JP5313544B2 - オリーブ果実精製法及び刺激緩和剤 - Google Patents

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Description

本発明は、皮膚における刺激緩和作用を有するオリーブ(Olea europaea)果実又は葉抽出物の着色を低減することにより、化粧料などに高配合が可能となるようにするものである。
化粧品は自然(紫外線や乾燥など)から皮膚や毛髪を守り、老化防止に心がけ、美しく年を重ね、快適な生活をエンジョイすることが主な目的である。そのために化粧品は、天然物、合成物、バイオ生産物など多岐の原料により構成される。皮膚に適用することから、当然安全性が確認された原料で構成されることになるが、個人差や季節によって刺激を感じる原料がないわけではない。例えば、界面活性剤は、洗浄成分や乳化剤として広く用いられるが、皮膚や粘膜に対する刺激性を有するという欠点がある。また、化粧品等に用いられる抗菌剤、防腐剤は製品の品質保持のために広く用いられるが、皮膚刺激性を有する。その他にも紫外線吸収剤、アルコール類、色素、香料、油脂、植物抽出物等、刺激性を有する成分が化粧品等の皮膚外用剤には多く含まれ、それらの中にも刺激性を有する成分も存在する。このような刺激性成分の刺激を緩和する目的で種々の抗炎症成分が、化粧品や医薬部外品等に配合されてきた。
従来、皮膚・頭皮の炎症を抑える目的、あるいは製品に配合される成分の刺激から皮膚・頭皮を保護する目的で、種々の抗炎症成分が化粧品や医薬部外品等に配合されてきた。しかし、これらの抗炎症成分は、作用が緩和であるために、少量では十分な効果が得られず、また、十分な効果を得るために配合量を多くすると、製剤設計上の制限が生じたり、一般に抗炎症成分は高価であるため不経済となるという問題があるのが現状であった。したがって、これらの問題点を克服する優れた成分を新たに提供することが求められていた。
近年、オリーブ果実より得られるオリーブオイル中のヒドロキシチロソールが炎症、アレルギーや動脈硬化に関与しているといわれるリポキシゲナーゼやシクロオキシゲナーゼを阻害する強い活性があることが報告されている。(非特許文献1)
発明者らは、オリーブ果実抽出物に刺激性成分の皮膚に対する刺激を緩和する作用を新たに見出した。しかし、有効濃度を化粧料に配合するためには、着色が強く、化粧料に広く汎用することが困難であるという問題点があった。そこで、効果を落とさず、着色成分を低減し、高配合可能とする技術が求められていた。
ここで、理論的には吸着樹脂を使用し、極性の比較的低い物質を吸着し、溶媒を使用し選択的に溶出することが考えられるが、樹脂塔の建設や吸着樹脂が必要であり、コストが高くなる難点がある。従来、ヒドロキシチロソールやチロソールをオリーブ果実抽出物から安価に、選択的に濃縮・回収する方法は知られていなかった。安価な方法として、着色成分を除くために活性炭を用いる方法があるが、一般な活性炭はその使用用途として、アミノ酸脱色用、水あめ・ブドウ糖のデンプン糖脱色用に使用されるように、水溶性の高い化合物の脱色に使用されることが知られているが、活性炭の吸着性は非極性物質とりわけ芳香族化合物に対する吸着性が強いことが特徴であり、ヒドロキシチロソールやチロソールのような芳香族化合物に関してはあまり利用されない。(非特許文献2)また、目的物を吸着させて極性の低い溶媒で溶出する方法が用いられることもある(特開2005−281179)が、この方法で目的物の十分な回収ができるとは限らず、溶出・溶媒除去という工程を踏むためコスト削減が十分であるとはいえない。
関谷敬三、食品工業、Vol.40、No.7、64-69(1997) 大岳望・鈴木昭憲・高橋信孝・室伏旭・米原弘 共著「物質の単利と精製」 財団法人東京大学出版会1986年10月25日6刷 p.68-69 特開2005−281179
刺激緩和作用を下げることなく、オリーブ(Olea europaea)果実又は葉抽出物の着色を低減することにより化粧料などに高配合が可能となるようにすることが、本発明の課題である。
通常、活性炭は非極性物質とりわけ芳香族化合物に対する吸着性が強いとされており、芳香族化合物であるチロソールやヒドロキシチロソールは活性炭に吸着され易い成分であると思われる。
しかしながら、本発明者は種々の検討を行った結果、特定の細孔直径のピークを持つ活性炭を使用し、親水性溶媒と水の混液を用いることにより、チロソールやヒドロキシチロソールを除去することなく、着色を低減させることを見出した。
すなわち、オリーブ(Olea europaea)果実又は葉をエタノールなどの親水性溶媒と水の混液で抽出し、もしくは、オリーブ(Olea europaea)果実又は葉抽出物をエタノールなどの親水性溶媒と水の混液に溶解し、細孔直径のピークが25〜40Å付近の活性炭で、処理することにより溶液の着色は低減させ、COX阻害作用を有するチロソール及びヒドロキシチロソール含量に影響を与えないことを見出すことにより本発明に到達した。
即ち,本発明はオリーブ果実又は葉を10〜80%アルコール溶液で抽出し、アルコールもしくは水を調節し、アルコール濃度を30〜70%に調整し、細孔直径のピークが25〜40Å付近の活性炭で処理することを特徴とする。
本発明により,刺激緩和作用を有するオリーブ(Olea europaea)果実又は葉抽出物から、親水性溶媒に溶解し、細孔直径のピークが25〜40Åの活性炭で処理することにより、簡便で且つ、安価に精製することが可能になった。そのときの着色は5分の1以下に低減され、十分高濃度配合に耐えうる。その処理物中のチロソール及びヒドロキシチロソール濃度は高濃度をキープしており、COX-2阻害効果もほとんど低下せず、刺激緩和能も処理によって低下は見られず、化粧料など広い応用が期待される。
刺激緩和作用を有するオリーブ(Olea europaea)果実又は葉抽出物に存在するチロソール及びヒドロキシチロソール指標として、選択的且つ効率良く濃縮・回収し、しかも安価に精製し、その精製物を配合した刺激緩和剤を実現した。
以下に,本発明を詳細に説明する。本発明に用いる事が出来るオリーブ(Olea europaea)は、モクセイ科オリーブ属の植物である。果実がオリーブ・オイルやピクルスを作るときに利用されている。種子の油は、オリーブ核油 olive kernel oil といい、オリーブ油よりも品質が劣る。地中海地方が原産とされ、葉が小さくて硬く、比較的乾燥に強いことからスペインやイタリアなどの地中海地域で広く栽培されている。オリーブ属植物であれば、Olea europaeaに限定されない。また、本発明に使用するオリーブはオリーブの果実又は葉を使用するが、ヒドロキシチロソールやチロソールを含有する植物であれば適用できる。
ここで言うチロソールは、さまざまな天然物の中でフェノール系酸化防止剤の役割がある。チロソールが多く含まれるものとしてオリーブ油があるが、ロゼアや紅景天などの植物中にも存在が確認されている。チロソールは、酸化による損傷に対するセルを保護することができる(Giovannini C, Straface E, Modesti D, Coni E, Cantafora A, De Vincenzi M, Malorni W, Masella R (1999). . J. Nutr. 129
(7): 1269-77)。
ここで言うヒドロキシチロソールはチロソールと同じようにフェノール系酸化防止剤である。本化合物は、オレオカンタールとともに、オリーブ油の苦味成分である。オリーブ、葉、およびオリーブパルプは少量のヒドロキシチロソールを含んでいる。また、低用量のヒドロキシチロソールがねずみにおいてタバコの煙によって引き起こされた酸化のストレスの影響を減らすことが示されている。(Visioli F, Galli C, Plasmati
E, et al (2000). Circulation 102
(18): 2169-71.)
オリーブ果実又は葉からの抽出は、含水エタノール及び含水プロパノールや含水1,3-ブチレングリコールなどで可能であるが、化粧料や使用を考えると含水エタノールや含水1,3-ブチレングリコールが好ましい。含水率は、0〜99%まで利用でき、特に限定されないが、抽出液のろ過状態やチロソール及びヒドロキシチロソールの抽出率から、含水率は10〜90%が好ましく、特に30〜70%が好ましい。また、抽出温度は0〜30℃で2日以上若しくは、約60℃で、3〜5時間で抽出は十分可能である。
本発明の活性炭は、木粉(おがくず)、ヤシ殻、石炭、ピッチ、コークスなどの植物質や鉱物質の各種炭素質材料を炭化し、賦活することによって製造される。内部に無数の微細孔を有し、その面積は1g あたり約800 〜1800m2にも及び、この無数の微細孔が気相、液相中の物質の異臭を吸着する。製造方法には、塩化亜鉛法(薬品賦活法)、水蒸気法,造粒法、破砕法などがある。水蒸気法は、出発原料を炭化後,賦活性ガス(水蒸気、炭酸ガス、空気など)を800 〜1000 ℃に昇温させ、ガス化反応によって多孔性構造を形成させる方法である。塩化亜鉛法によって製造される活性炭は各種溶液に対する脱色力は大きい。粉状活性炭は,応用分野が広く、その中で、染色中間物、写真薬、めっき、クリーニング、油脂などに使われる工業薬品用途が35 %程度を占め、もっとも多くなっている。次いで、上・下水道,排水処理などの水処理用途が30 %強を占めている。その他としては、アミノ酸脱色用、水あめ・ブドウ糖等のデンプン糖脱色用、医薬品(抗生物質等の医薬品精製用)、清酒・合成酒の醸造用、食品工業などの用途で使用されている。
活性炭の微細孔の大きさは、水蒸気法によって製造された場合、15〜25Åの細かい細孔が形成されるといわれる。その活性炭として、日本エンバイアロケミカルズの白鷺A、白鷺C、白鷺M、白鷺Pや二村化学の太閤Kタイプや太閤Pタイプや太平化学産業の梅蜂印、MA印などがこれに相当する。それに対して、本発明で使用する活性炭は塩化亜鉛法(薬品賦活法)で製造されたもので、25〜40Å付近の比較的大きな細孔を持つ活性炭である。日本エンバイアロケミカルズのカルボラフィン、強力白鷺、精製白鷺、特製白鷺や二村化学の太閤Sや太閤FCがこれに相当する。
本発明における活性炭への吸着は、通常の吸着作用に依存する。そして、本発明では、吸着力が高いと脱離量が少なくなる為、吸着時のエタノール等の低級アルコール濃度は、10〜70%が好ましく、更に、30〜50%が特に好ましい。吸着に要する時間は、室温でも30分以上緩く攪拌すれば十分である。
また、上記の方法にて得られたオリーブ果実又は葉抽出物の化粧品への配合は、有効量であれば特に制限は無く、乾燥重量として0.0001重量%〜5重量%が好ましく、更に好ましくは0.01重量%〜1.0重量%である。
以下,実施例を示し,本発明を更に具体的に説明するが,本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実験例1:生オリーブ果実からの抽出
オリーブ果実を200g取り、すり鉢で圧搾し、400mLの99.5%エタノールを加えて1ヶ月間、室温で抽出を行った。抽出後、ろ過を行い、溶媒を留去し、11.5gの抽出物を得た。
実験例2:オリーブ葉からの抽出
乾燥オリーブ葉を100g取り、400mLの70%エタノールを加えて10日間、室温で抽出を行った。抽出後、ろ過を行い、溶媒を留去し、9.3gの抽出物を得た。
実験例3:活性炭によるオリーブ果実抽出物の精製
オリーブポリフェノール(サンブライト社製)5gを50%エタノール100mLに溶解し、5%原液を作成した。水及びエタノールを加えて溶質が2%の50%エタノール溶液を調製した。更に、溶質が1%となる10%、30%、50%、70%エタノール溶液を調製した。調製したエタノール抽出液に対して各種濃度の活性炭(MA印(太平化学製)、太閤FC(二村化学製))を加えた。室温下、ときどき攪拌し、30分後にろ過を行った。チロソール及びヒドロキシチロソール量をHPLCにて測定し、溶質濃度が2%の場合は比較例1を100とした時の比で表し、溶質濃度が1%の場合は比較例3を100とした時の比で表した。溶液の着色度合いは、溶液を200μL取り、マイクロプレートリーダーを用い、415nmの吸光度を測定し、比較例3の吸光度を100とした比で表した。結果は表1から表5に示す。
<HPLC条件>
カラム:ODS
移動層A:(0.05%H3PO4(85%) in H2O
移動層B:Acetonitrile(CH3CN)
カラム温度=35℃±0.8℃
検出波長=280nm
流量=1.0mL/min
注入量=5μL
溶質濃度が2%で、50%エタノール溶液の場合、細孔の小さな太閤FCで処理した実施例1は、細孔の大きなMA印で処理した比較例2に比べ、ヒドロキシチロソール、チロソールの回収率が高い上に、着色は比較例2のおおよそ1/3程度に脱色されており、有効成分の吸着を抑えつつ効果的に脱色が行われていることがわかる。
溶質濃度が1%で、50%エタノール溶液の場合、細孔の大きなMA印で処理した比較例4に比べ、実施例2〜4ではヒドロキシチロソール、チロソールの回収率が高い上に、着色は比較例4のおおよそ1/2〜1/6に脱色されており、有効成分の吸着を抑えつつ効果的に脱色が行われていることがわかる。
溶質濃度が1%で、10%エタノール溶液の場合、細孔の大きなMA印で処理した比較例6に比べ、実施例5〜6ではヒドロキシチロソール、チロソールの回収率が高い上に、着色は比較例6のおおよそ1/12〜1/60と大幅に脱色されており、有効成分の吸着を抑えつつ効果的に脱色が行われていることがわかる。
溶質濃度が1%で、30%エタノール溶液の場合、細孔の大きなMA印で処理した比較例8に比べ、実施例7ではヒドロキシチロソール、チロソールの回収率が高い上に、着色は比較例8のおおよそ1/10と大幅に脱色されている。更に実施例8ではチロソールの回収率が比較例8よりも若干低い値となっているが、着色は約1/13と大幅な脱色がされていることがわかる。
溶質濃度が1%で、70%エタノール溶液の場合、細孔の大きなMA印で処理した比較例10に比べ、実施例9、10ではヒドロキシチロソール、チロソールの回収率が高い上に、着色は比較例10のおおよそ1/3から1/4と効果的に脱色されていることがわかる。
実験例4:活性炭によるオリーブ果実抽出物の精製
オリーブポリフェノール(サンブライト社製)1gを1,3-ブチレングリコール100mLに溶解し、活性炭処理を行った。調製した1,3−ブチレングリコール抽出液に対して各種濃度の活性炭(MA印(太平化学製)、太閤FC(二村化学製))を加えた。室温下、ときどき攪拌し、30分後にろ過を行った。チロソール及びヒドロキシチロソール量をHPLCにて測定し比較例11を100とした時の比で表した。溶液の着色度合いは、溶液を200μL取り、マイクロプレートリーダーを用い、415nmの吸光度を測定し、比較例11の吸光度を100とした比で表した。結果は表6〜7に示す。
溶質濃度が2%で、50%1,3−ブチレングリコール溶液の場合、細孔の大きなMA印で処理した比較例12に比べ、実施例11、12ではヒドロキシチロソール、チロソールの回収率が高い上に、着色は比較例12のおおよそ1/2から1/5と効果的に脱色されていることがわかる。
溶質濃度が2%で、30%1,3−ブチレングリコール溶液の場合、細孔の大きなMA印で処理した比較例14に比べ、実施例13、14ではヒドロキシチロソール、チロソールの回収率が高い上に、着色は比較例14のおおよそ1/2から1/5と効果的に脱色されていることがわかる。
以上の結果より、オリーブ果実中のチロソール及びヒドロキシチロソールは、細孔サイズの小さな活性炭(MA印)では着色の低減能は低く、着色の低減能が高い条件では回収率が低い結果となっている。それに対して、細孔サイズが大きい活性炭(太閤FC)では、着色の低減能も大きく、かつ、回収率が高い傾向にあり、比較例8と実施例8のように回収率が細孔サイズの小さな活性炭(MA印)と同程度の場合でも、脱色の程度は約1/13と高い結果が得られている。
また、溶媒の種類に関しては、エタノール溶媒と1,3−ブチレングリコール溶媒においてもほとんど同じような傾向を示した。
図1に比較例13:左、実施例13:中央左、実施例14:中央右、比較例14:右の外観写真を示した。このように細孔サイズの大きい活性炭(太閤FC)を用いることにより、着色の軽減が十分なされていることがわかる。
実験例4:シクロオキシゲナーゼ阻害活性の確認
実験には、Colorimetric COX (ovine) Inhibitor Screening Assay[Cayman]を用いた。
96穴プレートにAssay Bufferを150μL、hemeを10μL添加する。さらに、100%活性wellとsample wellにはCOX2を10μL添加し、Background wellにはAssay Bufferを10μL添加する。プレートを数秒間ゆっくり揺らした後、25℃で5分間インキュベートする。その後、colorimetric substrateを各wellに20μLずつ添加し、アラキドン酸を20μLずつ添加する。プレートを数秒間ゆっくり揺らした後、25℃で5分間インキュベートする。590nmの吸光度を測定する。
<計算方法>
それぞれのwellの吸光度からback ground wellの吸光度を減じ、下記の式で阻害率を求めた。


比較例11(50%1,3-BG溶媒の未精製)と比べて、活性炭太閤FC2%で処理を行った実施例11は、一般的な活性炭(MA印)2%処理を行った比較例14より、着色の低減は良好であり、かつ、活性の低下はないという結果となった。30%1,3−ブチレングリコール溶媒中でも同じような傾向を示した。
実験例6:刺激緩和作用の確認
刺激誘発剤の陽性対照として5%ポリオキシエチレンラウリルエーテル5E.O.水溶液を用いた。試料は、未処理の比較例11(2%オリーブポリフェノール50%1,3−BG溶液)及び実施例12の2.5%水溶液を用いた。比較例15として0.05%グリチルレチン酸ステアリル及び比較例16として0.05%グリチルリチン酸ジカリウムを用いた。試料は、鳥居絆創膏に15μLずつ、滴下し、4時間貼付した後、30分間放置後下記刺激スコアを元に判定した。
刺激スコア
0:なし
1:ごく僅かな紅斑
2:僅かな紅斑
3:明瞭な紅斑
4:強い紅斑及び僅かな浮腫
5:強い浮腫
精製した実施例12と未精製の比較例11とでも、刺激緩和能に差は認められず、精製により着色は抑えられているが、効果は失われていなかった。更に、その刺激緩和能は、化粧品に汎用されている比較例15のグリチルレチン酸ステアリルや比較例16のグリチルリチン酸ジカリウムよりも優れていた。
<処方例1>化粧水
(重量%)
a)実施例12の処理液 10.0
b)ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(20E.0.)
1.5
c)1,3−ブチレングリコール 5.0
d)グリセリン 3.0
e)防腐剤・酸化防止剤 適量
f)香料 適量
g)精製水 残部
合計 100.0

製法:成分a)〜g)を混合し、均一に溶解する。
<処方例2>化粧用クリーム (重量%)
a)実施例12の処理液 5.0
b)ミツロウ 2.0
c)ステアリルアルコール 5.0
d)ステアリン酸 8.0
e)スクワラン
10.0
f)自己乳化型グリセリルモノステアレート 3.0
g)ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.0.) 1.0
h)プロピレングリコール 5.0
i)水酸化カリウム 0.3
j)香料 適量
k)防腐剤・酸化防止剤 適量
l)精製水 残部
合計 100.0

製法:成分a)〜g)を過熱溶解し80℃に保ち油相とする。成分h)〜l)を加熱溶解し80℃に保ち水相とする。水相に油相を加え撹拌混合しながら35℃まで冷却する。
<処方例3>乳液
(重量%)
a)実施例1の処理液 5.0
b)スクワラン 8.0
c)ワセリン 2.0
d)ミツロウ 0.5
e)ソルビタンセスキオレエート 0.8
f)ポリオキシエチレンオレイルエーテル(20E.0.) 1.2
g)カルボキシビニルポリマー 0.2
h)プロピレングリコール 0.5
i)水酸化カリウム 0.1
j)エタノール 7.0
k)香料 適量
l)防腐剤・酸化防止剤 適量
m)精製水 残部
合計 100.0

製法:成分a)〜f)を加熱溶解し80℃に保ち油相とする。成分g)h)j)k)l)m)を加熱溶解し80℃に保ち水相とする。水相に油相を加え撹拌混合しながら予め一部のm)で溶解したi)を加え溶解し、35℃まで冷却する。
オリーブ(Olea europaea)果実及び葉抽出物中のチロソール及びヒドロキシチロソールを安価で且つ簡便な方法で回収し、抽出液の着色は十分に下げることによりこれまで着色等の問題で配合量に制限のあった外用剤に応用が可能であり、化粧料への広範囲な適用が期待できる。
比較例7:左、実施例13:中央左、実施例14:中央右、比較例14:右の外観写真を示した。

Claims (4)

  1. オリーブ果実又は葉抽出物を親水性溶媒と水の混液に溶解し、細孔直径のピークが25〜40Åの活性炭で脱色すること、或いはオリーブの果実又は葉を親水性溶媒と水の混液で抽出し、細孔直径のピークが25〜40Åの活性炭で脱色することを特徴とするオリーブ抽出物の精製方法。
  2. 活性炭処理時の親水性溶媒濃度が30〜70%の水溶液であることを特徴とする請求項1記載のオリーブ果実又は葉抽出物の精製法。
  3. 親水性溶媒がエタノール又は1,3-ブチレングリコールであることを特徴とする請求項1〜2記載のオリーブ果実又は葉抽出物の精製法。
  4. 活性炭が溶質濃度に対して、1/2量〜2倍量であることを特徴とする請求項1〜3記載のオリーブ果実又は葉抽出物の精製法。
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