JP4640612B2 - インクカートリッジの着脱装置、記録装置及び液体噴射装置 - Google Patents

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本発明は、インクカートリッジをスライドさせて記録装置本体に装填するインクカートリッジの着脱装置、該着脱装置を備えた記録装置、および該着脱装置を備えた液体噴射装置に関する。
ここで、液体噴射装置とは、液体噴射ヘッドとしての記録ヘッドから記録紙等の被記録材へインクを噴射して被記録材への記録を実行するインクジェット式記録装置、複写機及びファクシミリ等の記録装置に限らず、インクに代えて特定の用途に対応する液体を前述した記録ヘッドに相当する液体噴射ヘッドから、被記録材に相当する被噴射材に噴射して、液体を被噴射材に付着させる装置を含む意味で用いる。また、液体噴射ヘッドとしては、前述した記録ヘッド以外に、液晶ディスプレイ等のカラーフィルタ製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレイや面発光ディスプレイ(FED)等の電極形成に用いられる電極材(導電ペースト)噴射ヘッド、バイオチップ製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド、精密ピペットとしての試料を噴射する試料噴射ヘッド等が挙げられる。
以下、インクジェット式記録装置あるいは液体噴射装置の一例としてインクジェットプリンタを採り上げて説明する。インクジェットプリンタにおいてインクカートリッジを装填する場合、比較的大きな押込み力が必要になる。そのため、従来技術においては、インクカートリッジを装填する前に、インクカートリッジを挿入してインクジェット式記録装置に設けられた一対のカートリッジ保持手段に予めインクカートリッジの両側を保持させて、その後にレバーアームを「リセット位置」から「セット位置」まで回動させて一対のカートリッジ保持手段を装填方向へ移動させてインクカートリッジを装填させていた(例えば特許文献1)。
本願明細書において、「インクカートリッジの挿入」とは、記録装置外から記録装置内へ挿入されて、カートリッジ保持手段によってインクカートリッジが保持された状態をいう。また、「インクカートリッジの装填」とは、カートリッジ保持手段によって保持されたインクカートリッジが、レバーアームの「リセット位置」から「セット位置」への回動によってカートリッジ保持手段と一体に押し込まれて、インク供給針がインクカートリッジに刺さった状態をいう。
また、「リセット位置」とは、インクカートリッジを装填する前であってインクカートリッジを挿入可能な状態にとるレバーアームの位置をいう。一方、「セット位置」とは、前記カートリッジ保持手段に保持された状態のインクカートリッジを装填方向へ移動させて装填完了した状態にとるレバーアームの位置をいう。
図38(A)(B)に示すのは、従来技術におけるインクカートリッジの着脱装置におけるカートリッジ保持手段の一例である。図38(A)(B)に示す如く、インクカートリッジの着脱装置500の装填方向の左右両側に一対のカートリッジ保持手段501、501が設けられている。また、図示しない動力伝達機構によって、レバーアーム505の回動が、カートリッジ保持手段501、501へ伝達するように設けられている。図38(A)に示すレバーアーム505の位置が「リセット位置」であり、図38(B)に示すレバーアーム505の位置が「セット位置」である。
従来は特許文献1のように、レバーアーム505が「リセット位置」以外のとき、ユーザによるインクカートリッジ508の挿入、所謂、誤挿入を防止する誤挿入防止手段502、502が、着脱装置500に設けられていた。
本願明細書において、「インクカートリッジの誤挿入」とは、インクカートリッジが挿入されたがカートリッジ保持手段によって正常に保持されていない状態をいう。
ところが、着脱装置内部でインクカートリッジ508の誤挿入を防止したのでは、内部の部材が破損されてしまう虞がある。
そこで従来では、図38(A)に示す如く、レバーアーム505のつまみ部506に突起部507が設けられていた。突起部507は、レバーアーム505が「リセット位置」以外のとき、インクカートリッジ508が挿入される際の挿入開口部503への進入路504を遮るように構成されていた。即ち、インクカートリッジ508の誤挿入を着脱装置外部で未然に防止していた。
特開2005−254794号公報
しかしながら、レバーアーム505が「リセット位置」のとき、インクカートリッジ508がカートリッジ保持手段501、501に保持されない虞があり、レバーアーム505を「リセット位置」から「セット位置」へ回動させた際、突起部507がインクカートリッジ508を装填方向へ押し込んでしまい、インク供給針がインクカートリッジに刺さってしまう虞が新たに生じた。かかる場合、インクカートリッジ508はカートリッジ保持手段501、501によって保持されていないため、インクカートリッジ508は排出方向へ押し戻され、インク供給針509がインクカートリッジ508に中途半端に刺さった状態となり、インク漏れやインクカートリッジ側のインク残量記憶端子(図示せず)と記録装置側のコネクタ部(図示せず)との接続不良等の不具合が併発する問題が生ずる。
この問題に対して、従来の誤挿入防止手段502、502では十分に対処することができない虞があった。何故ならば、従来の誤挿入防止手段502、502は、レバーアーム505が停止した状態でユーザがインクカートリッジ508を装填方向へ挿入する行為に対して設けられたものであり、着脱装置500の動作であるレバーアーム505の回動によってインクカートリッジ508が押し込まれることを想定したものではなかったからである。即ち、レバーアーム505がインクカートリッジ508と当接して、レバーアーム505の回動によってインクカートリッジ508が押し込まれる場合と、レバーアーム505が停止した状態でユーザがインクカートリッジ508を誤挿入する場合とでは、想定する場面が全く異なるものである。また、従来の誤挿入防止手段502、502では、内部の部材が破損されてしまう虞があった。
本発明は、このような状況に鑑み成されたものであり、その課題は、インクカートリッジがカートリッジ保持手段に保持されていない状態において、レバーアームが回動する際、レバーアームがインクカートリッジと当接して、インクカートリッジが装填方向へ移動して装填されるのを防止することができるインクカートリッジの着脱装置、該着脱装置を備えた記録装置、および該着脱装置を備えた液体噴射装置を提供することを課題とするものである。
上記課題を達成するため、本発明の第1の態様は、インクカートリッジをスライドさせて記録装置本体に装填するインクカートリッジの着脱装置であって、インクカートリッジを第1の所定ストローク挿入することによってインクカートリッジを保持するカートリッジ保持手段と、レバーアームの回動により、てこの原理を利用してインクカートリッジの装填に必要な押し込み力を確保すると共に、レバーアームの回動を前記カートリッジ保持手段に保持された状態のインクカートリッジの装填に必要な第2の所定ストロークの動きに変換する動力伝達変換機構と、インクカートリッジが前記カートリッジ保持手段に保持されていない状態において、前記レバーアームがインクカートリッジを装填する前にとるリセット位置側から、インクカートリッジを装填完了したときにとるセット位置側へ回動する際、該レバーアームがインクカートリッジと当接して、インクカートリッジが装填方向へ移動するのを規制する誤装填防止手段とを備えていることを特徴とする。
本発明の第1の態様によれば、インクカートリッジの着脱装置は、インクカートリッジが前記カートリッジ保持手段に保持されていない状態において、前記レバーアームがインクカートリッジを装填する前にとるリセット位置側から、インクカートリッジを装填完了したときにとるセット位置側へ回動する際、該レバーアームがインクカートリッジと当接して、インクカートリッジが装填方向へ移動するのを規制する誤装填防止手段とを備えている。従って、インクカートリッジが前記カートリッジ保持手段によって保持されていない状態において、前記レバーアームがインクカートリッジと当接して、インクカートリッジが装填方向へ移動する、所謂、レバーアームによるインクカートリッジの誤装填を防止することができる。
ここで、「インクカートリッジの誤装填」とは、インクカートリッジが挿入されたがカートリッジ保持手段によって正常に保持されていない状態である「インクカートリッジの誤挿入」状態からレバーアームを回動して、インクカートリッジが無理に装填されようとすることをいう。無理に装填(誤装填)されると内部構造が破損されてしまう虞が生じる。
本発明の第2の態様は、第1の態様において、前記カートリッジ保持手段は、インクカートリッジと係合して保持する係合部材を備え、前記誤装填防止手段は、前記係合部材がインクカートリッジと係合するのを防止すると共に、該係合部材の前記係合する際の移動方向への移動を規制して該係合部材にインクカートリッジの装填方向前方を遮らせることによって、該係合部材にインクカートリッジの装填方向への移動を規制させる係合部材移動規制部を備えていることを特徴とする。
本発明の第2の態様によれば、第1の態様と同様の作用効果に加え、前記カートリッジ保持手段は、インクカートリッジと係合して保持する係合部材を備え、前記誤装填防止手段は、前記係合部材がインクカートリッジと係合するのを防止すると共に、該係合部材の前記係合する際の移動方向への移動を規制して該係合部材にインクカートリッジの装填方向前方を遮らせることによって、該係合部材にインクカートリッジの装填方向への移動を規制させる係合部材移動規制部を備えている。即ち、該係合部材移動規制部は、インクカートリッジの装填方向前方を遮っている状態の前記係合部材がインクカートリッジと係合する際の移動方向に移動するのを規制するだけでよい。従って、簡単な構成で前記誤装填防止手段を設けることができる。
また、インクカートリッジが誤装填された際、前記係合部材がインクカートリッジと係合するのを防止するので、インクカートリッジが前記カートリッジ保持手段によって保持され装填方向へ移動する動作、所謂、アブノーマル操作にさらにアブノーマル操作を重ねる行為を未然に防止することができる。
さらに、前記係合部材が、インクカートリッジの装填方向前方を遮るので、確実にインクカートリッジの装填方向への移動を規制することができる。
本発明の第3の態様は、第2の態様において、前記誤装填防止手段は、記録装置本体側に設けられたインク供給針の少なくとも一部が、インクカートリッジに設けられた針挿通開口に挿通可能な状態となる位置へのインクカートリッジの移動を規制することを特徴とする。
本発明の第3の態様によれば、第2の態様と同様の作用効果に加え、前記誤装填防止手段は、記録装置本体側に設けられたインク供給針の少なくとも一部が、インクカートリッジに設けられた針挿通開口に挿通可能な状態となる位置へのインクカートリッジの移動を規制する。従って、インクカートリッジが前記カートリッジ保持手段に保持されていない状態では、インクカートリッジに前記インク供給針が中途半端に挿通した状態となる虞がない。その結果、インク漏れが生じる虞がない。
本発明の第4の態様は、第2または第3の態様において、前記係合部材移動規制部は、前記係合部材を装填方向へ移動させながら、該係合部材を装填方向へ移動するインクカートリッジと当接させるように構成されていることを特徴とする。
本発明の第4の態様によれば、第2または第3の態様と同様の作用効果に加え、前記係合部材移動規制部は、前記係合部材を装填方向へ移動させながら、該係合部材を装填方向へ移動するインクカートリッジと当接させるように構成されている。即ち、インクカートリッジの装填方向への移動を規制する前記係合部材と、インクカートリッジとの相対的な速度差が小さくなるように構成されている。従って、インクカートリッジが着脱装置本体側の前記係合部材と当接する際の衝撃を小さくすることができ、着脱装置内部が破損される虞を低減することができる。
本発明の第5の態様は、第1から第4のいずれか一の態様において、前記レバーアームの一端には、該レバーアームを回動する際に操作するつまみ部が設けられ、該つまみ部には、インクカートリッジが前記カートリッジ保持手段に保持されていない状態で前記レバーアームを前記セット位置側へ回動する際、インクカートリッジと当接可能な突起部が設けられており、前記レバーアームを前記リセット位置から前記セット位置へ回動する際、前記突起部が、インクカートリッジの装填方向へも移動するように構成されていることを特徴とする。
本発明の第5の態様によれば、第1から第4のいずれか一の態様と同様の作用効果に加え、前記レバーアームの一端には、該レバーアームを回動する際に操作するつまみ部が設けられ、該つまみ部には、インクカートリッジが前記カートリッジ保持手段に保持されていない状態で前記レバーアームを前記セット位置側へ回動する際、インクカートリッジと当接可能な突起部が設けられており、前記レバーアームを前記リセット位置から前記セット位置へ回動する際、前記突起部が、インクカートリッジの装填方向へも移動するように構成されている。前記誤装填防止手段は、このような前記レバーアームに設けられた突起部がインクカートリッジを装填方向へ押し込む虞のあるインクカートリッジの着脱装置に有効である。
本発明の第6の態様は、第5の態様において、インクカートリッジが挿入される挿入開口部を開閉自在に回動して覆う蓋部材を備え、前記突起部がインクカートリッジと当接して前記レバーアームの前記セット位置への回動が規制されて、該レバーアームが前記セット位置以外にあるとき、前記突起部は、前記蓋部材と当接して該蓋部材の閉塞を妨げるように構成されていることを特徴とする。
本発明の第6の態様によれば、第5の態様と同様の作用効果に加え、インクカートリッジが挿入される挿入開口部を開閉自在に回動して覆う蓋部材を備え、前記突起部がインクカートリッジと当接して前記レバーアームの前記セット位置への回動が規制されて、該レバーアームが前記セット位置以外にあるとき、前記突起部は、前記蓋部材と当接して該蓋部材の閉塞を妨げるように構成されている。即ち、インクカートリッジが前記突起部によって装填方向へ押し込まれて誤装填された状態では、前記誤装填防止手段によって、インクカートリッジの装填方向への移動が規制される。
従って、前記突起部とインクカートリッジとの当接により前記レバーアームのセット位置への回動が規制される。そして、該レバーアームがセット位置以外にあるとき、前記突起部が前記蓋部材と当接して該蓋部材の閉塞を妨げる。従って、蓋部材は、前記挿入開口部を開放した状態または中途半端に開放した状態となり、ユーザにインクカートリッジが正常に装填されなかったことを知らせることができる。
例えば、前記挿入開口部側に蓋開閉検知器を設けて、蓋部材が閉塞していない旨を操作パネル等に警告表示するように構成する、あるいは警告音を発するように構成することも可能である。
本発明の第7の態様は、第2から第6のいずれか一の態様において、前記カートリッジ保持手段は、インクカートリッジが装填された状態から、インクカートリッジを排出方向へ移動させる際、前記係合部材とインクカートリッジとの係合を解除するカートリッジロック解除手段を備え、該カートリッジロック解除手段は、前記カートリッジ保持手段が排出方向へ移動する際、前記係合部材の軌道が装填方向へ移動する際の前記係合部材の軌道と異なるように、該係合部材を移動させ、前記係合部材移動規制部は、前記カートリッジ保持手段が排出方向へ移動する際、前記係合部材と当接しないように構成されていることを特徴とする。
本発明の第7の態様によれば、第2から第6のいずれか一の態様と同様の作用効果に加え、前記カートリッジロック解除手段は、前記カートリッジ保持手段が排出方向へ移動する際、前記係合部材の軌道が装填方向へ移動する際の前記係合部材の軌道と異なるように、該係合部材を移動させ、前記係合部材移動規制部は、前記カートリッジ保持手段が排出方向へ移動する際、前記係合部材と当接しないように構成されている。即ち、前記係合部材移動規制部は、誤装填の際のみ前記係合部材と当接し、インクカートリッジを排出する際は、前記カートリッジロック解除手段によって前記係合部材がインクカートリッジと係合・係合解除する方向に移動した場合であっても、前記係合部材と当接しないように構成されている。
本発明の第8の態様は、インクカートリッジをスライドさせて記録装置本体に装填するインクカートリッジの着脱装置を備える記録装置であって、前記インクカートリッジの着脱装置は上記第1から第7のいずれかの態様のインクカートリッジの着脱装置であることを特徴とする。
本発明の第8の態様によれば、記録装置は、上記第1から第7の態様のいずれかの前記着脱装置を備えているので、記録装置において、上記第1から第7の態様のいずれかに記載された作用効果と同様の作用効果を得ることができる。
本発明の第9の態様は、液体カートリッジをスライドさせて液体噴射装置本体に装填する液体カートリッジの着脱装置を備える液体噴射装置であって、液体カートリッジを第1の所定ストローク挿入することによって液体カートリッジを保持するカートリッジ保持手段と、レバーアームの回動により、てこの原理を利用して液体カートリッジの装填に必要な押し込み力を確保すると共に、レバーアームの回動を前記カートリッジ保持手段に保持された状態の液体カートリッジの装填に必要な第2の所定ストロークの動きに変換する動力伝達変換機構と、液体カートリッジが前記カートリッジ保持手段に保持されていない状態において、前記レバーアームが液体カートリッジを装填する前にとるリセット位置側から、液体カートリッジを装填完了したときにとるセット位置側へ回動する際、該レバーアームが液体カートリッジと当接して、液体カートリッジが装填方向へ移動するのを規制する誤装填防止手段とを備えていることを特徴とする。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すのは、本発明に係る記録装置の概略を示す全体斜視図である。また、図2に示すのは、本発明に係る記録装置の概略を示す全体平面図である。
記録装置100の本体の背面側には、被記録媒体としての用紙が積層されるホッパ101が、上方を支点に揺動可能に設けられている。ホッパ101の最上位に積層された用紙は、給送部144によって、搬送方向下流側である記録部側へ給送される。具体的には、積層された用紙は、給送用モータ104によって駆動する給送ローラ(図示せず)によりピックアップされて、用紙ガイド103に案内されながら搬送方向の下流側の搬送ローラ(図示せず)へと給送される。搬送ローラまで給送された用紙は、搬送用モータ(図示せず)によって駆動する搬送ローラにより、さらに搬送方向の下流側の記録部143へと搬送される。記録部143は、用紙を下方から支持するプラテン105と、プラテン105の上方側に対向するように設けられたキャリッジ107とによって構成される。そのうち、キャリッジ107は、主走査方向へ延びたキャリッジガイド軸(図示せず)に案内されながらキャリッジモータ102によって駆動する。さらに、キャリッジ107の底面部には、用紙へ向かってインクを吐出する記録ヘッド106が設けられている。記録部143で記録された用紙は、さらに下流側へと搬送され排紙ローラ(図示せず)によって記録装置100の正面側から排出される。
また、記録装置100の本体下方の着脱装置201には、インクカートリッジ211(図3参照)が装填され、インク供給針411、411…(図7参照)を介してインク供給路(図示せず)へとインクが供給される。さらに、インク供給チューブ110を介してキャリッジ107の記録ヘッド106まで供給される。そして、記録ヘッド106のフラッシング時、およびクリーニング時には、1桁側に設けられ、記録部143の吐出特性を維持する吐出特性維持部としてのインク吸引装置200においてインクの吐出・吸引動作が行われる。インク吸引装置200は、キャップ部213を備え、キャップ部213を上下方向へ移動させて記録ヘッド106を封止することができるように構成されている。
図3に示すのは、本発明に係る着脱装置の概略を示す全体斜視図である。
図3に示す如く、インクカートリッジの着脱装置201には、インクカートリッジ211を挿入する挿入開口部271が設けられている。この挿入開口部271は、図1および図2に示す記録装置100の背面側に設けられている。インクカートリッジの着脱装置201は、ユーザが操作するレバーアーム363と、レバーアーム363の動力をインクカートリッジ211の装填に必要な第2の所定ストロークS2(図11参照)の動きに変換する動力伝達変換機構230と、挿入開口部271に第1の所定ストロークS1(図8参照)挿入されたインクカートリッジ211を保持するカートリッジ保持手段210と、排出時にインクカートリッジ211がカートリッジ保持手段210に保持された状態を解除するカートリッジロック解除手段220と、排出時にインクカートリッジ211をカートリッジ保持手段210に対して排出方向へ強制的に移動させるカートリッジ強制移動手段400とを備えている。以下、これらの構造および動作について順に説明する。
尚、着脱装置201の上方には用紙を搬送する搬送部や、用紙に記録を実行する記録部等を配設するための金属板で形成されたフレーム部材190が設けられている。フレーム部材190は、インクカートリッジ211が装填された状態の着脱装置201において、インクカートリッジ211と対向しない位置、即ち、着脱装置201の側端近傍の側壁面上の位置と係合するように設けられている。これにより、フレーム部材190に圧し掛かる重さによって着脱装置201が変形し、インクカートリッジ211の挿入、装填および排出の際に着脱装置201とインクカートリッジ211との摩擦が大きくなるのを防止することができる。
また、フレーム部材190と、その上方に配置される他の構造体との締結を、側面から外すことができ、フレーム部材190およびフレーム部材の下方に配置される着脱装置201を単独で外せるように設けられている。即ち、記録装置全体から着脱装置201のみを容易に取り外すことができる。
図4に示すのは、インクカートリッジの挿入前であってレバーアームが「リセット位置」の着脱装置を示す前方斜視図である。図5に示すのは、インクカートリッジの挿入途中であってレバーアームが「リセット位置」の着脱装置を示す平面図であり、図6に示すのは図5の側方斜視図であり、図7に示すのは図5の要部側断面図である。
図4〜図7に示す如く、インクカートリッジ211の着脱装置201は、動力伝達変換機構230と、カートリッジ保持手段210と、カートリッジロック解除手段220と、排出時にインクカートリッジ211をカートリッジ保持手段210に対して排出方向へ強制的に移動させるカートリッジ強制移動手段400とを備えている。
そのうち、動力伝達変換機構230は、レバーアーム363と、レバーアーム363に設けられた第1ギア231と、第1ギア231と動力伝達可能に接する第2ギア232と、第2ギア232と一体に設けられた第3ギア233と、第3ギア233と動力伝達可能に接する第4ギア234と、第4ギア234と一体に設けられたカム部235と、カム部235と当接するカムフォロアとしてのスライダ部240とから構成される。スライダ部240には第1スライダ開口部246が設けられ、カム部235が第1スライダ開口部246の第1の面246aあるいは第2の面246bと当接・押圧することによって、スライダ部240が装填・排出方向へ移動可能に設けられている。また、カム部235は、後述する偏心カム部235aと同心カム部235bとを備えている(図25参照)。
ここで、スライダ部240の移動方向は、スライダ部240に移動方向に沿って設けられた2つのガイドスリット241a、241bに、軸262a、262bが挿通されることによって規制されている。
本実施形態において、レバーアーム363はレバー支軸364を支点に回動するように設けられ、図4〜図10に示すレバーアーム363の位置をレバーアームの「リセット位置」、図13〜図16に示すレバーアーム363の位置をレバーアームの「セット位置」とする。また、レバーアーム363の回動範囲は、着脱装置本体側の基体387に設けられたレバー回動規制突起369と、レバーアーム363に設けられた2箇所のレバー回動規制部366とによって規制されている。従って、レバーアーム363は、「セット位置」と「リセット位置」との間でのみ回動することができる。
また、カートリッジ保持手段210は、着脱装置側の2つの爪部251、251が形成されたラッチプレート250を備えたスライダ部240と、爪部251、251と係合可能なインクカートリッジ側の2箇所の凹部211a、211aとから構成される。ラッチプレート250は、爪部251、251と反対側のラッチプレート係合部254と、スライダ部側のスライダ係合部245とを係合させた位置を支点に、爪部側が図7における上下方向にスライダ部240に対して揺動可能に設けられている。このとき、ラッチプレート250はスライダ部240の上面に配設され、ラッチプレート250の2つの爪部251、251は、スライダ部240の2つの第2スライダ開口部247を介して下方へ突出するように設けられている。このとき、着脱装置201の基体387にも基体開口部387aが、爪部251、251と凹部211a、211aとの係合を妨げないように設けられている。
スライダ部240の装填方向の中央部には、曲げ加工によってスライダ係合部245が形成され、スライダ係合部245は、ラッチプレート250の装填方向の上流側のラッチプレート係合部254と係合可能に設けられている。本願において、第1の係合手段は、スライダ係合部245とラッチプレート係合部254とから構成されている。そして、ラッチプレート250は、第1の係合手段の係合させた位置を支点に揺動可能に設けられている。
尚、本願において、「第1の係合手段の係合」とは、スライダ係合部245とラッチプレート係合部254とが面接触している状態をいう。
また、スライダ部240には、装填方向と直交する方向の曲げ加工によって、装填方向およびラッチプレート250の揺動方向に延設されたスライダ突部242が形成され、スライダ突部242は、ラッチプレート250の装填方向に延設された穴状のラッチプレートスリット255と係合可能に設けられている。本願において、第2の係合手段は、スライダ突部242とラッチプレートスリット255とから構成されている。そして、ラッチプレートばね256は、ラッチプレート250に何ら外力が作用しないとき、ラッチプレート250とスライダ部240とが第1の係合手段で係合するように付勢するように設けられていると共に、ラッチプレート250の爪部251、251を下方へ付勢するようにも設けられている。
尚、本願において、「第2の係合手段の係合」とは、スライダ突部242が、ラッチプレートスリット255の装填方向側の面255a(図28参照)を押圧して面接触している状態をいう。
またさらに、カートリッジロック解除手段220は、ラッチプレート250に形成された傾斜部253と、装填方向に対する幅方向においてラッチプレート250の両側に設けられ、インクカートリッジ211を排出する際のみに傾斜部253と当接してラッチプレート250を上方へ押し上げるキャンセルアーム260a、260bとから構成される。
このうち、キャンセルアーム260a、260bは、軸262a、262cを支点にキャンセルアームばね261の付勢力に抗して回動可能に設けられている。
また、カートリッジ強制移動手段400は、後述するように、スライダ部240に設けられた押出レバー401と、基体387の押出レバー開口部387dに設けられた突起387bと、押出レバーばね402と、を備えている(図29〜図32参照)。
さらに詳しい構造の説明については、着脱装置201の動作について説明しながら述べることにする。
尚、本実施形態において、スライダ部240およびラッチプレート250は、金属板で形成されているため、ラッチプレート250の位置を精度良く、所謂、リジッドに位置決めすることができる。また、高温の条件下で放置された場合であっても、変形する虞がない。
[インクカートリッジの挿入]
続いて動作について、インクカートリッジ211の挿入、装填、排出のそれぞれの状態に分けて説明する。
先ず、図4に示すインクカートリッジ211が着脱装置201の外部にある状態から、インクカートリッジ211を挿入開口部271に挿入する。このとき、レバーアーム363のアーム本体363bの先端側に形成されたつまみ部363aのレバー突起部363cには案内面363dが設けられており、案内面363dは、ユーザがインクカートリッジ211を挿入開口部271へ挿入する際、インクカートリッジ211を挿入開口部271へ案内するように設けられている。具体的には、挿入開口部271から対向する方向へ延びる進入路Aからはみ出たインクカートリッジ211を、挿入開口部271へ近づくにしたがって徐々に進入路Aへ押し戻すように案内面363dは、インクカートリッジ211の装填方向に対して傾斜して設けられている。
ここで、「装填方向」とは、インクカートリッジ211が挿入開口部271を進入して奥にあるインク供給針411、411…に向かう方向をいう。具体的には、図5において矢印が示す図面下側から上側へ向かう方向である。
インクカートリッジ211の先端側を挿入開口部271へ挿入していくと、インクカートリッジ211の先端部が、挿入開口部271の奥に設けられた排出レバー385に度当たる。排出レバー385は、排出レバー軸386を支点に回動し図示しないばねによってインクカートリッジ211を排出する排出方向へ付勢するように設けられている。
ここで、「排出方向」とは、装填方向と逆向きの方向をいう。
そして、度当たって停止した状態が図5〜図7に示す状態である。この状態では、レバー突起部363cの軌道をインクカートリッジ211の側面が遮っているので、「リセット位置」にあるレバーアーム363を「セット位置」側へ回動させることができない。従って、ユーザがレバー突起部363cでインクカートリッジ211を装填方向へ押し込むという操作、所謂、誤操作(アブノーマル操作)を防止することができる。
図8に示すのは、インクカートリッジの挿入完了時であってレバーアームの「リセット位置」の着脱装置を示す平面図であり、図9に示すのは図8の側方斜視図であり、図10に示すのは図8の要部側断面図である。
図5〜図7に示す状態から、排出レバー385の付勢力に抗してインクカートリッジ211をさらに押し込んで第1の所定ストロークS1分挿入すると、図8〜図10に示すインクカートリッジ211の挿入完了状態となる。
具体的には、図5〜図7に示す状態から、インクカートリッジ211をさらに押し込むと、インクカートリッジ211の先端部が、スライダ部240の第2スライダ開口部247を介して下方へ突き出たラッチプレート250の爪部251、251と当接する。そして、インクカートリッジ211の先端部がラッチプレートばね256の付勢力に抗して爪部251、251を上方へ押し上げて、2つの爪部251、251とインクカートリッジ側の2箇所の凹部211a、211aとが係合する。即ち、スライダ部240がラッチプレート250を介してインクカートリッジ211を一体に保持する。そして、この状態がインクカートリッジ211の挿入完了状態である。
尚、ラッチプレート250の2箇所の爪部251、251は、ラッチプレート250と一体に形成されている。そして、ラッチプレート250の2箇所の爪部251、251は、インクカートリッジ211の装填方向に対する幅方向の略中央部に設けられた2箇所の凹部211a、211aと係合するように設けられている。従って、インクカートリッジ211の向きが、装填方向に対してある程度傾いていた場合であっても、2箇所の爪部251、251は、2箇所の凹部211a、211aと係合することができる。さらに、2箇所の爪部251、251は、一体に形成されていることにより同期するので、一方のみが凹部211a、211aと係合し、他方が凹部211a、211aと係合しない状態、所謂、片側ラッチの状態となる虞がない。
また、図8〜図10に示すインクカートリッジ211の位置よりさらに奥側へ手でインクカートリッジ211を押し込もうとしても、インクカートリッジ211の先端側がスライダ部240に設けられた度当て部243によって規制される。このとき、スライダ部240は、後述するカム部235の形状(図25参照)によってレバーアーム363を回動させない限り、移動しないように設けられている。
[インクカートリッジの装填]
図11に示すのは、インクカートリッジの装填途中の着脱装置を示す平面図であり、図12に示すのは図11の要部側断面図である。
図11に示す如く、図8に示す「リセット位置」からレバーアーム363を、レバー支軸364を支点に反時計方向へ回動させると、前述したように第1ギア231が第2ギア232へ動力を伝達し、第2ギア232と一体に設けられた第3ギア233が第4ギア234へ動力を伝達する。第4ギア234と一体に設けられたカム部235が、第1スライダ開口部246の第1の面246aと当接・押圧してスライダ部240を装填方向へ移動させる。このとき、スライダ部240にはガイドスリット241a、241bが装填方向に沿って直列に2箇所設けられている。そして、基体387に設けられた軸262a、262bがガイドスリット241a、241bに挿通されることによって、スライダ部240の移動方向が規制されている。
このとき、カム部235は、スライダ部240の装填方向に対する幅方向中央部を押圧するように構成されている。また、ラッチプレート250との位置関係については、前記幅方向において、カム部235のスライダ部240を押圧する箇所の位置が、ラッチプレート250の2箇所の爪部251、251の略中心線上の位置となるように構成されている。さらに、図12に示す如く、爪部251、251におけるインクカートリッジ211を押圧する面は、装填方向に対して直交するように設けられている。従って、インクカートリッジ211、ラッチプレート250およびスライダ部240の姿勢を安定させると共に、カム部235の動力を効率よくインクカートリッジ211まで伝達することができる。
スライダ部240が装填方向へ移動すると、ラッチプレート250の爪部251、251に保持されたインクカートリッジ211も一体となって移動する。このとき、インクカートリッジ211の自重によって、第1の係合手段であるスライダ係合部245とラッチプレート係合部254との係合は緩み、第2の係合手段において、ラッチプレートスリット255と係合するスライダ突部242が、ラッチプレートスリット255の装填方向側の面(図28参照)を押圧する。この押圧力が爪部251、251を介してインクカートリッジ211を装填方向へ移動させる。インクカートリッジ211の移動に伴って、装填方向先端側に設けられたインク供給針411、411…がインクカートリッジ211に徐々に突き刺さる。
このとき、インクカートリッジ211にインク供給針411、411…を突き刺すには、大きな押し込み力を必要とする。そこで、スライダ突部242は、前述したように装填方向と直交する方向への曲げ加工によって設けられているので、大きな力が作用しても撓んだり変形したりする虞がない。即ち、スライダ突部242は、ラッチプレートスリット255の装填方向側の面(図28参照)と面接触して確実にラッチプレート250を介してインクカートリッジ211に押し込み力を伝達することができる。さらに、スライダ突部242は変形しないので、ラッチプレート250の位置を精度良く、所謂、リジッドに決めることができる。
このように第1の係合手段と第2の係合手段とによってラッチプレート250をスライダ部240に係合させる構成としたのは、仮にラッチプレート250の揺動に支軸を設けた場合、インクカートリッジ211を装填する際に必要な大きな押し込み力が支軸に集中し、該支軸が変形してしまうことによって、インクカートリッジ211を押し込む際の押し込み力および押し込む距離の精度を確保できない虞が生じるためである。そこで、支軸を設けずに、ラッチプレート250の動作によって係合する箇所を変えることで、ラッチプレート250の揺動機能を備えたままで、確実に押し込み力および押し込む距離(第2の所定ストロークS2)を確保することができる。
さらに、第1の係合手段であるスライダ係合部245およびラッチプレート係合部254、並びに第2の係合手段であるスライダ突部242およびラッチプレートスリット255は、爪部251、251に対して装填方向に直列に設けられているので、ラッチプレート250の爪部251、251の位置をより一層精度良くリジッドに決めることができる。また、第1の係合手段および第2の係合手段は、装填方向に対して幅方向に一対設けられているので、ラッチプレート250の姿勢を安定させることができる。またさらに、第2の係合手段については、爪部251、251に対して装填方向に直列に設けられているので、より一層に押し込み力を爪部251、251に効率よく伝達することができる。
また、第2の係合手段のスライダ突部242およびラッチプレートスリット255は、ラッチプレート250のスライダ部240に対する前記幅方向の位置を規制する。従って、前述したインクカートリッジ211の挿入時に、インクカートリッジ211の凹部211a、211aと、ラッチプレートの爪部251、251とを確実に対向させて係合させることができる。
爪部251、251と凹部211a、211aとの係合する位置については、インクカートリッジ211の高さ方向(図12の図面上下方向)において、インク供給針411、411…がインクカートリッジ211に突き刺さる位置に近いほど、インクカートリッジ211の姿勢を安定させると共に、装填する際のカム部235の動力である押し込み力を効率よくインクカートリッジ211まで伝達することができる。後述する排出時のラッチプレート250の上方への揺動の際の爪部251、251の下方先端の軌道との関係もあるが、爪部251、251と凹部211a、211aとの係合位置は、インクカートリッジ211の高さ方向において、インク供給針411、411…と対向する位置関係に構成するのが望ましい。
続けてレバーアーム363を「セット位置」側へ回動すると、スライダ部240の装填方向への移動に伴って、スライダ部240に設けられた肩部252が、キャンセルアーム260a、260bの先端当接部260cと当接して、キャンセルアーム260a、260bを、スリット241cに挿通された軸262cおよびガイドスリット241aに挿通された軸262aを支点にキャンセルアームばね261の付勢力に抗してそれぞれ回動させる(図11参照)。このとき、肩部252は先端当接部260cから押圧力を受けるので、スライダ突部242とラッチプレートスリット255の装填方向側の面(図28参照)との当接をより確実にすることができる。即ち、キャンセルアームばね256の付勢力によって、ラッチプレート250の姿勢を安定させることができる。
さらに、スライダ部240が装填方向へ移動して肩部252がキャンセルアーム260a、260bの先端当接部260cを通過すると、キャンセルアーム260a、260bは、キャンセルアームばね261の付勢力によってもとの状態(図5、図8、図14参照)に戻る。キャンセルアーム260a、260bについては、インクカートリッジ211を排出する際、ラッチプレート250に作用する部材であるので、後の排出時に説明する。
そして、レバーアーム363を反時計方向へ回動させて「セット位置」まで操作するとインクカートリッジ211の装填完了状態となる。
図13に示すのは、インクカートリッジの装填完了であってレバーアームが「セット位置」の着脱装置を示す前方斜視図であり、図14に示すのは図13の平面図、図15に示すのは図13の側方斜視図、図16に示すのは図13の要部側断面図である。
図13〜図16に示す如く、図11および図12の状態からレバーアーム363をさらに回動させて「セット位置」まで操作すると、インクカートリッジ211は、インクカートリッジ211の挿入完了状態(図8〜図10参照)から第2の所定ストロークS2装填方向へ移動してインク供給針411、411…が完全にインクカートリッジ211に突き刺さった状態、即ち、インクカートリッジ211の装填完了状態となる。
また、インクカートリッジ211の装填完了する直前に、インク残量情報端子212と接触可能なコネクタ部412との接続装置414によって、インクカートリッジ211の前方右側側面に設けられたインク残量情報端子212は、着脱装置本体側に設けられたコネクタ部412と電気的に接続するように設けられている。コネクタ部412は、装填方向に一定距離だけ移動可能に設けられ、コネクタ部412の装填方向先端側にインクカートリッジ211の先端側面と当接する当接面およびコネクタばね413によって、インクカートリッジ211が装填完了する直前から装填完了までの僅かなストローク分、インクカートリッジ211の移動に対して追従可能に設けられている。
尚、コネクタ部412が、インク残量情報端子212と電気的に接続する際、および接続を解除する際、コネクタ部412とインクカートリッジ211との間に摩擦が生じる。
またさらに、インクカートリッジ211の装填完了する直前に、インクカートリッジ211の先端側は、着脱装置本体側に設けられたインク流路弁(図示せず)の開閉を切り替える弁レバー(図示せず)と当接する。弁レバーは、排出レバー385と同様にばね(図示せず)によってインクカートリッジ211を排出方向へ付勢するように設けられている。インクカートリッジ211の先端側が弁レバーと当接していないとき、インク流路弁は閉塞状態となり、一方、インクカートリッジ211の装填完了する際、インクカートリッジ211の先端側が弁レバーと当接して付勢力に抗して弁レバーを移動させると、インク流路弁が開放状態となるように構成されている。
[インクカートリッジの排出]
図17に示すのは、インクカートリッジ排出途中の着脱装置を示す平面図であり、図18に示すのは図17の要部側断面図である。
インクカートリッジ211を排出する際は、レバーアーム363を図13に示す「セット位置」から図5および図8に示す「リセット位置」まで時計方向へ回動する。この際、着脱装置201の動作が複雑であるので、段階ごとに分けて以下説明する。
図17および図18に示す如く、レバーアーム363を「セット位置」から「リセット位置」側へ僅かに回動すると、レバーアーム363の回動の動力が前述したようにカム部235へ伝達される。カム部235は、スライダ部240に設けられた第1スライダ開口部246の第2の面246bと当接・押圧して、スライダ部240を排出方向へ僅かに移動させる。このとき、インクカートリッジ211は、インク供給針411、411…が突き刺さっているので、スライダ部240の装填方向先端側に設けられた度当て部243と当接するまで、移動しない(図18参照)。そして、スライド部の排出方向への僅かな移動に伴って、ラッチプレート250も排出方向へ僅かに移動する。このとき、ラッチプレート250の爪部251、251と、インクカートリッジ211の凹部211a、211aとの係合が緩み、爪部251、251と凹部211a、211aとの間に隙間、所謂、クリアランスが生ずる。
従って、爪部251、251は、インクカートリッジ211から何ら力を受けない状態となる。すると、ラッチプレートばね256がラッチプレート250に作用することによって、装填の際に当接したラッチプレートスリット255の装填方向先端側とスライダ突部242とが離間すると共に、ラッチプレート250は、第1の係合手段でスライダ部240と係合する。
尚、排出レバー385の付勢力はインクカートリッジ211とインク供給針411、411…との摩擦力より小さいため、インクカートリッジ211は移動しない。
図19に示すのは、インクカートリッジの排出途中の着脱装置を示す要部側断面図である。
図19に示す如く、図17および図18の状態からレバーアーム363をさらに「リセット位置」側へ徐々に回動すると、スライダ部240はさらに排出方向である図面左側へ徐々に移動する。このとき、スライダ部240に設けられた度当て部243が、インクカートリッジ211の先端部と当接・押圧している。従って、インクカートリッジ211とインク供給針411、411…との摩擦力に抗して、度当て部243が、インクカートリッジ211を排出方向である図面左側へ徐々に移動させる。このとき、度当て部243は、2つの爪部251、251と対向する位置に設けられている。そして、装填の際に爪部がインクカートリッジ211の姿勢を安定させながら押し込んだことと同様に、排出の際、2つの度当て部243、243は、インクカートリッジ211の姿勢を安定させながら排出方向へインクカートリッジ211を移動させることができる。
また、スライダ部240の排出方向への移動に伴って、ラッチプレート250の一対の傾斜部253、253が、キャンセルアーム260a、260bの先端当接部260c、260cを徐々に乗り上げる。このとき、先端当接部260c、260cは、傾斜部253、253を介してラッチプレート250を第1の係合手段で係合させるように付勢すると共に、傾斜部253、253を介してラッチプレート250を上方へ押し上げる。すると、ラッチプレート250は、第1の係合手段であるスライダ係合部245とラッチプレート係合部254とが係合した位置を支点に上方へ揺動し始める。
このとき、爪部251、251は下方へ延びているので、爪部251、251の下方先端の軌道の径は他の箇所より大きくなるが、前述した爪部251、251と凹部211a、211aとの隙間により、爪部251、251は摩擦抵抗を受けることなく、上昇することができるように設けられている。ここで、前記隙間は極僅かな間隔であるが、第1の係合手段が面接触であり爪部251、251の位置および軌道をリジッドに決めることができるので、ラッチプレート250が上方へ揺動する際、爪部251、251と凹部211a、211aとの間に摩擦が生じる虞がない。
図20に示すのは、インクカートリッジの排出途中の着脱装置を示す側方斜視図であり、図21に示すのは図20の要部側断面図である。
図20および図21に示す如く、図19に示す状態からレバーアーム363をさらに「リセット位置」側へ徐々に回動すると、スライダ部240はさらに排出方向へ徐々に移動する。このとき、ラッチプレート250の傾斜部253、253は、キャンセルアーム260a、260bの先端当接部260c、260cに完全に乗り上げる。従って、ラッチプレート250は上方へ揺動の最高点に達し、爪部251、251は、凹部211a、211aから完全に抜け切れて係合が解除された状態となる。
ここで、ラッチプレート250の上方への揺動は、爪部251、251と凹部211a、211aとの間の隙間を必要とするので、度当て部243、243がインクカートリッジ211を排出方向へ移動させている間に行われるように構成されている。
一方、度当て部243、243は、インク供給針411、411…がインクカートリッジ211から殆ど抜けきり、インクカートリッジ211とインク供給針411、411…との比較的大きい摩擦抵抗が無くなるまで、インクカートリッジ211を排出方向へ移動させる。
そして、インクカートリッジ211とインク供給針411、411…との摩擦抵抗が無くなった後は、スライダ部240の設けられた押出レバー401が作用して、インクカートリッジ211をカートリッジ保持手段210であるスライダ部240に対して排出方向へ強制的に移動させる。押出レバー401は、前述したインクカートリッジ211とコネクタ部412との比較的小さい摩擦抵抗に抗して、インクカートリッジ211を移動させるように設けられている。
ここで、押出レバー401は、一端にインクカートリッジ211と当接して押し出す押出部401b(図22参照)と、他端に着脱装置201の基体387に設けられた突起387b(図29〜図33参照)と当接・係合する当接部401a(図22参照)とを備え、スライダ部240を支点に回動するように設けられている。そして、回動した押出レバー401は、突起387b(図29〜図33参照)と当接部401aとの係合が解除されると、押出レバーばね402によってもとの位置(図17に示す位置)に戻るように構成されている。具体的な動作については、スライダ部240が排出方向へ移動すると、スライダ部240と共に移動する押出レバー401の当接部401aが基体387の突起387bと係合することにより、当接部401aがてこの原理の力点となり、押出レバー401が回動する。そして、押出部401bがてこの原理の作用点となり、インクカートリッジ211を強制的にスライダ部240に対して第3の所定ストロークS3(図22、図23参照)排出方向へ移動させる。
このとき、押出レバー401がインクカートリッジ211をスライダ部240に対して排出方向へ第3の所定ストロークS3分移動させるので、レバーアーム363を「セット位置」側へ反転回動させる操作、所謂、誤操作(アブノーマル操作)によって、ラッチプレート250が下方へ揺動した場合であっても、爪部251、251と凹部211a、211aとが再度係合する虞がない。
ここで、「第3の所定ストロークS3」とは、インクカートリッジ211のスライダ部240に対する移動距離であって、爪部251、251と凹部211a、211aとが係合する位置から係合しない位置まで移動距離をいう。
尚、図21では、インク供給針411、411…がインクカートリッジ211に突き刺さっているように見えるが、インクカートリッジ側のインク供給針411、411…が挿通するパッキンとしての針挿通開口211b、211b、…から抜けきった状態であり、インクカートリッジ211とインク供給針411、411…との摩擦抵抗は既に無い状態となっている。
また、本実施形態では、押出レバー401は、インクカートリッジ211とコネクタ部412との比較的小さい摩擦抵抗に抗して作用するように構成されているが、インクカートリッジ211とインク供給針411、411…との比較的大きい摩擦抵抗に抗して作用するように構成してもよいのは勿論である。
図22に示すのは、インクカートリッジ排出途中の着脱装置を示す平面図であり、図23に示すのは図22の要部側断面図である。
図22および図23に示す如く、図20および図21に示す状態からレバーアーム363をさらに「リセット位置」側へ徐々に回動すると、スライダ部240はさらに排出方向へ徐々に移動する。そして、押出レバー401がインクカートリッジ211とコネクタ部412との比較的小さい摩擦抵抗に抗してインクカートリッジ211をスライダ部240に対して移動させた後は、インクカートリッジ211と着脱装置201との間に摩擦抵抗が殆どない状態となる。従って、排出レバー385の付勢力が、まさにインクカートリッジ211を排出方向へ押し出そうとする。
図24に示すのは、インクカートリッジの排出途中の着脱装置を示す要部側断面図である。図24に示す如く、図22および図23に示す状態からレバーアーム363をさらにリセット側へ徐々に回動すると、スライダ部240はさらに排出方向へ徐々に移動する。このとき、インクカートリッジ211は、排出レバー385の付勢力によって排出方向へ押し出される。その後、ラッチプレート250の傾斜部253、253がキャンセルアーム260a、260bの先端当接部260c、260cを乗り越える。従って、ラッチプレート250は、インクカートリッジ211が排出レバー385によって排出方向へ移動した後に下方へ揺動する。
排出レバー385の付勢力によって排出方向へ移動したインクカートリッジ211は、半身ほど挿入開口部271から飛び出して、レバーアーム363のレバー突起部363cと当接して停止する。
そして、レバーアーム363を完全に「リセット位置」(図4〜図6、図8および図9参照)まで回動しレバー突起部363cを進入路Aの外側へ移動させると、インクカートリッジ211を挿入開口部271から取り出すことができる。
図25に示すのは、本発明に係るカム部の形状を示す平面図である。
図25に示す如く、カム部235は、カム軸235cを支点に回動するように設けられており、カム軸235cに対して偏心した偏心カム部235aと、カム軸235cと同心の同心カム部235bとを備えている。前述したようにレバーアーム363を「リセット位置」から「セット位置」側へ回動すると、カム部235が図25(A)に示す如く反時計方向へ回動する。このとき、偏心カム部235aが第1スライダ開口部246の第1の面246aを押圧するので、スライダ部240は、ガイドスリット241a、241bと軸262a、262bとに案内されながら矢印の装填方向へ移動する。
そして、レバーアーム363が「セット位置」の直前の位置のとき、同心カム部235bが第1の面246aと当接する。さらにレバーアーム363を回動して「セット位置」まで回動すると、図25(B)に示す状態となる。即ち、レバーアーム363が「セット位置」の直前の位置のときに、既にスライダ部240は装填に必要な第2の所定ストロークS2移動し終わった状態となる。その後、レバーアーム363を「セット位置」の直前の位置から「セット位置」まで回動しても、同心カム部235bが第1の面246aと当接しているので、スライダ部240は移動することはない。即ち、さらにレバーアーム363が回動したとしても、スライダ部240の移動距離は、所謂、オーバーストロークにならない。
これにより、一定の範囲においてレバーアーム363の位置(位相)に、スライダ部240が追従しないように構成することができる。即ち、数度程度の「あそび」を設けることでレバーアーム363を完全に「セット位置」まで回動しなくとも、スライダ部240を第2の所定ストロークS2装填方向へ移動させることが可能であり、その際、完全に「セット位置」まで回動したとしてもスライダ部240の移動距離は第2の所定ストロークS2のままである。従って、インクカートリッジ211が装填される際のスライダ部240の移動距離を容易に管理することができる。
例えば、インクカートリッジ211を装填する際、ユーザが、レバーアーム363を正確に「セット位置」まで回動せずに「セット位置」の直前の位置で操作を止めてしまった場合でも、スライダ部240を確実に第2の所定ストロークS2移動させることができる。即ち、ユーザがレバーアーム363の操作を止めてしまう位置にバラツキがある場合であっても、確実にスライダ部240を第2の所定ストロークS2だけ移動させてインクカートリッジ211を装填することができる。
ここで、「セット位置の直前の位置」とは、「リセット位置」と「セット位置」との間の中間位置であって、「セット位置」側に偏倚した位置である。偏倚の程度は、インクカートリッジ211を装填する際にユーザがレバーアーム363を止める傾向にある位置で、既に同心カム部235bが第1の面246aと当接するように偏倚させるのが望ましい。
また、スライダ部240が第2の所定ストロークS2だけ装填方向へ移動した状態では、第1の面246aは、常に同心カム部235bと当接している。この状態において、インクカートリッジ211には、前述したように排出レバー385および弁レバーがインクカートリッジ211を排出方向へ移動させるように付勢力が作用している。さらに、インクカートリッジ211がインク供給針411、411…から抜け出ようとする力が発生し、インクカートリッジ211を排出方向へ移動させようとする虞がある。従って、スライダ部240には、常に排出方向へ移動させようとする力が作用する。本実施形態では、装填移動完了した状態では、常に同心カム部235bが第1の面246aと当接しているので、第1の面246aが同心カム部235bを押圧しても、カム部235にはカム軸235cを支点に回動しようとする力が生じる虞がない。従って、スライダ部240は、外力が作用した場合であっても、「リセット位置」側へレバーアーム363を回動させない限り移動する虞はない。
本実施形態では、レバーアーム363を「セット位置」から「リセット位置」側へ回動する場合も、「セット位置」側へ回動する場合と同様に、レバーアーム363が「リセット位置」の直前の位置のとき、同心カム部235bが、第2の面246bと当接する。即ち、レバーアーム363を完全に「リセット位置」まで回動しなくとも、スライダ部240を第2の所定ストロークS2排出方向へ移動させることが可能であり、その際、完全に「リセット位置」まで回動したとしてもスライダ部240の排出方向への移動距離は第2の所定ストロークS2のままである。
また、レバーアーム363が「リセット位置」にあるときは、同心カム部235bが第2の面246bと当接している。従って、前述したようにインクカートリッジ211を挿入開口部271から第1の所定ストロークS1分挿入して、インクカートリッジ211がカートリッジ保持手段210によって保持された状態で、さらにインクカートリッジ211を押し込もうとした場合であっても、レバーアーム363を「セット位置」側へ回動しない限り、スライダ部240を装填方向へ移動させることはできない。即ち、インクカートリッジ211を第1の所定ストロークS1以上に押し込もうとした場合であっても、スライダ部240の度当て部243によってインクカートリッジ211の位置は規制される。
本実施形態のインクカートリッジの着脱装置201は、インクカートリッジ211をスライドさせて記録装置本体に装填するインクカートリッジの着脱装置201であって、インクカートリッジ211を第1の所定ストロークS1挿入することによってインクカートリッジ211を保持するカートリッジ保持手段210と、レバーアーム363の回動により、てこの原理を利用してインクカートリッジ211の装填に必要な押し込み力を確保すると共に、レバーアーム363の回動をカートリッジ保持手段210に保持された状態のインクカートリッジ211の装填に必要な第2の所定ストロークS2の動きに変換する動力伝達変換機構230とを備え、動力伝達変換機構230は、カートリッジ保持手段210を第2の所定ストロークS2移動させるカム部235を備え、カム部235は、インクカートリッジ211を装填する際のレバーアーム363の「リセット位置」から「セット位置」までの回動において、終点である「セット位置」の前の位置のときに、カートリッジ保持手段210の第2の所定ストロークS2の移動を完了させ、前記終点である「セット位置」の前の位置から終点である「セット位置」までのレバーアーム363の一定の回動において、カートリッジ保持手段210の位置を保持するように構成されていることを特徴とする。
即ち、レバーアーム363の回動の前記終点前から終点までの間のみに所謂、「あそび」が設けられている。
その結果、「セット位置」の前の位置から「セット位置」までの一定区間において、レバーアーム363の停止位置にバラツキが生じた場合であっても、カートリッジ保持手段210は既に第2の所定ストロークS2だけ移動しているので、確実にインクカートリッジ211の装填を完了させることができる。
本実施形態のカム部235は、カートリッジ保持手段210を移動させる偏心カム部235aと、カートリッジ保持手段210の位置を保持する同心カム部235bとから構成されている。
また、本実施形態の動力伝達変換機構230は、レバーアーム363の動力を伝達する複数のギアとして第1ギア231〜第4ギア234を備え、第1ギア231〜第4ギア234の動力伝達経路下流にカム部235が設けられている。
さらに、本実施形態では、カートリッジ保持手段210の移動方向に対する幅方向において、カム部235、第1の面246aおよび第2の面246bは、カートリッジ保持手段210の中央に設けられている。
また、本実施形態の着脱装置201の基体387には、カートリッジ保持手段210の移動方向を規制する規制部としてのガイドスリット241a、241bおよび軸262a、262bが少なくとも2つ設けられ、少なくとも2つの規制部としてのガイドスリット241a、241bおよび軸262a、262bは、前記移動方向に直列に配設されている。
尚、本発明のカム部の形状および種類は、上記実施例に限定させることはなく、溝カム等であってもよいのは勿論である。
続いて、前述した第1の係合手段および第2の係合手段について、さらに詳しく説明する。
図26に示すのは、ラッチプレートが下がっている状態であって、第1の係合手段によって係合した状態を示す要部拡大図であり、同図(A)はその要部拡大平面図、同図(B)は同図(A)の側断面図である。
図26(A)(B)に示す状態は、前述したインクカートリッジ211の挿入が完了前の状態(図4〜図7参照)、前述したレバーアーム363の「セット位置」から僅かに「リセット位置」側へレバーアーム363を回動させる際の状態(図17、図18参照)、および前述したインクカートリッジ211を排出する際のラッチプレート250が上がってから下がった後の状態(図24参照)である。第1の係合手段および第2の係合手段は、幅方向に一対設けられており同じ動作をするので、ここでは一方について説明し、他方については説明を省略する。
図26(A)(B)に示す如く、ラッチプレート250は、前述したラッチプレートばね256の付勢力によって、第1の係合手段であるスライダ係合部245とラッチプレート係合部254とが位置Rにおいて面接触している。このとき、第2の係合手段であるスライダ突部242は、ラッチプレートスリット255の装填方向側の面255aから離間している。尚、ラッチプレート係合部254は、スライダ係合部245に設けられた係合開口部245aを介してスライダ係合部245と位置Rで面接触している。
図27に示すのは、ラッチプレートが上がっている状態であって、第1の係合手段によって係合した状態を示す要部拡大図であり、同図(A)はその要部拡大平面図、同図(B)は同図(A)の側断面図である。
図27(A)(B)に示す状態は、前述したインクカートリッジ211を排出する際であって、キャンセルアーム260a、260bの先端当接部260c、260cが、傾斜部253、253を介してラッチプレート250を上方へ押し上げている状態である(図19〜図21参照)。
図27(A)(B)に示す如く、ラッチプレート250は、前述したラッチプレートばね256の付勢力および先端当接部260c、260cによって、第1の係合手段であるスライダ係合部245とラッチプレート係合部254とが面接触した状態で上方へ押し上げられる。このときのラッチプレート250の爪部251、251の軌道は、第1の係合手段のスライダ係合部245とラッチプレート係合部254とが係合している箇所を支点とした弧状となる。
さらに詳しく説明すると、図27(A)に示す如く、前述したラッチプレートばね256が、爪部251、251が設けられているラッチプレート250の先端側を下方へ付勢している状態で、先端当接部260c、260cがラッチプレート250を上方へ押し上げる。このとき、先端当接部260c、260cは、ラッチプレート250におけるラッチプレートばね256が取り付けられている箇所と第1の係合手段との間に設けられた傾斜部253、253を押し上げる。従って、ラッチプレート係合部254は、係合開口部245aの上側の面245bと当接して押圧される。即ち、ラッチプレート250の爪部251、251の揺動支点は、係合開口部245aの上側の面245bとラッチプレート係合部254との接触する位置Qである。このとき、揺動支点Qの軸方向は、装填方向に対して直交する方向である。
また、第1の係合手段から爪部251、251までの距離は、揺動半径規制手段であるスライダ係合部245とラッチプレート係合部254とが面接触する位置Rによって精度良く決められる。このとき、支点の位置Qは常に一定であるので、ラッチプレート250が揺動すると、ラッチプレート250におけるスライダ部240の係合開口部245aの上側の面245bと当接する箇所(位置Qのラッチプレート側の箇所)は、僅かに先端側である爪部側および他端側(爪部から支点へ向かう方向)へスライド移動すると共に、スライダ係合部245とラッチプレート係合部254との面接触する位置Rは僅かに上下方向へ変化・移動する。
ここで、爪部251、251が上方へ揺動すると、該面接触する位置Rは僅かに下方へ移動するので、支点Qから位置Rまでの距離が僅かに長くなる。従って、爪部251、251が上方へ揺動するに伴って、揺動半径である支点Qから爪部251、251までの距離が僅かに短く変化する。
即ち、揺動支点Qと、揺動半径規制手段としてのスライダ係合部245とラッチプレート係合部254とが面接触する位置Rと、を別々に設け、ラッチプレート250を揺動させると共に位置Rを支点Qに対して接離移動させることによって、ラッチプレート250を揺動させる際に支点Qから爪部251、251までの距離を変えることができる。
さらに言い換えると、ラッチプレート250が上方へ揺動する際、第1の係合手段は、ラッチプレート250の先端側の爪部251、251が揺動支点Qである第1の係合手段側へ退避・移動して凹部211a、211aとの係合が解除されやすいように、ラッチプレート250を移動させるように構成されている。
本発明は、装置本体側の係合部材であるラッチプレート250が被係合部材であるインクカートリッジ211と係合して保持した状態を解除する際、係合部材であるラッチプレート250を、係合部材側の係合手段である爪部251、251と被係合部材側の被係合手段である凹部211a、211aとの係合が解除されやすい方向へ退避するように移動させながら揺動させるように構成されている係合装置である。従って、爪部251、251および凹部211a、211aの形状によって、ラッチプレート250を揺動させて爪部251、251と凹部211a、211aとの係合を解除する際、爪部251、251の揺動半径が徐々に長く変化するようにラッチプレートを移動させてもよい。尚、被係合部材は、インクカートリッジに限られないのは勿論である。また、前記係合手段および被係合手段の形状は、爪部および凹部の形状に限られるものではない。
一方、ラッチプレート250が上方へ揺動した状態から下方のもとの位置(図26)へ揺動する際は、支点Qと面接触する位置Rとの間の距離が再び短くなるので、支点Qから爪部251、251までの距離はもとの長さとなる。
本実施形態では、爪部251、251が上方へ揺動するに伴って、支点Qから爪部251、251までの距離が僅かに短くなるように構成されている。従って、爪部251、251と凹部211a、211aとの係合が解除され、爪部251、251が凹部211a、211aから抜ける際に、爪部251、251が凹部211a、211aと当接して摩擦が生じる虞をより一層低減することができる。
尚、本実施形態では、爪部251、251が、ラッチプレート250におけるラッチプレートばね256が取り付けられている箇所より先端側に設けられている。従って、インクカートリッジ211を第1の所定ストロークS1分挿入して爪部251、251と凹部211a、211aとを係合させる際、ラッチプレート係合部254は、スライダ係合部245との面接触する位置Rを支点に揺動する。このとき、前述したクリアランスを考慮する必要がないので、ラッチプレート250が位置Rを支点に揺動したとしても何ら問題はない。ここで、ラッチプレート250におけるラッチプレートばね256が取り付けられている箇所と、爪部251、251との位置関係を逆に構成して係合解除する際と同様に支点Qを支点に揺動させてもよいのは勿論である。
また、本実施形態では、ラッチプレート250は金属板で形成されており、金属板の厚みは約1.0mm程度である。
またさらに、ラッチプレートばね256の付勢方向を変更して、ラッチプレート係合部254を、スライダ係合部245の曲げ加工した箇所、所謂、アール箇所と面接触させて、該面接触している位置(R)を支点にラッチプレート250を揺動させてもよいのは勿論である。
図28に示すのは、ラッチプレートが下がっている状態であって、第2の係合手段によって係合した状態を示す要部拡大図であり、同図(A)はその要部拡大平面図、同図(B)は同図(A)の側断面図である。
図28に示す状態は、前述したレバーアーム363を「リセット位置」から「セット位置」まで回動してインクカートリッジ211を装填する際の状態である(図11〜図16参照)。
図28(A)(B)に示す如く、インクカートリッジ211を装填する際は、第2の係合手段であるスライダ突部242とラッチプレートスリット255の装填方向側の面255aとが面接触している。このとき、第1の係合手段であるスライダ係合部245とラッチプレート係合部254との係合は緩み、スライダ係合部245はラッチプレート係合部254から離間して面接触していない状態となる。そして、レバーアーム363の回動に伴って、スライダ突部242が、ラッチプレートスリット255の装填方向側の面255aと面接触して押圧するので、リジッドにラッチプレート250を介してインクカートリッジ211を第2の所定ストロークS2移動させることができる。
本実施形態のインクカートリッジの着脱装置201は、インクカートリッジ211をスライドさせて記録装置本体に装填するインクカートリッジの着脱装置201であって、インクカートリッジ211を第1の所定ストロークS1挿入することによってインクカートリッジ211を保持するカートリッジ保持手段210と、レバーアーム363の回動により、てこの原理を利用してインクカートリッジ211の装填に必要な押込み力を確保すると共に、レバーアーム363の回動をカートリッジ保持手段210に保持された状態のインクカートリッジ211の装填に必要な第2の所定ストロークS2の動きに変換する動力伝達変換機構230とを備え、カートリッジ保持手段210は、インクカートリッジ211における装填方向と平行な一面と係合する一体の係合部材であるラッチプレート250を備え、ラッチプレート250は、インクカートリッジ211と係合したとき、前記一面における装填方向に対する幅方向中央に位置するように設けられていることを特徴とする。
その結果、インクカートリッジ211が傾いた場合であっても、従来のように一側面のみによって保持されるような虞はなく、カートリッジ保持手段210は、インクカートリッジ211の幅方向中央で確実にインクカートリッジ211を保持することができる。また、カートリッジ保持手段210のラッチプレート250は一体であるので、そもそも片側のみ保持されるような中途半端な状態になる虞がない。
本実施形態の係合部材であるラッチプレート250は、装填方向に対する幅方向に一体に形成され、インクカートリッジ211と係合する複数の爪部251、251を備えている。その結果、複数個所で係合するので、インクカートリッジ211の姿勢を安定させることができる。
また、本実施形態のカートリッジ保持手段210は、動力伝達機構から動力を受けて移動するスライダ部240と、スライダ部240と係合しスライダ部240に対して揺動してインクカートリッジ211と係合して保持し、スライダ部240と共に装填方向へ移動する係合部材であるラッチプレート250と、ラッチプレート250が揺動するとき、スライダ部240とラッチプレート250とが直に係合する第1の係合手段としてのスライダ係合部245およびラッチプレート係合部254と、ラッチプレート250がインクカートリッジ211を装填するとき、スライダ部240とラッチプレート250とが直に係合する第2の係合手段としてのスライダ突部242と穴状のスリット部であるラッチプレートスリット255とを備えていることを特徴とする。
即ち、挿入の際、並びに装填および排出移動の際、スライダ部240とラッチプレート250との係合・接触箇所を変化させることにより、ラッチプレート250の揺動機能を備えたままで揺動のための支軸を設けない構成としている。
その結果、仮に支軸を設けた場合と比べて、ラッチプレート250を揺動させたときのラッチプレート250の爪部251、251の位置精度を向上させることができる。
さらに、本実施形態のカートリッジ保持手段210は、付勢手段としてのラッチプレートばね256を備え、ラッチプレートばね256は、装填方向へ移動する際のインクカートリッジ211の自重による力が作用しないとき、係合部材であるラッチプレート250が第1の係合手段としてのスライダ係合部245およびラッチプレート係合部254によって係合するように付勢するように構成されている。
また、本実施形態のカートリッジロック解除手段220は、インクカートリッジ211を排出方向へ移動させる際、スライダ部240と第1の係合手段としてのスライダ係合部245およびラッチプレート係合部254で係合させるようにラッチプレート250を付勢すると共に、係合部材であるラッチプレート250を揺動させるように構成されている。
さらに、カートリッジロック解除手段220は、インクカートリッジ211を装填する際、係合部材であるラッチプレート250を、スライダ部240と第2の係合手段としてのスライダ突部242とラッチプレートスリット255の装填方向側の面255aとを面接触させるように付勢するように構成されている。
また、本実施形態の第1の係合手段は、係合部材としてのラッチプレート250が揺動してインクカートリッジ211を保持した状態を解除する際、ラッチプレート250の爪部251、251とインクカートリッジ211の凹部211a、211aとの係合を解除しやすくするため、スライダ部240に対してラッチプレート250を移動させながらラッチプレート250を揺動させることによって、ラッチプレート250の揺動に伴って揺動半径の長さが変化するように構成されている。
図29(A)に示すのは、本発明に係るカートリッジ強制移動手段を示す上方斜視図であり、同図(B)は(A)の下方斜視図である。
図29(A)(B)に示す如く、カートリッジ強制移動手段400は、スライダ部240に設けられた押出レバー401と、基体387の押出レバー開口部387cに設けられた突起387bと、押出レバーばね402と、を備えている。押出レバー401については、インクカートリッジ211の排出の際の説明で説明したが、さらに詳しく以下に説明する。
押出レバー401は、スライダ部240に設けられた押出レバー軸403を支点に回動可能に設けられている。ここで、押出レバー401は、スライダ部240の下面に配設されており、その近傍の基体387には押出レバー開口部387cが設けられている。そして、基体387において押出レバー開口部387cに設けられて突起387bのみが、押出レバー401と当接可能に設けられている。また、押出レバー401は、一端に押出レバー開口部387cより下方へ延設されインクカートリッジ211と当接して押し出す押出部401bと、他端に着脱装置201の基体387に設けられた突起387bと当接・係合する当接部401aとを備えている。当接部401aは、スライダ部240に設けられたC型開口部248を介して上方へ延設されている。そして、押出レバーばね402の一端が、当接部401aに取り付けられている。一方の押出レバーばね402の他端は、スライダ部側に設けられたフック249に取り付けられている。
続いて、カートリッジ強制移動手段400の動作について説明する。先ず、インクカートリッジ211を装填する際の動作について説明する。
図30に示すのは、インクカートリッジ装填途中のカートリッジ強制移動手段を示す底面図である。図面において下側から上側へ向かう方向が装填方向である。
図30に示す如く、インクカートリッジ211は、カートリッジ保持手段210によって保持されている状態であるので、レバーアーム363の「セット位置」側への回動操作によって、スライダ部240および押出レバー401と一体に矢印の示す装填方向へ移動する。そして、スライダ部240および押出レバー401が装填方向へ移動すると、押出レバー401の当接部401aが、基体側の突起387bに徐々に接近し当接する。
図31に示すのは、インクカートリッジ装填途中に押出レバーが回動している状態のカートリッジ強制移動手段を示す底面図である。
図31に示す如く、図30に示す状態からスライダ部240および押出レバー401がさらに装填方向へ移動すると、突起387bが、当接部401aと係合し、押出レバーばね402の付勢力に抗して押出レバー401を図中の反時計方向へ回動させる。このとき、押出レバー401の押出部401bは、インクカートリッジ211の装填方向の先端側の面から離間するように揺動する。そして、スライダ部240および押出レバー401がさらに装填方向へ移動すると、突起387bと当接部401aとの係合が解除される。
図32に示すのは、インクカートリッジ装填完了時のカートリッジ強制移動手段を示す底面図である。
図32に示す如く、図31に示す状態からスライダ部240および押出レバー401がさらに装填方向へ移動すると、基体側の突起387bと押出レバー401の当接部401aとの係合が解除される。従って、押出レバー401は、押出レバーばね402の付勢力によって、図中の時計方向へ回動して図32に示す姿勢にもどされる。以上、説明したように、インクカートリッジ211を装填する際、押出レバー401は回動するが、押出レバー401は、インクカートリッジ211と当接することがないので、インクカートリッジ211に対して何ら作用しない。
続いて、インクカートリッジを排出する際の動作について説明する。
図33に示すのは、インクカートリッジ排出途中に押出レバーが回動している状態のカートリッジ強制移動手段を示す底面図である。
図33に示す如く、図32に示す状態からレバーアーム363を「セット位置」から「リセット位置」側へ回動操作すると、インクカートリッジ211は、スライダ部240および押出レバー401と一体に矢印の示す排出方向へ移動する。そして、押出レバー401の当接部401aが、基体側の突起387bに徐々に接近して当接する。
さらにスライダ部240および押出レバー401が排出方向へ移動すると、突起387bと当接部401aが係合して、突起387bが、押出レバーばね402の付勢力に抗して押出レバー401を図中の時計方向へ回動させる。このとき、押出レバー401の回動に伴って、押出レバー401の押出部401bが、インクカートリッジ211の装填方向の先端側の面と当接・押圧する。即ち、てこの原理を利用して、力点である当接部401aが力を受けて、押出レバー401を押出レバー軸403を支点に回動させて、作用点である押出部401bがインクカートリッジ211を押圧してスライダ部240に対して第3の所定ストロークS3だけ排出方向へ強制的に移動させる。
そして、さらにスライダ部240および押出レバー401が排出方向へ移動すると、突起387bと当接部401aとの係合が解除される。従って、押出レバーばね402の付勢力によって、押出レバー401は反時計方向へ回動して図30および図32に示すもとの姿勢にもどされる。
以上、説明したように、押出レバー401は、インクカートリッジ211を装填する際および排出する際に回動するが、排出する際にのみインクカートリッジ211と当接・押圧してインクカートリッジ211を排出方向へ強制的に移動させるように構成されている。
ここで、押出レバー401がインクカートリッジ211に対して作用するタイミングは、前述したようにインクカートリッジ211からインク供給針411、411…が抜けた後から、コネクタ部412とインクカートリッジ211との摩擦抵抗がなくなるまでの間作用するように構成されている。さらに、該タイミングは、ラッチプレート250の爪部251、251が上方へ揺動してインクカートリッジ211の凹部211a、211aから抜け出た後に作用するように構成されている。
また、押出レバー軸403から当接部401aおよび押出部401bまでの比は、約1対1に設けられているが、当接部401aおよび押出部401bのいずれか一方までの距離を長くして前記比を大きく構成してもよいのが勿論である。
本実施形態のインクカートリッジの着脱装置201は、インクカートリッジ211をスライドさせて記録装置本体に装填するインクカートリッジの着脱装置201であって、インクカートリッジ211を第1の所定ストローク挿入することによってインクカートリッジ211を保持するカートリッジ保持手段210と、レバーアーム363の回動により、てこの原理を利用してインクカートリッジ211の装填に必要な押し込み力を確保すると共に、レバーアーム363の回動をカートリッジ保持手段210に保持された状態のインクカートリッジ211の装填に必要な第2の所定ストロークの動きに変換する動力伝達変換機構230と、レバーアーム363の回動に伴ってインクカートリッジ211を保持した状態のカートリッジ保持手段210をインクカートリッジ211の排出方向へ移動させる際のみに、てこの原理を利用してインクカートリッジ211をカートリッジ保持手段210に対して排出方向へ強制的に移動させるカートリッジ強制移動手段400とを備えていることを特徴とする。
そのうち、本実施形態のカートリッジ強制移動手段400のインクカートリッジ211を強制的に移動させる力は、カートリッジ保持手段210が移動する力によって発生するように構成されていることを特徴とする。
また、カートリッジ強制移動手段400は、カートリッジ保持手段210がインクカートリッジ211と一体に排出方向へ移動し、着脱装置側であってインクカートリッジ211に挿通するインク供給針411、411…がインクカートリッジ211から引き抜かれた後に作用するように構成されていることを特徴とする。
さらに、インクカートリッジ側に設けられた電気的な接続端子部としてのインク残量情報端子212と、記録装置側に設けられ、インク残量情報端子212と接触可能なコネクタ部412との接触装置414を備え、カートリッジ強制移動手段400は、少なくともコネクタ部412とインクカートリッジ211とが離間するまで、作用するように構成されていることを特徴とする。
また、本実施形態のカートリッジ保持手段210は、カートリッジ保持手段210のインクカートリッジ211を保持した状態を解除するカートリッジロック解除手段220を備え、カートリッジ強制移動手段400のインクカートリッジ211を強制的に移動させる力は、カートリッジロック解除手段220がインクカートリッジ211を保持した状態を解除した後に発生するように構成されていることを特徴とする。
[インクカートリッジの誤装填]
さらに続いて、インクカートリッジ211の誤装填について説明する。
図34に示すのは、インクカートリッジが誤装填されたときの誤装填防止手段を示す平面図である。図35に示すのは、図34の要部断面図である。
前述したようにインクカートリッジの着脱装置201の上部には、フレーム部材190が配設されている(図3参照)。そして、図34および図35の示す如く、フレーム部材190の一部には、誤装填防止手段420としての係合部材移動規制部191が設けられており、係合部材移動規制部191は、レバーアームが「セット位置」近傍に位置するときにおけるラッチプレート250の爪部251、251の先端の上部と対抗する位置に配設されている。
インクカートリッジ211の挿入の説明で前述したが、レバーアーム363が「リセット位置」にあるとき、レバー突起部363cの案内面363dは、インクカートリッジ211を挿入開口部271へ案内するように設けられている(図5参照)。また、レバー突起部363cは、レバーアーム363が「リセット位置」以外にあるとき、インクカートリッジ211の挿入開口部271への進入路Aを遮り、インクカートリッジの着脱装置外部でユーザの所謂、誤挿入行為を未然に防止することができる。そして、図5および図8に示す如く、インクカートリッジ211を矢印の示す装填方向へ挿入しなければ、インクカートリッジ211がレバー突起部363cの軌道を遮っているので、レバーアーム363を「セット位置」側へ回動することができないように設けられている。
ところが、ユーザが、インクカートリッジ211を第1の所定ストロークS1分装填方向へ移動させながら、レバーアーム363を「セット位置」側へ回動させる操作、所謂、誤装填操作(アブノーマル操作)を行う虞がある。この場合、レバーアーム363のレバー突起部363cがインクカートリッジ211の装填方向後端と当接し、レバーアーム363の回動と共にレバー突起部363cがインクカートリッジ211を装填方向へ押し込んでしまう虞が生じる。言い換えると、インクカートリッジ211がカートリッジ保持手段210によって保持されない状態で、レバー突起部363cがインクカートリッジ211を装填方向へ押し込む虞が生じる。この状態が図34および図35に示す状態である。
そこで、インクカートリッジ211が誤装填されたとき、インクカートリッジ211の装填方向への移動を規制するために、係合部材移動規制部191が設けられている。
先ず、図34に示す如く、インクカートリッジ211がレバー突起部363cによって装填方向へ押し込まれていくと、図35に示す如く、インクカートリッジ211の装填方向先端側が、ラッチプレート250の爪部251、251と当接する。この当接する際、レバーアーム363は、「セット位置」側へ回動するので、スライダ部240およびラッチプレート250の爪部251、251は装填方向へ移動している。ここで、インクカートリッジ211の速度(レバー突起部363cの装填方向への速度)をV1、爪部251、251の速度をV2とすると、
V1 > V2
の関係が成り立つように構成されている。
即ち、爪部251、251と、インクカートリッジ211との相対的な速度差が小さくなるように設けられている。従って、インクカートリッジ211の装填方向先端側と爪部251、251とが当接する際の衝撃を小さくすることができ、着脱装置内部の部材が破損される虞を低減することができる。
ここで、インクカートリッジ211の装填方向先端側と爪部251、251とが当接する際の衝撃を小さくすることより、当接する際の装填方向における爪部251、251の位置精度、即ち、インクカートリッジ211の装填方向への移動を規制する位置精度を優先させる場合は、偏心カム部235bが第1の面246aから離間して同心カム部235b(図25参照)が第1の面246aと当接した後に、インクカートリッジ211が爪部251、251と当接するように設けてもよい。即ち、スライダ部240、ラッチプレート250および爪部251、251の装填方向への移動が停止した後に、インクカートリッジ211が爪部251、251と当接するように設けてもよい。
次に、インクカートリッジ211が、爪部251、251を押し上げようとする。このとき、ラッチプレート250は、前述したようにラッチプレートばね256の付勢力によって、スライダ部240と第1の係合手段で係合している。従って、ラッチプレート250は第1の係合手段を支点に上方へ揺動しようとする。そして、ラッチプレート250が僅かに上方へ揺動すると、爪部251、251の先端部が係合部材移動規制部191と度当たり上方への揺動が規制される。即ち、爪部251、251は、インクカートリッジ211の装填方向前方を遮ると共にインクカートリッジ211の装填方向前方と当接している状態となる。
ここで、ラッチプレート250が係合部材移動規制部191と度当たる際、ラッチプレート250が「僅かに」上方へ揺動するとしたのは、正常にインクカートリッジ211が挿入・装填される際、ラッチプレート250が係合部材移動規制部191と接触して摩擦が生じるのを防止するためのクリアランスを設けたためである。従って、「僅かに」の程度は殆ど揺動しない程度であるのが望ましい。
また、ラッチプレート250は、スライダ部240と第1の係合手段で係合しているので、爪部251、251の位置は、スライダ部240に対して精度よく決められる。さらに、レバー突起部363cがインクカートリッジ211を装填方向へ押し込んだ場合、インクカートリッジ211は、爪部251、251と当接した後に爪部251、251を介してスライダ部240を装填方向へ付勢する。このとき、図25(A)(B)に示す第1スライダ開口部246の第1の面246aおよび第2の面246bと、カム部235との間に隙間、所謂、クリアランスが設けられている。
従って、第1の面246aと当接していたカム部235は、爪部251、251がインクカートリッジ211によって当接・押し上げられ係合部材移動規制部191と度当たった後、スライダ部240がインクカートリッジ211によって装填方向へ付勢されるので、第2の面246bと当接する。かかる場合であってもカム部235は、スライダ部240の位置を精度よく位置決めすることができる。即ち、第1の係合手段を介して爪部251、251の位置を精度よく位置決めすることができる。尚、第1の面246aおよび第2の面246bと、カム部235との間のクリアランスは1mm程度と僅かであるため、爪部251、251がインクカートリッジ211の装填方向への移動を規制する位置において、何ら問題は生じない。
そして、前述したインクカートリッジ211の速度(レバー突起部363cの装填方向への速度)V1と爪部251、251の速度V2との関係、およびレバーアーム363の回動が動力伝達変換機構230によってスライダ部240を介して爪部251、251へ伝達されている構成より、インクカートリッジ211が爪部251、251と当接し爪部251、251を僅かに上方へ揺動させて係合部材移動規制部191と当接させると、インクカートリッジ211は、爪部251、251とレバー突起部363cに挟持された状態となる。即ち、レバーアーム363はこれ以上「セット位置」側へ回動することができなくなると同時に爪部251、251も装填方向へ移動できなくなる。従って、爪部251、251によって、インクカートリッジ211の装填方向への移動が規制される。
言い換えると、係合部材移動規制部191は、爪部251、251を介して問題となるインクカートリッジ211の装填方向への移動を規制するだけでなく、レバーアーム363のレバー突起部363cによるインクカートリッジ誤装填の原因であるレバーアーム363の「セット位置」側への回動をも規制している。さらに、レバーアーム363の回動規制については、爪部251、251および動力伝達変換機構230を介してレバーアーム363の回動を規制するだけでなく、爪部251、251およびインクカートリッジ211を介してもレバーアーム363の回動を規制している。
また、係合部材移動規制部191は、爪部251、251の上方への揺動を規制して爪部251、251にインクカートリッジ211の装填方向前方を遮らせると共に、インクカートリッジ211の凹部211a、211aとラッチプレート250の爪部251、251とが係合しないように爪部251、251の揺動を規制している。
尚、インクカートリッジ211を排出する際の図21における説明と同様に、図35に示す状態は、インクカートリッジ211に設けられた所謂、パッキンとしての針挿通開口211b、211b…に、記録装置本体側のインク供給針411、411…が刺さっていない状態である。また、係合部材移動規制部191は、ラッチプレート250およびスライダ部240と同様に金属板で形成されているため、リジッドに爪部251、251の位置を規制することができる。
従って、インクカートリッジ211の規制位置を精度よく決めることができ、インク供給針411、411…がインクカートリッジ211に中途半端に刺さった状態となる虞が生じない。そして、前記中途半端に刺さった状態によるインク漏れを防止することができる。
また、インクカートリッジ211の装填方向前方を遮る爪部251、251は、ラッチプレート250と一体に形成され、かつ、インクカートリッジ211の装填方向に対する幅方向の中央に設けられているため、レバー突起部363cによって誤装填された場合、確実に針挿通開口211b、211b…にインク供給針411、411…が刺さるのを防止することができる。
ここで、「幅方向の中央」とは、幅方向においてインク供給針411、411…が設けられている範囲内をいう。
続いて、インクカートリッジ211を排出する際の係合部材移動規制部191と爪部251、251との位置関係について説明する。
図36(A)〜(E)に示すのは、インクカートリッジ排出の際の爪部と係合部材移動規制部との位置関係を示す要部拡大側断面図である。このうち、(A)はインクカートリッジ装填完了したときの状態である(図16と同じ状態)。同図(B)は(A)よりレバーアームを「リセット位置」側へ僅かに回動させカートリッジ保持手段を排出方向へ僅かに移動させた状態である。同図(C)は(B)よりレバーアームを「リセット位置」側へさらに僅かに回動させカートリッジ保持手段を排出方向へさらに僅かに移動させた状態である(図19と同じ状態)。同図(D)は(C)よりレバーアームを「リセット位置」側へさらに僅かに回動させカートリッジ保持手段を排出方向へさらに僅かに移動させた状態である(図21と同じ状態)。同図(E)は(D)よりレバーアームを「リセット位置」側へさらに僅かに回動させカートリッジ保持手段を排出方向へさらに僅かに移動させた状態である(図24と同じ状態)。
正常にインクカートリッジ211が挿入されカートリッジ保持手段210によって保持され装填される際の爪部251、251の軌道と、爪部251、251が排出方向へ移動しつつカートリッジロック解除手段220としてのキャンセルアーム260a、260bによって上方へ揺動するインクカートリッジ211を排出する際の爪部251、251の軌道とは異なるように構成されている。インクカートリッジ211が正常に装填された場合は、レバーアーム363が「リセット位置」にあるときに、爪部251、251が上方へ揺動して凹部211a、211aと係合する。そして、レバーアーム363の「リセット位置」から「セット位置」への回動によってインクカートリッジ211が装填される際は、爪部251、251は上方へ揺動しない。即ち、正常にインクカートリッジ211が挿入されたときは、爪部251、251は、係合部材移動規制部191と当接しないように構成されている。
一方、インクカートリッジ211を排出する際は、レバーアーム363を「セット位置」から「リセット位置」へ回動させる間、即ち、カートリッジ保持手段210が排出方向へ移動する間に爪部251、251が、キャンセルアーム260a、260bによって揺動するように構成されている。
図36(A)に示す如く、装填完了位置からレバーアーム363を「セット位置」から「リセット位置」側へ回動すると、カートリッジ保持手段210としてのラッチプレート250の爪部251、251は、揺動することなく係合部材移動規制部191の下方を引き抜かれるように排出方向へ移動する。
図36(B)に示す如く、爪部251、251が係合部材移動規制部191の下方を引き抜かれるように排出方向へ移動し、爪部251、251の先端部が係合部材移動規制部191と対向する位置から脱すると、ラッチプレート250の傾斜部253、253がキャンセルアーム260a、260bの先端当接部260c、260cに徐々に乗り上げる。傾斜部253、253が先端当接部260c、260cに乗り上げるにしたがって、爪部251、251が上方へ揺動し始める。
図36(C)に示す如く、ラッチプレート250が排出方向へ移動するにしたがって、傾斜部253、253が先端当接部260c、260cにさらに乗り上げ、爪部251、251はさらに上方へ揺動する。
図36(D)に示す如く、傾斜部253、253が完全に先端当接部260c、260cに乗り上げると、爪部251、251の位置は最高点に達する。
図36(E)に示す如く、傾斜部253、253が先端当接部260c、260cを乗り越えると、爪部251、251は下方へ揺動して元の高さに戻る。
以上、説明したように係合部材移動規制部191は、カートリッジ保持手段210を排出方向へ移動させた際、ラッチプレート250の爪部251、251と当接しないように構成されている。
続いて、インクカートリッジ211が誤装填された際のユーザへの警告について説明する。
図37(A)(B)は、蓋部材およびレバーアームを示す側断面図である。このうち、(A)は蓋部材が閉塞している状態であり、同図(B)は蓋部材が中途半端に開いている状態である。
図37(A)(B)に示す如く、挿入開口部271を開閉可能に揺動する蓋部材422が、蓋軸423を支点に揺動するように設けられている。蓋部材422には蓋突部424が設けられており、蓋突部424は、記録装置本体側に設けられた開閉センサ426のセンサ突部427と当接可能に設けられている。そして、開閉センサ426は、蓋部材422が挿入開口部271を閉塞したのを検知すると信号を制御部425へ送るように設けられている。
図37(A)に示す如く、正常にインクカートリッジ211が挿入されカートリッジ保持手段210によって保持された後、レバーアーム363を「リセット位置」から「セット位置」まで回動してインクカートリッジ211を装填すると、インクカートリッジ211は挿入開口部271の奥の第2の所定ストロークS2押し込まれた位置まで移動した状態となる。従って、蓋部材422を閉じることができ、蓋突部424がセンサ突部427と当接する。そして、開閉センサ426が蓋部材422の閉塞を検知して、前記信号を制御部425へ送る。
図37(B)に示す如く、前述したようにレバーアーム363のレバー突起部363cがインクカートリッジ211を装填方向へ押し込んでしまった場合、即ち、レバーアーム363によってインクカートリッジ211が誤装填された場合、前述した係合部材移動規制部191によって爪部251、251がインクカートリッジ211の装填方向前方を遮るので、インクカートリッジ211は、爪部251、251によって装填方向への移動が規制される。従って、インクカートリッジ211は第2の所定ストロークS2分移動することができない。そして、レバーアーム363のレバー突起部363cはインクカートリッジ211の装填方向後端と当接しているため、レバーアーム363は「セット位置」まで回動することができない。このとき、レバー突起部363cは、蓋軸側へ延設されており、蓋部材422が閉じるのを規制する。従って、インクカートリッジ211が誤装填された場合は、蓋部材422の蓋突部424が、開閉センサ426のセンサ突部427と当接することがない。
かかる場合、蓋部材422が完全に閉じないことによって、ユーザに異常を知らせることができる。また、制御部425は、開閉センサ426からの信号が送られてこないのを理由に、図示しない操作パネルに「蓋開」の異常を警告表示するように構成してもよい。また、警告表示と共に警告音を発するように構成してもよい。
本実施形態のインクカートリッジの着脱装置201は、インクカートリッジ211をスライドさせて記録装置本体に装填するインクカートリッジの着脱装置201であって、インクカートリッジ211を第1の所定ストロークS1挿入することによってインクカートリッジ211を保持するカートリッジ保持手段210と、レバーアーム363の回動により、てこの原理を利用してインクカートリッジ211の装填に必要な押し込み力を確保すると共に、レバーアーム363の回動をカートリッジ保持手段210に保持された状態のインクカートリッジ211の装填に必要な第2の所定ストロークS2の動きに変換する動力伝達変換機構230と、インクカートリッジ211がカートリッジ保持手段210に保持されていない状態において、レバーアーム363がインクカートリッジ211を装填する前にとる「リセット位置」側から、インクカートリッジ211を装填完了したときにとる「セット位置」側へ回動する際、レバーアーム363がインクカートリッジ211と当接して、インクカートリッジ211が装填方向へ移動するのを規制する誤装填防止手段420とを備えていることを特徴とする。
このうち、本実施形態の誤装填防止手段420は、記録装置本体側に設けられたインク供給針411、411…の少なくとも一部が、インクカートリッジ211に設けられた針挿通開口211b、211b…に挿通可能な状態となる位置へのインクカートリッジ211の移動を規制することを特徴とする。
また、カートリッジ保持手段210は、インクカートリッジ211と係合して保持する係合部材としてのラッチプレート250を備え、誤装填防止手段420は、ラッチプレート250に設けられた爪部251、251がインクカートリッジ211の凹部211a、211aと係合するのを防止すると共に、ラッチプレート250に設けられた爪部251、251の前記係合する際の移動方向への移動である揺動を規制して爪部251、251にインクカートリッジ211の装填方向前方を遮らせることによって、爪部251、251にインクカートリッジ211の装填方向への移動を規制させる係合部材移動規制部191を備えていることを特徴とする。
そして、本実施形態の係合部材移動規制部191は、係合部材としての爪部251、251を装填方向へ移動させながら、爪部251、251を装填方向へ移動するインクカートリッジ211と当接させるように構成されていることを特徴とする。
本実施形態において、レバーアーム363の一端には、レバーアーム363を回動する際に操作するつまみ部363aが設けられ、つまみ部363aには、インクカートリッジ211がカートリッジ保持手段210に保持されていない状態でレバーアーム363を「セット位置」側へ回動する際、インクカートリッジ211と当接可能な突起部としてのレバー突起部363cが設けられており、レバーアーム363を「リセット位置」から「セット位置」へ回動する際、レバー突起部363cが、インクカートリッジ211の装填方向へも移動するように構成されていることを特徴とする。
尚、本実施形態では、爪部を2つ設けたが、幅方向に延設された爪部を1つ設けてもよいし、幅方向に3つ以上設けてもよいのは勿論である。
また、本実施形態では、ラッチプレートの揺動支点を、装填方向において爪部より上流側に設けたが、下流側であってもよいのは勿論である。
またさらに、本実施形態では、爪部を揺動するように構成したが、揺動に限らず直線方向、例えば、装填方向と直交する方向へ移動させるように構成してもよいのは勿論である。
本発明は上記実施例に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で、種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれるものであることは言うまでもない。
本発明に係る記録装置の概略を示す全体斜視図。 本発明に係る記録装置の概略を示す全体平面図。 本発明に係る着脱装置の概略を示す全体斜視図。 挿入前であってレバーリセット位置の着脱装置を示す前方斜視図。 挿入途中であってレバーリセット位置の着脱装置を示す平面図。 挿入途中であってレバーリセット位置の着脱装置を示す側方斜視図。 挿入途中であってレバーリセット位置の着脱装置を示す要部側断面図。 挿入完了時であってレバーリセット位置の着脱装置を示す平面図。 挿入完了時であってレバーリセット位置の着脱装置を示す側方斜視図。 挿入完了時であってレバーリセット位置の着脱装置を示す要部側断面図。 インクカートリッジ装填途中の着脱装置を示す平面図。 インクカートリッジ装填途中の着脱装置を示す要部側断面図。 装填完了であってレバーセット位置の着脱装置を示す前方斜視図。 装填完了であってレバーセット位置の着脱装置を示す平面図。 装填完了であってレバーセット位置の着脱装置を示す側方斜視図。 装填完了であってレバーセット位置の着脱装置を示す要部側断面図。 インクカートリッジ排出途中の着脱装置を示す平面図。 インクカートリッジ排出途中の着脱装置を示す要部側断面図。 インクカートリッジ排出途中の着脱装置を示す要部側断面図(ラッチプレート上昇)。 インクカートリッジ排出途中の着脱装置を示す側方斜視図(強制押出)。 インクカートリッジ排出途中の着脱装置を示す要部側断面図(強制押出)。 インクカートリッジ排出途中の着脱装置を示す平面図(ばね付勢押出)。 インクカートリッジ排出途中の着脱装置を示す要部側断面図(ばね付勢押出)。 インクカートリッジ排出途中の着脱装置を示す要部側断面図(ラッチプレート下降)。 (A)(B)は本発明に係るカム部の形状を示す平面図。 (A)(B)は第1の係合手段による係合時の要部拡大側断面図および平面図。 (A)(B)は第1の係合手段による係合時の要部拡大側断面図および平面図(ラッチプレート上昇)。 (A)(B)は第2の係合手段による係合時の要部拡大側断面図および平面図。 (A)(B)は本発明に係るカートリッジ強制移動手段を示す上方斜視図および下方斜視図。 インクカートリッジ装填途中のカートリッジ強制移動手段を示す底面図。 インクカートリッジ装填途中のカートリッジ強制移動手段を示す底面図(押出レバー回動)。 インクカートリッジ装填完了時のカートリッジ強制移動手段を示す底面図。 インクカートリッジ排出途中のカートリッジ強制移動手段を示す底面図(押出レバー回動)。 インクカートリッジ誤装填時の誤装填防止手段を示す平面図。 インクカートリッジ誤装填時の誤装填防止手段を示す要部拡大側断面図。 (A)〜(E)はインクカートリッジ排出の際の爪部と係合部材移動規制部との位置関係を示す要部拡大側断面図。 (A)(B)は蓋部材およびレバーアームを示す側断面図。 (A)(B)は従来技術におけるインクカートリッジの着脱装置を示す平面図。
符号の説明
100 記録装置、101 ホッパ、102 キャリッジモータ、103 用紙ガイド、
104 給送用モータ、105 プラテン、106 記録ヘッド、107 キャリッジ、
110 インク供給チューブ、143 記録部、144 給送部、190 フレーム部材、
191 係合部材移動規制部、200 インク吸引装置、201 着脱装置、
210 カートリッジ保持手段、211 インクカートリッジ、211a 凹部、
211b 針挿通開口、212 インク残量情報端子、213 キャップ部、
220 カートリッジロック解除手段、230 動力伝達変換機構、231 第1ギア、
232 第2ギア、233 第3ギア、234 第4ギア、235 カム部、
235a 偏心カム部、235b 同心カム部、235c カム軸、240 スライダ部、
241a ガイドスリット、241b ガイドスリット、241c スリット、
242 スライダ突部、243 度当て部、245 スライダ係合部、
245a 係合開口部、245b 上側の面、246 第1スライダ開口部、
246a 第1の面、246b 第2の面、247 第2スライダ開口部、
248 C型開口部、249 フック、250 ラッチプレート、251 爪部、
252 肩部、253 傾斜部、254 ラッチプレート係合部、
255 ラッチプレートスリット、255a 装填方向側の面、
256 ラッチプレートばね、260a キャンセルアーム、
260b キャンセルアーム、260c 先端当接部、261 キャンセルアームばね、
262a 軸、262b 軸、262c 軸、271 挿入開口部、
363 レバーアーム、363a つまみ部、363b アーム本体、
363c レバー突起部、363d 案内面、364 レバー支軸、
366 レバー回動規制部、369 レバー回動規制突起、385 排出レバー、
386 排出レバー軸、387 基体、387a 基体開口部、387b 突起、
387c 押出レバー開口部、400 カートリッジ強制移動手段、401 押出レバー、
401a 当接部、401b 押出部、402 押出レバーばね、403 押出レバー軸、
411 インク供給針、412 コネクタ部、413 コネクタばね、414 接触装置、
420 誤装填防止手段、422 蓋部材、423 蓋軸、424 蓋突部、
425 制御部、426 開閉センサ、427 センサ突部、500 従来の着脱装置、
501 カートリッジ保持手段、502 誤挿入防止手段、503 挿入開口部、
504 進入路、505 レバーアーム、506 つまみ部、507 突起部、
508 インクカートリッジ、509 インク供給針、A 進入路、Q 支点、
R 接触面(第1の係合手段の)、S1 第1の所定ストローク、
S2 第2の所定ストローク、S3 第3の所定ストローク

Claims (9)

  1. インクカートリッジをスライドさせて記録装置本体に装填するインクカートリッジの着脱装置であって、
    インクカートリッジを第1の所定ストローク挿入することによってインクカートリッジを保持するカートリッジ保持手段と、
    レバーアームの回動により、てこの原理を利用してインクカートリッジの装填に必要な押し込み力を確保すると共に、レバーアームの回動を前記カートリッジ保持手段に保持された状態のインクカートリッジの装填に必要な第2の所定ストロークの動きに変換する動力伝達変換機構と、
    インクカートリッジが前記カートリッジ保持手段に保持されていない状態において、前記レバーアームがインクカートリッジを装填する前にとるリセット位置側から、インクカートリッジを装填完了したときにとるセット位置側へ回動する際、該レバーアームがインクカートリッジと当接して、インクカートリッジが装填方向へ移動するのを規制する誤装填防止手段とを備えていることを特徴とするインクカートリッジの着脱装置。
  2. 請求項1において、前記カートリッジ保持手段は、インクカートリッジと係合して保持する係合部材を備え、
    前記誤装填防止手段は、前記係合部材がインクカートリッジと係合するのを防止すると共に、該係合部材の前記係合する際の移動方向への移動を規制して該係合部材にインクカートリッジの装填方向前方を遮らせることによって、該係合部材にインクカートリッジの装填方向への移動を規制させる係合部材移動規制部を備えていることを特徴とするインクカートリッジの着脱装置。
  3. 請求項2において、前記誤装填防止手段は、
    記録装置本体側に設けられたインク供給針の少なくとも一部が、インクカートリッジに設けられた針挿通開口に挿通可能な状態となる位置へのインクカートリッジの移動を規制することを特徴とするインクカートリッジの着脱装置。
  4. 請求項2または3において、前記係合部材移動規制部は、前記係合部材を装填方向へ移動させながら、該係合部材を装填方向へ移動するインクカートリッジと当接させるように構成されていることを特徴とするインクカートリッジの着脱装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項において、
    前記レバーアームの一端には、該レバーアームを回動する際に操作するつまみ部が設けられ、
    該つまみ部には、インクカートリッジが前記カートリッジ保持手段に保持されていない状態で前記レバーアームを前記セット位置側へ回動する際、インクカートリッジと当接可能な突起部が設けられており、
    前記レバーアームを前記リセット位置から前記セット位置へ回動する際、前記突起部が、インクカートリッジの装填方向へも移動するように構成されていることを特徴とするインクカートリッジの着脱装置。
  6. 請求項5において、インクカートリッジが挿入される挿入開口部を開閉自在に回動して覆う蓋部材を備え、
    前記突起部がインクカートリッジと当接して前記レバーアームの前記セット位置への回動が規制されて、該レバーアームが前記セット位置以外にあるとき、
    前記突起部は、前記蓋部材と当接して該蓋部材の閉塞を妨げるように構成されていることを特徴とするインクカートリッジの着脱装置。
  7. 請求項2乃至6のいずれか1項において、
    前記カートリッジ保持手段は、インクカートリッジが装填された状態から、インクカートリッジを排出方向へ移動させる際、前記係合部材とインクカートリッジとの係合を解除するカートリッジロック解除手段を備え、
    該カートリッジロック解除手段は、前記カートリッジ保持手段が排出方向へ移動する際、前記係合部材の軌道が装填方向へ移動する際の前記係合部材の軌道と異なるように、該係合部材を移動させ、
    前記係合部材移動規制部は、前記カートリッジ保持手段が排出方向へ移動する際、前記係合部材と当接しないように構成されていることを特徴とするインクカートリッジの着脱装置。
  8. インクカートリッジをスライドさせて記録装置本体に装填するインクカートリッジの着脱装置を備える記録装置であって、前記インクカートリッジの着脱装置は請求項1乃至7のいずれか1項に記載のインクカートリッジの着脱装置であることを特徴とする記録装置。
  9. 液体カートリッジをスライドさせて液体噴射装置本体に装填する液体カートリッジの着脱装置を備える液体噴射装置であって、
    液体カートリッジを第1の所定ストローク挿入することによって液体カートリッジを保持するカートリッジ保持手段と、
    レバーアームの回動により、てこの原理を利用して液体カートリッジの装填に必要な押し込み力を確保すると共に、レバーアームの回動を前記カートリッジ保持手段に保持された状態の液体カートリッジの装填に必要な第2の所定ストロークの動きに変換する動力伝達変換機構と、
    液体カートリッジが前記カートリッジ保持手段に保持されていない状態において、前記レバーアームが液体カートリッジを装填する前にとるリセット位置側から、液体カートリッジを装填完了したときにとるセット位置側へ回動する際、該レバーアームが液体カートリッジと当接して、液体カートリッジが装填方向へ移動するのを規制する誤装填防止手段とを備えていることを特徴とする液体噴射装置。
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