JP4626218B2 - 熱硬化性組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、特定のカチオン開環重合性基を有する化合物を含有する熱硬化性組成物に関するものである。本発明の組成物は、厚膜硬化性を有し、耐熱性、耐薬品性、電気特性などに優れ、且つイオン性不純物が少ない硬化物を与えるため、塗料・コーティング剤、シート状材料、封止材、接着剤、成形材料、注型材料などの材料として有用である。
従来より、エポキシ樹脂は一般に硬化剤と組み合わせてエポキシ樹脂組成物として使用されており、電気・電子材料関係の分野においても、該組成物が賞用されてきた。しかしながら、近年の電気・電子材料分野の発展に伴い、エポキシ樹脂硬化物にも高度の性能が要求されるようになっており、特に耐熱性の向上が望まれている。エポキシ樹脂硬化物の耐熱性を向上させる方法としては、エポキシ樹脂と金属酸化物の複合体を用いる方法が提案されている(例えば特許文献1参照)。当該複合体は、エポキシ樹脂を部分的に硬化させた溶液に、金属アルコキシドを加えて均質ゾル溶液とした後、金属アルコキシドを重縮合することにより得られる。しかし、かかる複合体から得られる硬化物は、単なるエポキシ樹脂の硬化物に比して、ある程度耐熱性は向上するものの、複合体中の水や硬化時に生じる水、アルコールに起因して、硬化物中にボイド(気泡)が発生する。また、耐熱性を一層向上させる目的で金属アルコキシド量を増やすと、ゾル−ゲル硬化により生成するシリカが凝集して得られる硬化物の透明性が失われて白化するうえ、多量の金属アルコキシドをゾル化するために多量の水が必要となり、その結果として硬化物のそり、クラックなどを招いてしまう。このような欠陥を改良するものとして、ビスフェノール型エポキシ樹脂の水酸基を加水分解性アルコキシシランで変性した、特定のシラン変性エポキシ樹脂をエポキシ樹脂硬化剤と配合してなる熱硬化性組成物が提案されている(例えば特許文献2参照)。この発明により提案されている組成物においても、無機成分の形成を完結するためにはシラン残基に結合した低級アルコールの脱離が必要となり、厚膜での硬化は困難であった。このような低級アルコールの悪影響を避けるためにビスフェノール型エポキシ樹脂の比率を高くすると、組成物の粘度が高いものとなり、この組成物の使用に際して有機溶剤による希釈が必要で煩雑な乾燥作業が必要であった。
一般に、酸無水物やフェノール類を用いたエポキシ樹脂の熱硬化速度は比較的に遅いものであることが知られている。硬化速度が改善できる熱硬化性組成物として、熱潜在性を有するオニウム塩を用いたエポキシ化合物を用いるものが知られていて、このための各種エポキシ化合物、各種カチオン硬化開始剤の材料が広く検討されている。しかしながら、前述のオニウム塩を用いた熱カチオン硬化においては、硬化後に残存する強酸が悪影響を与える事が懸念されるため、その適応範囲は限定された用途にかぎられていた。
電気用途においては、近年、電気機器の小型化により電気回路の多層化、高密化が進んでいる。これに伴いそれに使用されるエポキシ樹脂に対しては、耐熱性、低誘電率化、耐アーク性、耐トラッキング性が要求されている。イオン性残留物は、電気絶縁性の低下、誘電率、誘電正接値の上昇など、電気特性の著しい劣化を招くことが知られており、これらの電気特性向上のためには、イオン性残留物の低減が必要である。
このような酸の残存による悪影響を改善できるものとして、特定の有機ケイ素化合物と有機系アルミニウム化合物からなるエポキシ化合物重合用触媒(例えば特許文献3参照)が知られている。そして、この触媒を配合してなるエポキシ樹脂組成物(例えば特許文献4参照)、および、有機系アルミニウム化合物の替わりにアルミナを配合したエポキシ樹脂組成物(例えば特許文献5参照)が開示されている。これらの発明により開示されている硬化システムにおいて、組成物に熱潜在性を付与する方法としてアルコキシシラン類を使用する事が提案されている。しかしながら、熱硬化の過程において脱離した低級アルコールがボイドを形成したり、硬化物中に残存し硬化物の諸特性を低減してしまう場合があった。
水酸基およびカチオン開環重合性基を有する化合物(A−1)とアルコキシシラン類(A−2)を反応させて得られるシラン変成オリゴマー(A)、およびシラノール基との相互作用によりプロトン酸を生成することができるアルミニウム化合物(B)を含有する熱硬化性組成物に、シラン変成オリゴマー(A)以外のカチオン開環重合性基を有する化合物(C)が添加されたものである熱硬化性組成物が報告されている(例えば特許文献6参照)。このカチオン開環重合性基を有する化合物(C)としては、一分子中に2個のオキセタニル基を有する脂肪族オキセタン化合物が例示されていて、具体的化合物としてビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル)が挙げられている。
シクロヘキサンに下記式(4)が結合したものが例示されている(例えば特許文献7参照)。
Figure 0004626218
式(4)のR2としては、水素原子又は炭素原子数が1〜6個の分岐を有していても良いアルキル基などが例示されている。しかし、この報告には例示のみで合成されていない。
3−エチル−3−シクロヘキシルオキシメチルオキセタンの合成が報告されている(例えば特許文献8参照)。この報告は、製造方法のみであり、硬化例の記載はない。
特開平08−100107号公報 特開2001−59013号公報 特公昭57−57488号公報 特公昭57−57487号公報 特公昭57−57490号公報 特開2003−128779号公報 特開平10−158581号公報 特開2003−012661号公報
本発明は、前記の問題を解決し、塗料・コーティング剤、シート状材料、封止材、接着剤、成形材料、注型材料などの材料として有用な、有機溶剤を使用する事なくて厚膜硬化可能な、イオン性不純物が少なく、耐熱性に優れた硬化物を与える硬化性組成物を提供することを目的とするものである。
本願発明は、上記課題を解決する、
下記一般式(5)で表される化合物(A−1)と下記一般式(6)で表される化合物またはその部分縮合物(A−2)とを脱アルコール縮合反応することに得られる化合物であって、後記一般式(2)で表わされる化合物(A)、
Figure 0004626218
(式(5)のR1は炭素原子数が1〜6個の分岐を有していても良いアルキル基を示す。)
Si(OR 5 4 (6)
(式(6)中、R 5は水素原子または低級アルキル基を示し、R5同士はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。)

下記一般式(1)で表される化合物(B)、およびプロトン酸を発生させることができる有機アルミニウム化合物(C)とを含有する熱硬化性組成物である。
Figure 0004626218
式(1)のRは、水素原子又は炭素原子数が1〜6個の分岐を有していても良いアルキル基を示す。
化合物(A)は、下記一般式(2)で表わされる化合物である
Figure 0004626218
式(2)のXは下記一般式(3)で表わされるものであり、Yはメトキシ基および/またはエトキシ基であり、nは1〜10の数であり、aは0〜2の間でmは0〜3の間で(5−a−m)/(a+m+1)における値が0〜1であるものである。なお、式(2)のnは、平均の値である。
Figure 0004626218
式(3)のR1は炭素原子数が1〜6個の分岐を有していても良いアルキル基を示す。
上記記載の熱硬化性組成物には、(A)成分以外のカチオン開環重合性基を分子中に1個以上有する化合物(D)をさらに配合することができる。
そして、上記記載の熱硬化性組成物を加熱してなる硬化物である。
以下、本発明について、更に詳しく説明する。
本発明の化合物(A)は、下記一般式(5)で表される化合物(A−1)〔以下、化合物A−1という〕後記一般式(6)で表される化合物またはその部分縮合物(A−2)〔以下、化合物A−2という〕との脱アルコール反応により得られるものである。
化合物A−1は、カチオン開環重合性基としてオキセタニル基を有する下記一般式(5)で表される化合物である。
Figure 0004626218
式(5)のR1は炭素原子数が1〜6個の分岐を有していても良いアルキル基を示す。
化合物A−1としては、3−ヒドロキシメチル−3−メチルオキセタンおよび3−ヒドロキシメチル−3−エチルオキセタンなどが例示できる。
合物A−1と水酸基含有エポキシ樹脂とを併用することもでき、そうすることにより組成物の流動性や硬化物の物性を制御することができる。これらを併用する場合、その配合比は任意のものとする事ができる。
本発明の熱硬化性組成物を比較的低粘度で作業性のよいものとするためには、化合物(A)を製造するときの化合物A−の配合比率が50質量%以上である事が好ましく、60質量%以上である事が更に好ましく、特に好ましくは70質量%以上である。
化合物A−1は、前記式(5)で表される化合物であり、厚膜硬化性に優れ、得られる硬化物の耐熱性が特に優れたものとなるために好ましい。
化合物A−としては、3−ヒドロキシメチル−3−メチルオキセタンまたは3−ヒドロキシメチル−3−エチルオキセタンが好ましい。
化合物A−2としては、一般的にゾル−ゲル法に用いられているものであり、下記一般式(6)で表される化合物またはその部分縮合物である。
Si(OR 5 4 (6)
(式(6)中、R 5は水素原子または低級アルキル基を示し、R5同士はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。)
で表される化合物またはこれらの部分縮合物などを例示できる。
級アルキル基とは、炭素数6以下の直鎖または分岐鎖のアルキル基を示す。
このようなアルコキシシラン類の具体的としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシランなどのテトラアルコキシシラン類、またはこれらの部分縮合物である。
化合物A−2としては、上記に例示のものを特に制限なく使用できる。
これら化合物A−のなかでも、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランなどのテトラアルコキシシラン類またはこれらの部分縮合物などが好ましい。特に下記一般式(7)で表わされるものが好ましい。
Figure 0004626218
式(7)のR3はメトキシ基および/またはエトキシ基を示し、nは1〜10の数を示す。
式(7)の数平均分子量は260〜1200程度のものが好ましく、nの値が11を超えると、溶解性が悪くなるため好ましくない。このことから、式(7)のnの数は、1〜8が好ましく、更に好ましくは1〜6であり、特に好ましくは1〜5である。なお、式(7)のnは、平均の値である。
化合物(A)は、前記の、化合物A−化合物A−とを脱アルコール縮合反応させる事により得ることができる。
化合物A−化合物A−との使用割合は、特に制限されない。しかし、化合物(A)が、反応性基を有していない化合物A−に由来するメトキシ基またはエトキシ基などの低級アルコキシ基を多く有するものである場合は、組成物を硬化させるときにシラノール基を生成するとともにメタノールまたはエタノールなどの揮発性化合物を生成しやすいため発泡することがある。したがって、化合物(A)は、化合物A−の有する50%以上のアルコキシ基が、化合物A−の水酸基に由来する水素原子を除いた残基によって置換されたもの(式(3))であることが好ましく、更に好ましくは60%以上が置換されたものであり、特に70%以上が置換されたものが好ましい。
なお、置換反応により化合物(A)に導入された化合物A−の水酸基に由来する水素原子を除いた残基のうちの一部は、組成物を硬化させるときに化合物A−に転化され、同時にシラノール基を生成するが、該化合物A−は硬化反応に用いられるため、発泡などの原因となることはない。
反応性基を有していない低級アルコキシ基の濃度を少なく制御した化合物(A)を主成分とする組成物は、組成物を厚膜で硬化させる場合にも好適に利用できる。
化合物(A)の製造は、例えば、前記化合物A−および化合物A−とを仕込み、加熱して生成するアルコールを留去しながら脱アルコール縮合反応することにより行なわれる。
この反応温度は50〜250℃程度であり、好ましくは80〜200℃であり、更に好ましくは90〜180℃である。この時の反応時間は1〜15時間程度である。
この反応は、化合物Aの重縮合反応を防止するため、および生成物が着色するのを防止するため実質的に無水条件下で行うのが好ましい。
上記の脱アルコール縮合反応は無触媒で行うことが好ましいが、反応促進のために従来公知の触媒の内、オキセタン環やエポキシ環などのカチオン開環重合性基の開環反応を促進しないものを使用することができる。具体的には、ジブチル錫ジラウレート、オクチル酸錫などが挙げられる。また、上記反応は溶剤中でも、無溶剤でも行うこともできる。溶剤としては、化合物A−および化合物A−を溶解し、且つこれらに対し反応しない溶剤であれば特に制限はない。
本発明の熱硬化性組成物に配合する上記式(1)で表される化合物(B)のRとしては、炭素原子数が1〜6個の分岐を有していても良いアルキル基が好ましく、更に好ましくは1〜6個の炭素原子を有するアルキル基であり、特に好ましくはメチル基またはエチル基である。化合物(B)の具体例としては、3−エチル−3−シクロヘキシルオキシメチルオキセタン(CHOX)および3−メチル−3−シクロヘキシルオキシメチルオキセタンなどが例示できる。
本発明の熱硬化性組成物における化合物(A)と合物(B)との配合割合は、100質量部の化合物(A)に対して、合物(B)が30〜150質量部が好ましく、更に50〜120質量部が好ましく、特に60〜100質量部が好ましい。
なお、化合物(A)と合物(B)との割合は、化合物(A)の方が多いものが好ましく、この差が5質量部以上あることが好ましく、更に10質量部以上の差があるものが好ましい。この配合割合以外では、硬化時に発泡することがあることがある、または硬化物に柔軟性がないことがある。
本発明の熱硬化性組成物に配合するアルミニウム化合物(C)としては、シラノール基との相互作用によりプロトン酸を発生させることができるものである。
本発明では、化合物(A)が加熱されるとシラノール基を生成し、該シラノール基とアルミニウム化合物(C)との相互作用によりプロトン酸を生成することができる。
アルミニウム化合物(C)としては、特公昭57−57488号公報および特公昭57489号公報に記載の有機アルミニウム化合物などや、特公昭57−57491号公報および特公昭57492号公報に記載のアルミニウム錯体およびアルミナなどの無機アルミニウム化合物などを挙げることができる。
アルミニウム化合物(C)としては、例えば、アルミニウムトリメトキシド、アルミニウムトリプロポキシド、アルミニウムトリブトキシドなどのアルコキシド類、塩化アルミニウム、フッ化アルミニウムなどのハロゲン化物類、トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、トリス(プロピルアセテート)アルミニウム、トリス(ブチルアセトアセテート)アルミニウム、プロポキシビス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、トリス(アセチルアセトナト)アルミニウム、トリス(プロピオニルアセトナト)アルミニウム、トリス(アセトアセトナト)アルミニウムなどのキレート化合物、アルミナなどが挙げられる。これらのものは1種もしくは2種以上組合せて使用することができる。
アルミニウム化合物(C)成分の配合量は、100質量部の化合物(A)に対して0.001〜10質量部であり、好ましくは0.01〜3質量部であり、特に0.01〜1質量部の範囲が好適である。配合割合が0.001質量部を下回ると硬化性が低下することがあり、10質量部を上回ると貯蔵安定性、耐黄変性などが低下することがあるので好ましくない。
本発明の熱硬化性組成物には、(A)成分以外のカチオン開環重合性基を一分子中に1個以上有する化合物(D)をさらに配合することができる。なお、この化合物(D)は、式(1)で表される化合物(B)を含むものではない。
この化合物(D)としては、ビスフェノール型エポキシ樹脂;オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂などのノボラック型エポキシ樹脂;フタル酸、ダイマー酸などの多塩基酸類およびエピクロロヒドリンを反応させて得られるグリシジルエステル型エポキシ樹脂;オレフィン結合を過酢酸などの過酸で酸化して得られる線状脂肪族エポキシ樹脂;並びに脂環式エポキシ樹脂などを用いる事が出来る。
また、式(1)で表される化合物(B)以外の分子中にオキセタン環を有する化合物も用いる事が出来る。もちろんこれらを併用することもできる。
化合物(D)配合する場合、の使用量は特に制限はないが、化合物(A)100質量部を基準として0.1〜1000質量部であることが好ましく、更に5〜100質量部が好ましく、特に10〜80質量部が好ましい。
具体的な化合物(D)の例として、一分子中に1個のオキセタニル基を有するオキセタン化合物としては3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタンや3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタンなど、一分子中に2個のオキセタニル基を有するオキセタン化合物である1,4−{[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ]メチル}ベンゼン、1,3−ビス[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ]ベンゼン、ビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル)など、二官能脂環式エポキシド化合物である3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートなどが挙げられる。
化合物(D)の好ましい例として、一分子中に1個のオキセタニル基を有する脂肪族オキセタン化合物である3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンや3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタンなど、一分子中に2個のオキセタニル基を有する脂肪族オキセタン化合物であるビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル)など、二官能脂環式エポキシド化合物である3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートなどが挙げられる。
本発明の熱硬化性組成物は、必要に応じてさらに他の成分を添加配合することができる。下記に配合するものを例示する。
粉末状の補強剤や充填剤、例えば酸化マグネシウムなどの金属酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムなどの金属炭酸塩、ケイソウ土粉、塩基性ケイ酸マグネシウム、焼成クレイ、微粉末シリカ、溶融シリカ、結晶シリカなどのケイ素化合物、金属水酸化物、その他、カオリン、マイカ、石英粉末、グラファイト、二硫化モリブデンなど、さらに繊維質の補強剤や充填剤、たとえばガラス繊維、セラミック繊維、カーボンファイバー、炭化ケイ素繊維、ボロン繊維、ポリエステル繊維及びポリアミド繊維などである。これらは本発明の組成物100質量部に対して、10〜900質量部配合することができる。
着色剤、顔料、難燃剤、例えば二酸化チタン、鉄黒、モリブデン赤、紺青、群青、カドミウム黄、カドミウム赤、三酸化アンチモン、赤燐、ブロム化合物及びトリフェニルホスフェイトなどである。これらは本発明の組成物100質量部に対して、0.1〜20質量部配合することができる。
接着層、成形品などにおける樹脂の性質を改善する目的で種々の合成樹脂を配合することができる。例えば、フェノール樹脂、アルキド樹脂、メラミン樹脂、フッ素樹脂、塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂などの1種又は2種以上の組み合わせを挙げることができる。これら樹脂類の配合割合は、本発明の樹脂組成物の本来の性質を損なわない範囲の量、すなわち本発明の組成物100質量部に対して、50質量部以下が好ましい。
本発明の組成物及び任意成分の配合手段としては、加熱溶融混合、ロール、ニーダーによる溶融混練、適当な有機溶剤を用いての湿式混合及び乾式混合などが挙げられる。本発明の組成物は、熱により硬化することができる。この硬化温度としては50〜300℃が好ましく、60〜250℃が更に好ましく、80〜210℃が特に好ましい。
加熱時間は、本発明の熱硬化性組成物の硬化状態を観察しながら決定すればよい。具体的には、1〜300分間が好ましく、更に5〜250分間が好ましい。
熱により重合を行う場合は一般的に知られた方法により加熱する事ができ、その条件などは特に限定されるものではない。
<実施例>
以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに詳しく説明する。なお、各例中の部は質量部を意味する。
<製造例1>
化合物(A)の合成
攪拌機、温度計及び蒸留装置を取り付けた300mLの四つ口ガラスフラスコに、3―エチル―3−(ヒドロキシメチル)オキセタン(東亞合成(株)製、アロンオキセタンOXT−101)100g、テトラメトキシシランオリゴマー(三菱化学(株)製、MKCシリケート MS51)30gを仕込み、80〜150℃にオイルバスで加熱攪拌し、メタノールを留出させながら5時間反応させた。さらに減圧下に3―エチル―3−(ヒドロキシメチル)オキセタンを溜去しながら150℃で2時間加熱した。最終生成物(シラン変成オリゴマー(A))の収量は53gであった。
1H−NMRから評価した最終生成物中のオキセタニル基とメトキシ基とのモル比は、98:2であった。
<実施例1および比較例1>
製造例1により合成した化合物(A)、3−エチル−3−シクロヘキシルオキシメチルオキセタン(東亞合成(株)製、CHOX)、ビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル(東亞合成(株)製、OXT−221)、3−エチル−3−(2−エチルヘキシル)オキセタン(東亞合成(株)製、OXT−212)、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(ダウケミカル日本(株)製、UVR−6110)、および、トリス(アセチルアセトナト)アルミニウム(Al(acac)3 )を表1に示した組成で均一になるよう、室温で充分攪拌混合した後、減圧脱泡して、硬化性組成物を得た。
次いで、上記の組成物を9ccのガラス製サンプル瓶中に3g添加し、150℃で2時間オーブン中で硬化させた。
また、上記の組成物を型内に流し込み、80℃で1時間、100℃で1時間、さらに200℃で2時間オーブン中硬化することにより1mm厚さの試験片を得た。
それぞれのサンプルに対して、以下に示した評価を行った結果を表1にあわせて示した。
○厚膜硬化性:組成物を9ccのガラス製サンプル瓶中に3g添加し、150℃で2時間オーブン中硬化し、硬化物の均一性を評価した。
○:硬化物中に泡の無いもの
×:硬化物中に泡があるもの
○耐割れ性:1mm厚さの試験サンプルを手で折り曲げ、
○:破壊しないもの
△:ヒビを生じたもの
×:破壊したもの
とした。
Figure 0004626218
表1に示したように、実施例1〜4に示された組成物は、厚膜硬化性に優れ、また、耐割れ性に非常に優れたものであった。また、硬化物に着色は認められなかった。
実施例からも明らかなように、本発明により提供される熱硬化性組成物は、厚膜硬化性および耐割れ性を有し、且つ耐熱性、耐薬品性、電気特性などに優れ、イオン性不純物が少ない硬化物を与えることができ、広範な用途に応用展開が可能である。特に、塗料・コーティング剤、シート状材料、封止材、接着剤、成形材料、注型材料などの材料として電気・電子分野などの用途において有利に使用できる。

Claims (4)

  1. 下記一般式(5)で表される化合物(A−1)と下記一般式(6)で表される化合物またはその部分縮合物(A−2)とを脱アルコール縮合反応することに得られる化合物であって、下記一般式(2)で表わされる化合物(A)、
    Figure 0004626218
    (式(5)のR1は炭素原子数が1〜6個の分岐を有していても良いアルキル基を示す。)
    Si(OR 5 4 (6)
    (式(6)中、R 5は水素原子または低級アルキル基を示し、R5同士はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。)
    Figure 0004626218
    (式(2)のXは下記一般式(3)で表わされるものであり、Yはメトキシ基および/またはエトキシ基であり、nは1〜10の数であり、aは0〜2の間でmは0〜3の間で(5−a−m)/(a+m+1)における値が0〜1であるものである。)
    Figure 0004626218
    (式(3)のR1は炭素原子数が1〜6個の分岐を有していても良いアルキル基を示す。)

    下記一般式(1)で表される化合物(B)、およびプロトン酸を発生させることができる有機アルミニウム化合物(C)とを含有する熱硬化性組成物。
    Figure 0004626218
    (式(1)のRは、水素原子又は炭素原子数が1〜6個の分岐を有していても良いアルキル基を示す。)
  2. 化合物(A)の100質量部に対して、化合物(B)を30〜150質量部含み、(C)成分を0.001〜10質量部含む請求項1に記載の熱硬化性組成物。
  3. (A)成分以外のカチオン開環重合性基を分子中に1個以上有する化合物(D)をさらに配合することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の熱硬化性組成物。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の熱硬化性組成物を加熱してなる硬化物。
JP2004237826A 2004-08-18 2004-08-18 熱硬化性組成物 Active JP4626218B2 (ja)

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