JP4631573B2 - 濃度分布マスクの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、濃度分布マスクを用いた露光により基板上に三次元形状の感光性樹脂パターンを形成し、その感光性樹脂パターンを基板に彫り写すことにより三次元形状の表面をもつ構造物を製造する方法で使用する濃度分布マスクの製造方法に関する。
例えば、特開2002−244273号公報には、濃度分布マスクの技法に関し詳細に開示されている。濃度分布マスクは、このマスクを介して感光性樹脂層に露光、現像を施すことにより、三次元形状の感光性樹脂パターンを形成し、この三次元形状の感光性樹脂パターンを介して、この感光性樹脂パターンの下方にある被加工層或いは基板を加工し、所望する三次元形状の表面をもつ構造物を製造するためのマスクである。
作成する三次元形状の構造物の対象となる製品分野としては、特開2002−244273号公報の記述にあるように、位相シフトマスクを含むマスク分野、マイクロマシニング分野、FED(フィールド・エミッション・ディスプレイ)、PDP(プラズマ・ディスプレイ・パネル)、TFT(薄膜トランジスタ)液晶ディスプレイ等の画像表示装置の分野、固体撮像素子の各受光素子上に形成されるマイクロレンズ分野等が挙げられている。
ある領域の露光パターンを、さらに微細な単位セルを設定して分割し、その単位セル内に、例えば、円形の遮光膜ドットを設け、単位セルに所定の光透過量、すなわち、透過濃度をもたせている。
例えば、露光パターン内の全ての単位セルに同一の大きさの遮光膜ドットを設けることにより、露光パターンを均一な透過濃度をもつ露光パターンとする。或いは、露光パターン内の単位セルに段階的に大きさを変えた遮光膜ドットを設けることにより、露光パターンを段階的な透過濃度を有する露光パターンとする。
円形の遮光膜ドットの大きさが段階的に変化したものであっても、例えば、露光装置の解像度限界よりも単位セルの大きさが小さければ、段階的に透過濃度が変化した、すなわち、階調を有するマスクの機能をもつ。
結果として露光、現像により得られる感光性樹脂パターンは、連続的な変化をした三次元形状となる。
図1は、前記濃度分布マスクの技法の一例として、特開2002−244273号公報に開示されている説明図である。図1は、露光に使用される領域(露光パターン)を示しており、露光パターンは均一な六角形の単位セル(C)8個で構成されている。単位セル(C)内の中央に、円形の遮光膜ドット(D)が1個づつ設けられており、遮光膜ドット(D)の大きさを4段階、段階的に変化させている。
段階的に透過濃度が変化した、すなわち、階調を有するマスクの機能をもつものとなっている。
しかし、このような濃度分布マスクを電子ビーム描画装置にて描画するとなると、遮光膜ドット(D)の円形を描画するのに多量のデータが必要になる。特に、円周を平滑にする際には分割量が多くなり、さらに多量のデータが必要になる。また、遮光膜ドット(D)の円形を各々の単位セル(C)内の中央に描画するので、その位置、すなわち、アドレスを指定するのに多量のデータが必要になる。さらに、単位セルにおいては、単位セルの大きさによりパターン形状に制約を受ける。すなわち、単位セルの整数倍のパターンしか
描画できない。
このようなデータ量の多い描画は、電子ビーム描画装置に負担であり、描画に要する時間が長くなり、スループットの低下、生産効率の悪化となる、すなわち、連続的な変化をした三次元形状の感光性樹脂パターンを形成するための濃度分布マスクを効率よく生産する技術が要望されている。
さらに、感光性樹脂層に形成される三次元形状は、ときとして複雑な三次元形状のものになる。三次元形状が複雑になるほどデータ量は多くなるが、複雑な三次元形状のものでもデータ量を少なく、描画に要する時間を短くして、簡便に生産することが求められている。
特開2002−244273号公報
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、電子ビーム描画装置で濃度分布マスクを描画する際に、描画のためのデータ量を少なく、従って、描画に要する時間を短くした、生産効率の良い濃度分布マスクの製造方法を提供することを課題とする。
これにより、データ量が更に多い、複雑な三次元形状に対応した濃度分布マスクであっても簡便に生産できるものとなる。
本発明は、基板上に、三次元形状の感光性樹脂パターンを形成するための濃度分布マスクの製造方法において、
1)求める三次元形状の等高線を表す外郭パターン(P1)用の外郭パターンデータ(D1)を等高線別に複数個作成する工程、
2)構成する複数のドットのピッチが均一で露光装置の解像度より小さく、ドットの大小によりパターンの濃度を表し、パターン内でドット大きさが均一なトーンパターン(P2)用のトーンパターンデータ(D2)を等高線別に対応した濃度をもたせて複数個作成する工程、
3)上記複数個の外郭パターンデータ(D1)の各々と、対応したトーンパターンデータ(D2)とを組み合わせ、AND演算によりトーン・外郭パターンデータ(D3)を等高線別に複数個作成する工程、
4)上記トーン・外郭パターンデータ(D3)の全てをOR演算し、三次元形状に対応した濃度分布データ(D4)を作成する工程、
5)該濃度分布データ(D4)を用い、電子ビーム描画装置もしくはレーザー描画装置にて濃度分布マスクを描画する工程、
を具備することを特徴とする濃度分布マスクの製造方法である。
また、本発明は、基板上に、三次元形状の感光性樹脂パターンを形成するための濃度分布マスクの製造方法において、
1)求める三次元形状の等高線を表す外郭パターン(P11)用の外郭パターンデータ(D11)を等高線別に複数個作成する工程、
2)構成する複数のドットのピッチが均一で露光装置の解像度より小さく、ドットの大小によりパターンの濃度を表し、パターン内でドット大きさが均一なトーンパターン(P12)用のトーンパターンデータ(D12)を等高線別に対応した濃度をもたせて複数個作成する工程、
3)上記複数個の外郭パターンデータ(D11)の各々と、対応したトーンパターンデータ(D12)とを組み合わせ、OR演算によりトーン・外郭パターンデータ(D13)を等高線別に複数個作成する工程、
4)上記トーン・外郭パターンデータ(D13)の全てをAND演算し、三次元形状に対応した濃度分布データ(D14)を作成する工程、
5)該濃度分布データ(D14)を用い、電子ビーム描画装置もしくはレーザー描画装置にて濃度分布マスクを描画する工程、
を具備することを特徴とする濃度分布マスクの製造方法である。
本発明は、1)三次元形状の等高線を表す外郭パターン(P1)用の外郭パターンデータ(D1)を複数個作成する工程、2)トーンパターン(P2)用のトーンパターンデータ(D2)を等高線別に対応した濃度をもたせて複数個作成する工程、3)外郭パターンデータ(D1)の各々と、対応したトーンパターンデータ(D2)とを組み合わせ、AND演算によりトーン・外郭パターンデータ(D3)を等高線別に複数個作成する工程、4)トーン・外郭パターンデータ(D3)の全てをOR演算し、濃度分布データ(D4)を作成する工程、5)濃度分布データ(D4)を用い、電子ビーム描画装置にて濃度分布マスクを描画する工程を具備する濃度分布マスクの製造方法であるので、電子ビーム描画装置で濃度分布マスクを描画する際に、描画のためのデータ量を少なく、従って、描画に要する時間を短くした、生産効率の良い濃度分布マスクの製造方法となる。
また、本発明は、1)三次元形状の等高線を表す外郭パターン(P11)用の外郭パターンデータ(D11)を複数個作成する工程、2)トーンパターン(P12)用のトーンパターンデータ(D12)を等高線別に対応した濃度をもたせて複数個作成する工程、3)外郭パターンデータ(D11)の各々と、対応したトーンパターンデータ(D12)とを組み合わせ、OR演算によりトーン・外郭パターンデータ(D13)を等高線別に複数個作成する工程、4)トーン・外郭パターンデータ(D13)の全てをAND演算し、濃度分布データ(D14)を作成する工程、5)濃度分布データ(D14)を用い、電子ビーム描画装置にて濃度分布マスクを描画する工程を具備する濃度分布マスクの製造方法であるので、電子ビーム描画装置で濃度分布マスクを描画する際に、描画のためのデータ量を少なく、従って、描画に要する時間を短くした、生産効率の良い濃度分布マスクの製造方法となる。
また、白黒反転処理によりレジストの使い分けが容易である。データ作成が容易である。パターンデータ作成を論理演算とリサイズ処理のみで実施でき自動化しやすい。寸法リニアリティの問題から生じる濃度ズレをトーンパターンのみで補正可能である。また、外郭パターンとトーンパターンで構成されているので、顧客側でも外郭パターンの設計が可能となる。
更に、単位セルの大きさによるパターン形状の制約がなくなりパターン形状を自由に作成できる。
以下に本発明を詳細に説明する。
図2は、本発明による濃度分布マスクの製造方法の一実施例における各工程でのデータを図解した説明図である。図2に示すように、この一実施例は、三次元形状の等高線を表す外郭パターン(P1)として円形を用いた例である。等高線の高低は、外郭1、外郭2、外郭3の3段階である。
まず、図示される3段階の外郭パターン(P1)用の外郭パターンデータ(D1)を等高線別に3個作成する(外郭1、外郭2、外郭3)。尚、外郭3は背景につき外郭パターンはない。
次に、外郭1、外郭2、外郭3の各々に対応した濃度をもたせたトーンパターン(P2)用のトーンパターンデータ(D2)を3個作成する(階調1、階調2、階調3)。外郭1
に対応した濃度は階調1、外郭2に対応した濃度は階調2、外郭3は階調3である。
図2に示すように、ドットは矩形で複数であり、このドットのピッチは階調1、階調2、階調3共に同一で露光装置の解像度より小さく、ドットの大小によりトーンパターン(P2)(階調1、階調2、階調3)の各濃度を表している。トーンパターン(P2)内でドットの大きさは均一である。
次に、3個の外郭パターンデータ(D1)の各々と、対応したトーンパターンデータ(D2)とを組み合わせ、すなわち、外郭1と階調1、外郭2と階調2、外郭3と階調3を各々組み合わせて、AND演算によりトーン・外郭パターンデータ(D3)を等高線別に3個作成する。得られたトーン・外郭パターンデータ(D3)を図解したものがトーン・外郭パターン(P3)である。
次に、得られたトーン・外郭パターンデータ(D3)の3個をOR演算し、三次元形状に対応した濃度分布データ(D4)を作成する。次に、この濃度分布データ(D4)を用い、電子ビーム描画装置にて描画し、現像、エッチング処理を行い濃度分布マスク(PM1)を作成する。
尚、本発明の濃度分布マスクは、基板に対する露光が1/4〜1/10に縮小投影露光するレチクルマスクであることが多いが、1/1露光のフォトマスクにおいても適用できる。
また、必要に応じNOT(白黒反転)処理を行うことによって、用いるレジストの種類(ネガ・ポジ)に応じた使い分けができる。
電子ビーム描画装置を用いて矩形のドットを描画することは、データ量が少なくて済み、描画に要する時間は短くて済む。これは、従来の単位セル内の中心に段階的に大きさの異なる円形の遮光膜ドットを描画することに比べ、著しくデータ量が少なく、描画時間は短縮されたものである。
また、本発明における濃度分布データ(D4)は、OR演算によるデータであるので、各トーンパターン(階調1、階調2、階調3)間のつなぎ目は良好なものが得られる。
また、本発明においては、例えば、トーンパターン(P2)のドット寸法の、工程に起因する設計寸法からの誤差(寸法リニアリティ)が生じても、外郭パターンデータ(D1)とトーンパターンデータ(D2)は、別々に作成するので、その補正は容易に行うことができる。
また、本発明においては、例えば、トーンパターン(P2)のパターンとしての濃度を補正する際には、すなわち、ドットの大きさを変更するリサイズ処理によって容易に行うことができる。
図3は、請求項2に係わる濃度分布マスクの製造方法の一例における各工程でのデータを図解した説明図である。図3に示すように、この一例は、三次元形状の等高線を表す外郭パターン(P11)として円形を用いた例である。等高線の高低は、外郭11、外郭12、外郭13の3段階であるが、図2に示す外郭パターン(P1)とは白黒関係が逆になっている。
まず、図示される3段階の外郭パターン(P11)用の外郭パターンデータ(D11)を等高線別に3個作成する(外郭11、外郭12、外郭13)。尚、外郭13は背景につき外郭パターンはない。
次に、外郭11、外郭12、外郭13の各々に対応した濃度をもたせたトーンパターン(P12)用のトーンパターンデータ(D12)を3個作成する(階調11、階調12、階
調13)。外郭11に対応した濃度は階調11、外郭12に対応した濃度は階調12、外郭13は階調13であるが、濃淡の順序は図2に示すトーンパターン(P2)の濃淡の順序とは逆の順序になっている。
図3に示すように、ドットは矩形で複数であり、このドットのピッチは階調11、階調12、階調13共に同一で露光装置の解像度より小さく、ドットの大小によりトーンパターン(P12)(階調11、階調12、階調13)の各濃度を表している。トーンパターン(P12)内でドットの大きさは均一である。
次に、3個の外郭パターンデータ(D11)の各々と、対応したトーンパターンデータ(D12)とを組み合わせ、すなわち、外郭11と階調11、外郭12と階調12、外郭13と階調13を各々組み合わせて、OR演算によりトーン・外郭パターンデータ(D13)を等高線別に3個作成する。得られたトーン・外郭パターンデータ(D13)を図解したものがトーン・外郭パターン(P13)である。
次に、得られたトーン・外郭パターンデータ(D13)の3個をAND演算し、三次元形状に対応した濃度分布データ(D14)を作成する。次に、この濃度分布データ(D14)を用い、電子ビーム描画装置にて描画し、現像、エッチング処理を行い濃度分布マスク(PM11)を作成する。

濃度分布マスクの技法の一例の説明図である。 本発明による濃度分布マスクの製造方法の一実施例における各工程でのデータを図解した説明図である。 請求項2に係わる濃度分布マスクの製造方法の一例における各工程でのデータを図解した説明図である。
符号の説明
C・・・単位セル
D・・・遮光膜ドット
P1、P11・・・外郭パターン
P2、P12・・・トーンパターン
P3、P13・・・トーン・外郭パターン
PM1、PM11・・・本発明における濃度分布マスク

Claims (2)

  1. 基板上に、三次元形状の感光性樹脂パターンを形成するための濃度分布マスクの製造方法において、
    1)求める三次元形状の等高線を表す外郭パターン(P1)用の外郭パターンデータ(D1)を等高線別に複数個作成する工程、
    2)構成する複数のドットのピッチが均一で露光装置の解像度より小さく、ドットの大小によりパターンの濃度を表し、パターン内でドット大きさが均一なトーンパターン(P2)用のトーンパターンデータ(D2)を等高線別に対応した濃度をもたせて複数個作成する工程、
    3)上記複数個の外郭パターンデータ(D1)の各々と、対応したトーンパターンデータ(D2)とを組み合わせ、AND演算によりトーン・外郭パターンデータ(D3)を等高線別に複数個作成する工程、
    4)上記トーン・外郭パターンデータ(D3)の全てをOR演算し、三次元形状に対応した濃度分布データ(D4)を作成する工程、
    5)該濃度分布データ(D4)を用い、電子ビーム描画装置もしくはレーザー描画装置にて濃度分布マスクを描画する工程、
    を具備することを特徴とする濃度分布マスクの製造方法。
  2. 基板上に、三次元形状の感光性樹脂パターンを形成するための濃度分布マスクの製造方法において、
    1)求める三次元形状の等高線を表す外郭パターン(P11)用の外郭パターンデータ(D11)を等高線別に複数個作成する工程、
    2)構成する複数のドットのピッチが均一で露光装置の解像度より小さく、ドットの大小によりパターンの濃度を表し、パターン内でドット大きさが均一なトーンパターン(P12)用のトーンパターンデータ(D12)を等高線別に対応した濃度をもたせて複数個作成する工程、
    3)上記複数個の外郭パターンデータ(D11)の各々と、対応したトーンパターンデータ(D12)とを組み合わせ、OR演算によりトーン・外郭パターンデータ(D13)を等高線別に複数個作成する工程、
    4)上記トーン・外郭パターンデータ(D13)の全てをAND演算し、三次元形状に対応した濃度分布データ(D14)を作成する工程、
    5)該濃度分布データ(D14)を用い、電子ビーム描画装置もしくはレーザー描画装置にて濃度分布マスクを描画する工程、
    を具備することを特徴とする濃度分布マスクの製造方法。
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