JP4620960B2 - イタドリ根抽出物の精製法及びその精製物を含有する化粧料 - Google Patents

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Description

本発明は、イタドリ根に含まれるポリフェノール、特にスティルベン化合物であるレスベラトロールを選択的且つ効率良く濃縮・回収する方法、及びその精製物を配合してなる化粧料に関するものである。
バターや肉類などを多く使用するフランス料理を食べているにもかかわらずフランス人に動脈硬化を起因とする心臓病や癌での死亡率が低く、更に老人性痴呆症の発症率も低い(フレンチ・パラドックス)のは、フランス料理と共に赤ワインが常に飲まれているためであると言われ、赤ワイン中のポリフェノール類の抗酸化作用やLDL-コレステロールの低下作用がその一因と考えられている。赤ワイン中のポリフェノールとしては、アントシアニンやプロアントシアニジンの関与がよく知られているが、近年、ワインのポリフェノールの1種であるレスベラトロールの研究において、抗酸化活性、血小板凝集抑制活性、癌細胞に対する細胞毒性、エストロジェニック活性、神経保護作用、COX-2阻害活性などの有効性が確認されている。
更に、レスベラトロールは、コレステロールであるLDL-コレステロールの酸化阻害による動脈硬化予防効果、痴呆症やアルツハイマー症予防効果を示すことにより注目を集めている。
また、外用の効果として、コラーゲン合成を刺激する薬剤として、レスベラトロールを提示している。更に、ポリヒドロキシスチルベンの構造を有する化合物は美白効果を有するため美白化粧料への配合が提案されている。
レスベラトロールは、赤ワインや赤ブドウ果汁に含まれていることが知られている。しかし、ブドウやワインにおけるレスベラトロール含量は低く、和田らの分析(非特許文献3記載)では、果実2.3μg/g、種子15.20μg/g、果皮0.20μg/g、赤ワイン3.42μg/mL、白ワイン0.39μg/mL、果汁0.2〜0.87μg/mLである。
また、レスベラトロールは、ブドウのほか、ラッカセイやイタドリに含まれていることが知られている。ラッカセイにおいて、種子中に0.089〜0.147μg/g、種皮中に5.55〜6.91μg/g含まれている。本発明者らは、イタドリ根乾燥物中にレスベラトロールが3〜6mg/gという高濃度を含有していることを確認した。その濃度は、ブドウやワインに比べて1000倍近い数値を示した。しかし、抽出液にはアントラキノン系の化合物を含有するため、着色が濃く、化粧料などの製剤への配合には限界があった。
レスベラトロールを有効な量を配合することは、ブドウ果皮や葉から抽出するとしても、大量のブドウ果皮や葉が必要であるため、レスベラトロール含有量が多いイタドリ根を利用することが好ましい。しかし、イタドリ根抽出液は、共存しているアントラキノン類(Polygonin、Emodin、Emodinmonomethyleher、Chrysophanolなど)による着色が濃く、精製せずに有効量の配合は困難であった。このようなことからレスベラトロールを選択的に高濃度化することが望まれていた。ここで,理論的には吸着樹脂を使用し,極性の比較的低い物質を吸着し,溶媒を使用し選択的に溶出することが考えられるが,樹脂塔の建設や吸着樹脂が必要であり,コストが高くなる難点がある。従来,レスベラトロールを植物材料から安価に,選択的濃縮・回収する方法は知られていなかった。
レスベラトロールの回収方法として、ワインやブドウ果汁に酵母を接触させる方法でレスベラトロールがワイン中より400倍近い濃度に濃縮されることを考案している。しかし、その菌体当たりの濃度は122μg/gのものが出来ているが、果汁100Lから得られる菌体は2600gであり、菌体に対するレスベラトロール濃度は高いものの25Lの果汁からは基質とするワインやブドウ果汁中の初期濃度に依存するため、0.32gのレスベラトロールを得たに過ぎず、更に高濃度・高収率・高選択率でレスベラトロールを得る方法が期待されている。
特開平11−322577号公報 特許第2502318号公報 「化学と生物、Vol.41、No.4、p232〜239(2003)」 「食品と開発、Vol.36、No.3、p50〜53」」 「日本家政学会誌、Vol.51、No.3、p235-240(2000)」 「果樹試報、Vol.34、p1〜15(2000)」 「日本食品科学工学会誌、Vol.50、No.12、p570〜573(2003)」
イタドリ根に多量に存在するスティルベン化合物であるレスベラトロールを,安価に選択的且つ効率良く濃縮・回収することが,本発明の課題である。
本発明者は,種々の精製法を検討した結果、イタドリ根抽出物を細孔直径のピークが25〜40Å付近の活性炭に吸着させ低級アルコールや酢酸エチルなどの極性溶媒で脱離させることにより、レスベラトロールの選択的な脱離を用いて、レスベラトロールの高収率で、着色成分を高率で除去できることを見出すことにより本発明に到達した。
即ち,本発明はイタドリ根を25〜60%アルコール溶液で抽出し、25〜60%アルコール濃度で細孔直径のピークが25〜40Å付近の活性炭に吸着させ、次いで、80%以上の低級アルコール溶液又は酢酸エチルで吸着分を脱離することを特徴とする。
本発明により,抗酸化性が高く,抗癌性,動脈硬化予防効果,血栓症予防効果が高く,皮膚に対してコラーゲン産生能や美白作用などの有効性を有するレスベラトロールがイタドリ根から安価で且つ、容易に選択的に抽出することが可能になり、化粧料や栄養補助食品など広い応用が期待される。
イタドリ根に多量に存在するスティルベン化合物であるレスベラトロールを、選択的且つ効率良く濃縮・回収し、しかも安価に精製し、その精製物を配合した抗シワ用外用剤を実現した。
以下に,本発明を詳細に説明する。本発明に用いる事が出来るイタドリ(Reynoutria japonica Houtt.var.japnica)は、タデ科で日本全土のよく日のあたる乾燥した土手や道ばたに生育する多年草である。筍状の赤い若芽を塩でもみ、生食、味噌和えなどにして食べる。薬用としては根が用いられ、虎杖根と言われている。レスベラトロールを含有するハチジョウイタドリ(Reynoutria japonica Houtt.var.terminalis Honda)やオオイタドリ(Reynoutria sachalinensis Nakai)などイタドリ属植物であれば、特に限定されない。
レスベラトロールのイタドリ根からの抽出は、含水メタノール、含水エタノール及び含水プロパノールや含水1,3-ブチレングリコールなどで可能であるが、化粧料や食品への使用を考えると含水エタノールや含水1,3-ブチレングリコールが好ましい。含水率は、0〜99%まで利用でき、特に限定されないが、抽出液のろ過状態やレスベラトロールの抽出率から、含水率は30〜80%が好ましく、特に40〜75%が好ましい。また、抽出温度は0〜30℃で2日以上若しくは、約60℃で、3〜5時間で抽出は十分可能である。
本発明の活性炭は、木粉(おがくず)、ヤシ殻、石炭、ピッチ、コークスなどの植物質や鉱物質の各種炭素質材料を炭化し、賦活することによって製造される。内部に無数の微細孔を有し、その面積は1g あたり約800 〜1800m2にも及び、この無数の微細孔が気相、液相中の物質の異臭を吸着する。製造方法には、塩化亜鉛法(薬品賦活法)、水蒸気法,造粒法、破砕法などがある。水蒸気法は、出発原料を炭化後,賦活性ガス(水蒸気、炭酸ガス、空気など)を800 〜1000 ℃に昇温させ、ガス化反応によって多孔性構造を形成させる方法である。塩化亜鉛法は各種溶液に対する脱色力は大きい。粉状活性炭は,応用分野が広い。その中で、染色中間物、写真薬、めっき、クリーニング、油脂などに使われる工業薬品用途が35 %程度を占め、もっとも多くなっている。次いで、上・下水道,排水処理などの水処理用途が30 %強を占めている。その他としては、アミノ酸脱色用、水あめ・ブドウ糖等のデンプン糖脱色用、医薬品(抗生物質等の医薬品精製用)、清酒・合成酒の醸造用、食品工業などの用途で使用されている。
水蒸気法による微細孔は、15〜25Åの細かい細孔が形成されるといわれる。その活性炭として、日本エンバイアロケミカルズの白鷺A、白鷺C、白鷺M、白鷺Pや二村化学の太閤Kタイプや太閤Pタイプや太平化学産業の梅蜂印、MA印などがこれに相当する。それに対して、塩化亜鉛法(薬品賦活法)では、25〜40Å付近の比較的大きな細孔を持つ活性炭ができる。日本エンバイアロケミカルズのカルボラフィン、強力白鷺、精製白鷺、特製白鷺や二村化学の太閤Sタイプがこれに相当する。
本発明における活性炭への吸着は、通常の吸着作用に依存し、エタノールなどの低級アルコール濃度が低いほうが、レスベラロールの吸着率は高い。低級アルコール濃度が、高くなれば接触させる活性炭量を増やすことによってレスベラトロールの吸着を向上させることができる。そして、本発明では、吸着力が高いと脱離量が少なくなる為、吸着時のエタノール等の低級アルコール濃度は、0〜80%が好ましく、更に、25〜60%が特に好ましい。吸着に要する時間は、室温でも30分以上緩く攪拌すれば十分である。
本発明における活性炭からのレスベレトロールの選択的な脱離は、80%以上のエタノールなどの低級アルコール水溶液から酢酸エチルのような有機溶媒を用いても選択的な脱離は可能である。
また、上記の方法にて得られたイタドリ根抽出物質由来のレスベラトロールの化粧品への配合料は、有効量であれば特に制限は無く、乾燥重量として0.0001重量%〜1重量%が好ましく、更に好ましくは0.001重量%〜0.1重量%である。
以下,実施例を示し,本発明を更に具体的に説明するが,本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実験例1:イタドリ根からのレスベラトロール抽出
イタドリ根(新和物産)30gに対して300mLの溶媒を加えて抽出を行なった。溶媒として30%、50%、70%、90%エタノール溶液及び50%メタノールを用いた。レスベラトロールの定量のため、室温放置は、1、3、5、7、9日目に一部を取り出し、50℃放置は、3、5時間後に一部を取り出した。ろ過(ADVANTEC No.131)後、溶液を分析用試料とした。
<分析条件>
カラム:DAISOPAK SP-120-5-ODS-BP
溶出液:アセトニトリル/リン酸緩衝液(pH2.6)=3/7
流速:1.0ml/min
検出器:UV310nm
注入量:5mL
表1、2より、アルコール濃度は、50〜70%で収率良くレスベラトロールが抽出されている。また、アルコールの種類にはあまり影響ない。ろ過状態は、アルコール濃度が高くなるとスムーズである。化粧料や経口製品に利用を考えると50〜70%エタノールによる抽出が好ましいことが判明した。
図1に示した液体クロマトグラフチャートで、ピーク5がレスベラトロールであり、ピーク6が437nmにも吸収を有する着色成分であり、液体クロマトグラフでもこのように保持時間が近く、分離が困難であることが伺われる。
実験例2:ダイアイオンHP-20(三菱化学)カラムによる精製
イタドリ根の20gをエタノール200mLで1週間抽出を行ったイタドリ根エタノール抽出液40mLに水60mLを加えたものを40v/v%エタノール溶液で平衡化したHP-20(φ=20mm、h=400mm)カラムに供した。40v/v%、60v/v%そして95v/v%のエタノール溶液(各300mL)で順じ溶出を行い、溶媒を留去後、50v/v%エタノール40mLに溶解した。
実験例3:DMS(ジメチルクロルシラン被覆シリカ)(富士シリシア化学)カラムによる精製
イタドリ根の20gをエタノール200mLで1週間抽出を行ったイタドリ根エタノール抽出液40mLに水60mLを加えたものを40v/v%エタノール溶液で平衡化したDMS(φ=20mm、h=300mm)カラムに供した。40v/v%、60v/v%そして95v/v%のエタノール溶液(各300mL)で順じ溶出を行い、溶媒を留去後、50v/v%エタノール40mLに溶解しHPLC試料溶液とした。次いで、上記エタノール抽出物20mLに80mLを加えたものを20v/v%エタノール溶液で平衡化したDMS(φ=20mm、h=300mm)カラムに供した。20v/v%、30v/v%(溶出前半部、後半部に分けて分取した)そして40v/v%のエタノール溶液(各300mL)で順じ溶出を行い、溶媒を留去後、50v/v%エタノール40mLに溶解した。
実験例4:ODS(オクタデシルシラン被覆シリカ)(富士シリシア化学)カラムによる精製
イタドリ根の20gをエタノール200mLで1週間抽出を行ったイタドリ根エタノール抽出液20mLに80mLを加えたものを20v/v%エタノール溶液で平衡化したODS(φ=20mm、h=300mm)カラムに供した。20v/v%、30v/v%そして40v/v%のエタノール溶液(各300mL)で順じ溶出を行い、溶媒を留去後、50v/v%エタノール20mLに溶解した。
表3より、HP-20では、60%エタノール、DMSでは30%エタノール、ODSでは40%エタノール溶出画分に集中していた。しかし、着色成分も同じ溶出画分に見られた。従来、分離が困難な成分に関しては、ODSカラムなどを用いる場合が多いが、これらの方法では、選択的な分離は困難であることが判明した。ここで、特開平10−120546でイタドリ抽出液よりDAIAION HP-20を用いて、精製を行い、40%エタノール溶出画分に美白作用の強い成分を得るとしているが、発明者らの検討では、レスベラトロールは60%エタノールで溶出しており、成分的には異なることを示している。
実験例5:DMSカラムでフラクションコレクターを用いた分画
イタドリ根の30%エタノール室温抽出物100mLに精製水50mLを加え(抽出液中のエタノール濃度を20%にする)、ろ過したものをクロマトレックスDMSカラム(50g、φ=20mm、330mm)に供した。カラムは、エタノールで洗浄後、20%エタノールで平衡化した。試料を通し、次いで300mLの20%エタノールを通した。30%エタノール300mLで溶出する部分を約10mLずつ分取した。
図2に示したように、310nmで示したレスベラトロールと437nmで示した着色成分のピークは、ほとんど一致しておりレスベラトロールと着色成分の選択的分離が困難である。
実験例6:活性炭に対するレスベラトロールの吸着
イタドリ根抽出液70%エタノール抽出液に水を加えてエタノール濃度10〜35%の溶液を調製した。イタドリ根70%エタノール抽出液を等量の水で調製した35%エタノール液に対して1%量のMA印活性炭(太平化学産業)を加えた。その他の希釈倍率に関しては、35%エタノールの固形分:活性炭量に相当する量の活性炭を添加した。室温下、ときどき攪拌し、30分後にろ過を行い、レスベラトロール量をHPLCにて測定した。
表4の結果より、未吸着のレスベラトロールは、エタノール濃度が低くなるほど低下する。すなわち、エタノール濃度が低くなるほど活性炭へのレスベラトロールの吸着能は高くなることを示している。
実験例7:25%エタノールで吸着させた活性炭からの吸着・脱離
イタドリ根50%エタノール抽出液25mLに等容量の水を加えて、25%エタノール濃度とし、1%に当たる活性炭(太平化学製MA印)を加え、30分間吸着させ、各種濃度のエタノール溶液50mLで連続的に吸着分を溶出した。
表5の結果より、エタノール濃度を増やしていく毎にレスベラトロールの抽出率は増加する傾向示したが、すべての溶出分を合わせても総回収率は33.3%しかなく、十分な回収率とは言いがたい。
実験例8:25%エタノールで吸着させた活性炭からの吸着・脱離
イタドリ根50%エタノール抽出25mLに等容量の水を加えて、25%エタノール濃度とし、各種活性炭を1%投入し、30分間吸着させ、25%エタノール25mLで洗浄、99.5%エタノール又は酢酸エチルで抽出した。
表6より、MA印及び白鷺Aにレスベラトロールは良く吸着するが、脱離は十分でなく、レスベラトロールの回収率は低かった。粒状白鷺KLは、レスベラトロールの吸着もこの割合では、十分ではなく、それによって脱離して得られるレスベラトロールの回収率は十分ではなかった。それに対して、カルボラフィンと太閤S1000は、レスベラトロールを良く吸着し、脱離も良く、それによってレスベラトロールの回収率は高くなった。回収率の低かったMA印と白鷺Aと回収率の高かったカルボラフィンと太閤S1000との違いは、細孔サイズが前者は平均20くらいで、後者は平均30くらいで細孔サイズが大きい活性炭がイタドリ根抽出液からレスベラトロールを選択的に精製に有効であることが判明した。
実験例9:50%エタノールで吸着させた活性炭からの吸着・脱離
イタドリ根50%EtOH抽出に各種活性炭を各種条件で投入後、50%EtOHで洗浄後、95%エタノールで抽出した。
表7より、イタドリ根50%エタノール抽出液は、表5と同じように細孔サイズの小さな活性炭では、回収率が低く、細孔サイズが大きい活性炭で回収率が高かった。細孔サイズの大きい活性炭であるカルボラフィンを用い、活性炭量の検討を行った結果、6%以上では活性炭からのレスベラトロールの脱離が悪く、1、2%では吸着量が少なく、3〜4%の活性炭量が好ましいことが判明した。
レスベラトロールの回収率と選択性の確認
実験例10:イタドリ根300gを50%エタノール3000mLで室温下、4日間抽出した。ろ過(ADVANTEC
No.131)でろ過を行い、ろ液(2800mL(2.542kg))を得た。活性炭(太閤FC)84gを投入し、室温下、30分間、緩く攪拌した後、ろ過、(ADVANTEC No.131)した後、50%エタノール1500mLで洗浄した。ろ過残査に95%エタノール2000mLを加え、10分間放置した後、ろ過(ADVANTEC
No.131)を行い、95%エタノール2000mLで更に2回洗浄した。ろ液を集め、ろ過(MF:0.45μm)を行った。溶媒を留去し、50%エタノール3000mLに溶解した。
実験例11:イタドリ根100gを50%エタノール1000mLで室温下、4日間抽出した。ろ過(ADVANTEC
No.131)を行い、ろ液(933mL(0.847kg))を得た。等量の水を加え、室温下、1日放置後、ろ過(ADVANTEC No.131)を行った。活性炭(太閤FC)18.7gを投入し、室温下、30分間、緩く攪拌した後、ろ過、(ADVANTEC No.131)した後、50%エタノール1500mLで洗浄した。ろ過残査に95%エタノール1500mLを加え、10分間放置した後、ろ過(ADVANTEC
No.131)を行い、95%エタノール1500mLで更に2回洗浄した。ろ液を集め、ろ過(MF:0.45μm)を行った。溶媒を留去し、50%エタノール1000mLに溶解した。

表8に示したように実験例10は、レスベラトロールの回収率が約60%、実験例11の回収率が75.4%と良好な結果を得た。着色に関しては、未処理に対して、実験例10は約40分の1に、実験例11は約20分の1になっており、安価であるにもかかわらず、選択的な精製が可能となった。また、特開2001−8695では、果汁から回収されたのレスベラトロールは約13mg/kgであるのに対して、当該特許ではイタドリ根から回収されたレスベラトロールは抽出液中に約200mg/kg含有しており、乾燥イタドリ根から約2g/kgと高濃度を得ることができたことになる。
図3に実験例10:右、実験例11:中央、未処理抽出液:左の概観写真を示した。このように着色の軽減が十分なされていることがわかる。
実験例12:実使用における確認
男女20名に、処方例1及び実験例10で得た処理液を未処理のイタドリ根50%エタノール抽出液に置き換えた化粧水を塗布して使用性の評価を行った。
表9の結果から、未処理イタドリ根50%エタノール抽出液は、色・匂いとも評価はあまりよくないが、当該特許の精製を行った処理液を使用した処方例1は、非常に良好な評価を得ることができた。
<処方例1>化粧水
(重量%)
実験例10の処理液

20.0
ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(20E.0.) 1.5
1,3-ブチレングリコール
5.0
グリセリン 3.0
防腐剤・酸化防止剤
適量
香料
適量
精製水
残部
合計 100.0
<処方例2>化粧用クリーム (重量%)
実験例11の処理液
0.1
ミツロウ
2.0
ステアリルアルコール
5.0
ステアリン酸
8.0
スクワラン
10.0
自己乳化型グリセリルモノステアレート
3.0
ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.0.)
1.0
プロピレングリコール
5.0
水酸化カリウム
0.3
香料
適量
防腐剤・酸化防止剤
適量
精製水
残部
合計 100.0
<処方例3>乳液
(重量%)
実験例10の処理液
5.0

スクワラン
8.0

ワセリン
2.0

ミツロウ
0.5

ソルビタンセスキオレエート
0.8

ポリオキシエチレンオレイルエーテル(20E.0.)
1.2

カルボキシビニルポリマー
0.2

プロピレングリコール
0.5

水酸化カリウム
0.1

エタノール
7.0

香料
適量

防腐剤・酸化防止剤
適量

精製水
残部
合計 100.0
イタドリ根に多量に存在するスティルベン化合物であるレスベラトロールを,安価に選択的且つ効率良く濃縮・回収することができるため、これまで着色等の問題で配合量に制限のあった外用剤に応用が可能であり、化粧料への広範囲な適用が期待できる。
イタドリ根抽出物の液体クロマトグラフのチャート図。 レスベラトロールトイタドリ根抽出物の着色物の吸収ピークを比較した図。 未精製のイタドリ根抽出物と実施例の方法で精製したイタドリ根抽出物の着色状態を比較した図。(実施例10及び実施例11)

Claims (3)

  1. イタドリ根抽出物を含むエタノールと水の混液を細孔直径のピークが2.5〜4.0nmの活性炭に吸着させ、極性溶媒で脱離させることを特徴とするイタドリ根抽出物由来のレスベラトロール精製法。
  2. 活性炭への吸着時のアルコール濃度が25〜60%であることを特徴とする請求項1記載のイタドリ根抽出物由来レスベラトロール精製法。
  3. 活性炭からのレスベラトロールの脱離液が、80%以上の低級アルコール又は酢酸エチルであることを特徴とする請求項1または請求項2記載のイタドリ根抽出物由来レスベラトロール精製法。
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