JP2003277282A - エゾウコギエキス及びその製造方法 - Google Patents

エゾウコギエキス及びその製造方法

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JP2003277282A
JP2003277282A JP2002079262A JP2002079262A JP2003277282A JP 2003277282 A JP2003277282 A JP 2003277282A JP 2002079262 A JP2002079262 A JP 2002079262A JP 2002079262 A JP2002079262 A JP 2002079262A JP 2003277282 A JP2003277282 A JP 2003277282A
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eleuthero
hydrophobic
organic solvent
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JP2002079262A
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English (en)
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Takayuki Nakada
孝之 中田
Akiko Katsumata
亜希子 勝又
Yukihiro Masayama
征洋 正山
Yoshimichi Sakai
至通 坂井
Yoshiyuki Nakajima
美幸 中島
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ALPS YAKUHIN KOGYO KK
GIFU PREFECTURE KENKYU KAIHATS
Gifu Prefecture
Gifu Prefecture Kenkyu Kaihatsu Zaidan
Original Assignee
ALPS YAKUHIN KOGYO KK
GIFU PREFECTURE KENKYU KAIHATS
Gifu Prefecture
Gifu Prefecture Kenkyu Kaihatsu Zaidan
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 夾雑物を効率的に取除き、薬効成分の精製を
効果的に行うことができるエゾウコギエキスの製造方
法、及び薬効成分の含有量を高めた製品を容易に製造す
ることができるエゾウコギエキスを提供する。 【解決手段】 エゾウコギエキスは、下記化1及び化2
に示される薬効成分エレウテロシドE及びBの合計の含
有量が乾燥重量の4重量%以上、好ましくは10重量%
以上のものである。このエゾウコギエキスは、エゾウコ
ギを親水性溶媒抽出処理した後、得られた抽出液を疎水
性吸着剤に吸着させ、有機溶媒にて脱着させる精製処理
を行うことによって製造される。さらに、前記抽出液中
の疎水性成分を疎水性有機溶媒中に移行させて除去する
転溶操作を行った後に精製処理を行うのが好ましい。前
記疎水性有機溶媒は水飽和ブタノール又は酢酸エチルで
あるのが好ましい。前記有機溶媒はエタノール又は含水
エタノールであるのが好ましい。 【化1】 但し、Meはメチル基、Rはグルコシル基を示す。 【化2】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、エゾウコギ中の
薬効成分エレウテロシドを効率的に精製し、極めて純度
の高いエキス製品を製造することができるように構成さ
れたエゾウコギエキスの製造方法、及び薬効成分エレウ
テロシドが高含有されたエゾウコギエキスに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】エゾウコギは、朝鮮人参と同じウコギ科
の植物であり、中国や旧ソ連では古くから主に滋養強壮
剤として使用されてきており、米国でもSiberian Ginse
ngとして薬用人参と同様に使用されている。また、日本
においても医薬品や健康食品原料として使用されてい
る。現在、エゾウコギには、滋養強壮作用、中枢神経系
に対する鎮静作用、抗炎症(腫瘍抑制)作用、鎮痛・解
熱作用、白血球増大作用、血圧降下(調整)作用、血糖
降下作用、白髪防止・改善のような種々の薬理活性があ
ることが知られている。このような薬理活性を発揮する
エゾウコギ中の薬効成分としては、エレウテロシドE、
エレウテロシドB、エレウテロシドB1、クロロゲン
酸、イソフラキシジン等が知られている。そして、これ
らエゾウコギ中の薬効成分は、原料としてのエゾウコギ
を水、エタノール、含水エタノール等の親水性溶媒にて
抽出した後、得られた抽出液を濃縮・乾燥させることに
より、服用しやすいエゾウコギエキスとして利用されて
いる。また、このエゾウコギエキス中に含まれるエレウ
テロシドBの含有量とエレウテロシドEの含有量とを合
わせた合計の含有量(B+E)は2重量%程度であっ
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記従来の
エゾウコギエキスの製造方法では、前記親水性溶媒によ
る抽出処理が行われていたに過ぎなかったことから、薬
効成分の精製度合いが著しく低かった。一方、前記従来
のエゾウコギエキスでは、薬効成分エレウテロシドの含
有量(B+E)が低いことから、各種健康食品素材や化
粧品素材等に添加して製品化するような場合には、それ
ら製品中での含有量が希釈により著しく低いものとなっ
てしまうおそれが高かった。
【0004】この発明は、上記のような従来技術に存在
する問題点に着目してなされたものである。その目的と
するところは、夾雑物を効率的に取除き、薬効成分の精
製を効果的に行うことができるように構成されたエゾウ
コギエキスの製造方法、及び薬効成分の含有量を高めた
製品を容易に製造することができるように構成されたエ
ゾウコギエキスを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に記載の発明のエゾウコギエキスの製造
方法は、エレウテロシドが高含有されたエゾウコギエキ
スを製造するためのエゾウコギエキスの製造方法であっ
て、エゾウコギを親水性溶媒抽出処理した後、得られた
抽出液を疎水性吸着剤に吸着させ、有機溶媒にて脱着さ
せる精製処理を行うように構成したことを特徴とするも
のである。
【0006】請求項2に記載の発明のエゾウコギエキス
の製造方法は、請求項1に記載の発明において、前記抽
出液中の疎水性成分を疎水性有機溶媒中に移行させて除
去する転溶操作を行った後、前記精製処理を行うように
構成したことを特徴とするものである。
【0007】請求項3に記載の発明のエゾウコギエキス
の製造方法は、請求項2に記載の発明において、前記疎
水性有機溶媒を水飽和ブタノール又は酢酸エチルとする
とともに、前記有機溶媒をエタノール又は含水エタノー
ルとすることを特徴とするものである。
【0008】請求項4に記載の発明のエゾウコギエキス
は、エレウテロシドBの含有量とエレウテロシドEの含
有量とを合わせた合計の含有量が乾燥重量の4重量%以
上であることを特徴とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、この発明を具体化した実施
形態を詳細に説明する。実施形態のエゾウコギエキスの
製造方法は、原料としてのエゾウコギを親水性溶媒抽出
処理した後、得られた抽出液を疎水性吸着剤に吸着さ
せ、有機溶媒にて脱着させる精製処理を行うように構成
されている。さらに、前記親水性溶媒抽出処理と精製処
理との間の工程において、前記抽出液中の疎水性成分を
疎水性有機溶媒中に移行させて除去する転溶操作を行う
ように構成するのが好ましい。
【0010】エゾウコギエキスは、ウコギ科の植物エゾ
ウコギ(Acanthopanax senticosusHarms=Eleutherococ
cus senticosus Maxim.)中に含まれる種々の薬効成分
が高含有されたものであり、滋養強壮作用、鎮静作用、
抗炎症(腫瘍抑制)作用、鎮痛・解熱作用、白血球増大
作用、血圧降下(調整)作用、血糖降下作用、白髪防止
・改善等の種々の薬理作用を発揮する。前記薬効成分と
しては、下記化1に示されるエレウテロシド(Eleuther
oside)E、下記化2に示されるエレウテロシドB、エ
レウテロシドB1、クロロゲン酸、イソフラキシジン等
が挙げられる。
【0011】
【化1】 但し、Meはメチル基、Rはグルコシル基を示す。
【0012】
【化2】 但し、Meはメチル基、Rはグルコシル基を示す。
【0013】このエゾウコギエキスは、前記薬効成分エ
レウテロシドBとエレウテロシドEとを合わせた合計の
含有量(B+E)が乾燥重量で、好ましくは4重量%以
上、より好ましくは10重量%以上、さらに好ましくは
10〜50重量%である。また、これら薬効成分(エレ
ウテロシドB+E)の精製効果は、好ましくは19倍以
上、より好ましくは25倍以上、さらに好ましくは25
〜250倍、特に好ましくは65〜120倍である。な
お、前記精製効果は、製造後のエゾウコギエキス中の薬
効成分の含有量を、原料中の同薬効成分の含有量で割っ
た値である。
【0014】このエゾウコギエキスを製造するための原
料(出発原料)としては、ウコギ科の落葉低木エゾウコ
ギ(刺五加)の根皮又は地上部(幹、茎、葉)が使用さ
れる。エゾウコギは、シベリア、中国東北部、朝鮮半
島、サハリン、北海道東部等に野生しており、いずれの
産地のものでも使用可能であるが、資源保護の観点から
地上部を利用するのが特に好ましい。この原料としての
エゾウコギは、採取された塊状のまま親水性溶媒中で親
水性溶媒抽出処理しても構わないが、薬効成分の抽出効
率を高めるために予め乾燥し、粉砕した後に親水性溶媒
抽出処理を行うように構成するのが好ましい。
【0015】親水性溶媒抽出処理は、前記原料を親水性
溶媒中に浸漬させ、その親水性溶媒中に溶解される成分
を抽出する処理である。前記親水性溶媒としては、薬効
成分の抽出効率が良好であることから、水、メタノー
ル、エタノール又はそれらの混合液が使用される。な
お、薬効成分の抽出効率が著しく高いことから30〜5
0容量%の含水エタノールが特に好適に使用される。
【0016】抽出温度としては、薬効成分の安定性が高
いうえ短時間でより多くの薬効成分が抽出されることか
ら、好ましくは常温から90℃、より好ましくは常温か
ら55℃である。抽出時間は適宜設定可能であるが、工
業的操作性が良好であることから、一晩かけて抽出する
のが極めて簡便である。また、抽出方法としては、攪拌
抽出法又は循環抽出法が採用されるが、操作性が良好で
あることから攪拌抽出法が好ましい。さらに、収率を上
げるために複数回繰返し親水性溶媒抽出処理を行うとよ
い。
【0017】この親水性溶媒抽出処理後、原料残渣を除
去するための固液分離操作が行われる。この固液分離操
作は、汎用されている固液分離機を用いて常法に従って
行われる。この固液分離操作によって得られた抽出液
は、工業的操作性が良好であることから、好ましくは減
圧濃縮又は常圧濃縮、より好ましくは減圧濃縮した後に
次の処理に使用される。
【0018】転溶操作(分液処理)は、前記抽出液に疎
水性有機溶媒を加え、激しく混合攪拌することによっ
て、抽出液中に含まれる疎水性成分(疎水性夾雑物)を
疎水性有機溶媒中に移行させて分離除去する処理であ
る。即ち、この転溶操作においては、前記抽出液からな
る水層と、疎水性有機溶媒からなる油層とが2層分離し
た状態の液体を激しく攪拌した後に静置し、水層のみを
採取する操作が行われる。なお、工業的操作性が良好で
あることから、前記親水性溶媒抽出処理後の抽出液を濃
縮した濃縮液を用いて転溶操作を行うように構成するの
が特に好ましい。さらにこのとき、揮発によりアルコー
ル分が消失した濃縮後の抽出液は、著しく親水性が高い
溶媒となっていることから、疎水性有機溶媒と2層分離
しやすく、転溶操作における薬効成分のロスが容易に低
減され得る。
【0019】前記疎水性有機溶媒は、抽出液の溶媒(上
記親水性溶媒)に溶解されない疎水性の高い有機溶媒が
用いられる。前記疎水性の高い有機溶媒としては、ブタ
ノール又はそれよりも疎水性の高い有機溶媒が用いられ
るが、疎水性夾雑物を極めて効率的に取除くことができ
るうえ薬効成分の薬理活性の低下を抑えることが容易で
あることから、n−ブタノール、2−ブタノール、イソ
ブタノール等のブタノール又は酢酸エチルが最も好適に
使用される。さらに、転溶操作時に薬効成分の一部が油
層に移行してロスされるのを抑えるために、前記疎水性
有機溶媒を予め水又は上記親水性溶媒に接触させ、それ
らの溶媒で飽和させておくのが最も好ましい。
【0020】精製処理は、前記親水性溶媒抽出処理後の
抽出液又は前記転溶操作後の水層を疎水性吸着剤に接触
させ、その吸着剤に薬効成分を吸着させた後、有機溶媒
にて脱着させることによって薬効成分を分離精製する処
理である。この精製処理における精製方法としては、カ
ラム法又はバッチ法が採用されるが、薬効成分の吸着及
び脱着を容易かつ効率的に行うことができ、工業的操作
性に優れていることから、カラム法を用いるのが特に好
ましい。
【0021】前記疎水性吸着剤としては、ファンデルワ
ールス力等の疎水性相互作用に基づいて分離・精製する
ように構成された逆相系クロマトグラフ用ゲル担体等の
疎水性吸着剤が使用される。この種の疎水性吸着剤とし
ては、例えば、スチレン−ジビニルベンゼン系合成吸着
剤等の芳香族(スチレン)系疎水性ゲル、アクリル(メ
タクリル)系疎水性ゲル、アルキル化シリカゲル等が挙
げられる。これら疎水性吸着剤のうち、極めて効果的な
精製が可能であることから、三菱化学社製のダイヤイオ
ンHP樹脂、ダイヤイオンSP樹脂、ダイヤイオンDC
A樹脂、ロームアンドハース社製のアンバーライトXA
D樹脂等のスチレン−ジビニルベンゼン系合成吸着剤が
最も好適に使用される。
【0022】この疎水性吸着剤に吸着させる前の抽出液
及び水層の溶媒としては、薬効成分を疎水性吸着剤に効
率的に吸着させるために、水、緩衝液又は高塩濃度の水
若しくは緩衝液からなる強親水性溶媒が好ましい。ま
た、揮発によりアルコール分が消失した濃縮後の抽出液
又は水層を、疎水性吸着剤に吸着させるように構成する
のが極めて簡便である。さらに、薬効成分が吸着された
後の疎水性吸着剤は、前記強親水性溶媒からなる洗浄液
により十分に洗浄し、夾雑物を効果的に取除いておくと
よい。
【0023】一方、疎水性吸着剤から薬効成分を脱着さ
せる際の脱着液としては、前記強親水性溶媒よりも疎水
性の高い有機溶媒が用いられる。この脱着液としては、
好ましくは20容量%以上のアルコール、より好ましく
は30〜50容量%の含水アルコールが使用される。前
記アルコールとしては、メタノール、エタノール、プロ
パノール、ブタノール等の低級アルコールが好適に使用
されるが、安価であることからメタノール又はエタノー
ルを使用するのが好ましい。
【0024】精製処理後の脱着液は、エレウテロシドE
を中心とする種々の薬効成分が高含有されており、その
まま(液状のまま)エゾウコギエキスとして各種健康食
品、医薬品、化粧品、それらの原料、又は標準品原料と
して用いることができる。また、前記脱着液を濃縮・乾
燥させることにより粉末状のエゾウコギエキスとすると
利用しやすい。濃縮には、減圧濃縮又は常圧濃縮が採用
されるが、操作性を考慮すると減圧濃縮が好ましい。ま
た、乾燥には、真空乾燥、噴霧乾燥又は凍結乾燥が採用
され、エゾウコギエキスの使用用途に応じて適宜選択さ
れる。
【0025】上記実施形態によって発揮される効果につ
いて、以下に記載する。 ・ 実施形態のエゾウコギエキスの製造方法は、エゾウ
コギを親水性溶媒抽出処理した後、得られた抽出液を疎
水性吸着剤に吸着させ、有機溶媒(脱着液)にて脱着さ
せる精製処理を行うように構成されている。このため、
このエゾウコギエキスは、精製処理により薬効成分と混
在している多量の夾雑物を著しく効率的に取除くことが
できることから薬効成分の精製を極めて効果的に行うこ
とができ、前記従来のエゾウコギエキスと比較して薬効
成分が高含有された高品質のエゾウコギエキスを容易に
製造することができる。さらに、このエゾウコギエキス
は、前記従来品と比較して、薬効成分の含有率(相対的
な含有量、即ち純度)が著しく高いことから、その薬効
成分による薬理効果を極めて効果的に発揮させることが
期待できる。
【0026】・ 親水性溶媒抽出処理と精製処理との間
に転溶操作を行うことによって、疎水性夾雑物を極めて
容易かつ効果的に取除くことができる。このため、続い
て行われる精製処理において、疎水性吸着剤に対する薬
効成分の吸着を効果的に促進することができるととも
に、製造後のエゾウコギエキス中の薬効成分の含有量
(純度)を著しく容易に向上させることができる。さら
に、転溶操作で用いられる疎水性有機溶媒を水飽和ブタ
ノール又は酢酸エチルとすることによって、疎水性夾雑
物を著しく容易かつ効果的に取除くことができる。特
に、これら疎水性有機溶媒は、最も主要な薬効成分であ
るエレウテロシドE及びBがほとんど溶解されないう
え、それら薬効成分よりも僅かに疎水性の高い夾雑物が
極めて効果的に溶解される性質を有していることから、
より多くの疎水性夾雑物を著しく効率的に取除くことが
できて有用性が高い。
【0027】・ 精製処理で用いられる有機溶媒(脱着
液)を含水エタノールとすることによって、疎水性吸着
剤に吸着された薬効成分を著しく効果的かつ特異的に脱
着させることができる。特に、30〜50容量%の含水
エタノール(含水メタノールも含む)は、主要な薬効成
分であるエレウテロシドE及びBを極めて効果的に脱着
させる一方で、それら薬効成分よりも僅かに疎水性の高
い夾雑物の脱着を効果的に抑えることから、より多くの
疎水性夾雑物を著しく効率的に取除くことができる。さ
らに、エタノールを用いた場合には、脱着後の脱着液を
そのまま健康食品素材又は医薬品素材に添加して使用す
ることができ、それらの製造コストを容易に低減させる
ことができる。特に、本実施形態のエゾウコギエキスの
脱着液は、そのままでも十分に高濃度の薬効成分を含有
していることから、濃縮する手間を省いても高濃度の薬
効成分を製品中に含有させることが極めて容易である。
【0028】
【実施例】以下、前記実施形態を具体化した実施例及び
比較例について説明する。 (実施例1)中国産エゾウコギ(粉砕品)の地上部23
00gに30容量%エタノール20.7Lを加えて、5
5℃で1時間加温後、一晩放置抽出した。翌朝、原料残
渣を濾過することによって抽出液を得た。次に、得られ
た抽出液を減圧濃縮しつつアルコール分を揮発させた
後、水飽和n−ブタノールを加えて転溶操作(分液処
理)を行い、水層を得た。この水層を減圧濃縮後、ダイ
ヤイオンHP20樹脂250mLが充填してあるカラム
に通液した。通液後、750mLの水にてカラムを洗浄
後、50容量%メタノール1000mLをカラム内に流
すことにより、吸着していた薬効成分を脱着させた。こ
の脱着液を減圧濃縮した後に真空乾燥させることによっ
て、エゾウコギエキス10.23gが得られた。
【0029】(比較例1)実施例1と同様の抽出方法で
得られた抽出液約17Lを減圧濃縮した後に真空乾燥さ
せることによって、エゾウコギ親水性溶媒抽出エキスが
約100g得られた。
【0030】(実施例2)中国産エゾウコギの根皮(粉
砕品)500gに、30容量%エタノール4.5Lを加
えて、50℃で2時間加温後、一晩放置抽出した。翌
朝、原料残渣を濾過することによって抽出液を得た。次
に、得られた抽出液を減圧濃縮しつつアルコール分を揮
発させた後、水飽和n−ブタノールを加えて転溶操作
(分液処理)を行い、水層を得た。この水層を減圧濃縮
後、ダイヤイオンHP20樹脂55mLが充填してある
カラムに通液した。通液後、165mLの水にてカラム
を洗浄後、50容量%エタノール220mLをカラム内
に流すことにより、吸着していた薬効成分を脱着させ
た。この脱着液を減圧濃縮した後に真空乾燥させること
によって、エゾウコギエキス2.22gが得られた。
【0031】(実施例3)中国産エゾウコギの地上部
(粉砕品)600gに、30容量%エタノール5.4L
を加えて、約50℃に加温後、一晩放置抽出した。翌
朝、原料残渣を濾過することによって抽出液を得た。次
に、得られた抽出液を減圧濃縮しつつアルコール分を揮
発させた後、ダイヤイオンDCA11樹脂80mLが充
填してあるカラムに通液した。通液後、240mLの水
にてカラムを洗浄後、30容量%エタノール320mL
をカラム内に流すことにより、吸着していた薬効成分を
脱着させた。この脱着液を減圧濃縮した後に真空乾燥さ
せることによって、エゾウコギエキス3.06gが得ら
れた。
【0032】(実施例4)中国産エゾウコギの地上部
(粉砕品)600gを粉砕し、30容量%エタノール
5.4Lを加えて、約50℃に加温後、一晩放置抽出し
た。翌朝、原料残渣を濾過することによって抽出液を得
た。次に、得られた抽出液を減圧濃縮しつつアルコール
分を揮発させた後、ダイヤイオンHP20樹脂80mL
が充填してあるカラムに通液した。通液後、240mL
の水にてカラムを洗浄後、30容量%エタノール320
mLをカラム内に流すことにより、吸着していた薬効成
分を脱着させた。この脱着液を減圧濃縮した後に真空乾
燥させることによって、エゾウコギエキス3.78gが
得られた。
【0033】<薬効成分含有量の測定>上記実施例1〜
4及び比較例1において、原料及びエキス中に含まれる
エレウテロシドB及びEの含有量をそれぞれ高速液体ク
ロマトグラフ(HPLC)により常法にて測定するとと
もに、その測定結果を用いて各薬効成分の回収率及び精
製効果(エキス中の薬効成分含有量/原料中の薬効成分
含有量)を求めた。結果を表1に示す。
【0034】
【表1】 表1の結果より、実施例1〜4のエゾウコギエキスは、
原料と比較して各薬効成分が40〜120倍程度高含有
されていたことから、原料中の夾雑物が極めて効果的に
取除かれ、それら薬効成分の純度が著しく高められてい
ることが示された。これに対し、比較例1のエゾウコギ
親水性溶媒抽出エキスでは、原料と比較して各薬効成分
が10倍程度しか高含有されておらず、実施例1〜4と
比較して、まだ十分に夾雑物が取除かれておらず、純度
が低いことが示された。従って、精製処理を行うことに
よって夾雑物を極めて効果的に取除くことができること
が確認された。また、エレウテロシドEについては、転
溶操作を行うことによって、純度を容易に高めることが
できることも確認された。
【0035】さらに、比較例1では、エレウテロシドB
+Eの含有量が1.97重量%、回収率54.7%であ
り、たとえ100%回収できたとしても3.6重量%
(精製効果23.2倍)程度以下と低く、実施例1〜4
のエゾウコギエキスと比較して含有量を容易に高めるこ
とが極めて困難なものであることが確認された。同様
に、各実施例では、エレウテロシドEの含有量が乾燥重
量の3重量%以上、特に9重量%以上とするのが容易で
あることも確認された。
【0036】さらに、前記実施形態より把握できる技術
的思想について以下に記載する。 ・ 前記抽出液を濃縮した後、その濃縮液を用いて精製
処理することを特徴とする請求項1から請求項3のいず
れかに記載のエゾウコギエキスの製造方法。前記抽出液
を濃縮した後、その濃縮液を用いて転溶操作することを
特徴とする請求項2又は請求項3に記載のエゾウコギエ
キスの製造方法。
【0037】・ 前記抽出液を疎水性吸着剤に吸着させ
た後、その吸着剤を強親水性溶媒にて洗浄した後、前記
有機溶媒にて脱着させることを特徴とする請求項1から
請求項3のいずれかに記載のエゾウコギエキスの製造方
法。
【0038】・ 請求項1から請求項3のいずれかに記
載のエゾウコギエキスの製造方法によって製造されたエ
ゾウコギエキスであって、エレウテロシドBの含有量と
エレウテロシドEの含有量とを合わせた合計の含有量が
乾燥重量の4重量%以上であることを特徴とするエゾウ
コギエキス。このように構成した場合、薬効成分の含有
量を高めた製品を容易に製造することができる。
【0039】・ 請求項4に記載のエゾウコギエキスを
含有することを特徴とする健康食品。請求項4に記載の
エゾウコギエキスを含有することを特徴とする健康飲
料。請求項4に記載のエゾウコギエキスを含有すること
を特徴とする医薬品。請求項4に記載のエゾウコギエキ
スを含有することを特徴とする化粧品。これらのように
構成した場合、薬効成分の含有量を容易に高めることが
できる健康食品、健康飲料、医薬品又は化粧品を容易に
製造することができる。
【0040】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明によれ
ば、次のような効果を奏する。請求項1から請求項3に
記載の発明のエゾウコギエキスの製造方法によれば、夾
雑物を効率的に取除き、薬効成分の精製を効果的に行う
ことができる。請求項4に記載の発明のエゾウコギエキ
スによれば、薬効成分の含有量を高めた製品を容易に製
造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 17/14 A61P 17/14 25/20 25/20 29/00 29/00 35/00 35/00 // A61K 31/7034 A61K 31/7034 C07H 15/203 C07H 15/203 15/26 15/26 (71)出願人 391016842 岐阜県 岐阜県岐阜市薮田南2丁目1番1号 (72)発明者 中田 孝之 岐阜県吉城郡古川町向町2丁目10番50号 アルプス薬品工業 株式会社内 (72)発明者 勝又 亜希子 岐阜県吉城郡古川町向町2丁目10番50号 アルプス薬品工業 株式会社内 (72)発明者 正山 征洋 福岡県春日市上白水1217−1 (72)発明者 坂井 至通 岐阜県岐阜市早田本町2丁目18番地の1 (72)発明者 中島 美幸 岐阜県美濃加茂市西町6丁目290番地 Fターム(参考) 4C057 AA06 BB02 DD01 JJ23 JJ55 4C086 AA01 AA04 EA08 MA01 MA04 NA20 ZA07 ZA08 ZA42 ZA51 ZA92 ZB11 ZB26 ZC21 ZC35 4C088 AB16 AC05 AC06 AC11 BA10 CA06 NA20 ZA07 ZA08 ZA42 ZA51 ZA92 ZB11 ZB26 ZC21 ZC35

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エレウテロシドが高含有されたエゾウコ
    ギエキスを製造するためのエゾウコギエキスの製造方法
    であって、 エゾウコギを親水性溶媒抽出処理した後、得られた抽出
    液を疎水性吸着剤に吸着させ、有機溶媒にて脱着させる
    精製処理を行うように構成したことを特徴とするエゾウ
    コギエキスの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記抽出液中の疎水性成分を疎水性有機
    溶媒中に移行させて除去する転溶操作を行った後、前記
    精製処理を行うように構成したことを特徴とする請求項
    1に記載のエゾウコギエキスの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記疎水性有機溶媒を水飽和ブタノール
    又は酢酸エチルとするとともに、 前記有機溶媒をエタノール又は含水エタノールとするこ
    とを特徴とする請求項2に記載のエゾウコギエキスの製
    造方法。
  4. 【請求項4】 エレウテロシドBの含有量とエレウテロ
    シドEの含有量とを合わせた合計の含有量が乾燥重量の
    4重量%以上であることを特徴とするエゾウコギエキ
    ス。
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