JP2010186626A - 二次電池 - Google Patents

二次電池 Download PDF

Info

Publication number
JP2010186626A
JP2010186626A JP2009029697A JP2009029697A JP2010186626A JP 2010186626 A JP2010186626 A JP 2010186626A JP 2009029697 A JP2009029697 A JP 2009029697A JP 2009029697 A JP2009029697 A JP 2009029697A JP 2010186626 A JP2010186626 A JP 2010186626A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
cation
solid electrolyte
negative electrode
positive electrode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2009029697A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeshi Watanabe
毅 渡邉
Chiaki Kondo
千晶 近藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Bakelite Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Bakelite Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Bakelite Co Ltd filed Critical Sumitomo Bakelite Co Ltd
Priority to JP2009029697A priority Critical patent/JP2010186626A/ja
Publication of JP2010186626A publication Critical patent/JP2010186626A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Secondary Cells (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Abstract

【課題】 高い熱安定性と良好な充放電特性を実現できる二次電池を提供する。
【解決手段】 第一の固体電解質を含む電解質層と正極からなる正極複合体、第二の固体電解質を含む電解質層と負極からなる負極複合体を含んで構成される二次電池であって、第一の固体電解質と第二の固体電解質は、それぞれ異なる成分よりなるものであり、少なくとも一方に常温溶融塩を含むものであることを特徴とする二次電池。
【選択図】 図1

Description

本発明は、二次電池に関するものである。
電子機器の小型軽量化やポータブル化に伴い、高電圧および高エネルギー密度などの特性を有する二次電池の研究開発が活発に行われている。特に最近のポータブル電子機器では、急速な性能向上に伴い、消費電力も急速に増大しつつある。こうした背景の中で、一般的には、更なる高電圧及び高エネルギー密度を有すると共に、安全性に優れる二次電池が要求されている。
これらの性能に対応するリチウム二次電池として、電解質に、常温溶融塩を含む電解質、ポリマーとの複合体を用いたポリマー電解質、及び無機固体電解質などを用いた数多くの検討が進められている。これらの中でも、常温溶融塩を含む電解質では、イオン伝導度が比較的高く、優れた充放電特性を示すことが知られているが、二次電池において、電極として、黒鉛系負極を用いた組み合わせにおいては、良好な充放電特性が得られていなかった。このような問題点に対応するために、電解質において、フルオロスルホニル基を有する常温溶融塩を用いることにより、負極材として天然黒鉛を用いても、良好な充放電特性が得られるという報告がある(例えば、非特許文献1参照。)。しかしながら、この常温溶融塩においても、正極の種類や上限電圧によってはサイクル安定性に乏しく、負極と正極の両方に安定とは言えない。
その他に、常温溶融塩を用いることにより、高い安全性と優れた電池性能を実現する二次電池が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、ここで開示されている方法では、使用電圧範囲を制限する必要があり、電圧制限を行うことは、二次電池のエネルギー密度を低下させる原因となる。
このような背景から、使用できる材料の制限や使用電圧条件の制限を最小限に抑え、高い熱安定性と良好な充放電特性を実現できるような二次電池が望まれていた。
特開2002−343427号公報
Journal of Power Sources, vol.162, 658(2006)
本発明の目的は、良好な充放電特性を実現できる二次電池を提供するものである。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、正極複合体及び負極複合体を含んで構成される二次電池において、正極複合体と負極複合体の両方に固体電解質を用い、正極と負極に用いられる固体電解質の少なくとも一方に常温溶融塩が含まれ、それらの固体電解質の構成成分が異なるものを用いることによって、正極側で電気化学的に安定な複合体、負極側で電気化学的に安定な複合体を用いることができ、良好な充放電特性を実現できる二次電池が得られることを見出し、さらに検討を進めて本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、
(1) 第一の固体電解質を含む電解質層と正極からなる正極複合体、第二の固体電解質を含む電解質層と負極からなる負極複合体を含んで構成される二次電池であって、第一の固体電解質と第二の固体電解質は、それぞれ異なる成分よりなるものであり、少なくとも一方に常温溶融塩を含むものであることを特徴とする二次電池、
(2) 常温溶融塩が、フルオロスルホニル基を有するアニオンを含むものである第(1)項に記載の二次電池、
(3) 第一の固体電解質を構成するポリマーと第二の固体電解質を構成するポリマーの少なくとも一方のポリマーが、重合性官能基を有するオニウムカチオンと重合性官能基を有する有機アニオンとから構成される塩モノマーを含んで合成されたポリマーである第(1)項又は第(2)項に記載の二次電池、
である。
本発明によれば、使用できる材料の制限や使用電圧条件の制限を最小限抑え、良好な充放電特性を実現でき、更には高い熱安定性が得られる二次電池が得られる。また、正極、負極の一方に固体電解質を用い、他方に無機固体電解質を用いた場合にも、上記の効果を発現する二次電池が得られる。
本発明の二次電池の構造例を説明するための断面図である。
本発明は、第一の固体電解質を含む電解質層と正極からなる正極複合体、第二の固体電解質を含む電解質層と負極からなる負極複合体を含んで構成される二次電池であって、第一の固体電解質と第二の固体電解質は、それぞれ異なる成分よりなるものであり、少なくとも一方に常温溶融塩を含むものであることを特徴とする二次電池である。これにより、正極側で電気化学的に安定な複合体及び負極側で電気化学的に安定な複合体を用いることができることから、良好な充放電特性を実現でき、更には高い熱安定性が得られる二次電池を提供できる。
本発明に用いる固体電解質は、後述するポリマー及びリチウム塩を含んで構成され、常温溶融塩が含まれると充放電特性がさらに向上し、熱安定性も良くなり好ましい。本発明においては、第一の固体電解質及び第二の固体電解質の少なくとも一方に常温溶融塩を含むことにより、それぞれ成分の異なる固体電解質の界面においてリチウムイオンの移動を生じ易くなり、充放電特性がより優れたものとなる。
前記ポリマーとしては、(メタ)アクリルエステル系のポリマー、(メタ)アクリルアミド系のポリマー及びポリフッ化ビニリデン、重合性官能基を有するオニウムカチオンと重合性官能基を有する有機アニオンとから構成される塩モノマーを用いて合成されたポリマーなどが挙げられる。
前記ポリマーの中でも、重合性官能基を有するオニウムカチオンと重合性官能基を有する有機アニオンとから構成される塩モノマーを用いて合成されたポリマーは、より良好な充放電特性を得る上で、より好ましい。
前記ポリマーにおける(メタ)アクリルエステル系のポリマー及び(メタ)アクリルアミド系のポリマーとしては、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸メチル、アクリル酸ステアリル、ジアセトンアクリルアミド、(メタ)アクリル酸1−アダマンチルおよび(メタ)アクリル酸2−エチルアダマンチルなどのモノマーを用いて合成されたポリマーなどが挙げられる。
前記塩モノマーは、重合性官能基を有するオニウムカチオンと重合性官能基を有する有機アニオンとから構成される。前記重合性官能基を有するオニウムカチオンとしては、フルオニウムカチオン(F+)、オキソニウムカチオン(O+)、スルホニウムカチオン(S+)、アンモニウムカチオン(N+)およびホスホニウムカチオン(P+)などがカチオン種として挙げられる。これらの中でも、汎用性及び作業性の点から、ホスホニウムカチオン、スルホニウムカチオンおよびアンモニウムカチオンがより好ましく、中でも、アンモニウムカチオンが最も好ましい。
前記スルホニウムカチオンとしては、具体的には、硫黄原子が3つの置換基Rで置換されたカチオンが挙げられる。3つの置換基Rの内、少なくとも一つは重合性官能基を含む基である。置換基Rは、アルキル基:−Cn2n+1、アリール基:(R’)n−C65-n−、アラルキル基:(R’)m−C65-m−Cn2n−、アルケニル基:R’−CH=CH−R’−、アラルケニル基:(R’)n−C65-n−CH=CH−R’−、アルコキシアルキル基:R’−O−Cn2n−、アシルオキシアルキル基:R’−COO−Cn2n−などを例示することができ、これらの基は置換基を有していても良い。また、置換基Rはヘテロ原子やハロゲン原子を含んでも良い。また、3つのRは各々異なっても、同一であってもかまわない。前記スルホニウムカチオンを構成する置換基Rにおいて、R’は、水素、または置換もしくは無置換の炭素数20以下のアルキル基などであり、R’が複数ある場合は互いに異なっても良く、mは1以上5以下の整数であり、nは1以上20以下の整数である。R、R’において置換された場合の置換基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基およびn−デシル基などの直鎖または分岐のアルキル基;シクロヘキシル基および4−メチルシクロヘキシル基などの環状のアルキル基、メトキシ基;エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基およびn−ヘキシルオキシ基等の直鎖または分岐のアルコキシ基;シクロヘキシルオキシ基などの環状のアルコキシ基;メトキシメトキシ基、メトキシエトキシ基、エトキシエトキシ基、メトキシプロポキシ基、エトキシプロポキシ基、プロポキシプロポキシ基等のアルコキシアルコキシ基;フェニル基、p−トリル基、m−トリル基、o−トリル基、p−クロロフェニル基、m−クロロフェニル基およびo−クロロフェニル基等のアリール基;フェノキシ基、m−メチルフェノキシ基、o−メチルフェノキシ基、p−クロロフェノキシ基、m−クロロフェノキシ基、o−クロロフェノキシ基およびp−n−ブチルフェノキシ基等のアリールオキシ基;フェニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基、m−メチルフェニルチオ基,o−メチルフェニルチオ基、o−エチルフェニルチオ基、p−プロピルフェニルチオ基および2,4,6−トリメチルフェニルチオ基等のアリールチオ基;メチルカルボニルアミノ基、エチルカルボニルアミノ基、n−プロピルカルボニルアミノ基、イソプロピルカルボニルアミノ基およびn−ブチルカルボニルアミノ基等のアルキルカルボニルアミノ基;メトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、n−プロポキシカルボニルアミノ基、イソプロポキシカルボニルアミノ基およびn−ブトキシカルボニルアミノ基等のアルコキシカルボニルアミノ基;メチルカルボニル基、エチルカルボニル基、n−プロピルカルボニル基、イソプロピルカルボニル基およびn−ブチルカルボニル基等のアルキルカルボニル基、メチルカルボキシ基、エチルカルボキシ基、n−プロピルカルボキシ基、イソプロピルカルボキシ基およびn−ブチルカルボキシ基等のアルキルカルボキシ基;メトキシカルボキシ基、エトキシカルボキシ基、n−プロポキシカルボキシ基、イソプロポキシカルボキシ基およびn−ブトキシカルボキシ基等のアルコキシカルボキシ基;メトキシカルボニルメトキシ基、エトキシカルボニルエトキシ基、エトキシカルボニルメトキシ基、n−プロポキシカルボニルメトキシ基、イソプロポキシカルボニルメトキシ基およびn−ブトキシカルボニルメトキシ基等のアルコキシカルボニルアルコキシ基等を挙げることができ、これらの置換基は、ハロゲン原子やヘテロ原子が含まれていても良い。さらに、前記置換基として、シアノ基や、フッ素、塩素および臭素などのハロゲン原子も挙げることができる。
前記ホスホニウムカチオンとしては、具体的には、燐原子が4つの置換基Rで置換されたカチオンが挙げられる。4つの置換基Rの内、少なくとも一つは重合性官能基を含む基である。置換基Rは、アルキル基:−Cn2n+1、アリール基:(R’)n−C65-n−、アラルキル基:(R’)m−C65-m−Cn2n−、アルケニル基:R’−CH=CH−R’−、アラルケニル基:(R’)n−C65-n−CH=CH−R’−、アルコキシアルキル基:R’−O−Cn2n−、アシルオキシアルキル基:R’−COO−Cn2n−などを例示することができ、これらの基は置換基を有していても良い。また、置換基Rはヘテロ原子やハロゲン原子を含んでも良い。また、4つのRは各々異なっても、同一であってもかまわない。前記ホスホニウムカチオンを構成する置換基Rにおいて、R’は、水素、または置換もしくは無置換の炭素数20以下のアルキル基などであり、複数ある場合は互いに異なっても良く、mは1以上5以下の整数であり、nは1以上20以下の整数である。R、R’において置換された場合の置換基としては、上記スルホニウムカチオンにおけるそれと同じものが挙げられる。
前記アンモニウムカチオンとしては、アミン化合物から生じうるカチオンであって、アミン化合物が、脂肪族アミン化合物、芳香族アミン化合物および含窒素複素環式アミン化合物などのすべてのアミン化合物を含むことは言うまでもなく、アミンから生じる正電荷を有するのであれば、特に限定されない。具体的には、窒素原子が4つの置換基Rで置換されたカチオンが挙げられる。4つの官能基Rの内、少なくとも一つは重合性官能基を含む基である。置換基Rは、アルキル基:−Cn2n+1、アリール基:(R’)n−C65-n−、アラルキル基:(R’)m−C65-m−Cn2n−、アルケニル基:R’−CH=CH−R’−、アラルケニル基:(R’)n−C65-n−CH=CH−R’−、アルコキシアルキル基:R’−O−Cn2n−、アシルオキシアルキル基:R’−COO−Cn2n−などを例示することができ、これらの基は置換基を有していても良い。また、置換基Rはヘテロ原子やハロゲン原子を含んでも良い。また、4つのRは各々異なっても、同一であってもかまわない。前記アンモニウムカチオンを構成する置換基Rにおいて、R’は、水素、または置換もしくは無置換の炭素数20以下のアルキル基などであり、複数ある場合は互いに異なっても良く、mは1以上5以下の整数であり、nは1以上20以下の整数である。R、R’において置換された場合の置換基としては、上記スルホニウムカチオンにおけるそれと同じものが挙げられる。
上記アンモニウムカチオン以外のアンモニウムカチオンとして、ピリジニウムカチオン、ピラリジニウムカチオンおよびキノリニウムカチオンなどの芳香族アンモニウムカチオン、ピロリジウムカチオン、ピペリジニウムカチオンおよびピペラジニウムカチオンなどの脂肪族複素環式アンモニウムカチオン、モルホリンカチオンのような窒素以外のヘテロ原子を含む複素環式アンモニウムカチオン、イミダゾリウムカチオンなどの不飽和の含窒素複素環式カチオンなど、のアンモニウムカチオンも挙げることができる。さらに、上記環状のアンモニウムカチオンでは窒素の位置が異なるカチオンや、環上に置換基をもったカチオンでもよく、ヘテロ原子を含む置換基を有するカチオンでもよい。
前記オニウムカチオンにおける重合性官能基としては、ラジカル重合、イオン重合、配位重合およびレドックス重合などにより重合が可能な官能基であれば、何ら限定されないが、重合性炭素−炭素二重結合を有する基が好ましく、ラジカル重合性官能基がより好ましい。前記ラジカル重合性官能基としては、活性エネルギー線もしくは熱によりラジカル重合が可能であることがより好ましい。このような官能基としては、例えば、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリルアミド基、アリル基、ビニル基、スチリル基が挙げられるが、これらの中でも、(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリルアミド基、スチリル基、アリル基およびビニル基が好ましい。
前記塩モノマーを構成する重合性官能基を有するオニウムカチオンの具体例としては、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムカチオン、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリエチルアンモニウムカチオン、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリ−n−プロピルアンモニウムカチオン、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリ−iso−プロピルアンモニウムカチオン、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリ−n−ブチルアンモニウムカチオン、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリ−iso−ブチルアンモニウムカチオン、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリ−tert−ブチルアンモニウムカチオン、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリエチルアンモニウムカチオン、(メタ)アクリロイルオキシエチルジエチル−n−ヘキシルアンモニウムカチオン、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリデシルアンモニウムカチオン、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリオクチルアンモニウムカチオン、(メタ)アクリロイルオキシエチルドデシルジメチルアンモニウムカチオン、(メタ)アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムカチオン、(メタ)アクリロイルオキシエチルドデシルヘキシルメチルアンモニウムカチオン、ジアリルジメチルアンモニウムカチオン、ビススチリルメチルジメチルアンモニウムカチオン、ビススチリルエチルジメチルアンモニウムカチオン、(メタ)アクリルアミドエチルトリメチルアンモニウムカチオン、(メタ)アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムカチオン、(メタ)アクリルアミドエチルトリエチルアンモニウムカチオン、(メタ)アクリルアミドエチルトリ−n−プロピルアンモニウムカチオン、(メタ)アクリルアミドエチルトリ−iso−プロピルアンモニウムカチオン、(メタ)アクリルアミドエチルトリ−n−ブチルアンモニウムカチオン、(メタ)アクリルアミドエチルトリ−iso−ブチルアンモニウムカチオン、(メタ)アクリルアミドエチルトリ−tert−ブチルアンモニウムカチオン、(メタ)アクリルアミドエチルトリエチルアンモニウムカチオン、(メタ)アクリルアミドエチルジエチル−n−ヘキシルアンモニウムカチオン、(メタ)アクリルアミドエチルトリデシルアンモニウムカチオン、(メタ)アクリルアミドエチルトリオクチルアンモニウムカチオン、(メタ)アクリルアミドエチルドデシルジメチルアンモニウムカチオン及び(メタ)アクリルアミドエチルドデシルヘキシルメチルアンモニウムカチオン等の各種アンモニウムカチオン、さらには、スチリルメチルメチルピロリジニウムカチオン、ビススチリルメチルピペリジニウムカチオン、N,N’−((メタ)アクリロイルオキシエチルメチル)ピペラジニウムカチオン、(メタ)アクリルアミドエチルメチルモルホリニウムカチオン及び(メタ)アクリロイルオキシエチルメチルイミダゾリウムカチオンなどの環状アンモニウムカチオンなどが挙げられる。
前記塩モノマーにおける重合性官能基を有する有機アニオンとしては、アルコラートおよびフェノラートなどの水酸基含有有機化合物のプロトンが脱離したアニオン:RO-アニオン、チオレートおよびチオフェノラートなどのプロトンが脱離したアニオン:RS-アニオン、スルホン酸アニオン:RSO3 -、カルボン酸アニオン:RCOO-、リン酸および亜リン酸の水酸基の一部が有機基で置換している含リン誘導体アニオン:Rx(OR)y(O)z-、(但し、x、y、zは0以上の整数で、かつ、x+y+2z=3またはx+y+2z=5の条件を満たすもの。)、置換ボレートアニオン:Rx(OR)y-、(但し、x、yは0以上の整数で、かつ、x+y=4)、置換アルミニウムアニオン:Rx(OR)yAl-、(但し、x、yは0以上の整数で、かつ、x+y=4の条件を満たすもの。)、カルボアニオン(EA)3-、窒素アニオン(EA)2-などが挙げられる。EAは水素原子または電子吸引基を示す。
前記有機アニオンとしては、特に、スルホキシル基、カルボキシル基、ホスフォキシル基およびスルホンイミド基由来のアニオンである、RSO3 -、RCOO-、RPO3 2-、および(RO2S)2-が好ましい。ここで、Rは、水素、アルキル基−Cn2n+1、アリール基(R’)n−C65-n−、アラルキル基(R’)m−C65-m−Cn2n−、アルケニル基R’−CH=CH−R’−、アラルケニル基(R’)n−C65-n−CH=CH−R’−、アルコキシアルキル基R’−O−Cn2n−、アシルオキシアルキル基R’−COO−Cn2n−などであり、これらの基は置換基を有していても良い。また、これらは環構造を有していてもよく、また、ヘテロ原子を含んでもよい。このRが、前記有機アニオン内に2個以上ある場合は互いに同じであっても異なっていてもかまわない。ただし、置換基Rを一つ有するアニオンの場合は、そのRが、重合性官能基を含む基であり、複数の置換基Rを有する場合は、少なくとも一つが、重合性官能基を含む基であり、同様に、置換基EAを一つ有するアニオンの場合は、そのEAが、重合性官能基を含む基であり、複数の置換基EAを有する場合は、少なくとも一つが、重合性官能基を含む基である。前記Rにおいて、R’は、水素、または置換もしくは無置換の炭素数20以下のアルキル基などであり、複数ある場合は互いに異なっても良く、mは1以上5以下の整数であり、nは1以上20以下の整数である。また、前述Rにおける炭素上の水素原子の一部または全部がハロゲン原子に置換されているものも含まれる。R、R’において置換された場合の置換基としては、上記スルホニウムカチオンにおけるそれと同じものが挙げられる。
前記有機アニオンにおける重合性官能基としては、上記重合性官能基を有するオニウムカチオンのそれと同じものを挙げることができる。前記塩モノマーにおいては、少なくとも2つの重合性官能基を有することになるが、それらの重合性官能基は、それぞれ同じでも異なっていてもよい。
前記塩モノマーを構成する重合性官能基を有する有機アニオンの具体例としては、2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸、2−[(2−プロペニロキシ)メトキシ]エテンスルホン酸、3−(2−プロペニロキシ)−1−プロペン−1−スルホン酸、ビニルスルホン酸、2−ビニルベンゼンスルホン酸、3−ビニルベンゼンスルホン酸、4−ビニルベンゼンスルホン酸、4−ビニルベンジルスルホン酸、2−メチル−1−ペンテン−1−スルホン酸、1−オクテン−1−スルホン酸、4−ビニルベンゼンメタンスルホン酸、アクリル酸、メタクリル酸、2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンリン酸及び2−(メタ)アクリロイルオキシ−1−エタンリン酸等の有機酸由来の各種アニオンが挙げられる。
本発明に用いる重合性官能基を有するオニウムカチオンと重合性官能基を有する有機アニオンとから構成される塩モノマーの合成方法としては、例えば、前記重合性官能基を有する有機アニオンの銀塩などの金属塩と、前記重合性官能基を有するオニウムカチオンのハロゲン化物とを反応させて合成できるが、目的の塩モノマーが得られるのであればこの合成方法に限定されない。
前記塩モノマーを用いて合成されるポリマーを合成する方法としては、例えば、前記塩モノマーを、メタノールおよびアセトニトリルなどの有機溶媒に溶解させ、必要に応じて、ラジカル重合開始剤を添加して、得られた溶液を用いて、該溶液を加熱する方法、該溶液に可視・紫外領域の光を照射する方法、あるいは、該溶液に電子線などの放射線を照射する方法などの方法によって重合することにより、所望のポリマーが得られる。
塩モノマーを用いて合成されるポリマーの合成において、前記塩モノマーに加えて、その他のモノマーを併用することも可能である。併用するモノマーの例としては、メチレンビスアクリルアミド、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、ジアリルメチルアミン、ジアリルエチルアミン、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレートおよびジアリルフタレートなどの重合性官能基を複数有するモノマーや、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸メチル、アクリル酸ステアリル、ジアセトンアクリルアミド、(メタ)アクリル酸1−アダマンチルおよび(メタ)アクリル酸2−エチルアダマンチルなどの重合性官能基を一つ有するモノマーなどが挙げられる。
前記ポリマーの合成において加熱による方法の場合、任意に添加するラジカル重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−イソブチロニトリル)および2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)などのアゾ系重合開始剤、ベンゾイルパーオキシド、ジクミルパーオキシドおよびジイソプロピルパーオキシカーボネートなどの過酸化物系重合開始剤などが挙げられる。これらラジカル重合開始剤を用いて加熱する重合方法においては、例えば、30〜150℃で加熱して重合する方法が適用できる。また、光を照射する方法の場合、任意に添加する前記ラジカル重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン、ベンゾフェノンおよび2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノンなどが挙げられる。
前記ラジカル重合開始剤を使用する場合の添加量としては、重合系中に含まれる全ての成分の重合性官能基のモル数に対して、0.01mmol%〜30mol%程度であることが好ましく、さらに好ましくは0.1mmol%〜20mol%である。
前記固体電解質におけるリチウム塩としては、例えば、LiPF6、LiClO4、LiCF3SO3、LiBF4、LiAsF6、LiN(CF3SO22、LiN(C25SO22およびLiC(CF3SO23などのリチウム塩や、Liイオンをカチオン成分として含有する常温溶融塩(例えば、特開2004−307481号公報に記載のリチウム塩など。)などが挙げられ、これらを単独あるいは2種以上を混合して用いても良い。
前記固体電解質における常温溶融塩は、カチオン成分およびアニオン成分より構成されるものである。前記常温溶融塩のカチオン成分としては、孤立電子対を有する元素を含んだ化合物に、陽イオン型の原子団が配位して生ずる少なくとも一つの基を有するカチオンが挙げられる。前記孤立電子対を有する元素としては、窒素、硫黄、リン、酸素、セレン、錫、ヨウ素およびアンチモン等の元素が挙げられる。このようなカチオン成分の具体例として、オニウムカチオンが挙げられ、上記のうち、窒素、硫黄またはリンの孤立電子対を有するオニウムカチオンが好ましい。前記カチオン成分としては、広い電位範囲で電気化学的に安定なものが良く、下記式(1)で表されるカチオン成分がより好ましい。
+1234 (1)
上記式(1)で表されるカチオン成分は、式中、R1、R2、R3、及びR4として、それぞれが、同一又は異なって、アルキル基、アルコキシアルキル基、アラルキル基及び/またはアリール基を有するものである。これらのいずれか一対又はそれ以上が環構造を形成していても良く、ヘテロ原子、ハロゲン原子を含んでも良い。
さらに、R1、R2、R3、及びR4として、アルキル基、アルコキシアルキル基又はアラルキル基、あるいは、これらのいずれか一対又はそれ以上が環構造を形成している基、を有することがより好ましく、アルキル基、アルコキシアルキル基、これらのいずれか一対又はそれ以上が環構造を形成している基、が最も好ましい。
該アルキル基として、メチル基、エチル基及びプロピル基などが挙げられ、該アルコキシアルキル基として、メトキシメチル基、メトキシエチル基、(メトキシエトキシ)エチル基、(ヒドロキシエトキシ)エチル基、(ヒドロキシエチル)メチルアミノ基、メトキシ(カルボニルエチル)基及びヒドロキシエチル基などが挙げられ、該アラルキル基として、ベンジル基などが挙げられ、該アリール基として、フェニル基及びナフチル基などが挙げられる。該環構造としては、オキサゾリル基、モルホリニル基、ピリジニウム基、ピラリジニウム基、ピロリジニウム基、ピペラジニウム基、キノリニウム基、ピペリジニウム基及びイミダゾリウム基を形成する含窒素複素環構造などが挙げられる。なおこれらはヘテロ原子を含んでいる例である。
前記常温溶融塩のカチオン成分の具体例としては、テトラメチルアンモニウムカチオン、テトラエチルアンモニウムカチオン、テトラプロピルアンモニウムカチオン、テトラペンチルアンモニウム、エチルトリメチルアンモニウムカチオン、ビニルトリメチルアンモニウムカチオン、トリエチルメチルアンモニウムカチオン、トリエチルプロピルアンモニウムカチオン、ジエチルジメチルアンモニウムカチオン、トリブチルエチルアンモニウムカチオン、トリエチルイソプロピルアンモニウムカチオン、トリエチルメトキシメチルアンモニウムカチオン、トリメチルプロピルアンモニウムカチオン、トリメチルイソプロピルアンモニウムカチオン、ブチルトリメチルアンモニウムカチオン、アリルトリメチルアンモニウムカチオン、ヘキシルトリメチルアンモニウムカチオン、オクチルトリメチルアンモニウムカチオン、ドデシルトリメチルアンモニウムカチオン、トリエチルメトキシエトキシメチルアンモニウムカチオン、ジエチルメチルメトキシエチルアンモニウムカチオン、ジメチルジプロピルアンモニウムカチオンおよびヘキサメトニウムカチオン等のアンモニウムカチオン;1,2,3−トリメチルイミダゾリニウムカチオン、1,2,3−トリエチルイミダゾリニウムカチオン、1,3,4−トリメチルイミダゾリニウムカチオン、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウムカチオン、1,3−ジメチル−2−エチルイミダゾリニウムカチオン、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウムカチオン、4−エチル−1,3−ジメチルイミダゾリニウムカチオン、1,2−ジエチル−3−メチルイミダゾリニウムカチオン、1,4−ジエチル−3−メチルイミダゾリニウムカチオン、1,2−ジエチル−3,4−ジメチルイミダゾリニウムカチオン、1,4−ジエチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウムカチオン、2,4−ジエチル−1,3−ジメチルイミダゾリニウムカチオン、4,5−ジエチル−1,3−ジメチルイミダゾリニウムカチオン、1−エチル−2,3,4−トリメチルイミダゾリニウムカチオン、2−エチル−1,3,4−トリメチルイミダゾリニウムカチオン、4−エチル−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウムカチオン、1,2,3−トリエチル−4−メチルイミダゾリニウムカチオン、1,3,4−トリエチル−2−メチルイミダゾリニウムカチオン、1,3,4−トリエチル−5−メチルイミダゾリニウムカチオン、1,4,5−トリエチル−3−メチルイミダゾリニウムカチオン、2,3,4−トリエチル−1−メチルイミダゾリニウムカチオン、1,1−ジメチル−2−ヘプチルイミダゾリニウムカチオン、1,1−ジメチル−2−ドデシルイミダゾリニウムカチオン、1,1−ジメチルイミダゾリニウムカチオン、1,1,2−トリメチルイミダゾリニウムカチオン、1,1,2,4−テトラメチルイミダゾリニウムカチオン、1,1,2,4,5−ペンタメチルイミダゾリニウムカチオンおよび1−tert−ブチル−3−イソプロピルイミダゾリニウムカチオン等のイミダゾリニウムカチオン;1,3−ジメチルイミダゾリウムカチオン、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1,3−ジエチルイミダゾリウムカチオン、1,2,3−トリメチルイミダゾリウムカチオン、1,3,4−トリメチルイミダゾリウムカチオン、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムカチオン、2−エチル−1,3−ジメチルイミダゾリウムカチオン、4−エチル−1,3−ジメチルイミダゾリウムカチオン、1,2−ジエチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1,5−ジエチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1,3−ジエチル−2−メチルイミダゾリウムカチオン、1,2,3−トリエチルイミダゾリウムカチオン、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリウムカチオン、1−エチル−2,3,4−トリメチルイミダゾリウムカチオン、2−エチル−1,3,4−トリメチルイミダゾリウムカチオン、4−エチル−1,2,3−トリメチルイミダゾリウムカチオン、1,2−ジエチル−3,4−ジメチルイミダゾリウムカチオン、2,4−ジエチル−1,3−ジメチルイミダゾリウムカチオン、4,5−ジエチル−1,3−ジメチルイミダゾリウムカチオン、3,4−ジエチル−1,2−ジメチルイミダゾリウムカチオン、2,3,4−トリエチル−1−メチル−イミダゾリウムカチオン、1,2,3−トリエチル−4−メチルイミダゾリウムカチオン、1,3,4−トリエチル−5−メチルイミダゾリウムカチオン、1,4,5−トリエチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1,2,3,4−テトラエチルイミダゾリウムカチオン、1,1−ジメチル−2−ヘプチルイミダゾリウムカチオン、1,1−ジメチル−2−ドデシルイミダゾリウムカチオン、1,1−ジメチルイミダゾリウムカチオン、1,1,2−トリメチルイミダゾリウムカチオン、1,1,2,4−テトラメチルイミダゾリウムカチオン、1,2,3,4,5−ペンタメチルイミダゾリウムカチオンおよび1,1,2,4,5−ペンタメチルイミダゾリウムカチオン等のイミダゾリウムカチオン;N,N−ジメチルピロリジニウムカチオン、N−メチル−N−エチルピロリジニウムカチオン、N−メチル−N−プロピルピロリジニウムカチオン等のピロリジニウムカチオン;N−メチルピリジニウムイオン、N−エチルピリジニウムカチオン、N−プロピルピリジニウムイオン、N−ブチルピリジニウムカチオン、1−エチル−2−メチルピリジニウム、1−ブチル−4−メチルピリジニウムおよび1−ブチル−2,4−ジメチルピリジニウム等のピリジニウムカチオン;トリメチルスルホニウムカチオン、トリエチルスルホニウムカチオン、トリブチルスルホニウムカチオン、ジエチルメチルスルホニウムカチオン、ジメチルプロピルスルホニウムおよびジメチルヘキシルスルホニウム等のスルホニウムカチオン;テトラメチルホスホニウムカチオン、テトラエチルホスホニウムカチオン、テトラプロピルホスホニウムカチオン、テトラブチルホスホニウムカチオン、テトラオクチルホスホニウムカチオン、テトラフェニルホスホニウムカチオン、トリメチルエチルホスホニウムカチオン、トリエチルメチルホスホニウムカチオン、ヘキシルトリメチルホスホニウムカチオンおよびトリメチルオクチルホスホニウムカチオン等のホスホニウムカチオン;などが挙げられる。
前記常温溶融塩のアニオン成分としては、アルコラートおよびフェノラートなどの水酸基含有有機化合物のプロトンが脱離したアニオンRO-;チオレートおよびチオフェノラートなどのプロトンが脱離したアニオンRS-;スルホン酸アニオンRSO3 -、カルボン酸アニオンRCOO-;リン酸および亜リン酸の水酸基の一部が有機基で置換している含リン誘導体アニオンRx(OR)y(O)z-、(但し、x、y、zは0以上の整数で、かつ、x+y+2z=3またはx+y+2z=5の関係を満たすもの。);置換ボレートアニオンRx(OR)y-、(但し、x、yは0以上の整数で、かつ、x+y=4の関係を満たすもの。);置換アルミニウムアニオンRx(OR)yAl-、(但し、x、yは0以上の整数で、かつ、x+y=4の関係を満たすもの。);窒素アニオン(EA)2-、カルボアニオン(EA)3-等の有機アニオン、ハロゲンイオンおよび含ハロゲンイオン等の無機アニオンなど、が挙げられる。これらの中でも、前記有機アニオンとしては、特に、RSO3 -、RCOO-、(RO2S)2-および(RO2S)3-が好ましく、無機アニオンとしては、含ハロゲンイオンとして、ClO4 -、BF4 -、AsF6 -及びPF6 -が好ましく、ハロゲンイオンとして、F-、Cl-、Br-およびI-が好ましい例として例示される。ここで、前記Rは、水素、アルキル基Cn2n-1−、アリール基(Rc)m−C65-m−、アラルキル基(Rc)m−C65-m−Cn2n−、アルケニル基Rc−CH=CH−Rc−、アラルケニル基(Rc)m−C65-m−CH=CH−Rc−、アルコキシアルキル基Rc−O−Cn2n−、アシルオキシアルキル基Rc−COO−Cn2n−から選ばれる基(前記Rにおいて、Rcは置換または無置換の、炭素数20以下のアルキル基、または水素であり、複数ある場合は互いに異なっても良い。mは1以上5以下の整数。nは1以上20以下の整数。)であり、これらは置換基を有していても良い。また、これらは環構造を有していてもよく、また、ヘテロ原子を含んでもよい。このRが分子内に2個以上ある場合は互いに同じであっても異なっていてもかまわない。EAは、水素原子または(RO2S)などの電子吸引基を示す。
また前述Rの炭素上の水素原子の一部または全部がハロゲン原子に置換されているものも含まれ、特にフッ素原子に置換されているものは好ましい事例であり、Rがハロゲン原子そのものでも良い。
前記常温溶融塩におけるアニオン成分の中でも、二次電池とした場合に充放電特性を向上させる上で、少なくともフルオロスルホニル基を有するものを用いると、より好ましい。
さらに、フルオロスルホニル基を有するアニオン成分から構成される常温溶融塩は、電池とした場合の負極側に使用するのが、充放電特性のサイクル性が良くなり、より好ましい。このようなアニオン成分として、フルオロスルホニル基を構成成分として含むものであれば良いが、例えば、前記含リン誘導体アニオン、前記置換ボレートアニオン、前記置換アルミニウムアニオン、前記カルボアニオンおよび前記窒素アニオンなどのアニオンにフルオロスルホニル基を含む基が挙げられる。さらに、常温溶融塩の電気化学的安定性の上で、好ましくは、フルオロスルホニル基を含む、カルボアニオン及び窒素アニオンが挙げられる。
さらに具体的には、下記式(2)〜(5)で表される構造を有するアニオンがより好ましい。
N(R1SO2)(FSO2- ・・・(2)
N(FSO22 - ・・・(3)
C(R1SO22(FSO2- ・・・(4)
C(R1SO2)(FSO22 - ・・・(5)
C(FSO23 - ・・・(6)
(R1は、パーフルオロアルキル基であり、直鎖状構造、分岐状構造および環状構造のいずれであっても良い。)
該パーフルオロアルキル基としては、その構造中の炭素数に制限なく使用できるが、炭素数が多くなるとイオン伝導度が低下することがあり、1〜6個の炭素を有するパーフルオロアルキル基が好ましい。該パーフルオロアルキル基は、直鎖状構造、分岐状構造および環状構造のいずれの構造でも良く、いずれの構造も同じ効果を発現する。
固体電解質における各成分の含有量としては、常温溶融塩を含む場合、固体電解質中のポリマーの含有量としては、好ましい下限値が、0.05wt%、好ましい上限値が50.0wt%であり、より好ましい下限値0.1wt%、より好ましい上限値49.5wt%である。また、固体電解質中のリチウム塩の含有量としては、好ましい下限値が、3wt%、好ましい上限値が50.0wt%であり、より好ましい下限値5wt%、より好ましい上限値49.5wt%である。また、固体電解質中の常温溶融塩の含有量としては、好ましい下限値が、5wt%、好ましい上限値が94.95wt%であり、より好ましい下限値8wt%、より好ましい上限値90wt%である。
常温溶融塩を含まない場合には、固体電解質中のポリマーの含有量としては、好ましい下限値が10wt%、好ましい上限値が90wt%であり、固体電解質中のリチウム塩の含有量としては、好ましい下限値が10wt%、好ましい上限値が90wt%である。
固体電解質には、上記の成分以外にも、可塑剤、難燃性付与添加剤などを添加しても良い。前記可塑剤としては、例えば、エチレンカーボネートおよびプロピレンカーボネートなどの環状炭酸エステル、エチルメチルカーボネートおよびジエチルカーボネートなどの鎖状炭酸エステルなどが挙げられ、また、これらのうち2種以上の混合物を用いても良い。前記難燃性付与添加剤としては、自己消火性や電解質の難燃化に寄与する化合物が挙げられ、リン酸エステル、ハロゲン化合物およびフォスファゼンなどがある。
本発明に用いる固体電解質を調製する方法としては、ポリマー及びリチウム塩、任意にその他の添加剤を混合し、常温溶融塩を含む場合、さらにこれを混合することで得ることができる。また、固体電解質の調製において作業性を向上させる上で有機溶媒を用い、各成分を溶解させた後に、加熱などにより有機溶媒を除去する方法でも良い。該有機溶媒としては、アルコール、アセトニトリルなどの溶媒を使用することができる。
また、上記有機溶媒に溶解して得た固体電解質を用いて、これを、アプリケーターなどの塗布機により、基材上に塗布して塗膜を形成し、60℃〜120℃程度の温度で乾燥し有機溶媒を除去することで、厚み1μm〜800μm程度のフィルム状の固体電解質を作製し、これを固体電解質層として用いることができる。
また、本発明においては、固体電解質として、上記で挙げた固体電解質以外にも、無機固体電解質なども使用でき、そのような無機固体電解質としては、硫化リチウム系の材料や酸化物系の材料などが使用できる。硫化リチウム系の無機固体電解質としては、例えば、(Li3PO4X -(Li2S)Y -(SiS2Zガラス、(Li2S)X -(SiS2Y及び(Li2S)X -(P25Yなどが挙げられる。また、酸化物系の無機固体電解質としては、例えば、LiTi2(PO43、LiZr2(PO43、LiGe2(PO43、(La0.5+XLi0.5-3X)TiO3 などが挙げられる。
無機固体電解質は、複合体において電極上に、蒸着、スパッタリング、ガスデポジション及びエアロゾルデポジションなどの方法により形成することができる。
本発明における負極複合体と正極複合体は、電極と固体電解質層から構成される。
正極複合体における第一の固体電解質と負極複合体における第二の固体電解質は、それぞれ異なる成分を用いるものであるが、具体例としては、両方の固体電解質がポリマー及びリチウム塩、場合により常温溶融塩を含むものである場合、一般的に、ポリマーや常温溶融塩の種類を異なるものを用いて異なる成分としたり、固体電解質を構成する成分がそれぞれ同じ種類である場合に、該成分の組成比を異なるものとして用いても良い。
一般的に、固体電解質の酸化耐性、還元耐性は、使用する成分の種類や組成で変わるものであるが、本発明における固体電解質としては、正極側で使用するものについては、酸化耐性に優れるものが好ましく、負極側で使用するものについては、還元耐性に優れるものが好ましく、トータルの性能として電極と反応しない、あるいは、可逆的な反応のみが起こるような材料であれば良い。
前記電極は、金属箔などの集電体上に電極用活物質層を形成したものであり、電極用活物質層は、電極用活物質を必須成分とし、必要に応じて、バインダー、導電剤などを添加することができる。負極複合体には、負極用活物質層が使われ、正極複合体には、正極用活物質層が使われる。
ここで、負極複合体の作製方法の一例を示すが、これと同様の電極複合体が得られるのであれば、作製方法は限定されない。その方法としては、例えば、まず、負極用活物質及びバインダー、任意に導電剤などを、溶媒を用いてスラリー状に調製し、該スラリーを集電体用の金属箔上に、塗膜を形成し、これを乾燥することで電極が得られる。スラリーの塗布方法としては、印刷法やディスペンサーを用いる方法が使用できる。このようにして得られた電極は、必要に応じて、ロールプレス機などで圧縮成型することも可能である。
前記負極用活物質としては、リチウムイオンを挿入、脱離させることのできる材料であれば限定されないが、好ましくは炭素材料が挙げられる。具体的には天然黒鉛、アモルファスカーボン、グラファイト、メソカーボンマイクロビーズ、メソフェーズピッチ系炭素繊維、及び樹脂単体を炭化処理した炭素材などが挙げられる。該樹脂単体を炭化処理した炭素材としては、ポリアクリロニトリルなどから得られるポリアクリロニトリル系炭素;フェノール、ニトロフェノール及びクレゾールなどのフェノール類を含む原料を用いて得たフェノール樹脂から得られるフェノール樹脂系炭素;上記ニトロフェノールを用いて得たフェノール樹脂、メラミン樹脂など窒素原子を含む原料を用いた樹脂から得られる窒素含有炭素材;あるいは、これらの樹脂を2つ以上混合したものを炭化処理した炭素材などが挙げられる。樹脂単体を炭化処理して得られる炭素材の中でも、窒素原子を含む原料を用いた樹脂を炭化処理して得られる窒素含有炭素材を用いる場合、充放電特性がさらによくなり好ましい。炭素材料以外にも金属または半金属を挙げることができ、その例として、ケイ素、スズ、ゲルマニウム、アルミニウム等がある。さらに、これら金属または半金属の合金、酸化物、窒化物または炭化物もあり、その例として、一酸化ケイ素、窒化ケイ素、炭化ケイ素、酸化スズ、窒化スズ、炭化スズ、一酸化ゲルマニウム、窒化ゲルマニウム、炭化ゲルマニウム、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、炭化アルミニウム、アルミニウムリチウム合金(Al−Li系)、チタンシリコン合金(Ti−Si系)等を挙げることができる。
前記バインダーとしては、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリビニルアルコール及びポリビニルブチラール等が挙げられる。
前記導電剤については、一般的にリチウム二次電池用電極に用いられるものが用いることができ、例えば、アセチレンブラック、ケッチェンブラック及び黒鉛などの電気抵抗を低減できる成分が挙げられる。
該スラリーに用いる溶媒としては、前記負極用活物質及び前記バインダー、任意に、導電剤などが、均一に混合できるものであれば、限定されない。一般的には、N−メチル−2−ピロリドンなどが挙げられ、必要に応じて、メタノールおよびアセトニトリルなどを添加しても良い。
負極用のスラリーにおける負極用活物質の添加の割合としては、好ましい上限値が99.9wt%であり、より好ましい上限値が99.5wt%であり、好ましい下限値が50wt%であり、より好ましい下限値が55wt%である。バインダーの含有量は、好ましい上限値が50wt%であり、より好ましい上限値が45wt%であり、好ましい下限値が0.1wt%であり、より好ましい下限値が0.5wt%である。
負極用のスラリーにおける有機溶媒の割合としては、例えば、有機溶媒以外の成分の合計量に対して、好ましい上限値が100質量倍量であり、より好ましい上限値が50質量倍量であり、好ましい下限値が0.01質量倍量であり、より好ましい下限値が0.1質量倍量である。前記溶媒の割合は、前記ポリマーの溶解性および前記スラリーの均一性などを向上させる量であれば良く、前記範囲外であっても使用できるが、適量を超えた場合、有機溶媒を除去する際に、該有機溶媒が存在していた部位に空隙を生じるなどにより活物質層が不均一となる恐れがある。
前記負極複合体における集電体用金属箔には、厚み15μm程度の銅箔などの金属箔が使用できる。
このようにして得られる電極は、集電体の厚みを含めて、厚み16〜1000μm程度であることが好ましく、18〜600μmがより好ましいが、これに限定されるわけではない。
次いで、上記で得られた負極複合体用電極の活物質層上に、上記で得られた塊状又はフィルム状の固体電解質を貼り付け、必要に応じて、加熱処理などを行い、電極に固体電解質を貼り付けることにより、負極複合体が得られる。電極と固体電解質間の良好な界面を得るために、電極作製用のスラリーに、予め、固体電解質に使用する成分を添加していても良い。
次に、正極複合体の作製方法の一例を示すが、これと同様の電極複合体が得られるのであれば、作製方法は限定されない。その方法としては、例えば、まず、正極用活物質及びバインダー、任意に導電剤などを、溶媒を用いてスラリー状に調製し、該スラリーを集電体用の金属箔上に、塗膜を形成し、これを乾燥することで電極が得られる。スラリーの塗布方法としては、印刷法やディスペンサーを用いる方法が使用できる。このようにして得られた電極は、必要に応じて、ロールプレス機などで圧縮成型することも可能である。
前記正極用活物質としては、エネルギー密度が高く、リチウムイオンの可逆的な脱挿入に優れたリチウムを含有する遷移金属酸化物が好ましく、例えば、LiCoO2などのコバルト複合酸化物、LiMn24などのマンガン複合酸化物、LiNiO2などのニッケル複合酸化物、これら酸化物の混合物およびLiNiO2のニッケルの一部をコバルトやマンガンに置換したもの、LiFePO4やLiFeVO4などの鉄複合酸化物などが挙げられる。
該バインダーとしては、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール等が挙げられる。
該スラリーに用いる溶媒、導電剤としては、負極複合体で使用したものと同じものを使用できる。
正極用のスラリーにおける正極用活物質の含有量としては、好ましい上限値が99.9%であり、より好ましい上限値が99.5wt%であり、好ましい下限値が50wt%であり、より好ましい下限値が55wt%である。
また、バインダーの含有量は、好ましい上限値が50wt%であり、より好ましい上限値が45wt%であり、好ましい下限値が0.1wt%であり、より好ましい下限値が0.5wt%である。
任意で添加する前記導電剤の含有量は、正極用活物質と二次電池電極用バインダーの合計重量に対して、好ましい上限値が、40wt%であり、より好ましい上限値が35wt%であり、好ましい下限値が0.1wt%であり、より好ましい下限値が1wt%である。
正極用のスラリーにおける有機溶媒の割合としては、例えば、有機溶媒以外の成分の合計量に対して、好ましい上限値が100質量倍量であり、より好ましい上限値が50質量倍量であり、好ましい下限値が0.01質量倍量であり、より好ましい下限値が0.1質量倍量である。前記溶媒の割合は、前記二次電池電極用バインダーの溶解性および前記スラリーにおける成分の均一性などを向上させる量であれば良く、前記範囲外であっても使用できるが、適量を超えた場合、有機溶媒を除去する際に、該有機溶媒が存在していた部位に空隙を生じるなどにより、活物質層が不均一となる恐れがある。
前記正極複合体における集電体用金属箔には、厚み20μm程度のアルミニウム箔などの金属箔が使用できる。
このようにして得られた電極は、集電体の厚みを含めて、厚み21〜1000μm程度であることが好ましく、23〜600μmがより好ましいが、これに限定されるわけではない。
次いで、上記で得られた正極複合体用の電極の活物質層上に、上記で得られた塊状又はフィルム状の固体電解質を貼り付け、必要に応じて、加熱処理などを行い、電極に固体電解質を貼り付けることにより、正極複合体が得られる。電極と固体電解質間の良好な界面を得るために、電極作製用のスラリーに、予め、固体電解質に使用する成分を添加していても良い。
以下、本発明の二次電池について、具体的に説明するが、これらに限定されるものではない。
本発明の二次電池の一例として、単層セルを用いた例を説明する。図1は、単層セルの例を説明するための断面図である。
単層セルは、上記で得られた、負極用集電体1上に負極活物質層2が形成された負極用電極に、負極用固体電解質3が貼り付けられた負極複合体7と、正極用集電体6上に正極活物質層5が形成された正極用電極に、正極用固体電解質4が貼り付けられた正極複合体8を、上記負極用固体電解質3と正極用固体電解質4の面を張り合わせて単層セルとすることができる。負極複合体と正極複合体間のより良好な界面を得るために、加熱したり、可塑剤のような添加剤を加えても良い。
前記単層セル中の固体電解質の合計の厚みは、好ましくは、1μmから800μmであり、さらに好ましくは、3μmから500μmである。固体電解質の合計の厚みが、薄ければ薄いほど固体電解質の抵抗が小さくなり好ましいが、薄すぎると単層セル作製時に、負極と正極の接触が起こるため好ましくない。また、負極複合体中の固体電解質や正極複合体中の固体電解質のそれぞれの厚みの下限値は、全く規定が無く、合計の厚みが上記の範囲に入っていれば良い。
次いで、前記単層セルを、外装体に収納し封止して、二次電池が得られる。前記外装体としては、ポリエステルフィルム−アルミニウムフィルム−変性ポリオレフィンフィルムの三層構造のラミネートフィルムからなるものなどが使用できる。また、上記単層セルをコインセル基材に入れてコインセルを作製することも可能である。
上記二次電池における単層セルの例では、セパレーターを使用せず、固体電解質単独でも、二次電池に使用される正極、負極のショートを防ぐことができるが、より強固にショートを防ぐために、セパレーターを併用しても構わない。例えば、固体電解質とセパレーターを複合化するなどして組み立ててもよく、そのようなセパレーターとしては、特に限定されないが、電気化学的に安定なものが好ましい。具体例を挙げると、ポリエチレン製セパレーター、ポリプロピレン製セパレーター、セルロース製セパレーター、不織布、無機系セパレーター、グラスフィルターなどを挙げることができる。
以下、実施例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれによって何ら限定されるものではない。
[実施例1]
<正極複合体と負極複合体に用いるポリマーの合成>
反応容器中で、2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸10.36g(50mmol)を、メタノール500ml/蒸留水4mlに溶解し、これに、炭酸銀8.28g(30mmol)を添加して、室温下で穏やかに4時間連続攪拌し、混合液を濾過後、無色透明の溶液を得た。この濾液に、101mmolのアクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロリドをメタノール100mlに溶解した溶液を、滴下し、反応させた。反応は定量的に進行した。反応生成物である塩化銀を濾別し、無色透明のメタノール溶液を回収した。この濾液をエバポレーターで減圧濃縮し、冷暗所で終日静置することにより、目的物を再結晶させ、無色透明の板状結晶(塩モノマー)を回収した。得られた塩モノマーは、1H−NMRスペクトル分析により生成物の確認を行い、所望の化合物(2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸アニオンとアクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムカチオンの塩モノマー)が得られていることを確認した。
さらに、反応容器中で、上記で得られた塩モノマー10gをメタノール30mlに溶解させ、重合開始剤としてベンゾイルパーオキシド0.03gを添加し、充分に脱気操作を行った後に、窒素気流下、60℃で60分間、加熱して重合させた。反応液は、重合の進行に伴い増粘した。得られた反応溶液を1500mlのアセトン中に滴下すると、白色の固体が析出した。これを濾別し、60℃で2時間減圧乾燥させることによって、塩モノマーの重合体(ポリマー(1))6.5gを回収した。
<固体電解質(1)の合成>
容器中で、上記で得られた塩モノマーの重合体0.5gを、メタノール/アセトニトリル(同体積混合物)2.0mlに溶解させ、そこにLiN(CF3SO221.25g添加し、完全に溶解した。得られた溶液に、常温溶融塩としてN−メチル−N−プロピル−ピロリジニウム・ビス(フルオロスルホニル)イミド3.25g添加し攪拌し、均一な溶液を得た。得られた溶液を、テフロン(登録商標)加工を施している基材の上に、アプリケーターで塗布を行い、60℃で1時間、さらに、110℃で2時間減圧乾燥を行い、厚みが500μm程度で、無色透明のフィルム状の固体電解質(1)を得た。
<負極複合体(1)の作製>
負極活用物質として天然黒鉛0.5g、バインダーとしてポリフッ化ビニリデン0.05gを混合し、それを0.4mlのN−メチル−2−ピロリドン中に分散させて、二次電池電極用スラリーを調製した。このスラリーを、負極集電体として用いる厚み15μmの銅箔に、均一に塗布し、乾燥後、ロールプレス機で圧縮成形することで厚みが約70μmの負極を得た。ここで得られた負極の上に上記の固体電解質(1)を貼り付け、貼り付けたもののトータルの厚みが90μmになるようにロール成型機を通し、負極複合体(1)を作製した。
<固体電解質(2)の合成>
実施例1の固体電解質(1)の合成において、常温溶融塩N−メチル−N−プロピル−ピロリジニウム・ビス(フルオロスルホニル)イミドの代わりに、ジエチルメチルメトキシエチルアンモニウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドを用いる以外は、同様の方法で、厚みが500μm程度で、無色透明のフィルム状の固体電解質(2)を得た。
<正極複合体(1)の作製>
正極活用物質としてLiCoO2を0.5g、導電材としてアセチレンブラックを0.025g、バインダーとしてポリフッ化ビニリデン0.05gを混合し、それを0.4mlのN−メチル−2−ピロリドン中に分散させて、二次電池電極用スラリーを調製した。このスラリーを、正極集電体として用いる厚み20μmのアルミニウム箔に、均一に塗布し、乾燥後、ロールプレス機で圧縮成型することで厚み70μmの正極を得た。ここで得られた正極の上に上記の固体電解質(2)を貼り付け、貼り付けたもののトータルの厚みが90μmになるようにロール成型機を通し、正極複合体(1)を作製した。
<セルの作製>
上記で得られた負極複合体(1)と正極複合体(1)とを、それぞれの固体電解質の面を対向させて貼り合わせ、充放電特性評価用のコインセルを作製した。
<充放電特性評価>
上記で得られたセルを用いて、電流密度25μA/cm2、上限電圧4.2V、下限電圧3.0Vで、アルゴン雰囲気下、25℃で、充放電特性評価装置(北斗電工(株)製:HJR−1010mSM8)を用いて、充放電特性の評価を行った。充放電を50サイクル行い、5回サイクル目の放電容量に対する50サイクル目の放電容量の比を容量維持率として調べた。
[実施例2]
<負極複合体(2)の作製>
実施例1の負極複合体(1)の作製において、負極活用物質として天然黒鉛の代わりに、フェノール樹脂(住友ベークライト(株)製PR−50731)を炭化したフェノール樹脂系炭素材を用いた以外は、同様の方法で負極複合体(2)を作製した。
<セルの作製>
実施例1のセルの作製において、負極複合体(1)の代わりに、上記で得た負極複合体(2)を用いた以外は同様の方法で充放電特性評価用のコインセルを作製し、評価した。
[実施例3]
<固体電解質(3)の合成>
固体電解質(1)の合成において、LiN(CF3SO22を1.50g、常温溶融塩N−メチル−N−プロピル−ピロリジニウム・ビス(フルオロスルホニル)イミドを3.00g用い、同様の方法で、無色透明のフィルム状の固体電解質(3)を得た。
<正極複合体(2)の作製>
実施例1の正極複合体(1)の作製において、正極活物質として、LiCoO2の代わりにLiMn240.5g、固体電解質(1)の代わりに固体電解質(3)を用いた以外は、同様の方法で正極複合体(2)を作製した。
<セルの作製>
実施例1のセルの作製において、正極複合体(1)の代わりに、上記で得た正極複合体(2)を用いた以外は同様の方法で充放電特性評価用のコインセルを作製し、評価した。
[実施例4]
<固体電解質(4)の合成>
市販のポリフッ化ビニリデン0.5gをN−メチルピロリドン2.5mlに溶解させ、そこにLiN(CF3SO22を1.25g添加し、完全に溶解した。得られた溶液に、常温溶融塩N−メチル−N−プロピル−ピロリジニウム・ビス(フルオロスルホニル)イミドを3.25g添加し攪拌し、均一な溶液を得た。得られた溶液を基材の上にアプリケーターで塗布を行い、60℃で1時間、さらに、110℃で2時間減圧乾燥を行い、厚みが500μm程度で、やや黄色透明のフィルム状の固体電解質(4)を得た。
<正極複合体(3)の作製>
実施例1の正極複合体(1)の作製において、固体電解質(2)の代わりに、上記で得た固体電解質(4)を用いた以外は、同様の方法で正極複合体(3)を作製した。
<セルの作製>
実施例1のセルの作製において、負極複合体(1)の代わりに、実施例2と同様にして得た負極複合体(2)を用い、正極複合体(1)の代わりに、上記で得た正極複合体(3)を用いた以外は同様の方法で充放電特性評価用のコインセルを作製し、評価した。
[比較例1]
<正極複合体(4)の作製>
実施例1の正極複合体(1)の作製において、固体電解質(2)の代わりに、実施例1と同様にして得た固体電解質(1)を用いた以外は、同様の方法で正極複合体(4)を作製した。
<セルの作製>
実施例1のセルの作製において、正極複合体(1)の代わりに、上記で得た正極複合体(4)を用いた以外は同様の方法で充放電特性評価用のコインセルを作製し、評価した。
[比較例2]
<負極複合体(3)の作製>
実施例1の負極複合体(1)の作製において、固体電解質(1)の代わりに、実施例1と同様にして得た固体電解質(2)を用い、同様の方法で負極複合体(3)を作製した。
<セルの作製>
実施例1のセルの作製において、負極複合体(1)の代わりに、上記で得た負極複合体(3)を用いた以外は同様の方法で充放電特性評価用のコインセルを作製し、評価した。
各負極複合体と正極複合体の組み合わせと、それらを用いて行った充放電特性評価の容量維持率を表1にまとめて示した。
Figure 2010186626
本発明によれば、優れた充放電特性を示す二次電池を提供することが可能であり、特に、リチウム二次電池として有効である。このようなリチウム二次電池が使用される分野で利用することができ、具体的には、ポータブル電子機器などが挙げられる。
1 負極用集電体
2 負極活物質層
3 負極用固体電解質
4 正極用固体電解質
5 正極活物質層
6 正極用集電体
7 負極複合体
8 正極複合体
9 単層セル

Claims (3)

  1. 第一の固体電解質を含む電解質層と正極からなる正極複合体、第二の固体電解質を含む電解質層と負極からなる負極複合体を含んで構成される二次電池であって、第一の固体電解質と第二の固体電解質は、それぞれ異なる成分よりなるものであり、少なくとも一方に常温溶融塩を含むものであることを特徴とする二次電池。
  2. 常温溶融塩が、フルオロスルホニル基を有するアニオンを含むものである請求項1に記載の二次電池。
  3. 第一の固体電解質を構成するポリマーと第二の固体電解質を構成するポリマーの少なくとも一方のポリマーが、重合性官能基を有するオニウムカチオンと重合性官能基を有する有機アニオンとから構成される塩モノマーを含んで合成されたポリマーである請求項1又は2に記載の二次電池。
JP2009029697A 2009-02-12 2009-02-12 二次電池 Pending JP2010186626A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009029697A JP2010186626A (ja) 2009-02-12 2009-02-12 二次電池

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009029697A JP2010186626A (ja) 2009-02-12 2009-02-12 二次電池

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010186626A true JP2010186626A (ja) 2010-08-26

Family

ID=42767163

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009029697A Pending JP2010186626A (ja) 2009-02-12 2009-02-12 二次電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2010186626A (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011040640A1 (en) 2009-10-02 2011-04-07 Kansai Paint Co., Ltd. Aqueous coating composition
JP2012069248A (ja) * 2010-09-21 2012-04-05 Hitachi Zosen Corp 全固体電池の製造方法
WO2013099816A1 (ja) * 2011-12-27 2013-07-04 住友電気工業株式会社 溶融塩電池および溶融塩電池の製造法
JPWO2014003034A1 (ja) * 2012-06-27 2016-06-02 東洋アルミニウム株式会社 二次電池用正極、二次電池および二次電池用正極の製造方法
KR20170024099A (ko) * 2014-07-01 2017-03-06 이-뗀 가교된 고체 고분자 재료로 이루어지는 전해질을 포함하는 고체-상태 배터리
CN106537676A (zh) * 2014-07-01 2017-03-22 I-Ten公司 具有固体电解质和聚合物材料层的全固态电池
JP2017059432A (ja) * 2015-09-17 2017-03-23 株式会社日立製作所 擬似固体電解質およびそれを用いた全固体リチウム二次電池
JP2017091813A (ja) * 2015-11-10 2017-05-25 日産自動車株式会社 イオン伝導性を有する固体電解質およびこれを用いた電気化学デバイス
JP2018206561A (ja) * 2017-06-01 2018-12-27 日立化成株式会社 二次電池
US11967694B2 (en) 2018-05-07 2024-04-23 I-Ten Porous electrodes for electrochemical devices

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10265674A (ja) * 1997-03-25 1998-10-06 Mitsubishi Chem Corp 高分子化合物複合体及びその製造方法
JP2002334719A (ja) * 2001-05-07 2002-11-22 Sony Corp 固体電解質電池
JP2005327648A (ja) * 2004-05-17 2005-11-24 Japan Carlit Co Ltd:The ゲル状電解質及びその製造方法
JP2008071546A (ja) * 2006-09-12 2008-03-27 Sumitomo Bakelite Co Ltd イオン伝導性電解質及び該イオン伝導性電解質を用いた二次電池
JP2008257963A (ja) * 2007-04-04 2008-10-23 Central Res Inst Of Electric Power Ind 非水電解質二次電池

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10265674A (ja) * 1997-03-25 1998-10-06 Mitsubishi Chem Corp 高分子化合物複合体及びその製造方法
JP2002334719A (ja) * 2001-05-07 2002-11-22 Sony Corp 固体電解質電池
JP2005327648A (ja) * 2004-05-17 2005-11-24 Japan Carlit Co Ltd:The ゲル状電解質及びその製造方法
JP2008071546A (ja) * 2006-09-12 2008-03-27 Sumitomo Bakelite Co Ltd イオン伝導性電解質及び該イオン伝導性電解質を用いた二次電池
JP2008257963A (ja) * 2007-04-04 2008-10-23 Central Res Inst Of Electric Power Ind 非水電解質二次電池

Cited By (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011040640A1 (en) 2009-10-02 2011-04-07 Kansai Paint Co., Ltd. Aqueous coating composition
JP2012069248A (ja) * 2010-09-21 2012-04-05 Hitachi Zosen Corp 全固体電池の製造方法
WO2013099816A1 (ja) * 2011-12-27 2013-07-04 住友電気工業株式会社 溶融塩電池および溶融塩電池の製造法
CN103534865A (zh) * 2011-12-27 2014-01-22 住友电气工业株式会社 熔融盐电池和制造熔融盐电池的方法
JPWO2013099816A1 (ja) * 2011-12-27 2015-05-07 住友電気工業株式会社 溶融塩電池および溶融塩電池の製造法
JPWO2014003034A1 (ja) * 2012-06-27 2016-06-02 東洋アルミニウム株式会社 二次電池用正極、二次電池および二次電池用正極の製造方法
US9899681B2 (en) 2012-06-27 2018-02-20 Toyo Aluminium Kabushiki Kaisha Positive electrode for secondary batteries, secondary battery, and method for producing positive electrode for secondary batteries
JP2017529645A (ja) * 2014-07-01 2017-10-05 アイ テン 固体電解質及びポリマー材料の層を含む全固体電池
CN106797047A (zh) * 2014-07-01 2017-05-31 I-Ten公司 包含由交联固态聚合材料制成的电解质的固态电池
JP2017525096A (ja) * 2014-07-01 2017-08-31 アイ テン 架橋型固体ポリマー材料からなる電解質を含む全固体電池
CN106537676A (zh) * 2014-07-01 2017-03-22 I-Ten公司 具有固体电解质和聚合物材料层的全固态电池
KR20170024099A (ko) * 2014-07-01 2017-03-06 이-뗀 가교된 고체 고분자 재료로 이루어지는 전해질을 포함하는 고체-상태 배터리
CN106537676B (zh) * 2014-07-01 2021-03-12 I-Ten公司 具有固体电解质和聚合物材料层的全固态电池
KR102324427B1 (ko) * 2014-07-01 2021-11-11 이-뗀 가교된 고체 고분자 재료로 이루어지는 전해질을 포함하는 고체-상태 배터리
JP2017059432A (ja) * 2015-09-17 2017-03-23 株式会社日立製作所 擬似固体電解質およびそれを用いた全固体リチウム二次電池
JP2017091813A (ja) * 2015-11-10 2017-05-25 日産自動車株式会社 イオン伝導性を有する固体電解質およびこれを用いた電気化学デバイス
JP2018206561A (ja) * 2017-06-01 2018-12-27 日立化成株式会社 二次電池
US11967694B2 (en) 2018-05-07 2024-04-23 I-Ten Porous electrodes for electrochemical devices

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5338318B2 (ja) 二次電池電極用スラリー、二次電池用電極、二次電池用電極の製造方法および二次電池
Wang et al. A review on the features and progress of dual‐ion batteries
JP2010186626A (ja) 二次電池
EP2061115B1 (en) Lithium difluorophosphate, electrolytic solution containing lithium difluorophosphate, process for producing lithium difluorophosphate, process for producing nonaqueous electrolytic solution, nonaqueous electrolytic solution, and nonaqueous-electrolytic-solution secondary cell employing the same
Komaba et al. Functional interface of polymer modified graphite anode
CN104247138B (zh) 电解液、电化学器件、锂离子二次电池以及组件
CN109599593B (zh) 多层复合电解质的固态电池的制备方法
CN1838469A (zh) 锂-硫电池电解液及其可充锂-硫电池
CN111276674B (zh) 一种改性石墨负极材料及其制备方法及含该改性石墨负极的电池
JP2009259755A (ja) 電気化学素子用セパレータ、及びこれを用いたリチウムイオン電池
JP6477691B2 (ja) 二次電池電極用バインダー組成物、二次電池電極用スラリー組成物、二次電池用電極、および、二次電池
JP4165854B2 (ja) 非水電解質、非水電解質の製造方法、及び非水電解質リチウム二次電池
KR20210086573A (ko) 전해액 및 이를 이용한 전기화학 장치 및 전자 장치
JP2010080404A (ja) 二次電池及びその製造方法
KR20180068117A (ko) 소듐전지용 전해액 및 이를 채용한 소듐전지
JP4830314B2 (ja) イオン伝導性電解質用組成物、イオン伝導性電解質、及び該イオン伝導性電解質を用いた二次電池
JP5055906B2 (ja) イオン伝導性電解質及び該イオン伝導性電解質を用いた二次電池
WO1999063612A1 (fr) Batterie secondaire contenant une solution electrolytique non aqueuse
JP2005314646A (ja) リチウムイオン伝導性電解質及びそれを用いた二次電池
JP2004063423A (ja) 電極製造に用いる塗布液、それを用いて製造した電極及び電池
JP5011790B2 (ja) 二次電池及びその製造方法
JP5167802B2 (ja) 二次電池電極用バインダー、二次電池用電極、及び二次電池
JP2007153856A (ja) 常温溶融塩及びその製造方法
JP2008071725A (ja) イオン伝導性電解質及び該イオン伝導性電解質を用いた二次電池
WO2019065288A1 (ja) リチウムイオン二次電池用非水電解液およびそれを用いたリチウムイオン二次電池

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20111024

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130205

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130206

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130405

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20130709