JP4619290B2 - 建築用ブロック、これを用いた建築用パネルおよび建築用パネル形成工法 - Google Patents

建築用ブロック、これを用いた建築用パネルおよび建築用パネル形成工法 Download PDF

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Description

本発明は鉄筋コンクリート製建築物における壁部、床部あるいは天井部などの平面状構造体を構築する技術に関する。
従来、鉄筋コンクリート製建築物の壁部や床部などの構造体を構築する場合、施工現場においてコンクリート型枠を組み立て、この型枠内に鉄筋材を配筋した後、コンクリートを打設する、という工法が採用されている。
しかしながら、このような現場打設工法は、型枠の組み立て、コンクリートの打設、コンクリートの固化および養生などの各種工程に多大な労力と時間が必要であるため、工期短縮の阻害要因となっている。また、これらの工程においては、それぞれ専門の熟練技術者が必要である。
さらに、型枠材および鉄筋材の搬入、組み立て作業およびコンクリート打設作業は広い作業スペースを必要とするため、施工現場に隣接する道路が狭い場合あるいは敷地が狭い場所は作業性が著しく悪化する。
そこで、壁部、塀、基礎土台などの構造体を構築する場合、工場で予め製造された各種コンクリートブロックを施工現場に搬入し、これらのコンクリートブロックを縦横に配列して平面体を形成し、所定の連結手段でブロック同士を互いに固定することによって壁部や塀などを形成する、という技術が開発されている(例えば、特許文献1,2参照。)。
特許文献1に記載されている積み重ね式コンクリートブロックは、当該ブロックの頂面および底面に植設された複数のパイプ部材に連結ピン部材を嵌め合せて複数のブロックを互いに連結することによって、壁や基礎土台などを構築するものである。
特許文献2に記載されているブロック壁の施工法は、多数のコンクリートブロックを縦横に敷並べ、各コンクリートブロックの接合面を接着剤で接着するとともに所定箇所に張力用鋼棒を挿入して締め付けてブロックパネルを形成し、このブロックパネルを壁用として建て込む、というものである。
実開昭64−7618号公報(第5−9頁) 特開昭55−39569号公報(第3−8頁)
特許文献1に記載されている積み重ね式コンクリートブロックの場合、連結ピン部材を用いることによって正確、確実にブロックを積み重ねていくことができるが、上下方向に隣接するブロック同士の境界部分の全てに連結ピン部材を配置しなければならないので、これらの作業に多大な時間と労力が必要である。
また、これらの連結ピン部材はブロック同士を引き付けて固定するものではないので、積み重ね施工後のブロック同士の境界部分に、連結ピン部材の軸心方向の引張り力が加わると、ブロックが分離するおそれがある。したがって、壁、塀あるいは基礎土台などのように、通常、連結ピン部材軸心方向の圧縮力しか加わらない構造体には好適であるが、建築物の床部のように撓み方向の外力が加わる可能性のある構造体には不向きである。
一方、特許文献2に記載されているブロック壁の施工法においては、縦横に敷並べた多数のコンクリートブロックの接合面を接着剤で接着するとともに張力用鋼棒を挿入して締め付けることによってブロックパネルが形成されるが、張力用鋼棒が挿入される箇所が隣接するブロックの接合部分であるため、ブロック同士を連結する力が弱い。
また、ブロック同士の接合面は接着剤で接着されるため、施工後、時間が経過すると、接着剤が劣化したり、収縮したりして、ブロック同士の接合部分が離れたり、隙間が生じたりすることがあり、耐久性に乏しい。
本発明が解決しようとする課題は、建築物の壁部や床部などの平面状構造体を比較的短期間で容易に構築することができ、これらの平面状構造体の耐久性も向上させることのできる技術を提供することにある。
本発明の建築用ブロックは、外周面を互いに当接させて平面状に複数配列することにより平面状構造体を構築可能な建築用ブロックであって、その正面および背面と平行に線状または棒状の緊張用部材を挿通させるために当該建築用ブロックの厚さ方向に距離を隔てて互いに平行をなすように形成された複数の貫通孔と、前記緊張用部材と立体交差する方向に他の緊張用部材を配置するため前記貫通孔の軸心方向と交差する外周面である上面および下面の前記貫通孔の間にそれぞれ形成された凹部と、前記上面および下面の前記凹部に交差する位置に開口して貫通状に形成された空洞部と、を備えたことを特徴とする。
このような構成とすることにより、複数の建築用ブロックをその外周面同士を互いに接触させ且つ複数の貫通孔が連通するように平面状に複数個配列し、複数の貫通孔に緊張用部材を挿通させるとともに凹部に緊張用部材を配置し、これらの緊張用部材に張力を発生させることによって建築用ブロック同士を圧着すれば、平面状構造体を形成することができる。
したがって、このような平面状構造体を、建築物の施工の際に、壁部、床部あるいは天井部として建て込めば、建築物の壁部や床部などの平面状構造体を比較的短期間で容易に構築することができる。また、隣接する建築用ブロック同士は緊張用部材のみによって圧着されているため、施工後に接着剤の劣化が生じることがなく、耐久性も優れている。
また、前記上面および前記下面の凹部に交差する位置に開口して貫通状に形成された空洞部を備えたことにより、当該ブロック体自体を軽量化し、断熱性をもたせることができる。さらに、複数の当該建築用ブロック体を配列して平面状構造体を構築したとき、これらの空洞部同士が互いに面方向に連通するため、平面状構造体の軽量化を図ることができ、断熱性も向上する。
一方、複数の前記貫通孔は、当該ブロック体の厚さ方向と直交する方向に距離を隔てて互いに平行に配置することもできる。このような配置とすれば、それらの貫通孔に緊張用部材を挿通することによって当該ブロック体を強固に保持することが可能となるため、平面状構造体を構築したときの強度がさらに向上する。
次に、本発明の建築用パネルは、前述した建築用ブロックをその外周面同士を互いに接触させ且つ複数の貫通孔を連通させて平面状に複数個配置し、複数の貫通孔に緊張用部材を挿通させるとともに凹部に緊張用部材を配置し、これらの緊張用部材に張力を発生させることにより建築用ブロック同士を圧着して形成したことを特徴とする。
このような構成とすることにより、建築物の壁部や床部などの平面状構造体を比較的短期間で容易に構築することができるようになり、接着剤を全く使用しないので、これらの平面状構造体の耐久性も向上する。
この建築用パネルにおいては、前記緊張用部材に張力を発生させるための反力部材を周縁部分に位置する建築用ブロックの外周面に付設することが望ましい。このような反力部材を付設すれば、緊張用部材に的確に張力を発生させることができるようになるため、強度および耐久性がさらに向上する。この場合、周縁部分全体に額縁状に反力部材を付設すれば、剛性が高まるとともに、緊張用部材に発生する張力の反力を、周縁部分全体で分散保持することができるようになるため、応力集中に起因するクラック発生を防止することが可能となる。
この場合、隣接する前記建築用ブロックの間に、応力分散用の隙間充填材を介在させることが望ましい。このような構成とすれば、建築用パネルにおいて、隣接する建築用ブロック同士の間に、当該ブロックの製造精度に起因して存在する細かな隙間が隙間充填材によって充填された状態となる。これにより、緊張用部材の張力により建築用ブロックに加えられた加圧力で各建築用ブロック間に生じている圧縮応力が、隣接する建築用ブロック同士の間に存在する隙間充填材によって均等に分散され、隣接する建築用ブロック同士の間で全面的に伝達されるようになるため、圧縮応力の集中によって建築用ブロックにクラックが発生したり、割れたりするのを防止することができる。
この場合、前記隙間充填材として、硬化性を有する練り状材、建築用ブロック同士の圧着により変形可能な材料を用いることができる。ここで、硬化性を有する練り状材とは、使用開始時は練り状態の物質であって、水分や溶剤の蒸発あるいは硬化反応などの化学反応過程を経ることによって建築用ブロック同士の圧着力で破壊しない程度まで硬化する性質を有する物質をいう。また、建築用ブロック同士の圧着により変形可能な材料とは、建築用ブロック同士の間に挟まれた状態で加圧されたとき、材料の少なくとも一部が、ブロック同士の隙間の形状に沿って当該隙間を充填するように変形可能であることをいう。
このような材質の隙間充填材は、緊張用部材の張力によって建築用ブロックに加えられた加圧力により、隣接する建築用ブロック同士の間で流動したり、変形したりして、建築用ブロック同士の間に存在する隙間を埋めていくので、建築用ブロック同士の間の細かな隙間を殆ど無くすことができる。これにより、各建築用ブロック間に生じている圧縮応力が隙間充填材で均等に分散されて伝わるようになるため、応力集中によるクラックや割れの発生を無くすことができる。これらの隙間充填材は、建築用ブロックを平面状に複数配列していく際に、隣接する建築用ブロック同士の間に介在させるが、硬化性を有する練り状材は、それ自体が圧縮応力の伝達が可能な状態まで硬化した時点で、建築用ブロックに加圧力を加えて圧着させることが望ましく、これによって建築用ブロック間の隙間を充填することができる。なお、建築用ブロック同士の圧着により変形可能な材料としては、紙材(例えば、板紙)、金属材(例えば、鋼板)などを用いることができる。
ここで、硬化性を有する練り状材として、セメントペーストあるいは水ガラスを用いれば、隣接する建築用ブロック同士の間に存在する細かな隙間をムラ無く且つ漏れなく充填することができるため、優れた応力分散機能を得ることができる。なお、セメントペーストおよび水ガラスは、前述と同様、それ自体が圧縮応力の伝達が可能な状態まで硬化した時点で、建築用ブロックに加圧力を加えて圧着させることが望ましい。
一方、前記反力部材として、当該建築用パネルの周縁寄りの領域に、ボルト挿通孔以外の貫通孔および空洞部が存在しない緻密構造を有するブロック体を用いることが望ましい。このような構成とすれば、緊張用部材に張力を発生させるために反力部材(ブロック体)に加えられた引張力によって当該反力部材が割れたり、損傷したりするのを防止することができる。
次に、本発明の建築用パネル形成工法は、前述した複数の建築用ブロックをその外周面同士の間に応力分散用の隙間充填材を介在させた状態で隣接させ且つ複数の前記貫通孔を連通させて平面状に複数配置する工程と、複数の前記貫通孔に緊張用部材を挿通させるとともに前記凹部に緊張用部材を配置する工程と、前記緊張用部材に張力を発生させることにより前記建築用ブロック同士を圧着する工程と、を含むことを特徴とする。
このような構成とすることにより、建築物の壁部や床部などの平面状構造体に適した建築用パネルを比較的短期間で容易に形成することができる。また、隙間充填材を介在させることで、応力集中によるクラックや割れの発生を無くすことができるため、強度および耐久性をさらに向上させることができる。
(1)外周面を互いに当接させて平面状に複数配列することにより平面状構造体を構築可能な建築用ブロックにおいて、その正面および背面と平行に線状または棒状の緊張用部材を挿通させるために当該建築用ブロックの厚さ方向に距離を隔てて互いに平行をなすように形成された複数の貫通孔と、前記緊張用部材と立体交差する方向に他の緊張用部材を配置するため前記貫通孔の軸心方向と交差する外周面である上面および下面の前記貫通孔の間にそれぞれ形成された凹部と、前記上面および下面の前記凹部に交差する位置に開口して貫通状に形成された空洞部と、を備えたことにより、これらの建築用ブロックを平面状に複数配列して連結するだけで、建築物の壁部や床部などの平面状構造体を比較的短期間で容易に構築することができ、これらの平面状構造体の耐久性も向上する。
(2)前記上面の凹部および前記下面の凹部に交差する位置に開口して貫通状に形成された空洞部を備えたことにより、当該ブロック体自体を軽量化し、断熱性をもたせることができる。また、複数の当該建築用ブロック体を配列して平面状構造体を構築したとき、これらの空洞部同士が互いに面方向に連通するため、平面状構造体の軽量化を図ることができ、断熱性も向上する。
(3)複数の前記貫通孔、当該ブロック体の厚さ方向と直交する方向に距離を隔てて互いに平行に配置すれば、それらの貫通孔に緊張用部材を挿通することによって当該ブロック体を強固に保持することが可能となるため、平面状構造体を構築したときの強度がさらに向上する。
(4)前記(1)〜(3)に記載の建築用ブロックをその外周面同士を互いに接触させ且つ複数の貫通孔を連通させて平面状に複数個配置し、複数の貫通孔に緊張用部材を挿通させるとともに凹部に緊張用部材を配置し、これらの緊張用部材に張力を発生させることにより建築用ブロック同士を圧着して建築用パネルを形成すれば、建築物の壁部や床部などの平面状構造体を比較的短期間で容易に構築することができるようになり、接着剤を全く使用しないので、これらの平面状構造体の耐久性も向上する。
(5)前記緊張用部材に張力を発生させるための反力部材を、周縁部分に位置する建築用ブロックの外周面に付設すれば、強度および耐久性がさらに向上する。
(6)隣接する前記建築用ブロックの間に、応力分散用の隙間充填材を介在させれば、隣接する建築用ブロック同士の間の隙間が隙間充填材で充填され、各建築用ブロック間に生じている圧縮応力が隣接する建築用ブロック同士の間で均等に分散されて伝達されるようになるため、圧縮応力の集中により建築用ブロックにクラックが発生したり、割れたりするのを防止することができる。
(7)前記隙間充填材として、硬化性を有する練り状材、建築用ブロック同士の圧着により変形可能な金属材若しくは紙材のいずれかを用いれば、建築用ブロック同士の間の隙間を殆ど無くすことができるため、応力集中によるクラックや割れの発生を無くすことができる。
(8)硬化性を有する練り状材として、セメントペーストあるいは水ガラスを用いれば、比較的容易な作業で建築用ブロック同士の間に存在する細かな隙間をムラ無く充填することができるため、応力集中によるクラックや割れの発生を無くすことができる。
(9)前記反力部材として、当該建築用パネルの周縁部寄りの領域に、緻密構造を有するブロック体を用いれば、緊張用部材に張力を発生させるために反力部材に加えられた引張力によって当該反力部材が割れたり、損傷したりするのを防止することができる。
(10)前記(1)〜(3)に記載の建築用ブロックをその外周面同士の間に応力分散用の隙間充填材を介在させた状態で隣接させ且つ複数の前記貫通孔を連通させて平面状に複数配置する工程と、複数の前記貫通孔に緊張用部材を挿通させるとともに前記凹部に緊張用部材を配置する工程と、前記緊張用部材に張力を発生させることにより前記建築用ブロック同士を圧着する工程と、を含むことにより、建築物の壁部や床部などの平面状構造体に適した強度および耐久性に優れた建築用パネルを比較的短期間で容易に形成することができる。
本発明の第1実施形態である建築用ブロックを示す斜視図である。 (a)は図1に示す建築用ブロックの平面図、(b)は前記建築用ブロックの正面図、(c)は前記建築用ブロックの側面図である。 本発明の第2実施形態である建築用ブロックを示す斜視図である。 (a)は図3に示す建築用ブロックの平面図、(b)は前記建築用ブロックの正面図、(c)は前記建築用ブロックの側面図である。 (a)は図1に示す建築用ブロックを用いて構築した建築用パネルを示す斜視図、(b)は前記建築用パネルにおける緊張用部材の配置状態を示す斜視図である。 図5(a)に示す建築用パネルのコーナー部分を示す分解斜視図である。 図5に示す建築用パネルにおける緊張用部材への張力付与状態を示す模式図である。 (a)は図1および図2に示す建築用ブロックを用いて構築した建築用パネルを示す斜視図、(b)は前記建築用パネルにおける緊張用部材の配置状態を示す斜視図である。 図5(a)および図8(a)に示す建築用パネルを用いて建築物の壁部、床部を構築する状態を示す一部省略斜視図である。 図1に示す建築用ブロックを用いて形成した建築用パネルを組み合わせて構築した塀を示す斜視図である。 本発明の第3実施形態である建築用ブロックを示す平面図である。 図11に示す建築用ブロックの側面図である。 本発明の第4実施形態である建築用ブロックを示す平面図である。 図13に示す建築用ブロックの側面図である。 図11,図13に示す建築用ブロックと組み合わせて使用する補助ブロックの平面図である。 図15に示す補助ブロックの側面図である。 図11,図13に示す建築用ブロックを用いて構築した建築用パネルを示す斜視図である。 図17に示す建築用パネルの一部切欠斜視図である。 (a)は図17に示す建築用パネルの一部拡大斜視図、(b)は前記(a)の一部拡大図である。 (a)は図17におけるA−A線断面図であり、(b)は図17におけるB−B線断面図である。
符号の説明
10,20,70,80 建築用ブロック
10a,20a,70a,80a 上面
10b,20b,70b,80b 下面
10c,20c,70c,80c 左側面
10d,20d,70d,80d 右側面
10e,20e,70e,80e 背面
10f,20f,70f,80f 正面
10w,20w,70w,80w,90w 左右方向の寸法
10t,20t 厚さ方向
11,21,33,71,81,91 貫通孔
12,22,72,82 凹
13,23,73,83 空洞部
14,24,74,84 溝部
30,30X,30Y,31 緊張用部材
32 反力部材
30a,31a 雄ねじ部
34a,34b,34c,34d,34e 保持板
35,37 ナット
36 スプリングワッシャ
40,41,42,50,100 建築用パネル
43 塀
60,61 梁材
90,9h 補助ブロック
93 凹部
C 天井部
F 床部
SP セメントペースト
W 壁部
図1〜図10を参照して、本発明の第1,2実施形態である建築用ブロックおよびこれらを用いて形成した建築用パネルについて説明する。
図1,図2に示すように、第1実施形態の建築用ブロック10は、後述するように、上面10a、下面10bおよび左側面10c、右側面10dの4つの外周面を互いに当接させて平面状に複数配列することにより平面状構造体を構築可能なブロックである。建築用ブロック10には、その正面10fおよび背面10eと平行に、後述する棒状の緊張用部材を挿通させるための複数の貫通孔11が形成され、貫通孔11に挿通させた緊張用部材と立体交差する方向に他の緊張用部材を配置するため貫通孔11の軸心方向と交差する外周面である上面10aおよび下面10bにそれぞれ凹部12が形成されている。
また、建築用ブロック10には、上面10aおよび下面10bに開口する5つの空洞部13が貫通状に形成され、左側面10c,右側面10dには、それぞれ空洞部13と同方向の溝部14が形成されている。
また、図3,図4に示す建築用ブロック20は、建築用ブロック10と同様、上面20a、下面20bおよび左側面20c、右側面20dの4つの外周面を互いに当接させて平面状に複数配列することにより平面状構造体を構築可能なブロックである。建築用ブロック20には、その正面20fおよび背面20eと平行に、緊張用部材を挿通させるための複数の貫通孔21が形成され、貫通孔21に挿通させた緊張用部材と立体交差する方向に他の緊張用部材を配置するため貫通孔21の軸心方向と交差する外周面である上面20aおよび下面20bにそれぞれ凹部22が形成されている。
また、建築用ブロック20にも、上面20aおよび下面20bに開口する2つの空洞部23が貫通状に形成され、左側面20c,右側面20dには、それぞれ空洞部23と同方向の溝部24が形成されている。
このように、建築用ブロック10と建築用ブロック20とは、それぞれの左右方向の寸法が異なるのみであり、その他の部分の寸法、構造は同じである。すなわち、建築用ブロック10の左右方向の寸法10wは、建築用ブロック20の左右方向の寸法20wの2倍となっているだけで、他の点は同様である。
図5(a)に示すように、複数の建築用ブロック10を、その外周面同士を互いに接触させ且つ複数の貫通孔11が軸心方向に直線状に連通するように平面状に配列し、図5(b)に示すように、連通する複数の貫通孔11に緊張用部材30を挿通させるとともに凹部12に緊張用部材31を配置する。この後、最外周に位置する建築用ブロック10の外周面に沿って反力部材32を付設し、図6に示すように反力部材32の貫通孔33から突出した緊張用部材30,31の雄ねじ部30a,31aに保持板34a,34b,34cを取り付け、スプリングワッシャ36を装着し、ナット35を螺着する。
そして、ナット35で締め付けることによって緊張用部材30,31に張力を発生させれば、建築用ブロック10同士は強固に圧着され、図5に示すように、平面状構造体である建築用パネル40が形成される。この場合、反力部材32同士が隣接している部分には、隣接部分を跨ぐ長さを有する保持板34a,34cを用いることが望ましく、これによって隣接する反力部材32同士を強く連結することができる。
なお、緊張用部材30,31として外周に雄ねじ部が形成された異形鉄筋を用いれば、雄ねじ部30a,31aを形成しなくてもナット35を螺着することができる。また、緊張用部材30,31を樹脂パイプなどの耐食材料で被覆すれば防食性が高まるので、建築ブロック10同士の境界部分から浸入する水分による発錆を防止することができる。また、保持板34a,34b,34cとナット35との間にスプリングワッシャ36を介在させているため、建築用ブロック10の収縮あるいは緊張用部材30,31の延伸による張力低下を回避することができる。
建築用パネル40においては、緊張用部材30と緊張用部材31とは互いに縦横に直角をなすように配置されているが、隣接する凹部12によって形成される空間内に緊張用部材31が1本ずつ配置されているのに対し、緊張用部材30はパネルの厚さ方向に2本ずつ配置されているため、縦横の配置本数が異なった状態となっている。そこで、ナット35を締め付けて緊張用部材30,31に張力を付与する場合、これらの張力間に格差を設けることにより、建築用パネル40の撓み方向の強度を均等化することができる。
即ち、図7(a)に示すように、緊張用部材31に矢線方向に10トンの張力を付与した場合、図7(b)に示す2本の緊張用部材30X,30Yのうち、上面側に位置する緊張用部材30Xには矢線方向に10トンの張力を付与し、下面側に位置する緊張用部材30Yには矢線方向に5トンの張力を付与することが望ましい。このような張力を付与すれば、建築用パネル40における緊張用部材31方向の強度と、緊張部材30X,30Y方向の強度との違いが大幅に縮小されるため、建築用パネル40の撓み方向の強度を均等化することができる。
建築用パネル40においては建築用ブロック10が格子状に配列されているが、図8に示すように、複数の建築用ブロック10を千鳥格子状に配列して建築用パネル50を形成することもできる。この場合、図3に示す建築用ブロック20を周縁部に配列することによって最外周を直線状に揃えている。緊張用部材30,31および反力部材32は建築用パネル40と同様に取り付けられている。
このようにして形成した建築用パネル40,50を、図9に示すように、建築物の施工の際に、壁部W、床部Fあるいは天井部Cとして建て込めば、これらの平面状構造体を比較的短期間で容易に構築することができる。この場合、壁部Wと床部Fとの接合部分および壁部Wと天井部Cとの接合部分に、建築用パネル40の周縁部分を載置することができるように梁材60,61を設ければ、これらの接合部分を容易に施工することができ、強度も優れたものとなる。
建築用パネル40,50において、隣接する建築用ブロック10,20同士は、接着剤を全く使用せず、緊張用部材30,31のみによって圧着されているため、施工後に接着剤の劣化が生じることがなく、耐久性も優れている。
また、図1〜図4に示すように、建築用ブロック10,20における複数の貫通孔11,21は、当該ブロック10,20の厚さ方向10t,20tまたはこれらと直交する左右方向の寸法10w,20wに距離を隔てて互いに平行に配置されている。したがって、これらの貫通孔11,21に緊張用部材30を挿通することによって当該ブロック10,20を強固に保持することができ、高強度の建築用パネル40,50を構築することができる。
一方、建築用ブロック10,20は、それぞれの上下面に開口した空洞部13,23が設けられているため、複数の当該建築用ブロック10,20を配列して建築用パネル40,50を構築したとき、これらの空洞部13,23同士は互いに面方向に連通した状態となり、建築用パネル40,50の軽量化を図ることができ、断熱性も良好である。
また、建築用パネル40,50においては、緊張用部材30,31に張力を発生させるための反力部材32を周縁部分に位置する建築用ブロック10,20の外周面に付設しているため、緊張用部材30,31に的確に張力を発生させることができ、優れた強度および耐久性を発揮する。さらに、反力部材32は、周縁部分全体に額縁状に付設しているため、剛性が高く、緊張用部材30,31に発生する張力の反力を周縁部分全体で分散保持され、応力集中に起因するクラック発生を防止することができる。
なお、建築用パネル40,50の縦横の比率や大きさは、建築用ブロック10,20を配列する際の縦横の個数および総数を変えることによって任意に設定することができるので、建築物を構成する様々な平面状構造体として広く使用することができる。また、図10に示すように、複数の建築用ブロック10を用いて形成した、形状(縦横比)や広さの異なる建築用パネル41,42を組み合わせることによって塀43などの平面状構造体を構築することもできる。
次に、図11〜図20を参照して、本発明の第3,4実施形態である建築用ブロックおよびこれらを用いて形成した建築用パネルについて説明する。
図11,図12に示すように、第1実施形態の建築用ブロック70は、その上面70a、下面70bおよび左側面70c、右側面70dの4つの外周面を互いに当接させて平面状に複数配列することにより、後述する平面状構造体(建築用パネル)を構築可能なブロックである。建築用ブロック70には、その正面70fおよび背面70eと平行に、後述する棒状の緊張用部材を挿通させるための複数の貫通孔71が形成され、貫通孔71に挿通させた緊張用部材と立体交差する方向に他の緊張用部材を配置するため貫通孔71の軸心方向と交差する外周面である上面70aに凹部72が形成されている。
また、建築用ブロック70においては、上面70aおよび70bに開口する5つの空洞部73が貫通状に形成され、左側面70c,右側面70dには、それぞれ空洞部73と同方向の溝部74が形成されている。
図13,図14に示す建築用ブロック80は、建築用ブロック70と組み合わせて使用するものであり、上面80a、下面80bおよび左側面80cの3つの外周面を建築用ブロック70に当接させて平面状に複数配列することにより平面状構造体を構築可能なブロックである。建築用ブロック80には、その正面80fおよび背面80eと平行に、緊張用部材を挿通させるための複数の貫通孔81が形成され、貫通孔81に挿通させた緊張用部材と立体交差する方向に他の緊張用部材を配置するため貫通孔81の軸心方向と交差する外周面である上面80aに凹部82が形成されている。
また、建築用ブロック80においては、その上面80aおよび下面80bに開口する複数の空洞部83が貫通状に形成され、その一方の側面である左側面80cには空洞部83と同方向の溝部84が形成されている。
建築用ブロック70と建築用ブロック80とは、それぞれの左右方向の寸法70w,80wおよび貫通孔71,81の個数、配置位置は同じであるが、空洞部73,83の個数および溝部74,84の個数が異なっている。即ち、建築用ブロック70においては、5個の空洞部73が左右対称に配置され左右両側面70c,70dに溝部74が形成されているのに対し、建築用ブロック80においては、3個の空洞部83が中心より左側面80c寄りに配置され、左側面80cのみに溝部84が形成されている。
一方、図15,図16に示す補助ブロック90は、建築用ブロック70,80と組み合わせて、後述する建築用パネルを形成するためのものである。補助ブロック90の外形寸法は図11および図13で示した建築用ブロック70,80と同じであり、外周面が平面の直方体形状をしたブロック体であって、建築用ブロック70,80の複数の貫通孔71,81と同じ位置に同じサイズの複数の貫通孔91が設けられている。
図17に示すように、複数の建築用ブロック70を、その外周面同士を互いに接触させ且つ複数の貫通孔71が軸心方向に直線状に連通するように平面状に配列し、図20(a)に示すように、連通する複数の貫通孔1に緊張用部材30を挿通させるとともに、図20(b)に示すように、凹部82に緊張用部材31を配置する。この場合、緊張用部材30の両端に位置する部分には図15で示した補助ブロック90を配置し、緊張用部材31の両端付近に位置する部分には、図13で示した建築用ブロック80および補助ブロック90の左右方向の寸法90wが半分サイズで凹部93を有する補助ブロック90h(図18参照)を配置する。また、図20(b)に示すように、建築用ブロック80は溝部84が緊張用部材30の軸心方向の中心に向き、溝部84のない右側面80dが露出するように配置する。
建築用ブロック70,80および補助ブロック90を配置していくとき、図19(a)に示すように隣接するブロック同士の間に、応力分散用の隙間充填材であるセメントペーストSPを介在させていく。セメントペーストSPは硬化性を有する練り状材であるが、本実施形態では、早強ポルトランドセメントと水とを、2.6:1.0程度の割合で混合して形成したものを使用している。なお、図19(a)においては、セメントペーストSPを従来の「目地」のように強調して記載しているが、実際のセメントペーストSPの厚さは1mm以下であり、望ましくは0.1mm〜0.2mm程度である。
この後、図20(a)に示すように、外周部分に位置する建築用ブロック90の貫通孔91から突出した緊張用部材30の雄ねじ部30aに保持板34dを取り付け、スプリングワッシャ(図示せず)を装着し、ナット37を螺着する。また、図20(b)に示すように、外周部分に位置する建築用ブロック80の凹部82から突出する緊張用部材31の雄ねじ部31aに保持板34eを取り付け、スプリングワッシャ(図示せず)を装着し、ナット37を螺着する。
そして、圧縮応力の伝達が可能な状態までセメントペーストSPが硬化した時点で、それぞれのナット37を締め付けることによって緊張用部材30,31に張力を発生させれば、図19(b)に示すように、ブロック同士の間の隙間がセメントペーストSPによって充填され、建築用ブロック70,80および補助ブロック90は互いに強固に圧着され、図17に示すように、平面状構造体である建築用パネル100が形成される。この場合、建築用パネル100の外周部分には、露出部分に凹凸面、空洞およびボルト孔以外の貫通孔のない建築用ブロック80および補助ブロック90,90hが配置されているため、各ブロック同士を強固に圧着することができ、緊張用部材30,31から保持板34d,34eを介して加わる緊張力によって損傷することもない。
なお、緊張用部材30,31として外周に雄ねじ部が形成された異形鉄筋を用いれば、雄ねじ部30a,31aを形成しなくてもナット3を螺着することができる。また、緊張部材30,31を樹脂パイプなどの耐食材料で被覆すれば防食性が高まるので、ブロック同士の境界部分から浸入する水分による発錆を防止することができる。また、保持板34d,34eとナット37との間にスプリングワッシャ(図示せず)を介在させているため、ブロックの収縮あるいは緊張用部材30,31の延伸による張力低下を回避することができる。
また、建築用パネル100においては、緊張用部材30,31に張力を発生させるための反力部材であるブロック90,90h,80を、建築用パネル100の周縁部に配置しているため、緊張用部材30,31に的確に張力を発生させることができ、優れた強度および耐久性を発揮する。さらに、反力部材であるブロック90,90h,80は、周縁部全体に配置しているため、緊張用部材30,31に発生する張力の反力は周縁部全体で分散保持され、応力集中に起因するクラック発生を防止することができる。
図19(b)で示したように、建築用パネル100においては、隣接する建築用ブロック70,80および補助ブロック90,90hの間に、応力分散用の隙間充填材であるセメントペーストSPを介在させているため、隣接するブロック同士の間の隙間はセメントペーストSPで充填されている。これにより、各ブロック間に生じている圧縮応力は隣接するブロック同士の間で均等に分散されて伝わるようになるため、圧縮応力の集中により建築用ブロック70,80および補助ブロック90,90hにクラックが発生したり、割れたりするのを防止することができる。
この場合、隙間充填材としてセメントペーストSPを用いているため、建築用パネル100において隣接する建築用ブロック70,80および補助ブロック90,90h同士の間の細かな隙間が殆ど無くなり、圧縮応力が均等に伝わるようになるため、応力集中によるクラックや割れの発生を無くすことができる。なお、応力分散用の隙間充填材としては、セメントペーストSPのほかに、紙材、水ガラスあるいは緊張用部材30,31に発生する張力によるブロック同士の圧着で変形可能な金属材(例えば、鋼板などの鉄鋼材料)を用いることもできる。
一方、反力部材として、当該建築用パネル100の周縁部寄りの領域に緻密構造を有するブロック体である建築用ブロック80および補助ブロック90,90hを用いているため、緊張用部材30,31に張力を発生させるために反力部材であるこれらのブロック80,90,90hに加えられた力によってブロック80,90,90hが割れたり、損傷したりすることがない。また、緊張用部材30,31が存在することによって、建築用パネル100は撓み方向の弾性的変形が可能である。
なお、建築用パネル100の縦横の比率や大きさは、建築用ブロック70,80および補助ブロック90,90hを配列する際の縦横の個数および総数を変えることによって任意に設定することができる。このため、建築用パネル100は、建築物を構成する様々な平面状構造体として広く使用することができる。
本発明の建築用ブロックおよび建築用パネルは、建築物の壁部、床部、天井部あるいは塀などの平面状構造体を構築する資材として広く利用することができる。

Claims (9)

  1. 外周面を互いに当接させて平面状に複数配列することにより平面状構造体を構築可能な建築用ブロックであって、その正面および背面と平行に線状または棒状の緊張用部材を挿通させるために当該建築用ブロックの厚さ方向に距離を隔てて互いに平行をなすように形成された複数の貫通孔と、前記緊張用部材と立体交差する方向に他の緊張用部材を配置するため前記貫通孔の軸心方向と交差する外周面である上面および下面の前記貫通孔の間にそれぞれ形成された凹部と、前記上面および下面の前記凹部に交差する位置に開口して貫通状に形成された空洞部と、を備えたことを特徴とする建築用ブロック。
  2. 複数の前記貫通孔を当該建築用ブロックの厚さ方向と直交する方向に距離を隔てて互いに平行をなすように配置した請求項1記載の建築用ブロック。
  3. 請求項1または2に記載の建築用ブロックをその外周面同士を互いに接触させ且つ複数の前記貫通孔を連通させて平面状に複数個配置し、複数の前記貫通孔に緊張用部材を挿通させるとともに前記凹部に緊張用部材を配置し、前記緊張用部材に張力を発生させることにより前記建築用ブロック同士を圧着して形成したことを特徴とする建築用パネル。
  4. 隣接する前記建築用ブロックの間に、応力分散用の隙間充填材を介在させた請求項3記載の建築用パネル。
  5. 前記緊張用部材に張力を発生させるための反力部材を、周縁部分に位置する前記建築用ブロックの外周面に付設した請求項3または4記載の建築用パネル。
  6. 前記反力部材として、当該建築用パネルの周縁部寄りの領域に、ボルト挿通孔以外の貫通孔および空洞部が存在しない緻密構造を有するブロック体を用いた請求項5記載の建築用パネル。
  7. 前記隙間充填材として、硬化性を有する練り状材、前記建築用ブロック同士の圧着により変形可能な材料を用いた請求項4記載の建築用パネル。
  8. 前記練り状材として、セメントペーストまたは水ガラスを用いた請求項7記載の建築用パネル。
  9. 請求項1または2に記載の複数の建築用ブロックをその外周面同士の間に応力分散用の隙間充填材を介在させた状態で隣接させ且つ複数の前記貫通孔を連通させて平面状に複数個配置する工程と、複数の前記貫通孔に緊張用部材を挿通させるとともに前記凹部に緊張用部材を配置する工程と、前記緊張用部材に張力を発生させることにより前記建築用ブロック同士を圧着する工程と、を含むことを特徴とする建築パネル形成工法。
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