JP3426882B2 - 耐震壁用コンクリートブロックユニット、耐震壁及び耐震壁の構築方法 - Google Patents

耐震壁用コンクリートブロックユニット、耐震壁及び耐震壁の構築方法

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JP3426882B2
JP3426882B2 JP33019396A JP33019396A JP3426882B2 JP 3426882 B2 JP3426882 B2 JP 3426882B2 JP 33019396 A JP33019396 A JP 33019396A JP 33019396 A JP33019396 A JP 33019396A JP 3426882 B2 JP3426882 B2 JP 3426882B2
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恵司 坂尾
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孝一 佐藤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄筋コンクリー
ト、鉄骨鉄筋コンクリート又は鉄骨コンクリート造りの
既存の建物の耐震壁用コンクリートブロックユニット、
耐震壁及び耐震壁の構築方法に関する。
【0002】
【従来の技術】既存の建物の耐震性を高める耐震壁とし
て、2枚のプレキャストコンクリート板を、既存の梁に
設けた後施工のアンカー筋をはさむように張り合せて壁
とし、2枚のプレキャストコンクリート板のすきまにモ
ルタルを注入してアンカー筋を壁内に定着したものがあ
る(技術要報第182 号18頁:1996.1)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記プレキャストコン
クリート板では軽量コンクリート(比重量1.4t/m3 )を
用いて軽量化を図っているが、それでも高さ2.2m、幅60
cm、1枚の厚さ7.5cm の場合、1枚のプレキャストコン
クリート板の重量は約140kg となり、取扱及び施工がか
なり困難である。
【0004】本発明は、取扱や施工を容易にすることが
できる、耐震壁用コンクリートブロックユニット、この
コンクリートブロックユニットを使用した耐震壁、耐震
壁の構築方法を提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】本発明
は、上下に間隔をおいた上の梁と下の梁とを備える建物
の前記上下の梁間に配置される耐震壁用コンクリートブ
ロックユニットであって、上部コンクリートブロック
と、下部コンクリートブロックと、2個の中間部コンク
リートブロックとからなる。前記上部コンクリートブロ
ックは、前記上の梁から下方へ向けて突出されるアンカ
ー筋を貫通させる穴を有し、前記上の梁に沿って配置さ
れる。前記下部コンクリートブロックは、前記下の梁か
ら上方へ向けて突出されるアンカー筋を貫通させる穴を
有し、前記下の梁に沿って配置されるもので、前記上部
コンクリートブロックの厚みと実質的に等しい厚みを有
する。前記2個の中間部コンクリートブロックは、前記
上部コンクリートブロックと前記下部コンクリートブロ
ックとの間に配置され、上部コンクリートブロックおよ
び下部コンクリートブロックと相まって前記間隔を埋め
るものであり、前記上下の梁それぞれの軸線を含む仮想
面に直交する方向で互いに突き合せ可能であり、突き合
せたときの2個の中間部コンクリートブロックの厚みが
前記上部コンクリートブロックの厚みと実質的に等しく
なるように形成されている。
【0006】上の梁から下方へ向けて突出しているアン
カー筋の下方へ上部コンクリートブロックを運び、上部
コンクリートブロックを持ち上げてアンカー筋を上部コ
ンクリートブロックの穴に差し込み、上部コンクリート
ブロックを上の梁に沿って配置する。下の梁から上方へ
向けて突出しているアンカー筋の上方へ下部コンクリー
トブロックを運び、下部コンクリートブロックを降ろし
てアンカー筋を下部コンクリートブロックの穴に差し込
み、下部コンクリートブロックを下の梁に沿って配置す
る。そして、2個の中間部コンクリートブロックの一方
を前記仮想面の一方側へ運んで仮想面に向けて移動さ
せ、2個の中間部コンクリートブロックの他方を仮想面
の他方側へ運んで仮想面に向けて移動させる。2つの中
間部コンクリートブロックを突き合せるとコンクリート
ブロックユニットは、上下の梁間に位置することとな
る。
【0007】コンクリートブロックユニットが上部コン
クリートブロック、下部コンクリートブロック及び2個
の中間部コンクリートブロックの合計4個のコンクリー
トブロックからなるため、前記刊行物に記載された2枚
のプレキャストコンクリート板と比べると、1個のコン
クリートブロックは約半分の重量となる。このように軽
量になった結果、取扱及び施工を容易にすることができ
る。また、1個のコンクリートブロックの上下方向の長
さは、前記プレキャストコンクリート板の約3分の1と
なるため、既存の建物のエレベータによって搬入するこ
とができる。
【0008】前記2個の中間部コンクリートブロック
は、前記上部コンクリートブロックから下方へ向けて、
また前記下部コンクリートブロックから上方へ向けて突
出している前記アンカー筋を受け入れる凹部を互いに突
き合せられる面に有することが好ましい。
【0009】コンクリートブロックユニットを上下の梁
間に組み付けたとき、上の梁から伸び、上部コンクリー
トブロックの穴を通って下方へ突出するアンカー筋と、
下の梁から伸び、下部コンクリートブロックの穴を通っ
て上方へ突出するアンカー筋とが中間部コンクリートブ
ロックの凹部に入るため、2個の中間部コンクリートブ
ロックを結合した使用状態では、荷重は上下の梁からア
ンカー筋を経てコンクリートブロックユニットに確実に
伝達され、ここでも受け持たれる。
【0010】前記2個の中間部コンクリートブロック
は、前記仮想面に対して対称となるように形成されてい
ることが好ましい。
【0011】中間部コンクリートブロックは、上下の梁
間の間隔に応じて一種類だけ製造すればよく、製造能率
を高めることができる。また、中間部コンクリートブロ
ックを組み付けるとき、仮想面のいずれの側からも組み
付けできるため、組み付けの作業性を高めることができ
る。
【0012】本発明はまた、上下に間隔をおいた上の梁
と下の梁とを備える建物の前記上下の梁間に構築される
耐震壁であって、前記上下の梁間に配置される少なくと
も1つのコンクリートブロックユニットを備える。この
コンクリートブロックユニットは、上部コンクリートブ
ロックと、下部コンクリートブロックと、2個の中間部
コンクリートブロックとからなる。前記上部コンクリー
トブロックは、前記上の梁から下方へ向けて突出される
アンカー筋を貫通させる穴を有し、前記上の梁に沿って
配置される。前記下部コンクリートブロックは、前記下
の梁から上方へ向けて突出されるアンカー筋を貫通させ
る穴を有し、前記下の梁に沿って配置されるもので、前
記上部コンクリートブロックの厚みと実質的に等しい厚
みを有する。前記2個の中間部コンクリートブロック
は、前記上部コンクリートブロックと前記下部コンクリ
ートブロックとの間に配置され、上部コンクリートブロ
ックおよび下部コンクリートブロックと相まって前記間
隔を埋めるものであり、前記上下の梁それぞれの軸線を
含む仮想面に直交する方向で互いに突き合せ可能であ
り、突き合せたときの2個の中間部コンクリートブロッ
クの厚みが前記上部コンクリートブロックの厚みと実質
的に等しくなるように形成され、前記上部コンクリート
ブロックから下方へ向けて、また前記下部コンクリート
ブロックから上方へ向けて突出している前記アンカー筋
を受け入れる凹部を互いに突き合せられる面に有する。
前記コンクリートブロックユニットは、前記2個の中間
部コンクリートブロックを互いに結合し、かつ 前記上
部コンクリートブロック及び前記下部コンクリートブロ
ックそれぞれの前記穴と前記2個の中間部コンクリート
ブロックそれぞれの前記凹部とに充填材を充填して構築
される。
【0013】本発明に係る耐震壁によれば、コンクリー
トブロックユニットは上下の梁とアンカー筋及び充填材
によって結合されているため、建物の柱及び梁に加わる
荷重がコンクリートブロックユニットに確実に伝達さ
れ、ここにおいても受け止められる。また、1又は複数
のコンクリートブロックユニットによって耐震壁が構築
されるところ、各コンクリートブロックユニットは上下
の梁に固着されるだけであり、隣接するコンクリートブ
ロックユニットとは相互の結合関係がない。したがっ
て、所要数のコンクリートブロックユニットを上下の梁
間に配置して建物の耐震性を高めると共に、上下の梁間
のコンクリートブロックユニットの存在しない箇所を通
路その他に使用できる。
【0014】本発明はまた、上下に間隔をおいた上の梁
と下の梁とを備える建物の前記上下の梁間に耐震壁を構
築する方法である。まず、前記上の梁から下方へ向け
て、また前記下の梁から上方へ向けて突出するようにア
ンカー筋を前記上の梁及び前記下の梁に植え込む。この
場合の順序はどちらが先でもよい。次いで、前記アンカ
ー筋を貫通させる穴を有する上部コンクリートブロック
を前記上の梁に沿って配置して仮に固定し、また前記ア
ンカー筋を貫通させる穴を有する、前記上部コンクリー
トブロックの厚みと実質的に等しい厚みの下部コンクリ
ートブロックを前記下の梁に沿って配置する。この場合
の順序もどちらが先でもよい。下の梁には床板を張り渡
している場合もあり、床板がない場合もあるが、この明
細書で下部コンクリートブロックユニットを下の梁に沿
って配置するとは、床板がある場合にはその床板の上
に、また床板がない場合には梁の上に下部コンクリート
ブロックユニットを配置することを意味する。その後、
前記上部コンクリートブロックおよび前記下部コンクリ
ートブロックと相まって前記間隔を埋める2個の中間部
コンクリートブロックであって前記上下の梁それぞれの
軸線を含む仮想面に直交する方向で互いに突き合せ可能
であり、突き合せたときの2個の中間部コンクリートブ
ロックの厚みが前記上部コンクリートブロックの厚みと
実質的に等しくなるように形成され、前記上部コンクリ
ートブロックから下方へ向けて、また前記下部コンクリ
ートブロックから上方へ向けて突出している前記アンカ
ー筋を受け入れる凹部を互いに突き合せられる面に有す
る2個の中間部コンクリートブロックの一方を前記仮想
面の一方側から、また前記2個の中間部コンクリートブ
ロックの他方を前記仮想面の他方側から前記上部コンク
リートブロックと前記下部コンクリートブロックとの間
に導き、前記2個の中間部コンクリートブロックを互い
に突き合せて結合する。その後、前記上部コンクリート
ブロック及び前記下部コンクリートブロックそれぞれの
前記穴と前記2個の中間部コンクリートブロックそれぞ
れの前記凹部とに充填材を充填する。そして、前記上部
コンクリートブロックの仮の固定を解放する。この仮の
固定を解放するのは、充填材の充填前でもよい。
【0015】コンクリートブロックを使用しての耐震壁
の構築であるため、現場における作業能率を高めると共
に、耐震壁の品質を確保することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】上下に間隔をおいた上の梁と下の
梁とを備える建物の前記上下の梁間に配置される耐震壁
用コンクリートブロックユニットは、上部コンクリート
ブロックと、下部コンクリートブロックと、2個の中間
部コンクリートブロックとからなる。上部コンクリート
ブロックは、前記上の梁から下方へ向けて突出されるア
ンカー筋を貫通させる穴を有し、前記上の梁に沿って配
置される。下部コンクリートブロックは、前記下の梁か
ら上方へ向けて突出されるアンカー筋を貫通させる穴を
有し、前記下の梁に沿って配置されるもので、前記上部
コンクリートブロックの厚みと実質的に等しい厚みを有
する。2個の中間部コンクリートブロックは、前記上部
コンクリートブロックと前記下部コンクリートブロック
との間に配置され、上部コンクリートブロックおよび下
部コンクリートブロックと相まって前記間隔を埋めるも
のであり、前記上下の梁それぞれの軸線を含む仮想面に
直交する方向で互いに突き合せ可能であり、突き合せた
ときの2個の中間部コンクリートブロックの厚みが前記
上部コンクリートブロックの厚みと実質的に等しくなる
ように形成される。
【0017】コンクリートブロックユニットは、圧縮強
度が300kg/cm2 程度であり、比重量が1.6t/m3 程度であ
る軽量コンクリートによって製造することができる。た
とえば、コンクリートブロックユニットの高さが2500m
m、幅が600mm 、厚みが150mmである場合、各コンクリー
トブロックの重量がほぼ同じとなるように各コンクリー
トブロックの寸法を定めるには、上部及び下部コンクリ
ートブロックの長さをそれぞれ600mm とし、中間部のコ
ンクリートブロックの長さを1300mmとすることができ
る。各コンクリートブロックの長さがほぼ同じとなるよ
うに各コンクリートブロックの寸法を定めることもでき
る。
【0018】
【実施例】耐震壁用コンクリートブロックユニット10
は、分解状態を示す図1及び構築状態を示す図3ないし
図6を参照すると、上下に間隔をおいた上の梁12と下
の梁14とを備える既存の建物の前記上下の梁間に配置
されるもので、上部コンクリートブロック16と、下部
コンクリートブロック18と、2個の中間部コンクリー
トブロック20とからなる。これらコンクリートブロッ
クは、それ自体公知のように、ワイヤメッシュ筋をその
内部に張りめぐらして十分な強度を持たせたもので、工
場においてプレキャスト製品として製造する。
【0019】上部コンクリートブロック16は、上の梁
12から下方へ向けて突出されるアンカー筋22を貫通
させる穴24を有し、上の梁12に沿って配置される。
図示の実施例では、平行な2つの穴24が上部コンクリ
ートブロック16に開けられている。
【0020】下部コンクリートブロック18は、下の梁
14から上方へ向けて突出されるアンカー筋26を貫通
させる穴28を有し、下の梁14に沿って配置される。
図示の実施例では、平行な2つの穴28が下部コンクリ
ートブロック18に開けられている。下部コンクリート
ブロック18の厚みT1 は、上部コンクリートブロック
の厚みT2 と実質的に等しい。
【0021】2個の中間部コンクリートブロック20
は、上部コンクリートブロック16と下部コンクリート
ブロック18との間に配置され、上部コンクリートブロ
ックおよび下部コンクリートブロックと相まって前記間
隔を埋める。2個の中間部コンクリートブロック20
は、上下の梁12,14それぞれの軸線C1 ,C2 を含
む仮想面P(図3)に直交する方向で互いに突き合せ可
能であり、突き合せたときの2個の中間部コンクリート
ブロック20の厚みが、組み付けた斜視状態の図2に示
すように、上部コンクリートブロック16の厚みと実質
的に等しくなるように形成されている。
【0022】図示の実施例では、2個の中間部コンクリ
ートブロック20は、仮想面Pに対して対称となるよう
に形成されており、さらに、図4に示すように、上部コ
ンクリートブロック16から下方へ向けて突出している
アンカー鉄筋22と、下部コンクリートブロック18か
ら上方へ向けて突出しているアンカー筋26とをそれぞ
れ受け入れる凹部30を互いに突き合せられる面32に
有する。4つの凹部30が各中間部コンクリートブロッ
ク20に設けられている。各凹部30は、2個の中間部
コンクリートブロック20を突き合せたとき、穴24又
は穴28と連通する。中間部コンクリートブロック20
の突き合せ面32には凹凸を施してある。これは、後述
するモルタルと中間部コンクリートブロック20との馴
染みを良好にし、接着性を高める。ボルト用の複数の貫
通穴34が中間部コンクリートブロック20に開けられ
ている。貫通穴34には座くりを設け、ボルトを通した
とき、その頭部及びナットが座くりに入るようにする。
【0023】コンクリートブロックユニット10は、次
のように組み付けられ、耐震壁を構築する。図3に示す
ように、上の梁12から下方へ向けて、また下の梁14
から上方へ向けて突出するようにアンカー筋22を既存
の上の梁12に、アンカー筋26を既存の下の梁14に
植え込む。下の梁14に床板が張り渡されている場合で
も、アンカー筋26は下の梁14に植え込む。これによ
って、梁14からの荷重伝達を確実に行うことができ
る。
【0024】図4に示すように、アンカー筋22を貫通
させる穴24(図1)を有する上部コンクリートブロッ
ク16を上の梁12に沿って配置して仮に固定し、また
アンカー筋26を貫通させる穴28を有する下部コンク
リートブロック18を下の梁14に沿って配置する。図
示の実施例では、隣接して位置することとなるコンクリ
ートブロックユニットの2つのコンクリートブロックを
上の梁12と下の梁14とに並行して配置している。上
部コンクリートブロック16は仮に固定するが、その固
定は、固定具36によって行うことができる。固定具3
6は両端の釘と紐とからなり、釘を上の梁12と上部コ
ンクリートブロック16とに抜くことができる程度に打
ち込む。上部コンクリートブロック16には、後述する
ようにモルタル注入口を設けるが、このモルタル注入口
に固定具の釘を差し込むようにしてもよい。
【0025】図5に示すように、2個の中間部コンクリ
ートブロック20の一方を前記仮想面の一方側から、ま
た2個の中間部コンクリートブロック20の他方を前記
仮想面の他方側から上部コンクリートブロック16と下
部コンクリートブロック18との間に導き、2個の中間
部コンクリートブロック20を互いに突き合せ、アンカ
ー筋22,26を凹部30にはさみ込む。その後、ボル
ト40を各貫通穴34に通してナットをねじ込んで締め
付け、2個の中間部コンクリートブロック20を結合す
る。2個の中間部コンクリートブロック20を結合して
から、固定具36を取り外し、上部コンクリートブロッ
ク16に開けたモルタル注入口42及び中間部コンクリ
ートブロック20に開けたモルタル注入口44から高強
度無収縮モルタルを注入し、上部コンクリートブロック
16及び下部コンクリートブロック18それぞれの穴2
4,28と2個の中間部コンクリートブロック20それ
ぞれの凹部30とにモルタルを充填する。モルタルは2
個の中間部コンクリートブロック20の突き合せ面3
2,32の間にも充填される。
【0026】図7に示すように、地震による水平力Aが
建物に加わり、圧縮力Bと引っ張り力Cとが耐震壁に加
わわったとき、耐震壁の高さのほぼ半分のところに反曲
点50ができ、耐震壁の上下の隅部で曲げモーメント5
2が最大となる応力状態になる。そのため、耐震壁の上
下の隅部で圧縮力及び引っ張り力が最大になる。圧縮力
と引っ張り力とが最大になる隅部54,56(図7の
b)が厚み方向で2つに分割されていた前記刊行物に記
載の耐震壁では、隅部54,56を含むプレキャストコ
ンクリート板の部分を接着剤とボルトとによって拘束し
なければ、隅部が面外に剥離し、破壊する可能性があ
る。これに対して、本発明に係るコンクリートブロック
ユニット10では、上部コンクリートブロック16と下
部コンクリートブロック18とが厚み方向で分割されて
いないため、上下の隅部での剥離の問題は生じない。も
っとも、中間部コンクリートブロック20は厚み方向で
分割しているが、その隅部60,62は、コンクリート
ブロックユニット10の上下の隅部と比べて中央寄りに
あるため、曲げモーメントが小さくなり、圧縮力及び引
っ張り力も小さくなって破壊が起こりにくくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る耐震壁用コンクリートブロックユ
ニットの実施例の分解斜視図である。
【図2】図1に示した耐震壁用コンクリートブロックユ
ニットを結合した状態の斜視図である。
【図3】本発明に係る耐震壁を構築する方法の第1段階
を示す斜視図である。
【図4】本発明に係る耐震壁を構築する方法の第2段階
を示す斜視図である。
【図5】本発明に係る耐震壁を構築する方法の第3段階
を示す斜視図である。
【図6】本発明に係る耐震壁を構築する方法の第4段階
を示す斜視図である。
【図7】耐震壁に加わる力を示す模式図で、(a)は本
発明を、(b)は従来の技術を示している。
【符号の説明】
10 コンクリートブロックユニット 12 上の梁 14 下の梁 16 上部コンクリートブロック 18 下部コンクリートブロック 20 中間部コンクリートブロック 22,26 アンカー鉄筋 24,28 穴 30 凹部
フロントページの続き (72)発明者 佐藤 孝一 茨城県つくば市大字鬼ヶ窪1043 株式会 社熊谷組技術研究所内 (72)発明者 林 順三 茨城県つくば市大字鬼ヶ窪1043 株式会 社熊谷組技術研究所内 (72)発明者 石関 嘉一 茨城県つくば市大字鬼ヶ窪1043 株式会 社熊谷組技術研究所内 (56)参考文献 特開 昭63−236871(JP,A) 特開 平2−70871(JP,A) 特開 平1−235752(JP,A) 特開 昭54−52828(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04B 2/56

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上下に間隔をおいた上の梁と下の梁とを
    備える建物の前記上下の梁間に配置される耐震壁用コン
    クリートブロックユニットであって、 前記上の梁から下方へ向けて突出されるアンカー筋を貫
    通させる穴を有し、前記上の梁に沿って配置される上部
    コンクリートブロックと、 前記下の梁から上方へ向けて突出されるアンカー筋を貫
    通させる穴を有し、前記下の梁に沿って配置される、前
    記上部コンクリートブロックの厚みと実質的に等しい厚
    みの下部コンクリートブロックと、 前記上部コンクリートブロックと前記下部コンクリート
    ブロックとの間に配置され、上部コンクリートブロック
    および下部コンクリートブロックと相まって前記間隔を
    埋める2個の中間部コンクリートブロックであって前記
    上下の梁それぞれの軸線を含む仮想面に直交する方向で
    互いに突き合せ可能であり、突き合せたときの2個の中
    間部コンクリートブロックの厚みが前記上部コンクリー
    トブロックの厚みと実質的に等しくなるように形成され
    る2個の中間部コンクリートブロックとからなる、耐震
    壁用コンクリートブロックユニット。
  2. 【請求項2】 前記2個の中間部コンクリートブロック
    は、前記上部コンクリートブロックから下方へ向けて、
    また前記下部コンクリートブロックから上方へ向けて突
    出している前記アンカー筋を受け入れる凹部を互いに突
    き合せられる面に有する、請求項1に記載の耐震壁用コ
    ンクリートブロックユニット。
  3. 【請求項3】 前記2個の中間部コンクリートブロック
    は、前記仮想面に対して対称となるように形成されてい
    る、請求項2に記載の耐震壁用コンクリートブロックユ
    ニット。
  4. 【請求項4】 上下に間隔をおいた上の梁と下の梁とを
    備える建物の前記上下の梁間に構築される耐震壁であっ
    て、 前記上下の梁間に配置される少なくとも1つのコンクリ
    ートブロックユニットを備え、このコンクリートブロッ
    クユニットは、 前記上の梁から下方へ向けて突出されるアンカー筋を貫
    通させる穴を有し、前記上の梁に沿って配置される上部
    コンクリートブロックと、 前記下の梁から上方へ向けて突出されるアンカー筋を貫
    通させる穴を有し、前記下の梁に沿って配置される、前
    記上部コンクリートブロックの厚みと実質的に等しい厚
    みの下部コンクリートブロックと、 前記上部コンクリートブロックと前記下部コンクリート
    ブロックとの間に配置され、上部コンクリートブロック
    および下部コンクリートブロックと相まって前記間隔を
    埋める2個の中間部コンクリートブロックであって前記
    上下の梁それぞれの軸線を含む仮想面に直交する方向で
    互いに突き合せ可能であり、突き合せたときの2個の中
    間部コンクリートブロックの厚みが前記上部コンクリー
    トブロックの厚みと実質的に等しくなるように形成さ
    れ、前記上部コンクリートブロックから下方へ向けて、
    また前記下部コンクリートブロックから上方へ向けて突
    出している前記アンカー筋を受け入れる凹部を互いに突
    き合せられる面に有する2個の中間部コンクリートブロ
    ックとからなり、 前記コンクリートブロックユニットは、前記2個の中間
    部コンクリートブロックを互いに結合し、かつ 前記上
    部コンクリートブロック及び前記下部コンクリートブロ
    ックそれぞれの前記穴と前記2個の中間部コンクリート
    ブロックそれぞれの前記凹部とに充填材を充填して構築
    される、耐震壁。
  5. 【請求項5】 上下に間隔をおいた上の梁と下の梁とを
    備える建物の前記上下の梁間に耐震壁を構築する方法で
    あって、 前記上の梁から下方へ向けて、また前記下の梁から上方
    へ向けて突出するようにアンカー筋を前記上の梁及び前
    記下の梁に植え込むこと、 前記アンカー筋を貫通させる穴を有する上部コンクリー
    トブロックを前記上の梁に沿って配置して仮に固定し、
    また前記アンカー筋を貫通させる穴を有する、前記上部
    コンクリートブロックの厚みと実質的に等しい厚みの下
    部コンクリートブロックを前記下の梁に沿って配置する
    こと、 前記上部コンクリートブロックおよび前記下部コンクリ
    ートブロックと相まって前記間隔を埋める2個の中間部
    コンクリートブロックであって前記上下の梁それぞれの
    軸線を含む仮想面に直交する方向で互いに突き合せ可能
    であり、突き合せたときの2個の中間部コンクリートブ
    ロックの厚みが前記上部コンクリートブロックの厚みと
    実質的に等しくなるように形成され、前記上部コンクリ
    ートブロックから下方へ向けて、また前記下部コンクリ
    ートブロックから上方へ向けて突出している前記アンカ
    ー筋を受け入れる凹部を互いに突き合せられる面に有す
    る2個の中間部コンクリートブロックの一方を前記仮想
    面の一方側から、また前記2個の中間部コンクリートブ
    ロックの他方を前記仮想面の他方側から前記上部コンク
    リートブロックと前記下部コンクリートブロックとの間
    に導き、前記2個の中間部コンクリートブロックを互い
    に突き合せて結合すること、 前記上部コンクリートブロック及び前記下部コンクリー
    トブロックそれぞれの前記穴と前記2個の中間部コンク
    リートブロックそれぞれの前記凹部とに充填材を充填す
    ること、 前記上部コンクリートブロックの仮の固定を解放するこ
    とを含む、耐震壁の構築方法。
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