JP4407502B2 - リチウムイオン伝導性電解質及びそれを用いた二次電池 - Google Patents

リチウムイオン伝導性電解質及びそれを用いた二次電池 Download PDF

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Description

本発明は、リチウムイオン伝導性の電解質及びそれを用いた二次電池に関するものである。
近年、携帯電話やノート型パソコンに代表される情報携帯機器、屋外における使用頻度の高いMDプレーヤー、MP3プレーヤー、デジタルカメラ等の携帯機器、あるいは携帯用医療器具やPHSタイプ福祉機器類などの普及に伴い、より軽量、小容積、安価で、また、安定して使用可能で、高出力な二次電池に対する需要が高まってきている。そして、それらの要求を満たす電源用二次電池材料として、高分子固体電解質が注目されてきている。
このような二次電池に対応するためには、高いイオン伝導性を発現するリチウムイオン伝導性の高分子電解質が必要とされてきており、優れたイオン伝導度を実現させるために、アルキレンオキシド骨格、酸の脱プロトン残基、含窒素化合物のカチオンを有する高分子を利用した高分子電解質が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。この高分子電解質によれば、低温領域でのイオン伝導度が改善されるが、実用化するために充分なイオン伝導度ではない。
イオン伝導度を向上する高分子電解質として、二重結合を有するアミン成分と二重結合を有する酸成分からなる塩モノマーを用いることによって良好なイオン伝導度を得る電解質が提案されている(例えば、特許文献2。)。この電解質によれば、良好なイオン伝導度が得られるが、長時間の充放電サイクルでは特性の低下がみられる。
高いイオン伝導性を発現し、さらにサイクル特性を向上する高分子電解質が求められていた。
特開2001−247635号公報 特開2003−142160号公報
本発明は、高いイオン伝導性を発現し、かつ、サイクル特性を向上するリチウムイオン伝導性の電解質を提供するものである。
本発明は、サイクル特性が良好な二次電池を提供するものである。
本発明者らは、上記の目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、ポリマーとリチウム塩を必須成分として構成されるリチウムイオン伝導性電解質に、ポリマーとして塩モノマーと多官能性モノマーを含んで合成される重合体を用いるか、あるいは、ポリマーと、リチウム塩と、常温溶融塩とを必須成分として構成されるリチウムイオン伝導性電解質に、ポリマーとして塩モノマーを含んで合成される重合体とを用いることにより、優れたイオン伝導性を発現しつつ、サイクル特性を向上でき、それを二次電池に使用することによって優れたサイクル特性を発現できることを見出し、さらに検討を進めて本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、
1. ポリマーとリチウム塩を必須成分として構成されるリチウムイオン伝導性電解質であって、前記ポリマーが、炭素−炭素二重結合を有する重合性官能基を有するアンモニウムカチオンおよび炭素−炭素二重結合を有する重合性官能基を有する有機アニオンから構成される塩モノマーと、多官能性モノマーとを必須成分として重合されたものであることを特徴とするリチウムイオン伝導性電解質であり、前記多官能性モノマーは、下記一般式[1]で表される化合物であることを特徴とするリチウムイオン伝導性電解質、

[式中、PおよびPは、それぞれ(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリルアミド基またはスチリル基、Xはアニオンを表し、R およびR は、それぞれ、環構造を有していても良い、置換もしくは無置換の、アルキレン基、アリーレン基、アラルキレン基、アルケニレン基、アラルケニレン基、アルコキシアルキレン基およびアシルオキシアルキレン基から選ばれる基であり、R よびRは、それぞれ、環構造を有していても良い、置換もしくは無置換の、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基、アラルケニル基、アルコキシアルキル基およびアシルオキシアルキル基から選ばれる基であり、各々は同一でも異なってもよく、これらのいずれか一対またはそれ以上が環構造を形成していてもかまわない。また、これらはヘテロ原子を含んでもよい。]
2. 前記多官能性モノマーは、前記一般式[1]で表されるモノマーのアニオンXとして、RSO 、RCO 、(ROS)および(ROS)、ClO 、BF 、AsF 、PF 、F、Cl、Br、Iから選ばれる少なくとも1種のアニオンを有するものである、第1項に記載のリチウムイオン伝導性電解質。[上記アニオンXにおける置換基Rは、置換もしくは無置換の、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシアルキル基およびアシルオキシアルキル基から選ばれる基であり、これらは環構造を有していてもよい。また、これらはヘテロ原子を含んでもよい。]
3. ポリマーと、リチウム塩と、常温溶融塩と、を必須成分として構成されるリチウムイオン伝導性電解質であって、前記ポリマーは、炭素−炭素二重結合を有する重合性官能基を有するアンモニウムカチオンおよび炭素−炭素二重結合を有する重合性官能基を有する有機アニオンから構成される塩モノマーを必須成分として重合されたものであることを特徴とするリチウムイオン伝導性電解質、
4. 前記ポリマーは、前記炭素−炭素二重結合を有する重合性官能基を有するアンモニウムカチオンおよび炭素−炭素二重結合を有する重合性官能基を有する有機アニオンから構成される塩モノマーと、多官能性モノマーとを含んで重合されたものであり、前記多官能性モノマーは、上記一般式[1]で表される化合物である、第3項に記載のリチウムイオン伝導性電解質、
5. 前記ポリマーは、前記塩モノマーと前記多官能性モノマーと、1分子内に炭素−炭素二重結合を有する重合性官能基を1つ有するモノマーとを含んで重合されたものである第1項、第2項及び第4項のいずれかに記載のリチウムイオン伝導性電解質、
6. 前記ポリマーが、前記塩モノマー由来の炭素−炭素二重結合を有する重合性官能基を有するアンモニウムカチオンより形成されるアンモニウム基と炭素−炭素二重結合を有する重合性官能基を有する有機アニオンとが、相互に及び/又は前記リチウム塩との間においてイオン的相互作用を有するものである、第1項〜第5項のいずれかに記載のリチウムイオン伝導性電解質、
7. 前記塩モノマーが、下記一般式[2]で表される化合物である、第1項〜第6項のいずれかに記載のリチウムイオン伝導性電解質、

[式中、PおよびPは、それぞれ炭素−炭素二重結合を有する重合性官能基を含む置換基、Yはイオン的相互作用に関与するイオン性官能基を有する基を表し、R は、環構造を有していても良い、置換もしくは無置換の、アルキレン基、アリーレン基、アラルキレン基、アルケニレン基、アラルケニレン基、アルコキシアルキレン基およびアシルオキシアルキレン基から選ばれる基であり、R、RおよびRは、それぞれ、環構造を有していても良い、置換もしくは無置換の、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基、アラルケニル基、アルコキシアルキル基およびアシルオキシアルキル基から選ばれる基であり、各々は同一でも異なってもよく、これらのいずれか一対またはそれ以上が環構造を形成していてもかまわない。また、これらはヘテロ原子を含んでもよい。]
. 前記一般式[2]で表される化合物は、炭素−炭素二重結合を有する重合性官能基を備えた有機アニオンにおけるイオン的相互作用に関与するイオン性官能基を有する基Yとして、スルホキシル基、カルボキシル基、ホスフォキシル基およびスルホンイミド基由来のアニオンから選ばれる少なくとも一つのイオン性官能基を有するものである、第項に記載のリチウムイオン伝導性電解質、
. 前記イオン性官能基を有する基Yが、スルホキシル基由来のアニオンを有するものである、第項に記載のリチウムイオン伝導性電解質、
10. 前記アンモニウムカチオンは、下記一般式[3]で表される置換基を有するものである、第1項〜第項のいずれかに記載のリチウムイオン伝導性電解質、
[式中、置換基Rは、水素、ハロゲン、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基、アラルケニル基、アルコキシアルキル基およびアシルオキシアルキル基から選ばれる基であり、これらは環構造を有していてもよい。それらの炭素上の水素原子の一部もしくは全てがハロゲンに置換されていても構わない。また、これらはヘテロ原子を含んでもよい。]
11. 1分子内に炭素−炭素二重結合を有する重合性官能基を1つ有するモノマーが、Nアルキル置換(メタ)アクリルアミド及び/または(メタ)アクリルエステルである第5項〜第10項のいずれかに記載のリチウムイオン伝導性電解質、
12. 前記1分子内に炭素−炭素二重結合を有する重合性官能基を1つ有するモノマーが、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミドである第11項に記載のリチウムイオン伝導性電解質、
13. 前記炭素−炭素二重結合を有する重合性官能基が、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリルアミド基、アリル基、ビニル基、スチリル基および不飽和環構造を有する基から選ばれるものである、第1項〜第12項のいずれかに記載のリチウムイオン伝導性電解質、
14. 前記ポリマーを合成するモノマーの少なくとも一種は常温で固体である、第1項〜第13項のいずれかに記載のリチウムイオン伝導性電解質、
15. 前記ポリマーを合成するモノマーは、いずれも常温で固体である、第14項に記載のリチウムイオン伝導性電解質、
16. 前記ポリマーを合成するモノマーの少なくとも1種は活性エネルギー線および/または熱によりラジカル重合可能なモノマーである、第1項〜第15項のいずれかに記載のリチウムイオン伝導性電解質、
17. 前記リチウム塩が、LiPF、LiClO、LiAsF、LiBF、LiCFSO、LiCSO、LiCSO、LiN(CFSO、LiN(CSOおよびLiC(CFSOから選ばれるものである、第1項〜第16項のいずれかに記載のリチウムイオン伝導性電解質、
18. 前記リチウムイオン伝導性電解質は、可塑剤を含んでなるものである第1項〜第17項のいずれかに記載のリチウムイオン伝導性電解質、
19. 第1項〜第18項のいずれかに記載のリチウムイオン伝導性電解質を構成要素とすることを特徴とする二次電池、
を提供するものである。
本発明に拠れば、高いイオン伝導性を発現し、かつ、サイクル特性を向上することができるリチウムイオン伝導性の電解質を提供することが可能となる。さらに、本電解質は、可とう性、機械強度、柔軟性、経時安定性に優れるものであり、電解質に使用するモノマーが常温で固体である場合には特に、高純度のモノマーを簡便に得ることができ、優れたサイクル特性を実現できる。
本発明のリチウムイオン伝導性電解質は、ポリマーとリチウム塩より構成され、前記ポリマーが重合性官能基を有するアンモニウムカチオンと重合性官能基を有する有機アニオンより構成される塩モノマーと多官能性モノマーとを含んで合成される重合体であることを特徴とするものであり、また、ポリマーとリチウム塩と、常温溶融塩を必須成分として構成されるリチウムイオン伝導性電解質であって、前記ポリマーが重合性官能基を有するアンモニウムカチオンおよび重合性官能基を有する有機アニオンから構成される塩モノマーを含んで合成される重合体であることを特徴とするものである。これらにより、高いイオン伝導性を有し、二次電池にした際にサイクル特性に優れるリチウムイオン伝導性電解質を得ることができる。
1.多官能性モノマー
本発明に使用される多官能性モノマーは、重合性官能基を2つ以上有していれば、特に限定されない。多官能性モノマーとしては、イオン系の多官能性モノマーおよび、ノニオン系の多官能性モノマーが挙げられるが、どちらも用いることができる。前記イオン系の多官能性モノマーとしては、重合性官能基を2つ以上有しているイオンと任意の対イオンが、イオン対を形成してなるものが挙げられ、さらには、重合性官能基を2つ以上有するカチオンと、有機アニオンもしくは無機アニオンとがイオン対を形成しているものが挙げられる。また、ノニオン系の多官能性モノマーとは、分子中にイオン結合を含まないモノマーである。
また、本発明では、イオン系・ノニオン系の区別を問わず複数の種類の多官能性モノマーを併用することもできる。
1−1.多官能性モノマーの重合性官能基
本発明に用いられる多官能性モノマーの重合性官能基は、ラジカル重合、イオン重合、配位重合およびレドックス重合などにより重合が可能な官能基であれば、何ら限定されないが、炭素−炭素二重結合を有する基が好ましく、活性エネルギー線もしくは熱によりラジカル重合が可能であることがより好ましい。このような官能基としては、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリルアミド基およびスチリル基が挙げられる。
また、多官能性モノマーの分子内に複数含まれる重合性官能基は、それぞれ同じでも異なっていてもよい。
1−2.イオン系多官能モノマー
前記イオン系の多官能性モノマーとしては、イオン対を形成している多官能性モノマーであれば何ら限定されないが、重合性官能基を2つ以上有するカチオンと、有機アニオン、または、無機のアニオンとが、イオン対を形成しているものが好ましい。
1−2−1.イオン系多官能性モノマーのカチオン成分
前記イオン系多官能性モノマーのカチオン成分としては、カチオン構造中の正電荷をもつ中心元素としては、炭素、窒素、リンおよびイオウなどが挙げられるが、窒素を中心元素とするカチオンが好ましい。具体的には、窒素原子が4つの官能基Rで置換された四級アンモニウムカチオンがまず挙げられる。ここで、官能基Rは、それぞれ、置換または無置換の、アルキル基C2n−1−、アリール基(Rc)−C5−m−、アラルキル基(Rc)−C5−m−C2n−、アルケニル基Rc−CH=CH−Rc−、アラルケニル基(Rc)−C5−m−CH=CH−Rc−、アルコキシアルキル基Rc−O−C2n−、アシルオキシアルキル基R−COO−C2n−(前記官能基Rにおける、Rcは置換または無置換の、炭素数20以下のアルキル基、または水素であり、複数ある場合は互いに異なっても良い。mは1以上5以下の整数。nは1以上20以下の整数。)から選ばれる基であり、各々は同一でも異なってもよく、これらのいずれか、一対若しくはそれ以上が環構造を形成していてもかまわない。また、ヘテロ原子を含んでもよい置換基である。
上記カチオンの他には、ピリジニウムカチオン、ピラジニウムカチオンおよびキノリニウムカチオンなどの芳香族アンモニウムカチオン、ピロリジウムカチオン、ピペリジニウムカチオンおよびピペラジニウムカチオンなどの脂肪族複素環式アンモニウムカチオン、モルホリニウムカチオンのような窒素以外のヘテロ原子を含む複素環式アンモニウムカチオン、イミダゾリウムカチオンなどの不飽和の含窒素複素環式カチオンなど、のアンモニウムカチオンも挙げることができる。さらに、上記環状のアンモニウムカチオンでは窒素の位置が異なるカチオンや、環上に置換基をもったカチオンでもよい。また、ヘテロ原子を含む置換基を有するカチオンでもよい。
多官能性モノマーを構成するカチオン成分の具体例としては、例えば、ビス(メタ)アクリロイルオキシエチルジメチルアンモニウム、ビス(メタ)アクリロイルオキシエチルジエチルアンモニウム、ビス(メタ)アクリロイルオキシエチルジ−イソプロピルアンモニウム、ビス(メタ)アクリロイルオキシエチルジ−t−ブチルアンモニウム、ビス(メタ)アクリロイルオキシエチルジ(メトキシエチル)アンモニウム、ビス(メタ)アクリロイルオキシエチルジベンジルアンモニウム、ビス(メタ)アクリロイルオキシエチルメチルベンジルアンモニウム、ビス(メタ)アクリロイルオキシプロピルジエチルアンモニウム、ビス(メタ)アクリロイルオキシ−n−ブチルジメチルアンモニウム、ビス(メタ)アクリルアミドエチルジメチルアンモニウム、ビス(メタ)アクリルアミドエチルジエチルアンモニウム、ビス(メタ)アクリルアミドエチルジ(プロポキシエチル)アンモニウム、ビス(メタ)アクリルアミドエチルメチルベンジルアンモニウム、ビス(メタ)アクリルアミドエチルフェニルエチルアンモニウム、ビス(メタ)アクリルアミド−n−ブチルジメチルアンモニウム、ビススチリルメチルジアリルアンモニウム、ビススチリルメチルジメチルアンモニウム、ビススチリルメチルジエチルアンモニウム、ビススチリルメチルジ−n−ブチルアンモニウム、ビススチリルメチル−n−ヘキシルメチルアンモニウム、ビススチリルメチルジ(ブトキシエチル)アンモニウム、ビススチリルメチル−n−ヘキシルベンジルアンモニウム、ビススチリルメチルフェニルアセチルメチルアンモニウム、(メタ)アクリロイルオキシエチル(スチリルメチル)ジメチルアンモニウム、(メタ)アクリロイルオキシエチル(スチリルメチル)ジエチルアンモニウム、(メタ)アクリロイルオキシエチル(スチリルメチル)−n−ブチルメチルアンモニウム、(メタ)アクリロイルオキシエチル(スチリルメチル)ジ(メトキシプロピル)アンモニウム、(メタ)アクリロイルオキシエチル(スチリルメチル)ジベンジルアンモニウム等のカチオン、
ビス(メタ)アクリロイルオキシエチルピロリジニウム、ビス(メタ)アクリロイルオキシ−n−ブチルピロリジニウム、ビス(メタ)アクリルアミドエチルピロリジニウム、ビス(メタ)アクリルアミド−n−ブチルピロリジニウム、ビススチリルメチルピロリジニウム、(メタ)アクリロイルオキシエチル(スチリルメチル)ピロリジニウム等のピロリジニウム構造を有するカチオン、
ビス(メタ)アクリロイルオキシエチルピペリジニウム、ビス(メタ)アクリロイルオキシ−n−ブチルピペリジニウム、ビス(メタ)アクリルアミドエチルピペリジニウム、ビス(メタ)アクリルアミド−n−ブチルピペリジニウム、(メタ)アクリロイルオキシエチル(スチリルメチル)ピペリジニウム、ビススチリルメチルピペリジニウム等のピペリジニウム構造を有するカチオン、
ビス(メタ)アクリロイルオキシエチルモルフォリニウム、ビス(メタ)アクリロイルオキシ−n−ブチルモルフォリニウム、ビス(メタ)アクリルアミドエチルモルフォリニウム、ビス(メタ)アクリルアミド−n−ブチルモルフォリニウム、ビススチリルメチルモルフォリニウム、(メタ)アクリロイルオキシエチル(スチリルメチル)モルフォリニウム等のモルフォリニウム構造を有するカチオン、
N,N’−ビス((メタ)アクリロイルオキシエチルメチル)ピペラジニウム等のピペラジニウム構造を有するカチオン、
ビス(メタ)アクリロイルオキシエチルイミダゾリウム、ビス(メタ)アクリルアミドエチルイミダゾリウム、ビススチリルメチルイミダゾリウム、(メタ)アクリロイルオキシエチル(スチリルメチル)イミダゾリウム等のイミダゾリウム構造を有するカチオンなどの各種カチオンが挙げられる。
1−2−2.イオン系多官能性モノマーのアニオン成分
また、イオン系多官能性モノマーのアニオンとしては、アルコラートおよびフェノラートなどの水酸基含有有機化合物のプロトンが脱離したROアニオン;、チオレートおよびチオフェノラートなどのプロトンが脱離したRSアニオン;、スルホン酸アニオンRSO 、カルボン酸アニオンRCOO;、リン酸および亜リン酸の水酸基の一部が有機基で置換している含リン誘導体アニオンR(OR)(O)(但し、x、y、zは0以上の整数で、かつ、x+y+2z=3またはx+y+2z=5);、置換ボレートR(OR)(但し、x、yは0以上の整数で、かつ、x+y=4);、置換アルミニウムアニオンR(OR)Al(但し、x、yは0以上の整数で、かつ、x+y=4);、窒素アニオン(EA)、カルボアニオン(EA)等の有機アニオン、ハロゲンイオン等の無機アニオンなど、が挙げられる。前記有機アニオンとしては特に、RSO 、RCOO、窒素アニオンとして(ROS)およびカルボアニオンとして(ROS)が好ましく、無機アニオンとしては含ハロゲンイオンであるClO 、BF 、AsF 、PF 、ハロゲンイオンであるF、Cl、BrおよびIが好ましい例として例示される。(ここで、前記アニオンにおけるRは、水素、置換または無置換の、アルキル基C2n−1、アリール基(Rc)−C5−m−、アラルキル基(Rc)−C5−m−C2n−、アルケニル基Rc−CH=CH−Rc−、アラルケニル基(Rc)−C5−m−CH=CH−Rc−、アルコキシアルキル基Rc−O−C2n−、アシルオキシアルキル基Rc−COO−C2n−から選ばれる基(前記アニオンでRにおける、Rcは置換または無置換の、炭素数20以下のアルキル基、または水素であり、複数ある場合は互いに異なっても良い。mは1以上5以下の整数。nは1以上20以下の整数。)であり、これらは環構造を有していてもよい。また、ヘテロ原子を含んでもよい。このRが分子内に2個以上ある場合は互いに同じであっても異なっていてもかまわない。EAは、水素原子または電子吸引基を示す。)また前述Rの炭素上の水素原子の一部または全部がハロゲン原子に置換されているものも含まれ、特にフッ素原子に置換されているものは好ましい事例である。
具体的には、前記一般式[1]で表される化合物が、電気化学的に安定であり、より好ましい。
さらに、前記一般式[1]で表される化合物が室温付近で固体である場合、再結晶による高純度に精製することが可能であり、特に好ましい。高純度に精製することにより、電解質中に存在する不純物と電極の反応による、サイクル特性の低下を防ぐことができる。
1−2−3.イオン系多官能性モノマーの具体例
本発明に用いられるイオン系多官能性モノマーの具体例としては、例えば次の化合物が挙げられるが、これに限定されない。
多官能性モノマー(11)
多官能性モノマー(12)
多官能性モノマー(13)
多官能性モノマー(14)
多官能性モノマー(15)
多官能性モノマー(16)
多官能性モノマー(17)
1−3.ノニオン系多官能性モノマーの具体例
また、ノニオン系の多官能性モノマーとしては、用途に限らず一般的に使用されているものは、特に制限なく使用できる。例えば、メチレンビスアクリルアミド、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、ジアリルメチルアミンおよびジアリルエチルアミン、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ジアリルフタレートなどが挙げられる。
2.塩モノマー
本発明に使用される塩モノマーは、少なくとも一つ以上の重合性官能基を有するアンモニウムカチオンと、少なくとも1つ以上の重合性官能基を有する有機アニオンから構成される化合物である。
2.1塩モノマーの重合性官能基
前記塩モノマーにおける重合性官能基としては、多官能性モノマーと同様の官能基であればよく、ラジカル重合、イオン重合、配位重合およびレドックス重合などにより重合が可能な官能基であれば、何ら限定されないが、炭素−炭素二重結合を有する基が好ましく、活性エネルギー線もしくは熱によりラジカル重合が可能であることがより好ましい。このような官能基としては、例えば、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリルアミド基、アリル基、ビニル基、スチリル基および、オキサゾリン環などに代表される不飽和環構造を有する基などが挙げられる。塩モノマーの分子内に複数含まれる重合性官能基は、それぞれ同じでも異なっていてもよい。
2.2塩モノマーのカチオンの説明
また、塩モノマーを形成するアンモニウムカチオンとしては、アミン化合物から生じるオニウムカチオンであって、アミン化合物が、脂肪族アミン、芳香族アミン、含窒素複素環式アミンなどのすべてを含むことは言うまでもなく、アミンから生じる正電荷を有し、かつ、少なくとも1つの重合性官能基を有するカチオンであれば特に限定されない。
具体的には、窒素原子が4つの官能基Rで置換された四級アンモニウムカチオンがまず挙げられる。官能基Rは、置換または無置換の、アルキル基C2n−1、アリール基(Rc)−C5−m−、アラルキル基(Rc)−C5−m−C2n−、アルケニル基Rc−CH=CH−Rc−、アラルケニル基(Rc)−C5−m−CH=CH−Rc−、アルコキシアルキル基Rc−O−C2n−、アシルオキシアルキル基Rc−COO−C2n−(前記官能基Rにおける、Rcは置換または無置換の、炭素数20以下のアルキル基、または水素であり、複数ある場合は互いに異なっても良い。mは1以上5以下の整数。nは1以上20以下の整数。)などを例示することができる。また、官能基Rはヘテロ原子を含んでも良い。また、4つのRは各々異なっても、同一であってもかまわない。
なお、本発明に用いられる塩モノマーのアンモニウムカチオンとして最も好ましいものは、4級窒素原子に結合した置換基の少なくとも一つが前記一般式[3]で表される置換基である、4級アンモニウムカチオンである。この構造がもっとも好ましい理由は、その結晶性がよく、再結晶精製による不純物の低減が可能であることである。高純度に精製することにより、電解質中に存在する不純物と電極の反応による、サイクル特性の低下を防ぐことができる。但し、ベンジル基等の芳香環を含む置換基を有するアンモニウム塩は、場合によっては結晶中の分子間の相互作用が強くなりすぎ、結果的に電解液や各種有機溶媒に対して難溶性となることがあるため、溶媒や電解液に対する親和性、溶解性の改良を目的として、ベンジル基の芳香環上に1つ以上の置換基Rを備えていてもかまわない。(ここでRは、置換または無置換の、アルキル基C2n−1、アリール基(Rc)−C5−m−、アラルキル基(Rc)−C5−m−C2n−、アルケニル基Rc−CH=CH−Rc−、アラルケニル基(Rc)−C5−m−CH=CH−Rc−、アルコキシアルキル基Rc−O−C2n−、アシルオキシアルキル基Rc−COO−C2n−(前記Rにおける、Rcは置換または無置換の、炭素数20以下のアルキル基、または水素であり、複数ある場合は互いに異なっても良い。mは1以上5以下の整数。nは1以上20以下の整数。)であり、これらは環構造を有していてもよい。また、ヘテロ原子を含んでもよい。このRが分子内に2個以上ある場合は互いに同じであっても異なっていてもかまわない。)また、前述のRの炭素上の水素原子の一部または全部がハロゲン原子に置換されているものも含まれ、特にフッ素原子に置換されているものは好ましい事例である。
上記アンモニウムカチオンの他には、ピリジニウムカチオン、ピラリジニウムカチオンおよびキノリニウムカチオンなどの芳香族アンモニウムカチオン、ピロリジウムカチオン、ピペリジニウムカチオンおよびピペラジニウムカチオンなどの脂肪族複素環式アンモニウムカチオン、モルホリンカチオンのような窒素以外のヘテロ原子を含む複素環式アンモニウムカチオン、イミダゾリウムカチオンなどの不飽和の含窒素複素環式カチオンなど、のアンモニウムカチオンも挙げることができる。さらに、上記環状のアンモニウムカチオンでは窒素の位置が異なるカチオンや、環上に置換基をもったカチオンでもよい。ヘテロ原子を含む置換基を有するカチオンでもよい。
前記塩モノマーを構成するカチオンの具体例としては、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムカチオン、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリエチルアンモニウムカチオン、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリ−n−プロピルアンモニウムカチオン、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリ−iso−プロピルアンモニウムカチオン、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリ−n−ブチルアンモニウムカチオン、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリ−iso−ブチルアンモニウムカチオン、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリ−tert−ブチルアンモニウムカチオン、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリエチルアンモニウムカチオン、(メタ)アクリロイルオキシエチルジエチル−n−ヘキシルアンモニウムカチオン、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリデシルアンモニウムカチオン、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリオクチルアンモニウムカチオン、(メタ)アクリロイルオキシエチルドデシルジメチルアンモニウムカチオン、(メタ)アクリロイルオキシジメチルベンジルアンモニウムカチオン、(メタ)アクリロイルオキシエチルドデシルヘキシルメチルアンモニウムカチオン、ジアリルジメチルアンモニウムカチオン、ビススチリルメチルジメチルアンモニウムカチオン、ビススチリルエチルジメチルアンモニウムカチオン、(メタ)アクリルアミドエチルトリメチルアンモニウムカチオン、(メタ)アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムカチオン、(メタ)アクリルアミドエチルトリエチルアンモニウムカチオン、(メタ)アクリルアミドエチルトリ−n−プロピルアンモニウムカチオン、(メタ)アクリルアミドエチルトリ−iso−プロピルアンモニウムカチオン、(メタ)アクリルアミドエチルトリ−n−ブチルアンモニウムカチオン、(メタ)アクリルアミドエチルトリ−iso−ブチルアンモニウムカチオン、(メタ)アクリルアミドエチルトリ−tert−ブチルアンモニウムカチオン、(メタ)アクリルアミドエチルトリエチルアンモニウムカチオン、(メタ)アクリルアミドエチルジエチル−n−ヘキシルアンモニウムカチオン、(メタ)アクリルアミドエチルトリデシルアンモニウムカチオン、(メタ)アクリルアミドエチルトリオクチルアンモニウムカチオン、(メタ)アクリルアミドエチルドデシルジメチルアンモニウムカチオン、(メタ)アクリルアミドエチルドデシルヘキシルメチルアンモニウムカチオン等の各種アンモニウムカチオン、スチリルメチルメチルピロリジニウムカチオン、ビススチリルメチルピペリジニウムカチオン、N,N’−((メタ)アクリロイルオキシエチルメチル)ピペラジニウムカチオン、(メタ)アクリルアミドエチルメチルモルホリニウムカチオン、(メタ)アクリロイルオキシエチルメチルイミダゾリウムカチオンなどが挙げられる。
2.3塩モノマーの有機アニオン
また、塩モノマーを構成する有機アニオンは、重合性官能基を有するアニオンであれば、特に限定されないが、本発明におけるポリマーを形成した際に、アニオンとして、上記塩モノマーのカチオン、特にアンモニウムカチンとの間のイオン的相互作用に関与するイオン性官能基、および/または、リチウム塩との間のイオン的相互作用に関与するイオン性官能基を有する基が好ましく、例えば、アルコラートおよびフェノラートなどの水酸基含有有機化合物のプロトンが脱離したROアニオン;、チオレートおよびチオフェノラートなどのプロトンが脱離したRSアニオン;、スルホン酸アニオンRSO 、カルボン酸アニオンRCOO;、リン酸および亜リン酸の水酸基の一部が有機基で置換している含リン誘導体アニオンR(OR)(O)(但し、x、y、zは0以上の整数で、かつ、x+y+2z=3またはx+y+2z=5);、置換ボレートR(OR)(但し、x、yは0以上の整数で、かつ、x+y=4);、置換アルミニウムアニオンR(OR)Al(但し、x、yは0以上の整数で、かつ、x+y=4);、カルボアニオン(EA)、窒素アニオン(EA)などが挙げられる。有機アニオンとしては特に、スルホキシル基、カルボキシル基、ホスフォキシル基およびスルホンイミド基由来のアニオンである、RSO3 、RCOO、RPO 2−、および(RO2S)2に重合性官能基を有するものが好ましい。(ここで、Rは、水素、置換または無置換の、アルキル基C2n−1、アリール基(Rc)−C5−m−、アラルキル基(Rc)−C5−m−C2n−、アルケニル基Rc−CH=CH−Rc−、アラルケニル基(Rc)−C5−m−CH=CH−Rc−、アルコキシアルキル基Rc−O−C2n−、アシルオキシアルキル基Rc−COO−C2n−から選ばれる基(前記Rにおける、Rcは置換または無置換の、炭素数20以下のアルキル基、または水素であり、複数ある場合は互いに異なっても良い。mは1以上5以下の整数。nは1以上20以下の整数。)であり、これらは環構造を有していてもよい。また、ヘテロ原子を含んでもよい。このRが分子内に2個以上ある場合は互いに同じであっても異なっていてもかまわない。EAは水素原子または電子吸引基を示す。)また前述のRの炭素上の水素原子の一部または全部がハロゲン原子に置換されているものも含まれ、特にフッ素原子に置換されているものは好ましい事例である。
前記塩モノマーのアニオンの具体例としては、2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸、2−[(2−プロペニロキシ)メトキシ]エテンスルホン酸、3−(2−プロペニロキシ)−1−プロペン−1−スルホン酸、ビニルスルホン酸、2−ビニルベンゼンスルホン酸、3−ビニルベンゼンスルホン酸、4−ビニルベンゼンスルホン酸、4-ビニルベンジルスルホン酸、2−メチル−1−ペンテン−1−スルホン酸、1−オクテン−1−スルホン酸、4−ビニルベンゼンメタンスルホン酸、アクリル酸、メタクリル酸、2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンリン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシ−1−エタンリン酸等由来の各種アニオンが挙げられる。
2.4塩モノマーの具体例
本発明に用いられる塩モノマーの具体的構造としては、前記一般式[2]で表されるものがより好ましく、スルホン酸アニオンRSO と4級アンモニウムカチオンの組み合わせからなる化合物である場合が、最も好ましい。例えば、次の化合物が挙げられるが、これに限定されない。さらには、これらの化合物が常温で固体であることがより好ましい。
塩モノマー(1)
塩モノマー(2)
3.常温溶融塩
本発明における常温溶融塩としては、分子中にイオン結合を少なくとも1つ有しており、常温で液体である化合物が挙げられ、アニオン成分とカチオン成分から構成されるか、または、アニオン成分とカチオン成分が共有結合を介して結合した分子内塩化合物でも良い。これにより、リチウムイオン伝導性電解質中で、リチウムイオンの解離を促進する効果と、電解質中のポリマーの分子鎖の運動の自由度を向上し、リチウムイオンを移動し易くする可塑化効果を得ることができる。
3.1常温溶融塩のカチオン成分
前記常温溶融塩のカチオン成分としては、窒素、硫黄、リン、酸素、セレン、錫、ヨウ素およびアンチモン等の孤立電子対を有する元素を含んだ化合物に、陽イオン型の原子団が配位して生ずる少なくとも一つの基を有するカチオン、いわゆる、オニウムカチオンであれば特に限定されないが。上記のうち、窒素、硫黄またはリンの孤立電子対を有するオニウムカチオンが好ましい。
常温溶融塩のカチオンの具体例としては、テトラメチルアンモニウムカチオン、テトラエチルアンモニウムカチオン、テトラプロピルアンモニウムカチオン、テトラペンチルアンモニウム、エチルトリメチルアンモニウムカチオン、ビニルトリメチルアンモニウムカチオン、トリエチルメチルアンモニウムカチオン、トリエチルプロピルアンモニウムカチオン、ジエチルジメチルアンモニウムカチオン、トリブチルエチルアンモニウムカチオン、トリエチルイソプロピルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチルピロリジニウムカチオン、N−メチル−N−エチルピロリジニウムカチオン、トリエチルメトキシメチルアンモニウムカチオン、トリメチルプロピルアンモニウムカチオン、トリメチルイソプロピルアンモニウムカチオン、ブチルトリメチルアンモニウムカチオン、アリルトリメチルアンモニウムカチオン、ヘキシルトリメチルアンモニウムカチオン、オクチルトリメチルアンモニウムカチオン、ドデシルトリメチルアンモニウムカチオン、トリエチルメトキシエトキシメチルアンモニウムカチオン、ジメチルジプロピルアンモニウムカチオン、ヘキサメトニウムカチオン等のアンモニウムカチオン類、
1,2,3−トリメチルイミダゾリウムイオン、2−ジメチル−3−エチルイミダゾリウムイオン、2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムイオン、1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムイオン、3−ジメチルイミダゾリウムカチオン、3−ジエチルイミダゾリウムカチオン、3−ジプロピルイミダゾリウムカチオン、3−ジプロピルイミダゾリウムカチオン、1−メチル−3−エチルイミダゾリウムイオン、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−メチル−3−プロピルイミダゾリウムカチオン、1−イソプロピル−3−プロピルイミダゾリウムカチオン、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムイオン、1−tert−ブチル−3−イソプロピルイミダゾリウムカチオン等のイミダゾリウムカチオン類、
N−メチルピリジニウムイオン、N−エチルピリジニウムカチオン、N−プロピルピリジニウムイオン、N−ブチルピリジニウムカチオン、1−エチル−2−メチルピリジニウム、1−ブチル−4−メチルピリジニウム、1−ブチル−2,4−ジメチルピリジニウム等のピリジニウムカチオン類、
トリメチルスルホニウムカチオン、トリエチルスルホニウムカチオン、トリブチルスルホニウムカチオン、ジエチルメチルスルホニウムカチオン、ジメチルプロピルスルホニウム、ジメチルヘキシルスルホニウム等のスルホニウムカチオン類、
テトラメチルホスホニウムカチオン、テトラエチルホスホニウムカチオン、テトラプロピルホスホニウムカチオン、テトラブチルホスホニウムカチオン、テトラオクチルホスホニウムカチオン、テトラフェニルホスホニウムカチオン、トリメチルエチルホスホニウムカチオン、トリエチルメチルホスホニウムカチオン、ヘキシルトリメチルホスホニウムカチオン、トリメチルオクチルホスホニウムカチオン等が挙げられる。
3.2常温溶融塩のアニオン成分の説明
前記常温溶融塩のアニオン成分は、アルコラートおよびフェノラートなどの水酸基含有有機化合物のプロトンが脱離したROアニオン;、チオレートおよびチオフェノラートなどのプロトンが脱離したRSアニオン;、スルホン酸アニオンRSO 、カルボン酸アニオンRCOO;、リン酸および亜リン酸の水酸基の一部が有機基で置換している含リン誘導体アニオンR(OR)(O)、(但し、x、y、zは0以上の整数で、かつ、x+y+2z=3またはx+y+2z=5);、置換ボレートR(OR)、(但し、x、yは0以上の整数で、かつ、x+y=4);、置換アルミニウムアニオンR(OR)Al、(但し、x、yは0以上の整数で、かつ、x+y=4);、窒素アニオン(EA)、カルボアニオン(EA)等の有機アニオン、ハロゲンイオン等の無機アニオンなど、が挙げられる。前記有機アニオンとしては特に、RSO3 、RCOO、窒素アニオンとして(RO2S)2およびカルボアニオンとして(RO2S)3が好ましく、無機アニオンとしては含ハロゲンイオンであるClO 、BF 、AsF 、PF 、ハロゲンイオンであるF、Cl、BrおよびIが好ましい例として例示される。(ここで、Rは、水素、置換または無置換の、アルキル基C2n−1−、アリール基(Rc)−C5−m−、アラルキル基(Rc)−C5−m−C2n−、アルケニル基Rc−CH=CH−Rc−、アラルケニル基(Rc)−C5−m−CH=CH−Rc−、アルコキシアルキル基Rc−O−C2n−、アシルオキシアルキル基Rc−COO−C2n−から選ばれる基(前記Rにおける、Rcは置換または無置換の、炭素数20以下のアルキル基、または水素であり、複数ある場合は互いに異なっても良い。mは1以上5以下の整数。nは1以上20以下の整数。)であり、これらは環構造を有していてもよい。また、ヘテロ原子を含んでもよい。このRが分子内に2個以上ある場合は互いに同じであっても異なっていてもかまわない。EAは、水素原子または電子吸引基を示す。)また前述Rの炭素上の水素原子の一部または全部がハロゲン原子に置換されているものも含まれ、特にフッ素原子に置換されているものは好ましい事例である。
これらの常温溶融塩は単独で用いてもよく、2種以上混合してもよい。
4.難燃性電解質塩溶解剤
本発明における難燃性電解質塩溶解剤としては、自己消火性を示し、かつ、電解質塩が共存した状態で電解質塩を溶解するのに寄与する化合物が挙げられ、一般に非水電解質電池用電解液に添加される難燃性溶媒が利用でき、リン酸エステル、ハロゲン化合物およびフォスファゼンなどが挙げられる。例えば、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸エチルジメチル、リン酸ジエチルメチル、リン酸トリプロピル、リン酸トリブチル、リン酸トリ(トリフルオロメチル)、リン酸トリ(トリフルオロエチル)、リン酸トリ(トリパーフルオロエチル)、2−エトキシ−2−オキソ−1,3,2−ジオキサフォスフォラン、2−メトキシ−2−オキサ−1,3,2−ジオキサフォスフォリナン、4,4−ジメチル−2−メトキシ−2−オキソ−1,3,2−ジオキサフォスフォスフォリナン、4−メチル−1−オキソ−2,6,7−トリオキサ−1−フォスファビシクロ[2,2,2]オクタン、テトラクロロエチレンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、2種以上混合して用いてもよい。
これらにより、リチウムイオン伝導性電解質中で、リチウムイオンの解離を促進する効果と、電解質中のポリマーの分子鎖の運動の自由度を向上し、リチウムイオンを移動し易くする可塑化効果を得ることができる。
また、常温溶融塩と難燃性電解質塩溶解剤を併用してもかまわない。
5.1分子内に重合官能基を1つ有するモノマー
本発明のリチウムイオン伝導性電解質は、リチウムイオン伝導性の電解質の可撓性、機械強度、柔軟性および経時安定性を付与する目的として、本発明の電解質の特性を損なわない範囲で、1分子内に重合性官能基を1つ有するモノマーを添加しても良い。
1分子内に重合性官能基1つ有するモノマーとしては、ラジカル重合、イオン重合、配位重合およびレドックス重合などにより重合が可能であれば、何ら限定されないが、前記重合性官能基として炭素−炭素二重結合を有する官能基を含むモノマーが好ましく、活性エネルギー線もしくは熱によりラジカル重合が可能であることがより好ましい。例えば、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリルアミド基、アリル基、ビニル基、スチリル基および、オキサゾリン環などに代表される不飽和環構造を有する基などを有するモノマーが好ましい。また、N−アルキル置換(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルエステルは、ラジカル重合性が高く、低温で重合することができるので、重合時に副成する不純物の混入を低減できるので、特に好ましい。
具体的には、N,N−ジメチルアクリルアミド、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ブチル、アクリロニトリル、スチレン、N−ビニルピロリドン等が挙げられる。
1分子内に重合性官能基を1つ有し、常温で固体のモノマーの具体例としては、例えば、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、アクリル酸ステアリル、アクリル酸リチウム、ジアセトンアクリルアミド、アクリル酸1−アダマンチルおよびメタクリル酸2−エチルアダマンチル等が挙げられ、中でも、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミドが最も好ましい。
6.モノマーについて
本発明のリチウムイオン伝導性電解質において、塩モノマー、多官能性モノマーおよび1分子内に1つの重合性官能基を有するモノマーのうち少なくとも1種のモノマーが常温で固体である場合が好ましい。また、塩モノマー、多官能性モノマー及び1分子内に重合性官能基を1つ有するモノマーが全て常温で固体である場合がもっとも好ましい。モノマー種に占める、常温で固体であるモノマーの種類が多くなるほど、再結晶精製による純度向上による不純物の低減が可能となり、不純物混入によるサイクル特性の悪化を防ぐことができる。
6.1モノマーの添加量
本発明のリチウムイオン伝導性電解質で使用するモノマーの合計量は、電解質に可塑剤を添加する場合と添加しない場合で好ましい量は異なるが、可塑剤を使用する場合、0.1〜90wt%が好ましく、0.5〜60wt%がより好ましい。可塑剤を使用しない場合、10〜95wt%が好ましく、20〜85wt%がより好ましい。
6.2モノマーにおける比率
各モノマーの内訳(すなわちモノマーの総量を100とした場合の各モノマーの比率)としては、塩モノマーが0.1〜95wt%、多官能性モノマーが0.1〜95wt%、1分子内に重合性官能基を1つ有するモノマーが0〜95wt%が好ましい。常温溶融塩・難燃性電解質溶解剤を使用する場合は、多官能モノマーは0〜95%が好ましい。より好ましくは、塩モノマーが0.5〜75wt%、多官能性モノマーが5〜80wt%、1分子内に重合性官能基を1つ有するモノマーが0.5〜90wt%である。
7.リチウム塩
本発明に用いるリチウム塩は、例えば、LiPF、LiClO、LiAsF、LiBF、LiCFSO、LiCSO、LiCSO、LiN(CFSO、LiN(CSOおよびLiC(CFSOが挙げられる。これらを単独若しくは2種以上を混合して用いても構わない。
使用するリチウム塩の濃度は、1〜90wt%が好ましく、5〜80wt%がより好ましい。
8.可塑剤
本発明においては必要に応じて可塑剤を用いることができる。可塑剤としては、例えば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネートおよびエチルメチルカーボネート等の環状/鎖状カーボネート系溶媒の他、ジメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンおよびジオキソラン等のエーテル系溶媒、ジメチルスルホキシドおよびジメチルアセトキシド等のアミド系溶媒、メチルエチルケトン、メチルブチルケトン、γ−ブチロラクトンおよびn−メチルピロリドン等のケトン系/エステル系/ラクタム系溶媒、スルホラン等の含硫黄系溶媒が挙げられる。これらを単独若しくは2種以上を混合して用いても構わない。
これらの可塑剤から選ばれた複数種の可塑剤を混合して用い、その内の少なくとも1種が環状カーボネート系溶媒もしくは鎖状カーボネート系溶媒である場合が、電池特性について好ましい結果を与える。可塑剤を使用する場合の量としては、0〜99wt%の範囲でよい。
9.ポリマーについて
本発明のリチウムイオン伝導性電解質に含まれるポリマーは、前述の各種モノマーを含む化合物またはこれらを含む組成物を単独重合または共重合することにより得られる。これらのモノマーの重合は、ラジカル重合、イオン重合、配位重合、レドックス重合、重縮合および付加縮合重合等、種々の既知の重合方法が可能であり、特に好ましくは活性エネルギー線若しくは熱によるラジカル重合である。
このようにして得られるポリマーは、前記塩モノマー由来の重合性官能基を有するアンモニウムカチオンより形成されるアンモニウム基と重合性官能基を有する有機アニオンとが、相互に及び/または前記リチウム塩との間においてイオン的相互作用を有するものであることが特に好ましい。リチウム塩との相互作用により、リチウム塩のリチウムイオンへの解離を促進する効果がある。また、アンモニウムカチオンと有機アニオンのイオン的相互作用により、解離したリチウムイオンがアンモニウムカチオンと反応して高分子中に配位することなく、リチウムイオンをフリーの状態に保つ効果を持つ。これらのイオン的相互作用による効果が、リチウムイオン伝導度の向上に寄与しているものと推察される。
また、ポリマーを得る重合反応を迅速に行わせる目的で、各種の重合開始剤を添加しても構わない。
重合開始剤としては、過酸化ジベンゾイル、過酸化ラウロイル、クミルパーオキサイド、過硫酸カリウムおよび過酸化水素などの過酸化物、アゾビス(イソブチロニトリル)およびアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)などのアゾ化合物など公知な熱ラジカル重合開始剤の他、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネートおよびトリフェニルスルホニウムテトラフルオロホスフェートなどの光重合開始剤等の一般的な各種開始剤使用することができる。
また、開始温度の調整目的あるいは熱開始反応/光開始反応の併用や時間差開始などを目的として、これらの開始剤を複数種混合して用いることも可能である。
重合開始剤の使用する場合の添加量としては、電解質系中に含まれる全ての重合性官能基のモル数に対して、0.01〜30mol%程度であることが好ましく、さらに好ましくは0.1〜20mol%である。
10.電解質の製造方法
本発明のリチウムイオン伝導性電解質を製造する方法としては、まず、上記各種モノマー、リチウム塩、必要に応じて可塑剤、重合開始剤、その他添加剤の混合物を調製し、上記ポリマーにおける重合方法により重合して電解質を得ることができる。混合は溶液混合、粉体混合、溶融混練など、公知の混合方法により行えば良い。可塑剤を使用する場合は、リチウム塩を可塑剤に溶かした溶液を、モノマーと混合しても良い。
常温溶融塩、難燃性電解質溶解剤を使用する場合も、モノマー、リチウム塩、常温溶融塩、難燃性電解質溶解剤、必要に応じて可塑剤、重合開始剤、その他添加剤を混合し、液状またはペースト状の混合物を調製するが、常温溶融塩、難燃性電解質溶解剤にリチウム塩を溶かした溶液と、モノマーとを混合しても良い。
上記電解質の製造においては、前記モノマーを用いて、予めポリマーを準備しておいて、これを混合しても良い。
さらに、電池製造における電解質の作製方法について具体例を示して説明する。
注液により電解質を作成する場合、上記で調製した混合物は、液状またはペースト状のように均質な形態をとるものが好ましい。但し、実際にリチウムイオン伝導性電解質を製造する際に、調製後から重合による硬化が完了するまでの間、乳化、エマルジョン、コロイド、コアセルベートなどの溶液状態を維持可能であれば、混合物の濁度が高くても利用可能である。
上記で調製した混合物は、電極を備えた所定のセル若しくは型枠に注液し、加熱あるいはエネルギー線照射などの方法でモノマーを重合し、硬化させることにより、イオン伝導性電解質を得ることができる。
調製した混合物の粘度が高く作業しにくい場合は、調製した混合物を、テトラヒドロフラン、メタノールおよびアセトニトリルなどの低沸点の希釈溶媒で希釈したものを重合し、硬化させた後に、それらの希釈溶媒を除去する方法、または、希釈溶媒を電池に使用する電解液に、溶媒置換する方法などの公知であるセルの作成方法を用いても良い。
また、セルの構成によっては注液以外にも、調製した混合物をキャスト法や固相重合法など公知の方法によってリチウムイオン伝導性電解質を得ることができる。また、予めモノマーを重合しポリマー溶液を調製し、リチウム塩、常温溶融塩、難燃性電解質溶解剤、その他添加剤を混合した後に、溶媒を除去することにより、リチウムイオン伝導性電解質を得ることもできる。
また、この場合、予め行なう重合はオリゴマーの状態まで行い、溶媒除去の際に完全に重合する、二段階での重合を行っても良い。
本発明の二次電池は、上記で得られたリチウムイオン伝導性電解質を構成要素とするものであれば形態等は限定されないが、前記リチウムイオン伝導性電解質の他に正極及び負極などを組み合わせて製造することができる。
本発明の電池で用いられる正極に使用される活物質としては、エネルギー密度が高く、リチウムイオンの可逆的な脱挿入に優れたリチウムを含有する遷移金属酸化物が好ましく、例えば、LiCoOなどのリチウムコバルト酸化物、LiMnなどのリチウムマンガン酸化物、LiNiOなどのリチウムニッケル酸化物、これら酸化物の混合物およびLiNiOのニッケルの一部をコバルトやマンガンに置換したものなどが挙げられる。負極活物質としては、リチウムイオンを挿入、脱離させることのできる炭素系材料が挙げられ、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、メソカーボンマイクロビーズおよびグラファイトなどが挙げられる。
本発明のリチウムイオン伝導性電解質を用いた二次電池を製造する方法の例としては、まず、上記LiCoOなどの正極活物質、黒鉛などの導電剤、ポリ(ビニリデンフルオライド)などの結着剤を混合して正極合剤を調製し、この正極合剤をN−メチル−2−ピロリドン中に分散させて、スラリー状の正極合剤とする。この正極合剤を、厚み20μmのアルミニウム箔などからなる正極集電体の両面に均一に塗布し、乾燥後、ロールプレス機で圧縮成形することで正極が得られる。
次に、黒鉛粉末などの負極活物質と、ポリ(ビニリデンフルオライド)などの結着剤を混合して、負極合剤を調製し、この負極合剤をN−メチル−2−ピロリドン中に分散させてスラリー状の負極合剤とする。この負極合剤を、厚み15μmの銅箔などからなる負極集電体の両面に均一に塗布し、乾燥後、ロールプレス機で圧縮成形することで負極が得られる。
以上のようにして得られた負極と正極とを、厚みが25μmのポリエチレン製微多孔性フィルムからなるセパレーターを介して密着させ、巻回して電極巻回体とし、この電極巻回体を、絶縁材料からなる外装フィルムに封入するとともに、上記で得られた電解質用混合物を外装フィルム中に注入する。次に、外装フィルムの外周縁部を封口し、正極端子と負極端子とを、外装フィルムの開口部に挟み込むとともに、電極巻回体を外装フィルム中に減圧下にて密閉する。次に、これを40℃から80℃の温度下で、5分から8時間加熱することによって、リチウムイオン伝導性電解質を用いた二次電池が得られる。
本発明のリチウムイオン伝導性電解質を製造する方法について具体例を示すが、本発明は、これらに限定されるものではない。
[合成・精製例]
[塩モノマー(1)の合成及び精製]
2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸10.36g(50mmol)を、メタノール500ml/蒸留水4mlに溶解し、これに炭酸銀27.6g(100mmol)を添加して、室温下で穏やかに4時間連続攪拌し、濾過後、無色透明の溶液を得た。この濾液に、101mmolのアクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロリドをメタノール100mlに溶解した溶液を滴下反応させた。反応は定量的に進行した。反応生成物である塩化銀を濾別し、無色透明のメタノール溶液を回収した。この濾液をエバポレーターで減圧濃縮し、冷暗所で終日静置することにより目的物を再結晶させ、無色透明の板状結晶を回収した。得られた塩モノマー(1)は示差走査熱分析(DSC)、熱重量分析(TG)、及びプロトン核磁気共鳴スペクトル(H−NMR)により組成確認を実施した。また、カールフィッシャー法により水分量測定を行ったところ、測定値は測定限度外(50ppm以下)であった。
[塩モノマー(2)の合成及び精製]
2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸10.36g(50mmol)を、メタノール500ml/蒸留水4mlに溶解し、これに炭酸銀27.6g(100mmol)を添加して、室温下で穏やかに4時間連続攪拌し、濾過後、無色透明の溶液を得た。この濾液に、101mmolの3−メタクリル酸アミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリドをメタノール100mlに溶解した溶液を滴下反応させた。反応は定量的に進行した。反応生成物である塩化銀を濾別し、無色透明のメタノール溶液を回収した。この濾液をエバポレーターで減圧濃縮し、冷暗所で終日静置することにより目的物を再結晶させ、無色透明の板状結晶を回収した。得られた塩モノマー(2)は示差走査熱分析(DSC)、熱重量分析(TG)、及びプロトン核磁気共鳴スペクトル(H−NMR)により組成確認を実施した。また、カールフィッシャー法により水分量測定を行ったところ、測定値は85ppmであった。
[塩モノマー(3)の合成及び精製]
2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸10.36g(50mmol)を、メタノール500ml/蒸留水4mlに溶解し、これに炭酸銀27.6g(100mmol)を添加して、室温下で穏やかに4時間連続攪拌し、濾過後、無色透明の溶液を得た。この濾液に、101mmolのメタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリドをメタノール100mlに溶解した溶液を滴下反応させた。反応は定量的に進行した。反応生成物である塩化銀を濾別し、無色透明のメタノール溶液を回収した。この濾液をエバポレーターで減圧濃縮した。この反応溶液に24.4gの硫酸マグネシウムを添加し、終日攪拌した。その溶液から硫酸マグネシウムを濾別し、得られた無色透明の溶液をさらにエバポレーターで減圧濃縮し、溶媒を完全に除去し、無色透明の塩モノマー(3)を回収した。得られた塩モノマー(3)は示差走査熱分析(DSC)、熱重量分析(TG)、及びプロトン核磁気共鳴スペクトル(H−NMR)により組成確認を実施した。また、カールフィッシャー法により水分量測定を行ったところ、測定値は測定340ppmであった。
[塩モノマー(4)の合成及び精製]
アクリル酸4.30g(50mmol)を、メタノール500ml/蒸留水4mlに混合し、これに炭酸銀27.6g(100mmol)を添加して、室温下で穏やかに4時間連続攪拌し、濾過後、無色透明の溶液を得た。この濾液に、101mmolのアクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロリドをメタノール100mlに溶解した溶液を滴下反応させた。反応は定量的に進行した。反応生成物である塩化銀を濾別し、無色透明のメタノール溶液を回収した。この濾液をエバポレーターで減圧濃縮し、冷暗所で終日静置することにより目的物を再結晶させ、白色の結晶を回収した。得られた塩モノマー(4)は示差走査熱分析(DSC)、熱重量分析(TG)、及びプロトン核磁気共鳴スペクトル(H−NMR)により組成確認を実施した。また、カールフィッシャー法により水分量測定を行ったところ、測定値は95ppmであった。
[塩モノマー(5)の合成及び精製]
2−(メタ)アクリロイルオキシ−1−エタンリン酸10.5g(50mmol)を、メタノール500ml/蒸留水4mlに混合し、これに炭酸銀27.6g(100mmol)を添加して、室温下で穏やかに4時間連続攪拌し、濾過後、無色透明の溶液を得た。この濾液に、101mmolのアクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロリドをメタノール100mlに溶解した溶液を滴下反応させた。反応は定量的に進行した。反応生成物である塩化銀を濾別し、無色透明のメタノール溶液を回収した。この濾液をエバポレーターで減圧濃縮し、冷暗所で終日静置することにより目的物を再結晶させ、白色の結晶を回収した。得られた塩モノマー(4)は示差走査熱分析(DSC)、熱重量分析(TG)、及びプロトン核磁気共鳴スペクトル(H−NMR)により組成確認を実施した。また、カールフィッシャー法により水分量測定を行ったところ、測定値は95ppmであった。
[多官能性モノマー(11)の合成及び精製]
p−クロロメチルスチレンクロリド3.21g、ジエチルアミン50%水溶液1.20gをエタノール7.5mLに溶解した。これに炭酸カリウム3.04gを添加し、室温で24時間攪拌した。24時間経過後、反応液を濾過して不溶分を除去し、濾液から再結晶により、ビス(スチリルメチル)ジメチルアンモニウムクロリドの白色結晶を回収した。これを蒸留水に溶解し、あらかじめ、別に調製しておいたビス(トリフルオロメタンスルホン)イミド・リチウム塩2.90gの水溶液と、室温で攪拌混合した。そのまま、3時間攪拌後、静置すると白色沈殿が分離した。この沈殿を回収し、アセトンを用いて、再結晶で精製し、白色針状結晶を回収した。この結晶は、五酸化二リンの存在下、デシケータ中で、一晩減圧乾燥し、最終的に、多官能性モノマー(11):ビス(スチリルメチル)ジメチルアンモニウム・ビス(トリフルオロメタンスルホン)イミドを回収した。得られた多官能性モノマー(11)は、示差走査熱分析(DSC)、熱重量分析(TG)、及びプロトン核磁気共鳴スペクトル(H−NMR)により、組成確認及び純度確認を実施した。また、カールフィッシャー法により水分量測定を行ったところ、測定値は75ppmであった。
[多官能性モノマー(12)の合成及び精製]
p−クロロメチルスチレンクロリド3.21g、ピロリジン0.71gをエタノール7.5mLに溶解した。これに炭酸カリウム3.04gを添加し、室温で24時間攪拌した。24時間経過後、反応液を濾過して不溶分を除去し、濾液をエバポレーターで減圧濃縮し、さらにヘキサンで洗浄してビス(スチリルメチル)ピロリジニウムクロリドの白色不定形固体を回収した。これを蒸留水に溶解し、あらかじめ、別に調製しておいたトリフルオロメタンスルホン酸・リチウム塩1.72gの水溶液と、室温で攪拌混合した。そのまま、3時間攪拌後、静置すると白色沈殿が分離した。この沈殿を回収し、アセトンを用いて、再結晶で精製し、白色針状結晶を回収した。この結晶は、五酸化二リンの存在下、デシケータ中で、一晩減圧乾燥し、最終的に、多官能性モノマー(12):ビス(スチリルメチル)ピロリジニウム・トリフルオロメタンスルホン酸塩を回収した。得られた多官能性モノマー(12)は、示差走査熱分析(DSC)、熱重量分析(TG)、及びプロトン核磁気共鳴スペクトル(H−NMR)により、組成確認及び純度確認を実施した。また、カールフィッシャー法により水分量測定を行ったところ、測定値は95ppmであった。
[多官能性モノマー(13)の合成及び精製]
p−クロロメチルスチレンクロリド3.21g、モルフォリン0.87gをエタノール7.5mLに溶解した。これに炭酸カリウム3.04gを添加し、室温で24時間攪拌した。24時間経過後、反応液を濾過して不溶分を除去し、濾液をエバポレーターで減圧濃縮し、さらにヘキサンで再沈殿してビス(スチリルメチル)モルフォリニウムクロリドの白色不定形固体を回収した。これを蒸留水に溶解し、あらかじめ、別に調製しておいたトリフルオロメタンスルホン酸・リチウム塩1.72gの水溶液と、室温で攪拌混合した。そのまま、3時間攪拌後、終夜静置し、エタノール可溶分を回収、濃縮後、再結晶で精製し、白色針状結晶を回収した。この結晶は、五酸化二リンの存在下、デシケータ中で、一晩減圧乾燥し、最終的に、多官能性モノマー(13):ビス(スチリルメチル)モルフォリニウム・トリフルオロメタンスルホン酸塩を回収した。得られた多官能性モノマー(13)は、示差走査熱分析(DSC)、熱重量分析(TG)、及びプロトン核磁気共鳴スペクトル(H−NMR)により、組成確認及び純度確認を実施した。また、カールフィッシャー法により水分量測定を行ったところ、測定値は90ppmであった。
[多官能性モノマー(14)の合成及び精製]
p−クロロメチルスチレンクロリド3.21g、ピペリジン0.85gをエタノール7.5mLに溶解した。これに炭酸カリウム3.04gを添加し、室温で24時間攪拌した。24時間経過後、反応液を濾過して不溶分を除去し、濾液をエバポレーターで減圧濃縮し、さらにヘキサンで再沈殿してビス(スチリルメチル)ピぺリジニウムクロリドの白色不定形固体を回収した。これを蒸留水に溶解し、あらかじめ、別に調製しておいたトリフルオロメタンスルホン酸・リチウム塩1.72gの水溶液と、室温で攪拌混合した。そのまま、3時間攪拌後、終夜静置し、エタノール可溶分を回収、濃縮後、再結晶で精製し、白色針状結晶を回収した。この結晶は、五酸化二リンの存在下、デシケータ中で、一晩減圧乾燥し、最終的に、多官能性モノマー(14):ビス(スチリルメチル)ピぺリジニウム・トリフルオロメタンスルホン酸塩を回収した。得られた多官能性モノマー(14)は、示差走査熱分析(DSC)、熱重量分析(TG)、及びプロトン核磁気共鳴スペクトル(H−NMR)により、組成確認及び純度確認を実施した。また、カールフィッシャー法により水分量測定を行ったところ、測定値は80ppmであった。
[多官能性モノマー(15)の合成及び精製]
2−ブロモ−1−エタノール12.50g及びアセトニトリル20mlの混合溶液を攪拌しながら、ジメチルアミノエタノール9.09gを反応系の温度が上昇しすぎないよう注意しながら少量づつ滴下した。全量滴下後、室温でそのまま終日攪拌すると、系が2相に分離した(いずれも透明)。さらに室温で終夜静置すると、2相の一方から白色結晶が析出した。反応液を濾過して結晶を回収し、ビス(ヒドロキシエチル)ジメチルアンモニウム・ブロミドの白色結晶を回収した。これをアセトニトリルに懸濁させ、系全体を5℃以下に冷却し攪拌しながら、アクリロイルクロリド18.10gを少量ずつ滴下し、そのまま終日攪拌した。攪拌終了後、反応溶液をエバポレーターにより減圧濃縮し、これにトリフルオロメチル酢酸リチウムを当量添加し、終日攪拌したのち、アセトニトリル可溶分を抽出した。この抽出液を再度濃縮し、アセトンを用いて再結晶精製を行い、白色板状結晶を回収した。この結晶は、五酸化二リンの存在下、デシケータ中で、一晩減圧乾燥し、最終的に、多官能性モノマー(15):ビス(アクリロイルオキシエチル)ジメチルアンモニウム・トリフルオロメチル酢酸塩を回収した。得られた多官能性モノマー(15)は、示差走査熱分析(DSC)、熱重量分析(TG)、及びプロトン核磁気共鳴スペクトル(H−NMR)により、組成確認及び純度確認を実施した。また、カールフィッシャー法により水分量測定を行ったところ、測定値は95ppmであった。
[多官能性モノマー(16)の合成及び精製]
2−ブロモ−1−エタノール12.50g及びアセトニトリル20mlの混合溶液を攪拌しながら、ジエチルアミノエタノール11.71gを反応系の温度が上昇しすぎないよう注意しながら少量づつ滴下した。全量滴下後、室温でそのまま終日攪拌すると、系が2相に分離した(いずれも透明)。さらに室温で終夜静置すると、2相の一方から白色結晶が析出した。反応液を濾過して結晶を回収し、ビス(ヒドロキシエチル)ジエチルアンモニウム・ブロミドの白色結晶を回収した。これをアセトニトリルに懸濁させ、系全体を5℃以下に冷却し攪拌しながら、アクリロイルクロリド18.10gを少量ずつ滴下し、そのまま終日攪拌した。攪拌終了後、反応溶液をエバポレーターにより減圧濃縮し、これにトリフルオロメチル酢酸リチウムを当量添加し、終日攪拌したのち、アセトニトリル可溶分を抽出した。この抽出液を再度濃縮し、アセトンを用いて再結晶精製を行い、白色板状結晶を回収した。この結晶は、五酸化二リンの存在下、デシケータ中で、一晩減圧乾燥し、最終的に、多官能性モノマー(16):ビス(アクリロイルオキシエチル)ジエチルアンモニウム・トリフルオロメチル酢酸塩を回収した。得られた多官能性モノマー(16)は、示差走査熱分析(DSC)、熱重量分析(TG)、及びプロトン核磁気共鳴スペクトル(H−NMR)により、組成確認及び純度確認を実施した。また、カールフィッシャー法により水分量測定を行ったところ、測定値は95ppmであった。
[多官能性モノマー(17)の合成及び精製]
メチルジエタノールアミン11.92g及びアセトニトリル10mlの混合溶液を攪拌しながら、ベンジルブロミド17.10gを反応系の温度が上昇しすぎないよう注意しながら少量づつ滴下した。全量滴下後、室温でそのまま終日攪拌したのち終夜冷却すると、白色結晶が析出した。濾過して結晶を回収し、ビス(ヒドロキシエチル)メチルベンジルアンモニウム・ブロミドの白色結晶を回収した。これをアセトニトリルに半懸濁させ、系全体を5℃以下に冷却し攪拌しながら、アクリロイルクロリド18.10gを少量ずつ滴下し、そのまま終日攪拌した。攪拌終了後、反応溶液をエバポレーターにより減圧濃縮し、これにトリフルオロメチル酢酸リチウムを当量添加し、終日攪拌したのち、アセトニトリル可溶分を抽出した。この抽出液を再度濃縮し、アセトンを用いて再結晶精製を行い、白色板状結晶を回収した。この結晶は、五酸化二リンの存在下、デシケータ中で、一晩減圧乾燥し、最終的に、多官能性モノマー(17):ビス(アクリロイルオキシエチル)ジメチルアンモニウム・トリフルオロメチル酢酸塩を回収した。得られた多官能性モノマー(17)は、示差走査熱分析(DSC)、熱重量分析(TG)、及びプロトン核磁気共鳴スペクトル(H−NMR)により、組成確認及び純度確認を実施した。また、カールフィッシャー法により水分量測定を行ったところ、測定値は95ppmであった。
多官能性モノマー(18):トリメチロールプロパントリアクリレート(新中村化学製NKエステルA−TMPT液状モノマー)を使用した。
[多官能性モノマー(19)の合成及び精製]
p−クロロメチルスチレンクロリド48.8gをエタノール30mlに混合した溶液にN,N’−ジメチルピペラジン17.1gを少量ずつ添加し、室温で3時間攪拌すると白色沈殿が生じた。これを濾過回収した後に蒸留水に溶解し、あらかじめ、別に調製しておいたビス(トリフルオロメタンスルホン)イミド・リチウム塩88.9gの水溶液と、室温で攪拌混合した。そのまま、3時間攪拌後、静置すると白色沈殿が分離した。この沈殿を回収し、アセトンを用いて、再結晶で精製し、白色結晶を回収した。この結晶は、五酸化二リンの存在下、デシケータ中で、一晩減圧乾燥し、最終的に、多官能性モノマー(19):ビス(スチリルメチル)ジメチルピペリジニウム・ビス(トリフルオロメタンスルホン)イミドを回収した。得られた多官能性モノマー(19)は、示差走査熱分析(DSC)、熱重量分析(TG)、及びプロトン核磁気共鳴スペクトル(H−NMR)により、組成確認及び純度確認を実施した。また、カールフィッシャー法により水分量測定を行ったところ、測定値は50ppm以下であった。
多官能性モノマー(20):メチレンビスアクリルアミド(関東化学製試薬)を再結晶精製して使用した。
多官能性モノマー(21)(ビス(スチリルメチル)ジメチルアンモニウムクロリド)
p−クロロメチルスチレンクロリド3.21g、ジエチルアミン50%水溶液1.20gをエタノール7.5mLに溶解した。これに炭酸カリウム3.04gを添加し、室温で24時間攪拌した。24時間経過後、反応液を濾過して不溶分を除去し、濾液から再結晶により、ビス(スチリルメチル)ジメチルアンモニウムクロリドの白色結晶を回収した。この結晶を、五酸化二リンの存在下、デシケータ中で、一晩減圧乾燥し、多官能性モノマー(21)(ビス(スチリルメチル)ジメチルアンモニウムクロリド)を得た。得られた多官能性モノマー(21)は、示差走査熱分析(DSC)、熱重量分析(TG)、及びプロトン核磁気共鳴スペクトル(H−NMR)により、組成確認及び純度確認を実施した。また、カールフィッシャー法により水分量測定を行ったところ、測定値は250ppmであった。
1分子内に重合性官能基1つを有するモノマー(31):N−イソプロピルアクリルアミド(興人製)を再結晶精製して使用した。
1分子内に重合性官能基を1つ有するモノマー(32):N,N−ジメチルアクリルアミド(関東化学製試薬)を蒸留により精製して使用した。
1分子内に重合性官能基を1つ有するモノマー(33):アクリル酸ステアリル(StAc、関東化学製試薬)を再結晶精製して使用した。
1分子内に重合性官能基を1つ有するモノマー(34):アクリル酸リチウム(AcLi、関東化学製試薬)を再結晶精製して使用した。
1分子内に重合性官能基を1つ有するモノマー(35):アクリル酸アダマンチル(ADAc、出光興産製)を再結晶精製して使用した。
[実施例1]
[リチウムイオン伝導性電解質の調製]
十分に乾燥した上記塩モノマー(1)0.409g、多官能性モノマー(11)0.409gを乾燥アルゴン雰囲気(露点温度:−60℃以下)にてそれぞれ秤量し、これを、20mlの1M LiPF電解液(溶媒:エチレンカーボネート/ジエチルカーボネート)に均一に溶解させた。得られた溶液を十分に脱気したのち、ベンゾイルパーオキサイド0.024gを加えて、均一に溶解したのち、80℃で40分間加熱し、リチウムイオン伝導性電解質を得た。
[リチウムイオン伝導性電解質のイオン伝導度評価]
上記で得られたリチウムイオン伝導性電解質について、交流インピーダンス法により、イオン伝導度を測定した。測定の際の周波数範囲は50Hz〜30MHz、電圧は0.5Vとした。測定の結果、室温(20℃)に於けるイオン伝導度は6.23×10−3S/cmであった。
[リチウムイオン伝導性電解質を用いた二次電池の作製とサイクル特性評価]
正極活物質として、LiCoOを85重量%、導電剤としての黒鉛を5重量%と、結着剤としてのポリ(ビニリデンフルオライド)を10重量%とを混合して、正極合剤を調製し、この正極合剤を、N−メチル−2−ピロリドン中に分散させて、スラリー状の正極合剤とした。この正極合剤を、正極集電体として用いる厚み20μmのアルミニウム箔の両面に、均一に塗布し、乾燥後、ロールプレス機で圧縮成形することで正極を得た。
負極活物質として粉砕した黒鉛粉末を90重量%と、結着剤としてポリ(ビニリデンフルオライド)を10重量%とを混合して、負極合剤を調製し、この負極合剤を、N−メチル−2−ピロリドン中に分散させて、スラリー状の負極合剤とした。この負極合剤を、負極集電体として用いる厚み15μmの銅箔の両面に、均一に塗布し、乾燥後、ロールプレス機で圧縮成形することで負極を得た。
次に、リチウムイオン伝導性電解質の加熱前のモノマー電解質溶液を調製し、上記のようにして得られた負極と正極とを、厚みが25μmのポリエチレン製微多孔性フィルムからなるセパレーターを介して密着させ、巻回して電極巻回体とした。この電極巻回体を、絶縁材料からなる外装フィルムに封入するとともに、上記で得られたモノマー溶液を、外装フィルム中に注入した。そして外装フィルムの外周縁部を封口し、正極端子と負極端子とを、外装フィルムの開口部に挟み込むとともに、電極巻回体を外装フィルム中に、減圧下にて密閉した。これを80℃の温度下で60分間加熱して、モノマーを重合すると共に、高分子固体電解質を用いた二次電池を得た。
電池の組み立て後、25℃、500mAの定電流電圧充電を上限4.2Vまで2時間行い、次に500mAでの放電(1時間率放電)を終止電圧2.5Vまで行った。これを1サイクルとして充放電を100サイクル行い、1サイクル目の放電容量を100%としたときの100サイクル目の容量維持率を求めた。100サイクル後の容量維持率は、95%であった。
[実施例2〜39]
表1〜4の配合に従い、実施例1と同様に評価を行った、
[実施例40]
[リチウムイオン伝導性電解質の調製]
十分に乾燥した上記塩モノマー(1)0.409g、多官能性モノマー(11)0.409g、LiN(CFSO0.72g、ベンゾイルパーオキサイド0.024gを乾燥アルゴン雰囲気(露点温度:−60℃以下)にてそれぞれ秤量し、それを脱水メタノール10mlを用いて完全に溶解させた。溶液を脱気した後、80℃で8時間加熱し、メタノールを除去すると同時にリチウムイオン伝導性電解質を得た。実施例1と同様に評価を行った。
[実施例41]
表5の配合に従い、実施例1と同様に評価を行った。
[実施例42]
[リチウムイオン伝導性電解質の調製]
十分に乾燥した上記塩モノマー(5)0.318g、トリメチルヘキシルアンモニウムと(CFSOから構成される常温溶融塩(41)0.318g、LiN(CFSO0.72g、ベンゾイルパーオキサイド0.024gを乾燥アルゴン雰囲気(露点温度:−60℃以下)にてそれぞれ秤量し、それを完全に溶解させた。溶液を脱気した後、80℃で60分間加熱し、リチウムイオン伝導性電解質を得た。実施例1同様にしてイオン伝導度とサイクル特性評価を行った。
[実施例43]
[リチウムイオン伝導性電解質の調製]
上記実施例42で用いた常温溶融塩(41)0.318gの代わりに難燃性電解質塩溶解剤リン酸エチルジメチル(51)0.318gを用いる以外は、実施例42と同様にして、リチウムイオン伝導性電解質を得た。ここで難燃性電解質塩溶解剤に対しては、次の引火試験を行ったところ、30分未満で消火した。
引火試験:溶媒を直径3cm、高さ4cmの円筒状ガラス瓶に満たし、電解質用有機化合物中に木でできた芯材を投入し芯材に火をつけ、炎の様子を評価する。
イオン伝導度とサイクル特性について、実施例1と同様にして評価した。
[比較例1]
塩モノマー(1)0.818gだけを用い、多官能性モノマー、1分子内に1つの重合性官能基を有するモノマーは使用せずに、実施例1と同様にしてリチウムイオン伝導性電解質を得た。実施例1と同様にして評価した。また、実施例43と同様にして、上記で得たリチウムイオン伝導性電解質を用いて同様の引火試験を行ったところ、電解質に着火し、難燃効果は示さなかった。
[比較例2]
多官能性モノマー(11)0.409gだけを用い、塩モノマー、1分子内に1つの重合性官能基を有するモノマーは使用せずに、実施例1と同様にしてリチウムイオン伝導性電解質を得ようとしたが、白色の析出物が生じ、2相に分離した。
[比較例3]
実施例1の多官能性モノマー(11)の代わりに、多官能性モノマー(20):<メチレンビスアクリルアミド:BIS>を用い、また、実施例1の塩モノマー(1)の代わりに、等量の1分子内に1つの重合性官能基を有するモノマー(31)を用いた。それ以外は実施例1と同様にしてリチウムイオン伝導性電解質の調製を行ったが、ゲル化直後にすでにゲルの収縮及び電解液のブリードアウトが観察された。このリチウムイオン伝導性電解質について実施例1と同様にしてイオン伝導度を測定し、また、二次電池を作製後100サイクル目の容量維持率を求めた。
[比較例4]
実施例40で使用した塩モノマー(1)の代わりに等量の1分子内に1つの重合性官能基を有するモノマー(31)を用い、多官能性モノマーとしては多官能性モノマー(20)を用いる以外は、実施例40と同様にしてリチウムイオン伝導性電解質を得た。このリチウムイオン伝導性電解質について実施例1と同様にしてイオン伝導度を測定し、また、二次電池を作製後100サイクル目の容量維持率を求めた。
[比較例5]
特開2001−247635を参考にして、平均分子量500のモノメトキシポリエチレングリコール70g、無水マレイン酸18.9gを反応器に仕込んで、窒素気流下、加熱して溶融混合させ、攪拌下で145℃まで昇温した。そこにアクリル酸23g、ジ−t−ブチルパーオキシド11.1gを添加し、1時間攪拌を続けて重合体(R1)を得た。この重合体4gにN,N−ジブチルイミダゾリウムブロミド6.1gとクロロホルム100mlを入れ、攪拌し完全に溶解させた。溶液中にアルゴンガスのバブリングを行ったまま、室温で18時間、さらに、50℃で5時間反応させた。反応終了後、エバポレーターでクロロホルムを除去し、残渣を、真空乾燥機を用いて60℃で40時間かけて十分に乾燥させ、重合体(R2)を得た。
重合体(R2)を0.5g、LiN(CFSO0.4gを脱水したアセトンに完全に溶解させた。室温で30分攪拌後、アセトンをエバポレーターで除去した。残渣を、真空乾燥機を用いて80℃、12時間乾燥させ、リチウムイオン伝導性電解質を得た。これについて、実施例1と同様にしてイオン伝導度を測定した。
また、上記の重合体(R2)1gを20mlの1M LiPF電解液(溶媒:エチレンカーボネート/ジエチルカーボネート)に均一に溶解させ、実施例1と同様にして、二次電池を作製後100サイクル目の容量維持率を求めた。
本発明のリチウムイオン伝導性電解質は、一次及び二次電池、電気二重層キャパシター、燃料電池MEA用電解質、二次電池電極用結着剤、色素増感型太陽電池電解質、ゲルアクチュエーター、電気刺激伝達用人工神経軸索充填剤及びその他の電気化学デバイス等の材料としても用いることができる。

Claims (19)

  1. ポリマーとリチウム塩を必須成分として構成されるリチウムイオン伝導性電解質であって、前記ポリマーが、炭素−炭素二重結合を有する重合性官能基を有するアンモニウムカチオンおよび炭素−炭素二重結合を有する重合性官能基を有する有機アニオンから構成される塩モノマーと、多官能性モノマーとを必須成分として重合されたものであることを特徴とするリチウムイオン伝導性電解質であり、前記多官能性モノマーは、下記一般式[1]で表される化合物であることを特徴とするリチウムイオン伝導性電解質。

    [式中、PおよびPは、それぞれ(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリルアミド基またはスチリル基、Xはアニオンを表し、RおよびRは、それぞれ、環構造を有していても良い、置換もしくは無置換の、アルキレン基、アリーレン基、アラルキレン基、アルケニレン基、アラルケニレン基、アルコキシアルキレン基およびアシルオキシアルキレン基から選ばれる基であり、RおよびRは、それぞれ、環構造を有していても良い、置換もしくは無置換の、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基、アラルケニル基、アルコキシアルキル基およびアシルオキシアルキル基から選ばれる基であり、各々は同一でも異なってもよく、これらのいずれか一対またはそれ以上が環構造を形成していてもかまわない。また、これらはヘテロ原子を含んでもよい。]
  2. 前記多官能性モノマーは、前記一般式[1]で表されるモノマーのアニオンXとして、RSO 、RCO 、(ROS)および(ROS)、ClO 、BF 、AsF 、PF 、F、Cl、Br、Iから選ばれる少なくとも1種のアニオンを有するものである、請求項1に記載のリチウムイオン伝導性電解質。[上記アニオンXにおける置換基Rは、置換もしくは無置換の、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシアルキル基およびアシルオキシアルキル基から選ばれる基であり、これらは環構造を有していてもよい。また、これらはヘテロ原子を含んでもよい。]
  3. ポリマーと、リチウム塩と、常温溶融塩と、を必須成分として構成されるリチウムイオン伝導性電解質であって、前記ポリマーは、炭素−炭素二重結合を有する重合性官能基を有するアンモニウムカチオンおよび炭素−炭素二重結合を有する重合性官能基を有する有機アニオンから構成される塩モノマーを必須成分として重合されたものであることを特徴とするリチウムイオン伝導性電解質。
  4. 前記ポリマーは、前記炭素−炭素二重結合を有する重合性官能基を有するアンモニウムカチオンおよび炭素−炭素二重結合を有する重合性官能基を有する有機アニオンから構成される塩モノマーと、多官能性モノマーとを含んで重合されたものであり、前記多官能性モノマーは、下記一般式[1]で表される化合物である、請求項3に記載のリチウムイオン伝導性電解質。

    [式中、PおよびPは、それぞれ(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリルアミド基またはスチリル基、Xはアニオンを表し、RおよびRは、それぞれ、環構造を有していても良い、置換もしくは無置換の、アルキレン基、アリーレン基、アラルキレン基、アルケニレン基、アラルケニレン基、アルコキシアルキレン基およびアシルオキシアルキレン基から選ばれる基であり、RおよびRは、それぞれ、環構造を有していても良い、置換もしくは無置換の、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基、アラルケニル基、アルコキシアルキル基およびアシルオキシアルキル基から選ばれる基であり、各々は同一でも異なってもよく、これらのいずれか一対またはそれ以上が環構造を形成していてもかまわない。また、これらはヘテロ原子を含んでもよい。]
  5. 前記ポリマーは、前記塩モノマーと前記多官能性モノマーと、1分子内に炭素−炭素二重結合を有する重合性官能基を1つ有するモノマーとを含んで重合されたものである請求項1、2及び4のいずれかに記載のリチウムイオン伝導性電解質。
  6. 前記ポリマーが、前記塩モノマー由来の炭素−炭素二重結合を有する重合性官能基を有するアンモニウムカチオンより形成されるアンモニウム基と炭素−炭素二重結合を有する重合性官能基を有する有機アニオンとが、相互に及び/又は前記リチウム塩との間においてイオン的相互作用を有するものである、請求項1〜5のいずれかに記載のリチウムイオン伝導性電解質。
  7. 前記塩モノマーが、下記一般式[2]で表される化合物である、請求項1〜6のいずれかに記載のリチウムイオン伝導性電解質。

    [式中、PおよびPは、それぞれ炭素−炭素二重結合を有する重合性官能基を含む置換基、Yはイオン的相互作用に関与するイオン性官能基を有する基を表し、Rは、環構造を有していても良い、置換もしくは無置換の、アルキレン基、アリーレン基、アラルキレン基、アルケニレン基、アラルケニレン基、アルコキシアルキレン基およびアシルオキシアルキレン基から選ばれる基であり、R、RおよびRは、それぞれ、環構造を有していても良い、置換もしくは無置換の、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基、アラルケニル基、アルコキシアルキル基およびアシルオキシアルキル基から選ばれる基であり、各々は同一でも異なってもよく、これらのいずれか一対またはそれ以上が環構造を形成していてもかまわない。また、これらはヘテロ原子を含んでもよい。]
  8. 前記一般式[2]で表される化合物は、炭素−炭素二重結合を有する重合性官能基を備えた有機アニオンにおけるイオン的相互作用に関与するイオン性官能基を有する基Yとして、スルホキシル基、カルボキシル基、ホスフォキシル基およびスルホンイミド基由来のアニオンから選ばれる少なくとも一つのイオン性官能基を有するものである、請求項7に記載のリチウムイオン伝導性電解質。
  9. 前記イオン性官能基を有する基Yが、スルホキシル基由来のアニオンを有するものである、請求項8に記載のリチウムイオン伝導性電解質。
  10. 前記アンモニウムカチオンは、下記一般式[3]で表される置換基を有するものである、請求項1〜9のいずれかに記載のリチウムイオン伝導性電解質。

    [式中、置換基Rは、水素、ハロゲン、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基、アラルケニル基、アルコキシアルキル基およびアシルオキシアルキル基から選ばれる基であり、これらは環構造を有していてもよい。それらの炭素上の水素原子の一部もしくは全てがハロゲンに置換されていても構わない。また、これらはヘテロ原子を含んでもよい。]
  11. 1分子内に炭素−炭素二重結合を有する重合性官能基を1つ有するモノマーが、Nアルキル置換(メタ)アクリルアミド及び/または(メタ)アクリルエステルである請求項5〜10のいずれかに記載のリチウムイオン伝導性電解質。
  12. 前記1分子内に炭素−炭素二重結合を有する重合性官能基を1つ有するモノマーが、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミドである請求項11記載のリチウムイオン伝導性電解質。
  13. 前記炭素−炭素二重結合を有する重合性官能基が、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリルアミド基、アリル基、ビニル基、スチリル基および不飽和環構造を有する基から選ばれるものである、請求項1〜12のいずれかに記載のリチウムイオン伝導性電解質。
  14. 前記ポリマーを合成するモノマーの少なくとも一種は常温で固体である、請求項1〜13のいずれかに記載のリチウムイオン伝導性電解質。
  15. 前記ポリマーを合成するモノマーは、いずれも常温で固体である、請求項14に記載のリチウムイオン伝導性電解質。
  16. 前記ポリマーを合成するモノマーの少なくとも1種は活性エネルギー線および/または熱によりラジカル重合可能なモノマーである、請求項1〜15のいずれかに記載のリチウムイオン伝導性電解質。
  17. 前記リチウム塩が、LiPF、LiClO、LiAsF、LiBF、LiCFSO、LiCSO、LiCSO、LiN(CFSO、LiN(CSOおよびLiC(CFSOから選ばれるものである、請求項1〜16のいずれかに記載のリチウムイオン伝導性電解質。
  18. 前記リチウムイオン伝導性電解質は、可塑剤を含んでなるものである請求項1〜17のいずれかに記載のリチウムイオン伝導性電解質。
  19. 請求項1〜18のいずれかに記載のリチウムイオン伝導性電解質を構成要素とすることを特徴とする二次電池。
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