JP2001158792A - エポキシ化合物 - Google Patents

エポキシ化合物

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JP2001158792A
JP2001158792A JP34442199A JP34442199A JP2001158792A JP 2001158792 A JP2001158792 A JP 2001158792A JP 34442199 A JP34442199 A JP 34442199A JP 34442199 A JP34442199 A JP 34442199A JP 2001158792 A JP2001158792 A JP 2001158792A
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acid
epoxy compound
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Akiyoshi Shimoda
晃義 下田
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英城 伊達
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Asahi Kasei Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、耐候性、耐熱性、及び耐水性
に優れた硬化物を与え、熱可塑性樹脂や難燃性樹脂組成
物に対する添加剤として有用に用いることができる、エ
ポキシ基を含有したオルガノ(ポリ)シロキサン骨格か
らなる、新規な構造を有するエポキシ化合物及びその組
成物を提供することにある。 【解決手段】 オルガノ(ポリ)シロキサン化合物にお
いて、下記一般式(1)で表される脂環式エポキシ基を
1つ以上有することを特徴とするエポキシ化合物を提供
する。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オルガノ(ポリ)
シロキサン化合物化合物において、特定の構造を有する
脂環式エポキシ基を分子内に有した、新規な構造のエポ
キシ化合物及びその組成物に関する。さらに詳しくは、
耐候性、耐水性、及び耐熱性に優れる硬化物を与える架
橋構造形成材料や、熱可塑性樹脂の安定剤、難燃剤、ま
たは難燃助剤等に好適に使用できる、脂環式エポキシ基
を有する新規な構造のエポキシ化合物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、電気絶縁材、接着剤、各種注
型成形材、塗料等に用いられる架橋構造形成剤として、
熱や光で架橋反応を起こす反応性官能基を有する化合物
が広く用いられており、近年、その種類及び用途はさら
に拡大の傾向にある。一般に、これら架橋構造形成剤
は、反応する硬化剤等との架橋反応時に副成物がでない
付加反応を行うものが好ましく、且つその使用前におい
ては一定の保存安定性を有する架橋構造形成剤が必要と
されている。これら架橋剤としては、例えば、グリシジ
ル基等のエポキシ基や、アリル基等を架橋に関わる反応
性官能基として有している化合物が好ましく、特に、グ
リシジル基等のエポキシ基を反応性官能基として有した
化合物が広く利用されていおり、各分野においてさらな
る高性能の化合物が望まれている。
【0003】例えば、塗料分野においては、高い耐候性
を有する硬化物を与える架橋構造形成剤が強く望まれて
おり、また、電気絶縁材分野においては高い熱変形温度
と低い吸水率を有する硬化物を与える架橋構造形成剤が
望まれている。
【0004】また、近年、グリシジル基等のエポキシ基
を有する化合物は、酸成分を本来含有するかまたは成型
時に酸性分を発生するような熱可塑性樹脂や、酸性分を
有する配合物を含有する熱可塑性樹脂に対して安定化さ
せるための添加剤としても提案されている。例えば、一
般に広く用いられている難燃性が付与されたポリカーボ
ネート樹脂/ABS樹脂からなるアロイは、難燃性を付
与するために難燃剤を配合している。該難燃剤として
は、通常、フェノール系化合物が結合してなる有機リン
化合物が広く用いられている。しかしながら、一般に該
有機リン化合物は、有機リン酸類や、フェノール系化合
物に由来するフェノール系水酸基等の酸性分が含まれて
おり、これら酸性分が前記ポリカーボネート樹脂/AB
S樹脂からなるアロイに対して、例えば、成形加工中に
変色させて外観を損ねる原因となる。また、該酸成分が
上記アロイからなる成形体に含有される場合には、高温
高湿環境下に長時間暴露した場合に、耐衝撃性や破断伸
びが低下する傾向にある。
【0005】上記難燃性ポリカーボネート/ABSアロ
イにグリシジル基等のエポキシ基を有する化合物を添加
剤として用いることにより、該酸性分を安定化させるこ
とができるが、用いられるグリシジル基等のエポキシ基
を有する化合物においても、高い耐候性、耐熱性、及び
耐水性有している必要がある。さらには、該添加剤とし
て用いる化合物自体が熱可塑性樹脂組成物中で難燃効果
の発現できるものが好ましい。
【0006】グリシジル基等のエポキシ基を有する化合
物としては、例えばビスフェノールAから誘導されるジ
グリシジルエーテル等のフェノール系化合物から誘導さ
れるグリシジル基を有したエポキシ化合物が広く用いら
れている。しかしながら、ビスフェノールA等のフェノ
ール系化合物から誘導されるエポキシ樹脂は、紫外線に
より変色する等、耐候性に関して低いレベルにあり、屋
外での使用には制限がある。
【0007】また、脂肪族系化合物から誘導されるジグ
リシジルエーテル化合物を架橋構造形成剤として用いた
場合には、得られる硬化物の耐熱性や耐水性が一般的に
低い。また、難燃性ポリカーボネート/ABSアロイへ
の相溶性も低い傾向にある。さらには、これらの化合物
自体が該アロイに対して難燃効果が無い。
【0008】また、高い耐候性を有するグリシジル基等
のエポキシ基を有する化合物として、例えば、トリグリ
シジルイソシアヌレート、テレフタル酸ジグリシジルエ
ステル、さらにはトリメリット酸トリグリシジルエステ
ル等、フェノール系化合物以外のから誘導されるグリシ
ジル化合物も提案されている。これらは、耐候性が高
く、塗料分野において広く用いられている。しかしなが
ら、例えば耐水性に十分ではなく、電気絶縁分野におい
ては吸水性の点で十分ではない。
【0009】ところで、オルガノ(ポリ)シロキサン構
造が耐候性、耐熱性、耐水性に優れる分子の構造として
知られており、該構造を有する各種化合物が、現在各種
用途に広く用いられている。これらの中で該化合物にグ
リシジル基や下記式(3)に示されるようなメチレン基
を介した脂環式エポキシ基を結合させた化合物も各種提
案され、一部では産業上で用いられている。
【0010】
【化3】
【0011】しかしながら、これらの化合物は、硬化剤
と組み合わせて得られる硬化体や、熱可塑性樹脂に対す
る添加剤として用いた場合、上記求められている耐候
性、耐熱性及び耐水性等の要求性能のいずれかに対し十
分ではない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、耐候性、耐
熱性、及び耐水性に優れた硬化物を与え、難燃性樹脂組
成物に対する添加剤として有用に用いることができる、
エポキシ基を含有したオルガノ(ポリ)シロキサン骨格
からなる、新規な構造を有するエポキシ化合物及びその
組成物を提供するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく、オルガノ(ポリ)シロキサン骨格に、エ
ポキシ基を含有した化合物を関し鋭意検討を行った。そ
の結果、特定の脂環式エポキシ基をオルガノ(ポリ)シ
ロキサン構造に結合させた化合物が、硬化して得られる
硬化物の耐熱性、耐候性、及び耐候性がグリシジル基や
上式(3)で表される脂環式エポキシ基を有するものよ
りも高い性能を有し、また、熱可塑性樹脂、例えば難燃
性ポリカーボネート/ABSアロイに配合した場合に
は、高い耐高温高湿性を示し、さらには、ポリカーボネ
ート樹脂に配合することにより難燃性も付与できる傾向
にあることを見出し、本発明に至った。
【0014】即ち、本発明は以下の通りである。 (1)オルガノ(ポリ)シロキサン化合物において、下
記一般式(1)で表される脂環式エポキシ基を1つ以上
有することを特徴とするエポキシ化合物。
【0015】
【化4】 (式中、mは1又は2から選ばれる整数を表す。)
【0016】(2)オルガノ(ポリ)シロキサン化合物
において、上記一般式(1)で表される脂環式エポキシ
基がエーテル結合及び/又は二価の炭化水素基を介して
珪素原子に結合することを特徴とする上記(1)記載の
エポキシ化合物。
【0017】(3)下記一般式(2)で表される上記
(1)記載のエポキシ化合物。
【化5】
【0018】(式中、R1、R2、及びR3はそれぞれ独
立に一価の炭化水素基又は水酸基を表し、同一であって
も異なっていてもよい。また、kは1以上2000以下
の整数を表す。また、k1、k2、及びk3は0を含む2
000以下の正の整数であり、k1+k2+k3は1以上
2000以下の整数を表す。また、Xは上記一般式
(1)で表される脂環式エポキシ基を表す。また、
1、X2、及びX3はそれぞれ独立には上記一般式
(1)で表される脂環式エポキシ基、一価の炭化水素
基、グリシジル基、または低級オルガノシロキサン基を
表す。)
【0019】(4)上記一般式(2)において、k2
びk3が0である上記(3)記載のエポキシ化合物。
【0020】(5)上記(1)〜(4)いずれか記載の
エポキシ化合物と硬化剤から少なくともなる硬化性組成
物。
【0021】(6)上記(5)の硬化性組成物を硬化し
てなる硬化体。
【0022】(7)上記(1)〜(4)いずれか記載の
エポキシ化合物と熱可塑性樹脂から少なくともなる樹脂
組成物。
【0023】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
おいて、オルガノ(ポリ)シロキサン化合物とは、珪素
原子を一個以上有し、一つ以上の一価の炭化水素基が直
接及び/又はエーテル結合を介し該珪素原子に結合した
構造を有する珪素含有有機化合物を意味する。
【0024】本発明は、上記オルガノ(ポリ)シロキサ
ン化合物が上記一般式(1)で表される脂環式エポキシ
基を一つ以上有していることを必須とする。特に、該脂
環式エポキシ基を2個以上有する場合が、例えば該化合
物を硬化物を得る為の架橋構造形成剤として用いる場合
には架橋密度が向上し、引張り強度等の機械的物性が向
上するため好ましい。また、本発明においては、上記一
般式(1)中のmは2である場合が、耐熱性や耐水性が
向上する点で好ましい。
【0025】本発明においては、上記一般式(1)で表
される脂環式エポキシ基が、上記オルガノ(ポリ)シロ
キサン化合物に結合する形態として、例えば、直接珪素
原子に結合した形態、珪素原子にエーテル結合を介して
結合する形態、或いは珪素原子に直接又はエーテル結合
を介して結合する二価以上の炭化水素基に、直接結合又
はエーテル結合やエステル結合を介して結合するよう
な、二価以上の炭化水素基を介して珪素原子に結合する
形態、等が挙げられる。これら結合形態は同一分子中で
1種類であるかまたは2種以上で存在してもよい。本発
明においては、上記結合形態において、珪素原子に該脂
環式エポキシ基がエーテル結合を介して結合した形態、
及び二価の炭化水素基を介して結合した形態である場合
が、耐候性が向上する傾向にあり、また、例えば有機リ
ン化合物含有する熱可塑性樹脂に添加剤として用いた場
合に、該樹脂の高温高湿性が向上する点で好ましい。
【0026】また、本発明においては、上記各種性能を
向上させる点で、特に上記一般式(2)で表される構造
を有するエポキシ化合物の場合が好ましい。該式中、k
は1以上2000以下の整数を表す。kが2000を越
える場合には、例えば硬化剤と混合することにより得ら
れる硬化性組成物が均一でない傾向にあり、硬化温度以
下での成形性が低下する。また、熱可塑性樹脂へ添加す
る場合に、良好な分散性が低下し、良好な機械物性が得
られない傾向にある。本発明においては、kは特に1〜
1000が好ましく、さらには1〜300が好ましい。
【0027】また、上記一般式(2)において、k1
2、及びk3は0を含む2000以下の整数であり、且
つk1+k2+k3は1以上2000以下の整数である。
これら、k1、k2及びk3、さらにはk1+k2+k3が2
000を越える場合は、上記同様、該化合物を含む組成
物の成形性が低下する傾向にある。本発明においては、
これらk1、k2及びk3、さらにはk1+k2+k3は10
00以下が特に好ましく、さらには300以下が好まし
い。特に本発明においては、これらk1、k2、k3さら
にはk1+k2+k3が10以上の場合には、上記kは1
〜30である場合が望ましい。
【0028】上記一般式(2)で表されるR1、R2、及
びR3はそれぞれ独立に一価の炭化水素基又は水酸基を
表す。これらは同一分子中で同一であっても異なってい
てもよい。該炭化水素基は本発明においては炭素数18
以下が望ましく、特に炭素数10以下が望ましい。さら
に該炭化水素基は得られる硬化体や樹脂組成物の物性を
著しく低下させない範囲で、塩素、臭素、フッ素等のハ
ロゲン原子やオキシラン環、さらには炭素−炭素不飽和
二重結合を有していても良い。該炭素数が18を越える
場合には例えばポリカーボネートへ混合させる場合、相
溶性や分散性が低下する傾向にある。さらには硬化剤と
組み合わせて硬化してなる硬化体の耐熱性も低い傾向に
ある。また、該炭化水素基は脂環基や芳香環等の環状炭
化水素基であってもよい。本発明において該炭化水素基
は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキ
シル基、オクチル基、シクロヘキシル基、フェニル基等
が挙げられる。例えば、該炭化水素基がフェニル基の場
合には、ポリカーボネート等の芳香環を主鎖もしくは側
鎖に有する樹脂への相溶性や分散性が向上する点で望ま
しい。
【0029】上記一般式(2)において、X1、X2、及
びX3はそれぞれ独立に、上記一般式(1)で表される
脂環式エポキシ基、一価の炭化水素基、グリシジル基、
又は低級オルガノシロキサン基を表し、それぞれ同一分
子中で同一であっても異なっていてもよい。該炭化水素
基は、本発明においては上記同様、炭素数が18以下で
ある場合が望ましく、特に10以下が望ましく、例えば
メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル
基、シクロヘキシル基、シクロヘキセニル基等が挙げら
れる。また、上記低級オルガノシロキサン基とは、珪素
及び炭化水素を同時に含有する1価の有機置換基であ
り、且つ上記一般式(2)中の酸素原子が該置換基中の
珪素原子に結合する結合形態を有し、さらに該置換基中
の珪素原子数が1〜10の範囲にあるものをいう。該置
換基中に珪素原子が二つ以上存在する場合には、該珪素
原子は互いにエーテル結合で結合されていてもよく、ま
た二価以上の炭化水素基を介して結合していてもよい。
また、該置換基中に存在する珪素原子は、例えば水酸基
を物性を著しく低下させない範囲で有していても良い。
【0030】また、本発明の上記一般式(2)におい
て、該式中のk2及びk3が0である場合が、例えば硬化
剤や熱可塑性樹脂と配合した場合の相溶性や分散性がさ
らに向上する傾向にあるため好ましい。
【0031】以上説明した本発明のエポキシ化合物得る
ための製造方法は、本発明では特に制限なく、従来より
公知の反応を組み合わせることにより製造できる。例え
ば、原料珪素化合物と相手は従来より公知のシラン化合
物モノマーやオルガノ(ポリ)シロキサン化合物を用い
て、下記式に表される脂環式化合物をエーテル化反応等
により結合させることにより、本発明のエポキシ化合物
を製造することができる。
【0032】
【化6】
【0033】また、従来より公知のシラン化合物モノマ
ーやオルガノ(ポリ)シロキサン化合物を用いて、下記
式で表される脂環基中に炭素−炭素不飽和二重結合を有
する化合物をエーテル化反応やハイドロシリレイション
反応等により結合させておき、ついで酸化剤を用いて該
二重結合をエポキシ化することにより、本発明のエポキ
シ化合物を製造することができる。
【0034】
【化7】
【0035】本発明において、従来公知のシラン化合物
モノマーとしては、例えばアルコール性水酸基と反応し
たり、ハイドロシリレイションしうるハロゲン基や水素
基を有する下記一般式(4)で表されるような化合物で
ある。
【0036】
【化8】
【0037】(式中、Yは塩素、臭素、水素を表す。ま
た、Zは炭化水素基、アルコキシル基を表す。yは1以
上4以下の整数である。)
【0038】また、上記原料珪素化合物としてのオルガ
ノ(ポリ)シロキサン化合物としては、珪素原子を2個
以上有し、該珪素原子が上式に示されるような化合物と
反応しうるハロゲンや水素原子を結合して有する化合物
を意味する。
【0039】例えば、本発明のエポキシ化合物を得る方
法として、ジメチルジクロロシランと過剰の3−ヒドロ
キシシクロヘキセンを用いてエーテル化反応を行うこと
により下記式(5)で表される化合物を得て、ついで、
該化合物に対して酸化剤を作用させることによりエポキ
シ化反応を行うことにより、下記式(6)の化合物を得
ることができる。
【0040】
【化9】
【0041】
【化10】
【0042】上記エーテル化反応においては、溶媒を用
いても構わない。該溶媒としては、反応を阻害するもの
でなければ特に制限はなく、例えばヘキサンやトルエン
等の炭化水素類、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素
類、酢酸メチル等のエステル類、ジメチルエーテル等の
エーテル類等が使用できる。さらに、反応系に反応中に
発生するハロゲン化水素と塩を形成できる、例えばピリ
ジンやトリエチルアミン等の一般に公知の有効な塩基化
合物を共存させてもよい。
【0043】上記エポキシ化反応に用いる酸化剤として
は、過酢酸やm−クロロ過安息香酸等の過酸類、クメン
ハイドロパーオキサイド等の過酸化物、過酸化水素、分
子状酸素等が挙げられる。これら酸化剤は、溶媒や場合
により触媒を用いることによりエポキシ化反応において
好適に使用できる。
【0044】本発明のエポキシ化合物は、各種用途にお
いて一種類で用いてもよく、又は二種以上の混合物で用
いてもよい。
【0045】本発明のエポキシ化合物において、エポキ
シ基を2個以上有する化合物は、通常のエポキシ化合物
の硬化反応に使用される硬化剤が好適に使用できる。該
硬化剤は、光や熱によりエポキシ基と反応することによ
り架橋構造を形成できるものであって、エポキシ基に付
加する酸性又は塩基性の活性水素を複数個含む化合物
や、又はエポキシ基を触媒的に重合させる酸性又は塩基
性化合物である。これら硬化剤として用いられる化合物
としては、酸又は酸無水物系硬化剤、アミン系硬化剤、
多価カルボン酸とポリアルキレンポリアミンとの反応に
より得られポリアミノアミド系硬化剤、イミダゾール
類、ポリメルカプタン系硬化剤、ルイス酸、ブロンステ
ッド酸、フェノール系化合物又はこれらの混合物であ
る。
【0046】酸又は酸無水物系硬化剤としては、例え
ば、ポリアゼライン酸無水物、ポリアジピン酸無水物、
ドデセニル無水コハク酸、ポリセバシン酸無水物、ポリ
(フェニルヘキサデカン二酸)無水物、ポリ(エチルオ
クタデカン二酸)無水物等の脂肪族カルボン酸無水物と
そのカルボン酸、メチルシクロヘキセンジカルボン酸無
水物、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、テトラ
ヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水
メチルハイミック酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル
酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸等の脂環式カルボ
ン酸無水物とそのカルボン酸、無水フタル酸、無水トリ
メリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテト
ラカルボン酸無水物、エチレングリコールビストリメリ
テート、グリセロールトリストリメリテート等の芳香族
カルボン酸無水物とそのカルボン酸、また、カルボン酸
を末端もしくは鎖中に有するポリエステルやポリアミド
等の樹脂、さらには(メタ)アクリル酸を共重合組成と
して有する樹脂等が挙げられる。
【0047】また、アミン系硬化剤としては、例えば、
エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレ
ンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチ
レンヘキサミン、トリ(メチルアミノ)ヘキサン、メチ
ルイミノビスプロピルアミン、ジプロピレンジアミン、
ヘキサメチレンジアミン、ジエチルアミノプロピルアミ
ン等の脂肪族アミン、シクロヘキサンジアミン、イソホ
ロンジアミン、メンセンジアミン、ジアミノジシクロヘ
キシルメタン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘ
キシル)メタン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロ
ヘキサン、N−アミノエチルピペラジン、等の環状アミ
ン、2,4−ジアミノトルエン、p−フェニレンジアミ
ン、m−フェニレンジアミン、p−キシリレンジアミ
ン、m−キシリレンジアミン等の単環式芳香族アミン、
4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジ
メチル−4,4’−ジアミノジフェニルスルホン等のジ
アミノジフェニルスルホン類、4,4’−ジアミノジフ
ェニルメタン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミ
ノジフェニルメタン、3,3’−ジエチル−4,4’−
ジアミノジフェニルメタン等のジアミノジフェニルメタ
ン類、ジメチルジフェニルエーテル類、ジアミノジフェ
ニルケトン類、ジアミノジフェニルプロパン類、等の芳
香族アミン、または3,9−ビス(3−アミノプロピ
ル)2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)
ウンデカン等のスピロ環系アミン等、及びこれらの混合
物が挙げられる。
【0048】また、塩基性活性水素を含む化合物とし
て、例えば、ジシアンジアミド、アジピン酸ジヒドラジ
ド等の有機酸ジヒドラジド化合物が挙げられる。
【0049】イミダゾール類としては、2−メチルイミ
ダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール等が挙
げられる。
【0050】また、フェノール系化合物としては、例え
ば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノ
ールAD、ジヒドロキシベンゼン、フェノール樹脂等が
挙げられる。
【0051】上記硬化剤は単独で用いてもよいし、二種
以上を所望の割合で混ぜ合わせた混合物として用いても
良い。
【0052】本発明のエポキシ化合物に対して、上記硬
化剤はその用途に応じて選択できる。例えば、可撓性を
要求される場合には脂肪族系硬化剤を用いることがで
き、高いガラス転移点を必要とする場合は芳香族系の硬
化剤を用いることが望ましい。
【0053】上記硬化剤の使用量はエポキシ化合物のエ
ポキシ当量、及び硬化剤の構造や官能基の数に応じて適
当に選択できる。例えば、該エポキシ基に対する硬化剤
の官能基の当量比が、0.3〜1.8、好ましくは0.
5〜1.2の範囲である。該当量比が0.3より低いか
または1.8よりも大きい場合は、得られる硬化物中に
未反応物質や低分子量オリゴマー物質が多く含有される
傾向にあり、機械的物性が低下する。
【0054】また、本発明のエポキシ化合物はは、他の
エポキシ化合物と混合して用いても良い。ここで、他の
エポキシ化合物とは、本発明のエポキシ化合物を除き、
分子中にエポキシ基を平均1個より多く含有する化合物
を意味し、例えば、アルコール類やフェノール類から誘
導されるグリシジルエーテル系化合物、アミン類から誘
導されるグリシジルアミン系化合物、酸や酸無水物から
誘導されるグリシジルエステル系化合物、及び脂環式エ
ポキシ樹脂系化合物等が挙げられる。
【0055】上記アルコール類としては、例えばエチレ
ングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオー
ル、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、シクロペン
タンジオール、シクロヘキサンジメタノール、シクロド
デカンジオール、水添ビスフェノールA、水添ビスフェ
ノールF、水添ビスフェノールAD、グリセリン、ジエ
チレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエ
チレングリコール等が挙げられる。
【0056】またフェノール類としてはジヒドロキシベ
ンゼン(各異性体)、ビスフェノールA、ビスフェノー
ルF、ビスフェノールAD、ビスフェノールS、トリヒ
ドロキシジフェニルジメチルメタン、オキシビスフェノ
ール、チオビスフェノール、4,4’−スルフィニルビ
スフェノール、4,4’−イソビチリデンビスフェノー
ル、メチリデンビスカテコール、ジヒドロキシジフェニ
ル、ピロガロール、フルオログリシン、サリチル酸、ア
ナカルド酸、ノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹
脂等、およびこれらのハロゲン化物が挙げられる。
【0057】またアミン類としては、アリルアミン、イ
ソプロピルアミン、3,3’−イミノビス(プロピルア
ミン)、メチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、3
−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピルアミン、3−
エトキシプロピルアミン、ジブチルアミノプロピルアミ
ン、ブチルアミン、プロピルアミン、メチルアミノプロ
ピルアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、N−メチ
ル−3,3’−イミノビス(プロピルアミン)、3−メ
トキシプロピルアミン、イソシアヌレート、ジエチレン
トリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレン
ペンタミン、ジプロピレントリアミン、ビス(ヘキサメ
チレン)トリアミン、1,3,6−トリスアミノメチル
ヘキサン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、ジエチ
レングリコール・ビスプロピレンジアミン、ジエチルア
ミノプロピルアミン、メンセンジアミン、イソフォロン
ジアミン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシ
ル)メタン、N−アミノエチルピペラジン、メタキシレ
ンジアミン、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェ
ニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、ジアミノジ
フェニルメタン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキ
サン、ビスメチルアミノジフェニルアミン、ジアミノジ
フェニルアミン、ジアミノジベンジルアミン、トリアミ
ノトリベンジルアミン、ジアミノキシレン、キシリレン
ジアミン、ジアミノメシチレン、テトラヒドロナフチレ
ンジアミン、ナフチレンジアミン、メチルベンジジン、
ジアミノジベンジル、ジアミノメチルジフェニルメタ
ン、ジアミノジメチルジフェニル、ジアミノフルオレ
ン、ジアミノスチルベン、ビスアミノフェニルアセチレ
ン、ジアミノアントラセン、ジアミノジナフチル、テト
ラフェニル−ビスアミノフェニルキシロール、エチレン
グリコール−ビスアミノフェニルエーテル、ジアミノジ
フェニルエーテル、ジアミノジフェニルスルフィド、ジ
アミノジフェニルジスルフィド、ハイドロキノン−ビス
アミノフェニルエーテル、ジアミノジベンジルスルフィ
ド、ジアミノナフトール、オキシベンジジン、ジアミノ
ジフェニルカルビノール、ジアミノトリフェニルカルビ
ノール、ジアミノカテコール、ジアミノジオキシフェナ
ントレン、ジアミノピロガロール、ジアミノフルオログ
ルシンなどが挙げられる。
【0058】さらに、多塩基酸類や酸無水物とは、酸無
水物環を一個以上またはカルボキシル基を2個以上有す
る化合物であり、例えば無水フタル酸、無水マレイン
酸、フタル酸、マレイン酸、イソフタル酸、テレフタル
酸、メチルテレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ビ
フェニルジカルボン酸、4,4’−カルボニル二安息香
酸、4,4’−オキシ二安息香酸、4,4’−スルホニ
ル二安息香酸、フェニレン二安息香酸、コハク酸、フマ
ル酸、グルタル酸、シクロプロパンジカルボン酸、シク
ロブタンジカルボン酸、シクロペンタンジカルボン酸、
シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−(2−ノルボル
ネン)ジカルボン酸、2,3−ビシクロ[2.2.2]
オクタンジカルボン酸及びその無水物、シクロヘキサン
二酢酸及びその無水物、1,3−アダマンタンジカルボ
ン酸、アジピン酸等が挙げられる。
【0059】本発明では、上記アルコール類やフェノー
ル類、アミン類、多塩基酸類、酸無水物の中から選ばれ
た単一組成のエポキシ樹脂であっても良いし、2種以上
の共重合体、または混合物であっても良い。
【0060】また、該脂環式エポキシ樹脂系とは、分子
内にエポキシシクロヘキシル環を有する環式脂肪族の化
合物であり、例えばビス(3,4−エポキシシクロヘキ
シル)アジペート、3,4−エポキシシクロヘキシルメ
チル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレー
ト、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)オ
キサレート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシク
ロヘキシルメチル)アジペート、ビス(3,4−エポキ
シシクロヘキシルメチル)ピメレート、6−メチル−
3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−6−メチル−
3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、
3,4−エポキシ−1−メチルシクロヘキシルメチル−
3,4−エポキシ−1−メチルシクロヘキサンカルボキ
シレート、3,4−エポキシ−5−メチル−シクロヘキ
シルメチル−3,4−エポキシ−5−メチルシクロヘキ
サンカルボキシレート、ビニルシクロヘキセンジオキサ
イド、ジペンテンジオキサイド、2−(3,4−エポキ
シシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキ
シ)シクロヘキサンメタン等が挙げられる。
【0061】本発明で用いられる上記本発明以外のエポ
キシ化合物のエポキシ当量は、その分子量にも左右され
るが、通常、80〜10000g/当量のものが好適に
用いられる。また、本発明で用いられる上記エポキシ樹
脂は、室温(25℃)において、液状であっても固体状
であってもよい。
【0062】本発明のエポキシ化合物と他の上記その他
のエポキシ樹脂を併用して用いる場合は、用途分野など
に応じて左右されるが、両者の混合比が重量比で、(本
発明の脂環基含有化合物:その他のエポキシ樹脂)=
(1〜99:99〜1)の範囲で用いられる。
【0063】本発明のエポキシ化合物は、上記に示した
硬化剤や、他のエポキシ化合物の他に、必要に応じて反
応促進剤、反応希釈剤、充填剤や強化剤、三酸化アンチ
モン、ブロム化合物、水酸化アルミニウムなどの難燃
剤、染料や顔料、離型剤や流動調整剤、可塑剤、抗酸化
剤、紫外線吸収剤、光安定剤、消泡剤、レベリング剤、
着色剤、二酸化チタン、溶剤などを添加することがで
き、その適用量は本発明の効果を損なわない範囲で任意
に適用することができる。
【0064】反応促進剤としては、例えば2−エチル−
4−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、1
−ベンジル−2−メチルイミダゾールなどのイミダゾー
ル類、ジメチルシクロヘキシルアミン、ベンジルジメチ
ルアミン、トリス(ジアミノメチル)フェノールなどの
第3級アミン類、1,8−ジアザビシクロ(5,4,
0)ウンデセン−7などのジアザビシクロアルケン類お
よびそれらの塩類、オクチル酸亜鉛、オクチル酸錫やア
ルミニウムアセチルアセトン錯体などの有機金属化合
物、トリフェニルホスフィン、亜リン酸トリフェニルな
どの有機リン系化合物、三フッ化ホウ素、三フッ化ホウ
素ジエチルエーテル錯体、三フッ化ホウ素ピペリジン錯
体、トリフェニルボレートなどの硼素系化合物、塩化亜
鉛、塩化第二錫などの金属ハロゲン化物、第4級アンモ
ニウム化合物、2,4−ジヒドロキシ−3−ヒドロキシ
メチルペンタンのナトリウムアルコレートなどのアルカ
リ金属アルコレート類、アナカルド酸及びその塩、カル
ドール、カルダノール、フェノール、ノニルフェノー
ル、クレゾールなどのフェノール類などが挙げられる。
【0065】反応希釈剤としては、ブチルグリシジルエ
ーテル、アリルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシ
ルグリシジルエーテル、スチレンオキサイド、フェニル
グリシジルエーテル、クレジルグリシジルエーテル、p
−sec−ブチルフェニルグリシジルエーテル、グリシ
ジルメタクリレート、3級カルボン酸グリシジルエステ
ル、ジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリ
シジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジル
エーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテ
ル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、
ブタンジオールジグリシジルエーテル、ジグリシジルア
ニリン、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテ
ル、グリセリントリグリシジルエーテルなどが挙げられ
る。
【0066】充填剤や強化剤としては、例えばコールタ
ール、瀝青、織布、ガラス繊維、アスベスト繊維、硼素
繊維、炭素繊維、アラミド繊維、鉱物シリケート、雲
母、石英粉、水酸化アルミニウム、ベントナイト、カオ
リン、珪酸エアロゲル、アルミニウム粉や鉄粉などの金
属粉などが挙げられる。
【0067】また、離型剤や流動調整剤としては、例え
ばエアロジル、シリコーン、コロイド性含水珪酸アルミ
ニウム、ワックス、ステアリン酸塩、炭酸カルシウム、
タルクなどが挙げられる。
【0068】さらに、可塑剤としてはパイン油、低粘度
液状高分子、ゴム状物、タール、ポリサルファイド、ウ
レタンプレポリマー、ポリオール、ジエチルフタレー
ト、ジブチルフタレート、エピクロルヒドリンの重合
物、ジオクチルフタレート、ジオクチルアジペート、ト
リクレジルホスフェートなどが挙げられる。
【0069】本発明のエポキシ化合物をこれら他の成分
と配合することにより硬化性組成物を製造する場合は、
溶融混練等特に制限はなく、慣用の配合方法が適用でき
る。
【0070】以上のようにして配合された、本発明のエ
ポキシ化合物からなる硬化性組成物は、加熱することに
より、又は紫外線等の光エネルギーにより硬化させるこ
とにより、耐候性、耐熱性、及び耐水性の良好な硬化体
得ることができる。
【0071】例えば、加熱により硬化させる場合は、通
常室温〜300℃、望ましくは80〜250℃の範囲で
硬化反応を行うことができる。硬化時間は、該組成にも
左右させるが、通常、数秒〜200時間の範囲である。
【0072】また、本発明のエポキシ化合物は、熱可塑
性樹脂や、有機リン化合物を難燃剤として含有する熱可
塑性樹脂に配合することにより、難燃性を発現させた
り、樹脂組成物中に含有される酸成分等を安定化させる
ことができる。該熱可塑性樹脂としては、加熱すること
により流動性を発現し、各種形状に成形することが可能
であり、常温で固体である、重量平均分子量が2000
〜10,000,000の範囲にある樹脂を意味する。
該熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリカーボネート系
樹脂、ポリカーボネート系樹脂とABS樹脂あるいはH
IPS樹脂からなるポリマーアロイ、ポリフェニレン系
樹脂及びこれにスチレン系樹脂がブレンドされた樹脂、
スチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリオレフィン系
樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポ
リメタクリル酸メチル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂等が挙
げられる。中でもポリカーボネート系樹脂、ポリカーボ
ネート系樹脂とABS樹脂あるいはHIPS樹脂からな
るポリマーアロイ、ポリフェニレン系樹脂及びこれにス
チレン系樹脂がブレンドされた樹脂、等が挙げられる。
【0073】本発明のエポキシ化合物を上記熱可塑性樹
脂と配合する場合、その添加量は、得られる樹脂組成物
において、通常、0.001〜40重量%の範囲にあ
る。
【0074】また、本発明のエポキシ化合物を上記難燃
性熱可塑性樹脂に配合する場合の使用量は、エポキシ化
合物のエポキシ当量や、用いる難燃剤の種類やその酸価
にも左右されるが、通常、該難燃剤100重量部に対
し、0.001〜30重量部である。該使用量が0.0
01未満の場合は酸成分に対する安定化効果が低く、ま
た30重量部を越える場合は難燃効果や樹脂の耐衝撃性
が低下する傾向にある。以下、本発明の新規な構造を有
するエポキシ化合物を実施例により説明する。
【0075】
【実施例】1.核磁気共鳴スペクトル 反応生成物の核磁気共鳴スペクトルは、テトラメチルシ
ランを基準物質とし、重クロロホルムを溶媒として用い
て、日本電子製JNM−α400(400MHz)で1
H−NMRスペクトルのデータを得た。
【0076】2.ガスクロマトグラフィーの測定 ガスクロマトグラフィーの測定は、以下の装置及び条件
で行った。 装置 :島津製作所社製GC−14B カラム:GL Science Inc.社製 キャピラリーカラムTC−1(0.25mmI.D.、
長さ30m) キャリアガス:He 検出:FID カラム温度条件:60℃で2分保持後、20℃/min
で300℃まで昇温し、300℃で15分保持 試料溶解溶媒:クロロホルム
【0077】3.エポキシ当量の測定 化合物0.5000g、n−プロピルアルコールを50
ml、ベンジルアルコール3ml、及びヨウ化カリウム
0.2gを蒸留水に溶解した溶液をを混合し、加熱する
ことにより還流させ、ついで、指示薬としてBTB溶液
を添加し、0.1Nの塩酸を用いて、滴定を行うことで
当量点を求める、指示薬滴定法によりエポキシ当量を測
定した。
【0078】実施例1 乾燥窒素雰囲気下において、ジクロロジメチルシラン2
5.80g(0.20モル)とトルエン500ml、ト
リエチルアミン80gからなる溶液に、該溶液を攪拌し
ながら、3−ヒドロキシシクロヘキセン47.04モル
を45分かけて添加した。添加後、トルエンを300m
l追加し、約1時間室温下で攪拌した。
【0079】反応終了後、2リットルの分液ロートを用
いて、500mlの蒸留水で反応液を洗浄する操作を5
回繰り返し、得られたトルエン溶液を無水硫酸マグネシ
ウムで乾燥後、エバポレートすることにより淡い黄色の
透明な液体を49.41g得た。
【0080】ガスクロマトグラフィーによる分析の結
果、主生成物の純度は98.8%であった。さらに、該
化合物の1H−NMR、元素分析、及びマススペクトル
の測定結果、得られた化合物は下記式(5)で表される
化合物であった。
【0081】
【化11】
【0082】上記反応で得られた化合物48.00gを
クロロホルム600mlに溶解し、該溶液攪拌し、該溶
液を入れたフラスコを水で冷却しながら、粉末状乾燥m
−クロロ過安息香酸85.25gを約30分かけて添加
した。添加後、室温下において約10時間攪拌した。1
0時間後、該溶液は白色のスラリー状となっていた。ク
ロロホルム500mlをさらに添加し、均一溶液とし、
攪拌しながら水酸化カルシウムを40g添加し、2時
間、該溶液を濾過処理することにより均一溶液を得た。
ついで、エバポレートすることによりクロロホルムを除
去し、53.38gの透明粘性溶液を得た。
【0083】ガスクロマトグラフィーによる分析の結
果、主生成物の純度は98.7%であり、原料として用
いた上式の化合物は検出されなかった。また、エポキシ
当量の測定の結果、143g/当量であった。
【0084】マススペクトルの測定の結果、284の質
量が観測された。又、元素分析の結果を表1に示した。
さらに、1H−NMRの測定により、以下の結果を得
た。
【0085】
【表1】
【0086】<1H−NMRスペクトル> δ(ppm):3.00〜3.40(4H、脂環基中の
エポキシ環を形成する炭素原子上にあるプロトン) δ(ppm):4.10〜4.30(2H、エーテル酸
素に結合する脂環基中の炭素原子上にあるプロトン) δ(ppm):1.10〜2.20(12H、エーテル
酸素及びエポキシ環の酸素に結合する炭素原子以外の脂
環基中炭素原子上のプロトン) δ(ppm):0.10〜0.40(6H、珪素原子に
結合するメチル基中のプロトン) 以上の結果から、本実施例で得られた粘性液体は下記式
(6)で表されるエポキシ化合物である。なお、図1に
1H−NMRスペクトル図を示す。
【0087】
【化12】
【0088】実施例2 実施例1で得られた上式(6)で表される化合物10.
0g、硬化剤としてヘキサヒドロ無水フタル酸11.5
0g、硬化促進剤として2−エチル−4−メチルイミダ
ゾール0.3gを配合し、30℃で混練することにより
硬化性組成物を作成した。この組成物を、窒素雰囲気下
のオーブン中で70℃3時間、80℃2時間、100℃
2時間、120℃2時間、140℃2時間、160℃2
時間、180℃2時間の順で加熱し、3時間かけて冷却
し、強固で且つ表面平滑性及び光沢性のある硬化物を得
た。
【0089】また、該硬化物の耐候性評価として、ウエ
ザオメーターXENOTEST 1200CPS(He
raeus社製)を用い、ブラックパネル63℃、60
W/m2、降雨条件において、上記得られた硬化物に対
しキセノンアーク照射を行った。その結果、500時間
後の硬化物表面を目視で観察したところ、表面の光沢
性、色調、及び表面平滑性を保持していた。
【0090】比較例1 エポキシ当量が186g/当量であるビスフェノールA
グリシジルエーテル18.6gに対し、ヘキサヒドロ無
水フタル酸15.4g、2−エチル−4−メチルイミダ
ゾール0.1gを用いた以外は、実施例2と同様の方法
で硬化性組成物及び硬化物を作成し、強固で且つ表面平
滑性及び光沢性のある強固な硬化物を得た。
【0091】実施例2と同様の500時間の耐候性試験
の結果、硬化物を目視で観察したところ、色調が変化
し、表面の光沢性及び表面の平滑性が失われていた。
【0092】実施例3 下記に表す樹脂(a)80重量部、樹脂(b)10重量
部、樹脂(c)10重量部、有機リン化合物(d)12
重量部、及び、実施例1で得られたエポキシ化合物0.
07重量部を、2軸押出機(ZSK−25、W&P社
製)を用いて250℃で溶融混練し、ペレタイズを行う
ことにより難燃性樹脂組成物を得た。ついで、得られた
樹脂組成物を乾燥し、シリンダー温度を樹脂導入部から
吐出ノズルにかけて240℃、260℃、280℃にな
るように設定し、また、金型温度を80℃に設定し、射
出成形を行い、1/8インチ厚の短冊片を得た。
【0093】得られた短冊片において、下記に示す試験
法によりアイゾット衝撃試験、耐熱水性試験、耐高温高
湿性試験を行った。得られた試験結果を表2に示した。
【0094】(a)ビスフェノールAとジフェニルカー
ボネートから溶融エステル交換法により製造された重量
平均分子量が20,500であり、ヒドロキシ基末端量
が29%のビスフェノールA系ポリカーボネート
【0095】(b)アクリロニトリル単位25.0重量
%、スチレン単位75.0wt%からなる重量平均分子
量が140,000のアクリロニトリル・スチレン共重
合体
【0096】(c)10メッシュ残分が90%未満であ
るパウダー状ABS樹脂(三菱レイヨン(株)社製、商
品名RC)
【0097】(アイゾット衝撃試験)ASTM D25
6に準じて、1/8インチ厚、ノッチ付きで測定した
(単位:kgf・cm/cm)
【0098】(耐熱水性試験)1/8インチ厚短冊試験
片をオートクレーブ中で、120℃、2気圧飽和水蒸気
環境下で、96時間放置した後の黄変度を評価した。 ○:黄変が少ない ×:黄変が顕著である
【0099】(耐高温高湿性試験)1/8インチ厚短冊
片を60℃、85RH%の雰囲気中に、300時間放置
し、アイゾット衝撃試験を行った。
【0100】比較例2 エポキシ化合物を用いなかった以外は実施例3と同様の
操作を行うことにより難燃性樹脂成形体を作成し、同様
の評価を行った。結果を表2に示した。
【0101】
【表2】
【0102】
【発明の効果】本発明のエポキシ化合物は、耐候性、耐
水性及び耐水性に優れる硬化物を与える架橋構造形成剤
として好適に使用できる。また、熱可塑性樹脂への添加
剤、特に有機リン化合物を難燃剤として含有する難燃性
樹脂組成物の添加剤として好適に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた本発明の化合物の1H−N
MRスペクトル図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4H049 VN01 VP01 VQ58 VR22 VR42 VU20 VW02 4J036 AA01 AA05 AJ09 AK17 DB06 DB15 DB17 DB18 DB21 DB22 DC03 DC06 DC10 DC31 DC35 DC38 DC41 DC46 FA01 FA10 FA11 FA14 FB10 FB11 FB12 FB13 FB15 GA12 GA17 GA19 GA20 HA02 JA08

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オルガノ(ポリ)シロキサン化合物にお
    いて、下記一般式(1)で表される脂環式エポキシ基を
    1つ以上有することを特徴とするエポキシ化合物。 【化1】 (式中、mは1又は2から選ばれる整数を表す。)
  2. 【請求項2】 オルガノ(ポリ)シロキサン化合物にお
    いて、上記一般式(1)で表される脂環式エポキシ基が
    エーテル結合及び/又は二価の炭化水素基を介して珪素
    原子に結合することを特徴とする請求項1記載のエポキ
    シ化合物。
  3. 【請求項3】 下記一般式(2)で表される請求項1記
    載のエポキシ化合物。 【化2】 (式中、R1、R2、及びR3はそれぞれ独立に一価の炭
    化水素基又は水酸基を表し、同一であっても異なってい
    てもよい。また、kは1以上2000以下の整数を表
    す。また、k1、k2、及びk3は0を含む2000以下
    の正の整数であり、k1+k2+k3は1以上2000以
    下の整数を表す。また、Xは上記一般式(1)で表され
    る脂環式エポキシ基を表す。また、X1、X2、及びX3
    はそれぞれ独立には上記一般式(1)で表される脂環式
    エポキシ基、一価の炭化水素基、グリシジル基、または
    低級オルガノシロキサン基を表す。)
  4. 【請求項4】 上記一般式(2)において、k2及びk3
    が0である請求項3記載のエポキシ化合物。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4いずれか記載のエポキシ化
    合物と硬化剤から少なくともなる硬化性組成物。
  6. 【請求項6】 請求項記載5の硬化性組成物を硬化して
    なる硬化体。
  7. 【請求項7】 請求項1〜4いずれか記載のエポキシ化
    合物と熱可塑性樹脂から少なくともなる樹脂組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002371132A (ja) * 2001-06-15 2002-12-26 Nippon Steel Chem Co Ltd エポキシ基含有ポリイミド共重合体及びその硬化物
JP2006505644A (ja) * 2002-11-04 2006-02-16 ジーイー・バイエル・シリコーンズ・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング・ウント・コンパニー・コマンジツトゲゼルシヤフト 線状ポリアミノおよび/またはポリアンモニウムポリシロキサン共重合体i
JP2006505643A (ja) * 2002-11-04 2006-02-16 ジーイー・バイエル・シリコーンズ・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング・ウント・コンパニー・コマンジツトゲゼルシヤフト 線状ポリアミノおよび/またはポリアンモニウムポリシロキサン共重合体ii

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