JP2005327648A - ゲル状電解質及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 アルミニウムやステンレス等の金属材料に対する腐食性がなく、イオン伝導度が高く、熱安定性に優れたゲル状電解質及びその製造方法を提供することである。
【解決手段】 一般式〔1〕で表される二官能性アクリルエステル化合物と(メタ)アクリル酸エステル化合物とを、一般式〔2〕で表される常温溶融塩(N−アルコキシアルキル脂環式アンモニウム塩)、リチウム塩及び重合開始剤存在下で、加熱重合させる。
Figure 2005327648

(式中、R及びRはそれぞれ独立して水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表し、AOは炭素数2〜20のオキシアルキレン基を、nは1〜200の正整数を表す。)
Figure 2005327648

(式中、R及びRはそれぞれ独立して炭素数1〜8のアルキル基を、Yは酸素原子またはメチレン基を、Xは、例えば、BF 、PF 、(CFSOを表し、nは0または1を、mは0から6の正整数を表す。)
【選択図】 なし


Description

本発明は、ゲル状電解質及びその製造方法に関するものであり、より詳しくは、ポリマーマトリクス中に常温溶融塩及びリチウム塩を含有させてなるゲル状電解質及びその製造方法に関するものである。
リチウム二次電池、エレクトロクロミック表示素子、湿式光電池、コンデンサ、電気二重層キャパシタなどの電気化学デバイスの電解液としては、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルホルムアミド、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン等の有機溶媒に過塩素酸リチウム、ホウフッ化テトラエチルアンモニウム、フタル酸テトラメチルアンモニウム等のイオン性化合物を溶解させた電解液が使用されている。
しかしながら、上記電解液を使用した電気化学デバイスは、一般に電解液の漏洩が発生し易く、また、揮発性が高く、引火の恐れがあるため、高温環境下における安全性や長期信頼性に欠けるといった問題があった。これらの対策として、電解液を厳重に封入する、或いは、衝撃による破損防止のために強固なケーシングを用いる等の手段がとられているが、電気化学デバイスの軽量化・薄型化には不利であった。
上記課題を解決するために、不燃性でより安全性に優れた電解液や、固形化させた電解液が各種提案されている。
有機溶媒などの可燃性物質を使用せず、安全性に優れた電解液として、特許文献1には、ハロゲン化アルミニウムと、リチウム塩と、イオン結合性含窒素有機系ハロゲン化物を有する常温溶融塩からなる非水電解液が提案されている。該公報に用いられる常温溶融塩は、常温で液状でありながら揮発性がほとんどなく、難燃性または不燃性であるため、安全性に優れたリチウム電池が提供できる。
しかしながら、上記非水電解液は、ハロゲン化アルミニウムイオン(例えば、AlCl )がアルミニウムやステンレス等の外装金属材料に対して腐食性を有し、溶出した金属成分が電池性能を劣化させてしまい、また、該ハロゲン化アルミニウムは、一般に激しい反応性を有し、製造時の取り扱いに細心の注意を要し、製造コストが増大するという欠点があった。
近年、ポリマー膜を電解質溶液で膨潤させた、いわゆるゲル状電解質が携帯電話やパソコン等の電気化学ディバイスに適用され始めている。このゲル状電解質は、電解液が固形化されているため漏洩する恐れがなく、かつ、イオン伝導率も改善され、例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)系ゲル状電解質(特許文献2)や、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)系ゲル状電解質(特許文献3)が提案されている。
しかしながら、これらのゲル状電解質は、いずれも、有機溶媒を用いた電解液をポリマーマトリックス中に含有させているため、熱安定性が溶媒種に依存してしまい、耐熱温度は約200℃程度であり、耐熱性が不十分であるという解決すべき課題が残されていた。
特開平4−349365号公報 特開2001−93575号公報 特開平9−22727号公報
本発明の目的は、アルミニウムやステンレス等の金属材料に対する腐食性がなく、イオン伝導度が高く、熱安定性に優れたゲル状電解質及びその製造方法を提供することである。
本発明者は、鋭意検討をおこなった結果、特定のポリマーマトリックス中に常温溶融塩及びリチウム塩を含有させたゲル状電解質が、高いイオン伝導度を有しかつ熱安定性に優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、一般式〔1〕で表される二官能性アクリルエステル化合物群から選ばれる少なくとも1種と(メタ)アクリル酸エステル化合物群から選ばれる少なくとも1種とを共重合させてなるポリマーマトリックス中に、常温溶融塩及びリチウム塩を含有させてなることを特徴とするゲル状電解質である。
Figure 2005327648
一般式〔1〕中、R及びRはそれぞれ独立して水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表し、AOは炭素数2〜20のオキシアルキレン基を、nは1〜200の正整数を表す。
また、本発明は、常温溶融塩が、下記一般式〔2〕で表されるN−アルコキシアルキル脂環式アンモニウム塩であることを特徴とするゲル状電解質である。
Figure 2005327648
一般式〔2〕中、R及びRはそれぞれ独立して炭素数1〜8のアルキル基を表し、Yは酸素原子またはメチレン基を表し、XはBF 、PF 、CFSO 、CSO 、(CFSO、(CSO、(CFSOまたは(CSOを表し、nは0または1の正整数を表し、mは0から6の正整数を表す。
また、本発明は、リチウム塩が、LiBF、LiPF、LiCFSO、LiCSO、LiN(CFSO、LiN(CSO、LiC(CFSO及びLiC(CSOからなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とするゲル状電解質である。
さらに、本発明は、一般式〔1〕で表される二官能性アクリルエステル化合物群から選ばれる少なくとも1種と(メタ)アクリル酸エステル化合物群から選ばれる少なくとも1種とを、常温溶融塩、リチウム塩及び重合開始剤存在下で、加熱共重合させることを特徴とするゲル状電解質の製造方法である。
本発明のゲル状電解質は、二官能性アクリルエステル化合物群から選ばれる少なくとも1種と(メタ)アクリル酸エステル化合物群から選ばれる少なくとも1種とを共重合させてなるポリマーマトリックス中に、N−アルコキシアルキル脂環式アンモニウム塩からなる常温溶融塩及びリチウム塩が十分に含有されてなり、金属材料に対する腐食性がなく、イオン伝導度が高く、熱安定性に優れたゲル状電解質を提供することができる。
また、本発明のゲル状電解質の製造方法によれば、二官能性アクリルエステル化合物群から選ばれる少なくとも1種と(メタ)アクリル酸エステル化合物群から選ばれる少なくとも1種とを、常温溶融塩、リチウム塩及び重合開始剤存在下で、加熱共重合させることにより、上記電解質を容易に製造することができる。
本発明のゲル状電解質について、以下、詳細に説明する。
本発明のゲル状電解質は、一般式〔1〕で表される二官能性アクリルエステル化合物群から選ばれる少なくとも1種と(メタ)アクリル酸エステル化合物群から選ばれる少なくとも1種とを共重合させてなるポリマーマトリックス中に、常温溶融塩及びリチウム塩を含有させてなるものであり、一般式〔1〕中、R及びRはそれぞれ独立して水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表し、AOは炭素数2〜20のオキシアルキレン基を、nは1〜200の正整数を表す。
上記二官能性アクリルエステル化合物群は、一般式〔1〕で表される官能基を2つ有するアクリルエステル化合物であり、該式中、R及びRが炭素数6超のアルキル基では、常温溶融塩及びリチウム塩との相溶性が悪化し、ポリマーマトリクス中に常温溶融塩及びリチウム塩が保持できずにしみ出るなどの不都合が発生する場合がある。また、AOは、炭素数2〜20のオキシアルキレン基、好ましくは炭素数2〜10のオキシアルキレン基であり、AOが炭素数20超では、(メタ)アクリル酸エステル化合物との相溶性が悪化し、不都合である。また、nは、1〜200、好ましくは1〜50の正整数であり、nが200を超える場合、二官能性アクリルエステル化合物の粘性が上昇し、固体状態となるため、取り扱い難くなる。
二官能性アクリルエステル化合物群としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ジ(1,4−ブタンジオール)ジ(メタ)アクリレート、トリ(1,4−ブタンジオール)ジ(メタ)アクリレート、ポリ(1,4−ブタンジオール)ジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジ(1,6−ヘキサンジオール)ジ(メタ)アクリレート、トリ(1,6−ヘキサンジオール)ジ(メタ)アクリレート、ポリ(1,6−ヘキサンジオール)ジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ジ(1,9−ノナンジオール)ジ(メタ)アクリレート、トリ(1,9−ノナンジオール)ジ(メタ)アクリレート、ポリ(1,9−ノナンジオール)ジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ジ(1,10−デカンジオール)ジ(メタ)アクリレート、トリ(1,10−デカンジオール)ジ(メタ)アクリレート、ポリ(1,10−デカンジオール)ジ(メタ)アクリレート等の公知化合物があげられ、これらの化合物群から選ばれる少なくとも1種が用いられる。
(メタ)アクリル酸エステル化合物群としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、n−ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル−ジグリコール(メタ)アクリレート、エチレングリコール(メタ)アクリレート、ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコール(メタ)アクリレート等の公知化合物があげられ、一般式〔1〕に示す二官能性アルキルエステル化合物と混合し、相分離しない化合物であればこれらに限定されるものではなく、これらの化合物群から選ばれる少なくとも1種が用いられる。
上記(メタ)アクリル酸エステル化合物群の中でも、粘性やゲル状電解質のイオン伝導度を考慮すると、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、エチレングリコール(メタ)アクリレート、ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレートが好ましい。
本発明のゲル状電解質に用いられるポリマーマトリックスは、上記一般式〔1〕で表される二官能性アクリルエステル化合物から選ばれる少なくとも1種と(メタ)アクリル酸エステル化合物群から選ばれる少なくとも1種とを共重合させてなり、両者の配合量としては、(メタ)アクリル酸エステル化合物100質量部に、二官能性アクリルエステル化合物が0.1〜70質量部、より好ましくは1〜40質量部となるように配合させる。二官能性アクリルエステル化合物の配合量が0.1質量部未満の場合、ゲル化しない、またはゲルが脆弱となり、不都合であり、また、70質量部超ではゲル硬度が高くなり、常温溶融塩及びリチウム塩の保持能が劣り、不都合である。
上記ポリマーマトリックスは、二官能性アルキルエステル化合物から形成される架橋性ポリマーと(メタ)アクリル酸エステル化合物とを共重合させることにより、密度が高くなり過ぎることなく、かつ、十分な強度を有するゲルを得ることができ、該ゲルは、常温溶融塩及びリチウム塩の保持能が高く、高いイオン伝導度を有し、熱安定性に優れるゲル状電解質である。
本発明のゲル状電解質は、上記ポリマーマトリックスに常温溶融塩及びリチウム塩を含有させてなり、該常温溶融塩としては、前記一般式〔2〕で表されるN−アルコキシアルキル脂環式アンモニウム塩が用いられる。
一般式〔2〕中、N−アルコキシアルキル脂環式アンモニウム塩を形成するR及びRはそれぞれ独立して炭素数1〜8のアルキル基を示し、好ましくは炭素数1〜4のアルキル基である。該アルキル基が炭素数8超の場合には、常温溶融塩の粘度が上昇して取扱難くなる。また、Yは酸素原子又はメチレン基を示し、好ましくはメチレン基であり、nは0または1を表し、mは0から6の正整数を表す。これらの常温溶融塩は、単独で用いてもよく、2種以上混合して用いてもよい。
上記N−アルコキシアルキル脂環式アンモニウムカチオンの具体例としては、例えば、N−メトキシメチル−N−メチルピロリジニウムイオン、N−メトキシメチル−N−エチルピロリジニウムイオン、N−メトキシエチル−N−メチルピロリジニウムイオン、N−メトキシエチル−N−エチルピロリジニウムイオン、N−エトキシメチル−N−メチルピロリジニウムイオン、N−エトキシメチル−N−エチルピロリジニウムイオン、N−エトキシエチル−N−メチルピロリジニウムイオン、N−エトキシエチル−N−エチルピロリジニウムイオン、N−メトキシメチル−N−メチルピペリジニウムイオン、N−メトキシメチル−N−エチルピペリジニウムイオン、N−メトキシエチル−N−メチルピペリジニウムイオン、N−メトキシエチル−N−エチルピペリジニウムイオン、N−エトキシメチル−N−メチルピペリジニウムイオン、N−エトキシメチル−N−エチルピペリジニウムイオン、N−エトキシエチル−N−メチルピペリジニウムイオン、N−エトキシエチル−N−エチルピペリジニウムイオン、N−メトキシメチル−N−メチルモルホリニウムイオン、N−メトキシメチル−N−エチルモルホリニウムイオン、N−メトキシエチル−N−メチルモルホリニウムイオン、N−メトキシエチル−N−エチルモルホリニウムイオン、N−エトキシメチル−N−メチルモルホリニウムイオン、N−エトキシメチル−N−エチルモルホリニウムイオン、N−エトキシエチル−N−メチルモルホリニウムイオン、N−エトキシエチル−N−エチルモルホリニウムイオンなどがあげられ、特に限定されない。
また、一般式〔2〕中、アニオン成分Xは、BF 、PF 、CFSO 、CSO 、(CFSO、(CSO、(CFSOまたは(CSOを表す。
本発明に用いられる常温溶融塩は、上記N−アルコキシアルキル脂環式アンモニウムカチオンとアニオン成分Xとからなり、これらの塩は、単独で用いてもよく、2種以上混合して用いてもよい。なお、本発明における常温溶融塩は、常温において少なくとも一部が液状を呈する塩である。ここで、常温とは、通常、電気化学デバイスが作動すると想定される温度範囲、すなわち、上限が60〜100℃、下限が−50〜−20℃の範囲である。
また、本発明に用いられるリチウム塩は、LiBF、LiPF、LiCFSO、LiCSO、LiN(CFSO、LiN(CSO、LiC(CFSO及びLiC(CSOからなる群から選ばれる少なくとも1種である。
本発明のゲル状電解質中の上記リチウム塩及び常温溶融塩の合計含有量は、60〜99質量%、好ましくは80〜99質量%となる範囲であり、該含有量が60質量%未満の場合、電解質濃度が低く電気抵抗が高くなり、不都合であり、また99質量%超では、ポリマーマトリクス成分が少なくなり、ゲル体を形成できず、不都合である。
上記常温溶融塩及びリチウム塩は、アルミニウム、ステンレス等の金属材料に対する腐食性がなく、熱安定性に優れ、かつイオン伝導性が高いという特徴を有している。
次に、本発明のゲル状電解質の製造方法について、以下に説明する。
本発明のゲル状電解質は、一般式〔1〕で表される二官能性アクリルエステル化合物群から選ばれる少なくとも1種と(メタ)アクリル酸エステル化合物群から選ばれる少なくとも1種とを、常温溶融塩、リチウム塩及び重合開始剤存在下で、加熱共重合させて製造することができる。
上記重合開始剤としては、特に限定されるものではないが、有機過酸化物、アゾ化合物等から選ばれるラジカル開始剤が用いられる。例えば、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソバレロニトリル、ベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、メチルエチルケトンパーオキシド、ビス−(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネート、t−ブチルパーオキシネオデカネートがあげられる。
重合温度は、重合開始剤の半減期温度、あるいは、二官能性アクリルエステル化合物や(メタ)アクリル酸エステルの沸点、分解温度を超えない温度で適宜選択でき、好ましくは40〜120℃である。
上記条件下で製造されたゲル状電解質は、ポリマーマトリックスに常温溶融塩及びリチウム塩が十分に保持され、高いイオン伝導度を有し、熱安定性に優れたゲル状電解質である。
以下、本発明の実施形態を、実施例に基づいて説明する。実施例中、「%」は「質量%」を表す。なお、本発明は実施例によりなんら限定されない。
実施例1
アルゴン雰囲気に保ったグローブボックス中で、二官能性アクリルエステル化合物としてポリエチレングリコールジメタアクリレート(分子量1000)(以下、「PEGDMA」と略記する。)1.5%、(メタ)アクリル酸エステル化合物としてメトキシエチルアクリレート(以下、「MOEA」と略記する。)8%、重合開始剤としてt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネート(以下、「BPEH」と略記する。)0.5%、及びLiN(CFSOを1.5mol/L溶解させたN−メトキシエチル−N−メチルピロリジニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド(以下、「MEMP−TFSI」と略記する。)からなる常温溶融塩90%の配合比となるように混合し、均一な溶液を得た。
得られた溶液を、ガラス基板上に塗工し、温度80℃で3時間加熱共重合させた後、剥離することによって、厚さ1mmの膜状のゲル状電解質を得た。
このゲル状電解質を、外径20mmφ×内径15mmφ×厚さ1mmのポリテトラフルオロエチレン製スペーサーに内接するように保持した後、研磨した二枚のステンレス電極で挟み込み、ゲル状電解質の電気特性測定用サンプルを作製した。
上記サンプルを、恒温槽中、LCRメーター(日置電機(株)製)を使用して、周波数範囲0.01〜100kHz、温度範囲−10〜100℃、セルインピーダンスの発振レベル0.5Vに設定して、イオン伝導度を測定した。30℃におけるイオン伝導度は9.8×10−4S/cmであった。
また、得られたゲル状電解質を用い、温度200℃まで昇温させる熱重量分析(以下、「TG分析」と略記する。)をおこなった結果、ゲル状電解質の重量減少は認められなかった。ゲル状電解質組成及び評価結果を表1に示す。
実施例2
実施例1において、二官能性アクリルエステル化合物としてエチレングリコールジメタアクリレート(以下、「EGDMA」と略記する。)5%、(メタ)アクリル酸エステル化合物としてジエチレングリコールメタアクリレート(以下、「DEGMA」と略記する。)5%、及びLiCFSOを1.5mol/L溶解させたN−メトキシエチル−N−エチルピロリジニウムトリフルオロスルホネート(以下、「MEEP−CFSO」と略記する。)からなる常温溶融塩89.5%を用いた以外は、実施例1と同様にして表1に示す組成のゲル状電解質を得、また、実施例1と同様にして電気特性測定用サンプルを作製し、温度30℃におけるイオン伝導度を測定した結果、8.3×10−4S/cmであった。また、実施例1と同様にしてTG分析をおこなったが、ゲル状電解質の重量減少は認められなかった。結果を表1に示す。
実施例3
実施例1において、二官能性アクリルエステル化合物として1,9−ノナンジオールアクリレート(以下、「NDOA」と略記する。)0.5%を用いた以外は実施例1と同様にして表1に示す組成のゲル状電解質を得、また、実施例1と同様にして電気特性測定用サンプルを作製し、温度30℃におけるイオン伝導度を測定した結果、7.3×10−4S/cmであった。また、実施例1と同様にしてTG分析をおこなったが、ゲル状電解質の重量減少は認められなかった。結果を表1に示す。
比較例1
実施例1において、二官能性アクリルエステル化合物としてEGDMA80%、(メタ)アクリル酸エステル化合物としてMMA1%、重合開始剤としてBPEH0.5%、及びLiN(CFSOを3mol/L溶解させたMEMP−TFSIからなる常温溶融塩18.5%を用いた以外は、実施例1と同様にして表1に示す組成のゲル状電解質を得た。このゲル状電解質は、常温溶融塩及びリチウム塩の合計含有量が、約18%と低配合品である。
上記電解質膜を用いて、実施例1と同様にして電気特性測定用サンプルを作製し、温度30℃におけるイオン伝導度を測定した結果、1.2×10−5S/cmであった。また、実施例1と同様にしてTG分析をおこなったが、ゲル状電解質の重量減少は認められなかった。結果を表1に示す。
比較例2
二官能性アクリルエステル化合物としてEGDMA0.5%、(メタ)アクリル酸エステル化合物としてMMA14%、重合開始剤としてBPEH0.5%、及びLiN(CFSOを3mol/L溶解させたMEMP−TFSIからなる常温溶融塩30%、有機溶媒としてγ−ブチロラクトン(以下、「GBL」と略記する。)55%を混合し、均一な溶液とした。
得られた溶液を、ガラス基板上に塗工し、温度90℃で12時間加熱共重合させた後、剥離することによって、厚さ1mmのゲル状電解質を得た。このゲル状電解質は、有機溶媒が55%含有されてなるものである。
上記電解質膜を用いて、実施例1と同様にして電気特性測定用サンプルを作製し、温度30℃におけるイオン伝導度を測定した結果、7.9×10−4S/cmであった。また、実施例1と同様にしてTG分析をおこなったが、ゲル状電解質は50%の重量減少が認められた。結果を表1に示す。
Figure 2005327648
表1に示すように、本発明の実施例1〜3のゲル状電解質は、イオン伝導度が高く、温度200℃においても重量変化がなく、耐熱性に優れていることがわかる。これに比べて、常温溶融塩及びリチウム塩の合計含有量が低い比較例1のゲル状電解質は、イオン伝導度が低く、また有機溶媒を55%含有する比較例2のゲル状電解質は、イオン伝導度は高いものの、温度200℃において50%の重量減少が認められた。
本発明のゲル状電解質は、二官能性アクリルエステル化合物群から選ばれる少なくとも1種と(メタ)アクリル酸エステル化合物群から選ばれる少なくとも1種とを共重合させてなるポリマーマトリックス中に、N−アルコキシアルキル脂環式アンモニウム塩からなる常温溶融塩及びリチウム塩が十分に含有されてなり、アルミニウムやステンレス等の金属材料に対する腐食性がなく、イオン伝導度が高く、熱安定性に優れたゲル状電解質であり、リチウム二次電池、エレクトロクロミック表示素子、湿式光電池、コンデンサ、電気二重層キャパシタなどの電気化学デバイス用電解質として好適である。



Claims (6)

  1. 一般式〔1〕で表される二官能性アクリルエステル化合物群から選ばれる少なくとも1種と(メタ)アクリル酸エステル化合物群から選ばれる少なくとも1種とを共重合させてなるポリマーマトリックス中に、常温溶融塩及びリチウム塩を含有させてなることを特徴とするゲル状電解質。
    Figure 2005327648
    (式中、R及びRはそれぞれ独立して水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表し、AOは炭素数2〜20のオキシアルキレン基を、nは1〜200の正整数を表す。)
  2. ポリマーマトリックスが、(メタ)アクリル酸エステル化合物100質量部に、二官能性アクリルエステル化合物を0.1〜70質量部配合させてなることを特徴とする請求項1に記載のゲル状電解質。
  3. 常温溶融塩が、一般式〔2〕で表されるN−アルコキシアルキル脂環式アンモニウム塩であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のゲル状電解質。
    Figure 2005327648
    (式中、R及びRはそれぞれ独立して炭素数1〜8のアルキル基を表し、Yは酸素原子またはメチレン基を表し、XはBF 、PF 、CFSO 、CSO 、(CFSO、(CSO、(CFSOまたは(CSOを表し、nは0または1の正整数を表し、mは0から6の正整数を表す。)
  4. リチウム塩が、LiBF、LiPF、LiCFSO、LiCSO、LiN(CFSO、LiN(CSO、LiC(CFSO及びLiC(CSOからなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のゲル状電解質。
  5. ゲル状電解質中のリチウム塩及び常温溶融塩の合計含有量が60〜99質量%の範囲であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のゲル状電解質。
  6. 一般式〔1〕で表される二官能性アクリルエステル化合物群から選ばれる少なくとも1種と(メタ)アクリル酸エステル化合物群から選ばれる少なくとも1種とを、常温溶融塩、リチウム塩及び重合開始剤存在下で、加熱共重合させることを特徴とするゲル状電解質の製造方法。
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