JP4631151B2 - 配管カバー - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、壁面から配管を引き出した部分において配管の屈曲部を保護するとともに配管ダクトとの接続を行う為の配管カバーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、壁面4に施した壁面開口部4aよりエアコン等の配管3を取り出す場合には、その配管3の屈曲部3aを隠蔽するとともに壁面4に沿って配設された配管ダクト6の端部と接続する為に配管カバー7が広く利用されてきた。図13は従来の配管カバー7におけるカバー本体2の取付図であるが、図にも示すように配管カバー7はベース1とカバー本体2の二部品で構成されているのが普通である。
【0003】
壁面開口部4aには図14に示すように化粧プレート5が既設されている場合があり、この場合は壁面4には上記化粧プレート5のドーナツ状の部分が露出した状態にある。この状態で従来の配管カバー7を取り付けるには化粧プレート5の上記露出部の干渉が邪魔になり、この為に施工時には一旦化粧プレート5を取り外すという非常に面倒な作業が必要であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、壁面開口部に化粧プレートが既設された状態であっても、化粧プレートを取り外すことなく取り付けることのできる配管カバーを提供することを課題とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明に係る配管カバーを、ベースと該ベースを覆うカバー本体から成る配管カバーであり、上記ベースは壁面開口部近傍に固着させる為の当接部と、当接部から立設する側壁部から成り、上記カバー本体はベースの側壁部に係止するとともに壁面開口部から引き出した配管の屈曲部を隠蔽する為の周壁部と、配管ダクトと接続する為に周壁部に開口させて形成した接続部と、壁面と当接させる為に周壁部から延設したフランジ部から成るものであって、ベースの当接部の壁面開口部側の端縁を壁面開口部に設けた化粧プレートと干渉しないように凹ませ、カバー本体のフランジ部の壁面側には化粧プレートを収納可能な空間部を形成したことを特徴とするものとする。このような構成にすることで、壁面開口部に化粧プレートが既設された状態又は設置されていない状態のどちらであっても、そのままの状態でベース及びカバー本体を取り付けることができる。
【0006】
また、フランジ部に、ねじを貫通させる為の薄肉部を形成することが好ましい。このような構成にすることで、カバー本体が不安定な状態にある場合は薄肉部を利用したねじによる固定を行うことで堅固にカバー本体を取り付けることができる。
【0007】
また、ベース及びカバー本体のどちらか一方に係合部を形成し、もう一方には上記係合部が係合するための被係合部を形成するとともに、係合部と被係合部とを強制的に引き離して係合を解除する為の係合解除部をベースとカバー本体の少なくとも一方に設けることで、何らかの理由でカバー本体を一旦取り外す必要が生じた場合には、係合部と被係合部を引き離す為に力を無理にかけることなく係合解除部を利用して係合を解除し、カバー本体を簡単に取り外すことができる。
【0008】
また、係合解除部を、ベースとカバー本体の当接する部分であり、且つ、係合部及び該係合部の係合する被係合部の近傍である部分に形成したマイナスドライバー挿入用隙間として設け、上記マイナスドライバー挿入用隙間の幅をマイナスドライバーの先端部の厚みに対応した幅とすることで、マイナスドライバー挿入用隙間にマイナスドライバーの先端部を差し込んで回転させれば係合部と被係合部との間隔が押し広げられるので、簡単にカバー本体を取り外すことができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を添付図面に示す実施の形態に基づいて説明する。本発明の実施の形態における一例の配管カバー7はベース1とカバー本体2より構成されており、上記ベース1は図2、図3に示すように壁面4に固定させる為の平板状の当接部10と、カバー本体2を係止する為に当接部10の両側端より略垂直方向に立設した一対の側壁部11から成っている。当接部10にはねじ孔22を三ヶ所設けるとともに、側壁部11において化粧プレート5と干渉する恐れのある位置には、化粧プレート5の厚みより僅かに大きな程度の深さで凹部11aを形成している。また一対の側壁部11には夫々、壁面4側に凹状の被係合部12を二つずつ設けており、そのうちの一方は係合解除用凹部13aと連通している。上記係合解除用凹部13aはカバー本体2と組み合わせたときに配管ダクト6側に開口したマイナスドライバー挿入用隙間13を形成する為のものであり、上記マイナスドライバー挿入用隙間13の形成時にその幅がマイナスドライバー20の先端部の厚みより僅かに大きな程度の幅となるような形状とする。
【0010】
カバー本体2の形状を図4、図5に示す。カバー本体2はベース1と係合するとともに壁面開口部4aから引き出した配管3の屈曲部3aを隠蔽する為の周壁部14と、配管ダクト6の端部と接続させる為に周壁部14の下方を開口させて設けた接続部15と、壁面4と当接させる為に周壁部14から延設したフランジ部16により構成されている。周壁部14の内面には、ベース1の側壁部11に都合四箇所形成した被係合部12と対応する位置に、夫々爪状の係合部17を突設させている。フランジ部16には壁面開口部4aに化粧プレート5が設けている場合にも干渉しないように、化粧プレート5を収納できる程度の大きさの空間部16aを壁面4側に形成している。またフランジ部16には止めねじ18を貫通させられる程度の薄肉部16bを三ヶ所設けている。
【0011】
上記したベース1とカバー本体2を用いた配管カバー7の組み立て方法について説明する。まず壁面4にベース1を取り付けるのだが、ベース1の側壁部11には凹部11aを設けてあるので、図9に示すように壁面開口部4aに化粧プレート5が既設してある場合にも凹部11aに化粧プレート5が嵌合することで互いに干渉し合うことがない。取り付けはベース1に設けたねじ孔22を貫通して壁面4に皿頭の固定ねじ19を固着させることで行う。また図8に示すように化粧プレート5を設けていない場合であっても当然ベース1の取付に支障はない。
【0012】
次にベース1にカバー本体2を取り付けるのだが、カバー本体2のフランジ部16には空間部16aを形成してあるので、化粧プレート5を既設してある場合にも図1に示すように互いに干渉することなくカバー本体2を取り付けることができる。上記取り付けにはねじを用いず、図6、図7に示すようにベース1に設けた被係合部12とカバー本体2に設けた係合部17を四箇所で弾性的に係合させることにより、堅固に行う。このようにすることで良好な外観を得る。仮に取り付け状態が不安定な場合には、図11に示すようにフランジ部16に設けた薄肉部16bを利用して止めねじ18で固定すればよい。また化粧プレート5を設けていない場合であっても、図10に示すように問題なくカバー本体2を取り付けて配管カバー7を組み立てることができる。
【0013】
更に、一旦取り付けたカバー本体2を取り外す際には、図12に示すようにベース1に設けた係合解除用凹部13aとカバー本体2の周壁部14により形成されるマイナスドライバー挿入用隙間13に、接続部15側からマイナスドライバー20の先端部を挿入して回転させればよい。このようにすれば上記先端部の側面が主に周壁部14を外側に弾性変形させ、それにより係合部17と被係合部12が強制的に引き離されることで係合が解除される。
【0014】
【発明の効果】
上記のように請求項1記載の発明にあっては、配管カバーをベースと該ベースを覆うカバー本体から構成し、ベースの当接部を化粧プレートと干渉しないように凹ませ、カバー本体のフランジ部には化粧プレートを収納可能な空間部を形成することで、壁面開口部に化粧プレートが既設された状態であっても一旦化粧プレートを取り外すといった面倒な作業を要することなく、化粧プレートを設置したままの状態でベース及びカバー本体を取り付けることができるので、施工作業が簡略化される。また化粧プレートが既設の状態に限らず、設置していない状態であっても同様に配管カバーを取り付けることができる。
【0015】
また請求項2記載の発明にあっては、上記請求項1の効果に加えて、フランジ部にはねじを貫通させる為の薄肉部を形成しているので、カバー本体が不安定である場合にはねじを薄肉部に貫通させて固定を行うことでカバー本体を堅固に取り付けることができ、且つ、ねじによる固定を行う必要のない場合には薄肉部に穿設されることもないので外観が良好である。
【0016】
請求項3記載の発明にあっては、上記請求項1又は請求項2記載の効果に加えて、ベース及びカバー本体のどちらか一方に係合部を、もう一方には被係合部を形成するとともに、係合部と被係合部とを強制的に引き離す為の係合解除部をベースとカバー本体の少なくとも一方に設けることで、何らかの理由でカバー本体を一旦取り外す必要が生じた場合には、カバー本体に無理な力をかけずとも、係合解除部を利用して係合部と被係合部との間を押し広げることで簡単に係合を解除してカバー本体を取り外すことができる。従って、取り外しの労力を削減し、且つ、カバー本体等の破損を防止することができる。
【0017】
請求項4記載の発明にあっては、上記請求項3記載の効果に加えて、係合解除部を、カバー本体とベースの当接する部分のなかでも係合部及び被係合部の近傍に形成したマイナスドライバー挿入用隙間として設け、上記マイナスドライバー挿入用隙間の幅をマイナスドライバーの先端部の厚みに対応させることで、マイナスドライバー挿入用隙間にマイナスドライバーの先端部を差し込んで回転させるだけでマイナスドライバーの側面が係合部と被係合部との間隔を押し広げ、係合を解除する。従って簡単な構成で、且つ、特殊な道具を使用することもなく、容易にカバー本体を取り外すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態における一例の、化粧プレート設置時のカバー本体取付図である。
【図2】 同上のベースを示しており、(a)は背面図、(b)は側面図、(c)は上面図、(d)は正面図、(e)は下面図である。
【図3】 同上のベースを示しており、図2(d)のA−A断面図である。
【図4】 同上のカバー本体を示しており、(a)は背面図、(b)は側面図、(c)は上面図、(d)は正面図、(e)は下面図である。
【図5】 同上のカバー本体を示しており、図4(d)のA−A断面図である。
【図6】 同上のベースとカバー本体により組立てた配管カバーの正面図である。
【図7】 同上の配管カバー取り付け状態における下面図である。
【図8】 同上の化粧プレート非設置時のベース取付図である。
【図9】 同上の化粧プレート設置時のベース取付図である。
【図10】 同上の化粧プレート非設置時のカバー本体取付図である。
【図11】 同上のカバー本体のねじ止め方法の説明図である。
【図12】 同上のカバー本体の取り外し方法の説明図である。
【図13】 従来例のカバー本体の取付図である。
【図14】 壁面開口部に化粧プレートが設置された状態を示した斜視図である。
【符号の説明】
1 ベース
2 カバー本体
3 配管
3a 屈曲部
4 壁面
4a 壁面開口部
5 化粧プレート
6 配管ダクト
7 配管カバー
10 当接部
11 側壁部
11a 凹部
12 被係合部
13 マイナスドライバー挿入用隙間
14 周壁部
15 接続部
16 フランジ部
16a 空間部
16b 薄肉部
17 係合部
18 止めねじ
20 マイナスドライバー
Claims (4)
- ベースと該ベースを覆うカバー本体から成る配管カバーであり、上記ベースは壁面開口部近傍に固着させる為の当接部と、当接部から立設する側壁部から成り、上記カバー本体はベースの側壁部に係止するとともに壁面開口部から引き出した配管の屈曲部を隠蔽する為の周壁部と、配管ダクトと接続する為に周壁部に開口させて形成した接続部と、壁面と当接させる為に周壁部から延設したフランジ部から成るものであって、ベースの当接部の壁面開口部側の端縁を壁面開口部に設けた化粧プレートと干渉しないように凹ませ、カバー本体のフランジ部の壁面側には壁面開口部に設けた化粧プレートを収納可能な空間部を形成したことを特徴とする配管カバー。
- フランジ部に、ねじを貫通させる為の薄肉部を形成したことを特徴とする請求項1記載の配管カバー。
- ベース及びカバー本体のどちらか一方に係合部を形成し、もう一方には上記係合部が係合するための被係合部を形成するとともに、係合部と被係合部とを強制的に引き離して係合を解除する為の係合解除部をベースとカバー本体の少なくとも一方に設けたことを特徴とする請求項1または2のいずれか記載の配管カバー。
- 係合解除部を、ベースとカバー本体の当接する部分であり、且つ、係合部及び該係合部の係合する被係合部の近傍である部分に形成したマイナスドライバー挿入用隙間として設け、上記マイナスドライバー挿入用隙間の幅をマイナスドライバーの先端部の厚みに対応した幅としたことを特徴とする請求項3記載の配管カバー。
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