JPH09123479A - インクジェットプリンタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 インクカートリッジの脱着作業を容易にする
とともに、インクカートリッジを脱着してインク供給孔
が空気中に露出された場合、簡単な操作によりインク供
給部を迅速に閉塞し、インクの乾燥を防止する。 【解決手段】 第２レバー８を反時計方向（上方向）に
回動させることにより、ロック爪１４とロックピン１３
との係止を解除し、また同時に、軸部材２７により第１
レバー２２も回動して、インクカートリッジ７を押し上
げ、インクカートリッジ７を脱着可能とする。インクカ
ートリッジ７を装着する際インクカートリッジ７で第１
レバー２２を押しておいて、第２レバーを回動すると、
閉塞部材２８が摺動溝１２，２５に沿って移動し、イン
ク供給部３２から外れた休止位置の湿潤材３０上に移動
する。また第２レバー８のみ回動すると、閉塞部材２８
がバネ２６で回動軸９から離れた位置へ付勢されながら
インク供給部３２上に移動しそれを閉塞する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、キャリッジ上に固
設されたインクジェットヘッドを有し、そのインクジェ
ットヘッドに対してインクを供給するインク供給部をイ
ンクカートリッジのインク供給孔に連結することにより
インクジェットヘッドにインクを供給しつつ印字を行う
インクジェットプリンタに関し、特に、インクカートリ
ッジを脱着してインク供給部が空気中に露出された場合
においても、簡単な操作によりインク供給部を迅速に閉
塞し、且つ、インク供給部を湿潤状態に保持することが
可能なインクジェットプリンタに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来より、インクジェットプリンタに
は、大別して、インクカートリッジとインクジェットヘ
ッドとを一体に取り扱い、インクカートリッジの交換時
にはそのインクカートリッジと共にインクジェットヘッ
ドをも交換してしまうディスポーザブルタイプと、イン
クジェットヘッドをキャリッジ上に固設しておき、イン
クカートリッジのみを単独で交換するフィクスタイプと
が存在する。この内、ディスポーザブルタイプでは、イ
ンクカートリッジと共にインクジェットヘッドをも交換
してしまうことから、インクジェットヘッドにインクを
供給するインク供給部が空気中に露出されることに起因
して発生するインク供給部へのゴミ等の付着やインクの
目詰り等の不具合は何ら問題とする必要はない。

【０００３】一方、フィクスタイプのインクジェットプ
リンタにおいては、インクカートリッジのみを単独で交
換し、キャリッジ上に固設されたインクジェットヘッド
にインクを供給するインク供給部が空気中に露出されて
しまうことから、インク供給部が空気中に露出されるこ
とに起因して発生するインク供給部へのゴミ等の付着や
インクの目詰り等の不具合が重要な問題となる。

【０００４】前記のような問題を解消すべく、例えば、
特公平６−５３４１６号公報には、インクカートリッジ
の非装着時に、戻しばねの付勢力に基づきラックと歯車
との協動によりキャップ付き回動部材を第１位置に保持
してキャップを中空針の先端部に被覆し、一方、インク
カートリッジを装着部に装着する際には、インクカート
リッジの突起部とラックの垂直部とを係合させつつ装着
部上で移動させ、かかる移動時に戻しばねの付勢力に抗
してラックを移動して歯車により回動部材を第２位置に
回動してキャップを中空針から開放するとともに、中空
針をインクカートリッジのゴム栓に突き刺すように構成
したインクジェット記録装置が記載されている。かかる
インクジェット記録装置によれば、中空針で使用者の手
が傷つくこと等を防止可能であり、また、中空針の先端
にゴミ等が付着することを防止することが可能となる。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記特
公平６−５３４１６号公報に記載されたインクジェット
記録装置では、中空針とインクカートリッジのゴム栓と
の連結を解除する場合、インクカートリッジを直接手で
掴んで装着部から取り外す必要があり、また、その取り
外し作業を不用意に行うと、中空針が位置ずれしたり曲
がってしまう虞があることから、極めて注意深く行う必
要がある。また、回動部材は、戻しばねを介して常時キ
ャップが中空針を被覆する方向に付勢されていることか
ら、インクカートリッジを取り外す際には、回動部材の
回動タイミングを考慮する必要がある。このように、前
記従来のインクジェット記録装置においては、インクカ
ートリッジの取り外し作業が煩雑になるという問題があ
る。

【０００６】また、回動部材に設けられたキャップには
中空針の先端からインクが付着してしまい、更に乾燥し
て固化してしまうのが通常である。かかる場合には、キ
ャップにより中空針の先端を保湿状態に保持することは
困難なものである。従って、中空針の先端にインクが固
化して目詰まりしてしまう虞が多分に存するものであ
る。

【０００７】本発明は前記従来の問題点を解消するため
になされたものであり、レバーを所定方向に操作するこ
とによりインク供給部とインクカートリッジのインク供
給孔との連結を簡単に解除してインクカートリッジの脱
着作業を容易に行うことができるとともに、インクカー
トリッジを脱着してインク供給部が空気中に露出された
場合においても、簡単な操作によりインク供給部を迅速
に閉塞し、且つ、インク供給部を湿潤状態に保持するこ
とができるインクジェットプリンタを提供することを目
的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に請求項１に係るインクジェットプリンタは、インクジ
ェットヘッドに対してインクを供給するインク供給部
と、そのインク供給部と脱着可能に連結されるインク供
給孔が形成されたインクカートリッジと、そのインクカ
ートリッジに当接し、インクカートリッジとともに動作
される第１レバーと、その第１レバーを、前記インクカ
ートリッジを前記インク供給部に対し連結及び脱着する
方向に、手動操作により動作させる第２レバーと、その
第１、第２両レバーに連結され、前記インク供給部を開
閉可能に覆う閉塞部材と、前記インクカートリッジを前
記インク供給部に連結する際、そのインクカートリッジ
によって前記第１レバーが動作されるとき、前記閉塞部
材を前記インク供給部から外れた休止位置に移動させ、
また、前記インクカートリッジが前記インク供給部に存
在しない状態で、前記第２レバーで前記第１レバーが動
作されるとき、前記閉塞部材を前記インク供給部を閉塞
する位置に移動させるように、前記閉塞部材の移動を制
御する制御手段とを備える。

【０００９】前記構成を有する請求項１のインクジェッ
トプリンタでは、インクカートリッジをインク供給部に
連結する際、インクカートリッジで第１レバーを動作す
ると、閉塞部材はインク供給部から外れた休止位置に保
持される。インクカートリッジがインク供給部に連結さ
れた状態では、インクカートリッジからインクジェット
ヘッドにインクが供給可能であり、この状態でインクジ
ェットヘッドで所望の印字が行われる。

【００１０】インクカートリッジをインク供給部から脱
着する場合、第２レバーを操作すると、これにより第１
レバーが動作され、インクカートリッジがインク供給部
から容易に脱着される。このとき、インク供給部は、空
気中に露出されることとなるが、続いて第２レバーを操
作することにより、閉塞部材によってインク供給部が閉
塞される。これにより、インクカートリッジが脱着さ
れ、インク供給部が空気中に露出されても、簡単な操作
でインク供給部を迅速に閉塞することが可能となるもの
である。

【００１１】また、請求項２に係るインクジェットプリ
ンタは、請求項１のインクジェットプリンタにおいて、
前記休止位置には、前記閉塞部材のインク供給部に対向
する面を湿潤状態に保持する湿潤材が配置された構成を
有する。従って、前記のように、インクカートリッジが
装着された状態において、休止位置に保持された閉塞部
材は、湿潤材に接触して湿潤状態に保持される。これに
より閉塞部材は、前記のようにインク供給部を閉塞する
際に、インク供給部を湿潤状態に保持することが可能と
なるものである。

【００１２】さらに、請求項３に係るインクジェットプ
リンタは、請求項１または２のインクジェットプリンタ
において、前記第２レバーには、前記インクカートリッ
ジを前記インク供給部との連結状態に保持するロック手
段が連結された構成を有する。従って、インクカートリ
ッジは、印字動作中、ロック手段でインク供給部と連結
状態に保持され、第２レバーを操作することによってロ
ック手段が解除され、インクカートリッジは脱着され
る。

【００１３】請求項４に係るインクジェットプリンタ
は、インクジェットヘッドに対してインクを供給するイ
ンク供給部と、そのインク供給部と脱着可能に連結され
るインク供給孔が形成されたインクカートリッジと、前
記インク供給部を開閉可能に覆う閉塞部材と、前記イン
クカートリッジを前記インク供給部に連結する際、前記
閉塞部材を前記インク供給部から外れた休止位置に移動
させる制御手段と、前記休止位置に配置され、前記閉塞
部材のインク供給部に対向する面を湿潤状態に保持する
湿潤材とを備える。このインクジェットプリンタによれ
ば、インクカートリッジが装着された状態において、休
止位置に移動された閉塞部材は、湿潤材に接触して湿潤
状態に保持される。これにより閉塞部材は、インク供給
部を閉塞する際に、インク供給部を湿潤状態に保持する
ことが可能となる。

【００１４】請求項５に係るインクジェットプリンタ
は、インクジェットヘッドに対してインクを供給するイ
ンク供給部と、そのインク供給部と脱着可能に連結され
るインク供給孔が形成されたインクカートリッジと、前
記インク供給部を開閉可能に覆う閉塞部材と、前記イン
クカートリッジを前記インク供給部に連結する際、前記
閉塞部材を前記インク供給部から外れた休止位置に移動
させる制御手段と、その制御手段の動作に連動して、前
記インクカートリッジを前記インク供給部との連結状態
に保持するロック手段とを備える。このインクジェット
プリンタによれば、インクカートリッジを連結すると
き、閉塞部材がインク供給部から外れた休止位置に移動
され、またその動作に連動してロック手段でインクカー
トリッジがインク供給部と連結状態に保持される。

【００１５】請求項６に係るインクジェットプリンタ
は、請求項４または５のインクジェットプリンタにおい
て、さらに、前記インクカートリッジに当接し、インク
カートリッジとともに動作される第１レバーと、その第
１レバーを、前記インクカートリッジを前記インク供給
部に対し連結及び脱着する方向に、手動操作により動作
させる第２レバーとを備え、前記閉塞部材は、その第
１、第２両レバーに前記制御手段を介して連結された構
成を有する。

【００１６】これにより、請求項４または５のインクジ
ェットプリンタは、インクカートリッジをインク供給部
に連結する際、インクカートリッジで第１レバーを動作
すると、閉塞部材はインク供給部から外れた休止位置に
保持される。インクカートリッジをインク供給部から脱
着する場合、第２レバーを操作すると、第１レバーが動
作され、インクカートリッジがインク供給部から容易に
脱着される。その後さらに第２レバーを操作することに
より、閉塞部材によってインク供給部が閉塞される。こ
れにより、インクカートリッジが脱着され、インク供給
部が空気中に露出されても、簡単な操作でインク供給部
を迅速に閉塞することが可能となる。

【００１７】請求項７に係るインクジェットプリンタ
は、請求項１から３または６のいずれかのインクジェッ
トプリンタにおいて、前記制御手段は、前記閉塞部材を
前記第１及び第２レバーの長手方向に摺動可能に支持す
る手段を含む構成を有する。従って、インクカートリッ
ジで第１レバーを動作する際及び第２レバーを操作する
際、それぞれ閉塞部材を各レバーに沿って摺動させて、
休止位置及び閉塞位置に移動することが可能となる。

【００１８】請求項８に係るインクジェットプリンタ
は、請求項１から７のいずれかのインクジェットプリン
タにおいて、さらに前記インクカートリッジを前記イン
ク供給部に対して位置決めする位置決め部材が設けられ
た構成を有する。従って、インクカートリッジを装着す
る場合及び脱着する場合、インクカートリッジは位置決
め部材を介して所定の位置に位置決めし得ることから、
インクカートリッジの装着、脱着を容易に行うことが可
能となる。

【００１９】

【発明の実施の形態】以下、本発明に係るインクジェッ
トプリンタについて、本発明を具体化した実施の態様に
基づいて図面を参照しつつ詳細に説明する。先ず、イン
クジェットプリンタの概略構成について図１に基づき説
明する。図１はインクジェットプリンタの概略構成を模
式的に示す斜視図である。

【００２０】図１において、インクジェットプリンタ１
は、被記録体、例えば印刷用紙Ｓを複数のローラ対２で
搬送する搬送機構と、インクジェットヘッドＨ（図２等
参照）をその印刷用紙Ｓの記録領域に沿って上記搬送方
向と直角方向に移動するキャリッジ機構とを備えてい
る。キャリッジ機構は、印刷用紙Ｓと平行なガイドロッ
ド３及びガイドレール４に摺動可能に支持されたキャリ
ッジ５を備えている。キャリッジ５には、ヘッドユニッ
ト６とインクカートリッジ７とが搭載されている。ヘッ
ドユニット６は、インクカートリッジ７とインクジェッ
トヘッドＨとを支持する支持板としての機能を有し、こ
のヘッドユニット６には、インクジェットヘッドＨに形
成されたインク吐出ノズルの吐出側が下向きとなるよう
に、即ち、インク吐出ノズルの吐出側が印刷用紙Ｓと対
向するように設けられており、インクジェットヘッドＨ
はそのインク吐出ノズルから印刷用紙Ｓにインクを吐出
して印刷記録を行うものである。前記キャリッジ５には
ベルト１５が取り付けられており、また、ベルト１５は
アイドルプーリ１６とＣＲモータ１７の駆動軸に固着さ
れた駆動プーリ１８とに掛装されている。これより、キ
ャリッジ５は、ＣＲモータ１７によりベルト１５を介し
て印刷用紙Ｓの印字方向に沿って往復動されるように構
成されている。

【００２１】次に、ヘッドユニット６の詳細な構成につ
いて説明する。図２はインクカートリッジ７をヘッドユ
ニット６上に載置した状態を示す側断面図である。ヘッ
ドユニット６の側端部（図１中、奥側端部）において、
第２レバー８が回動軸９を介して回動可能に支持されて
おり、かかる第２レバー８は、一対の第２レバー部材１
０が操作部１１にて連結されて平面視で「コ」字状に形
成されている。各第２レバー部材１０には摺動溝１２が
設けられているとともに、回動軸９の近傍位置には、イ
ンクカートリッジ７の各側壁に形成されたロックピン１
３に係止するロック手段、例えばロック爪１４が一体に
連結されている。更に、ヘッドユニット６上には、イン
クカートリッジ７をヘッドユニット６に対して着脱する
際にインクカートリッジ７の位置決め作用を行う平面視
「コ」字状の壁部材１９が一体に形成されている。この
壁部材１９には、後述するように（図６参照）、ヘッド
ユニット６からインクカートリッジ７を脱着した後、閉
塞部材２８によりインク供給部３２の上端部を閉塞した
状態で第２レバー８の上方への回動を禁止すべく、左右
両側に弾性変形可能なストッパ突起２０が突出形成され
てなるストッパ部材２１が一体に形成されている。

【００２２】図２において、前記第２レバー８の回動軸
９とは反対側位置（図２中、右側位置）にてヘッドユニ
ット６上には、第１レバー２２が回動軸２３を介して回
動可能に支持されており、かかる第１レバー２２は、第
２レバー８と同様、一対の第１レバー部材２４が設けら
れて第２レバー８の内側に配置されている。第１レバー
２２の各第１レバー部材２４には摺動溝２５が形成され
ており、また、回動軸２３の回りには付勢手段、例えば
捻りコイルバネ２６が配置されている。これにより、第
１レバー２２は捻りコイルバネ２６を介して図２中時計
方向（上方向）に回動付勢されている。

【００２３】ここで、第２レバー８と第１レバー２２と
の連結関係について説明する。第１レバー２２における
各第１レバー部材２４の摺動溝２５には軸部材２７が摺
動可能に配設されており、この軸部材２７の略中央位置
には側面視で縦「コ」字状の閉塞部材２８が取り付けら
れている。第２レバー８における各第２レバー部材１０
の摺動溝１２には、前記軸部材２７の両端部が摺動可能
に取り付けられている。これより、第１レバー２２と第
２レバー８とは軸部材２７を介して相互に連結された構
成を有し、従って、例えば、操作部１１を持って第２レ
バー８を回動軸９の回りに図２中反時計方向（上方向）
に回動させると、これに対応して第１レバー２２は回動
軸２３の回りに時計方向に回動されることとなる。この
とき、軸部材２７は、第２レバー部材１０の摺動溝１２
に沿って左方向に摺動されると同時に、第１レバー部材
２４の摺動溝２５に沿って左方向に摺動される。このよ
うに、軸部材２７に取り付けられた閉塞部材２８は、各
第２レバー８、第１レバー２２の回動に対応して、各摺
動溝１２、２５に沿って移動されるものである。尚、図
２において、閉塞部材２８は後述するインク供給部３２
よりも回動軸９寄りに設けた休止位置にあり、この休止
位置には、閉塞部材２８の閉塞面を湿潤状態に保持する
湿潤材３０が配置されている。この湿潤材３０には、例
えば、インクの溶媒分と同一の溶媒が含浸されている。
各第１レバー部材２４間には当接部材２９が固設されて
おり、かかる当接部材２９はインクカートリッジ７の底
壁に当接してインクカートリッジ７を下方から支持する
作用を行う。

【００２４】また、ヘッドユニット６には、インク導入
孔３１を有するインク供給部３２が一体に形成されてお
り、また、ヘッドユニット６の裏面には、インク供給部
３２に対応してインクジェットヘッドＨが固定されてい
る。かかるインクジェットヘッドＨは、ヘッドユニット
６がキャリッジ５が取り付けられることに基づいて、キ
ャリッジ５に固定されることとなる。インク供給部３２
はインクカートリッジ７の底壁に形成されたインク供給
孔３３に嵌合されており、これより、インクカートリッ
ジ７内に収納されたインク含浸体（図示せず）からイン
ク供給部３２のインク導入孔３１を介してインクがイン
クジェットヘッドＨに供給される。

【００２５】次に、ヘッドユニット６とキャリッジ５と
の関係について説明する。キャリッジ５は、その上面
に、記録データ発生装置（図示しない）に接続された可
撓性の信号ケーブル３４の端部が押圧手段、例えばバッ
クアップゴム３５を介して取り付けられている。そのバ
ックアップゴム３５上の信号ケーブル４８の端部には、
ヘッドユニット６の裏面に取り付けられた基板３６との
電気接触のための接点３７が形成されている。またキャ
リッジ９の上面には、上方へ開口した凹部３８が設けら
れ、その内部に、放熱部材としての金属製のヒートシン
ク３９が出没方向に移動可能に取り付けられている。こ
のヒートシンク３９は、キャリッジ５にヘッドユニット
６を取り付けたときにヘッドユニット６のドライバＩＣ
４０に接触する位置に設けられている。そしてヒートシ
ンク３９とキャリッジ５との間には押圧手段、例えば板
バネ４１が備えられており、ヘッドユニット６を取り付
けたときにヒートシンク３９をドライバＩＣ４０に押圧
するようにされている。キャリッジ５にはこの他、キャ
リッジ５にヘッドユニット６を取り付けたときにインク
ヘッドＨを通すためのヘッド孔４２が設けられている。

【００２６】一方、ヘッドユニット６は、インクジェッ
トヘッドＨと、そのインクジェットヘッドＨを駆動する
駆動回路が設けられたドライバＩＣ４０と、これらを保
持すると共に必要な配線パターンが設けられた基板３６
とを有している。インクジェットヘッドＨ及びドライバ
ＩＣ４０は、基板３６上の配線パターンに接続されてい
る。基板３６上の配線パターンは、キャリッジ５にヘッ
ドユニット６を取り付けたときに信号ケーブル３４の接
点３７と接触して、記録データ発生装置から供給される
データ信号をドライバＩＣ４０に供給するものである。
インクジェットヘッドＨは下方に向けて開口する多数の
噴射ノズルを有しており、ドライバＩＣ４０からデータ
信号に基づいて駆動され、噴射ノズルから選択的にイン
クを吐出するものである。

【００２７】続いて、前記のように構成されたインクジ
ェットプリンタ１において、ヘッドユニット６よりイン
クカートリッジ７を脱着する脱着動作から閉塞部材２８
によるインク供給部３２の閉塞動作に至る一連の動作に
ついて図２乃至図６に基づき説明する。ここに、図３は
第２レバー８をロック位置からリリース位置まで回動し
た状態を示す側断面図、図４は第２レバー８のリリース
位置にて捻りコイルバネ２６を介して第１レバー２２が
上方に回動された状態を示す側断面図、図５は図４の左
側面図、図６は第２レバー８をロック位置まで回動させ
閉塞部材２８を介してインク供給部３２を閉塞した状態
を示す側断面図である。

【００２８】先ず、ヘッドユニット６上にインクカート
リッジ７を載置した状態においては、図２に示すよう
に、インクカートリッジ７の側壁は壁部材１９に沿って
支持されているとともに、ロックピン１３が第２レバー
８のロック爪１４に係止されている。第２レバー８は図
２の状態で図示しない係止手段で保持される。また、イ
ンクカートリッジ７の底壁は、捻りコイルバネ２６によ
り上方向、すなわち脱着方向に回動付勢されながら、第
１レバー２２の当接部材２９を介して下方から支持され
ている。これにより、インクカートリッジ７は、そのイ
ンク供給孔３３内にヘッドユニット６のインク供給部３
２を嵌合した状態で、ヘッドユニット６上にて位置決め
固定されている。このとき、閉塞部材２８の閉塞面は、
休止位置にて湿潤材３０に接触されて湿潤状態に保持さ
れている。インクカートリッジ７が前記のようにヘッド
ユニット６上に位置決め固定された状態で、インク含浸
体からインク供給部３２のインク導入孔３１を経てイン
クジェットヘッドＨにインクが供給され、インクジェッ
トヘッドＨがドライバＩＣ４０を介して駆動されること
により噴射ノズルからインクが印刷用紙Ｓにインクが吐
出されるものである。

【００２９】インクカートリッジ７におけるインク含浸
体のインクが印字に消費されてなくなった等の場合にお
いて、インクカートリッジ７の交換を行うには、操作部
１１を介して第２レバー８を回動軸９の回りに反時計方
向（上方向）にヘッドユニット８に対して起立したリリ
ース位置（図３参照）まで回動させる。これにより、ロ
ックピン１３とロック爪１４との係止が解除される。
尚、このとき、第２レバー８の各第２レバー部材１０
は、各ストッパ突起２０を弾性変形させつつストッパ突
起２０を乗り越えていく。また、第２レバー８の各第２
レバー部材１０と第１レバー２２の各第１レバー部材２
４とは、閉塞部材２８の軸部材２７を介して相互に連結
されていることから、前記第２レバー８の回動動作に従
って軸部材２７は、各第２レバー部材１０の摺動溝１
２、及び、各第１レバー部材２４の摺動溝２４に沿って
左方向に摺動され、これにより第１レバー２２は図３に
示すように若干上方向、すなわちインクカートリッジ７
の脱着方向に持ち上げられる。従って、インクカートリ
ッジ７は、その底壁が当接部材２９により押し上げられ
てヘッドユニット６の上面から離間される。このとき、
インク供給孔３３とインク供給部３２との嵌合が解除さ
れる。

【００３０】更に、第１レバー２２は捻りコイルバネ２
６を介して時計方向（上方向）に回動付勢されているこ
とから、インクカートリッジ７の底壁は、図４、図５に
示すように、当接部材２９により更に上方向に押し上げ
られる。これに伴って、軸部材２７が第２レバー８にお
ける各第２レバー部材１０の摺動溝１２に沿って回動軸
９から離れる方向、すなわち上方向に摺動され、これに
より閉塞部材２８は、上方に移動される。この状態でイ
ンクカートリッジ７はヘッドユニット６から取り外さ
れ、インク供給部３２の上端部は空気中に露出されるこ
ととなる。

【００３１】続いて、インク供給部３２の上端部を閉塞
部材２８により閉塞してインク供給部３２の上端部にゴ
ミ等が付着したり、インクが乾燥したりすることを防止
すべく、操作部１１を持って第２レバー８を回動軸９の
回りに前記方向とは逆の方向、即ち、時計方向にヘッド
ユニット６とほぼ平行なロック位置（図２参照）に向か
って回動させる。このとき、閉塞部材２８は、前記した
ように、軸部材２７が捻りコイルバネ２６を介して第２
レバー８の各第２レバー部材１０の摺動溝１２に沿って
上方向に移動されていることから、図６に示すように、
第２レバー８の時計方向への回動に従って、その移動さ
れた位置から第１レバー２２における各第１レバー部材
２４の摺動溝２５に沿って右側、すなわちインク供給部
３２に向けて摺動されると同時に、各第２レバー部材１
０の摺動溝１２に沿って回動軸９から離れる方向に摺動
される。更に、第２レバー８を回動させると、各第２レ
バー部材１０はストッパ突起２０を弾性変形させながら
乗り越え、この時点で、閉塞部材２８は、インク供給部
３２の上端部を閉塞する。第２レバー８を回動する前、
図６の２点鎖線で示す状態において、閉塞部材２８はバ
ネ２６の付勢力で、第２レバー８の所定位置にあるか
ら、第２レバー８を回動すると、インク供給部３２と対
応する位置にくるようになっているのである。また、第
２レバー８の各第２レバー部材１０はストッパ突起２０
により係止されるので、前記のように閉塞部材２８がイ
ンク供給部３２の上端部を閉塞した状態で第２レバー８
はその上方向への回動が禁止され、これによりインク供
給部３２の上端部は閉塞部材２８で安定的に閉塞され
る。この状態が図６に示されている。ここに、閉塞部材
２８の閉塞面は、その休止位置において湿潤材３０によ
り常時湿潤状態に保持されているので、インク供給部３
２の上端部を乾燥させることなく確実に閉塞してゴミ等
が付着することを有効に防止する。

【００３２】更に、前記のように取り外したインクカー
トリッジ７に代えて新たなインクカートリッジ７をヘッ
ドユニット６に装着するには、第２レバー８を図６にて
実線で示す位置から２点鎖線で示す位置まで反時計方向
に回動させる。このとき、第２レバー８はストッパ突起
２０を弾性的に乗り越え、また、軸部材２７は、第１レ
バー２２における各第１レバー部材２４の摺動溝２５に
沿って左側に摺動され、且つ、各第２レバー部材１０の
摺動溝１２に沿って左側に摺動されるので、閉塞部材２
８はインク供給部３２の上端部から離されるとともに、
左側に移動される。この後、新たなインクカートリッジ
７が壁部材１９に沿って下方に向かって移動されると、
インクカートリッジ７の底壁が当接部材２９に当接す
る。これにより図４に示す状態となる。そして、インク
カートリッジ７の底壁により当接部材２９を押圧しなが
ら更に下方に移動させると、第１レバー２２は捻りコイ
ルバネ２６の付勢力に抗して若干反時計方向（下方向）
に回動され、この結果、軸部材２９が各第２レバー部材
１０の摺動溝１２に沿って下方に摺動されて閉塞部材２
８は図３に示す状態となる。

【００３３】前記のようにインクカートリッジ７の底壁
で当接部材２９を押圧しながら、操作部１１を介して第
２レバー２２を時計方向に回動すると、軸部材２７は各
第１レバー部材１０の摺動溝１２に沿って右側に摺動さ
れて閉塞部材２８は休止位置に近接され、また、更にイ
ンクカートリッジ７を下方に移動すると、そのインク供
給孔３３内にインク供給部３２が嵌合される。この後、
第２レバー８を更に時計方向に若干回動しても、閉塞部
材２８は、図６の場合よりもインクカートリッジ７によ
って予め回動軸９に近い位置へ移動しているので、イン
ク供給部３２まで届かず、その左側の休止位置にて湿潤
材３０に接触されるとともに、ロック爪１４がロックピ
ン１３に係止される。これにてヘッドユニット６へのイ
ンクカートリッジ７の装着が完了し、図２に示す状態と
なる。

【００３４】以上詳細に説明した通り本実施の形態に係
るインクジェットプリンタ１では、ヘッドユニット６の
一側端部にて第２レバー８、他側端部にて第１レバー２
２を回動可能に支持するとともに、閉塞部材２８を有す
る軸部材２７が第２レバー部材１０の摺動溝１２及び第
１レバー部材２４の摺動溝２５に沿って摺動可能となる
ように第２レバー８と第１レバー２２とを相互に連結
し、インクカートリッジ７をヘッドユニット６から脱着
する際には第２レバー８を反時計方向（上方向）に回動
させることによりロック爪１４とロックピン１３との係
止を解除し、第１レバー２２でインクカートリッジ７を
押し上げて、インク供給部３２とインク供給孔３３との
嵌合を外すように構成したので、インクカートリッジの
脱着作業を容易に行うことができる。

【００３５】またインクカートリッジ７を装着する際に
はインクカートリッジ７で第１レバー２２を押し、イン
ク供給部３２の上端を閉塞する際には第１レバー２２を
バネ２６で押し上げておいて、それぞれ第２レバー８を
操作することにより、前者の場合には閉塞部材２８を休
止位置に移動し、後者の場合には、閉塞部材２８をイン
ク供給部３２上に移動するように制御する。従って、イ
ンクカートリッジ７を装着する場合、閉塞部材２８が障
害となることがない。インクカートリッジ７を脱着して
インク供給部３２が空気中に露出された場合において
も、第２レバー８の簡単な操作によりインク供給部３２
の上端部を閉塞部材２８で迅速に閉塞することができ
る。これにより、インク供給部３２の先端部にゴミ等が
付着したり、また、インクが乾燥されて目詰まりしたり
することを確実に防止することができる。

【００３６】上記摺動溝１２，２５、軸部材２７及び付
勢手段（捻りコイルバネ）２６によって、閉塞手段２８
の移動を制御するための制御手段を構成しているが、制
御手段としては、摺動溝に替えてレバーを抱えるように
摺動可能に設けた駒を用いることもできる。

【００３７】また、インクカートリッジ７がヘッドユニ
ット６上に載置されてインク供給部３２とインク供給孔
３３とが連結されている状態において、閉塞部材２８の
閉塞面はその休止位置にて湿潤材３０に接触して湿潤状
態に保持されているので、閉塞部材２８を常時湿潤状態
に保持できるとともに、閉塞部材２８がインク供給部３
２の上端部を閉塞する際にインク供給部３２を湿潤状態
に保持してインクの目詰り等を有効に防止することがで
きる。更に、ヘッドユニット６には壁部材１９を設けた
ので、インクカートリッジ７を装着する際及び脱着する
際に壁部材９に沿ってインクカートリッジ７の位置決め
を行いつつ案内することができ、これによりインクカー
トリッジ７の装着作業及び脱着作業を容易に行うことが
できるものである。

【００３８】また、閉塞部材２８を介してインク供給部
３２の上端部を閉塞している状態においては、第２レバ
ー８はストッパ突起２０を介して反時計方向（上方向）
への回動が禁止されているので、閉塞部材２８がインク
供給部３２から外れることは全くない。従って、閉塞部
材２８により安定的にインク供給部３２を閉塞すること
ができる。尚、他発明は前記実施の形態に限定されるも
のではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の
改良、変形が可能であることは勿論である。

【００３９】

【発明の効果】以上説明した通り本発明は、インク供給
部とインクカートリッジのインク供給孔との連結を簡単
に解除してインクカートリッジの脱着作業を容易に行う
ことができるとともに、インクカートリッジを脱着して
インク供給部が空気中に露出された場合においても、簡
単な操作によりインク供給部を閉塞部材で迅速に閉塞
し、インク供給部の乾燥を防止することができるインク
ジェットプリンタを提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】インクジェットプリンタの概略構成を模式的に
示す斜視図である。

【図２】インクカートリッジをヘッドユニット上に載置
した状態を示す側断面図である。

【図３】第２レバーをロック位置からリリース位置まで
回動した状態を示す側断面図である。

【図４】第２レバーのリリース位置にて捻りコイルバネ
を介して第１レバーが上方に回動された状態を示す側断
面図である。

【図５】図４の左側面図である。

【図６】第２レバーをロック位置まで回動させ閉塞部材
を介してインク供給部を閉塞した状態を示す側断面図で
ある。

【符号の説明】

１ インクジェットプリンタ ５ キャリッジ ６ ヘッドユニット ７ インクカートリッジ ８ 第２レバー ９ 回動軸 １０ 第２レバー部材 １１ 操作部 １２ 摺動溝 １３ ロックピン １４ ロック爪 １９ 壁部材 ２０ ストッパ突起 ２１ ストッパ部材 ２２ 第１レバー ２３ 回動軸 ２４ 第１レバー部材 ２５ 摺動溝 ２６ 捻りコイルバネ ２７ 軸部材 ２８ 閉塞部材 ２９ 当接部材 ３０ 湿潤材 ３１ インク導入孔 ３２ インク供給部 ３３ インク供給孔 Ｈ インクジェットヘッド

─────────────────────────────────────────────────────

【手続補正書】

【提出日】平成８年５月２８日

【手続補正１】

【補正対象書類名】図面

【補正対象項目名】図２

【補正方法】変更

【補正内容】

【図２】

【手続補正２】

【補正対象書類名】図面

【補正対象項目名】図３

【補正方法】変更

【補正内容】

【図３】

【手続補正３】

【補正対象書類名】図面

【補正対象項目名】図４

【補正方法】変更

【補正内容】

【図４】

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 インクジェットヘッドに対してインクを
   供給するインク供給部と、 そのインク供給部と脱着可能に連結されるインク供給孔
   が形成されたインクカートリッジと、 そのインクカートリッジに当接し、インクカートリッジ
   とともに動作される第１レバーと、 その第１レバーを、前記インクカートリッジを前記イン
   ク供給部に対し連結及び脱着する方向に、手動操作によ
   り動作させる第２レバーと、 その第１、第２両レバーに連結され、前記インク供給部
   を開閉可能に覆う閉塞部材と、 前記インクカートリッジを前記インク供給部に連結する
   際、そのインクカートリッジによって前記第１レバーが
   動作されるとき、前記閉塞部材を前記インク供給部から
   外れた休止位置に移動させ、また、前記インクカートリ
   ッジが前記インク供給部に存在しない状態で、前記第２
   レバーで前記第１レバーが動作されるとき、前記閉塞部
   材を前記インク供給部を閉塞する位置に移動させるよう
   に、前記閉塞部材の移動を制御する制御手段とを備える
   ことを特徴とするインクジェットプリンタ。
2. 【請求項２】 前記休止位置には、前記閉塞部材のイン
   ク供給部に対向する面を湿潤状態に保持する湿潤材が配
   置されていることを特徴とする請求項１記載のインクジ
   ェットプリンタ。
3. 【請求項３】 前記第２レバーには、前記インクカート
   リッジを前記インク供給部との連結状態に保持するロッ
   ク手段が連結されていることを特徴とする請求項１また
   は２記載のインクジェットプリンタ。
4. 【請求項４】 インクジェットヘッドに対してインクを
   供給するインク供給部と、 そのインク供給部と脱着可能に連結されるインク供給孔
   が形成されたインクカートリッジと、 前記インク供給部を開閉可能に覆う閉塞部材と、 前記インクカートリッジを前記インク供給部に連結する
   際、前記閉塞部材を前記インク供給部から外れた休止位
   置に移動させる制御手段と、 前記休止位置に配置され、前記閉塞部材のインク供給部
   に対向する面を湿潤状態に保持する湿潤材とを備えるこ
   とを特徴とするインクジェットプリンタ。
5. 【請求項５】 インクジェットヘッドに対してインクを
   供給するインク供給部と、 そのインク供給部と脱着可能に連結されるインク供給孔
   が形成されたインクカートリッジと、 前記インク供給部を開閉可能に覆う閉塞部材と、 前記インクカートリッジを前記インク供給部に連結する
   際、前記閉塞部材を前記インク供給部から外れた休止位
   置に移動させる制御手段と、 その制御手段の動作に連動して、前記インクカートリッ
   ジを前記インク供給部との連結状態に保持するロック手
   段とを備えることを特徴とするインクジェットプリン
   タ。
6. 【請求項６】 さらに、 前記インクカートリッジに当接し、インクカートリッジ
   とともに動作される第１レバーと、 その第１レバーを、前記インクカートリッジを前記イン
   ク供給部に対し連結及び脱着する方向に、手動操作によ
   り動作させる第２レバーとを備え、 前記閉塞部材は、その第１、第２両レバーに前記制御手
   段を介して連結されていることを特徴とする請求項４ま
   たは５記載のインクジェットプリンタ。
7. 【請求項７】 前記制御手段は、前記閉塞部材を前記第
   １及び第２レバーの長手方向に摺動可能に支持する手段
   を含むことを特徴とする請求項１から３または６のいず
   れかに記載のインクジェットプリンタ。
8. 【請求項８】 さらに前記インクカートリッジを前記イ
   ンク供給部に対して位置決めする位置決め部材が設けら
   れていることを特徴とする請求項１から７のいずれかに
   記載のインクジェットプリンタ。