JP4630517B2 - 積層フィルタ、積層複合デバイス、および通信装置 - Google Patents

積層フィルタ、積層複合デバイス、および通信装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば携帯電話機などの高周波無線機器に用いる積層フィルタ、積層複合デバイス、および通信装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、通信機器の小型化に伴い、高周波フィルタも小型化に有効な誘電体積層フィルタがよく用いられている。以下に図面を参照しながら、上述した積層バンドパスフィルタの一例について説明する。
【0003】
図4は従来の積層バンドパスフィルタ400の断面図である。図4において、複数の誘電体層を積層して一体化した積層バンドパスフィルタ400は、内部接地導体401と内部接地導体402とに挟まれており、内部接地導体401の上面に第1のバンドパスフィルタ404が形成され、その上側に内部接地導体403が配置され、更にその上面に第2のバンドパスフィルタ405が形成されている。なお、ストリップ線路導体410は、第1のバンドパスフィルタ404、第2のバンドパスフィルタ405の厚みに関して、ほぼ中央に設けられている。
【0004】
第1のバンドパスフィルタ404と第2のバンドパスフィルタ405とはそれぞれ内部接地導体403で遮蔽された状態で積層されるため、2つのフィルタ間における干渉は小さくなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記のような構成では、第1のバンドパスフィルタ404や第2のバンドパスフィルタ405における、各バンドパスフィルタを挟む内部接地導体の間隔(すなわち、内部接地導体402と内部接地導体403との間隔や、内部接地導体401と内部接地導体403との間隔)は、積層体内部に1つだけ形成されたバンドパスフィルタ501の内部接地導体の間隔(すなわち、内部接地導体511と内部接地導体512との間隔)に比べて、狭くなる。
【0006】
なお、比較のために、従来の積層バンドパスフィルタ500の断面図である図5に、バンドパスフィルタ501を有する積層バンドパスフィルタ500を示した。
【0007】
図5においては、先ほどと同じ厚みdの積層体内部に1つだけ形成されたバンドパスフィルタ501は、内部接地導体511と内部接地導体512とに挟まれている。なお、ストリップ線路導体510(図5参照)は、バンドパスフィルタ501の厚みに関して、ほぼ中央に設けられている。
【0008】
本発明者は、第1のバンドパスフィルタ404や第2のバンドパスフィルタ405においては、バンドパスフィルタ501に比べてバンドパスフィルタを構成するストリップ線路導体のQ値が劣化し、デバイスとしての挿入損失が増大してしまうことに、気付いた。
【0009】
より具体的に述べると、本発明の、シールド間隔を変化させたときの、高周波共振回路のQ値のシミュレーションによる挙動解析の説明図である図10に示されているように、たとえば1200MHzにおける高周波共振回路のQ値は、(1)シールド間隔(前述の厚みdに相当する)が0.6mmである場合には38程度も確保されているが、(2)シールド間隔が0.4mmである場合には26程度に劣化してしまう。なお、この高周波共振回路は前述の積層バンドパスフィルタ500(図5参照)と類似した構成を有しており、ストリップ線路導体はバンドパスフィルタの厚みに関してほぼ中央に設けられている。
【0010】
本発明は、上記問題点に鑑み、小型・低損失な積層フィルタ、積層複合デバイス、および通信装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
第1の本発明は、複数の誘電体層が積層され一体化された積層体の内部または外部に形成された複数の接地導体と、
前記複数の接地導体の内の遮蔽機能を有する二つの接地導体に挟まれた、二段フィルタである第一のバンドパスフィルタと、
前記二つの接地導体に挟まれた、二段フィルタである第二のバンドパスフィルタとを備え、
前記第一のバンドパスフィルタと、前記第二のバンドパスフィルタとは、前記二つの接地導体に対して垂直な所定の面を境にして相異なる領域に形成されており、
前記第一のバンドパスフィルタは、前記積層体の内部または外部の一つの誘電体層の隅に形成された複数の第一の入出力端子と、前記積層体の内部または外部に形成された第一の接地端子と、共振器を構成するための第一の共振器容量導体をもつ層と、前記第一の入出力端子に接続される第一の入出力容量導体をもつ層と、第一の段間容量導体または飛び越し容量導体をもつ層と、前記積層体の内部に形成され、前記第一の接地端子及び前記第一の各容量導体に接続された複数の第一のストリップ線路導体とを有して、フィルタリング機能を発揮し、
前記第二のバンドパスフィルタは、前記積層体の内部または外部の、前記第一の入出力端子が形成された前記一つの誘電体層の、前記隅と、その層の中心に関して点対称な隅に形成された複数の第二の入出力端子と、前記積層体の内部または外部に形成された第二の接地端子と、共振器を構成するための第二の共振器容量導体をもつ層と、前記第二の入出力端子に接続される第二の入出力容量導体をもつ層と、第二の段間容量導体または飛び越し容量導体をもつ層と、前記積層体の内部に形成され、前記第二の接地端子及び前記第二の各容量導体に接続された複数の第二のストリップ線路導体とを有して、フィルタリング機能を発揮し、
前記第一のバンドパスフィルタの前記第一のストリップ線路導体と、前記第二のバンドパスフィルタの前記第二のストリップ線路導体とは、前記積層体の内部の所定の同一層に、逆向きに並列して形成されており、さらに、前記第一のストリップ線路導体と前記第二のストリップ線路導体との間には、それら第一及び第二のストリップ線路導体同士の電磁誘導を遮蔽するための遮蔽導体が、前記所定の同一層に形成され、
前記第一のバンドパスフィルタの前記第一の入出力端子と、前記第二のバンドパスフィルタの前記第二の入出力端子とは、互いに電気的に独立している、積層フィルタである。
第2の本発明は、前記第一のバンドパスフィルタが有する前記第一の共振器容量導体をもつ層と、前記第一のバンドパスフィルタが有する前記第二の共振器容量導体をもつ層とは、前記積層体の相異なる層に存する、第1の本発明の積層フィルタである。
第3の本発明は、前記第一のバンドパスフィルタが有する前記第一の入出力容量導体をもつ層と、前記第二のバンドパスフィルタが有する前記第二の入出力容量導体をもつ層とは、前記積層体の相異なる層に存する、第1の本発明の積層フィルタである。
第4の本発明は、前記第一のバンドパスフィルタが有する前記第一の段間容量導体または飛び越し容量導体をもつ層と、前記第二のバンドパスフィルタが有する前記第二の段間容量導体または飛び越し容量導体をもつ層とは、前記積層体の相異なる層に存する、第1の本発明の積層フィルタである。
第5の本発明は、前記第一のバンドパスフィルタの前記第一の共振器容量導体は、前記第一のストリップ線路導体と電気的に並列に接続され、前記二つの接地導体の内の何れかの接地導体と対向するように形成されている、第1の本発明の積層フィルタである。
第6の本発明は、前記第一の共振器容量導体は、前記二つの接地導体の内の何れかの接地導体と、前記二つの接地導体以外の所定の接地導体とで、挟み込まれている、第5の本発明の積層フィルタである。
第7の本発明は、前記第一のバンドパスフィルタと前記第二のバンドパスフィルタとは、相異なる周波数帯域を通過帯域とする、第1の本発明の積層フィルタである。
第8の本発明は、前記第一のバンドパスフィルタは二段有極フィルタであり、前記第二のバンドパスフィルタは二段有極フィルタである、第1〜7の何れかの本発明の積層フィルタである。
第9の本発明は、第1〜8の何れかの本発明の積層フィルタが内蔵された前記積層体と、
前記積層体に実装された集積回路とを備えた積層複合デバイスである。
第10の本発明は、送信または受信を行う手段と、
前記送信に利用されるべき送信信号または前記受信に利用されるべき受信信号に対してフィルタリングを行う第1〜8の何れかの本発明の積層フィルタと、
を備えた通信装置である。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明または本発明に関連する発明の実施の形態の積層バンドパスフィルタについて、図面を参照しながら説明する。
【0034】
(実施の形態1)
図1は本発明実施の形態1における積層バンドパスフィルタの分解斜視図を示すものである。
【0035】
本実施の形態の積層バンドパスフィルタの特徴は、(1)一定間隔離して配置され電磁的に結合されているストリップ線路導体128、129を有する第1のバンドパスフィルタ(図面上で左側の部分)と、(2)一定間隔離して配置され電磁的に結合されているストリップ線路導体131、132を有する第2のバンドパスフィルタ(図面上で右側の部分)とが、積層の方向ではなく積層の方向とは垂直な方向に配されているために、第1および第2のバンドパスフィルタを挟みシールド層として機能する最外側の内部接地導体119、142間の間隔が十分に確保され、ストリップ線路導体128、129、131、132のQ値の劣化が抑制される設計が可能となっている点にある。
【0036】
図1に示すように本発明実施の形態1の積層バンドパスフィルタは誘電体層101から誘電体層110までが順に積層され、積層体の大きさは5.0mm×5.0mmで高さは0.8mmである。また、それぞれの誘電体層は比誘電率εr=7である結晶相とガラス相からなる誘電体層であり、結晶相はMgSiOからなり、ガラス相はSi−Ba−La−B−O系からなる。積層体下面には、入出力端子111乃至114、接地端子115乃至118が形成されている。
【0037】
誘電体層101、107、109の上面には内部接地導体119、137、142がそれぞれ配置され、ビア導体を介して接地端子115乃至118に接続されている。誘電体層102の上面には容量導体120乃至123が配置され、ビア導体を介して入出力端子111乃至114にそれぞれ接続される。誘電体層103の上面には容量導体124乃至127が配置され、誘電体層104の上面にはストリップ線路導体128乃至132が配置されている。また、誘電体層105の上面には容量導体133、134が配置され、誘電体層106の上面には容量導体135、136が配置され、誘電体層108の上面には容量導体138乃至141が配置されている。
【0038】
更に、ストリップ線路導体128は一端がビア導体を介して内部接地導体119に接続され、他端がビア導体を介して容量導体124、135、138にそれぞれ接続されている。同様に、ストリップ線路導体129は一端がビア導体を介して内部接地導体119に接続され、他端がビア導体を介して容量導体125、133、139にそれぞれ接続され、ストリップ線路導体131は一端がビア導体を介して内部接地導体119に接続され、他端がビア導体を介して容量導体126、134、140にそれぞれ接続され、ストリップ線路導体132は一端がビア導体を介して内部接地導体119に接続され、他端がビア導体を介して容量導体127、141にそれぞれ接続されている。
【0039】
また、容量導体136は容量導体134と対向して配置され、ビア導体を介して入出力端子114に接続され、ストリップ線路導体130は第1のバンドパスフィルタと第2のバンドパスフィルタの境界に設けられた3個のビアホールを貫通するビア導体を介して内部接地導体137に接続されている。
【0040】
なお、ストリップ線路導体130は本発明の遮蔽導体に対応し、入出力端子111〜114は本発明の入出力端子に対応し、接地端子115〜118は本発明の接地端子に対応し、容量導体120〜127、133〜136、139〜141は本発明の容量導体に対応し、ストリップ線路導体128〜132は本発明のストリップ線路導体に対応する。また、誘電体層101〜110は本発明の誘電体層に対応し、内部接地導体119、137、142は本発明の接地導体に対応し、内部接地導体119、142は本発明の遮蔽機能を有する二つの接地導体に対応する。
【0041】
ここに、内部接地導体137は、遮蔽を目的としない内部接地導体であり、必須の素子ではない。ただし、内部接地導体137は、容量導体138〜141と容量結合して、高周波帯域で使用される場合などにも容量導体138〜141の容量を十分に確保するための機能を有する内部接地導体である。
【0042】
図1に示されているように、2つのバンドパスフィルタをそれぞれ構成するストリップ線路導体128、129とストリップ線路導体131、132との間に遮蔽導体として作用するストリップ線路導体130を設けたことにより、2つの積層バンドパスフィルタがお互いに悪影響を及ぼすことを抑制でき、アイソレーションも確保できる。
【0043】
また、2つの積層バンドパスフィルタを構成するストリップ線路導体128、129、131、132を内部接地導体119と137に挟まれた実質上中央に配置することにより、ストリップ線路導体のQ値の劣化を抑制することができ、挿入損失の小さい積層バンドパスフィルタを得ることができる。
【0044】
また、容量201、202、及び容量209、210を形成する容量導体120乃至127をストリップ線路導体層と内部接地導体119とのほぼ中央に配置し、容量208、216を形成する容量導体133乃至136をストリップ線路導体層と内部接地導体137とのほぼ中央に配置することにより、各容量導体が形成する容量のQ値の劣化を抑制し、挿入損失の小さい積層バンドパスフィルタを得ることができる。
【0045】
また、容量導体138乃至141は接地導体137、142に対向して配置し、さらに2つの接地導体137、142で容量導体138乃至141を挟むことにより、容量導体層を省略することができ、デバイスを低背化することができるとともに、大きな容量も形成することができ、設計の自由度が大きくなる。
【0046】
また、第1のバンドパスフィルタの入出力端子111、112の間に接地端子115を設け、第2のバンドパスフィルタの入出力端子113、114の間に接地端子116を設けたことにより、各バンドパスフィルタの入出力端子間のアイソレーションを確保できる。また、第1のバンドパスフィルタの入出力端子111、112と第2のバンドパスフィルタの入出力端子113、114とを積層体の中心に対してほぼ対称の位置に配置したことで、2つのバンドパスフィルタ間のアイソレーションも確保できる。
【0047】
つぎに、以上のように構成された積層バンドパスフィルタの回路的な構成について、図2(a)〜(b)を参照しながら説明する。
【0048】
図2(a)〜(b)はそれぞれ図1における第1及び第2のバンドパスフィルタの等価回路を示しており、図1に対応する素子には同じ符号を用いている。
【0049】
なお、前者の回路構成(図2(a)参照)は通過帯域の低域側に減衰極を形成するための回路構成であり、後者の回路構成(図2(b)参照)は通過帯域の高域側に減衰極を形成するための回路構成である。したがって、本実施の形態においては、第1のバンドパスフィルタには前者の回路構成(図2(a)参照)を利用し、第2のバンドパスフィルタには後者の回路構成(図2(b)参照)を利用するが、これに限らず、たとえば、第1、第2のバンドパスフィルタの両方に前者の回路構成(図2(a)参照)を利用するなどしてもよいことは、いうまでもない。
【0050】
はじめに、図2(a)の等価回路を持つ第1のバンドパスフィルタの構成について説明する。
【0051】
容量201は、容量導体120、124(図1参照)で形成された入出力容量導体である。また、容量202は、容量導体121、125(図1参照)で形成された入出力容量導体である。
【0052】
容量208は、容量導体133、135(図1参照)で形成された段間容量導体である。
【0053】
容量203は、接地導体137(図1参照)と、接地導体142(図1参照)と、接地導体137、142の間にある容量導体138(図1参照)とで形成された共振器容量導体である。また、容量204は、接地導体137(図1参照)と、接地導体142(図1参照)と、接地導体137、142の間にある容量導体139(図1参照)とで形成された共振器容量導体である。
【0054】
インダクタ205、206は、それぞれストリップ線路導体128、129(図1参照)によって形成されている。
【0055】
更に、容量201、202は、それぞれ入出力端子111、112(図1参照)に接続されている。また、インダクタ205と容量203とは並列に接続され、インダクタ206と容量204とは並列に接続され、これらが段間容量導体である容量208によって結合されることによって2段の有極バンドパスフィルタが構成される。また、インダクタ205、206の間には相互インダクタ207が作用し、相互インダクタ207に並列に接続された容量208によって共振回路が構成されている。
【0056】
このようにして、通過帯域の低域側に減衰極を形成して、図2(a)の等価回路を持つ第1のバンドパスフィルタが構成される。
【0057】
つぎに、図2(b)の等価回路を持つ第2のバンドパスフィルタの構成について説明する。
【0058】
容量209は、容量導体122、126(図1参照)で形成された入出力容量導体である。また、容量210は、容量導体123、127(図1参照)で形成された入出力容量導体である。
【0059】
容量216は、容量導体134、136(図1参照)で形成された飛び越し容量導体である。
【0060】
容量211は接地導体137(図1参照)と、接地導体142(図1参照)と、接地導体137、142の間に形成された容量導体140(図1参照)とで形成された共振器容量導体である。また、容量212は接地導体137(図1参照)と、接地導体142(図1参照)と、接地導体137、142の間に形成された容量導体141(図1参照)とで形成された共振器容量導体である。
【0061】
インダクタ213、214は、それぞれストリップ線路導体131、132(図1参照)によって形成されている。また、容量209、210はそれぞれ入出力端子113、114(図1参照)に接続されている。また、インダクタ213と容量211とは並列に接続され、インダクタ214と容量212とは並列に接続されることによって2段の有極バンドパスフィルタが構成される。また、インダクタ213、214の間には相互インダクタ215が作用し、飛び越し容量導体である容量216を形成する容量導体136(図1参照)が入出力端子114(図1参照)に接続されることによって共振回路が構成されている。
【0062】
このようにして、通過帯域の高域側に減衰極を形成して、図2(b)の等価回路を持つ第2のバンドパスフィルタが構成される。
【0063】
また、誘電体層104に形成されるストリップ線路導体130は、複数のビア導体を介して接地されることで、第1のバンドパスフィルタを構成するストリップ線路導体128、129と、第2のバンドパスフィルタを構成するストリップ線路導体131、132とが電磁結合することを抑制する遮蔽導体として作用する。
【0064】
このように、実施の形態1によれば、内部接地導体間隔を狭めることなく2つのバンドパスフィルタを持つ積層バンドパスフィルタを構成することができるため、2つのバンドパスフィルタを構成するストリップ線路導体のQ値を劣化させることがなく、2つの低損失なバンドパスフィルタを備えた積層バンドパスフィルタとすることができる。
【0065】
なお、上述した実施の形態では、遮蔽導体として作用するストリップ線路導体130は、3個のビア導体を介して内部接地導体137に接続されているが(図1参照)、これに限らず、遮蔽導体として作用するストリップ線路導体130は、外部導体を介して接地されていてもよい。
【0066】
また、上述した実施の形態では、ストリップ線路導体128、129の同じ側の端部が内部接地導体119に接続されていたが(図1参照)、これに限らず、たとえば、ストリップ線路導体128、129の異なる側の端部が内部接地導体119に接続されていてもよい。このように、ストリップ線路導体128、129の異なる側の端部が内部接地導体119に接続されている場合の方が、ストリップ線路導体128、129の同じ側の端部が内部接地導体119に接続されている場合に比べて、使用可能な帯域が広がって広帯域化が実現できる。
【0067】
(実施の形態2)
以下本発明の実施の形態2の積層バンドパスフィルタについて図面を参照しながら説明する。
【0068】
図3は本発明の実施の形態2における積層バンドパスフィルタの分解斜視図を示すものである。図3に示すように、本発明の実施の形態2の積層バンドパスフィルタは誘電体層301から311までが順に積層され、積層体の大きさは5.0mm×5.0mmで高さは0.8mmである。また、それぞれの誘電体層は比誘電率εr=7である結晶相とガラス相からなる誘電体層であり、結晶相はMg2SiO4からなり、ガラス相はSi−Ba−La−B−O系からなる。積層体下面には、入出力端子312乃至315、接地端子316乃至319が形成されている。
【0069】
誘電体層301、308、310の上面には内部接地導体320、340、343がそれぞれ配置され、ビア導体を介して接地端子316乃至319に接続されている。誘電体層302の上面には容量導体321、322が配置され、誘電体層303の上面には容量導体323乃至325が配置され、ビア導体を介して入出力端子312乃至314にそれぞれ接続される。
【0070】
誘電体層304の上面には容量導体326乃至328が配置され、誘電体層305の上面にはストリップ線路導体329乃至333が配置され、誘電体層306の上面には容量導体334乃至336が配置され、誘電体層307の上面には容量導体337乃至339が配置され、誘電体層309の上面には容量導体341、342が配置されている。
【0071】
更に、ストリップ線路導体329は一端がビア導体を介して内部接地導体320に接続され、他端がビア導体を介して容量導体326、337、341にそれぞれ接続されている。同様に、ストリップ線路導体330は一端がビア導体を介して内部接地導体320に接続され、他端がビア導体を介して容量導体327、334、342にそれぞれ接続され、ストリップ線路導体332は一端がビア導体を介して内部接地導体320に接続され、他端がビア導体を介して容量導体321、328、335にそれぞれ接続され、ストリップ線路導体333は一端がビア導体を介して内部接地導体320に接続され、他端がビア導体を介して容量導体322、336にそれぞれ接続されている。
【0072】
また、容量導体338、339は容量導体335、336と対向して配置され、ビア導体を介して入出力端子315、314にそれぞれ接続され、ストリップ線路導体331は3個のビア導体を介して内部接地導体340に接続されている。
【0073】
なお、ストリップ線路導体331は本発明の遮蔽導体に対応し、入出力端子312〜315は本発明の入出力端子に対応し、接地端子316〜319は本発明の接地端子に対応し、容量導体321〜328、334〜339、341、342は本発明の容量導体に対応し、ストリップ線路導体329〜333は本発明のストリップ線路導体に対応する。また、誘電体層301〜311は本発明の誘電体層に対応し、内部接地導体320、340、343は本発明の接地導体に対応し、内部接地導体320、343は本発明の遮蔽機能を有する二つの接地導体に対応する。
【0074】
図3の積層バンドパスフィルタの等価回路は実施の形態1と同様であって、図2(a)〜(b)で示している。
【0075】
実施の形態1と異なるのは、2つのバンドパスフィルタにおいて回路上同様の作用を持つ容量導体を異なる平面上に配置したことである。
【0076】
すなわち、第1のバンドパスフィルタの共振器容量導体である容量203、204を形成する容量導体341、342は誘電体層309上に配置し、第2のバンドパスフィルタの共振器容量導体である211、212を形成する容量導体321、322は誘電体層302上に配置している。また、第1のバンドパスフィルタの入出力容量導体である容量201、202は誘電体層304に形成し、第2のバンドパスフィルタの入出力容量導体である容量209、210は誘電体層307に形成している。
【0077】
このように、実施の形態2によれば、本発明実施の形態1と同様の効果が得られるだけでなく、回路上同様の作用を持つ容量導体を異なる誘電体層に形成したことにより、2つのバンドパスフィルタを構成する容量導体間の干渉を小さくすることができ、2つのバンドパスフィルタ間のアイソレーションをさらに確保することができる。
【0078】
(実施の形態3)
以下本発明に関連する発明の実施の形態3の積層フィルタについて図面を参照しながら説明する。
【0079】
図6は、本発明に関連する発明の実施の形態3における積層フィルタの分解斜視図を示すものである。
【0080】
本実施の形態においては、第1のフィルタ(図面上で左側の部分)をバンドエリミネーションフィルタで構成し、第2のフィルタをバンドパスフィルタ(図面上で右側の部分)で構成している。
【0081】
図6に示すように、本発明に関連する発明の実施の形態3の積層フィルタは、誘電体層701から711までが順に積層された構成を有している。
【0082】
ここに、積層体の大きさは5.0mm×5.0mmであり、高さは0.8mmである。また、それぞれの誘電体層は、比誘電体率εr=7である結晶相とガラス相とからなる誘電体層であり、結晶相はMg2SiO4からなり、ガラス相はSi−Ba−La−B−O系からなる。
【0083】
積層体下面には、入出力端子712乃至715および接地端子716乃至719が形成されている。
【0084】
誘電体層701、708、710の上面には、内部接地導体720、740、743がそれぞれ配置され、ビア導体を介して接地端子716乃至719に接続されている。誘電体層702の上面には、容量導体721乃至724が配置され、ビア導体を介して入出力端子712乃至714にそれぞれ接続されている。
【0085】
誘電体層703の上面には容量導体725乃至728が配置され、誘電体層704の上面には容量導体729、730が配置され、誘電体層705の上面にはストリップ線路導体731乃至735が配置され、誘電体層706の上面には容量導体736、737が配置され、誘電体層707の上面には容量導体738、739が配置され、誘電体層709の上面には容量導体741、742が配置されている。
【0086】
ストリップ線路導体731は、一端がビア導体を介して内部接地導体720に接続され、他端がビア導体を介して容量導体729に接続されている。また、ストリップ線路導体732は、一端がビア導体を介して内部接地導体720に接続され、他端がビア導体を介して容量導体730に接続されている。また、ストリップ線路導体734は、一端がビア導体を介して内部接地導体720に接続され、他端がビア導体を介して容量導体727、737、741にそれぞれ接続されている。また、ストリップ線路導体735は、一端がビア導体を介して内部接地導体720に接続され、他端がビア導体を介して容量導体728、739、742にそれぞれ接続されている。
【0087】
容量導体725はビア導体を介して容量導体736に接続され、容量導体726はビア導体を介して容量導体738に接続されている。また、容量導体739は、容量導体737と対向して配置され、ビア導体を介して入出力端子714に接続されている。また、ストリップ線路導体733は、3個のビア導体を介して内部接地導体740に接続されている。
【0088】
つぎに、以上のように構成された積層フィルタの回路的な構成について、図2(b)および図7を参照しながら説明する。
【0089】
前述した実施の形態1〜2と異なるのは、2つのフィルタの内の一方をバンドエリミネーションフィルタで構成したことである。すなわち、本実施の形態の積層フィルタ(図6参照)においては、第1のフィルタ(図面上で左側の部分)をバンドエリミネーションフィルタで構成し、第2のフィルタ(図面上で右側の部分)をバンドパスフィルタで構成している。
【0090】
容量7701は容量導体721、725で形成され、容量7702は容量導体722、726で形成されている。また、容量7708は容量導体736、738で形成されている。また、容量7703は容量導体725、729で形成され、容量7704は容量導体726、730で形成されている。ここに、容量7701、7703の形成を行うために容量導体725を共用し、容量7702、7704の形成を行うために容量導体726を共用しているために、部品点数が削減されている。
【0091】
また、インダクタ7705、7706は、それぞれストリッフ線路導体731、732によって形成されている。
【0092】
容量7701、7702は、それぞれ入出力端子712、713に接続されている。また、インダクタ7705と容量7703とは直列に接続され、インダクタア7706と容量7704とは直列に接続され、容量7708によって結合されることによって、2段のバンドエリミネーションフィルタが構成される。
【0093】
インダクタ7705、7706の間には相互インダクタ7707が作用し、相互インダクタ7707に並列に接続された容量7708によって共振回路が構成される。かくして、阻止帯域が形成され、図7の等価回路を持つ第1のフィルタ(バンドエリミネーションフィルタ)が構成される。
【0094】
つぎに、容量209は容量導体723、727で形成され、容量210は容量導体724、728で形成され、容量216は容量導体737、739で形成されている。また、容量211は、内部接地導体740、743と、内部接地導体740と内部接地導体743との間に形成された容量導体741とで形成されている。また、容量212は、内部接地導体740、743と、内部接地導体740と内部接地導体743との間に形成された容量導体742とで形成されている。
【0095】
インダクタ213、214は、それぞれストリップ線路導体734、735によって形成される。また、容量209、210は、それぞれ入出力端子215、214に接続されている。また、インダクタ213と容量211、インダクタ214と容量212とは、それぞれ並列に接続されることによって、2段の有極バンドパスフィルタが構成される。
【0096】
インダクタ213、214の間には相互インダクタ215が作用し、飛び越し容量216を形成する容量導体739が入出力端子714に接続されることによって、共振回路が構成される。かくして、通過帯域の高域側に減衰極が形成され、図2(b)の等価回路を持つ第2のフィルタ(バンドパスフィルタ)が構成される。
【0097】
誘電体層705に形成されるストリップ線路導体733は、複数のビア導体を介して接地されることで、2つのフィルタをそれぞれ構成する、ストリップ線路導体731、732とストリップ線路導体734、735とが電磁結合することを抑制する遮蔽導体として作用する。
【0099】
以上のように本発明に関連する発明の実施の形態3によれば、上述した実施の形態1〜2で得られた効果のみならず、異なる回路構成で異なる機能を備えた2つのフィルタを1つのデバイス内に備えることができるため、システム設計の自由度がより大きくなる。
【0100】
以上においては、本実施の形態1〜3について詳細に説明した。
【0101】
なお、上述した本発明または本発明に関連する発明の実施の形態では、誘電体層として、比誘電率εr=7、誘電損失tanδ=2.0×10-4である結晶相とガラス相からなる誘電体シートを例として述べたが、比誘電率εr=5〜10である結晶相とガラス相からなる誘電体シートを用いても同様の効果が得られる。また、結晶相としてはMg2SiO4、ガラス相としてSi−Ba−La−B−O系を例として述べたが、Al23、MgO、SiO2及びROaのうち少なくとも1つを含有する結晶相とガラス相を用いても同様の効果が得られる。ここで、上述のROaにおけるRはLa、Ce、Pr、Nd、Sm及びGdから選ばれる少なくとも1つの元素であって、aはRの価数に応じて化学量論的に定まる数値である。また、積層体の大きさは5.0mm×5.0mm、高さは0.8mmを例として述べたが、積層体の大きさ、高さに関わらず同様の効果が得られる。
【0102】
また、上述した本発明実施の形態1では、たとえば、(1)第1のバンドパスフィルタが有する入出力容量導体である容量201、202(図2(a)参照)をもつ層と、第2のバンドパスフィルタが有する入出力容量導体である容量209、210(図2(b)参照)をもつ層とは、積層体の相等しい層に存し、(2)第1のバンドパスフィルタが有する段間容量導体である容量208(図2(a)参照)をもつ層と、第2のバンドパスフィルタが有する飛び越し容量導体である容量216(図2(b)参照)をもつ層とは、積層体の相等しい層に存していた。しかし、これに限らず、たとえば、本発明実施の形態1における積層バンドパスフィルタの積層構造のまた別の一例の説明図である図8に示されているように、(1)第1のバンドパスフィルタBPF1が有する入出力容量導体である容量201、202をもつ層と、第2のバンドパスフィルタBPF2が有する入出力容量導体である容量209、210をもつ層とは、積層体の相異なる層に存し、(2)段間容量導体である容量208をもつ層と、飛び越し容量導体である容量216をもつ層とは、積層体の相異なる層に存していてもよい(図8においては、容量201、202と容量216とが十分な距離D1を隔てて同一の層に配され、容量208と容量209、210とが十分な距離D2を隔てて同一の層に配されている)。このように、回路上同様の作用を持つ容量導体を異なる誘電体層に形成した場合の方が、2つのフィルタを構成する容量導体間の干渉を小さくすることができ、2つのフィルタ間のアイソレーションをさらに確保することができる。もちろん、第一のフィルタ、第二のフィルタの内の少なくとも一方をバンドエリミネーションフィルタとする場合にも、同様の工夫で2つのフィルタ間のアイソレーションをさらに確保することができることは、いうまでもない。
【0103】
また、上述した各実施の形態の積層フィルタ内の2つのフィルタは、異なる周波数特性を有していてもよい。そして、2つのフィルタが異なる周波数特性を有している場合、より低い周波数を通過帯域とするフィルタを構成する導体の占有体積(占有面積)の方が、他方のフィルタを構成する導体の占有体積より大きくとられていてもよい。ただし、一のフィルタ、第二のフィルタ同じ種類のフィルタとする場合(たとえば、第一のフィルタ、第二のフィルタともにバンドエリミネーションフィルタとする場合)には、同様の工夫でフィルタ特性の向上が期待できるが、一のフィルタ、第二のフィルタ異なる種類のフィルタとする場合(たとえば、第一のフィルタバンドパスフィルタとし、第二のフィルタバンドエリミネーションフィルタとする場合)には、回路構成の相違がともなうためこの限りではない。なお、上述したフィルタ特性の向上とは、より具体的には、フィルタがバンドパスフィルタである場合には通過帯域における損失量の低減であり、フィルタがバンドエリミネーションフィルタである場合には阻止帯域における減衰量の確保である。
【0104】
また、上述した各実施の形態の積層フィルタの前段あるいは後段に接続されるLNA(low noise amplifier)やミキサ等と整合するためのキャパシタやインダクタなどの回路素子が配置されていて、積層フィルタ内の2つのフィルタの各入出力端子が上記の回路素子と電気的に接続されていてもよい。
【0105】
また、本発明または本発明に関連する発明の積層フィルタを内蔵する積層体の上部にLNAやミキサ等を内蔵したIC(integrated circuit)を実装し、積層フィルタと接続することにより形成されるICとの積層複合デバイスも、本発明または本発明に関連する発明に属する。
【0106】
また、たとえば、本発明の実施の形態の通信装置の構成図である図9に示されているような、増幅器1002、スイッチ1004、アンテナ1005を利用して送信を行うための送信回路1001と、アンテナ1005、スイッチ1004、増幅器1007を利用して受信を行うための受信回路1008と、送信に利用すべき送信信号に対してフィルタリングを行うためのバンドパスフィルタ1003と、受信に利用すべき受信信号に対してフィルタリングを行うためのバンドパス1006とを備えた通信装置も、本発明に属する。
【0107】
【発明の効果】
以上説明したところから明らかなように、本発明は、小型・低損失な積層フィルタ、積層複合デバイス、および通信装置を提供することができるという長所を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明実施の形態1における積層バンドパスフィルタの分解斜視図である。
【図2】 (a)本発明実施の形態1〜2におけるバンドパスフィルタの等価回路図である。
(b)本発明または本発明に関連する発明の実施の形態1〜3におけるバンドパスフィルタの等価回路図である。
【図3】 本発明の実施の形態2における積層バンドパスフィルタの分解斜視図である。
【図4】 従来の積層バンドパスフィルタ400の断面図である。
【図5】 従来の積層バンドパスフィルタ500の断面図である。
【図6】 本発明に関連する発明の実施の形態3における積層フィルタの分解斜視図である。
【図7】 本発明に関連する発明の実施の形態3におけるバンドエリミネーションフィルタの等価回路図である。
【図8】 本発明実施の形態1における積層バンドパスフィルタの積層構造のまた別の一例の説明図である。
【図9】 本発明の実施の形態の通信装置の構成図である。
【図10】 本発明の、シールド間隔を変化させたときの、高周波共振回路のQ値のシミュレーションによる挙動解析の説明図である。
【符号の説明】
101〜110、301〜311 誘電体層
111〜114、312〜315 入出力端子
115〜118、316〜319 接地端子
119、137、142、320、340、343 内部接地導体
120〜127、133〜136、139〜141、321〜328、334〜339、341、342 容量導体
128〜132、329〜333 ストリップ線路導体
201〜204、208〜212、216 容量
205、206、211、212 インダクタ
207、215 相互インダクタ

Claims (10)

  1. 複数の誘電体層が積層され一体化された積層体の内部または外部に形成された複数の接地導体と、
    前記複数の接地導体の内の遮蔽機能を有する二つの接地導体に挟まれた、二段フィルタである第一のバンドパスフィルタと、
    前記二つの接地導体に挟まれた、二段フィルタである第二のバンドパスフィルタとを備え、
    前記第一のバンドパスフィルタと、前記第二のバンドパスフィルタとは、前記二つの接地導体に対して垂直な所定の面を境にして相異なる領域に形成されており、
    前記第一のバンドパスフィルタは、前記積層体の内部または外部の一つの誘電体層の隅に形成された複数の第一の入出力端子と、前記積層体の内部または外部に形成された第一の接地端子と、共振器を構成するための第一の共振器容量導体をもつ層と、前記第一の入出力端子に接続される第一の入出力容量導体をもつ層と、第一の段間容量導体または飛び越し容量導体をもつ層と、前記積層体の内部に形成され、前記第一の接地端子及び前記第一の各容量導体に接続された複数の第一のストリップ線路導体とを有して、フィルタリング機能を発揮し、
    前記第二のバンドパスフィルタは、前記積層体の内部または外部の、前記第一の入出力端子が形成された前記一つの誘電体層の、前記隅と、その層の中心に関して点対称な隅に形成された複数の第二の入出力端子と、前記積層体の内部または外部に形成された第二の接地端子と、共振器を構成するための第二の共振器容量導体をもつ層と、前記第二の入出力端子に接続される第二の入出力容量導体をもつ層と、第二の段間容量導体または飛び越し容量導体をもつ層と、前記積層体の内部に形成され、前記第二の接地端子及び前記第二の各容量導体に接続された複数の第二のストリップ線路導体とを有して、フィルタリング機能を発揮し、
    前記第一のバンドパスフィルタの前記第一のストリップ線路導体と、前記第二のバンドパスフィルタの前記第二のストリップ線路導体とは、前記積層体の内部の所定の同一層に、逆向きに並列して形成されており、さらに、前記第一のストリップ線路導体と前記第二のストリップ線路導体との間には、それら第一及び第二のストリップ線路導体同士の電磁誘導を遮蔽するための遮蔽導体が、前記所定の同一層に形成され、
    前記第一のバンドパスフィルタの前記第一の入出力端子と、前記第二のバンドパスフィルタの前記第二の入出力端子とは、互いに電気的に独立している、積層フィルタ。
  2. 前記第一のバンドパスフィルタが有する前記第一の共振器容量導体をもつ層と、前記第二のバンドパスフィルタが有する前記第二の共振器容量導体をもつ層とは、前記積層体の相異なる層に存する、請求項1記載の積層フィルタ。
  3. 前記第一のバンドパスフィルタが有する前記第一の入出力容量導体をもつ層と、前記第二のバンドパスフィルタが有する前記第二の入出力容量導体をもつ層とは、前記積層体の相異なる層に存する、請求項1記載の積層フィルタ。
  4. 前記第一のバンドパスフィルタが有する前記第一の段間容量導体または飛び越し容量導体をもつ層と、前記第二のバンドパスフィルタが有する前記第二の段間容量導体または飛び越し容量導体をもつ層とは、前記積層体の相異なる層に存する、請求項1記載の積層フィルタ。
  5. 前記第一のバンドパスフィルタの前記第一の共振器容量導体は、前記第一のストリップ線路導体と電気的に並列に接続され、前記二つの接地導体の内の何れかの接地導体と対向するように形成されている、請求項1記載の積層フィルタ。
  6. 前記第一のバンドパスフィルタの前記第一の共振器容量導体は、前記二つの接地導体の内の何れかの接地導体と、前記二つの接地導体以外の所定の接地導体とで、挟み込まれている、請求項5記載の積層フィルタ。
  7. 前記第一のバンドパスフィルタと前記第二のバンドパスフィルタとは、相異なる周波数帯域を通過帯域とする、請求項1記載の積層フィルタ。
  8. 前記第一のバンドパスフィルタは二段有極フィルタであり、前記第二のバンドパスフィルタは二段有極フィルタである、請求項1〜7の何れかに記載の積層フィルタ。
  9. 請求項1〜8の何れかに記載の積層フィルタが内蔵された前記積層体と、
    前記積層体に実装された集積回路とを備えた積層複合デバイス。
  10. 送信または受信を行う手段と、
    前記送信に利用されるべき送信信号または前記受信に利用されるべき受信信号に対してフィルタリングを行う請求項1〜8の何れかに記載の積層フィルタと、
    を備えた通信装置。
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