JP4634229B2 - 半導体不揮発性メモリ装置およびそれを備えた携帯情報端末機器 - Google Patents

半導体不揮発性メモリ装置およびそれを備えた携帯情報端末機器 Download PDF

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Description

本発明は、半導体不揮発性メモリ装置およびそれを備えた携帯情報端末機器に関する。
近年、携帯情報端末機器などの普及に伴って、半導体不揮発性メモリ装置が広く使われるようになった。この半導体不揮発性メモリ装置は、電源を切っても情報を記憶し続けることができ、また、データの書き込みおよび消去を電気的に行うことできる。
図7に、従来の半導体不揮発性メモリ装置を説明するためのブロック図を示す。
上記従来の半導体不揮発性メモリ装置は、窒化膜などの電荷保持領域を含む複数のメモリセルトランジスタを有するメモリセルトランジスタアレイ501と、このメモリセルトランジスタアレイ501のビット線およびワード線を選択するデコーダ回路502と、このデコーダ回路502によって選択されたメモリセルトランジスタのデータを読み出すセンスアンプ回路504と、メモリセルトランジスタに対するデータの書き込み、消去および読み出し動作を制御するメモリ制御回路503と、センスアンプ回路504の出力が入力される入出力回路506とを備えている。
上記メモリセルトランジスタとしては、窒化膜などの電荷保持領域に電子を出し入れすることによりデータを記憶する、いわゆるMONOS(Metal/Oxide/Nitride/Oxide/Silicon)タイプのものがある。以下に、このMONOSタイプのメモリセルトランジスタの動作について説明する。
図8に、上記メモリセルトランジスタの概略断面図を示す。
上記メモリセルトランジスタは、半導体基板610上に、下部絶縁膜614、電荷保持領域としての窒化膜613、上部絶縁膜612およびゲート電極611を積層している。ここでは、上記窒化膜613が電荷保持領域となる。また、上記半導体基板610にはソース領域615およびドレイン領域616が形成されている。
上記メモリセルトランジスタへデータを書き込む場合、電子を窒化膜613にトラップさせることにより、メモリセルトランジスタのしきい値電圧を増大させる。具体的には、上記ゲート電極611に8[V]、ドレイン領域616に5[V]、ソース領域615および半導体基板610に0[V]を印加することによって、ドレイン領域616近傍で発生したホットエレクトロンを窒化膜613に注入してトラップさせる。
一方、上記メモリセルトランジスタのデータを消去する場合、シリコン窒化膜613にホールを注入することによって、窒化膜613にトラップされた電子をホールで中和し、メモリセルトランジスタのしきい値電圧を下げる。具体的には、上記ゲート電極611に−6[V]、ドレイン領域616に5[V]を印加し、バンド間トンネリングにより発生したホットホールをシリコン窒化膜613に注入する。
ところで、上記に示した通り従来の半導体不揮発性メモリ装置においては、データの書き込みおよび消去に高電圧を用いて電子やホールを、強制的に下部絶縁膜614を通過させる。このため、上記メモリセルトランジスタのデータの書き換え回数が増えると、下部絶縁膜614が劣化してしまう。上記下部絶縁膜614の劣化により、下記に示すさまざまな問題が発生する。
第1に、いわゆるゲートディスターブの問題が発生する。これは、上記従来の半導体不揮発性メモリ装置においては、データの読み出し時、半選択メモリトランジスタセル(ワード線は選択されているがビット線は選択されていないセル)のゲート電極に読み出し電圧が印加されることにより、徐々に半選択メモリトランジスタセルのデータが書き換わってしまう問題である。このゲートディスターブは、メモリセルトランジスタのデータの書き換え回数が少ない時にはあまり問題とならないが、メモリセルトランジスタのデータの書き換え回数の増加にしたがって下部絶縁膜614中に中性トラップが増加し、この中性トラップを介して電子がトンネルすることによって発生する。
第2に、データ保持(リテンション)の問題が発生する。これも、上記ゲートディスターブと同様に、メモリセルトランジスタのデータの書き換え回数が増加するにしたがって、メモリセルトランジスタの下部絶縁膜614にダメージが入ることによって、窒化膜613に蓄えられた電子が抜けることによって発生する。
図9に、データの書き換え回数が少ないメモリセルトランジスタのデータ保持特性を実線で示すと共に、データの書き換え回数が多いメモリセルトランジスタのデータ保持特性を点線で示す。
図9から判るように、データの書き換え回数が多いメモリセルトランジスタは、データの書き換え回数が少ないメモリセルトランジスタに比べて、時間と共にしきい値電圧が大きく変動しており、データの保持特性が悪くなっている。
また、図10に示すように、書き換え回数が増加するにしたがって、同一条件で書き込みおよび消去を行った場合、書き込み後メモリセルトランジスタは時間経過に伴うしきい値電圧の上昇が小さいが、消去後メモリセルトランジスタは時間経過に伴うしきい値電圧の上昇が大きいという問題もある。
上記のほか、選択メモリトランジスタセルのデータ読み出しの際に、データが書き換わってしまうリードディスターブの問題など、書き換え回数の増大にしたがって、不揮発性メモリの長期信頼性にかかわる特性は、ほぼ全て悪化してしまうという問題があった。
このような問題に対して、従来より、メモリセルトランジスタの劣化を抑え、書き換え回数を向上させるために、さまざまな提案がなされてきた。
例えば、特開2001−175541号公報(特許請求1)に示された技術は、複数のメモリセルトランジスタの夫々のアクセス回数を記憶し、このアクセス回数に基づいて使用頻度の低いメモリセルトランジスタを優先的に使用することによって、複数のメモリセルトランジスタの使用頻度を均一にして、複数のメモリセルトランジスタの書き換え寿命を伸ばそうとするものである。
また、特開2002−208291号公報(特許文献2)に示された技術は、書き換え寿命の初期段階においては、メモリセルトランジスタへの印加電圧を低くすることによって、メモリセルトランジスタの劣化を抑制し、書き換え寿命の中期および後期にかけては、メモリセルトランジスタへの印加電圧を高くすることによって、メモリセルトランジスタに必要なしきい値電圧を確保して、メモリセルトランジスタの書き換え寿命を向上させようとするものである。
しかしながら、特開2001−175541号公報の技術では、複数のメモリセルトランジスタの使用頻度を均一にするだけだから、各メモリセルトランジスタの書き換え寿命は延びていない。つまり、上記メモリセルトランジスタでは、書き込みおよび消去回数が増大するにしたがって、ゲートディスターブやデータ保持などの問題が生じて、長期的な信頼性を高めることができない。
また、特開2002−208291号公報の技術では、書き換え寿命の中期および後期においては、高電圧で書き換えを行うため、メモリセルトランジスタの絶縁膜の劣化は激しく、書き換え直後は必要なしきい値電圧を得られたとしても、その後、ゲートディスターブやデータ保持などの問題が生じ、長期的な信頼性を高めることができない。
すなわち、従来の半導体不揮発性メモリ装置では、データの書き換えに伴ってメモリセルトランジスタの絶縁膜にダメージが入ってしまうため、書き換え回数が増加した際にゲートディスターブやデータ保持などの問題が生じ、長期的な信頼性を保つことが困難であった。その結果、上記従来の半導体不揮発性メモリ装置では書き換え回数は例えば10万回などと制限されていた。
特開2001−175541号公報 特開2002−208291号公報
そこで、本発明の課題は、書き込み、消去を繰り返した場合でも、データの保持特性の劣化やディスターブの発生を防止して、書き換え可能な回数を大幅に増加させることができる半導体不揮発性メモリ装置およびそれを備えた携帯情報端末機器を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の半導体不揮発性メモリ装置は、
電気的にデータの書き込みおよび消去が可能な複数の半導体不揮発性メモリセルトランジスタを有するメモリセルトランジスタアレイと、
上記半導体不揮発性メモリセルトランジスタのデータの消去回数をカウントして記憶する消去回数カウント回路と、
上記メモリセルトランジスタアレイ上に配置されて、電流の供給を受けて自身の温度が上昇することで、上記メモリセルトランジスタアレイの温度を上昇させる温度上昇機構と、
上記温度上昇機構の温度を制御する温度制御回路と、
上記消去回数カウント回路に記憶された上記消去回数が予め定めた回数に達すると、上記温度制御回路を制御して、上記温度上昇機構によって上記メモリセルトランジスタアレイの温度を上昇させるメモリ制御回路と
を備え、
上記温度制御回路は、上記温度上昇機構が駆動している時間の累積時間を記憶する半導体不揮発性メモリセルトランジスタを有し、
上記メモリ制御回路は、
上記半導体不揮発性メモリセルトランジスタへのデータの書き込みを禁止するデータ書き込み禁止部と、
上記半導体不揮発性メモリセルトランジスタへのデータの書き込みが禁止されている状態で、上記温度上昇機構によって上記メモリセルトランジスタアレイの温度を上昇させるメモリセルアレイ温度上昇制御部と、
上記メモリセルトランジスタアレイの温度を上昇させた累積時間を計測する累積時間計測部と、
上記累積時間が予め設定された値に達したか否を判定する累積時間判定部と、
上記累積時間判定部によって、上記累積時間が予め設定された値に達したと判定されると、上記半導体不揮発性メモリセルトランジスタへのデータの書き込みの禁止を解除するデータ書き込み禁止解除部と
を有することを特徴としている。
上記構成の半導体不揮発性メモリ装置によれば、上記メモリ制御回路は、消去回数カウント回路に記憶された消去回数が予め定めた回数に達すると、温度制御回路を制御して、温度上昇機構によってメモリセルトランジスタアレイの温度を上昇させる。その結果、上記半導体不揮発性メモリセルトランジスタの劣化が回復するので、半導体不揮発性メモリセルトランジスタの長期信頼性を保ちつつ書き換え回数を大幅に増加させることができる。
また、上記半導体不揮発性メモリセルトランジスタの劣化が回復するので、半導体不揮発性メモリセルトランジスタのデータの書き換え回数が増大しても、半導体不揮発性メモリセルトランジスタのデータの書き込みおよび消去のスピードが上記従来の半導体不揮発性メモリ装置のように遅くならない。
また、上記従来の半導体不揮発性メモリ装置ではベリファイしながらのデータの書き込みおよび消去が必要であったが、本発明の半導体不揮発性メモリ装置では、半導体不揮発性メモリセルトランジスタの劣化を回復させられるので、ベリファイしながらのデータの書き込みおよび消去を不要にできる可能性があり、また、半導体不揮発性メモリセルトランジスタのデータの書き込みおよび消去を高速にできる可能性がある。
また、上記温度制御回路は、温度上昇機構が駆動している時間の累積時間を半導体不揮発性メモリセルトランジスタに記憶するから、メモリセルトランジスタアレイに十分な時間温度上昇処理を行えずに電源が遮断された場合においても、その後、電源が再投入されたときに、その半導体不揮発性メモリセルトランジスタに記憶された累積時間に基づいて温度上昇処理を効率よく再開することができる。
また、上記温度制御回路の半導体不揮発性メモリセルトランジスタの構造および材料をメモリセルトランジスタアレイの半導体不揮発性メモリセルトランジスタの構造および材料と同様にすることにより、製造時の余分なコストの発生を防ぐことができる。
また、上記温度上昇機構の駆動中は、メモリ制御回路によって半導体不揮発性メモリセルトランジスタへのデータの書き込みが禁止されるから、劣化が回復していない半導体不揮発性メモリセルトランジスタにデータが書き込まれるのを防ぐことができる。
一実施形態の半導体不揮発性メモリ装置では、
上記半導体不揮発性メモリセルトランジスタは、電荷を、周りを絶縁膜で囲まれた電荷保持領域に保持させることによって情報を記憶する。
上記実施形態の半導体不揮発性メモリ装置によれば、データの書き込みおよび消去時に電荷が絶縁膜中を通過するため、データの書き込み消去を繰り返すと、上記絶縁膜は劣化する。絶縁膜が劣化すると、ディスターブの悪化や、データ保持特性の劣化など、長期信頼性特性が劣化する。そのため、上記タイプの半導体不揮発性メモリ装置の書き換え回数は、例えば10万回などと制限されていた。上記絶縁膜の劣化は、適当な温度、例えば200℃〜300℃の処理を行えば減少し、ほぼ劣化前の状態に回復することがわかっている。
よって、本発明のように、消去回数があらかじめ定めた回数に達すると、メモリセルトランジスタアレイの温度を上昇させ、劣化を回復させることによって、長期信頼性を保ちつつ書き換え回数を大幅に増加させることができる。
一実施形態の半導体不揮発性メモリ装置では、
上記消去回数カウント回路は、上記複数の半導体不揮発性メモリセルトランジスタを夫々が含む複数のブロックの各々について上記消去回数をカウントする。
上記実施形態の半導体不揮発性メモリ装置によれば、上記消去回数カウント回路は、複数の半導体不揮発性メモリセルトランジスタを夫々が含む複数のブロックの各々について消去回数をカウントする。したがって、上記消去回数に基づいて、半導体不揮発性メモリセルトランジスタの劣化の進行状況を各ブロック毎に把握できる。したがって、あるブロックで予め定めた回数の消去が行われた場合、そのブロックのみを温度上昇させたり、あるいは、メモリセルトランジスタアレイ全体を温度上昇させることが可能である。
一実施形態の半導体不揮発性メモリ装置では、
上記消去回数カウント回路は、上記各ブロック毎にカウントした上記消去回数を記憶する半導体不揮発性メモリセルトランジスタを有する。
上記実施形態の半導体不揮発性メモリ装置によれば、上記実施形態の半導体不揮発性メモリ装置によれば、上記各ブロックのデータの消去回数を半導体不揮発性メモリセルトランジスタで記憶するので、各ブロック毎のデータの消去回数をカウント中に電源が遮断されても、各ブロック毎のデータの消去回数が消失するのを防ぐことができる。
また、上記消去回数カウント回路の半導体不揮発性メモリセルトランジスタの温度を上昇させることにより、消去回数カウント回路の半導体不揮発性メモリセルトランジスタの劣化も回復させることができる。
また、上記消去回数カウント回路の半導体不揮発性メモリセルトランジスタの構造および材料をメモリセルトランジスタアレイの半導体不揮発性メモリセルトランジスタの構造および材料と同様にすることにより、製造時の余分なコストの発生を防ぐことができる。
一実施形態の半導体不揮発性メモリ装置では、
上記温度制御回路は上記各ブロックを独立に温度制御するように上記温度上昇機構を制御することが可能であり、
上記メモリ制御回路は、上記消去回数が予め定めた回数になった上記ブロックについて、上記温度制御回路を制御して、上記温度上昇機構によって温度を上昇させる。
上記実施形態の半導体不揮発性メモリ装置によれば、上記温度制御回路は各ブロックを独立に温度制御するように温度上昇機構を制御することが可能であるから、メモリ制御回路は、温度制御回路を制御して、半導体不揮発性メモリセルトランジスタのデータの消去回数が予め定めた回数になったブロックのみの温度を温度上昇機構で上昇させることができる。したがって、劣化したブロックだけの温度を温度上昇機構で上昇させることができる。したがって、上記半導体不揮発性メモリセルトランジスタの劣化の回復を各ブロック毎に行うことにより、半導体不揮発性メモリセルトランジスタの劣化を効率良く回復させることができる。
一実施形態の半導体不揮発性メモリ装置では、
上記温度上昇機構は、上記メモリセルトランジスタアレイ上に配置された抵抗体、または、半導体レーザを含む。
上記実施形態の半導体不揮発性メモリ装置によれば、上記温度上昇機構は、メモリセルトランジスタアレイ上に配置された抵抗体、または、半導体レーザを含むから、メモリセルトランジスタアレイの温度のコントロールが容易になる。
本発明の携帯情報端末機器は、上記発明の半導体不揮発性メモリ装置を備えたことを特徴としている。
上記構成の携帯情報端末機器によれば、上記発明の半導体不揮発性メモリ装置を備えているから、信頼性を高めることができると共に、使い勝手を非常に良くすることができる。
本発明の半導体不揮発性メモリ装置によれば、消去回数カウント回路に記憶された消去回数が予め定めた回数に達すると、メモリ制御回路が温度制御回路を制御して、メモリセルトランジスタアレイの温度を温度上昇機構で上昇させることによって、半導体不揮発性メモリセルトランジスタの劣化を回復させるので、半導体不揮発性メモリセルトランジスタの長期信頼性を保って書き換え回数を大幅に増加させることができる。
本発明の携帯情報端末機器によれば、上記半導体不揮発性メモリ装置を備えているから、信頼性を高めることができると共に、使い勝手を非常に良くすることができる。
以下、本発明の半導体不揮発性メモリ装置を図示の実施の形態により詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1に、本発明の第1実施形態の半導体不揮発性メモリ装置を説明するためのブロック図を示す。
上記半導体不揮発性メモリ装置は、メモリセルトランジスタアレイ101、デコーダ回路102、メモリ制御回路103、センスアンプ104、温度制御回路105、入出力回路106および消去回数カウント回路107を備えている。
上記メモリセルトランジスタアレイ101は複数のメモリセルトランジスタ100を有している。このメモリセルトランジスタ100は半導体不揮発性メモリセルトランジスタの一例である。
上記メモリセルトランジスタ100は、図8のメモリセルトランジスタと同様の構成を有して、電気的にデータの書き込みおよび消去が可能となっている。
上記デコーダ回路102は、メモリ制御回路103からの信号を受け、この信号に基づいて任意のメモリセルトランジスタ100を選択する。
上記メモリ制御回路103は、メモリセルトランジスタに対するデータの書き込み消去および読み出し動作を制御する。より詳しくは、上記メモリ制御回路103は、メモリセルトランジスタアレイ101のデータの読み出し、書き込みおよび消去の夫々の動作時において、デコーダ回路102、センスアンプ104および消去回数カウント回路107を制御する。
上記センスアンプ104は、デコーダ回路102が選択した任意のメモリセルトランジスタ100の電流値を判定することにより、データの読み出しを行う。
上記温度制御回路105はメモリ制御回路103によって制御される。また、上記温度制御回路105は、後述する温度上昇機構208の温度を制御する。
上記消去回数カウント回路107は、メモリセルトランジスタアレイ101のデータの消去回数をカウントして記憶する。つまり、上記消去回数カウント回路107は、メモリセルトランジスタアレイ101にデータの消去処理を行った回数を記憶する。また、上記消去回数カウント回路107は、カウントした消去回数を不揮発的に記憶するために、メモリセルトランジスタアレイ101に用いられるものと同様のメモリセルトランジスタ110を複数有している。
図2に、上記メモリセルトランジスタアレイ101を上方から見た概略図を示す。
上記メモリセルトランジスタアレイ101上には、メモリセルトランジスタ100の温度を上昇させる温度上昇機構208を配置している。この温度上昇機構208は、電流を流すと温度が上昇する抵抗体、または、半導体レーザなどを含んでいる。
また、図示しないが、消去回数カウント回路107上にも、温度上昇機構208と同様の温度上昇機構を配置している。
上記構成の半導体不揮発性メモリ装置によれば、消去回数カウント回路107に記憶されている消去回数が所定の値に達した場合、メモリ制御回路103は温度制御回路105を制御して、温度上昇機構208を通じてメモリセルトランジスタアレイ101の温度を上昇させる。これにより、上記メモリセルトランジスタ100では、データの書き換え回数の増大に伴う劣化が回復するから、ゲートディスターブ特性やデータ保持特性の劣化を防止できると共に、データ書き換え直後のベリファイなどでは検出できない信頼性に関する特性の劣化を防止できる。したがって、上記半導体不揮発性メモリ装置の信頼性を高めることができ、メモリセルトランジスタ100の書き換え回数を大幅に向上させることができる。
また、上記従来の半導体不揮発性メモリ装置の書き換え回数は10万程度に制限されていたが、本実施形態の半導体不揮発性メモリ装置は、メモリセルトランジスタ100の劣化を回復させることができるから、書き換え回数の制限を10万回よりも多くすることができる。
また、上記メモリ制御回路103は、消去回数カウント回路107に記憶されている消去回数が所定の値に達すると、消去回数カウント回路107上にある温度上昇機構を制御することによって、消去回数カウント回路107中の消去回数を記憶しているメモリセルトランジスタ110の温度を上昇させる。これにより、上記消去回数を記憶しているメモリセルトランジスタ110の劣化も回復させることができる。
次に、図3のフローチャートを用いて、上記半導体不揮発性メモリ装置の消去動作について説明する。
まず、上記消去処理が開始すると、ステップS11で、メモリ制御回路103が、消去回数カウント回路107に記憶されている消去回数(n)を確認する。
次に、ステップS12で、上記消去回数(n)が所定の値未満であるか否かを判定する。
上記ステップS12で、上記消去回数(n)は所定の値未満であると判定した場合、ステップS16に進み、上記消去回数(n)の値をインクリメントした後、つまり、n=n+1とした後、後述するステップS15を行って、上記消去処理を終了する。
一方、上記ステップS12で、上記消去回数(n)は所定の値以上であると判定した場合、ステップS13に進み、温度制御回路105の制御によって、メモリセルトランジスタアレイ101のメモリセルトランジスタ100の温度を所定の時間上昇させると共に、消去回数カウント回路107中の消去回数(n)を記憶しているメモリセルトランジスタ110の温度を所定の時間上昇させる。これにより、上記メモリセルトランジスタ100,110を劣化前の状態に回復させることができる。また、上記メモリセルトランジスタ100,110の温度を200℃〜300℃とすることにより、メモリセルトランジスタ100,110の絶縁膜はほぼ劣化前の状態に回復することが判っている。
次に、ステップS14で、上記消去回数(n)の値を初期値に設定する。つまり、n=1とする。
次に、ステップS15で、消去に必要な電圧をメモリセルトランジスタアレイ101に一定時間印加して、上記消去処理を終了する。
上記電圧の印加によって、メモリセルトランジスタ100のしきい値が制御され、メモリセルトランジスタ100のデータが消去される。
上記第1実施形態では、上記消去回数を記憶するメモリセルトランジスタ110は、消去回数カウント回路107中に有ったが、メモリセルトランジスタアレイ101中に有ってもよい。つまり、上記複数のメモリセルトランジスタ100のいくつかを用いて消去回数を記憶してもよい。
(第2実施形態)
図4に、本発明の第2実施形態の半導体不揮発性メモリ装置を説明するためのブロック図を示す。
上記半導体不揮発性メモリ装置は、メモリセルトランジスタアレイ301、デコーダ回路302、メモリ制御回路303、センスアンプ304、温度制御回路305、入出力回路306および消去回数カウント回路307を備えている。
上記メモリセルトランジスタアレイ301は、データの消去をブロック350毎に行うタイプのものである。より詳しくは、上記メモリセルトランジスタアレイ301は複数のブロック350を含んでいる。この各ブロック350は複数のメモリセルトランジスタ300から構成されている。また、上記メモリセルトランジスタ300は半導体不揮発性メモリセルトランジスタの一例である。
上記複数のメモリセルトランジスタ300は、夫々、図8のメモリセルトランジスタと同様の構成を有して、電気的にデータの書き込みおよび消去が可能となっている。
上記デコーダ回路302は、メモリ制御回路303からの信号を受け、この信号に基づいて任意のメモリセルトランジスタ300を選択する。
上記メモリ制御回路303は、メモリセルトランジスタに対するデータの書き込み、消去および読み出し動作を制御する。より詳しくは、上記メモリ制御回路303は、メモリセルトランジスタアレイ301のデータの読み出し、書き込みおよび消去の夫々の動作時において、デコーダ回路302、センスアンプ304および消去回数カウント回路307を制御する。
上記センスアンプ304は、デコーダ回路302が選択した任意のメモリセルトランジスタ300の電流値を判定し、データの読み出しを行う。
上記温度制御回路305はメモリ制御回路303に制御される。また、上記温度制御回路305は、後述する複数の温度上昇機構408の温度を個別に制御する。そして、上記温度制御回路305は、各温度上昇機構408毎の作動時間を記憶する温度上昇時間記憶用メモリ309を有している。また、上記温度上昇時間記憶用メモリ309は半導体不揮発性メモリセルトランジスタの一例である。
上記消去回数カウント回路307は、データの消去回数をブロック350毎にカウントして記憶する。つまり、上記消去回数カウント回路307は、各ブロック350に対応した消去回数を記憶できるようになっている。また、上記消去回数カウント回路307は、カウントした消去回数を不揮発的に記憶するために、メモリセルトランジスタアレイ301に用いられるものと同様のメモリセルトランジスタ310を複数有している。
図5に、上記メモリセルトランジスタ301を上方から見た概略図を示す。
上記メモリセルトランジスタアレイ301上には、メモリセルトランジスタ300の温度を上昇させる温度上昇機構408をブロック350と同数配置している。そして、上記温度上昇機構408の夫々は消去ブロック夫々の温度を独立に制御できる構成になっている。つまり、上記各温度上昇機構408は対応する1つのブロック350の温度を独立に制御することができる。この各温度上昇機構408は、電流を流すと温度が上昇する抵抗体、または、半導体レーザなどを含んでいる。
また、図示しないが、消去回数カウント回路307上にも、温度上昇機構408と同様の温度上昇機構を配置している。
上記構成の半導体不揮発性メモリ装置によれば、任意のブロック350の消去回数が所定の値に達した場合、メモリ制御回路303は、温度制御回路305を制御し、上記任意のブロック350に対応する温度上昇機構408を作動させる。これにより、上記任意のブロック350内の複数のメモリセルトランジスタ300の温度が上昇する。その結果、上記任意のブロック350内の複数のメモリセルトランジスタ300では、データの書き換え回数の増大に伴う劣化が回復するから、ゲートディスターブ特性やデータ保持特性の劣化を防止できると共に、データ書き換え直後のベリファイなどでは検出できない信頼性に関する特性の劣化を防止できる。したがって、上記半導体不揮発性メモリ装置の信頼性を高めることができ、メモリセルトランジスタ300の書き換え回数を大幅に向上させることができる。
また、上記従来の半導体不揮発性メモリ装置の書き換え回数は10万程度に制限されていたが、本実施形態の半導体不揮発性メモリ装置は、メモリセルトランジスタ300の劣化を回復させることができるから、書き換え回数の制限を10万回よりも多くすることができる。
また、上記メモリ制御回路303は、任意のブロック350の消去回数が所定の値に達すると、消去回数カウント回路307上にある温度上昇機構によって、上記任意のブロック350の消去回数を記憶しているメモリセルトランジスタの温度を上昇させる。これにより、上記任意のブロック350の消去回数を記憶しているメモリセルトランジスタの劣化も回復させることができる。
次に、図6のフローチャートを用いて、上記半導体不揮発性メモリ装置の消去動作について説明する。
まず、上記消去処理が開始すると、ステップS21で、メモリ制御回路303が、消去を行おうとしている任意のブロック350の消去回数(n)を、消去回数カウント回路307に記憶されたカウント値によって確認する。
次に、ステップS22で、上記消去回数(n)が所定の値未満であるか否かを判定する。
上記ステップS22で、上記消去回数(n)は所定の値未満であると判定した場合、ステップS30に進み、上記消去回数(n)の値をインクリメントした後、つまり、n=n+1とした後、後述するステップS29を行って、上記消去処理を終了する。
一方、上記ステップS22で、上記消去回数(n)は所定の値以上である判定した場合、ステップS23に進み、メモリ制御回路303は、上記任意のブロック350への新たな書込みを禁止する。
次に、ステップS24で、温度制御回路305の制御によって、上記任意のブロック350を構成する複数のメモリセルトランジスタ300の温度を上昇させると共に、上記任意のブロック350の消去回数(n)を記憶しているメモリセルトランジスタ310の温度を上昇させる。
次に、ステップS25で温度上昇累計時間(t)を計測する。この温度上昇累計時間(t)とは、上記任意のブロック350を構成する複数のメモリセルトランジスタ300の温度を上昇させた累計時間を意味する。
次に、ステップS26で、上記温度上昇累計時間(t)が所定の値に達したか否かを判定する。
上記ステップS26で、上記温度上昇累計時間(t)は所定の値に達していないと判定した場合、ステップS24に戻り、温度上昇累計時間(t)は所定の値に達するまでステップS24,S25を繰り返す。
一方、上記ステップS26で、上記温度上昇累計時間(t)は所定の値に達していると判定した場合、ステップS27に進む。
次に、ステップS27で、上記メモリセルトランジスタアレイ300,310の劣化が回復されたものとして、上記任意のブロック350への書込み禁止を解除する。
次に、ステップS28で、上記消去回数(n)の値を初期値に設定する。つまり、n=1とする。
次に、ステップS29で、デコーダ回路302によって選択されたメモリセルトランジスタ300に、消去に必要な電圧を一定時間印加して、上記消去処理を終了する。
上記電圧の印加によって、メモリセルトランジスタ300のしきい値が制御され、メモリセルトランジスタ300のデータが消去される。
以上のような消去処理では、温度制御回路305は、ステップS24からステップS27までの間、温度上昇累計時間(t)を適宜更新する。なお、上記温度上昇累計時間(t)は、温度上昇時間記憶用メモリ309の上記任意のブロック350に対応する領域に記憶されるようになっている。
また、上記温度上昇時間記憶用メモリ309は、メモリセルトランジスタ300,310と同様のメモリセルトランジスタを複数有しているので、温度上昇累計時間(t)を不揮発的に記憶できる。したがって、上記温度上昇累計時間(t)が所定の値に達していない状態で電源が遮断されたとしても、再度電源が投入された場合に、電源遮断直前の状態から温度上昇処理を再開することが可能となる。
また、上記メモリセルトランジスタ300,310の温度を200℃〜300℃とすることにより、メモリセルトランジスタ300,310の絶縁膜はほぼ劣化前の状態に回復することが判っている。
上記第2実施形態では、上記消去回数を記憶するメモリセルトランジスタ310は、消去回数カウント回路307中に有ったが、メモリセルトランジスタアレイ301中に有ってもよい。つまり、上記複数のメモリセルトランジスタ300のいくつかを用いて消去回数を記憶してもよい。
また、上記第1,第2実施形態の半導体不揮発性メモリ装置を携帯情報端末機器に備えることにより、携帯情報端末機器の信頼性を高めることができると共に、携帯情報端末機器の使い勝手を非常に良くすることができるので好ましい。
また、上記第1,第2実施形態では、メモリセルトランジスタの温度を温度上昇機構で上昇させていたが、メモリセルトランジスタの基板に大電流を流すことによって、メモリセルトランジスタの温度を上昇させてもよい。この場合は、メモリセルトランジスタが半導体不揮発性メモリセルの一例と温度上昇機構の一例とを兼ねることになる。
また、上記第1,第2実施形態では、図8のようなメモリセルトランジスタを半導体不揮発性メモリセルトランジスタの一例として用いていたが、電荷を、周りを絶縁膜で囲まれた電荷保持領域に保持させることによって情報を記憶するものであれば半導体不揮発性メモリセルトランジスタの一例として用いてもよい。
本発明の半導体不揮発性メモリセルトランジスタの他の一例としてはサイドウォール型メモリセルトランジスタがある。
上記サイドウォール型メモリセルトランジスタとは、半導体基板と、この半導体基板上に形成されたゲート絶縁膜と、このゲート絶縁膜上に形成されたゲート電極と、このゲート電極側壁の両側に形成された2つの電荷保持部と、この2つの電荷保持部のそれぞれに対応する2つの拡散層領域と、ゲート電極下に配置されたチャネル領域とを備え、電荷保持部は、電荷保持領域としての第1の絶縁体からなる膜が、第2の絶縁体と第3の絶縁体とに挟まれた構造を有するものを指す。
図1は本発明の第1実施形態の半導体不揮発性メモリ装置を説明するためのブロック図である。 図2は上記第1実施形態の半導体不揮発性メモリ装置のメモリセルトランジスタアレイの概略平面図である。上記半導体不揮発性メモリ装置の図である。 図3は上記第1実施形態の半導体不揮発性メモリ装置の消去動作について説明するためのフローチャートである。 図4は本発明の第2実施形態の半導体不揮発性メモリ装置を説明するためのブロック図である。 図5は上記第2実施形態の半導体不揮発性メモリ装置のメモリセルトランジスタアレイの概略平面図である。上記半導体不揮発性メモリ装置の図である。 図6は上記第2実施形態の半導体不揮発性メモリ装置の消去動作について説明するためのフローチャートである。 図7は従来の半導体不揮発性メモリ装置を説明するためのブロック図である。 図8は上記従来の半導体不揮発性メモリ装置のメモリセルトランジスタの概略断面図である。 図9は上記従来の不揮発性メモリ装置におけるデータ保持時間としきい値電圧との関係を示す図である。 図10は上記従来の不揮発性メモリ装置における書き換え回数としきい値電圧との関係を示す図である。
100,110,300,310 メモリセルトランジスタ
101,301 メモリセルトランジスタアレイ
102,302 デコーダ回路
103,303 メモリ制御回路
104,304 センスアンプ
105,305 温度制御回路
106,306 入出力回路
107,307 消去回数カウント回路
208,408 温度上昇機構
309 温度上昇時間記憶用メモリ

Claims (7)

  1. 電気的にデータの書き込みおよび消去が可能な複数の半導体不揮発性メモリセルトランジスタを有するメモリセルトランジスタアレイと、
    上記半導体不揮発性メモリセルトランジスタのデータの消去回数をカウントして記憶する消去回数カウント回路と、
    上記メモリセルトランジスタアレイ上に配置されて、電流の供給を受けて自身の温度が上昇することで、上記メモリセルトランジスタアレイの温度を上昇させる温度上昇機構と、
    上記温度上昇機構の温度を制御する温度制御回路と、
    上記消去回数カウント回路に記憶された上記消去回数が予め定めた回数に達すると、上記温度制御回路を制御して、上記温度上昇機構によって上記メモリセルトランジスタアレイの温度を上昇させるメモリ制御回路と
    を備え、
    上記温度制御回路は、上記温度上昇機構が駆動している時間の累積時間を記憶する半導体不揮発性メモリセルトランジスタを有し、
    上記メモリ制御回路は、
    上記半導体不揮発性メモリセルトランジスタへのデータの書き込みを禁止するデータ書き込み禁止部と、
    上記半導体不揮発性メモリセルトランジスタへのデータの書き込みが禁止されている状態で、上記温度上昇機構によって上記メモリセルトランジスタアレイの温度を上昇させるメモリセルアレイ温度上昇制御部と、
    上記メモリセルトランジスタアレイの温度を上昇させた累積時間を計測する累積時間計測部と、
    上記累積時間が予め設定された値に達したか否を判定する累積時間判定部と、
    上記累積時間判定部によって、上記累積時間が予め設定された値に達したと判定されると、上記半導体不揮発性メモリセルトランジスタへのデータの書き込みの禁止を解除するデータ書き込み禁止解除部と
    を有することを特徴とする半導体不揮発性メモリ装置。
  2. 請求項1に記載の半導体不揮発性メモリ装置において、
    上記半導体不揮発性メモリセルトランジスタは、電荷を、周りを絶縁膜で囲まれた電荷保持領域に保持させることによって情報を記憶することを特徴とする半導体不揮発性メモリ装置。
  3. 請求項1に記載の半導体不揮発性メモリ装置において、
    上記消去回数カウント回路は、上記複数の半導体不揮発性メモリセルトランジスタを夫々が含む複数のブロックの各々について上記消去回数をカウントすることを特徴とする半導体不揮発性メモリ装置。
  4. 請求項3に記載の半導体不揮発性メモリ装置において、
    上記消去回数カウント回路は、上記各ブロック毎にカウントした上記消去回数を記憶する半導体不揮発性メモリセルトランジスタを有することを特徴とする半導体不揮発性メモリ装置。
  5. 請求項3に記載の半導体不揮発性メモリ装置において、
    上記温度制御回路は上記各ブロックを独立に温度制御するように上記温度上昇機構を制御することが可能であり、
    上記メモリ制御回路は、上記消去回数が予め定めた回数になった上記ブロックについて、上記温度制御回路を制御して、上記温度上昇機構によって温度を上昇させることを特徴とする半導体不揮発性メモリ装置。
  6. 請求項1に記載の半導体不揮発性メモリ装置において、
    上記温度上昇機構は、上記メモリセルトランジスタアレイ上に配置された抵抗体、または、半導体レーザを含むことを特徴とする半導体不揮発性メモリ装置。
  7. 請求項1に記載の半導体不揮発性メモリ装置を備えたことを特徴とする携帯情報端末機器。
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