JP2008505065A - ウイルス安全性生物学的流体の調製のための方法 - Google Patents

ウイルス安全性生物学的流体の調製のための方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、生物学的物質を殺菌する方法に関する。特に、本発明は、生物学的物質に添加された界面活性剤および/または溶媒を除去するための新規の方法に関する。本発明は、疎水性相互作用クロマトグラフィーによって、殺ウイルス性因子、すなわち、溶媒および界面活性剤を、ウイルス不活性化されたプールされた血漿から除去する、安全で、効果的で、経済的な方法を提供する。本発明の1つの局面はまた、単一工程において、殺ウイルス性因子を所望のレベルおよび/または薬学的に受容可能なレベルにまで除去することによる、ウイルス安全性生物学的物質の改良のための、簡単でさらに効果的な方法を提供することである。

Description

(関連出願への相互参照)
本願は、出願番号第695/MUM/2004として2004年6月29日に出願された仮インド仮特許出願からの優先権を主張する。
(発明の技術分野)
本発明は、生物学的サンプルからの殺ウイルス性物質の安全な除去のための方法に関する。特に、本発明は、生物学的物質から界面活性剤および/または溶媒を除去するための方法に関する。
(発明の背景)
ヒト血漿は、有益なタンパク質を誘導するための供給源として役立つ。ヒト血漿由来の治療タンパク質は、広範囲の疾患(一次免疫欠損(免疫グロブリンG)、血液量減少(アルブミン)に関与する救命救急診療、創傷治癒(フィブリノーゲン)、および遺伝的欠損(例えば、血友病A(第VIII因子)、血友病B(第IX因子)、ヴォン・ヴィレブランド病(vWF)、およびα−1プロテイナーゼインヒビター(A1PI)欠損から生じる先天性気腫)が挙げられる)の処置において使用されている。非常に重要なタンパク質を単離するための原材料としてのその用途の他に、全血漿は、凝固因子(clotting factor)欠損を有する患者のための凝固因子(coagulation factor)代償療法の主要な供給源であり続ける。ヒト血漿およびヒト血漿由来の治療タンパク質は、毎年世界中でおよそ100万人より多い患者を処置するために使用される。このような治療薬の世界的需要は、現在の水準の供給より顕著に多い。
治療目的のための完全な血漿を必要とする患者のために、新鮮な凍結血漿または液体血漿のいずれかが利用可能である。新鮮な凍結血漿(FFP)は、一単位の全血から取り出された血漿であり、単一ドナーの血漿単位として血液採取の8時間以内に−18℃未満で凍結される。液体血漿は、血液採取の4時間以内に4〜8℃の温度で保存され、血液採取の48時間以内に赤血球から分離される。これらの血漿単位の各々は、単一ドナー由来であり、ウイルスマーカーについてそしてウイルス透過率に関して個々に試験され、単一ドナーは、合理的に安全であるとみなされる。しかしながら、ウイルス伝染の少しではあるが、明らかな危険性があり続ける。なぜなら、このような血漿単位は、通常、HIV、B型肝炎、C型肝炎、および潜在的に疾患を引き起こし得る他のあまり知られていないウイルスなどのウイルスを殺傷するためのウイルス不活性化のプロセスを経ていないからである。
治療タンパク質を誘導するために、多くの新鮮な凍結血漿単位が、種々のドナーから一緒にプールされる。治療的使用のためのヒト血漿タンパク質は、50年間以上にわたって多くの血漿プールから製造されている。しかしながら、単一ドナーまたはプールされた血漿の重要な問題の1つは、ウイルス安全性である。血漿プールに寄与するあらゆるドナーは、血液または血漿を供与する前に、ウイルス(HIV、HBV、HCVなどが挙げられる)について個々に試験されるが、最初の感染の獲得と、固有の技術制限に起因する既存の診断での陽性試験結果の検出との間になされる供与である、「潜伏期間供与(window period donation)」に起因する、ウイルス感染の少しの危険性が残ったままである。スクリーニング後に検出されないままの病原菌に感染された1人の単一ドナーでさえ、血漿プール全体を汚染し得る可能性があり、そのプールに曝露された多くのまたは全てのレシピエントに感染し得る。従って、プールされた血漿またはその血漿由来の治療タンパク質のウイルス安全性に取り組む必要性が存在する。
血漿または血漿由来の治療タンパク質にウイルス安全性を与えるために、種々の方法が、ウイルスを除去するかまたは不活性化するために試みられている。ウイルス不活性化のために、目的の生物学的流体が、低温殺菌のような物理的処理に供され、ここで、プールされた血漿は、約60℃の温度で約10時間、湿性温熱に供されるか、または乾熱で処理され、この間に目的の生成物が、約80℃より高い温度で約72時間のより長い時間、処理される。このような処理は多くの場合、生物学的サンプルがウイルスを効果的に不活性化するために供される条件下で、重要なタンパク質因子(特に、不安定な血液凝固成分)を損傷させるか、変性させるかまたは変化させることが見出されている。このような不活性化プロセスの間、不安定な哺乳動物の血漿の凝固成分は、未処理の血漿に存在する50〜90%以上の程度まで不活性化され得るか、または変性され得る。このような処理の間に損失し得る凝固成分としては、第II因子、第V因子、第VII因子、第VIII因子、第IX因子、第X因子などの重要な血漿因子;血漿フィブリノーゲン(第I因子)、IgM、ヘモグロビン、インターフェロンなどが挙げられる。従って、目的のタンパク質を保護するために適切な工程を組み込むための試みがなされている。
ウイルス不活性化のための他の方法は、β−プロピオラクトン、ホルムアルデヒド、次亜塩素酸ナトリウムなどを用いる処理を包含する。しかしながら、これらの方法は一般に、非常に安全であるとはみなされない。これらの方法は、重要なタンパク質成分を変性させる傾向があるだけではなく、β−プロピオラクトン(動物において有害であり、かつ発癌性があることが示されており、かつそれを扱う人にさえ危険性がある)のような因子の完全な除去の困難性ももたらす。
血漿または血漿由来タンパク質生成物のウイルス不活性化のための最も一般的に使用される方法の1つは、溶媒界面活性剤処理である。溶媒界面活性剤処理された血漿は、利用可能な濃縮調製物が存在しないことが記載されている、凝固因子の欠損(第I因子、第V因子、第VII因子、第XI因子および第XIII因子の先天的単一因子欠損ならびに後天的多凝固因子欠損)を有する患者の処理;ワルファリン効果の逆転;ならびに血小板減少性血栓性紫斑病(TTP)を有する患者の処置における使用のために承認されている。溶媒−界面活性剤処理された凍結血漿(SDFP)についての費用対効果分析は、質に合わせて調整された生存年(quality−adjusted life year)(QALY)1年につき$289,300の費用が節約されると計算されている(非特許文献1を参照のこと)。溶媒−界面活性剤処理は、特に、エンベロープウイルス(例えば、水疱性口内炎ウイルス(VSV)、仮性狂犬病ウイルス(PRV)、セムリキ森林熱ウイルス(Semliki Forest Virus)(SFV)およびウシ下痢症ウイルス(Bovine Diarrhoea Virus)(BVDV))のために効果的である(非特許文献2を参照のこと)。溶媒界面活性剤処理は、主に、現在の公知のウイルス感染の血清陰性潜伏期間の感染性のドナー由来のウイルス感染した新鮮な凍結血漿、すでに低い危険性、および将来においてなお潜在的に危険であるであろう輸血安全性に対して危険性であると現在認識されていない脂質エンベロープウイルスの感染の危険性を減少させるために使用される。
ウイルス不活性化のための溶媒界面活性剤処理において、タンパク質含有組成物は、ジアルキルホスフェートまたはトリアルキルホスフェート、好ましくは、トリアルキルホスフェートの混合物と接触させられ、続いて界面活性剤は、通常、ジアルキルホスフェートまたはトリアルキルホスフェートを除去される(特許文献1を参照のこと)。この‘573特許は、約0.01mg/mlと約100mg/mlとの間の量でジアルキルホスフェートまたはトリアルキルホスフェートを使用している。‘573特許に従って、使用される界面活性剤の量は、約0.001%〜約10%の範囲であり得る。同様に、特許文献2は、0.25%〜約10%の高さまで変化し得る濃度の界面活性剤を使用している。ウイルス不活性化の別の界面活性剤アプローチは、血漿タンパク質生成物を、長時間、非変性性両親媒性物質との接触に供することである(特許文献2を参照のこと)。両親媒性物質は、陰イオン性、陽イオン性、非イオン性の界面活性剤であり得る。界面活性剤分子は、一端で疎水性であり、もう一端で親水性であり、このことにより、界面活性剤分子は、治療血液タンパク質の精製のために有用である。イオン性界面活性剤(陰イオン性または陽イオン性)は、非イオン性界面活性剤より活性である傾向がある。ウイルスを破壊する時に効果的であるが、界面活性剤はまた、容易に生きている細胞を破壊または損傷し得る。界面活性剤は、ウイルスを破壊し得るだけでなく、全ての動物細胞および植物細胞の有意な内部構造成分を囲み、これらを形成する生体膜のような他の生体の脂質ベースの構造も破壊し得る。さらに、高濃度の界面活性剤は、存在するタンパク質および/または生物学的サンプルから単離が所望されるタンパク質を損傷または変性する可能性が高い。血漿、血漿由来治療タンパク質、血漿クリオプレシピテート、または血漿寒冷上清とこのような高濃度の界面活性剤とのインキュベーションは、血漿成分に有害だけでなく、生体膜を損傷することも公知である。さらに、高濃度の界面活性剤は、静脈内に注射される場合、非常に有害であり、従って、このような界面活性剤処理された血漿は、注射のために適切でない。生きている細胞およびタンパク質の損傷を避けるために、より低い濃度の界面活性剤が使用され得るが、ウイルス不活性化については効果がない危険性が存在する。従って、生きている細胞およびタンパク質が損傷されず、同時にウイルス不活性化が効果的であり、界面活性剤を除去することを確実にすることが、必要である。
界面活性剤を除去するために一般的に使用される方法としては、アフィニティークロマトグラフィーまたはイオン交換クロマトグラフィーが挙げられる。これらの方法は、非常に長く、時間を消費し、複数の工程を含む。当業者は、各々の回収工程が、多くの場合、目的のタンパク質の損失と関連しており、従って、より低い収率を生じることを理解している。さらに、これらの方法は、最終生成物としての特定のタンパク質因子についてのみ適切であり、全血漿のためには適切でない。これを全血漿に適応させるために、全血漿は、各々の因子が、連続して分離および精製された後に、再構成される必要がある。各工程の後、いくらかの時間および生成物が失われ、これは、最終的に顕著な全体の損失をもたらし得る。
溶媒−界面活性剤処理の後、界面活性剤は、ダイアフィルトレーション、クロマトグラフ支持体またはアフィニティークロマトグラフィー支持体における吸着、沈殿および凍結乾燥などの中から選択される数回の工程を使用することによって、除去され得る。ジアルキルホスフェートまたはトリアルキルホスフェートは、多くの場合、グリシンおよび塩化ナトリウムを用いるタンパク質の沈殿によって除去される(特許文献1を参照のこと)。この‘573特許の方法は、特に、トリアルキルホスフェートとともに使用される非界面活性剤が、不溶化または凍結乾燥のどちらかを用いるダイアフィルトレーションによって除去されるために時間がかる。当業者は、これらの方法が、扱いにくく、高価であり、時間を消費し、そして/または血漿の生体成分の損失を生じ得ることを理解する。
界面活性剤および溶媒の除去は、さらに、有機液体(例えば、ヒマシ油または大豆油)に対してタンパク質溶液を分離することによって、実施され得る。界面活性剤および溶媒は、有機液体に分離され、それによって除去される。次いで、油である有機液体が、クロマトグラフィーによって除去される。この手順は、血漿を分離する工程およびクロマトグラフ成分を再生するかまたは取り換える工程を包含し、これは、非常に単調であり、時間を消費し、そして費用が高くなる傾向がある。
ウイルス不活性化化学物質および/または界面活性剤を減少させるための別の方法は、高塩析効果によるものである(特許文献3を参照のこと)。この手順において、Hofmeisterシリーズに従う、高塩析効果を有する0.5Mの塩より高い濃度が、ウイルス不活性化化学物質および/または界面活性剤を含む小胞を形成させるために水溶性血漿タンパク質溶液に添加される。小胞は、例えば、相分離または濾過によって、水相から除去される。しかしながら、相分離(特に小胞)の技術は、骨が折れ、不正確で困難な方法であり、これは、洗浄、除去、プロセス確認などのような操作の問題に起因して、大規模操作において非常に扱いにくい。さらに、水溶液からのタンパク質回収のさらなる工程は、最終タンパク質の収率の損失を生じ得る。血漿生成物に残っている微量の塩もまた、ほとんどの治療用途を不適切にするので、望ましくない。
あるいは、溶媒/界面活性剤の除去は、活性炭または木炭のいずれかの形態で炭素を用いることによって実施され得る。例えば、特許文献4は、水溶液からウイルス不活性化因子および/または界面活性剤として使用される有機溶媒を除去するための吸着剤として活性炭素を含む固相物質を使用している。特許文献5は、酸性pHのアミノ酸を含む溶液におけるウイルス不活性化画分の沈殿および濾過を使用している。好ましくは、濾過の工程は、AKS−4およびAKS−7が特に適切である活性炭のフィルターを通して実施される。しかしながら、炭素は、非特異的吸着剤であり、ウイルス不活性化因子および/または界面活性剤を吸着するために用いられる場合、血漿由来の目的の重要なペプチド成分のうちのいくらかもまた吸着し得る。炭素の使用は、これらの有用な成分を欠く最終生成物を生じ得る。
特許文献6は、不活性基質に結合されることによって、不溶性になる「糖界面活性剤(sugar detergent)」を開示している。この‘316特許に記載される方法は、界面活性剤を樹脂に結合させるさらなる工程を必要とする。さらに、血液中への界面活性剤の浸出を避けるために、界面活性剤の十分な結合を調べるかまたは確実にするためのさらなる試験プロトコルが必要とされ得る。樹脂に十分に結合されない界面活性剤は、血液製剤を汚染し得、これを所望の使用のために安全でなくならせる。さらに、‘316特許に開示される方法は、血液または血球を含む水溶性液体に関し、血漿または血漿由来のタンパク質についてのこの方法の適合性を実証していない。
上述の理由から、血漿または血漿誘導体を治療用途のために安全にするためにウイルス不活性化因子で血漿または血漿誘導体を処理する必要があることは、明白である。臨床的使用のために、ウイルスを所望の受容可能なレベルに不活性化するために用いられる殺ウイルス性因子を除去することによって、このようなウイルス安全性血漿または血漿誘導体を改良することもまた、重要である。
米国特許第4,540,573号明細書 米国特許第4,314,997号明細書 米国特許第5,817,765号明細書 中国特許第1371992号明細書 米国特許第5,834,420号明細書 米国特許第6,610,316号明細書 Jacksonら、JAMA.、1999年、第282巻、p.329 Seitzら、Biologicals、2002年、第30巻(3)、p.197〜205(9)
しかしながら、上記で議論した方法に関する欠点を考慮して、簡単で、時間および収率に妥協しない、再現可能なプロセスを提供するための必要性が存在し続け、このプロセスは、血漿組成に顕著に影響を与えることなく、効果的および簡単な方法により、界面活性剤および溶媒のような殺ウイルス性因子を受容可能なレベルに除去することによる、血漿または血漿誘導体を含むウイルス安全性生物学的流体の改良について、容易に確認される。
(発明の要旨)
本発明は、殺ウイルス性因子を所望のレベルおよび/または薬学的に受容可能なレベルにまで除去することによる、ウイルス安全性生物学的物質(血漿、血漿由来タンパク質、血漿クリオプレシピテート、血漿寒冷上清、血液製剤および任意の他の生物学的流体が挙げられるが、これらに限定されない)の改良のための方法を提供する。
本発明の1つの局面はまた、単一工程において、殺ウイルス性因子を所望のレベルおよび/または薬学的に受容可能なレベルにまで除去することによる、ウイルス安全性生物学的物質の改良のための、簡単でさらに効果的な方法を提供することである。
本発明はまた、殺ウイルス性因子を所望のレベルにまで除去することによる、ウイルス安全性生物学的物質の改良のための方法に関し、ここで、この方法は、血漿または生物学的流体の不安定な成分を実質的に損傷しない。
本発明はまた、殺ウイルス性因子を、所望のレベルおよび/または薬学的に受容可能なレベルにまで除去することによる、ウイルス安全性生物学的物質の改良のための実験室スケールに適用可能である方法を提供するための発明に関する。
本発明はまた、殺ウイルス性因子を、所望のレベルおよび/または薬学的に受容可能なレベルにまで除去することによる、ウイルス安全性生物学的物質の改良のための商業的な大規模製造に適切である方法に関する。
本発明はまた、殺ウイルス性因子を所望のレベルおよび/または薬学的に受容可能なレベルに除去することによる、ウイルス安全性生物学的物質の改良のための方法に関し、この方法は、容易に確認され、再現可能である。
本発明はまた、治療的臨床投与のために受容可能な生物学的流体を作製するために、殺ウイルス性因子を、公式の薬局方の研究書に推奨されるような所望のレベルおよび/または薬学的に受容可能なレベルにまで除去することによる、ウイルス安全性生物学的物質の改良のための方法に関する。
本発明はまた、上記の目的のために適切な方法によって、殺ウイルス性因子を所望のレベルおよび/または薬学的に受容可能なレベルにまで除去することによる、ウイルス安全性生物学的物質の改良のための方法に関する。
本発明はまた、生成物溶液中に浸出せず、それによって殺ウイルス性因子による汚染の危険性を減少させる方法によって、殺ウイルス性因子を所望のレベルおよび/または薬学的に受容可能なレベルにまで除去することによる、ウイルス安全性生物学的物質の改良のための方法に関する。
本発明はまた、上記の目的のために生物学的物質の異なるバッチについて再利用可能である方法によって、殺ウイルス性因子を所望のレベルおよび/または薬学的に受容可能なレベルにまで除去することによる、ウイルス安全性生物学的物質の改良のための方法に関する。
本発明はまた、血漿または生物学的物質の組成を顕著に変化させず、それによって元の組成を実質的に保存する方法によって、殺ウイルス性因子を所望のレベルおよび/または薬学的に受容可能なレベルにまで除去することによる、ウイルス安全性生物学的物質の改良のための方法に関する。
(好ましい実施形態の詳細な説明)
本発明は、生物学的物質からのウイルス汚染の除去および/またはウイルス汚染を不活性化するための新規の方法を提供する。
(定義)
本明細書中で使用される場合、本発明の目的のための「ウイルス安全性」とは、ウイルス不活性化処理(例えば、ウイルスを実質的に不活性化するための溶媒および/または界面活性剤による、生物学的流体の処理)を受けている、任意の生物学的物質をいう。十分な不活性化は、少なくとも「4log」の程度まで得られる(すなわち、ウイルスは、感染研究によって決定される4logの程度まで不活性化される)。4logの程度において、ウイルスは、10倍に希釈した後でさえ、ウイルス活性が測定され得るような濃度で、未処理の血清中に存在している。あるいは、十分な不活性化は、6logのウイルス(10感染単位)によって行われる場合、2log未満のウイルスがこの方法の完了後に回収される方法によって得られる。
本明細書中で使用される場合、本発明の目的のための「殺ウイルス因子」とは、溶媒、界面活性剤および/またはそれらの組み合わせのような任意の因子をいい、これは、生物学的物質からウイルス(特に、脂質で被覆されたウイルスまたはエンベロープウイルス)を実質的に不活性化する能力を有する。
本明細書中で使用される場合、本発明の目的のための「除去」とは、殺ウイルス性因子を除去または減少させることをいう。
本発明は、殺ウイルス性因子を所望のレベルおよび/または薬学的に受容可能なレベルにまで除去することによって、ウイルス安全性生物学的物質を作製するために、生物学的物質からウイルス汚染を除去するための新規の方法に関する。
本発明はまた、脂質で被覆されたウイルス(HIV、B型肝炎ウイルスおよびC型肝炎ウイルスが挙げられるが、これらに限定されない)ならびに他のウイルス(サイトメガロウイルス、エプスタインバーウイルス、乳酸脱水素酵素増大ウイルス(例えば、アルテリウイルス)、ヘルペス群ウイルス、ラブドウイルス、ロイコウイルス、ミクソウイルス、アルファウイルス、アルボウイルス(B群)、パラミクソウイルス、アレナウイルス、およびコロナウイルスが挙げられるが、これらに限定されない)に対して用いられるウイルス不活性化因子を除去するための方法に関する。
1つの実施形態において、本発明に従って調製され得る生物学的物質としては、血漿、血漿濃縮物、血漿由来タンパク質、血漿クリオプレシピテート、血漿上清、ワクチン、血液製剤または任意のこのような生物学的流体が挙げられるが、これらに限定されない。
別の実施形態において、この方法は、血液、溶解物、または細胞によって分泌されたタンパク質の固形成分を処理する際に使用される。従って、血小板濃縮物、白血球(white cell)(白血球(leuckocyte))濃縮物、白血球が乏しい赤血球、ならびに血小板豊富血漿、血小板濃縮物、および血小板が乏しい血漿(赤血球より上の白血球からなる白色軟膜を含む濃縮細胞集団が挙げられる)の処理もまた企図される。顆粒球、単球、インターフェロンおよび転写因子の濃縮物を含む集団の処理もまた企図される。
別の実施形態において、この方法は、正常細胞または癌細胞の生成物に存在するウイルスを不活性化する際に使用される。例えば、同様の処理によって、正常細胞または癌細胞を用いて生成された生成物、正常細胞または癌細胞由来の浸出物、遺伝子スプライシングによって生成されるハイブリドーマおよび生成物に存在するウイルスを不活性化し得る。所望の生成物の生成のために使用される細胞は、哺乳動物であっても、哺乳動物でなくてもよい。
本発明の1つの実施形態は、溶媒−界面活性剤を実質的に含まず、血漿の生体成分を実質的に変化させない血漿を作製するための方法を提供することである。生体成分としては、フィブリノーゲン、第VIII因子、プロパーディン、IgG、IgM、IgA、β−リポタンパク質、プロトロンビン、プラスミノーゲン、プラスミンインヒビター、トロンビン、同種凝集素、第V因子、第VII因子、第IX因子、第X因子、セルトプラスミン(cerutoplasmin)、αグロブリンおよびβグロブリン、アルブミン、α−1−プロテイナーゼインヒビター、vWF、α−1−リポタンパク質、転移グロブリン、およびチロキシン結合グロブリンが挙げられるが、これらに限定されない。
凝固因子治療を必要とする患者のために使用されるためか、または血漿由来の治療タンパク質因子のための供給源として役立つためか、いずれかのためにプールされた血漿は、一般に、溶媒界面活性剤のような殺ウイルス性因子を用いる処理に供されて、ウイルスを不活性化し、そして血漿を臨床的用途のためにウイルス安全性にするか、またはその血漿由来の凝固因子の安全性プロフィールを改善する。しかしながら、溶媒界面活性剤の有害な作用を考慮して、それらは、ウイルス安全性生物学的流体から受容可能なレベルまで除去されることが必要とされる。最終生成物の薬学的に受容可能な量は、トリ−n−ブチルホスフェートについては2mcg/ml未満であり、Triton(登録商標)−X 100については5mcg/ml未満である。
本発明の1つの実施形態は、殺ウイルス性因子を、公式の薬局方に記録されているような所望のレベルおよび/または薬学的に受容可能なレベルにまで除去し、それによって、その臨床プロフィールを改善するための方法を提供する。UD Food and Drug Administrationによって公布されているガイドラインは、www.fda.gov/cber/guidelines.htmにてインターネット上でアクセスされ得る。殺ウイルス性因子を除去するための本発明の新規の方法は、同様の目的のために今までに開示された方法とは異なり、単一工程であり、簡単でかつ迅速な方法である。本発明の方法の他の有利な特徴は、都合よく確認され得、再現性があることである。
本発明は、殺ウイルス性因子によってすでに処理されたウイルス安全性の血漿、血漿濃縮物、血漿由来タンパク質、血漿クリオプレシピテート、血漿上清、血液製剤または任意のこのような生物学的流体を調製するために使用され得るか、または本発明は、上記の生物学的流体をウイルス不活性化処理に供して、ウイルス安全性にした後で使用され得る。ウイルスを不活性化するために、生物学的流体は、溶媒および/または界面活性剤のような殺ウイルス性因子による処理に供される。
殺ウイルス性因子として使用され得る溶媒は、適切に1個〜10個の炭素原子を有する分枝または非分枝、置換または非置換のアルキル基を有するジアルキルホスフェートまたはトリアルキルホスフェートあるいはそれらの組み合わせから選択され得る。種々のジアルキルホスフェートの混合物、および種々のトリアルキルホスフェートの混合物もまた使用され得る。ジアルキルホスフェートおよびトリアルキルホスフェートの混合物もまた、本発明の範囲内であり得る。使用され得るトリ−アルキルホスフェートは、アルキル基が、n−ブチル、t−ブチル、n−ヘキシル、2−エチルヘキシルおよびn−デシルまたはそれらの組み合わせであるものから選択され得る。好ましいウイルス不活性化溶媒は、トリ−n−ブチルホスフェート(TNBP)である。
殺ウイルス性因子として使用され得る界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤(例えば、ポリオキシエチレンエーテル(例えば、TRITON(登録商標))、またはポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(例えば、ポリオキシエチレン−(20)−ソルビタンモノラウレート、またはポリオキシエチレン−(20)−ソルビタンモノオレエート)、デオキシコール酸ナトリウム)、「スルホベタイン」として公知の合成両性イオン界面活性剤(例えば、N−ドデシル−N,N−メチル−2−アンモニオ−1エタンスルホネートおよびその同族体)または非イオン性界面活性剤(例えば、オクチル−β−D−グルコピラノシド)が挙げられる。1つの適切な界面活性剤は、TRITON(登録商標)X−100である。
ウイルス不活性化処理は、目的の水溶液に対する、溶媒および界面活性剤である殺ウイルス性因子の添加を含む。溶媒および界面活性剤の量は、処理される溶液の容積に依存して変化する。溶媒は、約2%重量/重量の濃度までで使用され得る。界面活性剤は、約2%重量/重量の濃度まで添加され得る。ウイルス不活性化処理は、約1時間〜約16時間、約4℃〜約50℃の範囲の温度で実施され得る。
本発明に従って、殺ウイルス性因子によるウイルス不活性化処理を受けるウイルス安全性生物学的流体は、この殺ウイルス性因子を除去する単一工程に供される。驚くべきことに、本発明に開示したような除去の単一工程を用いることによって、界面活性剤および溶媒の両方を除去することが可能であったことが、本発明者らによって発見された。
本発明の1つの実施形態において、有機マトリックスのような物質が、殺ウイルス性因子を除去するために使用される。生物学的流体は、限られた時間、十分な表面積で有機マトリックスと接触させられる。殺ウイルス性因子は、物理的に有機マトリックスの表面上に吸着し、上清の分離により、殺ウイルス性因子が有意なレベルまで除去されている生物学的流体が与えられる。
殺ウイルス性因子の除去の方法は、研究室および商業的産生レベルにおいて首尾よく使用され得る。図1は、殺ウイルス性因子を除去する方法を実施するための1つの実施形態を示す。さらに、この方法は、バッチ様式またはカラム様式のいずれかにおいて行われ得る。
本発明の1つの実施形態において、バッチ様式において殺ウイルス性因子を除去する方法は容器内で行われ得、ここで、ウイルス不活性処理後にウイルス安全性生物学的流体中に残っている殺ウイルス性因子を有するウイルス安全性生物学的流体は、攪拌下で約10〜40℃、好ましくは18〜30℃の温度で、約0.1時間〜4時間、好ましくは約0.15時間〜約2時間の間、所定の割合で有機マトリックスと接触させられる。上清は、簡単な濾過、減圧を適用することによる濾過、遠心分離、または任意の同様の技術のような任意の適切な技術を用いることによって、有機マトリックスを除去することにより、有機マトリックスから分離される。有機マトリックス上に物理的に吸着される殺ウイルス性因子は、生物学的流体から有意なレベルまで除去される。
本発明の別の実施形態において、カラム様式において殺ウイルス性因子を除去する方法は、有機マトリックスを予め充填されたカラム中で行われ、殺ウイルス性因子で汚染された生物学的流体は、そのカラムを通過する。目的の生物学的流体と有機樹脂との間の接触時間は、約0.1時間〜4時間、好ましくは約0.15時間〜2時間の範囲であるように、調整される。この目的のために用いられ得るカラムは、高さ1〜25cm、好ましくは4〜16cmであり、その直径は、処理される生物学的流体の容積に従って、調整され得る。
殺ウイルス性因子を除去するための本発明の目的のために用いられる有機マトリックスは、合成ポリマーから選択され、この合成ポリマーは、ポリ芳香族またはメタクリレートベースの樹脂であり、これは、一般に、処理を受けている溶液中で浸出する傾向を有さない。本発明の目的のために企図されたポリ芳香族樹脂は、好ましくはより大きい表面積を有するグレードのポリスチレン−ジビニルベンゼンコポリマー樹脂のクラスから選択される。ポリスチレン−ジビニルベンゼンコポリマー樹脂は、HP20、HP20 SS、SP 285などから選択され得る。メタクリレートベースの樹脂は、HP−2MG、SP70、SP207などから選択され得る。あるいは、ウイルス不活性化因子を十分に吸着する能力を有する任意の他の吸着剤マトリックスが、本発明の目的のために使用され得る。
有機マトリックスは、再生作用および除去作用の後、異なるバッチについて再利用され得る。樹脂対処理されるウイルス安全性生物学的流体の比は、1:1〜1:40、好ましくは1:2〜1:25、およびより好ましくは1:3〜1:10の間で変化し得る。
殺ウイルス性因子を除去することによる、ウイルス安全性生物学的流体の改良のための方法は、凝固因子の欠損、後天性多凝固因子欠損を有する患者のために有用であり、またワルファリン効果、血小板減少症、長いプロトロンビン時間、頭部外傷、関節出血、歯出血、硬膜下血腫、血尿、消化管出血、腹腔内出血、または任意のこのような障害の逆転を必要とする患者において有用な単一単位の新鮮な凍結血漿単位、またはプールされた血漿のいずれかである血漿由来の単一成分のタンパク質、または全血漿それ自体の両方のために効果的に使用され得る。
ウイルス安全性血漿のために使用される場合、この方法は、血漿の生体成分を変化させない。従って、本発明に従って処理された血漿の組成は、ほとんど元の血漿と同様である。従って、本発明の方法の結果として得られる改良されたウイルス安全性血漿は、高度に保存されたタンパク質が、ある程度低い免疫原性を有する傾向があるため、より低いレベルの免疫原性を有し得、従って治療的により有用であり得る。
本発明の性質が非限定的であり、本発明が、本発明の精神または特性から逸脱せずに特定の形態で実施され得、種々の改変および変更が、本発明の範囲から逸脱せずになされ得ることを上述の明細書が示すことは、当業者によって理解される。
ウイルス不活性化のプールされた血漿からの溶媒−界面活性剤の除去は、記載される実施例において説明され、まとめられた表にしたデータは、最も有益で好ましい化合物を選択するための手順を示す。
実施した研究の以下の詳細は、本発明の範囲を限定せずに本発明の方法を例示する。
以下の実施例は、本発明を行う方法および使用する方法の完全な開示および詳細を当業者に提供するために示され、発明者らが、彼らの発明としてみなした範囲を限定することを意図せず、また以下の実験が全てであることおよび実施される実験のみを表すことを意図しない。使用される数字(例えば、量、温度など)に関して正確さを確実にするための試みがなされるが、いくらかの実験誤差および偏差が考慮されるべきである。他に示されない限り、部は、重量部であり、分子量は、重量平均分子量であり、温度は、摂氏温度であり、圧力は、大気圧または大気圧付近である。
(実施例1:実験の詳細)
(工程1:溶媒および界面活性剤によるウイルス不活性化)
−20℃のフリーザーから取り出し、ウォーターバス中で30℃で解凍した、特定の群のドナーの血漿を試験する。次いで、血漿を解凍後にプールして、AP 25ミリポアを通して濾過する。
次いで、プールされた血漿を、溶媒であるトリ(n−ブチル)ホスフェート(TNBP)および界面活性剤であるTriton X−100を用いて4時間、30℃で処理する。この型の界面活性剤および溶媒は、エンベロープウイルス(HIV、HBV、HCVが挙げられる)を不活性化することが、公知である。
上記溶媒および界面活性剤によるこの型のウイルス不活性化は、周知の方法である(例えば、米国特許第4,540,573号を参照のこと)。
(工程2:溶媒および界面活性剤の除去)
工程1のウイルス不活性化血漿から溶媒および界面活性剤を除去するために高価で時間を消費する方法を用いる既存の技術とは異なり、本発明の方法は、合成ポリマーを用いる疎水性相互作用クロマトグラフィーによって実施される。
この合成ポリマーは、ポリスチレンベースのジビニルコポリマーのクラスから選択される。性質が非常に多孔性で疎水性である、これらのポリマーは、特に、利用可能な異なるグレード(例えば、SP70、HS20 SS、SP825、SP850、SP207など(Itochu Chemicals America,Inc.,White Plains,New York))を有するSEPABEADS(登録商標)の商品名でMitsubishi Chemical Corporation(日本)から入手可能である。
(合成ポリマー樹脂による溶媒界面活性剤の除去)
樹脂(例えば、SP 825)は、標準的な手順によって活性化および平衡化される。1gの樹脂を、4mlの溶媒界面活性剤処理された血漿に添加(すなわち、1:4(w/v))し、30℃で30分間、穏やかに攪拌する。この樹脂を、モスリン布を用いて分離し、血漿を別々に回収する。
ここで、実質的に溶媒および界面活性剤を含まない血漿を、次いで、デプス(Depth)フィルター(Microfilt,India)に通し、次いで、0.22μフィルターに通す。
このようにして、得られた最終生成物は、プールされた血漿のウイルス不活性化生成物(Plasma pooled Virus Inactivated product)についての公式の英国薬局方(British Pharmacoepia)に記録された規格に従っており、ここで、Triron−X100の最大の受容可能限度は、5ppmであり、トリ(n−ブチル)ホスフェートは、2ppmである(The British Pharmacopeia,H.M.Printing Office,Londonを参照のこと)。
(実施例2:界面活性剤および第VIII因子レベルに対する樹脂の効果の分析)
樹脂ならびに第VIII因子含有量および残余の界面活性剤(ppm)の種々の割合を、以下の表にした。
表1:
Figure 2008505065
Tritonは、HP20、SP207およびHP2 MGにおいて受容可能な限度より大きいことを見出した。SP70およびSP825は、Trironを、5ppmの受容可能な限度未満まで、より効果的に除去した。さらにSP825樹脂は、界面活性剤を除去する際に効果的であり、第VIII因子を十分に回収し、凝固因子のあらゆる損失/不活性化を伴わなかった。
(実施例3:SP825樹脂による溶媒界面活性剤除去および第VIII因子レベルについての温度の最適化)
血漿に関する樹脂の温度および割合のような方法のパラメーターを最適化するために、広範な研究を、SP 825に対して行った。
表2:
Figure 2008505065
30℃での1:4の割合における樹脂対血漿の比は、第VIII因子およびTritonについての受容可能な結果をもたらした。しかしながら、4℃にて、残余の界面活性剤は、5ppmより多く、第VIII因子の回収が少なかったことが見出された。
従って、溶媒および界面活性剤を効果的に除去するために最も好ましい温度は、20〜30℃の範囲の室温であったことが推測された。
(実施例4:溶媒および界面活性剤の効果的な除去のための樹脂に対するサンプルの接触時間の最適化)
血漿とSP 825樹脂との異なる間隔の接触時間を、界面活性剤の効果的な除去のために研究した。
表3:
Figure 2008505065
30℃で30〜40分間の1:4の割合の樹脂対血漿が、溶媒界面活性剤の除去のために最適であった。
(実施例5:pHに対する樹脂の効果の分析)
以下の実験的証拠によって得られたように、樹脂処理後にpHの有意な変化はなかった。
表4:
Figure 2008505065
(実施例6:カラム様式によるS−Dの除去)
カラム様式およびバッチ様式における樹脂の性能を、以下の手順によって研究した:
1.10gmの樹脂を秤量して、XK16(Amersham Biosciences,GE Healthcare,UK)カラムに充填した。
2.10mgの樹脂を秤量して、ガラスビーカーに入れた。
3.40mlの溶媒界面活性剤(S−D)処理された血漿を、バッチ様式のためにビーカー中の樹脂に添加した。
4.40mlのS−D処理した血漿を、室温でカラムに通した。
5.流速を、計量シリンダーを使って調べた。代表的に、2.5ml/分。
6.線形流速75cm/時間。
7.S−D処理した血漿を5回カラムに通して、サンプルを分析のために全ての通過において回収した。
表5:
Figure 2008505065
溶媒および界面活性剤は、45〜75cm/時間の流速、好ましくは60cm/時間の線形流速および20〜30℃の範囲の温度でカラム様式によって除去され得る。
(実施例7:樹脂の再生)
樹脂は、製造業者のLabion TMのデータシートにおいて製造業者Mitsubishiによって指示されるような以下の手順によって、毎実行後に再生され得る。
樹脂は、注射用の水で2回洗浄されて、あらゆる残っている血漿を除去する。次いで、樹脂は、25〜30℃でゆっくりと攪拌しながら、15分間、3倍の容積の3%水酸化ナトリウム水溶液で処理され、次いで、デカントされ、3倍の容積の水で洗浄される。
水を完全に除去した後、樹脂は、3倍の容積の80%イソプロパノールで処理されて、次いで、最終的に室温で保存される。
次いで、樹脂のサンプルを、280nmでの光学濃度によって、イソプロパノールおよびタンパク質について分析する。
再生された樹脂は、広範な洗浄、妥当性および規定の承認の後でのみ、再利用され得る。
(実施例8:5リットルの試験的スケールにおける製造方法)
製造方法は、図1に示されるフローチャートに例示された以下の工程を包含する。
ボランティアのドナーから回収した15時間以内の凍結された血漿をバッグから取り出し、プールして、35℃を超えない温度で解凍した。生成物は1.0μm濾過を通過し、プロセスタンクに移された。調整したプールされた血漿は、0.3%TNBPおよび1%Triton X−100の添加によりウイルス不活性化された。この混合物を、30±2℃で4時間、インキュベートした。
TNBPおよびTriton X−100を、20〜30℃で30分間、疎水性相互作用クロマトグラフィー、続いて、デプス濾過および0.22μ濾過によって除去した。次いで、生成物を、割り当てたバッグに充填し、標識し、−20℃で保存した。
溶媒界面活性剤除去のために上記の樹脂を用いることによる実験室スケールから試験的スケールへのスケールアップの結果を以下に示し、この方法に対する産業上の利用可能性を示す。
表6:
Figure 2008505065
(実施例9:Tritonおよびトリ−(N−ブチル)ホスフェートについての分析手順)
(a)残余のTriton分析についてのサンプル調製
HIC樹脂処理後のS−D処理された血漿を、75%イソプロパノール(v/v)によりC−18カートリッジ上で抽出した。抽出手順を、サンプル中に既知量のTritonを加える(spike)ことによって調べた。ほぼ99%の量のTritonを回収した。
(b)HPLC分析の方法
抽出したサンプルをC−8カラムに負荷して、UV検出器280nmを使用し、残余のtritonを検出した。
(c)トリ(n−ブチル)ホスフェートについてのサンプル調製
次いで、最終サンプルを、ヘキサンで抽出した。エタノールを添加して、透明な上清を得た。1μlの上清のサンプルを、ガスクロマトグラフィー分析のために使用する。抽出手順を、既知量のTNBPを加えることによってモニタリングし、ほぼ99%の量を回収した。
FID検出器を備えるHP−5カラムを、分析のために使用した。検出温度は、250℃であった。得られた生成物を性質決定し、出発物質のヒト凍結血漿と生化学的に同様であることを見出した。
この分析方法は、Kaliappanadarら、「Validation of a simple and sensitive gas chromatographic method of analysis of Tri−n−butyl phosphate from virally inactivated human Immunoglobulin」J.Chromatography B,757:181〜189(1993)に記載される。
(生成物の規格)
本発明の方法を用いた溶媒界面活性剤処理したプールされた血漿について得られた生成物は、英国薬局方に記載される制限または規格に従う。
表7:
Figure 2008505065
本明細書中に引用される全ての刊行物および特許出願は、各々の個々の刊行物または特許出願が、具体的かつ個別に参考として援用されることを示すように、本明細書中に参考として援用される。
上述の発明は、説明および例として、理解を明確にする目的で、いくらか詳細に記載されているが、添付の特許請求の範囲の精神または範囲から逸脱せずに、いくらかの変更および改変が本発明になされ得ることは、本発明の教示を考慮して、当業者に容易に理解される。
図1は、5リットルバッチの血漿を処理する例のフローチャートを示す。

Claims (36)

  1. ウイルス不活性化血漿を調製する方法であって、該方法は、以下:
    ウイルスを含む疑いのある血漿を提供する工程;
    該ウイルスを実質的に不活性化するのに十分な量および条件下で該血漿と溶媒界面活性剤とを接触させる工程;および
    合成ポリマーで処理することによって血漿から溶媒−界面活性剤を除去する工程、
    を包含する、方法。
  2. 溶媒界面活性剤ウイルス不活性化血漿から溶媒および界面活性剤を除去する方法であって、該方法は、以下:
    該溶媒界面活性剤ウイルス不活性化血漿を、該溶媒および界面活性剤が実質的に除去される条件下で、合成ポリマーを含む疎水性相互作用クロマトグラフィーに供する工程、
    を包含する、方法。
  3. 溶媒界面活性剤が除去されたウイルス不活性化血漿を調製する方法であって、該方法は、以下:
    ウイルスを実質的に不活性するのに十分な量および条件下で溶媒界面活性剤で処理された血漿を提供する工程;および
    合成ポリマーを用いる単一工程処理によって、該溶媒および界面活性剤を血漿から除去する工程、
    を包含する、方法。
  4. 前記溶媒が、n−ブチル、t−ブチル、n−ヘキシル、2−エチルヘキシルおよびn−デシルからなるアルキル基から選択される、トリ−アルキルホスフェートである、請求項1、2または3に記載の方法。
  5. 前記界面活性剤が、ポリオキシエチレンエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、デオキシコール酸ナトリウム、合成両性イオン性界面活性剤、およびオクチル−β−D−グルコピラノシドからなる群より選択される、請求項1、2または3に記載の方法。
  6. 前記溶媒が、トリ(n−ブチル)ホスフェートであり、前記界面活性剤が、TRITON(登録商標)X−100である、請求項1、2または3に記載の方法。
  7. 前記合成ポリマーが、有機マトリックスとして提供される合成芳香族樹脂である、請求項1、2または3に記載の方法。
  8. 前記合成ポリマーが、疎水性である、請求項1、2または3に記載の方法。
  9. 前記疎水性合成ポリマーが、ポリスチレンベースのジビニルベンゼンコポリマーおよびメタクリレートベースのポリマーからなる群より選択される、請求項1、2または3に記載の方法。
  10. 前記合成ポリマーが、HP20、HP22 SS SP285、HP−2MGのグレードにおけるSEPABEADSからなる群より選択される、請求項1、2または3に記載の方法。
  11. 前記合成ポリマーが、SP70およびSP207からなる群より選択される、請求項1、2または3に記載の方法。
  12. 前記合成ポリマーが、ポリスチレンベースのジビニルベンゼンコポリマー樹脂である、請求項1、2または3に記載の方法。
  13. 前記ポリスチレンベースのジビニルベンゼンコポリマー樹脂が、HP20、HP20 SSおよびSP285からなる群より選択される、請求項10に記載の方法。
  14. 前記ポリスチレンベースのジビニルベンゼンコポリマー樹脂が、SP285である、請求項10に記載の方法。
  15. 前記合成ポリマーが、メタクリレートベースのポリマーである、請求項1、2または3に記載の方法。
  16. 前記メタクリレートベースのポリマーが、HP−2MG、SP70およびSP207からなる群より選択される、請求項15に記載の方法。
  17. 前記合成ポリマーが、1:1〜1:8の範囲、好ましくは1:4〜1:6の範囲の樹脂対溶媒界面活性剤処理された血漿の比で使用される、請求項1、2または3に記載の方法。
  18. 溶媒−界面活性剤処理された血漿から溶媒−界面活性剤を除去する、請求項3に記載の単一工程方法であって、該方法はさらに、以下:
    前記ウイルス不活性化血漿を前記合成ポリマーで10〜60分間処理する工程、
    を包含する、方法。
  19. 前記ウイルス不活性化血漿が、前記合成ポリマーで30分間処理される、請求項18に記載の方法。
  20. 溶媒−界面活性剤処理された血漿から溶媒−界面活性剤を除去する、請求項3に記載の単一工程方法であって、該方法はさらに、以下:
    前記ウイルス不活性化血漿を前記合成ポリマーで4℃〜40℃にて所定の時間、処理する工程、
    を包含する、方法。
  21. 前記不活性化血漿が、20℃〜30℃にて合成ポリマーで処理される、請求項20に記載の方法。
  22. ウイルス不活性化血漿を調製する方法であって、該方法は、以下:
    (a)ドナーから血漿を提供する工程;
    (b)ウイルスを不活性化するのに十分な量および条件下で血漿を溶媒界面活性剤で処理する工程、
    (c)溶媒界面活性剤を除去するのに十分な条件下で該処理された血漿とポリスチレンベースのジビニルベンゼンコポリマーとを接触させる工程、
    を包含する、方法。
  23. 前記方法が、試験的スケールで使用されるか、または工業的スケールで使用される、請求項1、2または3に記載の方法。
  24. さらに、前記合成ポリマーが、使用後再生される、請求項1、2または3に記載の方法。
  25. 前記血漿が、実質的に溶媒−界面活性剤を含まない、請求項1、2または3に記載の方法。
  26. 前記血漿が、凝固因子の欠損を有する患者のために使用され、かつワルファリン効果、血小板減少症、長いプロトロンビン時間、頭部外傷、関節出血、歯出血、硬膜下血腫、血尿、消化管出血、または腹腔内出血の逆転を必要とする患者において使用される、請求項25に記載の方法。
  27. 前記血漿が、実質的に溶媒−界面活性剤を含まず、そして生体成分に関する血漿の組成が、実質的に変化しない、請求項1に記載の方法。
  28. 前記血漿が、受容可能な薬局方収載の制限である2ppm未満の溶媒および5ppm未満の界面活性剤を満たし、さらに該血漿が、実質的に溶媒−界面活性剤を含まない、請求項1に記載の方法。
  29. 請求項1、2および20のいずれかに記載の方法によって調製される、ウイルス不活性化血漿。
  30. 前記血漿が、複数のドナーの血漿からプールされる、請求項29に記載のウイルス不活性化血漿。
  31. ウイルス安全性の生物学的物質を調製する方法であって、該方法は、以下:
    ウイルスを含む疑いのある生物学的物質を提供する工程;
    該ウイルスを実質的に不活性化するのに十分な量および条件下で該生物学的物質と溶媒界面活性剤とを接触させる工程;および
    合成ポリマーで処理することによって、溶媒−界面活性剤を該生物学的物質から除去する工程、
    を包含する、方法。
  32. 前記生物学的物質が、以下:
    血漿、血漿濃縮物、血漿由来タンパク質、血漿クリオプレシピテート、血漿上清、ワクチン、血液製剤、血清、生物学的流体、血液の固体成分、溶解物、細胞によって分泌されたタンパク質、血小板濃縮物、白血球(white cell)(白血球(leuckocyte))濃縮物、白血球が乏しい赤血球、血小板豊富血漿、血小板濃縮物、血小板が乏しい血漿、赤血球より上の白血球からなる白色軟膜を含む濃縮細胞集団、ならびに1種以上の顆粒球、単球、インターフェロン、および転移因子の濃縮物を含む集団、
    からなる群より選択される、請求項31に記載の方法。
  33. 請求項31に記載の方法に従って調製される、ウイルス安全性生物学的物質。
  34. 請求項33に記載のウイルス安全性生物学的物質であって、該生物学的物質は、以下:
    血漿、血漿濃縮物、血漿由来タンパク質、血漿クリオプレシピテート、血漿上清、ワクチン、血液製剤、血清、生物学的流体、血液の固体成分、溶解物、細胞によって分泌されたタンパク質、血小板濃縮物、白血球(white cell)(白血球(leukocyte))濃縮物、白血球が乏しい赤血球、血小板豊富血漿、血小板濃縮物、血小板が乏しい血漿、赤血球より上の白血球からなる白色軟膜を含む濃縮細胞集団、ならびに1種以上の顆粒球、単球、インターフェロン、および転移因子の濃縮物を含む集団、
    からなる群より選択される、生物学的物質。
  35. 前記ウイルスが、エンベロープウイルスである、請求項31に記載の方法。
  36. 前記ウイルスが、HIV、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、サイトメガロウイルス、エプスタインバーウイルス、乳酸脱水素酵素増大ウイルス(例えば、アルテリウイルス)、ヘルペス群ウイルス、ラブドウイルス、ロイコウイルス、ミクソウイルス、アルファウイルス、アルボウイルス(B群)、パラミクソウイルス、アレナウイルス、およびコロナウイルスからなる群より選択される、脂質被覆されたウイルスである、請求項35に記載の方法。
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