範
囲が好ましい。該エポキシ当量が150g/当量を越え
る場合は、得られる組成物の粘度が高くなる傾向にあ
り、さらに得られる硬化体の曲げ強度等の機械的物性や
熱変形温度が低下する傾向にあり好ましくない。また、
該エポキシ当量が114g/当量未満の場合は、得られ
る硬化体が気泡を含む場合が多いため好ましくない。
【0031】本発明で用いられるシクロヘキサンジオー
ルのグリシジルエーテル化物は、式(2)においてp=
q=0であるシクロヘキサンジオールジグリシジルエー
テルが85重量%以上、特に90重量%以上、さらには
95重量%以上含有されることが望ましい。該化合物が
85重量%未満の場合は、得られる硬化性エポキシ樹脂
組成物の低温保存性が低下する傾向にあり、さらに得ら
れる硬化物が使用中に変色する傾向にあり望ましくな
い。
【0032】さらに、本発明で用いられるシクロヘキサ
ンジオールのグリシジルエーテル化物のガードナー色数
は1以下であることが望ましい。該ガードナー色数が1
を越える場合は、硬化時の変色が大きく且つ得られる硬
化物が使用中に変色を起こす傾向にある。尚、「ガード
ナー色数」とは、JIS規格K5400で測定された値
で、色をガードナー色数標準液と最も近い番号で表した
ものである。
【0033】本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物に用い
られる硬化剤は、熱又は光によりエポキシ基と反応し、
架橋構造を形成することができるものであって、エポキ
シ基に付加する酸性又は塩基性の活性水素を複数個含む
化合物、またはエポキシ基を触媒的に重合させる酸性又
は塩基性化合物を意味する。これらの化合物としては酸
又は酸無水物系硬化剤、アミン系硬化剤、多価カルボン
酸とポリアルキレンポリアミンとの反応により得られる
ポリアミノアミド系硬化剤、イミダゾール類、ポリメル
カプタン系硬化剤、ルイス酸、ブロンステッド酸、フェ
ノール系化合物又はこれらの混合物である。
【0034】酸又は酸無水物系硬化剤としては、例え
ば、ポリアゼライン酸無水物、ポリアジピン酸無水物、
ドデセニル無水コハク酸、ポリセバシン酸無水物、ポリ
(フェニルヘキサデカン二酸)無水物、ポリ(エチルオ
クタデカン二酸)無水物等の脂肪族カルボン酸無水物と
そのカルボン酸、メチルシクロヘキセンジカルボン酸無
水物、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、テトラ
ヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水
メチルハイミック酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル
酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸等の脂環式カルボ
ン酸無水物とそのカルボン酸、無水フタル酸、無水トリ
メリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテト
ラカルボン酸無水物、エチレングリコールビストリメリ
テート、グリセロールトリストリメリテート等の芳香族
カルボン酸無水物とそのカルボン酸、等が挙げられる。
【0035】また、アミン系硬化剤としては、例えば、
エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレ
ンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチ
レンヘキサミン、トリ(メチルアミノ)ヘキサン、メチ
ルイミノビスプロピルアミン、ジプロピレンジアミン、
ヘキサメチレンジアミン、ジエチルアミノプロピルアミ
ン等の脂肪族アミン、シクロヘキサンジアミン、イソホ
ロンジアミン、メンセンジアミン、ジアミノジシクロヘ
キシルメタン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘ
キシル)メタン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロ
ヘキサン、N−アミノエチルピペラジン、等の環状アミ
ン、2,4−ジアミノトルエン、p−フェニレンジアミ
ン、m−フェニレンジアミン、p−キシリレンジアミ
ン、m−キシリレンジアミン等の単環式芳香族アミン、
4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジ
メチル−4,4’−ジアミノジフェニルスルホン等のジ
アミノジフェニルスルホン類、4,4’−ジアミノジフ
ェニルメタン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミ
ノジフェニルメタン、3,3’−ジエチル−4,4’−
ジアミノジフェニルメタン等のジアミノジフェニルメタ
ン類、ジメチルジフェニルエーテル類、ジアミノジフェ
ニルケトン類、ジアミノジフェニルプロパン類、等の芳
香族アミン、または3,9−ビス(3−アミノプロピ
ル)2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)
ウンデカン等のスピロ環系アミン等、及びこれらの混合
物が挙げられる。
【0036】また、塩基性活性水素を含む化合物とし
て、例えば、ジシアンジアミド、アジピン酸ジヒドラジ
ド等の有機酸ジヒドラジド化合物が挙げられる。イミダ
ゾール類としては、2−メチルイミダゾール、2−エチ
ル−4−メチルイミダゾール等が挙げられる。また、フ
ェノール系化合物としては、例えば、ビスフェノール
A、ビスフェノールF、ビスフェノールAD、ジヒドロ
キシベンゼン、フェノール樹脂等が挙げられる。
【0037】本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物では、
上記硬化剤は単独で用いてもよいし、二種以上を所望の
割合で混ぜ合わせた混合物として用いても良い。本発明
においては、上記硬化剤はその用途に応じて選択でき
る。例えば、硬化物に耐熱性を要求される場合において
は、芳香族系硬化剤を用いることが望ましく、また、硬
化物に可撓性を要求される場合には脂肪族系硬化剤を用
いることが望ましい。
【0038】本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物におい
て、硬化剤の含有量は該組成物に用いたシクロヘキサン
ジオールのグリシジルエーテル化物や他のエポキシ化合
物のエポキシ基の当量、及び硬化剤の構造や官能基の数
に応じて適宜選択できるが、一般的に エポキシ樹脂1
00重量部に対して、1〜300重量部、好ましくは5
〜200重量部である。
【0039】本発明においては、例えば、該エポキシ基
に対する硬化剤の官能基の当量比が、0.3〜1.8、
好ましくは0.5〜1.2の範囲である。該当量比が
0.3より低いかまたは1.8よりも大きい場合は、得
られる硬化物中に未反応物質や低分子量オリゴマー物質
が多く含有される傾向にあり、機械的物性が低下する。
本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物を構成するエポキシ
樹脂としては、上記シクロヘキサンジオールのグリシジ
ルエーテル化物及びその他のエポキシ樹脂との混合物も
使用することができる。ここで、その他のエポキシ樹脂
とは、シクロヘキサンジオールのグリシジルエーテル化
物を除き、分子中にエポキシ基を平均1個より多く含有
する化合物を意味し、例えば、アルコール類やフェノー
ル類から誘導されるグリシジルエーテル系化合物、アミ
ン類からグリシジルアミン系化合物、酸や酸無水物から
誘導されるグリシジルエステル系化合物、及び脂環式エ
ポキシ樹脂系化合物等が挙げられる。
【0040】上記アルコール類としては、例えばエチレ
ングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオー
ル、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、シクロペン
タンジオール、シクロヘキサンジメタノール、シクロド
デカンジオール、水添ビスフェノールA、水添ビスフェ
ノールF、水添ビスフェノールAD、グリセリン、ジエ
チレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエ
チレングリコール等、またフェノール類としてはヒドロ
キノン、メチルヒドロキノン、ジメチルヒドロキノン、
トリメチルヒドロキノン、テトラメチルヒドロキノン、
エチルヒドロキノン、ジエチルヒドロキノン、ビニルヒ
ドロキノン、プロピルヒドロキノン、ブチルヒドロキノ
ン、ヘキシルヒドロキノン、シクロヘキシルヒドロキノ
ン、オクチルヒドロキノン、4−フェニルメチルヒドロ
キノン、4−メチルペンチルヒドロキノン、ニトロヒド
ロキノン、レゾルシノール、メトキシレゾルシノール、
ジメトキシレゾルシノール、エトキシレゾルシノール、
メチルレゾルシノール、ジメチルレゾルシノール、トリ
メチルレゾルシノール、エチルレゾルシノール、ジエチ
ルレゾルシノール、プロピルレゾルシノール、ブチルレ
ゾルシノール、ペンチルレゾルシノール、ヘキシルレゾ
ルシノール、フェニルレゾルシノール、ヘプチルレゾル
シノール、オクチルレゾルシノール、ノニルレゾルシノ
ール、エチルメチルレゾルシノール、エチルペンチルレ
ゾルシノール、ニトロレゾルシノール、ジニトロレゾル
シノール、カテコール、メチルカテコール、エチルカテ
コール、プロピルカテコール、ブチルカテコール、3−
(1,1−ジメチルエチル)カテコール、ペンチルカテ
コール、4−(1,1−ジメチルプロピル)カテコー
ル、ヘキシルカテコール、シクロヘキシルカテコール、
ノニルカテコール、ジメチルカテコール、ニトロカテコ
ール、ジニトリルカテコール、メトキシカテコール、プ
ロピオキシカテコール、ジメチルカテコール、ジニトロ
カテコール、トリメトキシカテコール、ビスフェノール
A、ビスフェノールF、ビスフェノールAD、ビスフェ
ノールS、トリヒドロキシジフェニルジメチルメタン、
オキシビスフェノール、チオビスフェノール、4,4’
−スルフィニルビスフェノール、4,4’−イソビチリ
デンビスフェノール、メチリデンビスカテコール、ジヒ
ドロキシジフェニル、ピロガロール、フルオログリシ
ン、サリチル酸、アナカルド酸、ノボラック樹脂、クレ
ゾールノボラック樹脂等、およびこれらのハロゲン化物
が挙げられる。
【0041】またアミン類としては、アリルアミン、イ
ソプロピルアミン、3,3’−イミノビス(プロピルア
ミン)、メチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、3
−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピルアミン、3−
エトキシプロピルアミン、ジブチルアミノプロピルアミ
ン、ブチルアミン、プロピルアミン、メチルアミノプロ
ピルアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、N−メチ
ル−3,3’−イミノビス(プロピルアミン)、3−メ
トキシプロピルアミン、イソシアヌレート、ジエチレン
トリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレン
ペンタミン、ジプロピレントリアミン、ビス(ヘキサメ
チレン)トリアミン、1,3,6−トリスアミノメチル
ヘキサン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、ジエチ
レングリコール・ビスプロピレンジアミン、ジエチルア
ミノプロピルアミン、メンセンジアミン、イソフォロン
ジアミン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシ
ル)メタン、N−アミノエチルピペラジン、メタキシレ
ンジアミン、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェ
ニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、ジアミノジ
フェニルメタン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキ
サン、ビスメチルアミノジフェニルアミン、ジアミノジ
フェニルアミン、ジアミノジベンジルアミン、トリアミ
ノトリベンジルアミン、ジアミノキシレン、キシリレン
ジアミン、ジアミノメシチレン、テトラヒドロナフチレ
ンジアミン、ナフチレンジアミン、メチルベンジジン、
ジアミノジベンジル、ジアミノメチルジフェニルメタ
ン、ジアミノジメチルジフェニル、ジアミノフルオレ
ン、ジアミノスチルベン、ビスアミノフェニルアセチレ
ン、ジアミノアントラセン、ジアミノジナフチル、テト
ラフェニル−ビスアミノフェニルキシロール、エチレン
グリコール−ビスアミノフェニルエーテル、ジアミノジ
フェニルエーテル、ジアミノジフェニルスルフィド、ジ
アミノジフェニルジスルフィド、ハイドロキノン−ビス
アミノフェニルエーテル、ジアミノジベンジルスルフィ
ド、ジアミノナフトール、オキシベンジジン、ジアミノ
ジフェニルカルビノール、ジアミノトリフェニルカルビ
ノール、ジアミノカテコール、ジアミノジオキシフェナ
ントレン、ジアミノピロガロール、ジアミノフルオログ
ルシンなどが挙げられる。
【0042】さらに、多塩基酸類や酸無水物とは、酸無
水物環を一個以上またはカルボキシル基を2個以上有す
る化合物であり、例えば無水フタル酸、無水マレイン
酸、フタル酸、マレイン酸、イソフタル酸、テレフタル
酸、メチルテレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ビ
フェニルジカルボン酸、4,4’−カルボニル二安息香
酸、4,4’−オキシ二安息香酸、4,4’−スルホニ
ル二安息香酸、フェニレン二安息香酸、コハク酸、フマ
ル酸、グルタル酸、シクロプロパンジカルボン酸、シク
ロブタンジカルボン酸、シクロペンタンジカルボン酸、
シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−(2−ノルボル
ネン)ジカルボン酸、2,3−ビシクロ[2.2.2]
オクタンジカルボン酸及びその無水物、シクロヘキサン
二酢酸及びその無水物、1,3−アダマンタンジカルボ
ン酸、アジピン酸等が挙げられる。
【0043】本発明では、上記アルコール類やフェノー
ル類、アミン類、多塩基酸類、酸無水物の中から選ばれ
た単一組成のエポキシ樹脂であっても良いし、2種以上
の共重合体、または混合物であっても良い。また、該脂
環式エポキシ樹脂系とは、分子内にエポキシシクロヘキ
シル環を有する環式脂肪族の化合物であり、例えばビス
(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート、3,
4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ
シクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポ
キシシクロヘキシルメチル)オキサレート、ビス(3,
4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジ
ペート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチ
ル)ピメレート、6−メチルー3,4−エポキシシクロ
ヘキシルメチル−6−メチル−3,4−エポキシシクロ
ヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−1−メ
チルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−1−メ
チルシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキ
シ−5−メチル−シクロヘキシルメチル−3,4−エポ
キシ−5−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、ビ
ニルシクロヘキセンジオキサイド、ジペンテンジオキサ
イド、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5
−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサンメタン等
が挙げられる。
【0044】本発明で用いられるシクロヘキサンジオー
ルのグリシジルエーテル化物以外の他のエポキシ樹脂の
エポキシ当量は、その分子量にも左右されるが、通常、
100〜10000g/当量のものが用いられる。ま
た、本発明で用いられるシクロヘキサンジオールのグリ
シジルエーテル化物以外の他のエポキシ樹脂は、室温
(25℃)において、液状であっても固体状であっても
よい。
【0045】本発明において、エポキシ樹脂としてシク
ロヘキサンジオールのグリシジルエーテル化物とその他
のエポキシ樹脂を併用して用いる場合は、用途分野など
に応じて左右されるが、シクロヘキサンジオールのグリ
シジルエーテル化物1〜99重量%、その他のエポキシ
樹脂1〜99重量%の範囲で用いられることが好まし
く、シクロヘキサンジオールのグリシジルエーテル化物
10〜80重量%、その他のエポキシ樹脂20〜90重
量%の範囲で用いられることがより好ましい。更に、そ
の他のエポキシ樹脂固有の性能を保持し、硬化性エポキ
シ樹脂組成物の粘性を低下させる場合には、エポキシ樹
脂中にその他のエポキシ樹脂が50〜90重量%含まれ
ることが好ましく、使用中における変色が少ない硬化体
を得る場合には、エポキシ樹脂中にその他のエポキシ樹
脂が20〜50重量%含まれることが好ましい。シクロ
ヘキサンジオールのグリシジルエーテル化物の含有量
が、1重量%未満の場合は、得られる硬化性エポキシ樹
脂組成物の粘性低下効果、低温保存性、さらには得られ
る硬化物の使用中における変色が大きくなる傾向にあり
好ましくない。また、その他のエポキシ樹脂の含有量が
1重量%未満の場合は、該エポキシ樹脂固有の各種特性
が発現されない傾向にあり好ましくない。
【0046】本発明の硬化性樹脂組成物は、シクロヘキ
サンジオールのグリシジルエーテル化物単独、またはシ
クロヘキサンジオールのグリシジルエーテル化物及びそ
の他のエポキシ樹脂からなるエポキシ樹脂と硬化剤を主
成分としてなるが、必要に応じて反応促進剤、反応希釈
剤、充填剤や強化剤、三酸化アンチモン、ブロム化合
物、水酸化アルミニウムなどの難燃剤、染料や顔料、離
型剤や流動調整剤、可塑剤、抗酸化剤、紫外線吸収剤、
光安定剤、消泡剤、レベリング剤、着色剤、二酸化チタ
ン、溶剤などを添加することができ、その適用量は本発
明の効果を損なわない範囲で任意に適用することができ
る。
【0047】反応促進剤としては、例えば2−エチル−
4−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、1
−ベンジル−2−メチルイミダゾールなどのイミダゾー
ル類、ジメチルシクロヘキシルアミン、ベンジルジメチ
ルアミン、トリス(ジアミノメチル)フェノールなどの
第3級アミン類、1,8−ジアザビシクロ(5,4,
0)ウンデセン−7などのジアザビシクロアルケン類お
よびそれらの塩類、オクチル酸亜鉛、オクチル酸錫やア
ルミニウムアセチルアセトン錯体などの有機金属化合
物、トリフェニルホスフィン、亜リン酸トリフェニルな
どの有機リン系化合物、三フッ化硼素、トリフェニルボ
レートなどの硼素系化合物、塩化亜鉛、塩化第二錫など
の金属ハロゲン化物、第4級アンモニウム化合物、2,
4−ジヒドロキシ−3−ヒドロキシメチルペンタンのナ
トリウムアルコレートなどのアルカリ金属アルコレート
類、アナカルド酸及びその塩、カルドール、カルダノー
ル、フェノール、ノニルフェノール、クレゾールなどの
フェノール類などが挙げられる。
【0048】反応希釈剤としては、ブチルグリシジルエ
ーテル、アリルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシ
ルグリシジルエーテル、スチレンオキサイド、フェニル
グリシジルエーテル、クレジルグリシジルエーテル、p
−sec−ブチルフェニルグリシジルエーテル、グリシ
ジルメタクリレート、3級カルボン酸グリシジルエステ
ル、ジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリ
シジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジル
エーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテ
ル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、
ブタンジオールジグリシジルエーテル、ジグリシジルア
ニリン、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテ
ル、グリセリントリグリシジルエーテルなどが挙げられ
る。
【0049】充填剤や強化剤としては、例えばコールタ
ール、瀝青、織布、ガラス繊維、アスベスト繊維、硼素
繊維、炭素繊維、アラミド繊維、鉱物シリケート、雲
母、石英粉、水酸化アルミニウム、ベントナイト、カオ
リン、珪酸エアロゲル、アルミニウム粉や鉄粉などの金
属粉などが挙げられる。また、離型剤や流動調整剤とし
ては、例えばシリコーン、エアロジル、コロイド性含水
珪酸アルミニウム、ワックス、ステアリン酸塩、炭酸カ
ルシウム、タルクなどが挙げられる。
【0050】さらに、可塑剤としてはパイン油、低粘度
液状高分子、ゴム状物、タール、ポリサルファイド、ウ
レタンプレポリマー、ポリオール、ジエチルフタレー
ト、ジブチルフタレート、エピクロルヒドリンの重合
物、ジオクチルフタレート、ジオクチルアジペート、ト
リクレジルホスフェートなどが挙げられる。これらの添
加剤を本発明のエポキシ樹脂に配合する方法としては、
特に制限はなく、慣用の配合方法が適用できる。
【0051】
【発明の実施の形態】以下、実施例を用いて本発明をさ
らに詳細に説明する。以下の実施例、及び比較例におい
て、全塩素濃度は、塩素・硫黄分析装置TSX−10型
(三菱化学社製)を用いて測定した。また、エポキシ当
量の測定は、シクロヘキサンジオールのグリシジルエー
テル化物0.5000g、n−プロピルアルコールを5
0ml、ベンジルアルコール3ml、及びヨウ化カリウ
ム0.2gを蒸留水10gに溶解した溶液を混合し、加
熱することにより還流させ、ついで、指示薬としてBT
B溶液を添加し、0.1Nの塩酸を用いて滴定を行うこ
とで当量点を求める指示薬滴定法により測定した。
【0052】また、得られる硬化物の使用中における変
色の評価として、ウエザオメーターXENOTEST
1200CPS(Heraeus社製)を用い、ブラッ
クパネル63℃、60W/m2 、降雨条件において、曲
げ試験時に用いた試験片と同じサイズの硬化体に500
時間キセノンアークを照射させ、その前後における硬化
体の着色(YI)の増加(△YI)を評価した。なお、
YIの測定には、スガ試験機社製SMカラーコンプュー
ター、モデルSM−5を用いた。
【0053】
【実施例1】trans−1,2−シクロヘキサンジオ
ールとエピクロルヒドリンから、米国特許第34259
61号明細書に記されている方法により得た、シクロヘ
キサンジオールのグリシジルエーテル化物を、トップ温
度155〜165℃、10〜15torrで蒸留するこ
とにより、25℃における粘度が13cP、エポキシ当
量123g/当量、全塩素濃度0.022重量%、ガー
ドナー色数は1未満である無色透明のシクロヘキサンジ
オールのグリシジルエーテル化物(I)を得た。(I)
をガスクロマトグラフィ及びゲルパーミエーションクロ
マトグラフィにより分析した結果、式(2)において
p、qがともに0である、trans−1,2−シクロ
ヘキサンジオールジグリシジルエーテルが98.7重量
%含有されていた。
【0054】(I)を密閉容器に入れ、−5℃において
5日間放置した結果、(I)は該温無色透明の低粘性液
体のままであった。(I)を100重量部、ヘキサヒド
ロ無水フタル酸を128重量部、及びN,ジメチルベン
ジルアミンを1重量部を配合することにより、硬化性エ
ポキシ樹脂組成物を調整した。該組成物は室温におい
て、薄黄色の低粘性液体であり、−3℃において5日間
放置した結果、該温度では透明性は保持されたままであ
り、室温に戻した場合には粘性にほとんど変化していな
かった。
【0055】上記組成物を室温において金型に注ぎ、空
気中で80℃2時間、100℃2時間、150℃4時
間、各温度で保持させることにより、厚さ3mmの板状
の薄黄色透明で、表面平滑性及び表面光沢性の高い硬化
体を得た。また、該硬化体の使用中における変色を評価
した結果、△YIは0.7であった。
【0056】
【実施例2】cis、及びtrans−1,3−シクロ
ヘキサンジオール混合物(cis体48%、trans
体52%)を用い、蒸留時の真空度を5〜9torrと
した以外は、実施例1と同様の方法によりシクロヘキサ
ンジオールのグリシジル化物(II)を得た。(II)
は、25℃における粘度が18cP、エポキシ当量2g
/当量、全塩素濃度0.051重量%であり、ガードナ
ー色数は1未満である無色透明な液体であった。また、
(II)をガスクロマトグラフィ及びゲルパーーション
クロマトグラフィにより分析した結果、式(2)におい
てp、qがともに0である、1,3−シクロヘキサンジ
オールジグリシジルエーテル(cis体、trans体
混合物)が98.0重量%含有されていた。
【0057】(II)を密閉容器に入れ、−5℃におい
て5日間放置した結果、(II)は無色透明の低粘性液
体のままであった。また、(II)を100重量部、ヘ
キサヒドロ無水フタル酸を128重量部、N,N−ジメ
チルベンジルアミンを1重量部を配合することにより、
硬化性エポキシ樹脂組成物を調整した。該組成物は室温
において、薄黄色の低粘性液体であり、−3℃において
5日間放置した結果、該温度では透明性は保持されたま
まであり、室温に戻した場合には粘性にほとんど変化し
ていなかった。
【0058】上記組成物を室温において金型に注ぎ、空
気中で80℃2時間、100℃2時間、ついで150℃
4時間、各温度で保持させることにより、厚さ3mmの
板状の薄黄色透明で、表面平滑性及び表面光沢性の高い
硬化体を得た。また、該硬化体の使用中における変色を
評価した結果、△YIは0.9であった。
【0059】
【実施例3】cis、及びtrans−1,4−シクロ
ヘキサンジオール混合物(cis体43%、trans
体57%)を用い、蒸留時の真空度を5〜9torrと
した以外は、実施例1と同様の方法によりシクロヘキサ
ンジオールのグリシジル化物(III)を得た。(II
I)は、25℃における粘度が20cP、エポキシ13
1g/当量、全塩素濃度0.147重量%であり、ガー
ドナー色数は1未満である無色透明な液体であった。ま
た、(III)をガスクロマトグラフィ及びーミエーシ
ョンクロマトグラフィにより分析した結果、式(2)に
おいてp、qがともに0である、1,4−シクロヘキサ
ンジオールジグリシジルエーテル(cis体、tran
s体混合物)が96.4重量%含有されていた。
【0060】(III)を密閉容器に入れ、−5℃にお
いて5日間放置した結果、(III)は該温度で無色透
明の低粘性液体のままであった。また、(III)を1
00重量部、ヘキサヒドロ無水フタル酸を125重量部
びN,N−ジメチルベンジルアミンを1重量部を配合す
ることにより、硬化性エポキシ樹脂組成物を調整した。
該組成物は室温において、薄黄色の低粘性液体であり、
−3℃において5日間放置した結果、該温度では透明性
は保持されたままであり、室温に戻した場合には粘性に
ほとんど変化していなかった。
【0061】上記組成物を室温において金型に注ぎ、空
気中で80℃2時間、100℃2時間、ついで150℃
5時間、各温度で保持させることにより、厚さ3mmの
板状の薄黄色透明で、表面平滑性及び表面光沢性の高い
硬化体を得た。また、該硬化体の使用中における変色を
評価した結果、△YIは1.5であった。
【0062】
【実施例4】蒸留時の真空度を0.8〜2torrとし
た以外は、実施例1と同様の方法によりシクロヘキサン
ジオールのグリシジル化物(IV)を得た。(IV)
は、2における粘度が27cP、エポキシ当量140g
/当量、全塩素濃度1.720重量%であり、ガードナ
ー色数は1未満である無色透明な液体であった。また、
(IV)をガスクロマトグラフィ及びゲルパーミエーシ
ョンクロマトグラフィに析した結果、式(2)において
p、qがともに0である、1,2−シクロヘキサンジオ
ールジグリシジルエーテルが87.2重量%含有されて
いた。
【0063】(IV)を密閉容器に入れ、−5℃におい
て5日間放置した結果、(IV)は無色透明の低粘性液
体のままであった。また、(IV)を100重量部、ヘ
キサヒドロ無水フタル酸を107重量部、N,N−ジメ
チルベンジルアミンを1重量部を配合することにより、
硬化性エポキシ樹脂組成物を調整した。該組成物は室温
において、薄黄色の低粘性液体であり、−3℃において
5日間放置した結果、該温度では透明性は保持されたま
まであり、室温に戻した場合には粘性にほとんど変化し
ていなかった。
【0064】上記組成物を室温において金型に注ぎ、空
気中で80℃2時間、100℃2時間、ついで150℃
5時間、各温度で保持させることにより、厚さ3mmの
板状の薄黄色透明で、表面平滑性及び表面光沢性の高い
硬化体を得た。また、該硬化体の使用中における変色を
評価した結果、△YIは2.2であった。
【0065】
【比較例1】実施例1で得られたシクロヘキサンジオー
ルのグリシジルエーテル化物(I)に、実施例1で蒸留
を行った際の蒸留残留物を添加することにより、25℃
における粘度が65cP、エポキシ当量が142g/当
量、全塩素濃度が1.832重量%であるシクロヘキサ
ンジオールのグリシジルエーテル化物(V)を得た。
(V)はガードナー色数が1である、薄黄色の透明液体
であった。
【0066】また、(V)をガスクロマトグラフィ及び
ゲルパーミエーションクロマトグラにより分析した結
果、式(2)においてp、qがともに0である、1,2
−シクロヘキサンジオールジグリシジルエーテルが82
重量%含有されていた。(V)を密閉容器に入れ、−5
℃において5日間放置した結果、(V)は該温度で透明
性を保持していた。
【0067】また、(V)を100重量部、ヘキサヒド
ロ無水フタル酸を107重量部、及,N−ジメチルベン
ジルアミンを1重量部を配合することにより、硬化性エ
ポキシ樹脂組成物を調整した。該組成物は室温におい
て、薄い黄色の粘性が高い液体であり、−3℃において
5日間放置した結果、該温度では透明性は保持されたま
まであり、室温に戻した場合には粘性はほとんど変化し
ていなかった。
【0068】上記組成物を空気中で80℃・2時間、1
00℃・2時間、ついで150℃・4時間、各温度で保
持させることにより、厚さ3mmの板状の硬化体を得
た。該硬化体は硬化前と比較し激しく濃黄色に着色して
いた。また、硬化体表面が微小な空孔が多く存在してお
り、成形性が低下した。また、該硬化体の使用中におけ
る変色を評価した結果、△YIは4.1であった。
【0069】
【比較例2】trans−1,2−シクロヘキサンジオ
ールとエピクロルヒドリンから、米国特許第34259
61号明細書に記載されている方法により得たシクロヘ
キサンジオールのグリシジルエーテル化物200gに、
900mlの蒸留水を加え、24℃において激しく攪拌
し、油層(下層)を分離する操作を5回繰り返した。つ
いで、得られる油層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ
ることにより、シクロヘキサンジオールのグリシジルエ
ーテル化物(VI)を得た。該化合物は、25℃におけ
る粘度が46cP、エポキシ当量148g/当量、全塩
素濃度4.842重量%であり、ガードナー色数は1未
満である無色透明な液体であった。また、(VI)をガ
スクロマトグラフィ及びゲルパーミエーションクロマト
グラフィに析した結果、式(2)においてp、qがとも
に0である、1,2−シクロヘキサンジオールジグリシ
ジルエーテルが62重量%含有されていた。
【0070】また、(VI)を100重量部、ヘキサヒ
ドロ無水フタル酸を103重量部、N,N−ジメチルベ
ンジルアミンを1重量部を配合することにより、硬化性
エポキシ樹脂組成物を調整した。該組成物は室温におい
て、濃い黄色の粘性が高い液体であった。上記組成物を
空気中で80℃2時間、100℃2時間、ついで150
℃4時間、各温度で保持させることにより、厚さ3mm
の板状の硬化体を得た。該硬化体は硬化前と比較し激し
く濃黄色に着色していた。
【0071】また、該硬化体の使用中における変色を評
価した結果、硬化体は外観観察においては光沢性が低下
しており、△YIは14.0であり、著しく変色してい
た。った。
【0072】
【比較例3】実施例1で得られたシクロヘキサンジオー
ルのグリシジルエーテル化物(I)に、式(3)におい
てpが0である化合物が純度98重量%で含有されるシ
クロサンジオールのグリシジルエーテル化物を添加する
ことににより、25℃における粘度が48cP、エポキ
シ当量が158g/当量、全塩素濃度が0.116%で
あるシクロヘキサンジオールのグリシジルエーテル化物
(VII)を得た。
【0073】(VII)はガードナー色数が1未満であ
り、無色透明液体であった。また、(VII)をガスク
ロマトグラフィ及びゲルパーミエーションクロマトグラ
フィにより分析した結果、式(2)においてp、qがと
もに0である、1,2−シクロヘキサンジオールジグリ
シジルエーテルが21重量%含有されていた。
【0074】(VII)を密閉容器に入れ、−5℃にお
いて5日間放置した結果、(VII)は、該温度で透明
性が低下していた。また、(VII)を100重量部、
ヘキサヒドロ無水フタル酸を103重量部及びN,N−
ジメチルベンジルアミンを1重量部を配合することによ
り、硬化性エポキシ樹脂組成物を調整した。該組成物は
室温において、薄い黄色の粘性が高い液体であった。
【0075】上記組成物を空気中で80℃2時間、10
0℃2時間、ついで150℃4時間、各温度で保持させ
ることにより、厚さ3mmの板状の硬化体を得た。該硬
化体は硬化前と比較し濃黄色に着色していた。また、硬
化体表面が微小な空孔が非常に多く存在し、表面平滑性
及び光沢性が低く、成形性が低下した。また、該硬化体
の使用中における変色を評価した結果、△YIは2.1
であった。
【0076】
【実施例5】実施例1で得られたシクロヘキサンジオー
ルのグリシジルエーテル化物(I)20重量部、エポキ
シ当量が184g/当量であり、25℃において回転粘
度計で測定された粘度が13500cPであるビスフェ
ノールA型液状エポキシ樹脂80重量部をからなる、無
色透明の液状エポキシ樹脂混合物(VIII)を調整し
た。
【0077】(VIII)を密閉容器に入れて、−5℃
において5日間放置した結果、(VIII)は該温度で
無色透明のままであった。(VIII)を100重量
部、ヘキサヒドロ無水フタル酸を92重量部、及びN,
N−ジメチルベンジルアミンを1重量部配合することに
より硬化性エポキシ樹脂組成物を調整した。該組成物は
0℃において流動性を有する透明液状であった。
【0078】この組成物を室温において金型に注ぎ、空
気中で80℃2時間、100℃2時間、150℃4時
間、各温度で放置させることにより、厚さ3mmの板状
の薄黄色透明の硬化体を得た。
【0079】
【比較例4】実施例5で用いたビスフェノールA型液状
エポキシ樹脂を密閉容器に入れ、−5℃において5日間
放置した。その結果、この液状樹脂は該温度で白色に濁
っており、透明性が無かった。このビスフェノールA型
液状エポキシ樹脂100重量部、ヘキサヒドロ無水フタ
ル酸75重量部、N,N−ジメチルベンジルアミン1重
量部を配合し、硬化性エポキシ樹脂組成物を調整した。
該組成物は0℃において流動性はなかった。
【0080】この組成物を室温において金型に注ぎ、実
施例5と同様に硬化体を得ようとしたところ、組成物の
粘性が高く、金型内に気泡を巻き込んだ状態でしか注ぐ
ことができなかった。
【0081】
【発明の効果】本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物は、
低温保存性に優れ、粘性が低く、また、硬化時や使用中
における変色が少ない硬化体を与えることができる。従
って本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物は、成形性に優
れ、得られる硬化体は使用中における変色がすくないた
め、注型成形材料、接着剤、塗料、封止材料、又は繊維
複合材料のマトリックス樹脂として有用である。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エポキシ樹脂と硬化剤からなる硬化性エ
    ポキシ樹脂組成物であって、該エポキシ樹脂がシクロヘ
    キサンジオールのグリシジルエーテル化物を含有し、該
    シクロヘキサンジオールのグリシジルエーテル化物の粘
    度が25℃において8〜50cP、全塩素濃度が2.0
    00重量%以下、且つエポキシ当量が114〜150g
    /当量であることを特徴とする硬化性エポキシ樹脂組成
    物。
  2. 【請求項2】 エポキシ樹脂がシクロヘキサンジオール
    のグリシジルエーテル化物1〜99重量%、及びその他
    のエポキシ樹脂1〜99重量%からなる請求項1記載の
    硬化性エポキシ樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 シクロヘキサンジオールのグリシジルエ
    ーテル化物中のシクロヘキサンジオールジグリシジルエ
    ーテルが85重量%以上である請求項1または2記載の
    硬化性エポキシ樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 シクロヘキサンジオールのグリシジルエ
    ーテル化物の25℃における粘度が8〜40cPである
    請求項1〜3のいずれかに記載の硬化性エポキシ樹脂組
    成物。
  5. 【請求項5】 シクロヘキサンジオールのグリシジルエ
    ーテル化物の全塩素濃度が0.500重量%以下である
    請求項1〜4のいずれかに記載の硬化性エポキシ樹脂組
    成物。
  6. 【請求項6】 シクロヘキサンジオールのグリシジルエ
    ーテル化物のガードナー色数が1以下である請求項1〜
    5のいずれかに記載の硬化性エポキシ樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載の硬化性
    エポキシ樹脂組成物により得られる硬化物。
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