JP4622220B2 - 全固体型電解質とその製造方法及び該全固体型電解質を使用した二次電池 - Google Patents

全固体型電解質とその製造方法及び該全固体型電解質を使用した二次電池 Download PDF

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Description

本発明は、全固体型電解質とその製造方法及び該全固体型電解質を使用した二次電池に関するものである。
電子機器の小型軽量化、ポータブル化に伴い、高電圧、高エネルギー密度という特徴を有するリチウム二次電池の研究開発が活発に行われている。特に最近のポータブル電子機器では、急速な性能向上に伴い、消費電力も急速に増大しつつある。こうした背景の中で、更なる高電圧、高エネルギー密度を実現できるようなリチウム二次電池が要求されている。
リチウム二次電池に用いる電解質としては、液体電解質においては電解液の安定性や保存性などの問題から、
高分子固体電解質が検討され、電解液を高分子化合物でゲル化し、電解液の流動性を無くしたゲル状電解質と有機溶媒を全く使用しない電解質、あるいは、電解質合成時は低沸点の有機溶媒を使用するが、その後加熱などにより、低沸点の有機溶媒を除去する全固体型固体電解質とがある。
ゲル状電解質は、液体電解質と比較して溶媒の揮発は起こりにくいが、長期信頼性、安全性を考慮すると本来の意味での完全固体化の実現が待ち望まれているのが現状である。
一方、全固体型固体電解質としては、例えば、イミダゾリウム系溶融塩型電解質が提案され(例えば、特許文献1参照。)、ポリマー電解質のイオン伝導率は10-7S/cmであり、十分満足のできるレベルとはいえない。ポリマー電解質のイオン伝導度が高いことは、電池性能向上のために最も重要な項目の一つであり、イオン伝導度の低い電解質を電池に組み込むと内部抵抗が増大するため、電池容量を著しく損なう原因となる。
常温で液状であるにもかかわらず揮発性がほとんどなく、しかも難燃性又は不燃性を有する常温溶融塩を利用する溶融塩型電解質が、安全性に優れているため最近では盛んに検討されている。しかしながら、溶融塩が重合性官能基を含むモノマーである場合、常温で液体であるが故に、固体と比較して反応性が高く、室温で長時間保管していると重合が進行してしまいモノマーの安定性に欠け、長期信頼性が問題となる。そのため低温での保管が必要となり、低温環境設備のためにコストが高くなってしまうという問題がある。
前記ポリマー電解質においてモノマーを重合する方法としては、紫外線のような活性光線を照射したり、加熱したりする方法がある。紫外線のような活性光線を照射してモノマーを重合する方法は、外装材にモノマー溶液を注入した後に重合を行うような場合には利用できない。重合開始剤の存在下で加熱を利用する方法は、外装材を使用するような場合でも短時間で重合可能であるが様々な問題もある。加熱によりラジカル重合させる場合の重合開始剤として、アゾ系の開始剤と過酸化物系の開始剤がよく利用されている。アゾ系の重合開始剤を使用した場合、遊離ラジカルを発生する際に窒素ガスが発生し、高分子電解質中に空隙を生じる可能性があり好ましくない。一方、過酸化物系の重合開始剤を使用する場合、アゾ系の開始剤にあるような問題は少なく高分子電解質の作製には良く利用されている。また、重合開始剤として過酸化物系の過酸化ベンゾイルを使用するとリチウムとの反応はないと記載されている文献もあるが(例えば、特許文献2参照。)、電極材料や電解質塩の種類によってはそれらと反応してしまい副反応が完全に抑制されるわけではない。特許文献2では重合開始剤を使用せずに熱重合を行うことも可能であることが提案されているが、重合に長時間の加熱を必要とするため生産性に乏しいという問題がある。
しかしながら、重合開始剤を使用することは、電池特性、特に、初回充放電効率やサイクル特性に悪影響を及ぼし、容量低下を招く原因となりうる。そのため、重合開始剤を使わずに、かつ、短時間で高分子固体電解質が作製できるのであればより好ましいのが現状である。
特開2000−11753号公報(4頁、表2) 特開昭54−104541号公報(3頁)
本発明は、保存性及び高イオン伝導度を有する全固体型電解質及びその製造方法、並びにサイクル特性に優れる二次電池を提供することを目的としている。
本発明者らは、上記の目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、特定の塩モノマーを用いることによって、保存性に優れ、高いイオン伝導度を有する全固体型電解質が得られ、前記全固体型電解質を電池、特にリチウム二次電池に使用することにより、優れた電池特性を実現できることを見出し、さらに検討を進めて本発明を完成させるに至った。
即ち本発明は、重合性官能基を有する酸成分及び重合性官能基を有するアンモニウム成分を含むイオン的相互作用を有する塩モノマーを重合して得られるポリマー及びリチウム塩からなる全固体型電解質であって、前記塩モノマーが、40℃以上の融点を有するものであり、前記ポリマーが、重合性官能基を有する酸成分及び重合性官能基を有するアンモニウム成分から構成されるイオン的相互作用を有する塩モノマーとリチウム塩からなる組成物を、重合開始剤及び有機溶媒を用いずに、前記塩モノマーの融点以上の温度で加熱して塩モノマーを重合して得られるものであることを特徴とする全固体型電解質である。
また、本発明は、重合性官能基を有する酸成分及び重合性官能基を有するアンモニウム成分から構成されるイオン的相互作用を有する塩モノマーとリチウム塩からなる組成物を重合開始剤及び有機溶媒を用いずに、前記塩モノマーの融点以上の温度で加熱して塩モノマーを重合することを特徴とする全固体型電解質の製造方法である。
更に、本発明は、前記全固体型電解質または前記全固体型電解質の製造方法により得られた全固体型電解質を構成要素とすることを特徴とする二次電池である。
本発明によれば、高いイオン伝導度を発現し、保存性にも優れる全固体型電解質を提供できる。この電解質を二次電池に使用すると優れた容量維持率が実現可能となる。
本発明の全固体型電解質は、重合性官能基を有する酸成分及び重合性官能基を有するアンモニウム成分から構成されるイオン的相互作用を有する塩モノマーを重合して得られるポリマーを有することにより高いイオン伝導性を発現し、前記塩モノマーが40℃以上の融点を有することにより保存性に優れる。また、本発明の全固体型電解質の製造において、前記塩モノマーは重合開始剤を使用する必要がなく、前記塩モノマーの融点以上で加熱してモノマーを重合することでリチウムとの副反応を生じる可能性のある重合開始剤を添加する必要がないことから、二次電池において、電池特性、特に、初回充放電効率やサイクル特性が良好となるものである。
本発明に用いるイオン的相互作用を有する塩モノマーは、重合性官能基を有する酸成分及び重合性官能基を有するアンモニウム成分から構成されるものであり、イオン的相互作用を示す正電荷部位と負電荷部位とを有し、それぞれの部位に共有結合で結合された前記重合性官能基を有するため、前記酸成分と前記アンモニウム成分とは高分子電解質を形成する際には、高分子マトリックス中に共有結合で固定された状態となる。前記塩モノマーをポリマーマトリックス中に均一に分散した状態のまま固定化することにより、高いイオン伝導度を発現することができる。
前記重合性官能基としては、アクリル基、メタクリル基、アクリルアミド基、メタクリルアミド基、スチリル基、アリル基などが挙げられるが、ラジカル重合可能な重合性官能基であれば特に限定されない。
前記重合性官能基を有する酸成分としては、重合性官能基を有するカルボン酸やスルホン酸などが好ましく、例えば、2−ビニルベンゼンスルホン酸、3−ビニルベンゼンスルホン酸、4−ビニルベンゼンスルホン酸、2−メチル−1−ペンテン−1−スルホン酸、1−オクテン−1−スルホン酸、4−ビニルベンゼンメタンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸、アクリル酸、メタクリル酸、フタル酸−2−(メタクリロイルオキシ)エチル、フタル酸−3−(メタクリロイルオキシ)エチル、フタル酸−4−(メタクリロイルオキシ)エチル、フタル酸−2−(アクリロイルオキシ)エチル、フタル酸−3−(アクリロイルオキシ)エチル、フタル酸−4−(アクリロイルオキシ)エチル、2−ビニル安息香酸、3−ビニル安息香酸、4−ビニル安息香酸などが挙げられる。
前記重合性官能基を有するアンモニウム成分としては、四級アンモニウム塩のハロゲン化物などが挙げられる。例えば、2−メタクリル酸エチルトリメチルアンモニウムクロリド、3−アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド、2−アクリル酸エチルトリメチルアンモニウムクロリド、3−メタクリル酸アミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド、メタクリル酸ジメチルアミノエチルベンジルクロライド、N,N−ジメチル−N−ジ−2−プロペニル−2−プロペン−1−アミニウムクロリド、ジアリルメチルフェニルアンモニウムクロリド、N−メチル−N,N−ジ−2−プロペニル−1−ドデカナミニウムクロリド、ジアリルビス(シクロヘキシルメチル)アンモニウムクロリド、ジアリルジメチル(2−メチルアリル)アンモニウムクロリド、N−メチル−N,N−ジ−2−プロペニルベンゼンメタミニウムクロリド、N−メチル−N,N−ジ−2−プロペニル−1−ドデカナミニウムクロリド、アリルジメチル(1−メチル−2−ブテニル)アンモニウムクロリド、ジアセトニルジアリルアンモニウムクロリド、N−メチル−N,N−ジ−2−プロペニル−2−プロペン−1−アミニウムクロリドなどが挙げられる。
本発明に用いる前記塩モノマーを得る方法としては、例えば、上記重合性官能基を有するスルホン酸又はカルボン酸の銀塩と、上記重合性官能基を有するアンモニウム塩のハロゲン化物を反応させる方法、上記重合性官能基を有するスルホン酸のエステル又は上記カルボン酸のエステルと重合性官能基を有する上記四級アミンとを反応させる方法等が挙げられるが、特にこれらに限定されない。
また、本発明に用いる塩モノマーは、融点が40℃以上であることから、室温では融解することのない固体であり、その状態では重合は進行しない。前記塩モノマーの融点は、高いことでライフの問題は無いが、高分子電解質の作製温度やリチウム塩の分解温度などを考慮すると、80℃から200℃が好ましく、100℃から180℃がより好ましい。融点が前記下限値未満である場合は、室温で保管しておくと前記塩モノマーが液状になりやすく、その温度でも徐々に重合が進行してしまい、長時間放置されると増粘し、使用できなくなるといった問題がある。
本発明に用いる塩モノマーの濃度としては、全固体電解質の全重量に対して3〜99重量%が好ましく、5〜95%がより好ましい。
本発明に用いるリチウム塩としては、LiPF6、LiClO4、LiCF3SO3、LiBF4、LiAsF6、LiN(CF3SO22、LiN(C25SO22、LiC(CF3SO23などが挙げられ、これらを単独あるいは2種以上を混合して用いても良いが、熱分解温度の高い、LiN(CF3SO22、LiN(C25SO22、LiC(CF3SO23がより好ましい。使用される濃度としては、全固体型電解質の全重量に対して0.1〜90重量%が好ましく、リチウム塩濃度が低すぎるとイオン伝導度が低くなってしまうこと、逆に高すぎるとリチウム塩の分散が均一になりにくいことを考慮すると、1〜70重量%がより好ましい。
本発明の全固体型電解質の製造方法としては、前記塩モノマーと前記リチウム塩からなる組成物を混合した後、前記塩モノマーの融点以上で加熱し塩モノマーを重合することにより得る方法が挙げられる。
全固体型電解質の製造方法において、フィルム状の電解質シートを製造する方法の例を挙げると、まず、室温で固体状の塩モノマーとリチウム塩とを粉砕して混合し、均一な粉末状の混合物を得る。この混合物を加熱・加圧装置の加圧ステージに載せてプレスして、前記塩モノマーの融点以上で、5分から30分間加熱することによって塩モノマーを重合し、透明均一なフィルム状の電解質シートが得られる。このような加工を可能とするのは、塩モノマーが室温以上の融点を有するモノマーであるためであり、かつ、融解直後に急速に重合反応が進行するためである。(図1参考)
本発明の二次電池は、上記で得られた全固体型電解質を構成要素とするものであり、前記固体電解質の他に正極及び負極などを組み合わせて形成することができる。
本発明の二次電池において正極及び負極には活物質が用いられるが、正極活物質としては、リチウムを含有する遷移金属酸化物が、エネルギー密度が高く、可逆的に優れており、好適に用いられ、例えば、LiCoO2などのリチウムコバルト酸化物、LiMn24などのリチウムマンガン酸化物、LiNiO2などのリチウムニッケル酸化物、または、それらの混合物やLiNiO2のニッケルの一部をコバルトやマンガンに置換したものなどが挙げられる。また、負極活物質としては、リチウムイオンを挿入、脱離させることのできる炭素系材料が用いられ、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、メソカーボンマイクロビーズ、グラファイトなどが挙げられる。
本発明の二次電池の製造方法の例を挙げると、まず、正極活物質としてLiCoO2、導電剤としての黒鉛、結着剤としてのポリ(ビニリデンフルオライド)を混合して正極合剤を調製し、この正極合剤を、N−メチル−2−ピロリドン中に分散させて、スラリー状の正極合剤とする。この正極合剤を、正極集電体として用いる厚み20μmのアルミニウム箔の両面に、均一に塗布し、乾燥後、ロールプレス機で圧縮成形することで正極が得られる。
次に、負極活物質として粉砕した黒鉛粉末と、結着剤としてポリ(ビニリデンフルオライド)を混合して、負極合剤を調製し、この負極合剤を、N−メチル−2−ピロリドン中に分散させてスラリー状の負極合剤とする。この負極合剤を、負極集電体として用いる厚み15μmの銅箔の両面に均一に塗布し、乾燥後、ロールプレス機で圧縮成形することで負極が得られる。
上記で得られた正極、電解質シート、負極をその順に重ね合わせてユニットセルを作製する。正極、負極から端子を引き出し、ポリエステル、アルミニウム、ポリオレフィンなどからなるラミネートフィルムでユニットセルを覆い周囲を加熱シールすることにより二次電池を製造することができる。
以下、実施例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれによって何ら限定されるものではない。
[実施例1]
<塩モノマーAの合成>
2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸10.36g(50mmol)を水500mlに溶解し、それに炭酸銀13.80g(50mmol))を添加して、8時間攪拌し、濾過後無色透明の液を得た。これに、100mmol/Lの3−メタクリル酸アミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリドの水溶液を滴下して反応させた。反応の進行と同時に塩化銀の白色固体が析出した。反応は導電率計で、導電率を測定しながら行い、3−メタクリル酸アミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリドの水溶液を、492.0ml滴下した時点で、導電率が最小値を示し、その点を終点とした。濾過により析出した塩化銀を取り除き、無色透明の水溶液を得た。濾液をエバポレーターにより濃縮し、少し粘調な水溶液を得た。
得られた溶液をエタノールで希釈し、それを大量のテトラヒドロフランに滴下して白色の沈殿物を得た。濾過により得られた白色粉末(以下、塩モノマーA)を真空乾燥し、示差走査熱分析(DSC)により生成物の融点の確認を行った。融点は152℃であり、得られた化合物は単一の塩モノマーであることを確認した。(図1)この図から、融解に伴う急熱ピークの直後に重合に伴う発熱のピークが見られ、融解直後に重合が進行することが分かる。また、得られた塩モノマーを25℃で60日間放置したが、形状に変化が起こらず、その後の使用も可能であった。
<全固体型電解質の合成とイオン伝導度の評価>
上記で得た塩モノマーAの3.00g、LiN(CF3SO22の0.440gを、乳鉢に入れ、均一になるように混合した。前記混合物を膜厚100μmのフィルムが得られる条件でプレスをかけ透明なフィルム状の電解質を得た。得られたフィルムを用いて交流インピーダンス法によりイオン伝導度を測定した。測定した周波数範囲は50Hz〜30MHz、電圧は0.5Vで測定した。結果を表1に示す。25℃で0.30mS/cmの結果を得た。
<全固体型電解質二次電池の作製と二次電池の性能>
正極活物質として、LiCoO2を85重量%、導電剤としての黒鉛を5重量%と、結着剤としてのポリ(ビニリデンフルオライド)を10重量%とを混合して、正極合剤を調製し、この正極合剤を、N−メチル−2−ピロリドン中に分散させて、スラリー状の正極合剤とした。この正極合剤を、正極集電体として用いる厚み20μmのアルミニウム箔の両面に、均一に塗布し、乾燥後、ロールプレス機で圧縮成形することで正極を得た。
負極活物質として粉砕した黒鉛粉末を90重量%と、結着剤としてポリ(ビニリデンフルオライド)を10重量%とを混合して、負極合剤を調製し、この負極合剤を、N−メチル−2−ピロリドン中に分散させて、スラリー状の負極合剤とした。この負極合剤を、負極集電体として用いる厚み15μmの銅箔の両面に、均一に塗布し、乾燥後、ロールプレス機で圧縮成形することで負極を得た。
上記で得られたフィルム状の電解質シートを正極、電解質シート、負極の順に荷重をかけて挟み込み、密閉構造のユニットセルを作製した。この正極、負極から端子を引き出し、ポリエステル、アルミニウム、ポリオレフィンからなるラミネートフィルムでユニットセルを覆い周囲を加熱シールすることによって評価用電池を作製した。電池の組み立て後、25℃、500mAの定電流電圧充電を上限4.2Vまで2時間行い、次に500mAでの放電(1時間率放電)を終止電圧2.5Vまで行った。これを1サイクルとして充放電を20サイクル行い、1サイクル目の放電容量を100%としたときの20サイクル目の容量維持率を求めた。結果を表1に示す。20サイクル後の容量維持率は、99%であった。
[実施例2]
<全固体型電解質の合成とイオン伝導度の評価>
実施例1で使用したリチウム塩LiN(CF3SO22の代わりに、LiN(C25SO22を0.594g使用する以外は、実施例1と同様にして、フィルム状の電解質シートを作製し、25℃でのイオン伝導度の測定を行った。結果を表1に示す。イオン伝導度は、0.30mS/cmであった。
<全固体型電解質二次電池の作製と二次電池の性能>
上記で得られた電解質シートを用いて、実施例1と同様に二次電池の作製を行い、容量維持率を求めた。結果を表1に示す。容量維持率は、99%であった。
[実施例3]
<塩モノマーBの合成>
2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸10.36g(50mmol)を水500mlに溶かし、それに炭酸銀13.80g(50mmol)を添加して8時間攪拌し、濾過後無色透明の液を得た。メタクリル酸ジメチルアミノエチルベンジルクロライドの水溶液を100mmol/Lになるように調製し、得られた液に滴下反応させた。反応の進行と同時に塩化銀の白色固体が析出した。反応は導電率計で導電率を測定しながら行い、メタクリル酸ジメチルアミノエチルベンジルクロライドの水溶液を103.0ml滴下した時点で、導電率が最小値を示し、その点を終点とした。濾過により析出した塩化銀を取り除き、無色透明の水溶液を得た。濾液をエバポレーターにより濃縮すると白色の結晶が析出した時点でエバポレートを終了し、冷蔵庫で一日放置した。再結晶により白色結晶が析出した。濾過により得られた白色結晶(以下、塩モノマーB)を真空乾燥し、示差走査熱分析(DSC)により生成物の融点の確認を行った。融点は166℃であり、得られた化合物は単一の塩モノマーであることを確認した。
<全固体型電解質の合成とイオン伝導度の評価>
実施例1で使用した塩モノマーAの代わりに、上記で得た塩モノマーBを3.00g、リチウム塩としてLiN(CF3SO22を0.379g使用する以外は、実施例1と同様にして、フィルム状の電解質シートを作製し、25℃でのイオン伝導度の測定を行った。結果を表1に示す。イオン伝導度は、0.25mS/cmであった。
<全固体型電解質二次電池の作製と二次電池の性能>
上記で得られた電解質シートを用いて、実施例1と同様に二次電池の作製を行い、容量維持率を求めた。結果を表1に示す。容量維持率は、98%であった。
[実施例4]
<全固体型電解質の合成とイオン伝導度の評価>
実施例1で使用した塩モノマーAの代わりに、実施例3と同様にして得た塩モノマーBを3.00g、リチウム塩としてLiN(C25SO22を0.511g使用する以外は、実施例1と同様にして、フィルム状の電解質シートを作製し、25℃でのイオン伝導度の測定を行った。結果を表1に示す。イオン伝導度は、0.26mS/cmであった。
<全固体型電解質二次電池の作製と二次電池の性能>
上記で得られた電解質シートを用いて、実施例1と同様に二次電池の作製を行い、容量維持率を求めた。結果を表1に示す。容量維持率は、97%であった。
[比較例1]
<全固体型電解質の合成とイオン伝導度の評価>
実施例1で使用した塩モノマーAの代わりに、室温で液状のモノマーN−ビニルイミダゾリウムクロライド3.00gに、リチウム塩としてLiN(CF3SO22を1.289g溶解させる。得られた液状のモノマー電解液をプレスし、膜厚約100μmのフィルム状の電解質シートを作製し、25℃でのイオン伝導度の測定を行った。結果を表1に示す。イオン伝導度は、0.03mS/cmであった。このモノマーを室温で60日間放置しておくと、増粘していた。
<全固体型電解質二次電池の作製と二次電池の性能>
上記で得られた電解質シートを用いて、実施例1と同様に二次電池の作製を行い容量維持率を求めた。結果を表1に示す。容量維持率は、90%であった。
[比較例2]
<全固体型電解質の合成とイオン伝導度の評価>
実施例1の全固体型電解質の合成において、重合開始剤として過酸化ベンゾイルを7.2mg添加した状態で塩モノマーを重合させる以外は同様にして、フィルム状の電解質シートを作製し25℃でのイオン伝導度の測定を行った。結果を表1に示す。イオン伝導度は、0.30mS/cmであった。
<全固体型電解質二次電池の作製と二次電池の性能>
上記で得られた電解質シートを用いて、実施例1と同様に二次電池の作製を行い、容量維持率を求めた。結果を表1に示す。容量維持率は、88%であった。比較例2で得られた電解質シートのイオン伝導度は、0.30mS/cmと高い値が得られたが、容量維持率では、本発明の実施例と比較して大きく低下する結果となった。
25℃でのイオン伝導度及び充放電を20サイクル行った後の初回の放電容量に対する容量維持率を示す。
本発明の全固体型電解質の利用方法としては、有機溶媒を使用することなく、高イオン伝導度を実現できるため、安全性、性能に優れた二次電池への利用が考えられる。また、この電解質は、キャパシタやエレクトロクロミック素子等、電気化学素子全般へも適用可能であると考えられる。
本発明で使用される塩モノマーの示差走査熱分析(DSC)の結果である。

Claims (3)

  1. 重合性官能基を有する酸成分及び重合性官能基を有するアンモニウム成分を含むイオン的相互作用を有する塩モノマーを重合して得られるポリマー及びリチウム塩のみからなる全固体型電解質であって、前記塩モノマーが、40℃以上の融点を有するものであり、前記ポリマーが、ラジカル重合可能な重合性官能基を有するカルボン酸イオンまたはスルホン酸イオン、及びラジカル重合可能な重合性官能基を有する四級アンモニウムイオン成分から構成されるイオン的相互作用を有する塩モノマーとリチウム塩からなる組成物を、重合開始剤及び有機溶媒を用いずに、前記塩モノマーの融点以上の温度で加熱して塩モノマーを重合して得られるものであることを特徴とする全固体型電解質。
  2. ラジカル重合可能な重合性官能基を有するカルボン酸イオンまたはスルホン酸イオン、及びラジカル重合可能な重合性官能基を有する四級アンモニウムイオン成分から構成されるイオン的相互作用を有する塩モノマーとリチウム塩のみからなる組成物を重合開始剤及び有機溶媒を用いずに、前記塩モノマーの融点以上の温度で加熱して塩モノマーを重合することを特徴とする全固体型電解質の製造方法。
  3. 請求項1に記載の全固体型電解質または請求項2に記載の全固体型電解質の製造方法により得られた全固体型電解質を構成要素とすることを特徴とする二次電池。
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