JP4743413B2 - 回折光学素子の作製方法 - Google Patents

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Description

本発明は、加工用基板の一面を加工して凹凸を配した回折光学素子の作製方法に関する。
尚、このような回折光学素子の適用分野としては、半導体リソグラフィー分野、ナノテクノロジー分野、光学部材分野等が挙げられるが、これらに限定はされない。
従来より、光路制御用光学素子としては、レンズやプリズムなどの光屈折系媒体や鏡などの反射系光学素子が従来から知られているが、近年、光通信あるいは光産業の普及に伴い、わずかな光の波長の違いをもとに光路を制御する素子の研究、開発が盛んになってきた。
そして、わずかな光の波長の違いを検出したり、抽出する場合などに、微細加工された、素子形状により光の進行方向と位相を制御するための素子である回折光学素子の需要が大きくなってきている。
回折光学素子の表面は、図18(a)に示されるように、断面が、不連続な斜面部11で段状に表現される鋸歯状態である必要があるが、このような断面が非線形な鋸歯形状を、微細に加工することは、加工精度の面から難しく、通常は、図18(b)に示される階段形状で近似して作製される。
図18中、12は階段部で、12aは段部である。
尚、図18(b)に示すような表面を階段状とした回折光学素子を、以下、階段状回折光学素子とも言い、階段状に加工された部分を階段とも言う。
そして、階段の段1つ分の幅(最小幅とも言う)δはどこも同じとしている。
図18(b)に示す階段状回折光学素子の場合、階段の段1つ分の幅(最小幅とも言う)δを用いる光の波長の1/2程度にすることで、鋸歯形状を階段形状にて近似し、同様の光学特性を得ることができる。
このような回折光学素子の階段部の作製方法としては、USP5,218,471(特許文献1)に記載されるような、マスク露光方法を用いてパターニングを行う第1の作製方法が知られている。
USP5,218,471 尚、特許文献1はマイクロレンズの作製方法に関する。 この作製方法の場合、マスク露光なので精度が悪くなり、また、マスクの作製が前提となるが、解像度が高く要求されるようになると、マスクの作製自体にエラーが発生することがある。 そして、作製する階段部の段数に対応した分のマスクの作製が必要となる。 また、ステッパー内部のホモジナイザーなど、半導体製造用途では、光の短波長化に伴い回折光学素子の最小描画単位が小さくなる傾向にある。 寸法やアライメント誤差に関する光学特性の影響が大きくなる傾向にあり、特許文献1の方法では限界がある。 また、各段毎に各段の形状、サイズに合った設計データを作成し、各段毎に、EB描画装置(電子線描画装置のこと)あるいはレーザ描画装置等の描画露光装置により、設計データをもとに描画露光して、現像し、各段の深さに対応したドライエッチングを施し作製する第2の方法が知られている。 例えば、EB描画装置を用いて選択的に描画露光してパターニング行う描画露光処理と、現像処理、エッチング処理等を含む一連の処理プロセスを、繰り返し行い、その作製を行う作製方法が、提案されている。 本願発明者は、特開2002−350623号公報(特許文献2)に記載のように、第2の方法において、位置合わせ精度を緩くできる回折光学素子の作製方法を提案している。 特開2002−350623号公報 一方、また、藤田、西原、小山等は、第3の作製方法として、1982、Optical Sciety America(非特許文献1)において、電子線リソグラフィーを用いたブレーズドグレーティングの作製プロセスを開示している。 PMMA層への電子のドーズ量を段階的に変えてEB描画装置にて描画露光して、現像することにより、所望の断面形状を得るものである。 1982、Optical Sciety America
近年は、パターニングの精度面から、第2の作製方法が、主に採られるようになってきた。
第2の方法による回折光学素子の作製は、先にも述べたように、EB描画装置、レーザ描画装置等の描画露光装置を用いて選択的に描画露光してパターニング行う描画露光処理と、現像処理、エッチング処理を含む一連の処理プロセスを、繰り返し行うが、各一連の処理プロセスにおける描画露光装置を用いた描画露光においては、予め、設計に基づき作成された、描画用データを用いるものである。
例えば、図19にその1例の作製工程を示すように、描画露光処理と、現像処理、エッチング処理を含む一連の処理工程を、繰り返して行い、後に、作製された回折光学素子の特性を検査するものである。
従来の回折光学素子の作製を、図19に基づいて、簡単に説明しておく。
以下、このような従来の回折光学素子の作製方法を、階段状回折光学素子の作製方法とも言う。
尚、説明を簡単にするため、図18(b)のような4段の階段状回折光学素子を作製する場合について説明する。
描画露光用のデータを、各ドライエッチング加工工程に合せ、それぞれ準備しておく。 そして、光屈折系の媒体からなる板状の加工用素材110の一方の表面にクロム膜120をスパッタリング法、蒸着法等により成膜しておき、クロム膜120上に感光性のポジ型のレジスト130を形成しておく。(図19(a))
加工用素材110としては、石英ガラス基板(合成石英基板を含む)が通常用いられるがこれに限定はされない。
次いで、所定の描画露光用データを用いて、所定領域を露光し、現像し、所定領域に(レジストの)開口131を設ける。(図19(b))
次いで、開口131を設けたレジスト130を耐エッチングマスクとして、開口131から露出したクロム膜120をエッチング除去し、レジストの開口131に対応してクロム膜の開口を設けた(図示していない)後、所定領域を開口したクロム膜120あるいはクロム膜120とレジスト130を耐エッチングマスクとして、ドライエッングを行ない、所定の深さだけエッチングする。(図19(c))
クロム膜のエッチングは、クロム膜を塩素系のガスを用いたドライエッチングあるいは、過塩素酸と硝酸第二セリウムアンモンからなるエッチング液による湿式エッチングで行なう。加工用素材110が石英ガラス基板(合成石英基板を含む)の場合は、CF4 、CFH3 等のフッ素系のガスを用いて、ドライエッチングを行なう。
このようにして、1回目のドライエッチング加工工程を行った後、レジスト130を除去し、ドライエッチング加工部411a側全面に新たにレジスト135を配設し(図19(d))、所定の描画露光用データを用いて描画露光、現像を行ない、所定領域のみを開口させ、開口136から露出しているクロム膜120をエッチング除去し(図19(e))、先と同様にして、所定領域を開口したクロム膜120あるいはクロム膜120とレジスト135を耐エッチングマスクとして、ドライエッチングを行ない、所定の深さだけエッチングする。(図19(f))
このようにして、2回目のドライエッチング加工工程を行った後、レジスト135、クロム膜120を順に除去して、目的とする回折光学素子を得る。(図19(h))
上記のように、図19に示す従来の作製方法においては、作製する光学素子の加工用素材表面をドライエッチングにて階段形状で近似するわけで、いずれも、レジスト塗布、露光、現像、ドライッチングの一連の工程を、複数回(多段階とも言うが、ここでは2回)繰り返す必要がある。
そして、このような一連の工程を繰り返して目的とする階段部を形成するには、各一連の工程で高い位置合わせの精度が必須となる。
しかしながら、このような光学素子作製工程では、各処理装置などの精度不良などから、描画露光処理やエッチング処理等、各処理において、アライメントエラー、エッチング深さエラー、寸法エラーなど、作製に起因する作製エラーが生じており、これら作製エラーが発生すると、当初設計された光学素子の特性(強度、効率、SN比など)が得られないという問題があった。
例えば、8段の階段状回折光学素子の場合、正常な場合、その断面が、図20(a)のようになる。
しかし、描画露光の段部212の寸法が設計値と異なり誤差がある場合は、アライメントエラーがなくても、図20(b)に示すように、段部の境に溝部215が生じることがある。
また、アライメントエラーがある場合には、図20(c)に示すように、描画露光に問題がなくても、余分な突起部216や溝部215が生じることがある。
尚、アライメントエラーがなく、描画露光に問題がなくても、図20(d)に示すように、エッチングプロセスの不安定性に起因して段部の高さが設計値と異なってしまうことがある。
これらの作製エラーが発生した場合、光学素子作製工程のはじめからやり直す必要があり、時間や材料の無駄になる。
このような中、最近では、半導体リソグラフィー分野、ナノテクノロジー分野、光学部材分野における技術の進歩はめざましく、このような分野においては、凹凸形状が複雑な回折光学素子の適用要求が強くなってきて、その量産手段が求められるようになってきた。
上記のように、近年、光通信あるいは光産業の普及に伴い、素子形状により光の進行方向と位相を制御するための素子である回折光学素子の需要が大きくなってきており、また、最近では、半導体リソグラフィー分野、ナノテクノロジー分野、光学部材分野における技術の進歩はめざましく凹凸形状が複雑な回折光学素子の適用要求が強くなってきて、これら、凹凸形状が複雑な回折光学素子の量産手段が求められるようになってきた。
本発明はこれに対応するもので、上記従来の、描画露光装置を用いて選択的に描画露光してパターニング行う描画露光処理と、現像処理、エッチング処理等を含む一連の処理プロセスを、繰り返し行う階段状回折光学素子の作製方法において、発生するアライメントエラー、エッチング深さエラー、寸法エラーなどの作製エラーに起因する光学素子の特性の劣化をなくすことができ、更には該方法に比べて飛躍的に量産性を向上させた、回折光学素子の作製方法を提供しようとするものである。
本発明の回折光学素子の作製方法は、加工用基板の一面を加工して凹凸を配した回折光学素子を形成するための、回折光学素子の作製方法であって、前記加工用基板の一面上に、感光性材層を配設し、露光波長では解像しない微細なドットパターンの分布状態により、露光する際の透過光量(露光量)分布を制御するレチクルマスクを用い、投影露光方式で、前記感光性材層を露光し、現像して、加工用基板の一面上に、前記感光性材層を素材とした第1の凹凸パターンを形成する、第1の凹凸パターン形成工程と、前記第1の凹凸パターン形成側から、該第1の凹凸パターンと前記加工用基板の一面とを共にエッチングして、前記第1の凹凸パターンが無くなり、前記加工用基板の一面自体に前記第1の凹凸パターンの凹凸形状に対応した、第2の凹凸パターンを回折光学素子の凹凸として形成する、第2の凹凸パターン形成工程とを行うものであり、前記レチクルマスクの作製は、そのパターン形成平面をX−Y座標として、その座標値x、yの関数として、所望の露光する際の透過光量分布を、Z座標上の値をzとして、z=F(x、y)として求め、求められたz値に対応した密度で、X−Y座標上の位置に、前記ドットパターンを配置するもので、且つ、前記レチクルマスクのパターン形成平面を、露光波長では解像しないドットパターンの所定サイズに分割して、配置するものであり、露光においてレチクルマスク面上は均一照度として、前記Z座標上のz値に対応して、再現性のある所定のアルゴリズムにより、露光波長では解像しない前記所定サイズに分割されたX−Y座標の領域毎に、該領域サイズのドットパターンの配置の有無を決め、パターンの配置が有と決められた、所定サイズのX−Y座標の領域には、ドットパターンを生成配置する、ドットパターンの生成処理を行なって得た、パターンデータを用いて、描画露光される、フォトエッチング工程により作製するものであることを特徴とするものである。
そして、上記の回折光学素子の作製方法であって、前記投影露光方式がステッパー露光方式であることを特徴とするものである。
また、上記いずれかの回折光学素子の作製方法であって、前記所定のアルゴリズムは、誤差分散法あるいはオーダードディザ法であることを特徴とするものである。
あるいはまた、上記いずれかの回折光学素子の作製方法であって、前記所定のアルゴリズムは、誤差分散法、オーダードディザ法のいずれか1のアルゴリズムによりドットパターンを生成配置して得たパターンデータを作成し、該作成されたパターンデータにおいて、レチクルマスクにおける透過光量が最大の領域に対応するドットパターン密度の領域を地として、該地からのドットパターン密度の変化が所定の一定値以上で、且つ、凹凸パターンの急峻な変化部に相当する箇所については、該地に隣接して、該急峻な変化部における透過光量が最大、且つまたは最小の領域に対応するドットパターン密度の領域を、所定の幅、配設したデータに置き代えるものであることを特徴とするものである。
本発明に関わる回折光学素子は、加工用基板の一面を加工して凹凸を配した回折光学素子であって、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の回折光学素子作製方法により作製されたことを特徴とするものである。
本発明に関わるレチクルマスクは、基板の一面上に配設された感光性材層をステッパー露光方式で露光する際に用いられる、露光波長では解像しない微細なドットパターンの分布状態により、露光する際の透過光量(露光量)分布を制御するレチクルマスクであって、そのパターン形成平面をX−Y座標として、その座標値x、yの関数として、所望の露光する際の透過光量(露光量)分布を、Z座標上の値をzとして、z=F(x、y)として求め、求められたz値に対応した密度で、X−Y座標上の位置に、前記ドットパターンを配置したものであり、露光においてレチクルマスク面上は均一照度として、前記Z座標上のz値に対応して、再現性のある所定のアルゴリズムを用いて、露光波長では解像しない所定サイズのX−Y座標の領域毎に、該領域サイズのドットパターンの配置の有無を決め、パターンの配置が有と決められた、所定サイズのX−Y座標の領域には、ドットパターンを生成配置する、ドットパターンの生成処理を行なって得た、パターンデータを用いて、描画露光される、フォトエッチング工程により作製されたものであることを特徴とするものである。
そして、上記のレチクルマスクであって、前記所定のアルゴリズムとして誤差分散法あるいはオーダードディザ法を用い、ドットパターンを生成配置して得たパターンデータを用いて、あるいは、前記所定のアルゴリズムとして誤差分散法あるいはオーダードディザ法を用い、ドットパターンを生成配置して得たパターンデータの一部領域を、前記所定のアルゴリズムとして、前記レチクルマスクのパターン領域を、前記Z座標上のz値に対応して、z値の所定の範囲毎に分割し、各分割された分割領域毎に、対応した所定の一定の密度で前記ドットパターンを生成配置する、パターン領域分割ドット配置法を用いて、ドットパターンを生成配置して得たパターンデータの、前記一部領域に該当する領域のドットパターン配置で置き換えて、配置して得た、パターンデータを用いて、描画露光される、フォトエッチング工程により作製されたものであることを特徴とするものである。
(作用)
本発明の回折光学素子の作製方法は、このような構成にすることにより、上記従来の、階段状回折光学素子の作製方法において、発生するアライメントエラー、エッチング深さエラー、寸法エラーなどの作製エラーに起因する光学素子の特性の劣化をなくすことができる、回折光学素子の作製方法の提供を可能としている。
同時に、そのような微細な回折光学素子の作製を可能としている。
具体的には、加工用基板の一面上に、感光性材層を配設し、露光波長では解像しない微細なドットパターンの分布状態により、露光する際の透過光量(露光量)分布を制御するレチクルマスクを用い、投影露光方式で、前記感光性材層を露光し、現像して、加工用基板の一面上に、前記感光性材層を素材とした第1の凹凸パターンを形成する、第1の凹凸パターン形成工程と、前記第1の凹凸パターン形成側から、該第1の凹凸パターンと前記加工用基板の一面とを共にエッチングして、前記第1の凹凸パターンが無くなり、前記加工用基板の一面自体に前記第1の凹凸パターンの凹凸形状に対応した、第2の凹凸パターンを回折光学素子の凹凸として形成する、第2の凹凸パターン形成工程とを行うものであり、前記レチクルマスクの作製は、そのパターン形成平面をX−Y座標として、その座標値x、yの関数として、所望の露光する際の透過光量分布を、Z座標上の値をzとして、z=F(x、y)として求め、求められたz値に対応した密度で、X−Y座標上の位置に、前記ドットパターンを配置するもので、且つ、前記レチクルマスクのパターン形成平面を、露光波長では解像しないドットパターンの所定サイズに分割して、配置するものであり、露光においてレチクルマスク面上は均一照度として、前記Z座標上のz値に対応して、再現性のある所定のアルゴリズムにより、露光波長では解像しない前記所定サイズに分割されたX−Y座標の領域毎に、該領域サイズのドットパターンの配置の有無を決め、パターンの配置が有と決められた、所定サイズのX−Y座標の領域には、ドットパターンを生成配置する、ドットパターンの生成処理を行なって得た、パターンデータを用いて、描画露光される、フォトエッチング工程により作製するものであることにより、これを達成している。
詳しくは、露光波長では解像しない微細なドットパターンの分布状態により、露光する際の透過光量(露光量)分布を制御するレチクルマスクを用い、第1の第1の凹凸パターンを形成し、更に、該第1の凹凸パターンと前記加工用基板の一面とを共にエッチングして、前記第1の凹凸パターンが無くなり、前記加工用基板の一面自体に前記第1の凹凸パターンの凹凸形状に対応した、第2の凹凸パターンを回折光学素子の凹凸として形成していることにより、回折光学素子の複雑な凹凸の形状に対応できるものとしており、従来の階段状回折光学素子に比べて、回折効率を向上させ、SN比を良くすることができる。
同時に、微細な回折光学素子の作成を可能としている。
また、前記投影露光方式がステッパー露光方式である、請求項2の発明の形態とすることにより、即ち、縮小投影して露光するステッパー露光方式を採り入れていることにより、量産性の良いものとしており、且つ、パターンデータの作成をし易いものとしている。上記従来の、階段状回折光学素子の作製方法に比べて飛躍的に量産性を向上させること
ができる。
尚、ドライエッチングにて行う形態を採る場合、ウェットエッチングの場合に比べて、所望のエッチング形状を得やすく、制御し易いものにできる。
レチクルマスクとしては、そのパターン形成平面をX−Y座標として、その座標値x、yの関数として、所望の露光する際の透過光量(露光量)分布を、Z座標上の値をzとして、z=F(x、y)として求め、求められたz値に対応した密度で、X−Y座標上の位置に、前記ドットパターンを配置したものが挙げられる。
具体的には、前記レチクルマスクは、露光においてレチクルマスク面上は均一照度として、前記Z座標上のz値に対応して、再現性のある所定のアルゴリズムにより、露光波長では解像しない所定サイズのX−Y座標の領域毎に、該領域サイズのドットパターンの配置の有無を決め、パターンの配置が有と決められた、所定サイズのX−Y座標の領域には、ドットパターンを生成配置する、ドットパターンの生成処理を行なって得た、パターンデータを用いて、描画露光される、フォトエッチング工程により作製される。
更に具体的には、前記所定のアルゴリズムは、誤差分散法あるいはオーダードディザ法である。
この場合には、回折光学素子の凹凸形状を連続的に表現でき、回折効率の向上、SN比の良化が見込める。
尚、前記所定のアルゴリズムとして、前記レチクルマスクのパターン領域を、前記Z座標上のz値に対応して、z値の所定の範囲毎に分割し、各分割された分割領域毎に、対応した所定の一定の密度で前記ドットパターンを生成配置する、パターン領域分割ドット配置法も挙げられるが、この場合、前記誤差分散法あるいはオーダードディザ法の場合に比べて、急峻な凹凸を得るには、有利である。
あるいはまた、前記所定のアルゴリズムは、誤差分散法、オーダードディザ法のいずれか1のアルゴリズムによりドットパターンを生成配置して得たパターンデータを作成し、該作成されたパターンデータにおいて、レチクルマスクにおける透過光量が最大の領域に対応するドットパターン密度の領域を地として、該地からのドットパターン密度の変化が所定の一定値以上で、且つ、凹凸パターンの急峻な変化部に相当する箇所については、該地に隣接して、該急峻な変化部における透過光量が最大、且つまたは最小の領域に対応するドットパターン密度の領域を、所定の幅、配設したデータに置き代えるものである、請求項4の発明の形態が挙げられる。
この場合は、目標とする回折光学素子の急峻な凹凸領域を、実プロセスにおいて損なうことなく形成できるものとしており、これにより、回折効率をより向上させ、且つSN比をより良化することを可能としている。
感光性材層がネガ型である場合には、ドットパターン密度が0(0%)の領域を地として、該地からのドットパターン密度の変化が所定の一定値以上で、且つ、凹凸パターンの急峻な変化部に相当する箇所については、該地に隣接して、該急峻な変化部における透過光量が最大、且つまたは最小の領域に対応するドットパターン密度の領域を、所定の幅、配設したデータに置き代えるものである。
ポジ型でも同様である。
本発明の回折光学素子は、このような構成にすることにより、上記従来の、階段状回折光学素子の作製方法により作製された回折光学素子の場合の、作製エラーに起因する光学素子の特性の劣化をなくすことができ、且つ、より回折効率の向上させ、よりSN比の良化をさせることができる回折光学素子の提供を可能としている。
本発明のレチクルマスクは、このような構成にすることにより、上記本発明の回折光学素子の作製方法において用いられ、上記従来の、階段状回折光学素子の作製方法により作製された回折光学素子の場合の、作製エラーに起因する光学素子の特性の劣化をなくすことができ、且つ、より回折効率の向上させ、よりSN比の良化をさせることができる回折光学素子を作製することを可能としている。
本発明は、上記のように、従来の、階段状回折光学素子の作製方法において、発生するアライメントエラー、エッチング深さエラー、寸法エラーなどの作製エラーに起因する光学素子の特性の劣化をなくすことができ、更には、該方法に比べて飛躍的に量産性を向上させた、回折光学素子の作製方法の提供を可能とした。
同時に、そのような微細な回折光学素子の作製を可能とした。
本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
図1は本発明の回折光学素子の作製方法の実施の形態の1例の処理フロー図で、図2はレチクルマスクの作製工程を説明するための処理フロー図で、図3は回折光学素子の凹凸形状を得るシミュレーションを説明するための概略図で、図4は回折光学素子の一部領域の凹凸を濃淡で表示した図で、図5は図4に対応するドットパターンを示した図で、図6(a)は所望の回折光学素子の凹凸を形成するためのレジストの所望の凹凸状態を示した図で、図6(b)はパターン領域分割ドット配置法により作製されたレチクルマスク用のパターンデータの図6(a)の箇所に相当する箇所のドットパターン密度を示した図で、図6(c)は図6(b)に示す箇所のドットパターン密度を一部置き換えて配置した場合を示した図で、図7(a)は所望の回折光学素子の凹凸を形成するためのレジストの所望の凹凸状態を示した図で、図7(b)はオーダードディザ法により作製されたレチクルマスク用のパターンデータの図7(a)の箇所に相当する箇所のドットパターン密度を示した図で、図7(c)は図7(b)に示す箇所のドットパターン密度を一部置き換えて配置した場合を示した図で、図8(a)は現像後のレジストの所望のプロファイルを得るための、フォトマスクのパターンの露光量分布を表した図で、図8(b)は図8(a)に示す露光量分布における所定のX−Y座標位置でのZ座標上の値zの一覧を示した図で、図9はオーダードディザ法を説明するための図で、図10は最大値を1としたディザ行列を示した図で、図11は誤差分散法を説明するための図で、図12は図8に示す所定のX−Y座標位置でのZ座標上の値zの一覧に基づき誤差分散法を実施した結果を示した図で、図13は誤差分散行列を用いた誤差分散法を数式により説明するための図で、図14は各種のディザ行列の例を表した図で、図15(a)は誤差分散法の各種走査方向を示した図で、図15(b)は各種誤差分散行列の例を示した図で、図16は現像後レジストの残膜厚と透過光量の関係を示した図で、図17はステッパー露光から加工用基板の一面への凹凸形成までを説明するための工程図である。
図1中のS1〜S9、図2中のS11〜S23は、図3中のS31〜S39は処理ステップを示している。
図4においては、白いほど凸で黒いほど凹であり、図5において白部が多い領域ほど透過光量(露光量)は多いことを示す。
図17は、光学系(レンズ系)を省略して示してある。
図6、図7、図17において、310はレチクルマスク、320、320Aは露光光、330はレジスト、335はレジスト残膜部、336は第1の凹凸パターン、340は加工用基板、346は第2の凹凸パターン、350はXYステージ、410は地、420は急峻部、430は置き換え部、D0は(所定の)一定値、W0は所定幅である。
本発明の回折光学素子の作製方法の実施の形態の1例を、以下、説明する。
本例の回折光学素子の作製方法は、加工用基板の一面を加工して凹凸を配した回折光学素子を形成するための、回折光学素子の作製方法で、大筋としては、図1に示す処理フロー図のように、その処理を行うものである。
はじめに、本例における処理フローの大筋を図1に基づいて説明する。
先ず、光屈折系の媒体からなる板状の加工用基板を用意し(S1)、該加工用基板の一面上に、ネガ型の感光性材層を配設し(S2)、露光波長では解像しない微細なドットパターンの分布状態により、露光する際の透過光量(露光量)分布を制御するレチクルマスク(S9)を用い、ステッパー露光方式で、前記感光性材層を露光し(S3)、現像して(S4)、加工用基板の一面上に、前記感光性材層を素材とした硬化物からなる第1の凹凸パターンを形成する。(S5)
次いで、第1の凹凸パターン形成側から、ドライエッチング法により、該第1の凹凸パターンと前記加工用基板の一面とを共にエッチングして、前記第1の凹凸パターンが無くなり、前記加工用基板の一面自体に前記第1の凹凸パターンの凹凸形状に対応した、第2の凹凸パターンを回折光学素子の凹凸として形成する、第2の凹凸パターン形成工程とを行う。(S6〜S7)
図17(a)に示すように、図示していない光学系(レンズ系)を介して、レチクルマスク310の絵柄は、加工用基板340の一面上に塗布されたレジスト330に、縮小投影されて露光される。
この後、現像して、図17(b)に示すように、第1の凹凸パターン336が形成される。
更に、ドライエッチングされて、図17(c)に示すように、第2の凹凸パターン346が形成される。
尚、通常、このように、第1の凹凸パターン336を形成した後、更に、ドライエッチングにより、第2の凹凸パターン346を形成する方法をバックエッチ法とも言う。
そして、洗浄処理等を経て、回折光学素子を得る。(S8)
図1に示す処理フローにて用いられるレチクルマスクは、図2に示す作製工程により作製することができる。
予め、所望の現像後のプロファイルを得る感光性レジスト材料(単にレジストとも言う)と、この感光性レジスト材料を露光する露光波長を決めておく。(S11、S12)
先ず、決められた感光性レジスト材料を、所定の膜厚に前記現像後のプロファイルを形成する基板と同等の基板上に塗布し、各種露光量にて所定サイズの領域を露光し、現像して(S13)、露光量とレジストの残膜厚の関係データを求める。(S14)
これより、数式化した露光量とレジストの残膜厚の関係データとしても良い。
感光性レジスト材料としてネガ型のレジストを用い、レチクルマスクで露光する場合の、露光量、即ちレチクルマスクの透過光量と残膜厚の関係は、通常、図16のようになる。
尚、図16においては、透過光量(露光量)、残膜厚とも正規化して示してある。
作製する現像後のレジスト像によっては、絵柄の形状や粗密によって、透過光量と残膜厚の関係データが異なるため、絵柄状態に対応し、数種のデータ採り込みを行なう必要がある。
尚、必要な種類の、所望の現像後のプロファイルを得るための感光性レジスト材料の、透過光量に対する残膜厚特性が分かっていれば、その都度、透過光量と残膜厚の関係データを求めることは必ずしも必要ではない。
この透過光量(露光量)とレジストの残膜厚の関係データを用い、被加工物の所望のプロファイル(S16)にあったフォトマスクのパターンの露光量分布を求める。(S17)
回折光学素子の所望のプロファイルは、例えば、図3に示すようなシミュレーションにより求めることができる。
上記S13〜S14およびS15〜S16を経てS17に至る一連の処理が透過光量(露光量)分布把握処理である。
尚、通常は、得たいプロファイルの関数について、レジスト、露光系などに対して最適化した補正式をかける。
レチクルマスクのパターン形成平面をX−Y座標として、その座標値x、yを関数として透過光量(露光量)分布をZ座標上のz値として表す。
ここでは、z=F(x、y)と透過光量(露光量)分布を表す。
例えば、簡単な球面状凹部の露光量分布は、図8(a)に示すように表される。
一方、レチクルマスクの、決められた露光波長のステッパー露光では解像しないパターン領域のサイズを所定サイズに決定しておく。(S18)
ここでは、X方向幅a、Y方向幅aとする。
先にも述べた通り、露光波長による光学的解像性の他、現像後のレジストの所望のプロファイル表現、レチクルマスク作製の際に用いる描画用の露光機の性能上の制約を考慮して決める。
次いで、求められた、z=F(x、y)の関係データと、決められた露光波長では解像しないパターン領域のサイズとから、再現性のある所定のアルゴリズム(S19)を用いて、露光波長では解像しない所定サイズのドットパターンを、X−Y座標上、該サイズに分割された各領域毎に、配置の有無を決定する。(S20)
所定のアルゴリズムとしては、誤差分散法、オーダードディザ法、パターン領域分割ドット配置法が挙げられる。
そして、この決定に基づき、CADツールにより、X−Y座標上、所定の位置にドットパターンを配置してパターンデータを作製する。(S21)
上記の、S19〜S21に至る一連の処理がドットパターンの生成処理である。
このようにして、パターンデータを作製することができるが、例えば、図4に示す凹凸形状の場合、透過光量(露光量)分布z=F(x、y)に対応するパターンデータは、誤差分散法、オーダードディザ法によれば、図5のようになる。
図4においては、白いほど凸で黒いほど凹であることを示しており、図5において白部が多い領域ほど透過光量(露光量)は多いことを示している。
尚、図5中では、最小の正方形の黒ドット部が、単位のドット(単位パターンとも言う)の領域で、黒部領域はこの単位の黒ドット部の集合として構成され、白部は、単位のドットがない領域である。
単位のドットのサイズは、露光波長では解像しない所定サイズである。
ここで、図3に示す、回折光学素子の所望の位相情報またはプロファイルのデータを求めるためのシミュレーションを、簡単に説明しておく。
図3において、入力面、出力面での光学条件を、それぞれ、所定の光学条件に設定して、出力面での目標の強度分布を、その位相分布とから、フーリエ変換して、入力面での回折光学素子の位相情報を生成する第1の処理ステップ(S32〜S34)と、所定の収束条件で、第1の処理ステップにて得られた位相情報から逆フーリエ変換して、目標の強度分布に対応する画像のシミュレーション結果としての、前記出力面での強度分布および位相分布とを求め(S34〜S37)、これをもとに新たに、目標値を設定して前記第1の処理ステップの入力データ(S38)とする第2の処理ステップとを、繰り返し行う、反復アルゴリズムにより、回折光学素子の位相情報を求める。
目標とする強度分布に対し、所定の許容範囲以内に入った場合、そのときの回折光学素子の位相情報を、新たに作製する回折光学素子の情報として、加工用のデータとする。
前記所定の光学条件は、例えば、回折光学素子の入力面での拘束条件を強度分布一定とし、出力面での拘束条件を目標の強度分布とするものである。
このようにして、得られた折光学素子の位相情報から、回折光学素子の所望のプロファイルのデータが得られる。
尚、シミュレーションにおける収束条件としては、例えば、反復アルゴリズムを反復する回数をNとし、Nに達した時点で、そのときの回折光学素子の位相情報を以って、回折光学素子の所望のプロファイルのデータとする。
尚、他の方法として目標値と計算値を絶えず比較し、回折効率、SN比、強度分布の平坦性など求め、所定の条件を満たした時点での位相情報を以って、回折光学素子の所望のプロファイルのデータとする。
オーダードディザ法は、主に新聞や雑誌などの印刷におけるハーフトーン処理に用いられる方法と知られており、元の画像の濃度値とデイザマトリクスとよばれる数字の並びとを比較して、その画素を白にするか黒にするかを決める方法で、イラストのように、元の画像とディザマトリクスを比較して、もし元画像の数字のほうが大きければ、その点を黒とし、小さければ白とする操作を、ずらしながら、画像全体に行う。
こうすることで、中間レベルの濃度値の画素が、適当な割合で白と黒に変換されて、ハーフトーン処理の場合と同じように、少し離れて見ると白と黒の画素が適当に混ざり合って、中間の階調を表現できる。
また、後に述べるが、誤差拡散法は、まず画素の濃度値が中間の濃度値(例えば、256階調なら128)より大きいか小さいかで白か黒かに分類し、次に、元の画像の濃度値と変換後の濃度値との誤差を適当な割合で周りの画素に分散させる方法であり、元の画像では灰色だったものが黒に変換された場合、周りの画素のうち黒くなっている画素を適当な割合で白の画素に変えるものである。
このようにすれば、画像全体で擬似的に階調が表現できる。
また、ここで言うパターン領域分割ドット配置法は、透過光量(露光量)z=F(x、y)について、z値に対応して、z値の所定の範囲毎にX−Y領域(パターン領域)を分割し、各分割された分割領域毎に、対応した所定の一定の密度で前記ドットパターンを生成配置するものである。
上記、オーダードディザ法、誤差拡散法、パターン領域分割ドット配置法は、いずれも、再現性のある手法である。
ここで、所望の現像後のプロファイルを得る露光量分布が、図8(a)に示す露光量分布、z=F1(x、y)であり、各位置(x、y)のz値が図8(b)の表のようになる場合について、オーダードディザ法を適用する場合を、図9に基づいて、その手順のみを簡単に説明しておく。
図8(b)に示す表は図9(a)の表と同じであるが、図9(a)の表のように、各位置におけるz値は配列される。
一方、例えば、図9(a)に示す表の配列に合せ、図10に示す最大値を1とした4行×4列のディザ行列を、図9(b)のように配列させておく。
ここで、図9(a)の表の配列と、図9(b)の表の配列について、対応する位置毎に、その大小を比較し、図9(b)の表側が図9(a)側よりも小の場合1、そうでない場合を0として、図9(c)に示すように、同様の配列を求める。
ここでは、1の領域の場合はドットパターンを配置しない領域とし、0の領域の場合はドットパターンを配置する領域とする。
ドットパターンのX方向、Y方向サイズと図9(a)に示す各位置間距離とを同じとするほうが精度面で好ましいが、計算量が大きくなる。
尚、ドットパターンのX方向、Y方向サイズと図9(a)に示す各位置間距離を必ずしも同じとする必要はない。
また、ディザ行列には、図14に示すような様々なパターンが考えられ、得たい露光分布に合わせて適宜選択して使用する。
次に、誤差分散法を適用する場合について説明する。
先ず、図11に基づいて、誤差分散法の手順を簡単に説明しておく。
例えば、表の横方向を、縦方向をX方向、Y方向とし、それぞれ、所定ピッチでセル(画素とも言い、ピッチに対応するサイズである)を設け、各セルに図11(a)のように、値が配列されている場合について、表の左上から右下方向にかけて以下の処理を順次行なう。
先ず、左上セルP0について、中間値(0. 5)を閾値とし、2値化を行なう。(図11(b)
左上セルP0の値0. 1は2値化により0となる。
次いで、このセルP0に隣接するセルに重み付け加算(あるいは減算)して、図11(c)のようになる。
図11(b)中、丸印1、丸印2、丸印3は、セルP0に対し、重み付け加算(あるいは減算)する隣接セルとその値を示している。
次に、隣のセルP1にに移り、2値化、重み付け加算(あるいは減算)して図11(d)を得る。
更に、その隣のセルP2に移り、同様に、値化、重み付け加算(あるいは減算)して図11(e)を得る。
以降、図11(e)の矢印の方向に順次、各セルに対し、同様の処理を行ない、得られた結果が求めるものである。
図8(b)に示す表の場合、図12のようになる。
即ち、図8(a)に示す露光量分布、Z=F1(x、y)の場合、図12に示す1の領域の場合はドットパターンを配置しない領域とし、図12に示す0の領域の場合はドットパターンを配置する領域とする。
上記は、図15(a)(イ)のように、表の左上から右下方向にかけて処理を順次行なったが、これに限定はされない。
図15(a)(ロ)、図15(a)(ハ)の方向で処理を行なっても良い。
上記操作を、図15(b)(イ)、図15(b)(ロ)に示すような誤差分散行列を用いて、座標(0、0)からはじめて、順次全セルに対して繰り返す誤差分散方法もある。 f(x、y)を元データ、fnew(x、y)を誤差分散を行った後のデータ、g(x、y)を閾値0. 5で2値化したデータ、Exyを2値化により生じた誤差とした場合、それぞれの関係は、図13の(1)式〜(5)式のように表される。
これらの関係式に基づいて、上記と同様にして、図12に相当する配列を求めることもできる。
上記のように、本例の回折光学素子の作製方法は行われるが、これに限定はされない。 例えば、本例のレチクルマスク用の、ドットパターンを生成配置して得たパターンデータにおいて、レチクルマスクにおける透過光量が最大の領域に対応するドットパターン密度の領域を地として、該地からのドットパターン密度の変化が所定の一定値以上で、且つ、凹凸パターンの急峻な変化部に相当する箇所については、該地に隣接して、レチクルマスクにおける透過光量が最小の領域に対応するドットパターン密度の領域を、所定の幅、配設したデータに置き代えたパターンデータを用いた、形態例も挙げられる。
例えば、ネガ型の感光性材層を用いて回折光学素子を作製する際、所望の回折光学素子の凹凸を形成するためのレジストの所望の一断面の凹凸状態が、図6(a)のように表される場合、これに対応する、パターン領域分割ドット配置法により作製されるレチクルマスク用のパターンデータのドットパターン密度は、図6(b)のようになる。
ここでは、図6(b)において、ドットパターン密度が0(0%)を地410として、該地410からのドットパターン密度の変化が所定の一定値以上で、且つ、凹凸パターンの急峻な変化部に相当する箇所(急峻部420)については、図6(c)に示すように、該地410に隣接して、ドットパターン密度が1(100%)の領域、0(0%)の領域を、それぞれ、所定の幅、配設したデータに置き代える。
ここでは、ドットパターン密度の変化の所定の一定値をD0、所定幅をW0としている。
このようにすることにより、実際の作製される回折光学素子の凹凸がなまり高周波特性が劣化することを防止できるものとしている。
また、所望の回折光学素子の凹凸を形成するためのレジストの所望の一断面の凹凸状態が、図7(a)のように表される場合、これに対応する、オーダードディザ法により作製されるレチクルマスク用のパターンデータのドットパターン密度は、図7(b)のようになるが、同様にして、急峻部420については、図7(c)に示すように、該地410に隣接して、ドットパターン密度が1(100%)の領域、0(0%)の領域を、それぞれ、所定の幅W0、配設したデータに置き代えることにより、実際の作製される回折光学素子の凹凸がなまり高周波特性が劣化することを防止できる。
本発明の回折光学素子の作製方法の実施の形態の1例の処理フロー図である。 レチクルマスクの作製工程を説明するための処理フロー図である。 回折光学素子の凹凸形状を得るシミュレーションを説明するための概略図である。 回折光学素子の一部領域の凹凸を濃淡で表示した図である。 図4に対応するドットパターンを示した図である。 図6(a)は所望の回折光学素子の凹凸を形成するためのレジストの所望の凹凸状態を示した図で、図6(b)はパターン領域分割ドット配置法により作製されたレチクルマスク用のパターンデータの図6(a)の箇所に相当する箇所のドットパターン密度を示した図で、図6(c)は図6(b)に示す箇所のドットパターン密度を一部置き換えて配置した場合を示した図である。 図7(a)は所望の回折光学素子の凹凸を形成するためのレジストの所望の凹凸状態を示した図で、図7(b)はオーダードディザ法により作製されたレチクルマスク用のパターンデータの図7(a)の箇所に相当する箇所のドットパターン密度を示した図で、図7(c)は図7(b)に示す箇所のドットパターン密度を一部置き換えて配置した場合を示した図である。 図8(a)は現像後のレジストの所望のプロファイルを得るための、フォトマスクのパターンの露光量分布を表した図で、図8(b)は図8(a)に示す露光量分布における所定のX−Y座標位置でのZ座標上の値zの一覧を示した図である。 オーダードディザ法を説明するための図である。 最大値を1としたディザ行列を示した図である。 誤差分散法を説明するための図である。 図8に示す所定のX−Y座標位置でのZ座標上の値zの一覧に基づき誤差分散法を実施した結果を示した図である。 誤差分散行列を用いた誤差分散法を数式により説明するための図である。 各種のディザ行列の例を表した図である。 図15(a)は誤差分散法の各種走査方向を示した図で、図15(b)は各種誤差分散行列の例を示した図である。 現像後レジストの残膜厚と透過光量の関係を示した図である。 ステッパー露光から加工用基板の一面への凹凸形成までを説明するための工程図である。 階段状回折光学素子を説明するための図である。 階段状回折光学素子の作製方法を説明するための図である。 作製エラーを説明するための図である。
符号の説明
10 加工用素材
11 不連続な斜面部
12 階段部
12a 段部
110 加工用素材
111、111a ドライエッチング加工部
120 クロム膜
130 レジスト
131 開口
135 レジスト
136 開口
210 加工用素材
212 段部
215 溝部
216 突起部(壁部)
217 深さ不良部
218 深さ不良部
310 レチクルマスク
320、320A 露光光
330 レジスト
335 レジスト残膜部
336 第1の凹凸パターン
340 加工用基板
346 第2の凹凸パターン
350 XYステージ
410 地
420 急峻部
430 置き換え部
D0 (所定の)一定値
W0 所定幅を

Claims (4)

  1. 加工用基板の一面を加工して凹凸を配した回折光学素子を形成するための、回折光学素子の作製方法であって、前記加工用基板の一面上に、感光性材層を配設し、露光波長では解像しない微細なドットパターンの分布状態により、露光する際の透過光量(露光量)分布を制御するレチクルマスクを用い、投影露光方式で、前記感光性材層を露光し、現像して、加工用基板の一面上に、前記感光性材層を素材とした第1の凹凸パターンを形成する、第1の凹凸パターン形成工程と、前記第1の凹凸パターン形成側から、該第1の凹凸パターンと前記加工用基板の一面とを共にエッチングして、前記第1の凹凸パターンが無くなり、前記加工用基板の一面自体に前記第1の凹凸パターンの凹凸形状に対応した、第2の凹凸パターンを回折光学素子の凹凸として形成する、第2の凹凸パターン形成工程とを行うものであり、前記レチクルマスクの作製は、そのパターン形成平面をX−Y座標として、その座標値x、yの関数として、所望の露光する際の透過光量分布を、Z座標上の値をzとして、z=F(x、y)として求め、求められたz値に対応した密度で、X−Y座標上の位置に、前記ドットパターンを配置するもので、且つ、前記レチクルマスクのパターン形成平面を、露光波長では解像しないドットパターンの所定サイズに分割して、配置するものであり、露光においてレチクルマスク面上は均一照度として、前記Z座標上のz値に対応して、再現性のある所定のアルゴリズムにより、露光波長では解像しない前記所定サイズに分割されたX−Y座標の領域毎に、該領域サイズのドットパターンの配置の有無を決め、パターンの配置が有と決められた、所定サイズのX−Y座標の領域には、ドットパターンを生成配置する、ドットパターンの生成処理を行なって得た、パターンデータを用いて、描画露光される、フォトエッチング工程により作製するものであることを特徴とする回折光学素子の作製方法。
  2. 請求項1に記載の回折光学素子の作製方法であって、前記投影露光方式がステッパー露光方式であることを特徴とする回折光学素子の作製方法。
  3. 請求項1ないし2のいずれか1項に記載の回折光学素子の作製方法であって、前記所定のアルゴリズムは、誤差分散法あるいはオーダードディザ法であることを特徴とする回折光学素子の作製方法。
  4. 請求項1ないし2のいずれか1項に記載の回折光学素子の作製方法であって、前記所定のアルゴリズムは、誤差分散法、オーダードディザ法のいずれか1のアルゴリズムによりドットパターンを生成配置して得たパターンデータを作成し、該作成されたパターンデータにおいて、レチクルマスクにおける透過光量が最大の領域に対応するドットパターン密度の領域を地として、該地からのドットパターン密度の変化が所定の一定値以上で、且つ、凹凸パターンの急峻な変化部に相当する箇所については、該地に隣接して、該急峻な変化部における透過光量が最大、且つまたは最小の領域に対応するドットパターン密度の領域を、所定の幅、配設したデータに置き代えるものであることを特徴とする回折光学素子の作製方法。
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