JP2001261780A - エポキシ樹脂組成物 - Google Patents
エポキシ樹脂組成物Info
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Abstract
に優れた硬化物を与えることができる、特に紫外線硬化
型のエポキシ樹脂組成物を提供する。 【解決手段】(A)成分と(B)成分を含有してなる、
エポキシ樹脂組成物: (A)成分;一般式(1)で示される芳香族エポキシ樹
脂を水素化して得られる、芳香環の水素化率が20〜1
00%の割合で、1分子中にアルコール性水酸基を平均
で0.2〜20個有しているエポキシ樹脂、 【化1】
Description
基を有する水素化エポキシ樹脂とカチオン重合開始剤が
配合されたエポキシ樹脂組成物に関するものである。本
発明により得られるエポキシ樹脂組成物は、硬化性に優
れ、その硬化物は可撓性、接着性に優れるため、半導体
封止用樹脂、積層板用樹脂、コーティング剤、接着剤、
成形材料及び電気絶縁材料等に使用可能である。
性、機械的強度及び電気特性等に優れていることから様
々の分野で使用されている。電気・電子分野では、絶縁
注型、積層材料、封止材料等において、コーティング分
野では一般塗料、缶用塗料、レジスト材料等幅広く使用
されている。ところが、近年、生産性、小型化、精密
化、高性能化及び省エネルギー化に伴い、使用されるエ
ポキシ樹脂及び硬化剤も速硬化、耐湿性、耐熱性及び高
度な電気特性が要求されるようになってきた。
硬化システムが注目され、試行錯誤の中、開発が進んで
いる。エポキシ樹脂のカチオン重合は、従来の硬化剤
(アミン系、酸無水物系等)とは全く異なり、エポキシ
樹脂同士を自己架橋させて、3次元構造を形成させるも
のである。従って、従来得られなかった新しい物性を創
出することが可能である。
シ樹脂は、シクロヘキセンの過酢酸酸化により得られる
環状脂肪族エポキシ樹脂が主流を占めている。しかし、
この環状脂肪族エポキシ樹脂の硬化物は成形収縮が大き
く、機械的強度が低く、脆いという欠点を有している。
そこで、アクリレート、ポリオール等のモノマー又はオ
リゴマーを添加して硬化物物性の改良を試みている(特
開平11−114487号公報、特開平11−2286
10号公報参照)。しかしながら、これらの方法はエポ
キシ樹脂に他のモノマーを添加するため、エポキシ樹脂
本来持っている耐熱性、接着性が低下し、高度の性能が
要求される電気・電子分野には使用できないという問題
を有している。
ールA又はビスフェノールFから得られる全芳香族エポ
キシ樹脂は、カチオン重合開始剤、特に光カチオン重合
開始剤との反応性が非常に悪いため、高生産性、省エネ
ルギー対応が要求される紫外線硬化型の接着剤、塗料、
インキ等の分野には使用できないという問題を有してい
る。
を解決した、カチオン重合開始剤との反応性に優れ、可
撓性に優れた硬化物を与えることができるエポキシ樹脂
及びカチオン重合開始剤を含有する組成物であり、特に
紫外線硬化型のコーティン剤及び接着剤、又は電子部品
の封止材料として使用可能なエポキシ樹脂組成物を提供
しようとするものである。
点を鋭意検討した結果、芳香族エポキシ樹脂中の芳香環
の一部分又は全部を水素化し、1分子中にアルコール性
水酸基が適正な範囲の量を有するエポキシ樹脂は、カチ
オン重合開始剤との反応性が著しく増大するため、硬化
が速やかに終了し、かつ得られる硬化物は、従来のカチ
オン重合開始剤で硬化したエポキシ硬化物に比べ、可撓
性及び耐熱性が向上することを見出した。本発明は、以
下の各発明を包含する。
てなる、エポキシ樹脂組成物。 (A)成分;下記一般式(1)で示される芳香族エポキ
シ樹脂を水素化して得られる、芳香環の水素化率が20
〜100%の割合で、1分子中にアルコール性水酸基を
平均で0.2〜20個有しているエポキシ樹脂、
ルキル基もしくはアリール基を示し、nは平均で0.2
〜20の数である。) (B)成分;カチオン重合開始剤。
水素化して得られる、芳香環の水素化率が40〜100
%の割合で、1分子中にアルコール性水酸基を平均で
0.3〜10個有している、エポキシ樹脂である、(1)
項記載のエポキシ樹脂組成物。
ポキシ樹脂又はビスフェノールF型エポキシ樹脂を水素
化したエポキシ樹脂である、(1) 項又は(2) 項に記載の
エポキシ樹脂組成物。
熱又は活性エネルギー線によりカチオン種又はルイス酸
を発生するオニウム塩である、(1) 項〜(3) 項のいずれ
か1項に記載のエポキシ樹脂組成物。
ジアゾニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩及び
ホスホニウム塩から選ばれるオニウム塩化合物である、
(1) 項〜(4) 項のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組
成物。
下記一般式(2)で示されるスルホニウム塩化合物であ
る、(1) 項〜(5) 項のいずれか1項に記載のエポキシ樹
脂組成物。
フチル基、R1 は炭素数1〜8のアルキル基、R2 は置
換されていてもよいフェニル基又はナフチル基、置換さ
れていてもよいアルキル基、シクロアルキル基、アルケ
ニル基又は2−インダニル基、Xは非求核性のアニオン
残基をそれぞれ示す。)
部に対し、(B)成分のカチオン重合開始剤が0.01
〜15重量部の割合で配合されていることを特徴とす
る、(1)項1〜(6) 項のいずれか1項に記載のエポキシ
樹脂組成物。
脂を水素化して得られる、芳香環の水素化率が20〜1
00%の割合で、1分子中にアルコール性水酸基を平均
で0.2〜20個有しているエポキシ樹脂。
ルキル基もしくはアリール基を示し、nは平均で0.2
〜20の数である。)
脂を、エーテル系溶剤中で水素化触媒の存在下に選択的
に水素化することを特徴とする、芳香環の水素化率が2
0〜100%の割合で、1分子中にアルコール性水酸基
を平均で0.2〜20個有しているエポキシ樹脂の製造
方法。
ルキル基もしくはアリール基を示し、nは平均で0.2
〜20の数である。)
ニウムをグラファイトに担持した触媒である、(9) 項記
載のエポキシ樹脂の製造方法。
樹脂組成物の(A)成分であるエポキシ樹脂は、下記一
般式(1)で示される芳香族エポキシ樹脂を水素化する
ことにより得られる、芳香環の水素化率が20〜100
%の割合であって、1分子中に水酸基を平均で0.2〜
20個有しているエポキシ樹脂である。
ルキル基又はアリール基を示し、 nは平均で0.2〜
20の数である。)
脂の例としては、例えば次のものが挙げられる。ビスフ
ェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキ
シ樹脂、2,2'−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン
から得られるエポキシ樹脂、2,2'−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)ブタンから得られるエポキシ樹脂、2,2'−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサンから得られる
エポキシ樹脂、1,1'−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
−1−フェニルメタンから得られるエポキシ樹脂等。こ
れらの中で、一般式(1)中のR1 及びR2 が、それぞ
れ水素原子又はメチル基であるビスフェノールA型エポ
キシ樹脂又はビスフェノールF型エポキシ樹脂を用いる
のが、原料入手が容易という点でより好ましい。
キシ樹脂は、1分子中に水酸基を平均で0.2〜20
個、より好ましくは、0.3〜10個含有しているエポ
キシ樹脂である。1分子中に水酸基が平均で0.2個未
満であると、本発明のエポキシ樹脂組成物の硬化性及び
硬化物の可撓性が低下するため好ましくない。また、1
分子中に水酸基が平均で20個を越えると、エポキシ樹
脂組成物の溶融粘度が上がりすぎ、作業性が低下するた
め好ましくない。
は、例えば「新エポキシ樹脂」(垣内弘氏 編著、昭晃
堂)に記載されているように、塩化アセチル又は無水酢
酸を用いてアセチル化を行い、水酸基を定量する方法が
知られている。本発明のエポキシ樹脂組成物に使用する
エポキシ樹脂の水素化率は、20〜100%の範囲であ
り、カチオン開始剤との反応性を更に上げたエポキシ樹
脂を得ようとするならば、水素化率は40〜100%の
範囲であるのが好ましい。水素化率が20%未満である
と、カチオン重合開始剤によるエポキシ樹脂の重合反応
が低下するため好ましくない。また、水素化率は核磁気
共鳴スペクトル分析により求めることができる。
は、対応する芳香族エポキシ樹脂を触媒の存在下、公知
の方法で選択的に芳香環を水素化反応する方法である。
反応方法の例としては、芳香族エポキシ樹脂をテトラヒ
ドロフラン、ジオキサン等のエーテル系の有機溶剤に溶
解し、ロジウム又はルテニウムをグラファイトに担持し
た触媒の存在下、芳香環を選択的に水素化反応する。グ
ラファイト担体としては、表面積が10m2 /g以上、
400m2 /g以下の範囲のものを用いる。反応は、圧
力、1〜30MPa、温度30〜150℃、時間0. 5
〜20時間の範囲内で行う。反応終了後、触媒を濾過に
より除去し、エーテル系有機溶剤を減圧で、実質的に無
くなるまで留去し、25℃で液体又は固体の水素化エポ
キシ樹脂を得る。
脂組成物における(B)成分としてのカチオン重合開始
剤としては、活性エネルギー線によりカチオン種又はル
イス酸を発生する、活性エネルギー線カチオン重合開始
剤、又は熱によりカチオン種又はルイス酸を発生する熱
カチオン重合開始剤を使用することができる。
ては、米国特許第3379653号明細書に記載された
ような金属フルオロ硼素錯塩及び三弗化硼素錯化合物;
米国特許第3586616号明細書に記載されたような
ビス(ペルフルオルアルキルスルホニル)メタン金属
塩;米国特許第3708296号明細書に記載されたよ
うなアリールジアゾニウム化合物;米国特許第4058
400号明細書に記載されたようなVIa族元素の芳香
族オニウム塩;米国特許第4069055号明細書に記
載されたようなVa族元素の芳香族オニウム塩;米国特
許第4068091号明細書に記載されたようなIII
a〜Va族元素のジカルボニルキレート;米国特許第4
139655号明細書に記載されたようなチオピリリウ
ム塩;米国特許第4161478号明細書に記載された
ようなMF6 - 陰イオン(ここで、Mは燐、アンチモン
及び砒素から選択される)の形のVIb元素;米国特許
第4231951号明細書に記載されたようなアリール
スルホニウム錯塩;米国特許第4256828号明細書
に記載されたような芳香族ヨードニウム錯塩及び芳香族
スルホニウム錯塩;W.R.Wattらによって「ジャ
ーナル・オブ・ポリマー・サイエンス(Journal of Pol
ymer Science)、ポリマー・ケミストリー(Polymer Ch
emistry)版」、第22巻、1789頁(1984年)に
記載されたようなビス[4−(ジフェニルスルホニオ)
フェニル]スルフィド−ビス−ヘキサフルオロ金属塩
(例えば燐酸塩、砒酸塩、アンチモン酸塩等)の一種以
上が包含される。その他、鉄化合物の混合配位子金属塩
及びシラノール−アルミニウム錯体も使用することが可
能である。
オン重合開始剤には、アリールスルホニウム錯塩、ハロ
ゲン含有錯イオンの芳香族スルホニウム又はヨードニウ
ム塩並びに族、族及び族元素の芳香族オニウム塩が包含
される。これらの塩のいくつかは、FX−512(3M
社)、UVR−6990及びUVR−6974〔ユニオ
ン・カーバイド(Union Carbide)社〕、UVE−10
14及びUVE−1016〔ジェネラル・エレクトリッ
ク(General Electric)社〕、KI−85〔デグッサ
(Degussa)社〕、SP−150及びSP−170(旭
電化社)、ボロン系の2074(ローヌプーランジャパ
ン社)並びにサンエイドSI−60L、SI−80L及
びSI−100L(三新化学工業社)等のように商品と
して入手することができる。
酸(Triflic acid)塩、三弗化硼素エーテル錯化合物、
三弗化硼素等のようなカチオン系又はプロトン酸触媒が
用いることができる。好ましい熱カチオン重合開始剤と
しては、トリフル酸塩であり、例としては、3M社から
FC−520として入手できるトリフル酸ジエチルアン
モニウム、トリフル酸トリエチルアンモニウム、トリフ
ル酸ジイソプロピルアンモニウム、トリフル酸エチルジ
イソプロピルアンモニウム等〔これらの多くはR.R.
Almによって1980年10月発行のモダン・コーテ
ィングス(Modern Coatings)に記載されている〕があ
る。また一方、活性エネルギー線カチオン重合開始剤と
しても用いられる芳香族オニウム塩のうち、熱によりカ
チオン種を発生するものがあり、これらも熱カチオン重
合開始剤として用いることができる。例としては、サン
エイドSI−60L、SI−80L及びSI−100L
(三新化学工業社)等がある。
で、オニウム塩が好ましく、その中で、ジアゾニウム
塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩及びホスホニウム
塩が取り扱い性及び潜在性と硬化性のバランスに優れる
という点で好ましい。更に、下記一般式(2)で示され
るスルホニウム塩化合物が、得られるエポキシ樹脂硬化
物のガラス転移温度を高くできるという点で、より好ま
しいカチオン重合開始剤である。
フチル基、R1 は炭素数1〜8のアルキル基、R2 は置
換されていてもよいフェニル基又はナフチル基、置換さ
れていてもよいアルキル基、シクロアルキル基、アルケ
ニル基又は2−インダニル基、Xは非求核性のアニオン
残基をそれぞれ示す。)
けるAr、R1 、R2 及びXについて、以下に詳細に説
明する。Arは、置換されていてもよいフェニル基又は
ナフチル基を示し、以下の置換基が挙げられる。メチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘ
キシル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プ
ロポキシ基、ブトキシ基、ヘキシルオキシ基、デシルオ
キシ基、ドデシルオキシ基等のアルコキシ基、アセトキ
シ基、プロピオニルオキシ基、デシルカルボニルオキシ
基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ベ
ンゾイルオキシ基等のカルボニル基、フェニルチオ基、
ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基等。
基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等の炭素数1〜
8のアルキル基を示す。R2 は、置換されていてもよい
フェニル基又はナフチル基、置換されていてもよいアル
キル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、アルケニ
ル基又は2−インダニル基を示し、フェニル基又はナフ
チル基の置換基は、以下の基が挙げられる。
基、ペンチル基、ヘキシル基等のアルキル基、メトキシ
基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ヘキシル
オキシ基、デシルオキシ基、ドデシルオキシ基等のアル
コキシ基、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、デシ
ルカルボニルオキシ基、メトキシカルボニル基、エトキ
シカルボニル基、ベンゾイルオキシ基等のカルボニル
基、フェニルチオ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ
基、ヒドロキシ基等。
げられる。メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブ
トキシ基、ヘキシルオキシ基、デシルオキシ基、ドデシ
ルオキシ基等のアルコキシ基、アセトキシ基、プロピオ
ニルオキシ基、デシルカルボニルオキシ基、メトキシカ
ルボニル基、エトキシカルボニル基、ベンゾイルオキシ
基等のカルボニル基、フェニルチオ基、ハロゲン原子、
シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、フェニル基等。X
は、非求核性のアニオン残基を示し、SbF6、As
F6、PF6又はBF4等が挙げられる。
(A)成分のエポキシ樹脂100重量部に対して、0.
01〜15重量部、より好ましくは0.1〜10重量部
の量で添加するのが好ましい。上記範囲を外れると、エ
ポキシ樹脂硬化物の耐熱性及び耐湿性のバランスが悪く
なるため好ましくない。
には、必要に応じて次の成分を添加配合することができ
る。 (1) 粉末状の補強剤や充填剤、例えば、酸化アルミニウ
ム、酸化マグネシウムなどの金属酸化物、微粉末シリ
カ、溶融シリカ、結晶シリカなどのケイ素化合物、水酸
化アルミニウムなどの金属水酸化物、その他、カオリ
ン、マイカ、石英粉末、グラファイト、二硫化モリブデ
ン等、さらに繊維質の補強剤や充填剤、例えばガラス繊
維、セラミック繊維、カ−ボンファイバ−、アルミナ繊
維、炭化ケイ素繊維、ボロン繊維、ポリエステル繊維及
びポリアミド繊維等。これらは本発明のエポキシ樹脂組
成物の100重量部に対して、10〜900重量部配合
される。
ン、鉄黒、モリブデン赤、紺青、群青、カドウム黄、カ
ドミウム赤等。 (3) 難燃剤、例えば、三酸化アンチモン、赤燐、ブロム
化合物及びトリフェニルホスフェイト等。 (4) イオン吸着体。 (5) カップリング剤。これらは、本発明のエポキシ樹脂
組成物の100重量部に対して、0.1〜30重量部配
合される。
品などにおける樹脂の性質を改善する目的で種々の硬化
性モノマ−、オリゴマ−及び合成樹脂を配合することが
できる。例えば、脂肪族エポキシ等のエポキシ樹脂用希
釈剤、ジオール又はトリオール類、ビニルエーテル類、
オキセタン化合物、シクロヘキセンの過酢酸酸化により
得られる環状脂肪族エポキシ樹脂、フッ素樹脂、アクリ
ル樹脂、シリコ−ン樹脂、ポリエステル樹脂等の1種又
は2種以上の組み合わせを挙げることができる。これら
樹脂類の配合割合は、本発明の樹脂組成物の本来の性質
を損なわない範囲の量、すなわち本発明のエポキシ樹脂
組成物100重量部に対して、50重量部以下が好まし
い。
エポキシ樹脂、カチオン重合開始剤及び任意成分の配合
手段としては、加熱溶融混合、ロ−ル、ニーダーによる
溶融混練、適当な有機溶剤を用いての湿式混合及び乾式
混合等が挙げられる。
さらに詳しく説明する。なお、例中の部は重量部を意味
する。
器及び温度計を備えた1000ミリリットルのオートク
レーブ内に、エピコート834(油化シェルエポキシ社
商品名;ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当
量;252g/当量)を100g、テトラヒドロフラン
を300g及び5重量%ロジウム/95重量%グラファ
イト(グラファイトの表面積:130m2/g)触媒
5.0gを仕込み、水素圧力7MPa、温度70℃、撹
拌数500〜800rpmの条件を保持しながら、2時
間還元反応を行った。反応終了後、冷却し、触媒を濾別
した後、テトラヒドロフランをエバポレーターにて減圧
下、温度100℃で留去させて、無色透明液体のエポキ
シ樹脂を得た。得られたエポキシ樹脂のNMRより求め
た水素化率は99.4%であり、無水酢酸/ピリジンの
滴定法により求めた1分子中のアルコール性水酸基の数
は平均で0.70個、エポキシ当量は274(g/当
量)であった。
0分間に変える以外は、実施例1と同様の操作を行い、
エピコート834の水素化物である、無色透明液体のエ
ポキシ樹脂を得た。得られたエポキシ樹脂のNMRより
求めた水素化率は65%であり、1分子中のアルコール
性水酸基の数は平均で0.66個、エポキシ当量は26
9(g/当量)であった。
エポキシ樹脂を、エピコート828EL(油化シェルエ
ポキシ社商品名;ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エ
ポキシ当量;186g/当量)を50g及びエピコート
834を50gに変える以外は、実施例1と同様の操作
を行い、無色透明液体のエポキシ樹脂を得た。得られた
エポキシ樹脂のNMRより求めた水素化率はほぼ100
%であり、1分子中のアルコール性水酸基の数は平均で
0.44個、エポキシ当量は238(g/当量)であっ
た。
エポキシ樹脂をエピコート1004(油化シェルエポキ
シ社商品名;ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキ
シ当量;912g/当量)100gに変える以外は、実
施例1と同様の操作を行い、無色透明固体のエポキシ樹
脂を得た。得られたエポキシ樹脂のNMRより求めた水
素化率は70%であり、1分子中のアルコール性水酸基
の数は平均で5.50個、エポキシ当量は1015(g
/当量)であった。
香族エポキシ樹脂をエピコート828EL100gに変
える以外は、実施例1と同様の操作を行い、無色透明液
体のエポキシ樹脂を得た。得られたエポキシ樹脂のNM
Rより求めた水素化率はほぼ100%であり、1分子中
のアルコール性水酸基の数は平均で0.15個、エポキ
シ当量は200(g/当量)であった。
として、下式(3)のスルホニウム塩がγ−ブチロラク
トン中に50重量%溶解している溶液1部及びエチルチ
オキサントン0.5部を、温度80℃で均一になるまで
混合してエポキシ樹脂組成物を得た。
20μmの厚膜に塗装した後、高圧水銀灯のベルトコン
ベアー式UV照射装置(紫外線量140mJ/cm2 、
ベルトコンベアーの速度16m/分)を用いて紫外線を
照射させ硬化塗膜を得た。この硬化塗膜の物性値を表1
に示す。
1と同様の操作を行い、光硬化塗膜を得た。この硬化塗
膜の物性値を表1に示す。
剤として、下式(4)のスルホニウム塩がγ−ブチロラ
クトン中に50重量%溶解している溶液0.5部を温度
50℃で均一になるまで混合してエポキシ樹脂組成物を
得た。この組成物を減圧下で脱泡した後、型の中に流し
込み、オーブン中にて90℃で2時間、次いで、140
℃で4時間硬化を行い硬化物を得た。このエポキシ硬化
物の物性値を表2に示す。
1と同様の操作を行い、エポキシ樹脂硬化物を得た。こ
の硬化物の物性値を表2に示す。
成物は、紫外線又は熱により、速やかに硬化する特徴を
有する。また、その硬化物は可撓性、接着性のバランス
に優れるため広範な用途に応用展開が可能である。特
に、紫外線硬化型のコーティン剤及び接着剤、又は電子
部品の封止材料において有利に使用できる。
Claims (7)
- 【請求項1】 下記(A)成分と(B)成分を含有して
なる、エポキシ樹脂組成物: (A)成分;下記一般式(1)で示される芳香族エポキ
シ樹脂を水素化して得られる、芳香環の水素化率が20
〜100%の割合で、1分子中にアルコール性水酸基を
平均で0.2〜20個有しているエポキシ樹脂、 【化1】 (式中、R1 及びR2 は水素原子又は炭素数1〜6のア
ルキル基もしくはアリール基を示し、nは平均で0.2
〜20の数である。) (B)成分;カチオン重合開始剤。 - 【請求項2】 (A)成分は、芳香族エポキシ樹脂を水
素化して得られる、芳香環の水素化率が40〜100%
の割合で、1分子中にアルコール性水酸基を平均で0.
3〜10個有している、エポキシ樹脂である、請求項1
記載のエポキシ樹脂組成物。 - 【請求項3】 (A)成分は、ビスフェノールA型エポ
キシ樹脂又はビスフェノールF型エポキシ樹脂を水素化
したエポキシ樹脂である、請求項1又は2に記載のエポ
キシ樹脂組成物。 - 【請求項4】 (B)成分のカチオン重合開始剤が、熱
又は活性エネルギー線によりカチオン種又はルイス酸を
発生するオニウム塩である、請求項1〜3のいずれか1
項に記載のエポキシ樹脂組成物。 - 【請求項5】 (B)成分のカチオン重合開始剤が、ジ
アゾニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩及びホ
スホニウム塩から選ばれるオニウム塩化合物である、請
求項1〜4のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成
物。 - 【請求項6】 (B)成分のカチオン重合開始剤が、下
記一般式(2)で示されるスルホニウム塩化合物であ
る、請求項1〜5のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂
組成物。 【化2】 (式中、Arは置換されていてもよいフェニル基又はナ
フチル基、R1 は炭素数1〜8のアルキル基、R2 は置
換されていてもよいフェニル基又はナフチル基、置換さ
れていてもよいアルキル基、シクロアルキル基、アルケ
ニル基又は2−インダニル基、Xは非求核性のアニオン
残基をそれぞれ示す。) - 【請求項7】 (A)成分のエポキシ樹脂100重量部
に対し、(B)成分のカチオン重合開始剤が0.01〜
15重量部の割合で配合されていることを特徴とする、
請求項1〜6のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成
物。
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