JPH08316035A - 電子部品 - Google Patents
電子部品Info
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- JPH08316035A JPH08316035A JP14946495A JP14946495A JPH08316035A JP H08316035 A JPH08316035 A JP H08316035A JP 14946495 A JP14946495 A JP 14946495A JP 14946495 A JP14946495 A JP 14946495A JP H08316035 A JPH08316035 A JP H08316035A
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- inductance
- electrode
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 インダクタンス電極を内蔵する積層型の電子
部品において、インダクタンス電極間の磁気結合の小さ
い電子部品を得る。 【構成】 誘電体層14,30,46に、グランド電極
16,32,48を形成する。誘電体層18,26に、
コンデンサ電極20a,20b,28a,28bを形成
する。誘電体層22に、共通電極24を形成する。シー
ルド電極36を形成した複数の誘電体層34,44の間
に、インダクタンス電極40a,40bを形成した誘電
体層38を配置する。インダクタンス電極40a,40
b間にシールド電極36を形成し、インダクタンス電極
40a,40bから入出力電極42a,42bを引き出
す。グランド電極16,32,48とインダクタンス電
極40a,40bを接続する。コンデンサ電極20a,
28aを接続し、コンデンサ電極20b,28bを接続
する。
部品において、インダクタンス電極間の磁気結合の小さ
い電子部品を得る。 【構成】 誘電体層14,30,46に、グランド電極
16,32,48を形成する。誘電体層18,26に、
コンデンサ電極20a,20b,28a,28bを形成
する。誘電体層22に、共通電極24を形成する。シー
ルド電極36を形成した複数の誘電体層34,44の間
に、インダクタンス電極40a,40bを形成した誘電
体層38を配置する。インダクタンス電極40a,40
b間にシールド電極36を形成し、インダクタンス電極
40a,40bから入出力電極42a,42bを引き出
す。グランド電極16,32,48とインダクタンス電
極40a,40bを接続する。コンデンサ電極20a,
28aを接続し、コンデンサ電極20b,28bを接続
する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は電子部品に関し、特に
たとえば、積層型インダクタンスを含む電子部品に関す
る。
たとえば、積層型インダクタンスを含む電子部品に関す
る。
【0002】
【従来の技術】図9は従来の電子部品の一例としてのバ
ンドパスフィルタを示す分解斜視図である。フィルタ1
は、複数の誘電体層2を含む。3つの誘電体層2上に
は、それぞれグランド電極3a,3b,3cが形成され
る。2つのグランド電極3a,3b間において、2つの
誘電体層2上に、コンデンサ電極4a,4bおよびコン
デンサ電極5a,5bが形成される。コンデンサ電極4
a,4bとコンデンサ電極5a,5bとの間の誘電体層
2上には、共通電極6が形成される。共通電極6は、コ
ンデンサ電極4a,4bおよびコンデンサ電極5a,5
bの全てに対向するように形成される。
ンドパスフィルタを示す分解斜視図である。フィルタ1
は、複数の誘電体層2を含む。3つの誘電体層2上に
は、それぞれグランド電極3a,3b,3cが形成され
る。2つのグランド電極3a,3b間において、2つの
誘電体層2上に、コンデンサ電極4a,4bおよびコン
デンサ電極5a,5bが形成される。コンデンサ電極4
a,4bとコンデンサ電極5a,5bとの間の誘電体層
2上には、共通電極6が形成される。共通電極6は、コ
ンデンサ電極4a,4bおよびコンデンサ電極5a,5
bの全てに対向するように形成される。
【0003】さらに、2つのグランド電極3b,3c間
の誘電体層2上には、2つのインダクタンス電極7a,
7bが形成される。インダクタンス電極7a,7bは、
誘電体層2の一端から内側に向かって、約1ターンのコ
イル状に形成される。これらのインダクタンス電極7
a,7bの中間部から、入出力電極8a,8bが引き出
される。これらの誘電体層2が積層された積層体の外側
面には、外部電極が形成される。これらの外部電極によ
って、インダクタンス素子7a,7bの一端が、グラン
ド電極3a,3b,3cに接続される。また、外部電極
によって、コンデンサ電極4a,5aが接続され、コン
デンサ電極4b,5bが接続される。
の誘電体層2上には、2つのインダクタンス電極7a,
7bが形成される。インダクタンス電極7a,7bは、
誘電体層2の一端から内側に向かって、約1ターンのコ
イル状に形成される。これらのインダクタンス電極7
a,7bの中間部から、入出力電極8a,8bが引き出
される。これらの誘電体層2が積層された積層体の外側
面には、外部電極が形成される。これらの外部電極によ
って、インダクタンス素子7a,7bの一端が、グラン
ド電極3a,3b,3cに接続される。また、外部電極
によって、コンデンサ電極4a,5aが接続され、コン
デンサ電極4b,5bが接続される。
【0004】このバンドパスフィルタ1は、図10に示
す等価回路を有する。この等価回路からわかるように、
バンドパスフィルタ1には、インダクタンスとキャパシ
タンスとからなる2つの共振器が、別のキャパシタンス
を介して結合している。
す等価回路を有する。この等価回路からわかるように、
バンドパスフィルタ1には、インダクタンスとキャパシ
タンスとからなる2つの共振器が、別のキャパシタンス
を介して結合している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このようなバンドパス
フィルタでは、インダクタンス電極が隣接して形成され
ているため、インダクタンス電極間に磁気結合が生じ
る。同じ数の共振器を有するバンドパスフィルタで比べ
ると、図11に示すように、通常、共振器が磁気結合し
ているものより、容量結合しているもののほうが、通過
帯域外の減衰量が大きい。したがって、良好な特性を有
するフィルタを得るためには、インダクタンス電極間の
磁気結合を小さくすることが望ましい。
フィルタでは、インダクタンス電極が隣接して形成され
ているため、インダクタンス電極間に磁気結合が生じ
る。同じ数の共振器を有するバンドパスフィルタで比べ
ると、図11に示すように、通常、共振器が磁気結合し
ているものより、容量結合しているもののほうが、通過
帯域外の減衰量が大きい。したがって、良好な特性を有
するフィルタを得るためには、インダクタンス電極間の
磁気結合を小さくすることが望ましい。
【0006】インダクタンス電極間の磁気結合を小さく
するために、インダクタンス電極の周囲にグランド電極
を形成することが考えられる。しかしながら、積層型フ
ィルタの場合、セラミックグリーンシートを積層圧着
し、焼成することによって形成されるため、各電極は各
誘電体層に平行に形成され、誘電体層と直交する向きの
電極を形成することは困難である。また、複数のインダ
クタンス電極を積層体の厚み方向に形成し、インダクタ
ンス電極間にグランド電極を形成することが考えられ
る。しかしながら、このような方法では、インダクタン
ス電極で発生した磁界がグランド電極で邪魔され、イン
ダクタンスのQ特性が悪くなるなどの問題がある。この
ようなグランド電極の影響を小さくするために、インダ
クタンス電極とグランド電極との間隔を大きくすれば、
素子が大型化していまう。
するために、インダクタンス電極の周囲にグランド電極
を形成することが考えられる。しかしながら、積層型フ
ィルタの場合、セラミックグリーンシートを積層圧着
し、焼成することによって形成されるため、各電極は各
誘電体層に平行に形成され、誘電体層と直交する向きの
電極を形成することは困難である。また、複数のインダ
クタンス電極を積層体の厚み方向に形成し、インダクタ
ンス電極間にグランド電極を形成することが考えられ
る。しかしながら、このような方法では、インダクタン
ス電極で発生した磁界がグランド電極で邪魔され、イン
ダクタンスのQ特性が悪くなるなどの問題がある。この
ようなグランド電極の影響を小さくするために、インダ
クタンス電極とグランド電極との間隔を大きくすれば、
素子が大型化していまう。
【0007】それゆえに、この発明の主たる目的は、イ
ンダクタンス電極を内蔵する積層型の電子部品におい
て、インダクタンス電極間の磁気結合の小さい電子部品
を提供することである。
ンダクタンス電極を内蔵する積層型の電子部品におい
て、インダクタンス電極間の磁気結合の小さい電子部品
を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明は、複数の誘電
体層と、少なくとも1つの誘電体層に形成される複数の
インダクタンス電極とを含む積層型の電子部品であっ
て、複数のインダクタンス電極の間において誘電体層上
にシールド電極の層を形成した、電子部品である。この
電子部品において、さらに、複数の前記誘電体層に形成
され、互いに対向するように配置される複数のコンデン
サ電極を付加してもよい。
体層と、少なくとも1つの誘電体層に形成される複数の
インダクタンス電極とを含む積層型の電子部品であっ
て、複数のインダクタンス電極の間において誘電体層上
にシールド電極の層を形成した、電子部品である。この
電子部品において、さらに、複数の前記誘電体層に形成
され、互いに対向するように配置される複数のコンデン
サ電極を付加してもよい。
【0009】
【作用】インダクタンス電極の間にシールド電極の層を
形成することにより、隣接するインダクタンス電極に影
響を及ぼす磁界が吸収される。そのため、隣接するイン
ダクタンス電極で発生する磁界が、互いに影響し合わな
い。また、複数のコンデンサ電極を形成することによ
り、キャパシタンスが形成される。したがって、インダ
クタンス電極とコンデンサ電極とによって、フィルタな
どの電子部品が形成される。
形成することにより、隣接するインダクタンス電極に影
響を及ぼす磁界が吸収される。そのため、隣接するイン
ダクタンス電極で発生する磁界が、互いに影響し合わな
い。また、複数のコンデンサ電極を形成することによ
り、キャパシタンスが形成される。したがって、インダ
クタンス電極とコンデンサ電極とによって、フィルタな
どの電子部品が形成される。
【0010】
【発明の効果】この発明によれば、インダクタンス電極
間の磁気結合を小さくすることができるため、たとえば
バンドパスフィルタなどに応用した場合、通過帯域外の
減衰量を大きくすることができる。フィルタ以外の積層
型の電子部品においても、インダクタンス電極間の磁気
結合を小さくすることにより、良好な特性を得ることが
できる。
間の磁気結合を小さくすることができるため、たとえば
バンドパスフィルタなどに応用した場合、通過帯域外の
減衰量を大きくすることができる。フィルタ以外の積層
型の電子部品においても、インダクタンス電極間の磁気
結合を小さくすることにより、良好な特性を得ることが
できる。
【0011】この発明の上述の目的,その他の目的,特
徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳
細な説明から一層明らかとなろう。
徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳
細な説明から一層明らかとなろう。
【0012】
【実施例】図1はこの発明を応用したバンドパスフィル
タの一例を示す斜視図である。バンドパスフィルタ10
は、積層体12を含む。積層体12は、図2に示すよう
に、第1の誘電体層14を含む。第1の誘電体層14上
には、第1のグランド電極16が形成される。第1のグ
ランド電極16は、第1の誘電体層14のほぼ全面に形
成され、第1の誘電体層14の一端に向かって引出部1
6a,16bが形成される。
タの一例を示す斜視図である。バンドパスフィルタ10
は、積層体12を含む。積層体12は、図2に示すよう
に、第1の誘電体層14を含む。第1の誘電体層14上
には、第1のグランド電極16が形成される。第1のグ
ランド電極16は、第1の誘電体層14のほぼ全面に形
成され、第1の誘電体層14の一端に向かって引出部1
6a,16bが形成される。
【0013】第1のグランド電極16上には、第2の誘
電体層18が形成される。第2の誘電体層18上には、
2つの第1のコンデンサ電極20a,20bが形成され
る。第1のコンデンサ電極20a,20bは、第2の誘
電体層18上で並んで形成され、第1のグランド電極1
6と逆の端部に引き出される。第1のコンデンサ電極2
0a,20bの上には、第3の誘電体層22が形成され
る。第3の誘電体層22上には、共通電極24が形成さ
れる。共通電極24は、2つの第1のコンデンサ電極2
0a,20bの両方に対向するように形成される。
電体層18が形成される。第2の誘電体層18上には、
2つの第1のコンデンサ電極20a,20bが形成され
る。第1のコンデンサ電極20a,20bは、第2の誘
電体層18上で並んで形成され、第1のグランド電極1
6と逆の端部に引き出される。第1のコンデンサ電極2
0a,20bの上には、第3の誘電体層22が形成され
る。第3の誘電体層22上には、共通電極24が形成さ
れる。共通電極24は、2つの第1のコンデンサ電極2
0a,20bの両方に対向するように形成される。
【0014】共通電極24上には、第4の誘電体層26
が形成される。第4の誘電体層26上には、第2のコン
デンサ電極28a,28bが形成される。第2のコンデ
ンサ電極28a,28bは、共通電極24に対向するよ
うに形成される。第2のコンデンサ電極28a,28b
は、第1のコンデンサ電極20a,20bと同じ側の端
部に引き出される。
が形成される。第4の誘電体層26上には、第2のコン
デンサ電極28a,28bが形成される。第2のコンデ
ンサ電極28a,28bは、共通電極24に対向するよ
うに形成される。第2のコンデンサ電極28a,28b
は、第1のコンデンサ電極20a,20bと同じ側の端
部に引き出される。
【0015】第2のコンデンサ電極28a,28bの上
には、第5の誘電体層30が形成される。第5の誘電体
層30上には、第2のグランド電極32が形成される。
第2のグランド電極32は、第1のグランド電極16と
ほぼ同じ形状に形成される。したがって、第2のグラン
ド電極32には、第1のグランド電極16の引出部16
a,16bに対向する位置に、引出部32a,32bが
形成される。第2のグランド電極32上には、複数の第
6の誘電体層34が形成される。これらの第6の誘電体
層34上の中央部には、帯状のシールド電極36が形成
される。
には、第5の誘電体層30が形成される。第5の誘電体
層30上には、第2のグランド電極32が形成される。
第2のグランド電極32は、第1のグランド電極16と
ほぼ同じ形状に形成される。したがって、第2のグラン
ド電極32には、第1のグランド電極16の引出部16
a,16bに対向する位置に、引出部32a,32bが
形成される。第2のグランド電極32上には、複数の第
6の誘電体層34が形成される。これらの第6の誘電体
層34上の中央部には、帯状のシールド電極36が形成
される。
【0016】さらに、第6の誘電体層36上には、第7
の誘電体層38が形成される。第7の誘電体層38上の
中央部には、帯状のシールド電極36が形成される。そ
して、シールド電極36の両側に、インダクタンス電極
40a,40bが形成される。インダクタンス電極40
a,40bは、第1のグランド電極16の引出部16
a,16bと同じ側の端部から中央部に向かって、約1
ターンのコイル状に形成される。インダクタンス電極4
0a,40bの中間部から、第7の誘電体層38の対向
する端部に向かって、入出力電極42a,42bが形成
される。
の誘電体層38が形成される。第7の誘電体層38上の
中央部には、帯状のシールド電極36が形成される。そ
して、シールド電極36の両側に、インダクタンス電極
40a,40bが形成される。インダクタンス電極40
a,40bは、第1のグランド電極16の引出部16
a,16bと同じ側の端部から中央部に向かって、約1
ターンのコイル状に形成される。インダクタンス電極4
0a,40bの中間部から、第7の誘電体層38の対向
する端部に向かって、入出力電極42a,42bが形成
される。
【0017】インダクタンス電極40a,40bなどの
上には、複数の第8の誘電体層44が形成される。第8
の誘電体層44上の中央部には、帯状のシールド電極3
6が形成される。さらに、第8の誘電体層44上には、
第9の誘電体層46が形成される。第9の誘電体層46
上には、第3のグランド電極48が形成される。第3の
グランド電極48は、第1および第2のグランド電極1
6,32とほぼ同じ形状に形成される。したがって、第
3のグランド電極48は、第1および第2のグランド電
極16,32と同様に、引出部48a,48bを有す
る。第3のグランド電極48上には、第10の誘電体層
50が形成される。
上には、複数の第8の誘電体層44が形成される。第8
の誘電体層44上の中央部には、帯状のシールド電極3
6が形成される。さらに、第8の誘電体層44上には、
第9の誘電体層46が形成される。第9の誘電体層46
上には、第3のグランド電極48が形成される。第3の
グランド電極48は、第1および第2のグランド電極1
6,32とほぼ同じ形状に形成される。したがって、第
3のグランド電極48は、第1および第2のグランド電
極16,32と同様に、引出部48a,48bを有す
る。第3のグランド電極48上には、第10の誘電体層
50が形成される。
【0018】これらの誘電体層が積層一体化されること
によって、積層体12が形成される。積層体12の外側
面には、外部電極52a,52b,52c,52d,5
2eおよび52fが形成される。外部電極52aは入出
力電極42aに接続され、外部電極52bは入出力電極
42bに接続される。また、外部電極52cは、第1,
第2および第3のグランド電極16,32,48の引出
部16a,32a,48aおよびインダクタンス電極4
0aの一端に接続される。さらに、外部電極52dは、
第1,第2および第3のグランド電極16,32,48
の引出部16b,32b,48bおよびインダクタンス
電極40bの一端に接続される。したがって、第1,第
2および第3のグランド電極16,32,48とインダ
クタンス電極40a,40bが接続される。また、外部
電極52eは第1および第2のコンデンサ電極20a,
28aに接続され、外部電極52fは第1および第2の
コンデンサ電極20b,28bに接続される。
によって、積層体12が形成される。積層体12の外側
面には、外部電極52a,52b,52c,52d,5
2eおよび52fが形成される。外部電極52aは入出
力電極42aに接続され、外部電極52bは入出力電極
42bに接続される。また、外部電極52cは、第1,
第2および第3のグランド電極16,32,48の引出
部16a,32a,48aおよびインダクタンス電極4
0aの一端に接続される。さらに、外部電極52dは、
第1,第2および第3のグランド電極16,32,48
の引出部16b,32b,48bおよびインダクタンス
電極40bの一端に接続される。したがって、第1,第
2および第3のグランド電極16,32,48とインダ
クタンス電極40a,40bが接続される。また、外部
電極52eは第1および第2のコンデンサ電極20a,
28aに接続され、外部電極52fは第1および第2の
コンデンサ電極20b,28bに接続される。
【0019】このバンドパスフィルタ10を作製する場
合、複数の誘電体セラミックグリーンシート上に各電極
の形状に導電ペーストが印刷される。これらのセラミッ
クグリーンシートを積層圧着し、焼成することによっ
て、積層体12が形成される。そして、積層体12の外
側面に導電ペーストを焼き付けることにより、外部電極
52a〜52fが形成される。なお、セラミックグリー
ンシートを積層一体化したのち、焼成前に導電ペースト
を塗布し、一体焼成することによって作製してもよい。
合、複数の誘電体セラミックグリーンシート上に各電極
の形状に導電ペーストが印刷される。これらのセラミッ
クグリーンシートを積層圧着し、焼成することによっ
て、積層体12が形成される。そして、積層体12の外
側面に導電ペーストを焼き付けることにより、外部電極
52a〜52fが形成される。なお、セラミックグリー
ンシートを積層一体化したのち、焼成前に導電ペースト
を塗布し、一体焼成することによって作製してもよい。
【0020】このバンドパスフィルタ10は、図3に示
すような等価回路を有する。図3からわかるように、イ
ンダクタンスとキャパシタンスとからなる2つの共振器
が形成され、これらの共振器がキャパシタンスを介して
結合することによって、バンドパスフィルタ10が形成
される。このバンドパスフィルタ10では、インダクタ
ンス電極40a,40bの間にシールド電極36が形成
されているため、インダクタンス電極40a,40bで
形成された磁界が、シールド電極36で吸収される。一
方のインダクタンス電極40aで発生した磁界とシール
ド電極36との関係について、有限要素法によるシミュ
レーションにより解析し、その結果を図4に示した。
すような等価回路を有する。図3からわかるように、イ
ンダクタンスとキャパシタンスとからなる2つの共振器
が形成され、これらの共振器がキャパシタンスを介して
結合することによって、バンドパスフィルタ10が形成
される。このバンドパスフィルタ10では、インダクタ
ンス電極40a,40bの間にシールド電極36が形成
されているため、インダクタンス電極40a,40bで
形成された磁界が、シールド電極36で吸収される。一
方のインダクタンス電極40aで発生した磁界とシール
ド電極36との関係について、有限要素法によるシミュ
レーションにより解析し、その結果を図4に示した。
【0021】図4からわかるように、インダクタンス電
極40aで発生した磁界は、シールド電極36で吸収さ
れ、隣接するインダクタンス電極40b側に届かない。
図4には示されていないが、インダクタンス電極40b
で発生した磁界も、シールド電極36で吸収され、イン
ダクタンス電極40a側に届かない。したがって、イン
ダクタンス電極40a,40bは磁気結合せず、良好な
特性を有するバンドパスフィルタ10を得ることができ
る。この発明のバンドパスフィルタ10と、シールド電
極を形成していない従来のバンドパスフィルタとの特性
を測定し、その結果を図5に示した。図5からわかるよ
うに、従来のものに比べて、この発明のバンドパスフィ
ルタ10では、通過帯域外における減衰量を大きくする
ことができた。
極40aで発生した磁界は、シールド電極36で吸収さ
れ、隣接するインダクタンス電極40b側に届かない。
図4には示されていないが、インダクタンス電極40b
で発生した磁界も、シールド電極36で吸収され、イン
ダクタンス電極40a側に届かない。したがって、イン
ダクタンス電極40a,40bは磁気結合せず、良好な
特性を有するバンドパスフィルタ10を得ることができ
る。この発明のバンドパスフィルタ10と、シールド電
極を形成していない従来のバンドパスフィルタとの特性
を測定し、その結果を図5に示した。図5からわかるよ
うに、従来のものに比べて、この発明のバンドパスフィ
ルタ10では、通過帯域外における減衰量を大きくする
ことができた。
【0022】上述の実施例では、インダクタンス電極4
0a,40bで発生した磁界が、第2および第3のグラ
ンド電極32,48で邪魔されないように、複数の第6
の誘電体層34および第8の誘電体層44を配置し、そ
れらにシールド電極36が形成されている。そのため、
インダクタンス電極40a,40b間に複数のシールド
電極36が形成されており、良好なシールド効果を得る
ことができる。しかしながら、図6に示すように、イン
ダクタンス電極40a,40bが形成された誘電体層3
8と、その厚み方向に積層された誘電体層の1つにシー
ルド電極を形成するだけでも、シールド効果を得ること
ができる。
0a,40bで発生した磁界が、第2および第3のグラ
ンド電極32,48で邪魔されないように、複数の第6
の誘電体層34および第8の誘電体層44を配置し、そ
れらにシールド電極36が形成されている。そのため、
インダクタンス電極40a,40b間に複数のシールド
電極36が形成されており、良好なシールド効果を得る
ことができる。しかしながら、図6に示すように、イン
ダクタンス電極40a,40bが形成された誘電体層3
8と、その厚み方向に積層された誘電体層の1つにシー
ルド電極を形成するだけでも、シールド効果を得ること
ができる。
【0023】このように、インダクタンス電極40a,
40bの間に、シールド電極36を形成することによ
り、インダクタンス電極間の磁気結合を小さくすること
ができる。このとき、インダクタンス電極40a,40
bと、その上下のグランド電極32,48との間隔は、
第6および第8の誘電体層34,44によって十分に確
保されているため、インダクタンス電極40a,40b
のインダクタンス特性がほとんど劣化しない。実験で
は、シールド電極が形成されていない場合に比べて、イ
ンダクタンス特性をほとんど劣化させることなく、イン
ダクタンス電極間の磁気結合を1%以下にすることがで
きた。これにより、従来のフィルタと同一形状でありな
がら、従来より高性能なフィルタを得ることができる。
40bの間に、シールド電極36を形成することによ
り、インダクタンス電極間の磁気結合を小さくすること
ができる。このとき、インダクタンス電極40a,40
bと、その上下のグランド電極32,48との間隔は、
第6および第8の誘電体層34,44によって十分に確
保されているため、インダクタンス電極40a,40b
のインダクタンス特性がほとんど劣化しない。実験で
は、シールド電極が形成されていない場合に比べて、イ
ンダクタンス特性をほとんど劣化させることなく、イン
ダクタンス電極間の磁気結合を1%以下にすることがで
きた。これにより、従来のフィルタと同一形状でありな
がら、従来より高性能なフィルタを得ることができる。
【0024】従来のバンドパスフィルタなどでは、イン
ダクタンス電極間の磁気結合の程度がわからないため、
完成品を得るまでに数回の試作が必要であった。しかし
ながら、この発明によれば、インダクタンス電極間の磁
気結合を考慮せずに回路設計を行うことができるので、
回路シミュレーションによる設計が容易である。
ダクタンス電極間の磁気結合の程度がわからないため、
完成品を得るまでに数回の試作が必要であった。しかし
ながら、この発明によれば、インダクタンス電極間の磁
気結合を考慮せずに回路設計を行うことができるので、
回路シミュレーションによる設計が容易である。
【0025】なお、上述の実施例では、1つの積層体内
に、インダクタンス電極およびコンデンサ電極を形成し
たが、インダクタンス電極のみを形成した積層体上に別
部品としてのチップ型コンデンサなどを取り付けてもよ
い。さらに、コンデンサ以外の電子素子を取り付けて、
フィルタ以外の電子部品を形成することも可能である。
いずれの場合においても、インダクタンス電極間にシー
ルド電極を形成することにより、磁気結合を小さくする
ことができ、良好な特性の電子部品を得ることができ
る。
に、インダクタンス電極およびコンデンサ電極を形成し
たが、インダクタンス電極のみを形成した積層体上に別
部品としてのチップ型コンデンサなどを取り付けてもよ
い。さらに、コンデンサ以外の電子素子を取り付けて、
フィルタ以外の電子部品を形成することも可能である。
いずれの場合においても、インダクタンス電極間にシー
ルド電極を形成することにより、磁気結合を小さくする
ことができ、良好な特性の電子部品を得ることができ
る。
【0026】また、インダクタンス電極40a,40b
の形状としては、図7に示すように、蛇行した形状に形
成したものや、図8に示すように、誘電体層にビアホー
ル54を形成し、このビアホール54を介して、複数の
誘電体層38上に形成した渦巻状のインダクタンス電極
40a,40bを接続してもよい。このように、インダ
クタンス電極の形状は任意に変更可能であり、どのよう
な形状のインダクタンス電極を採用しても、シールド電
極36を形成することによって、インダクタンス電極間
の磁気結合を抑えることができる。なお、シールド電極
はグランド電極などに接続してもよいし、このシールド
電極を用いてコンデンサなどの磁気の影響を受けない素
子を形成してもよい。
の形状としては、図7に示すように、蛇行した形状に形
成したものや、図8に示すように、誘電体層にビアホー
ル54を形成し、このビアホール54を介して、複数の
誘電体層38上に形成した渦巻状のインダクタンス電極
40a,40bを接続してもよい。このように、インダ
クタンス電極の形状は任意に変更可能であり、どのよう
な形状のインダクタンス電極を採用しても、シールド電
極36を形成することによって、インダクタンス電極間
の磁気結合を抑えることができる。なお、シールド電極
はグランド電極などに接続してもよいし、このシールド
電極を用いてコンデンサなどの磁気の影響を受けない素
子を形成してもよい。
【0027】さらに、誘電体層上に形成されるインダク
タンス電極の数は2つに限らず、3つ以上のインダクタ
ンス電極を形成してもよい。その場合、各インダクタン
ス電極間に、シールド電極が形成される。
タンス電極の数は2つに限らず、3つ以上のインダクタ
ンス電極を形成してもよい。その場合、各インダクタン
ス電極間に、シールド電極が形成される。
【図1】この発明の一実施例を示す斜視図である。
【図2】図1に示すバンドパスフィルタに用いられる積
層体の分解斜視図である。
層体の分解斜視図である。
【図3】図1に示すバンドパスフィルタの等価回路図で
ある。
ある。
【図4】インダクタンス電極によって発生する磁界とシ
ールド電極との関係を示す図解図である。
ールド電極との関係を示す図解図である。
【図5】この発明のフィルタと従来のフィルタの周波数
特性を示すグラフである。
特性を示すグラフである。
【図6】インダクタンス電極によって発生する磁界とシ
ールド電極との別の関係を示す図解図である。
ールド電極との別の関係を示す図解図である。
【図7】インダクタンス電極の他の例を示す分解斜視図
である。
である。
【図8】インダクタンス電極のさらに他の例を示す分解
斜視図である。
斜視図である。
【図9】従来のバンドパスフィルタの一例を示す分解斜
視図である。
視図である。
【図10】図9に示す従来のバンドパスフィルタの等価
回路図である。
回路図である。
【図11】磁気結合型バンドパスフィルタと容量結合型
バンドパスフィルタの周波数特性を示すグラフである。
バンドパスフィルタの周波数特性を示すグラフである。
10 バンドパスフィルタ 12 積層体 14 第1の誘電体層 16 第1のグランド電極 18 第2の誘電体層 20a,20b 第1のコンデンサ電極 22 第3の誘電体層 24 共通電極 26 第4の誘電体層 28a,28b 第2のコンデンサ電極 30 第5の誘電体層 32 第2のグランド電極 34 第6の誘電体層 36 シールド電極 38 第7の誘電体層 40a,40b インダクタンス電極 44 第8の誘電体層 46 第9の誘電体層 48 第3のグランド電極 50 第10の誘電体層
Claims (2)
- 【請求項1】 複数の誘電体層と、少なくとも1つの前
記誘電体層に形成される複数のインダクタンス電極とを
含む積層型の電子部品であって、 複数の前記インダクタンス電極の間において前記誘電体
層上にシールド電極の層を形成した、電子部品。 - 【請求項2】 さらに、複数の前記誘電体層に形成さ
れ、互いに対向するように配置される複数のコンデンサ
電極を含む、請求項1に記載の電子部品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14946495A JPH08316035A (ja) | 1995-05-23 | 1995-05-23 | 電子部品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14946495A JPH08316035A (ja) | 1995-05-23 | 1995-05-23 | 電子部品 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08316035A true JPH08316035A (ja) | 1996-11-29 |
Family
ID=15475711
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14946495A Pending JPH08316035A (ja) | 1995-05-23 | 1995-05-23 | 電子部品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08316035A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003046358A (ja) * | 2001-05-16 | 2003-02-14 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 積層フィルタ、積層複合デバイス、および通信装置 |
JP2007124310A (ja) * | 2005-10-28 | 2007-05-17 | Taiyo Yuden Co Ltd | 積層型誘電体フィルタ |
JP2008035468A (ja) * | 2006-06-27 | 2008-02-14 | Kyocera Corp | 積層型誘電体フィルタ |
JP2010021321A (ja) * | 2008-07-10 | 2010-01-28 | Murata Mfg Co Ltd | Lc複合部品この発明は、複数の誘電体層の積層体内にインダクタ及びキャパシタを構成してなる、例えば帯域通過フィルタ等のlc複合部品に関するものである。 |
US8098117B2 (en) | 2008-01-31 | 2012-01-17 | Murata Manufacturing Co., Ltd. | LC composite component |
JP2016100719A (ja) * | 2014-11-20 | 2016-05-30 | 株式会社村田製作所 | 電子部品 |
-
1995
- 1995-05-23 JP JP14946495A patent/JPH08316035A/ja active Pending
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003046358A (ja) * | 2001-05-16 | 2003-02-14 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 積層フィルタ、積層複合デバイス、および通信装置 |
JP2007124310A (ja) * | 2005-10-28 | 2007-05-17 | Taiyo Yuden Co Ltd | 積層型誘電体フィルタ |
JP2008035468A (ja) * | 2006-06-27 | 2008-02-14 | Kyocera Corp | 積層型誘電体フィルタ |
US8098117B2 (en) | 2008-01-31 | 2012-01-17 | Murata Manufacturing Co., Ltd. | LC composite component |
JP2010021321A (ja) * | 2008-07-10 | 2010-01-28 | Murata Mfg Co Ltd | Lc複合部品この発明は、複数の誘電体層の積層体内にインダクタ及びキャパシタを構成してなる、例えば帯域通過フィルタ等のlc複合部品に関するものである。 |
JP4650530B2 (ja) * | 2008-07-10 | 2011-03-16 | 株式会社村田製作所 | Lc複合部品 |
US8026778B2 (en) | 2008-07-10 | 2011-09-27 | Murata Manufacturing Co., Ltd. | LC composite component |
JP2016100719A (ja) * | 2014-11-20 | 2016-05-30 | 株式会社村田製作所 | 電子部品 |
CN105634431A (zh) * | 2014-11-20 | 2016-06-01 | 株式会社村田制作所 | 电子元器件 |
CN105634431B (zh) * | 2014-11-20 | 2018-07-31 | 株式会社村田制作所 | 电子元器件 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20040330 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |