JP2010080404A - 二次電池及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 電気抵抗の上昇に伴うエネルギー密度の低下および電池組立工程における不良を招くことなく、良好な充放電特性を有する二次電池を提供する。
【解決手段】 電極と電解質を含む二次電池において、電解質は、ポリマーとイオン液体とLi塩からなる電解質層と、イオン液体とLi塩からなる電解質層を含むことを特徴とする二次電池。電極と電解質を含む二次電池を製造する方法であって、電極上に、ポリマーとイオン液体とLi塩からなる第一の電解質層を、該電解質層の小片同士の間に間隙を有して設ける工程と、電極上に積層された第一の電解質層及び該電解質層の間隙上に、イオン液体とLi塩からなる第二の電解質層を設ける工程を含むことを特徴とする二次電池の製造方法。
【選択図】 図1
【解決手段】 電極と電解質を含む二次電池において、電解質は、ポリマーとイオン液体とLi塩からなる電解質層と、イオン液体とLi塩からなる電解質層を含むことを特徴とする二次電池。電極と電解質を含む二次電池を製造する方法であって、電極上に、ポリマーとイオン液体とLi塩からなる第一の電解質層を、該電解質層の小片同士の間に間隙を有して設ける工程と、電極上に積層された第一の電解質層及び該電解質層の間隙上に、イオン液体とLi塩からなる第二の電解質層を設ける工程を含むことを特徴とする二次電池の製造方法。
【選択図】 図1
Description
本発明は、二次電池とその製造方法に関するものである。
近年、エレクトロニクス分野の成長はめざましく、特に携帯電話やパーソナルコンピューターの分野においては、これらに用いる電子機器の小型軽量化やポータブル化が進んでいる。これらの電子機器の電源となるリチウムイオン二次電池においては、小型化・薄型化だけでなく、高容量化も求められており、その解決手段の一つとして固体電解質又はゲル電解質の研究開発が盛んに行われている。
現在、リチウムイオン二次電池における固体電解質又はゲル電解質の製造方法としては、電解質用高分子を溶媒に溶解し、そこに電解液等を混合した後、これを種々の方法で基材に塗布し、溶媒を揮発させて得る方法が一般的である。しかしながら、この方法を用いて工業的に固体電解質又はゲル電解質を製造しようとする場合、一定の雰囲気で製造できる設備が必要になったり、生産性が劣るなどの課題がある。また、このようにして製造した固体電解質又はゲル電解質を、正極、負極とともに積層して、最終的に必要な形状に打ち抜くときに不具合を生じ、短絡が発生するなどの電池組立工程における不良を生じることがある。このような問題点を解決するために、固体電解質又はゲル電解質を正・負極間に初めから配置するのではなく、正・負極間に高分子化合物膜を配置して、非水電解液によって高分子化合物膜を膨潤させて電解質を形成する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、このようなシート状の膜の場合、膜全体が膨潤するために電気抵抗の上昇に伴うエネルギー密度の低下が回避できないなどの問題がある。
特開1999−185813号公報
本発明は上記課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは電気抵抗の上昇に伴うエネルギー密度の低下および電池組立工程における不良を招くことなく、良好な充放電特性を有する二次電池を提供するところにある。
本発明は、下記第(1)項から第(6)項により達成される。
(1) 電極と電解質を含む二次電池において、電解質は、ポリマーとイオン液体とLi塩からなる電解質層と、イオン液体とLi塩からなる電解質層を含むことを特徴とする二次電池。
(2) 前記電解質は、ポリマーとイオン液体とLi塩からなる電解質層と、イオン液体とLi塩からなる電解質層とが、相溶化した電解質層を含むものである第(1)項に記載の二次電池。
(3) 前記ポリマーは、重合性官能基を有するオニウムカチオンと重合性官能基を有する有機アニオンとから構成される塩モノマーを用いて合成されたポリマーである第(1)項または第(2)項に記載の二次電池。
(4) 前記第一の電解質層に含まれるイオン液体は、第二の電解質層に含まれるイオン液体と相溶性を有する第(1)項〜第(3)項のいずれか1項に記載の二次電池。
(5) 電極と電解質を含む二次電池を製造する方法であって、電極上に、ポリマーとイオン液体とLi塩からなる第一の電解質層を、該電解質層の小片同士の間に間隙を有して設ける工程と、電極上に積層された第一の電解質層及び該電解質層の間隙上に、イオン液体とLi塩からなる第二の電解質層を設ける工程を含むことを特徴とする二次電池の製造方法。
(6) 第一の電解質層と第二の電解質層を膨潤させ、前記二つの電解質層の一部を相溶化する工程を含む第(5)項に記載の二次電池の製造方法。
(1) 電極と電解質を含む二次電池において、電解質は、ポリマーとイオン液体とLi塩からなる電解質層と、イオン液体とLi塩からなる電解質層を含むことを特徴とする二次電池。
(2) 前記電解質は、ポリマーとイオン液体とLi塩からなる電解質層と、イオン液体とLi塩からなる電解質層とが、相溶化した電解質層を含むものである第(1)項に記載の二次電池。
(3) 前記ポリマーは、重合性官能基を有するオニウムカチオンと重合性官能基を有する有機アニオンとから構成される塩モノマーを用いて合成されたポリマーである第(1)項または第(2)項に記載の二次電池。
(4) 前記第一の電解質層に含まれるイオン液体は、第二の電解質層に含まれるイオン液体と相溶性を有する第(1)項〜第(3)項のいずれか1項に記載の二次電池。
(5) 電極と電解質を含む二次電池を製造する方法であって、電極上に、ポリマーとイオン液体とLi塩からなる第一の電解質層を、該電解質層の小片同士の間に間隙を有して設ける工程と、電極上に積層された第一の電解質層及び該電解質層の間隙上に、イオン液体とLi塩からなる第二の電解質層を設ける工程を含むことを特徴とする二次電池の製造方法。
(6) 第一の電解質層と第二の電解質層を膨潤させ、前記二つの電解質層の一部を相溶化する工程を含む第(5)項に記載の二次電池の製造方法。
本発明によれば、良好な充放電特性を有する二次電池を提供することができ、このような二次電池は、電気抵抗の上昇に伴うエネルギー密度の低下および電池組立工程における不良を回避することができる。また、従来の欠陥である生産性の問題が除かれるので好適である。
本発明は、電極と電解質を含む二次電池において、電解質は、ポリマーとイオン液体とLi塩からなる電解質層と、イオン液体とLi塩からなる電解質層を含むことを特徴とする二次電池である。このような電解質層を含むことにより良好な充放電特性を有する二次電池を提供することができ、電解質におけるポリマー成分の過度の膨潤に起因する電気抵抗の上昇に伴うエネルギー密度の低下および電池組立工程における不良を回避することができるものである。
次に、本発明は、電極と電解質を含む二次電池を製造する方法であって、電極上に、ポリマーとイオン液体とLi塩からなる第一の電解質層を、該電解質層の小片同士の間に間隙を有して設ける工程と、電極上に積層された第一の電解質層及び該電解質層の間隙上に、イオン液体とLi塩からなる第二の電解質層を設ける工程を含むことを特徴とする。
本発明に用いる電解質は、二次電池における第一の電解質層を構成するポリマーとイオン液体とLi塩からなる第一の電解質層と、第二の電解質層を構成するイオン液体とLi塩からなる第二の電解質層を含むものである。また、第一の電解質層と第二の電解質層が隣接する界面近傍で、相溶化する電解質層を有していても良い。
上記ポリマーとしては、このポリマーを用いた電解質が電気化学的に安定で、高いイオン伝導度を得ることができれば特に限定されないが、例えば、アクリレート系のポリマー、ポリフッ化ビニリデン、塩モノマーから合成されたポリマーなどを挙げることができる。これらの中でも、重合性官能基を有するオニウムカチオンと重合性官能基を有する有機アニオンとから構成される塩モノマーを用いて合成されたポリマーが好ましく、前記塩モノマーに加えて、その他のモノマーを併用して合成されたポリマーであっても良い。併用の態様としては、例えば、前記塩モノマーとその他のモノマーとの共重合体として用いても良く、前記塩モノマーの重合体とその他のモノマーの重合体との混合物を用いても良い。そのようなその他のモノマーの例としては、メチレンビスアクリルアミド、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、ジアリルメチルアミン、ジアリルエチルアミン、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレートおよびジアリルフタレートなどの重合性官能基を複数有するモノマーや、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸メチル、アクリル酸ステアリル、ジアセトンアクリルアミド、(メタ)アクリル酸1−アダマンチルおよび(メタ)アクリル酸2−エチルアダマンチルなどの重合性官能基を一つ有するモノマーなどが挙げられる。
本発明において、電解質に用いるポリマーを合成するのに用いる塩モノマーは、重合性官能基を有するオニウムカチオンと重合性官能基を有する有機アニオンとから構成されるものである。前記重合性官能基を有するオニウムカチオンとしては、フルオニウムカチオン(F+)、オキソニウムカチオン(O+)、スルホニウムカチオン(S+)、アンモニウムカチオン(N+)およびホスホニウムカチオン(P+)などがカチオン種として挙げられる。これらの中でも、汎用性及び作業性の点から、ホスホニウムカチオン、スルホニウムカチオンおよびアンモニウムカチオンがより好ましく、中でも、アンモニウムカチオンが最も好ましい。
前記スルホニウムカチオンとしては、具体的には、硫黄原子が3つの置換基Rで置換されたカチオンが挙げられる。3つの置換基Rの内、少なくとも一つは重合性官能基を含む基である。置換基Rは、アルキル基:−CnH2n+1、アリール基:(R’)n−C6H5-n−、アラルキル基:(R’)m−C6H5-m−CnH2n−、アルケニル基:R’−CH=CH−R’−、アラルケニル基:(R’)n−C6H5-n−CH=CH−R’−、アルコキシアルキル基:R’−O−CnH2n−、アシルオキシアルキル基:R’−COO−CnH2n−などを例示することができ、これらの基は置換基を有していても良い。また、3つのRは各々異なっても、同一であってもかまわない。
前記スルホニウムカチオンを構成する置換基Rにおいて、R’は、水素、または置換もしくは無置換の炭素数20以下のアルキル基などであり、R’が複数ある場合は互いに異なっても良く、mは1以上5以下の整数であり、nは1以上20以下の整数である。R、R’が有する置換基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基およびn−デシル基などの直鎖または分岐のアルキル基;シクロヘキシル基および4−メチルシクロヘキシル基などの環状のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基およびn−ヘキシルオキシ基等の直鎖または分岐のアルコキシ基;シクロヘキシルオキシ基などの環状のアルコキシ基;メトキシメトキシ基、メトキシエトキシ基、エトキシエトキシ基、メトキシプロポキシ基、エトキシプロポキシ基、プロポキシプロポキシ基等のアルコキシアルコキシ基;フェニル基、p−トリル基、m−トリル基、o−トリル基、p−クロロフェニル基、m−クロロフェニル基およびo−クロロフェニル基等のアリール基;フェノキシ基、m−メチルフェノキシ基、o−メチルフェノキシ基、p−クロロフェノキシ基、m−クロロフェノキシ基、o−クロロフェノキシ基およびp−n−ブチルフェノキシ基等のアリールオキシ基;フェニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基、m−メチルフェニルチオ基,o−メチルフェニルチオ基、o−エチルフェニルチオ基、p−プロピルフェニルチオ基および2,4,6−トリメチルフェニルチオ基等のアリールチオ基;メチルカルボニルアミノ基、エチルカルボニルアミノ基、n−プロピルカルボニルアミノ基、イソプロピルカルボニルアミノ基およびn−ブチルカルボニルアミノ基等のアルキルカルボニルアミノ基;メトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、n−プロポキシカルボニルアミノ基、イソプロポキシカルボニルアミノ基およびn−ブトキシカルボニルアミノ基等のアルコキシカルボニルアミノ基;メチルカルボニル基、エチルカルボニル基、n−プロピルカルボニル基、イソプロピルカルボニル基およびn−ブチルカルボニル基等のアルキルカルボニル基;メチルカルボキシ基、エチルカルボキシ基、n−プロピルカルボキシ基、イソプロピルカルボキシ基およびn−ブチルカルボキシ基等のアルキルカルボキシ基;メトキシカルボキシ基、エトキシカルボキシ基、n−プロポキシカルボキシ基、イソプロポキシカルボキシ基およびn−ブトキシカルボキシ基等のアルコキシカルボキシ基;メトキシカルボニルメトキシ基、エトキシカルボニルエトキシ基、エトキシカルボニルメトキシ基、n−プロポキシカルボニルメトキシ基、イソプロポキシカルボニルメトキシ基およびn−ブトキシカルボニルメトキシ基等のアルコキシカルボニルアルコキシ基;等を挙げることができ、これらの置換基は、ハロゲン原子やヘテロ原子が含まれていても良い。さらに、R、R’が有する前記置換基として、シアノ基や、フッ素、塩素および臭素などのハロゲン原子も挙げることができる。
前記ホスホニウムカチオンとしては、具体的には、燐原子が4つの置換基Rで置換されたカチオンが挙げられる。4つの置換基Rの内、少なくとも一つは重合性官能基を含む基である。置換基Rは、アルキル基:−CnH2n+1、アリール基:(R’)n−C6H5-n−、アラルキル基:(R’)m−C6H5-m−CnH2n−、アルケニル基:R’−CH=CH−R’−、アラルケニル基:(R’)n−C6H5-n−CH=CH−R’−、アルコキシアルキル基:R’−O−CnH2n−、アシルオキシアルキル基:R’−COO−CnH2n−などを例示することができ、これらの基は置換基を有していても良い。また、置換基Rはヘテロ原子やハロゲン原子を含んでも良い。また、4つのRは各々異なっても、同一であってもかまわない。前記ホスホニウムカチオンを構成する置換基Rにおいて、R’は、水素、または置換もしくは無置換の炭素数20以下のアルキル基などであり、複数ある場合は互いに異なっても良く、mは1以上5以下の整数であり、nは1以上20以下の整数である。R、R’が有する置換基としては、上記スルホニウムカチオンにおけるそれと同じものが挙げられる。
前記アンモニウムカチオンとしては、アミン化合物から生じうるカチオンであって、アミン化合物が、脂肪族アミン化合物、芳香族アミン化合物および含窒素複素環式アミン化合物などのすべてのアミン化合物を含むことは言うまでもなく、アミンから生じる正電荷を有するのであれば、特に限定されない。具体的には、窒素原子が4つの置換基Rで置換されたカチオンが挙げられる。4つの官能基Rの内、少なくとも一つは重合性官能基を含む基である。置換基Rは、アルキル基:−CnH2n+1、アリール基:(R’)n−C6H5-n−、アラルキル基:(R’)m−C6H5-m−CnH2n−、アルケニル基:R’−CH=CH−R’−、アラルケニル基:(R’)n−C6H5-n−CH=CH−R’−、アルコキシアルキル基:R’−O−CnH2n−、アシルオキシアルキル基:R’−COO−CnH2n−などを例示することができ、これらの基は置換基を有していても良い。また、置換基Rはヘテロ原子やハロゲン原子を含んでも良い。また、4つのRは各々異なっても、同一であってもかまわない。前記アンモニウムカチオンを構成する置換基Rにおいて、R’は、水素、または置換もしくは無置換の炭素数20以下のアルキル基などであり、複数ある場合は互いに異なっても良く、mは1以上5以下の整数であり、nは1以上20以下の整数である。R、R’が有する置換基としては、上記スルホニウムカチオンにおけるそれと同じものが挙げられる。
さらに、上記アンモニウムカチオン以外のアンモニウムカチオンとして、ピリジニウムカチオン、ピラリジニウムカチオンおよびキノリニウムカチオンなどの芳香族アンモニウムカチオン、ピロリジウムカチオン、ピペリジニウムカチオンおよびピペラジニウムカチオンなどの脂肪族複素環式アンモニウムカチオン、モルホリンカチオンのような窒素以外のヘテロ原子を含む複素環式アンモニウムカチオン、イミダゾリウムカチオンなどの不飽和の含窒素複素環式カチオンなど、のアンモニウムカチオンも挙げることができる。さらに、上記環状のアンモニウムカチオンでは窒素の位置が異なるカチオンや、環上に置換基をもったカチオンでもよく、ヘテロ原子を含む置換基を有するカチオンでもよい。
前記オニウムカチオンにおける重合性官能基としては、ラジカル重合、イオン重合、配位重合およびレドックス重合などにより重合が可能な官能基であれば、何ら限定されないが、重合性炭素−炭素二重結合を有する基が好ましく、ラジカル重合性官能基がより好ましい。前記ラジカル重合性官能基としては、活性エネルギー線もしくは熱によりラジカル重合が可能であることがより好ましい。このような官能基としては、例えば、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリルアミド基、アリル基、ビニル基、スチリル基が挙げられるが、これらの中でも、(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリルアミド基、スチリル基、アリル基およびビニル基が好ましい。
前記塩モノマーを構成する重合性官能基を有するオニウムカチオンの具体例としては、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムカチオン、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリエチルアンモニウムカチオン、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリ−n−プロピルアンモニウムカチオン、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリ−iso−プロピルアンモニウムカチオン、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリ−n−ブチルアンモニウムカチオン、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリ−iso−ブチルアンモニウムカチオン、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリ−tert−ブチルアンモニウムカチオン、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリエチルアンモニウムカチオン、(メタ)アクリロイルオキシエチルジエチル−n−ヘキシルアンモニウムカチオン、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリデシルアンモニウムカチオン、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリオクチルアンモニウムカチオン、(メタ)アクリロイルオキシエチルドデシルジメチルアンモニウムカチオン、(メタ)アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムカチオン、(メタ)アクリロイルオキシエチルドデシルヘキシルメチルアンモニウムカチオン、ジアリルジメチルアンモニウムカチオン、ビススチリルメチルジメチルアンモニウムカチオン、ビススチリルエチルジメチルアンモニウムカチオン、(メタ)アクリルアミドエチルトリメチルアンモニウムカチオン、(メタ)アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムカチオン、(メタ)アクリルアミドエチルトリエチルアンモニウムカチオン、(メタ)アクリルアミドエチルトリ−n−プロピルアンモニウムカチオン、(メタ)アクリルアミドエチルトリ−iso−プロピルアンモニウムカチオン、(メタ)アクリルアミドエチルトリ−n−ブチルアンモニウムカチオン、(メタ)アクリルアミドエチルトリ−iso−ブチルアンモニウムカチオン、(メタ)アクリルアミドエチルトリ−tert−ブチルアンモニウムカチオン、(メタ)アクリルアミドエチルトリエチルアンモニウムカチオン、(メタ)アクリルアミドエチルジエチル−n−ヘキシルアンモニウムカチオン、(メタ)アクリルアミドエチルトリデシルアンモニウムカチオン、(メタ)アクリルアミドエチルトリオクチルアンモニウムカチオン、(メタ)アクリルアミドエチルドデシルジメチルアンモニウムカチオン及び(メタ)アクリルアミドエチルドデシルヘキシルメチルアンモニウムカチオン等の各種アンモニウムカチオン、スチリルメチルメチルピロリジニウムカチオン、ビススチリルメチルピペリジニウムカチオン、N,N’−((メタ)アクリロイルオキシエチルメチル)ピペラジニウムカチオン、(メタ)アクリルアミドエチルメチルモルホリニウムカチオン、(メタ)アクリロイルオキシエチルメチルイミダゾリウムカチオンなどが挙げられる。
本発明に用いる塩モノマーを構成する有機アニオンとしては、重合性官能基を有する有機アニオンであれば、特に限定されないが、例えば、アルコラートおよびフェノラートなどの水酸基含有有機化合物のプロトンが脱離したアニオン:RO-アニオン、チオレートおよびチオフェノラートなどのプロトンが脱離したアニオン:RS-アニオン、スルホン酸アニオン:RSO3 -、カルボン酸アニオン:RCOO-、リン酸および亜リン酸の水酸基の一部が有機基で置換している含リン誘導体アニオン:Rx(OR)y(O)zP-、(但し、x、y、zは0以上の整数で、かつ、x+y+2z=3またはx+y+2z=5)、置換ボレートアニオン:Rx(OR)yB-、(但し、x、yは0以上の整数で、かつ、x+y=4)、置換アルミニウムアニオン:Rx(OR)yAl-、(但し、x、yは0以上の整数で、かつ、x+y=4)、カルボアニオン(EA)3C-、窒素アニオン(EA)2N-などが挙げられる。EAは水素原子または電子吸引基を示す。
前記有機アニオンの中でも、特に、RSO3 -、RCOO-、窒素アニオンとして(RO2S)2N-およびカルボアニオンとして(RO2S)3C-が好ましい。(ここで、上記有機アニオンにおけるRは、水素、置換または無置換の、アルキル基CnH2n-1−、アリール基(Rc)m−C6H5-m−、アラルキル基(Rc)m−C6H5-m−CnH2n−、アルケニル基Rc−CH=CH−Rc−、アラルケニル基(Rc)m−C6H5-m−CH=CH−Rc−、アルコキシアルキル基Rc−O−CnH2n−、アシルオキシアルキル基Rc−COO−CnH2n−から選ばれる基(前記Rにおける、Rcは置換または無置換の、炭素数20以下のアルキル基、または水素であり、複数ある場合は互いに異なっても良い。mは1以上5以下の整数。nは1以上20以下の整数。)であり、これらは環構造を有していてもよい。また、ヘテロ原子を含んでもよい。このRが分子内に2個以上ある場合は互いに同じであっても異なっていてもかまわない。EAは、水素原子または電子吸引基を示す。)また前述Rの炭素上の水素原子の一部または全部がハロゲン原子に置換されているものも含まれ、特にフッ素原子に置換されているものは好ましい事例である。
前記有機アニオンにおける重合性官能基としては、上記重合性官能基を有するオニウムカチオンのそれと同じものを挙げることができる。前記塩モノマーにおいては、少なくとも2つの重合性官能基を有することになるが、それらの重合性官能基は、それぞれ同じでも異なっていてもよい。
前記塩モノマーを構成する重合性官能基を有する有機アニオンの具体例としては、2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸、2−[(2−プロペニロキシ)メトキシ]エテンスルホン酸、3−(2−プロペニロキシ)−1−プロペン−1−スルホン酸、ビニルスルホン酸、2−ビニルベンゼンスルホン酸、3−ビニルベンゼンスルホン酸、4−ビニルベンゼンスルホン酸、4−ビニルベンジルスルホン酸、2−メチル−1−ペンテン−1−スルホン酸、1−オクテン−1−スルホン酸、4−ビニルベンゼンメタンスルホン酸、アクリル酸、メタクリル酸、2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンリン酸及び2−(メタ)アクリロイルオキシ−1−エタンリン酸等の有機酸由来の各種アニオンが挙げられる。
本発明に用いる重合性官能基を有するオニウムカチオンと重合性官能基を有する有機アニオンとから構成される塩モノマーの合成方法としては、例えば、前記重合性官能基を有する有機アニオンの銀塩などの金属塩と、前記重合性官能基を有するオニウムカチオンのハロゲン化物とを反応させて合成できるが、目的の塩モノマーが得られるのであればこの合成方法に限定されない。
前記塩モノマーを重合してポリマーを合成する方法としては、例えば前記塩モノマーを、メタノールおよびアセトニトリルなどの有機溶媒に溶解させ、必要に応じて、ラジカル重合開始剤を添加して、得られた溶液を、加熱する方法、可視・紫外領域の光を照射する方法、あるいは、電子線などの放射線を照射する方法によって重合することにより、所望のポリマーが得られる。
前記ポリマーの合成において、加熱による方法の場合、任意に添加する前記ラジカル重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−イソブチロニトリル)および2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)などのアゾ系重合開始剤、ベンゾイルパーオキシド、ジクミルパーオキシドおよびジイソプロピルパーオキシカーボネートなどの過酸化物系重合開始剤などが挙げられる。これを用いる重合方法としては、例えば、30〜150℃で加熱して重合する方法が適用できる。また、光を照射する方法の場合、任意に添加する前記ラジカル重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン、ベンゾフェノンおよび2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノンなどが挙げられる。
前記ラジカル重合開始剤を使用する場合の添加量としては、重合系中に含まれる全ての成分の重合性官能基のモル数に対して、0.01mmol%〜30mol%程度であることが好ましく、さらに好ましくは0.1mmol%〜20mol%である。
本発明の第一の電解質層および第二の電解質層に用いるイオン液体は、カチオン成分およびアニオン成分より構成される、室温でも液体で存在する塩であり、前記イオン液体のカチオン成分としては、孤立電子対を有する元素を含んだ化合物に、陽イオン型の原子団が配位して生ずる少なくとも一つの基を有するカチオンが挙げられ、前記孤立電子対を有する元素としては、窒素、硫黄、リン、酸素、セレン、錫、ヨウ素およびアンチモン等の元素が挙げられる。
このようなカチオン成分の具体例として、オニウムカチオンが挙げられ、上記のうち、窒素、硫黄またはリンの孤立電子対を有するオニウムカチオンが好ましく、広い電位範囲で電気化学的に安定なものが良く、下記式(1)で表されるカチオン成分がより好ましい。
N+R1R2R3R4 (1)
N+R1R2R3R4 (1)
上記式(1)で表されるカチオン成分は、式中、R1、R2、R3及びR4として、それぞれが、同一又は異なって、アルキル基、アルコキシアルキル基、アラルキル基及び/またはアリール基を有するものである。これらのいずれか一対又はそれ以上が環構造を形成していても良く、ヘテロ原子、ハロゲン原子を含んでも良い。
これらの基の具体例としては、前記アルキル基として、メチル基、エチル基及びプロピル基などが挙げられ、前記アルコキシアルキル基として、メトキシメチル基、メトキシエチル基、(メトキシエトキシ)エチル基、(ヒドロキシエトキシ)エチル基、(ヒドロキシエチル)メチルアミノ基、メトキシ(カルボニルエチル)基及びヒドロキシエチル基などが挙げられ、前記アリール基として、フェニル基及びナフチル基などが挙げられ、前記アラルキル基として、ベンジル基などが挙げられ、前記R1、R2、R3及びR4のいずれか一対又はそれ以上が環構造を形成する基、また、ヘテロ原子を含む基としては、オキサゾリル基、モルホリニル基、ピリジニウム基、ピラリジニウム基、ピロリジニウム基、ピペラジニウム基、キノリニウム基、ピペリジニウム基及びイミダゾリウム基などの基が挙げられる。
前記イオン液体のカチオン成分の具体例としては、テトラメチルアンモニウムカチオン、テトラエチルアンモニウムカチオン、テトラプロピルアンモニウムカチオン、テトラペンチルアンモニウムカチオン、エチルトリメチルアンモニウムカチオン、ビニルトリメチルアンモニウムカチオン、トリエチルメチルアンモニウムカチオン、トリエチルプロピルアンモニウムカチオン、ジエチルジメチルアンモニウムカチオン、トリブチルエチルアンモニウムカチオン、トリエチルイソプロピルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチルピロリジニウムカチオン、N−メチル−N−エチルピロリジニウムカチオン、トリエチルメトキシメチルアンモニウムカチオン、トリメチルプロピルアンモニウムカチオン、トリメチルイソプロピルアンモニウムカチオン、ブチルトリメチルアンモニウムカチオン、アリルトリメチルアンモニウムカチオン、ヘキシルトリメチルアンモニウムカチオン、オクチルトリメチルアンモニウムカチオン、ドデシルトリメチルアンモニウムカチオン、トリエチルメトキシエトキシメチルアンモニウムカチオンおよびジメチルジプロピルアンモニウムカチオン等のアンモニウムカチオン;1,2,3−トリメチルイミダゾリウムカチオン、2−ジメチル−3−エチルイミダゾリウムカチオン、2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムカチオン、1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムカチオン、3−ジメチルイミダゾリウムカチオン、3−ジエチルイミダゾリウムカチオン、3−ジプロピルイミダゾリウムカチオン、1−メチル−3−エチルイミダゾリウムカチオン、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−メチル−3−プロピルイミダゾリウムカチオン、1−イソプロピル−3−プロピルイミダゾリウムカチオン、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムカチオンおよび1−tert−ブチル−3−イソプロピルイミダゾリウムカチオン等のイミダゾリウムカチオン;N−メチルピリジニウムカチオン、N−エチルピリジニウムカチオン、N−プロピルピリジニウムカチオン、N−ブチルピリジニウムカチオン、1−エチル−2−メチルピリジニウムカチオン、1−ブチル−4−メチルピリジニウムカチオン、1−ブチル−2,4−ジメチルピリジニウムカチオン;トリメチルスルホニウムカチオン、トリエチルスルホニウムカチオン、トリブチルスルホニウムカチオン、ジエチルメチルスルホニウムカチオン、ジメチルプロピルスルホニウムカチオンおよびジメチルヘキシルスルホニウムカチオン等のスルホニウムカチオン;テトラメチルホスホニウムカチオン、テトラエチルホスホニウムカチオン、テトラプロピルホスホニウムカチオン、テトラブチルホスホニウムカチオン、テトラオクチルホスホニウムカチオン、テトラフェニルホスホニウムカチオン、トリメチルエチルホスホニウムカチオン、トリエチルメチルホスホニウムカチオン、ヘキシルトリメチルホスホニウムカチオンおよびトリメチルオクチルホスホニウムカチオン等のホスホニウムカチオンが挙げられる。
前記イオン液体のアニオン成分としては、アルコラートおよびフェノラートなどの水酸基含有有機化合物のプロトンが脱離したアニオンRO-;チオレートおよびチオフェノラートなどのプロトンが脱離したアニオンRS-;スルホン酸アニオンRSO3 -、カルボン酸アニオンRCOO-;リン酸および亜リン酸の水酸基の一部が有機基で置換している含リン誘導体アニオンRx(OR)y(O)zP-、(但し、x、y、zは0以上の整数で、かつ、x+y+2z=3またはx+y+2z=5の関係を満たすもの。);置換ボレートアニオンRx(OR)yB-、(但し、x、yは0以上の整数で、かつ、x+y=4の関係を満たすもの。);置換アルミニウムアニオンRx(OR)yAl-、(但し、x、yは0以上の整数で、かつ、x+y=4の関係を満たすもの。);窒素アニオン(EA)2N-、カルボアニオン(EA)3C-;等の有機アニオン、ハロゲンイオンおよび含ハロゲンイオン等の無機アニオンなど、が挙げられる。
これらの中でも、前記有機アニオンとしては、特に、RSO3 -、RCOO-、(RO2S)2N-および(RO2S)3C-が好ましく、無機アニオンとしては、含ハロゲンイオンとして、ClO4 -、BF4 -、AsF6 -及びPF6 -が好ましく、ハロゲンイオンとして、F-、Cl-、Br-およびI-が好ましい。(ここで、Rは、水素、置換または無置換の、アルキル基CnH2n-1−、アリール基(Rc)m−C6H5-m−、アラルキル基(Rc)m−C6H5-m−CnH2n−、アルケニル基Rc−CH=CH−Rc−、アラルケニル基(Rc)m−C6H5-m−CH=CH−Rc−、アルコキシアルキル基Rc−O−CnH2n−、アシルオキシアルキル基Rc−COO−CnH2n−から選ばれる基(前記Rにおける、Rcは置換または無置換の、炭素数20以下のアルキル基、または水素であり、複数ある場合は互いに異なっても良い。mは1以上5以下の整数。nは1以上20以下の整数。)であり、これらは環構造を有していてもよい。また、ヘテロ原子を含んでもよい。このRが分子内に2個以上ある場合は互いに同じであっても異なっていてもかまわない。EAは、水素原子または電子吸引基を示す。)また前述Rの炭素上の水素原子の一部または全部がハロゲン原子に置換されているものも含まれ、特にフッ素原子に置換されているものは好ましい事例である。
前記イオン液体におけるアニオン成分の中でも、二次電池とした場合に充放電特性を向上させる上で、少なくともフルオロスルホニル基を有するものを用いると、より好ましい。このようなアニオン成分として、フルオロスルホニル基を構成成分として含むものであれば良いが、例えば、前記含リン誘導体アニオン、前記置換ボレートアニオン、前記置換アルミニウムアニオン、前記カルボアニオンおよび前記窒素アニオンなどのアニオンにフルオロスルホニル基を含む基が挙げられる。さらに、イオン液体の電気化学的安定性から、好ましくは、フルオロスルホニル基を含む、カルボアニオン及び窒素アニオンが挙げられる。
さらに具体的には、下記式(2)〜(5)で表される構造を有するアニオンがより好ましい。
N(R1SO2)(FSO2)- ・・・(2)
N(FSO2)2 - ・・・(3)
C(R1SO2)2(FSO2)- ・・・(4)
C(R1SO2)(FSO2)2 - ・・・(5)
C(FSO2)3 - ・・・(6)
(R1は、パーフルオロアルキル基であり、直鎖状構造、分岐状構造および環状構造のいずれであっても良い。)
前記パーフルオロアルキル基としては、その構造中の炭素数に制限なく使用できるが、高いイオン伝導度を発現する上で、1〜6個の炭素を有するパーフルオロアルキル基が好ましく、その構造としては、直鎖状構造、分岐状構造および環状構造のいずれの構造でも良く、いずれの構造も同じ効果を発現する。
N(R1SO2)(FSO2)- ・・・(2)
N(FSO2)2 - ・・・(3)
C(R1SO2)2(FSO2)- ・・・(4)
C(R1SO2)(FSO2)2 - ・・・(5)
C(FSO2)3 - ・・・(6)
(R1は、パーフルオロアルキル基であり、直鎖状構造、分岐状構造および環状構造のいずれであっても良い。)
前記パーフルオロアルキル基としては、その構造中の炭素数に制限なく使用できるが、高いイオン伝導度を発現する上で、1〜6個の炭素を有するパーフルオロアルキル基が好ましく、その構造としては、直鎖状構造、分岐状構造および環状構造のいずれの構造でも良く、いずれの構造も同じ効果を発現する。
本発明の第一の電解質層および第二の電解質層に用いるLi塩は、例えば、LiPF6、LiClO4、LiCF3SO3、LiBF4、LiAsF6、LiN(CF3SO2)2、LiN(C2F5SO2)2およびLiC(CF3SO2)3やLiイオンをカチオン成分として含有するイオン液体(例えば、特開2004−307481号公報に記載のLi塩など。)などが挙げられ、これらを単独あるいは2種以上を混合して用いても良い。
本発明の第一の電解質層は、前記ポリマーと前記イオン液体と前記Li塩から構成される。この際、ポリマーの含有量は、好ましい下限値が15wt%、好ましい上限値が26wt%であり、Li塩の含有量は、好ましい下限値が38wt%、好ましい上限値が49wt%であり、イオン液体の含有量は、好ましい下限値が36wt%、好ましい上限値が47wt%である。また、第一の電解質層に用いるポリマー、イオン液体およびLi塩は、第二の電解質層に用いるものと異なっていても、同一であってもかまわない。異なっている場合には、第一の電解質層に含まれるイオン液体と第二の電解質層に含まれるイオン液体に相溶性があることが好ましい。
本発明の第二の電解質層は、前記イオン液体と前記Li塩から構成される。この際、イオン液体の含有量は、好ましい下限値が60wt%、好ましい上限値が65wt%であり、Li塩の含有量は、好ましい下限値が35wt%、好ましい上限値が40wt%である。
本発明の第一の電解質層は、前記ポリマーと前記イオン液体と前記Li塩を所望の割合で、有機溶媒に溶解・分散させて調製した混合溶液を、基材上に塗布した後、60℃程度に加熱して有機溶媒を除去することで得られる。この際、塗布の厚みは200μm〜500μm程度が好ましいが、これに限定されるわけではない。
前記有機溶媒としては、アルコール、アセトニトリルなどを用いることが可能であり、また、その使用割合としては、有機溶媒以外の成分の合計量に対して、0.1重量倍量〜0.3重量倍量が好ましい。前記有機溶媒の割合は、前記ポリマーが完全に溶解する量であれば良く、前記範囲外であっても使用できるが、適量を超えた場合、有機溶媒を除去する際に、該有機溶媒が存在していた部位に空隙を生じるなどにより、電解質層が不均一となる恐れがある。
前記基材は平滑なものであり、塗膜を形成できるものであれば良く、例えばポリアセタール等の樹脂から得られた基板や各種ガラス板などである。
前記混合溶液を基材に塗布するための手段は特に限定されず、基材の材質や形状に応じて適宜決定すればよい。
発明の第二の電解質層は、前記Li塩を前記イオン液体に所望の割合で、溶解・分散させることで得られる。
本発明の二次電池は、正極および負極と、電解質を含んで構成される。電解質がポリマーと複合化されたような固体電解質又はゲル電解質の場合、該電解質が、セパレーターの機能を果たす。
本発明における二次電池の製造方法としては、電極上に、前記第一の電解質層を、該電解質層の小片同士の間に間隙を有して設ける工程と、電極上に積層された前記第一の電解質層及び該電解質層の間隙上に、前記第二の電解質層を設ける工程を経ることによって得ることができるが、本発明の二次電池を製造する方法については、これに限定されない。
具体的には、まず正極又は負極上に、上記で得た第一の電解質層を、円状または棒状に裁断したものを適度な間隙を有して設ける。前記円状である場合、その直径は1mm〜3mm程度が好ましく、また前記棒状である場合、その横の長さは1mm〜2mm程度が好ましく、縦の長さは5mm〜12mm程度が好ましいが、これに限定されるわけではない。また、適度な間隙とは、後述する前記第二の電解質層を設けて前記第一の電解質層を膨潤・ゲル化させたときに、近接する前記第一の電解質層同士が最近接状態をとり、フィルム状の薄片を形成することができる状態をさす。具体的には、近接する第一の電解質層の間に1mm〜2mm程度の間隙を設けることが好ましい。
前記第一の電解質層を設けた正極又は負極を、基材上に、第一の電解質層が形成された面とは反対側の面を載置し、前記第一の電解質層形成面に第二の電解質層を設ける厚みの間隙を有して、もう一つの基材を相対して固定し、前記第二の電解質層を設ける厚みの間隙に、第二の電解質を注入することで、前記第一の電解質層を膨潤・ゲル化させる。前記膨潤により、第一の電解質層と第二の電解質層とが、少なくとも一部を、具体的には、それぞれが隣接する近傍において、相溶化した層を形成することが好ましい。このようにして形成される相溶化層は、第一の電解質層を構成するポリマーの濃度勾配を有していてもよく、その場合、第一の電解質層側の相溶化層はポリマー成分が密な相となり、第二の電解質層側の相溶化層はポリマー成分が疎な相となる。このような相溶化する電解質層を形成することにより、良好な充放電特性を有する二次電池を得ることができると共に、電解質層を構成するポリマー成分の過度の膨潤に起因する不良を抑制できる。
前記基材は平滑なものなら何でも良く、特に各種ガラス基材が適しているが、これに限定されるわけではない。また、前記第二の電解質層は、前記第一の電解質層を含めた電極全体に行き渡る量を設けることが好ましい。
上記電解質層を設けた正極又は負極に、対極としてLi金属を正極又は負極の電解質層が形成された面に載置し、外装を被覆して、二次電池を作製することができる。
本発明で用いられる正極の作製方法の例を挙げると、まず、正極活物質(LiCoO2など)、導電剤(アセチレンブラックなど)、結着剤(ポリ(ビニリデンフルオライド)など)を混合して正極合剤を調製し、この正極合剤を、溶媒(N−メチル−2−ピロリドンなど)中に分散させて、スラリー状の正極合剤とする。この正極合剤を、正極集電体として用いる厚み20μmのアルミニウム箔の片面に、均一に塗布し、乾燥後、ロールプレス機で圧縮成形することで正極が得られる。得られた電極の厚みは、30μm〜200μmが好ましいが、これに限定されるわけではない。
上記正極用活物質としては、エネルギー密度が高く、リチウムイオンの可逆的な脱挿入に優れたリチウムを含有する遷移金属酸化物が好ましく、例えば、LiCoO2などのコバルト複合酸化物、LiMn2O4などのマンガン複合酸化物、LiNiO2などのニッケル複合酸化物、これら酸化物の混合物およびLiNiO2のニッケルの一部をコバルトやマンガンに置換したもの、LiFePO4やLiFeVO4などの鉄複合酸化物などが挙げられる。
本発明で用いられる負極の作製方法の例を挙げると、まず、負極活物質(粉砕した黒鉛粉末など)と、結着剤(ポリ(ビニリデンフルオライド)など)を混合して、負極合剤を調製し、この負極合剤を、溶媒(N−メチル−2−ピロリドンなど)中に分散させてスラリー状の負極合剤とする。この負極合剤を、負極集電体として用いる厚み20μmの銅箔の片面に均一に塗布し、乾燥後、ロールプレス機で圧縮成形することで負極が得られる。得られた電極の厚みは、30μm〜150μmが好ましいが、これに限定されるわけではない。
また、上記負極用活物質としては、リチウムイオンを挿入、脱離させることのできる材料であれば限定されないが、好ましくは炭素材料が挙げられる。具体的には天然黒鉛、アモルファスカーボン、グラファイト、メソカーボンマイクロビーズ、メソフェーズピッチ系炭素繊維、また、樹脂単体を炭化処理した炭素材などが挙げられる。該樹脂単体を炭化処理した炭素材としては、ポリアクリロニトリルなどから得られるポリアクリロニトリル系炭素、フェノール、ニトロフェノール、クレゾールなどのフェノール類を含む原料を用いて得たフェノール樹脂から得られるフェノール樹脂系炭素、上記ニトロフェノールを用いて得たフェノール樹脂、メラミン樹脂など窒素原子を含む原料を用いた樹脂から得られる窒素含有炭素材、あるいは、これらの樹脂を2つ以上混合したものを炭化処理した炭素材などが挙げられる。樹脂を炭化処理して得られる炭素材の中でも、窒素原子を含む原料を用いた樹脂を炭化処理して得られる窒素含有炭素材を用いる場合、充放電特性がさらによくなり好ましい。
上記のようにして得られる本発明の二次電池の形状としては、ボタン型、コイン型、角型、シート型等に適用でき、特に限定されることはない。
以下、実施例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれによって何ら限定されるものではない。
[実施例1]
<第一の電解質層に用いるポリマーの合成>
2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸10.36g(50mmol)を、メタノール500ml/蒸留水4mlに溶解し、これに、炭酸銀8.28g(30mmol)を添加して、室温下で穏やかに4時間連続攪拌し、濾過後、無色透明の溶液を得た。この濾液に、101mmolのアクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロリドをメタノール100mlに溶解した溶液を、滴下し、反応させた。反応は定量的に進行した。反応生成物である塩化銀を濾別し、無色透明のメタノール溶液を回収した。この濾液をエバポレーターで減圧濃縮し、冷暗所で終日静置することにより、目的物を再結晶させ、無色透明の板状結晶を回収した。得られた塩モノマーは、1H−NMRにより生成物の確認を行い、所望の化合物(2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸アニオンとアクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムカチオンの塩モノマー)が得られていることを確認した。
さらに、この塩モノマー10gをメタノール30mlに溶解させ、重合開始剤としてベンゾイルパーオキシド0.03gを添加し、充分脱気操作を行った後に、窒素気流下、60℃で60分間、加熱重合させた。反応液は、重合の進行に伴い増粘した。得られた反応溶液を1500mlのアセトン中に滴下すると、白色の固体が析出した。これを濾別し、60℃で2時間減圧乾燥させることによって、塩モノマーの重合体6.5gを回収した。
<第一の電解質層に用いるポリマーの合成>
2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸10.36g(50mmol)を、メタノール500ml/蒸留水4mlに溶解し、これに、炭酸銀8.28g(30mmol)を添加して、室温下で穏やかに4時間連続攪拌し、濾過後、無色透明の溶液を得た。この濾液に、101mmolのアクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロリドをメタノール100mlに溶解した溶液を、滴下し、反応させた。反応は定量的に進行した。反応生成物である塩化銀を濾別し、無色透明のメタノール溶液を回収した。この濾液をエバポレーターで減圧濃縮し、冷暗所で終日静置することにより、目的物を再結晶させ、無色透明の板状結晶を回収した。得られた塩モノマーは、1H−NMRにより生成物の確認を行い、所望の化合物(2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸アニオンとアクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムカチオンの塩モノマー)が得られていることを確認した。
さらに、この塩モノマー10gをメタノール30mlに溶解させ、重合開始剤としてベンゾイルパーオキシド0.03gを添加し、充分脱気操作を行った後に、窒素気流下、60℃で60分間、加熱重合させた。反応液は、重合の進行に伴い増粘した。得られた反応溶液を1500mlのアセトン中に滴下すると、白色の固体が析出した。これを濾別し、60℃で2時間減圧乾燥させることによって、塩モノマーの重合体6.5gを回収した。
<第一の電解質層(A)の作製>
得られた塩モノマー重合体を10質量%、室温で液状の1−メチル−1−プロピルピロリジニウム・ビス(フルオロスルホニル)イミドを20質量%、Li塩としてリチウムビストリフルオロメタンスルホニルイミドを25質量%、メタノールとアセトニトリルの混合液(混合比率:50wt%/50wt%)に溶解・分散させて、第一の電解質層形成用混合溶液を調製した。これを樹脂やガラス等の基材上に500μmの厚みで塗布した後、60℃で1時間加熱を行い、有機溶媒を除去した。得られたゲル電解質をポンチで2mmφの円状に裁断し、これを第一の電解質層(A)とした。
得られた塩モノマー重合体を10質量%、室温で液状の1−メチル−1−プロピルピロリジニウム・ビス(フルオロスルホニル)イミドを20質量%、Li塩としてリチウムビストリフルオロメタンスルホニルイミドを25質量%、メタノールとアセトニトリルの混合液(混合比率:50wt%/50wt%)に溶解・分散させて、第一の電解質層形成用混合溶液を調製した。これを樹脂やガラス等の基材上に500μmの厚みで塗布した後、60℃で1時間加熱を行い、有機溶媒を除去した。得られたゲル電解質をポンチで2mmφの円状に裁断し、これを第一の電解質層(A)とした。
<第二の電解質層(A)の作製>
1−メチル−1−プロピルピロリジニウム・ビス(フルオロスルホニル)イミド65重量%中に、Li塩としてリチウムビストリフルオロメタンスルホニルイミドを25重量%溶解・分散させ、第二の電解質層形成用混合溶液を調整し、これを第二の電解質層(A)とした。
1−メチル−1−プロピルピロリジニウム・ビス(フルオロスルホニル)イミド65重量%中に、Li塩としてリチウムビストリフルオロメタンスルホニルイミドを25重量%溶解・分散させ、第二の電解質層形成用混合溶液を調整し、これを第二の電解質層(A)とした。
<正極の作製>
正極用活物質としてコバルト酸リチウムを87質量%、バインダーとしてポリフッ化ビニリデンを8質量%、導電材としてアセチレンブラックを5質量%、N−メチル−2−ピロリドン溶液中に分散させて、二次電池電極用スラリーを調製した。このスラリーを、正極集電体として用いる厚み20μmのアルミ箔に均一に塗布し、乾燥後、ロールプレス機で圧縮成形を施し、厚みを30μmとした。これをポンチで12mmφの円状に裁断し、正極とした。
正極用活物質としてコバルト酸リチウムを87質量%、バインダーとしてポリフッ化ビニリデンを8質量%、導電材としてアセチレンブラックを5質量%、N−メチル−2−ピロリドン溶液中に分散させて、二次電池電極用スラリーを調製した。このスラリーを、正極集電体として用いる厚み20μmのアルミ箔に均一に塗布し、乾燥後、ロールプレス機で圧縮成形を施し、厚みを30μmとした。これをポンチで12mmφの円状に裁断し、正極とした。
<二次電池の作製>
上記で得られた正極2上に、円状に裁断した第一の電解質層(A)7個(図示せず。)を、1個は正極の円の中央部分に、残り6個は正極の円において時計の12時、2時、4時、6時、8時および10時に相当する位置に設け、これをガラス基材上に、第一の電解質層(A)が形成された面とは反対側の面を載置し、第一の電解質層(A)形成面にもう一つのガラス基材を相対して固定した。ガラス基材の間にできた500μmの大きさの隙間から第二の電解質層形成用混合溶液を、第一の電解質層(A)を含む正極全体に浸透させるように注入し、第二の電解質層(A)(図示せず。)を作製し、第一の電解質層(A)と第二の電解質層(A)を膨潤・ゲル化させて、ゲル電解質層7を作製した。このようにして得られた電解質7付正極2と、12mmφに打ち抜いたLi金属1を対極として重ね合わせて、ガスケット8を装着させた正極缶6に入れた。さらにスペーサー3およびスプリング4を重ね入れて、最後に負極缶5を被せて上からかしめることで充放電特性評価用のコインセルを作製した。コインセルの構造を図1に示す。
上記で得られた正極2上に、円状に裁断した第一の電解質層(A)7個(図示せず。)を、1個は正極の円の中央部分に、残り6個は正極の円において時計の12時、2時、4時、6時、8時および10時に相当する位置に設け、これをガラス基材上に、第一の電解質層(A)が形成された面とは反対側の面を載置し、第一の電解質層(A)形成面にもう一つのガラス基材を相対して固定した。ガラス基材の間にできた500μmの大きさの隙間から第二の電解質層形成用混合溶液を、第一の電解質層(A)を含む正極全体に浸透させるように注入し、第二の電解質層(A)(図示せず。)を作製し、第一の電解質層(A)と第二の電解質層(A)を膨潤・ゲル化させて、ゲル電解質層7を作製した。このようにして得られた電解質7付正極2と、12mmφに打ち抜いたLi金属1を対極として重ね合わせて、ガスケット8を装着させた正極缶6に入れた。さらにスペーサー3およびスプリング4を重ね入れて、最後に負極缶5を被せて上からかしめることで充放電特性評価用のコインセルを作製した。コインセルの構造を図1に示す。
<充放電特性評価>
上記で得られたコインセルを用いて、充放電特性評価装置(北斗電工(株)製:HJR−1010mSM8)を用いて、25μA/cm2の電流密度、上限電圧4.2V、下限電圧3.0Vで、アルゴン雰囲気下、25℃で充放電特性の評価を行った。充放電評価の測定条件は、充電を定電流−定電圧で2日間行い、放電を定電流で規定電圧まで行った。サイクル特性は、充放電を10サイクル行い、初回サイクルの放電容量に対する10サイクル目の放電容量の容量維持率として調べた。このセルでの容量維持率は92%であった。
上記で得られたコインセルを用いて、充放電特性評価装置(北斗電工(株)製:HJR−1010mSM8)を用いて、25μA/cm2の電流密度、上限電圧4.2V、下限電圧3.0Vで、アルゴン雰囲気下、25℃で充放電特性の評価を行った。充放電評価の測定条件は、充電を定電流−定電圧で2日間行い、放電を定電流で規定電圧まで行った。サイクル特性は、充放電を10サイクル行い、初回サイクルの放電容量に対する10サイクル目の放電容量の容量維持率として調べた。このセルでの容量維持率は92%であった。
[実施例2]
<第一の電解質層(B)の作製>
実施例1の第一の電解質層(A)の作製において、塩モノマー重合体の代わりに、ポリフッ化ビニリデンを用いる以外は、第一の電解質層(A)の作製と同様にして第一の電解質層(B)を得た。
<第一の電解質層(B)の作製>
実施例1の第一の電解質層(A)の作製において、塩モノマー重合体の代わりに、ポリフッ化ビニリデンを用いる以外は、第一の電解質層(A)の作製と同様にして第一の電解質層(B)を得た。
<二次電池の作製>
実施例1の二次電池の作製において、第一の電解質層(A)の代わりに、上記で得られた第一の電解質層(B)を用いる以外は、実施例1と同様にして、コインセルを作製し、充放電特性評価を行ったところ、容量維持率は91%であった。
実施例1の二次電池の作製において、第一の電解質層(A)の代わりに、上記で得られた第一の電解質層(B)を用いる以外は、実施例1と同様にして、コインセルを作製し、充放電特性評価を行ったところ、容量維持率は91%であった。
[実施例3]
<二次電池の作製>
実施例1の二次電池の作製において、円状に裁断した第一の電解質層(A)の代わりに、棒状に裁断した第一の電解質層(A)5本を、実施例1と同様にして作製した正極上に、2本は正極の円の両端部分に、残り3本は各々1mmの間隙を有しながら設ける以外は、実施例1と同様にして、コインセルを作製し、充放電特性評価を行ったところ、容量維持率は98%であった。
<二次電池の作製>
実施例1の二次電池の作製において、円状に裁断した第一の電解質層(A)の代わりに、棒状に裁断した第一の電解質層(A)5本を、実施例1と同様にして作製した正極上に、2本は正極の円の両端部分に、残り3本は各々1mmの間隙を有しながら設ける以外は、実施例1と同様にして、コインセルを作製し、充放電特性評価を行ったところ、容量維持率は98%であった。
[実施例4]
<二次電池の作製>
実施例2の二次電池の作製において、円状に裁断した第一の電解質層(B)の代わりに、棒状に裁断した第一の電解質層(B)5本を、実施例1と同様にして作製した正極上に、2本は正極の円の両端部分に、残り3本は各々1mmの間隙を有しながら設ける以外は、実施例1と同様にして、コインセルを作製し、充放電特性評価を行ったところ、容量維持率は95%であった。
<二次電池の作製>
実施例2の二次電池の作製において、円状に裁断した第一の電解質層(B)の代わりに、棒状に裁断した第一の電解質層(B)5本を、実施例1と同様にして作製した正極上に、2本は正極の円の両端部分に、残り3本は各々1mmの間隙を有しながら設ける以外は、実施例1と同様にして、コインセルを作製し、充放電特性評価を行ったところ、容量維持率は95%であった。
[実施例5]
<第二の電解質層(B)の作製>
N,N−ジエチル−N−メチル−N−2−メトキシエチルアンモニウムビストリフルオロメタンスルホニルイミド65質量%中に、Li塩としてリチウムビストリフルオロメタンスルホニルイミドを25質量%溶解・分散させ、これを第二の電解質層(B)とした。
<第二の電解質層(B)の作製>
N,N−ジエチル−N−メチル−N−2−メトキシエチルアンモニウムビストリフルオロメタンスルホニルイミド65質量%中に、Li塩としてリチウムビストリフルオロメタンスルホニルイミドを25質量%溶解・分散させ、これを第二の電解質層(B)とした。
<二次電池の作製>
実施例1の二次電池の作製において、第二の電解質層(A)の代わりに、上記で得られた第二の電解質層(B)を用いる以外は、実施例1と同様にして、コインセルを作製し、充放電特性評価を行ったところ、容量維持率は94%であった。
実施例1の二次電池の作製において、第二の電解質層(A)の代わりに、上記で得られた第二の電解質層(B)を用いる以外は、実施例1と同様にして、コインセルを作製し、充放電特性評価を行ったところ、容量維持率は94%であった。
[実施例6]
<二次電池の作製>
実施例2の二次電池の作製において、第二の電解質層(A)の代わりに、実施例5で得られた第二の電解質層(B)を用いる以外は、実施例2と同様にして、コインセルを作製し、充放電特性評価を行ったところ、容量維持率は92%であった。
<二次電池の作製>
実施例2の二次電池の作製において、第二の電解質層(A)の代わりに、実施例5で得られた第二の電解質層(B)を用いる以外は、実施例2と同様にして、コインセルを作製し、充放電特性評価を行ったところ、容量維持率は92%であった。
[実施例7]
<二次電池の作製>
実施例3の二次電池の作製において、第二の電解質層(A)の代わりに、実施例5で得られた第二の電解質層(B)を用いる以外は、実施例3と同様にして、コインセルを作製し、充放電特性評価を行ったところ、容量維持率は97%であった。
<二次電池の作製>
実施例3の二次電池の作製において、第二の電解質層(A)の代わりに、実施例5で得られた第二の電解質層(B)を用いる以外は、実施例3と同様にして、コインセルを作製し、充放電特性評価を行ったところ、容量維持率は97%であった。
[実施例8]
<二次電池の作製>
実施例4の二次電池の作製において、第二の電解質層(A)の代わりに、実施例5で得られた第二の電解質層(B)を用いる以外は、実施例4と同様にして、コインセルを作製し、充放電特性評価を行ったところ、容量維持率は94%であった。
<二次電池の作製>
実施例4の二次電池の作製において、第二の電解質層(A)の代わりに、実施例5で得られた第二の電解質層(B)を用いる以外は、実施例4と同様にして、コインセルを作製し、充放電特性評価を行ったところ、容量維持率は94%であった。
[比較例1]
<電解質層(C)の作製>
実施例1の第一の電解質層(A)の作製において、1−メチル−1−プロピルピロリジニウム・ビス(フルオロスルホニル)イミドを20質量%使用するところを65質量%に変更し、ポンチで裁断する際の直径を2mmφから13mmφに変更する以外は、第一の電解質層(A)の作製方法と同様にして電解質層(C)を作製した。
<電解質層(C)の作製>
実施例1の第一の電解質層(A)の作製において、1−メチル−1−プロピルピロリジニウム・ビス(フルオロスルホニル)イミドを20質量%使用するところを65質量%に変更し、ポンチで裁断する際の直径を2mmφから13mmφに変更する以外は、第一の電解質層(A)の作製方法と同様にして電解質層(C)を作製した。
<二次電池の作製>
実施例1の二次電池の作製において、ゲル電解質層7の代わりに上記で得られた電解質層(C)を使用する以外は、実施例1と同様にしてコインセルを作製し、充放電特性評価を行ったところ、容量維持率は87%であった。
実施例1の二次電池の作製において、ゲル電解質層7の代わりに上記で得られた電解質層(C)を使用する以外は、実施例1と同様にしてコインセルを作製し、充放電特性評価を行ったところ、容量維持率は87%であった。
Li金属 1
正極 2
スペーサー 3
スプリング 4
負極缶 5
正極缶 6
ゲル電解質層 7
ガスケット 8
正極 2
スペーサー 3
スプリング 4
負極缶 5
正極缶 6
ゲル電解質層 7
ガスケット 8
Claims (6)
- 電極と電解質を含む二次電池において、電解質は、ポリマーとイオン液体とLi塩からなる電解質層と、イオン液体とLi塩からなる電解質層を含むことを特徴とする二次電池。
- 前記電解質は、ポリマーとイオン液体とLi塩からなる電解質層と、イオン液体とLi塩からなる電解質層とが、相溶化した電解質層を含むものである請求項1に記載の二次電池。
- 前記ポリマーは、重合性官能基を有するオニウムカチオンと重合性官能基を有する有機アニオンとから構成される塩モノマーを用いて合成されたポリマーである請求項1または2に記載の二次電池。
- 前記第一の電解質層に含まれるイオン液体は、第二の電解質層に含まれるイオン液体と相溶性を有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の二次電池。
- 電極と電解質を含む二次電池を製造する方法であって、電極上に、ポリマーとイオン液体とLi塩からなる第一の電解質層を、該電解質層の小片同士の間に間隙を有して設ける工程と、電極上に積層された第一の電解質層及び該電解質層の間隙上に、イオン液体とLi塩からなる第二の電解質層を設ける工程を含むことを特徴とする二次電池の製造方法。
- 第一の電解質層と第二の電解質層を膨潤させ、前記二つの電解質層の少なくとも一部を相溶化する工程を含む請求項5に記載の二次電池の製造方法。
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JP2008250410A JP2010080404A (ja) | 2008-09-29 | 2008-09-29 | 二次電池及びその製造方法 |
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- 2008-09-29 JP JP2008250410A patent/JP2010080404A/ja active Pending
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