JP2003105861A - Hfc柱、hfc梁等を用いた中高層建造物 - Google Patents

Hfc柱、hfc梁等を用いた中高層建造物

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Abstract

(57)【要約】 【課題】鉄骨とコンクリートとからなるHFC柱、HF
C梁等を用いて室内に梁型が表れないか又は少ししか表
れないスリムな中高層建造物を提供する。 【解決手段】基礎2と下部支持基体4との間に免震手段
3を配設し、下部支持基体4上にHFC柱10A〜10
C、HFC梁20A,20B、耐震壁30又は耐震ブレ
ース壁架構等からなる上部多層躯体を構築し、HFC梁
とHFC梁との間、又はHFC梁と耐震壁との間に、床
板を配し、床板の両方の端部がHFC梁の梁鉄骨の下側
のフランジの幅方向の端よりの部分の上面又は耐震壁柱
の床板受け部の支持面で直接支持し、前記上面又は前記
支持面上に載設した間隔保持部材を介して支持し、床板
の上側にスラブ40を形成する。 【効果】基礎と下部支持基体との間に配置した免震手段
により、中高層建築物に入ってくる地震力を大幅に低減
できるから、中高層建築物をHFC柱、HFC梁等を用
いてスリムに構築しても、地震力に充分に耐えることが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、HFC柱、HF
C梁等を用いた中高層建造物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の7階〜15階程度の中高層の集合
住宅の構造計画を行なう場合の最も一般的な構造種別
は、鉄筋コンクリート造(RCという)で、高さやスパ
ンが大きくなるに従って鉄骨鉄筋コンクリート造(SR
Cという)を用いることが多かった。従来のH形鋼の鉄
骨とそのフランジ間のみにあって鉄骨に付着したコンク
リート層とで構成された梁(この明細書ではHFC梁と
いう、HFC梁と同様の構成の柱をこの明細書ではHF
C柱という)には、例えば、次の(a)及び(b)があ
る。 (a)H形の横断面の鉄骨梁のウェブに間隔をおいて肋
筋を通す貫通孔を穿ち、上側のフランジと下側のフラン
ジとの間のウェブの両側に複数の梁主筋をそれぞれ配筋
し、多数の肋筋を間隔をおいて前記各主筋を取り囲むよ
うに前記貫通孔に通して配筋し、前記の主筋及び肋筋が
配筋されたウェブの両側の上側のフランジの下側の面
と、ウェブの両側面と、下側のフランジの上側の面と、
フランジの幅方向の端面を含む平面と、フランジ及びウ
ェブの長手方向の端面を含む平面とで囲まれた空間をコ
ンクリートでそれぞれ満たしたHFC梁。 (b)H形の横断面の鉄骨梁のウェブの両側に、上側及
び下側のフランジと平行にかつ鉄骨梁の長手方向に延在
させて、狭い幅(すなわち、フランジの幅からウェブの
厚さを除した値の半分以下の幅)の鋼製の板体を配し、
この板体をウェブに固着し、ウェブの両側の上側のフラ
ンジの下側の面と、ウェブの両側面と、下側のフランジ
の上側の面と、フランジの幅方向の端面を含む平面と、
フランジ及びウェブの長手方向の端面を含む平面とで囲
まれた空間をコンクリートで満たしたHFC梁(例え
ば、特開平9−41559号公報参照)。従来の鉄骨造
の梁とプレキャストコンクリート造の柱を接合した柱梁
接合部には、例えば、次ぎの(c)がある。 (c)プレキャストコンクリート造の柱の複数の梁取付
部の下部に梁受部がそれぞれ設けられ、H形の横断面の
鉄骨梁の所定の長さにわたる端部の外側に梁主筋及び肋
筋を配筋し、又は前記梁主筋及び肋筋の内側の鉄骨梁の
ウエブの両側の両方のフランジの間に、フランジの幅か
らウェブの厚さを除した値の半分より大きい幅のスチフ
ナをそれぞれ間隔をおいて複数枚配し、各スチフナの下
端を下側のフランジに溶接にて固着し、各スチフナのウ
ェブ側の端をウェブに溶接にて固着し、梁主筋、肋筋、
スチフナ等の周囲をコンクリートで覆って、鉄骨梁の端
部を鉄骨鉄筋コンクリート造とし、鉄骨梁の端部及び柱
の梁取付部のコンクリート層に複数の緊張材を通す挿通
孔を設け、鉄骨梁の端部を柱の梁受部で受けて支持した
状態にして、鉄骨梁の端部の各挿通孔及び柱の梁取付部
の各挿通孔に鋼撚線等の緊張材をそれぞれ通して、各緊
張材の端を鉄骨梁の鉄骨鉄筋コンクリート造の端部の内
側面より突出させて、各緊張材に引張力を導入して、導
入した引張力を緊張材の端に嵌めた定着具にて保持し
て、鉄骨梁の端部の端面を柱の梁取付面に圧接して、梁
と柱とを接合した柱梁接合部(例えば、実開平6−73
203号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】地震国の日本において
は、大地震に耐える強度や剛性を確保するため、従来の
RC造及びSRC造の何れの構造種別を採用するにして
も、柱や梁の断面が大きくなったり耐震壁が必要になっ
たりして、フリープランやリフォームに対応することが
難しかった。また、RC造の柱梁接合部は鉄筋が複雑に
交差したり、SRC造の柱梁接合部では鉄骨の溶接が必
要になったりするため、柱と梁との脱着が極めて困難で
あった。さらに、RC造及びSRC造の構造体では、建
設時の投入資源量や将来の解体時における廃棄物量が多
く、解体や分別も容易ではないため、省資源、循環型の
集合住宅には程遠い状態であった。従来のSRC柱は、
H形の横断面の柱鉄骨の周囲が多数の柱主筋及び帯筋で
補強されたコンクリート層で覆われているため、柱が周
囲のコンクリート層の厚さ分だけ太くなり、高強度でス
リムな柱が得られない欠点があった。従来の前記(a)
のHFC梁は、梁鉄骨のウェブに貫通孔を穿ったり、肋
筋を前記貫通孔に通して梁主筋の周囲に配筋したりなど
する配筋のための作業に多くの工数を必要とする欠点が
ある。従来の前記(b)のHFC梁は、梁鉄骨の全長に
亘ってそのウェブの両側に固着した長くて狭い幅の鋼製
の板体が梁の下側に作用する引張力を分担するととも
に、前記板体がウェブへのコンクリートの付着をよくす
る長所を有しているが、長くて狭い幅の鋼製の板体を梁
鉄骨の全長に亘ってそのウェブの両側の所定位置に溶接
にて接合する場合には、その溶接作業に高度の熟練と多
くの工数とを必要とする欠点があり、また、長くて狭い
幅の鋼製の板体を鉄骨梁の全長に亘ってそのウェブの両
側の所定位置にボルト・ナットにて接合する場合には、
板体及びウェブの所定位置に多数のボルト孔を穿設する
必要があり、このボルト孔の穿設等に多くの工数を必要
とする欠点があり、狭い幅の鋼製の板体を梁鉄骨のウェ
ブに固着しただけでは、梁鉄骨へのコンクリートの付着
が充分であるとはいえない。従来の前記(c)の柱梁接
合部は、H形の横断面の鉄骨梁の端部を所定の長さに亘
って鉄筋コンクリートで覆って鉄骨鉄筋コンクリート造
とするため、鉄骨梁の外側に梁主筋及び肋筋があり、又
は前記梁主筋及び肋筋の内側の各スチフナの端が鉄骨梁
の両方のフランジの幅方向の端縁間から側方に突出する
ため、梁主筋、肋筋、スチフナ等をコンクリートで覆っ
て造った鉄骨鉄筋コンクリート造の梁の端部が、鉄骨梁
の鉄骨鉄筋コンクリート造の端部以外の鉄骨だけの部分
に比して極端に大きくなってしまい、建物の有効な室空
間を狭めてしまう欠点がある。そして、従来のSRC
柱、前記(a)のHFC梁、前記(b)のHFC梁、前
記(c)の柱梁接合部の鉄骨梁等を用いたのでは、SR
C柱が肥大化し、室空間に大きく梁型が露出し、鉄骨と
コンクリートとからなるスリムな構造体を得ることがで
きない。この発明の解決しようとする課題は、従来の技
術の上記のような欠点を有しないHFC柱、HFC梁等
を用いた中高層建造物を提供すること、換言すると、居
住者の将来のニーズの変化や社会環境の変化に容易に対
応できて、耐震壁又は耐震ブレース壁架構が少なくかつ
室内に梁型が全く表れないか或いは梁型が少ししか表れ
ない広い無柱空間を有する次世代型集合住宅に適し、ま
た、地球環境問題の観点から、資源を有効に活用でき、
地震の無い欧米並みにスリム化した鉄骨とコンクリート
とからなる構造体で、かつ脱着可能な簡素化された柱梁
接合部とすることにより、再利用可能な長寿命の資源循
環型のHFC柱、HFC梁等を用いた中高層建造物を提
供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】この発明のHFC柱、H
FC梁等を用いた中高層建造物は、地盤に基礎が構築さ
れ、この基礎の上側に下部支持基体が構築され、基礎と
下部支持基体との間の多数の箇所に免震手段がそれぞれ
配設され、下部支持基体上にHFC柱、耐震壁又は耐震
ブレース壁架構、HFC梁、床スラブ等からなる上部多
層躯体が構築されている平面視が長い矩形の中高層建造
物において、下部支持基体上に、多数本の第1HFC柱
が前記矩形の一方の長辺に沿って一定の間隔をおいて樹
立され、多数本の第2HFC柱が前記矩形の他方の長辺
に沿って前記と同じ間隔をおいて樹立され、多数の第1
HFC柱の列の1本〜数本おきの第1HFC柱とこれに
対向する第2HFC柱との中間に前記短辺と平行に耐震
壁又は耐震ブレース壁架構が樹立され、多数の第1HF
C柱の列のほかの第1HFC柱とこれに対向する第2H
FC柱との中間部付近に第3HFC柱が樹立され、前記
長辺に沿った各第1HFC柱及び各第2各HFC柱の梁
取付部間に配された第1HFC梁が第1HFC柱又は第
2HFC柱の梁取付部に接合され、各第1HFC柱及び
各第2HFC柱の梁取付部と第3HFC柱の梁取付部と
の間に配された第2HFC梁又は第2梁鉄骨が第3HF
C柱及び第1HFC柱又は第2HFC柱の梁取付部に接
合され、第1HFC柱及び第2HFC柱の梁取付部と耐
震壁又は耐震ブレース壁架構の梁取付部との間に配され
た第3HFC梁又は第3梁鉄骨が耐震壁又は耐震ブレー
ス壁架構及び第1HFC柱又は第2HFC柱の梁取付部
に接合され、第2HFC梁又は第2梁鉄骨と第3HFC
梁又は第3梁鉄骨との間、及び第2HFC梁又は第2梁
鉄骨と耐震壁又は耐震ブレース壁架構との間に、プレキ
ャストされた床板がそれぞれ配され、各床板の端部が、
第2HFC梁の梁鉄骨、第3HFC梁の梁鉄骨、第2梁
鉄骨又は第3梁鉄骨の下側のフランジの上面或いは耐震
壁又は耐震ブレース壁架構の床板受け部の支持面で直接
支持され、或いは前記上面又は前記支持面上に載設した
間隔保持部材を介して支持され、各床板又は各床板上に
設けられた床形成材により床スラブが形成されているこ
とを特徴とするものである。この発明の好適な形態で
は、第1及び第2HFC柱の柱鉄骨のフランジ面が前記
矩形の短辺と平行になり第3HFC柱の柱鉄骨のフラン
ジ面が前記長辺と平行になるように第1乃至第3HFC
柱が配置される。上記中高層建造物は、例えば、7階〜
15階程度の集合住宅である。
【0005】この発明の好ましい形態では、各HFC柱
と各HFC梁との接合及び耐震壁又は耐震ブレース壁架
構と各HFC梁との接合は、着脱可能な接合手段により
行なう。着脱可能な接合手段としては、例えば、長ボル
ト(締め)接合、圧着接合、又はビン接合等による乾式
接合法を採用する。なお、解体の容易性を求めない場合
には、各HFC柱のフランジと各HFC梁の梁鉄骨の端
部と接合は、溶接による剛接合とすることもできる。着
脱可能な接合手段として圧着接合を採用し、使用するH
FC梁にプレストレスを導入してその強度を高める場合
には、必要に応じて、HFC梁にプレストレスを付与す
るために緊張材に導入された緊張力が、HFC梁の端部
をHFC柱の梁取付部に圧着させるための力として作用
するようにする。そして、第3HFC柱の梁取付部と第
1HFC柱及び第2HFC柱の梁取付部との間に第2H
FC梁を配し、第2HFC梁を着脱可能な接合手段によ
り第1HFC柱乃至第3HFC柱の梁取付部に接合し、
耐震壁又は耐震ブレース壁架構の梁取付部と第1HFC
柱及び第2HFC柱の梁取付部との間に第3HFC梁を
配し、第3HFC梁を着脱可能な接合手段により耐震壁
又は耐震ブレース壁架構及び第1HFC柱又は第2HF
C柱の梁取付部に接合する。又は、第3HFC柱の梁取
付部と第1HFC柱及び第2HFC柱の梁取付部との間
に第2梁鉄骨を配し、第2梁鉄骨を着脱可能な接合手段
により第1HFC柱乃至第3HFC柱の梁取付部に接合
し、耐震壁又は耐震ブレース壁架構の梁取付部と第1H
FC柱及び第2HFC柱の梁取付部との間に第3梁鉄骨
を配し、第3梁鉄骨を着脱可能な接合手段により耐震壁
又は耐震ブレース壁架構及び第1HFC柱又は第2HF
C柱の梁取付部に接合する。
【0006】この発明の好適な形態では、例えば、次の
(A)及び(B)のようにする。 (A)所望の層の所望の箇所の第1HFC柱とこれに対
向する第2HFC柱との中間に第3HFC柱(或は耐震
壁又は耐震ブレース壁架構)を設けないようにする場合
において、前記箇所に対応する前記層の上側に配する第
2HFC梁又は第2梁鉄骨の代わりに、長い第4HFC
梁が前記箇所に対応する前記層の上側の第1HFC柱と
第2HFC柱との間に配され、第4HFC梁が着脱可能
な接合手段により第1HFC柱及び第2HFC柱に接合
され、複数本の緊張材が第4HFC梁のコンクリート層
中に梁の長手方向に延在させてコンクリートに付着しな
いように埋め込まれ、各緊張材に引張力を導入した状態
が維持されて第4HFC梁にプレストレスが付与されて
いる状態にする。 (B)第2及び第3HFC梁又は第2及び第3梁鉄骨を
取付ける柱第1HFC柱及び第2HFC柱の梁取付部
を、第1HFC梁を取付ける第1HFC柱及び第2HF
C柱の梁取付部よりも第2及び第3HFC梁又は第2及
び第3梁鉄骨の成と略同じ寸法だけ上方に位置させるよ
うにする。必要に応じて、上記(A)の第4HFC梁を
第1HFC柱及び第2HFC柱に圧着接合する場合にお
いて、第4HFC梁のコンクリート層中に複数本の緊張
材が梁の長手方向に延在させてコンクリートに付着しな
いように埋め込まれ、各緊張材の両方の端よりの部分が
第1HFC柱及び第2HFC柱の挿通孔に通されて、各
HFC柱の外側に出され、各緊張材に引張力が導入さ
れ、導入した引張力が、各HFC柱の外側に配された定
着具にて保持され、第4HFC梁の端部と各HFC柱の
梁取付部との圧着に寄与するようにする。
【0007】この発明の好適な形態では、第1HFC
柱、第2HFC柱及び第2HFC柱として、成と幅との
差が小さいH形鋼の鉄骨にそのウェブの両側の全域にわ
たって多数本の頭付スタッドを間隔をおいて立設して柱
鉄骨又は前記H形鋼の鉄骨の上側及び下側のフランジの
内側面にフランジの長手方向の略全域にわたって延在さ
せて配した異形棒鋼をフランジの内側面に固定した柱鉄
骨と、柱鉄骨の両方のフランジの内側面、ウェブの両側
の表面、柱鉄骨のフランジの幅方向の端面を含む平面、
柱鉄骨の長手方向の端面を含む平面により囲まれる空間
内にコンクリートを充填して柱鉄骨に付着させたコンク
リート層とで構成されたHFC柱を使う。この発明の好
適な形態では、第1HFC梁として、フランジの幅の広
いH形鋼の鉄骨にそのウェブの両側の全域にわたって多
数本の頭付スタッドを間隔をおいて立設して梁鉄骨又は
前記H形鋼の鉄骨の上側及び下側のフランジの内側面に
フランジの長手方向の略全域にわたって延在させて配し
た異形棒鋼をフランジの内側面に固定した梁鉄骨と、梁
鉄骨の両方のフランジの内側面、ウェブの両側の表面、
梁鉄骨のフランジの幅方向の端面を含む平面、梁鉄骨の
長手方向の端面を含む平面により囲まれる空間内にコン
クリートを充填して梁鉄骨に付着させたコンクリート層
とで構成されたHFC梁を使う。第2HFC梁及び第2
HFC梁として、フランジの幅の広いH形鋼の鉄骨にそ
のウェブの両側の全域にわたって多数本の頭付スタッド
を間隔をおいて立設して梁鉄骨又は前記H形鋼の鉄骨の
上側及び下側のフランジの内側面にフランジの長手方向
の略全域にわたって延在させて配した異形棒鋼をフラン
ジの内側面に固定した梁鉄骨と、梁鉄骨の両方のフラン
ジの内側面、ウェブの両側の表面、梁鉄骨のフランジの
幅方向の端面を含む平面に平行で前記端面からウェブ側
に少々寄った平面、梁鉄骨の長手方向の端面を含む平面
により囲まれる空間内にコンクリートを充填して梁鉄骨
に付着させたコンクリート層とで構成されたHFC梁を
使う。
【0008】この発明の建造物においては、例えば、次
の(C)及び(D)のようにして床スラブを形成する。 (C)複数のHFC梁を互い平行でかつ水平に配し、各
HFC梁の端を複数の柱に接合してなる建造物の床スラ
ブの形成において、各HFC梁がH形鋼の柱鉄骨とその
フランジ間のみにあって柱鉄骨に付着したコンクリート
層とで構成され、前記コンクリート層の表面が各フラン
ジの幅方向の端部の内側面を露出させるようなウェブ面
に略平行な面にされ、HFC梁とHFC梁との間にプレ
キャストコンクリート造の複数の床板を配し、各床板の
両方の端部をHFC梁の梁鉄骨の下側のフランジの幅方
向の端部の内側面の上面で直接支持し、又は前記上面上
に載設した間隔保持部材を介して支持し、各床板の上側
にスラブ鉄筋を配し、スラブ鉄筋をHFC梁の梁鉄骨に
固着し、床板及びHFC梁の上側にコンクリートを打設
して、床スラブを形成するとともに、床板の端面とHF
C梁のコンクリート層の表面との間の隙間をコンクリー
トで満たし、床板が動かないようにする。
【0009】(D)複数のH形鋼の梁鉄骨を互いに平行
でかつ水平に配し、各梁鉄骨の端を複数の柱に接合して
なる建造物の床スラブの形成において、梁鉄骨と梁鉄骨
との間にプレキャストコンクリート造の複数の床板を配
し、各床板の両方の端部を梁鉄骨の下側のフランジの上
面で直接支持し、又は前記上面上に載設した間隔保持部
材を介して支持し、各床板の上側にスラブ鉄筋を配し、
スラブ鉄筋を梁鉄骨に固着し、床板の端部と梁鉄骨との
隙間をコンクリートで満たして、各梁鉄骨をHFC梁化
とするとともに、床板及び梁鉄骨の上側にコンクリート
を打設して床スラブを形成する。上記(D)の場合に
は、梁鉄骨として、例えば、H形鋼のウェブの両側の全
域にわたって多数本の頭付スタッドを間隔をおいて立設
した梁鉄骨又はH形鋼の上側及び下側のフランジの内側
面にフランジの長手方向の略全域にわたって延在させて
配した異形棒鋼をフランジの内側面に固定した梁鉄骨を
用いる。
【0010】
【実施例】実施例1は、図1〜図24に示され、この発
明を多層の集合住宅に適用した例である。初めに、構成
要素となるHFC柱10A〜10C、HFC梁20A〜
20C、耐震壁30等の構成及びそれらの接合の仕方等
を説明する。HFC柱10A〜10Cは、図3及び図4
に示すように、H形鋼の柱鉄骨11とそのフランジ11
a,11a間のみにあって柱鉄骨11に付着したコンク
リート層12とで構成される。図示のHFC柱10A〜
10Cでは、その柱鉄骨11の成Hとフランジ幅Wとが
同じであるが、成Hと幅Wとが異なっていてもよい。H
FC柱10A〜10Cは、各柱鉄骨11のウェブ11b
の両側に、多数本の頭付スタッドSdを、その略全域に
わたって長手方向及び幅方向に間隔をおいて、それらの
基端部がウェブ11bに対して直角になるように溶接に
て固着してある。HFC柱10A〜10Cのコンクリー
ト層12は、柱鉄骨11のウェブ11bの両側の両方の
フランジ11aの内側の面、ウェブ11bの表面、両方
のフランジ11aの幅方向の端面を含む平面、柱鉄骨1
1の長手方向の両方の端面を含む平面により囲まれる空
間内にコンクリートを充填して形成される。
【0011】HFC柱10A〜10Cのフランジ11a
の面にHFC梁20Aを長ボルト接合する場合には、H
FC柱10Aの梁取付部の左側及び右側のフランジ11
a及びコンクリート層12bに、図15及び図16に示
すように、長ボルトLbを通す挿通孔11a,12b
を設ける。HFC柱10A,10Bのコンクリート層
12bの面にHFC梁20B,20Cを長ボルト接合す
る場合には、HFC柱10A,10Bの梁取付部のウェ
ブ11b及びコンクリート層12bの下部及び上部に、
図17及び図18に示すように、長ボルトLbを通す挿
通孔11b,12bを設ける。HFC柱10A〜1
0Cのフランジ面にHFC梁20A,20Bを圧接接合
する場合には、HFC柱10A〜10Cの梁取付部のフ
ランジ11a及びコンクリート層12bの下部及び上部
に、図21〜図22に示すように、緊張材Tdを通す挿
通孔11a,12bを設ける。HFC柱10Aのコ
ンクリート層の面にHFC梁20B,20Cを圧接接合
する場合には、HFC柱10A,10Bの梁取付部のウ
ェブ11b及びコンクリート層12bの下部及び上部
に、図23及び図24に示すように、緊張材Tdを通す
挿通孔11b,12bを設ける。
【0012】コンクリート層を形成する際に、コンクリ
ートを充填する空間内の挿通孔の形成個所に、挿通孔と
なる中空部のある鞘管を配置してから、コンクリートを
充填すると、コンクリート層への挿通孔の形成が容易に
なる。圧接接合の場合には、必要に応じて、梁取付部の
下側にここに取り付けるHFC梁20A〜20Cの端部
を受ける梁受アングル14,24をボルト止め又は溶接
にて固着しておくとよい。HFC柱10A〜10Cは、
必要に応じて、図21に示すように、その梁取付部に対
応する柱鉄骨11のウェブ11bの両側のフランジ11
a間に鋼板製のスチフナ11c,11cを配し、スチフ
ナ11c,11cをフランジ11aの内側面に直角に溶
接にて固着し、梁取付部の近傍の柱鉄骨11を補強す
る。
【0013】HFC柱10A〜10C同士を長ボルト接
合する場合には、図13及び図14に示すように、10
A〜10Cの端部のウェブ11bの両側のフランジ11
a及びコンクリート層12aに、長ボルトLbを通す挿
通孔11a,12aを設け、HFC柱の端部の両方
のフランジ11aの外側に鋼板からなる添え板Spを当
て、添え板Spのボルト孔およびHFC柱の挿通孔11
,12bに長ボルトLbを通し、長ボルトLbの
端部のねじ部にナットをねじ込んで、HFC柱同士を接
合する。HFC柱10A〜10C同士を圧着接合する場
合には、図19及び図20に示すように、HFC柱のウ
ェブ11bの両方の側のコンクリート層12の端部から
ある程度はなれた処にコンクリートのない空部13を設
け、端部よりのコンクリート層12aにHFC柱の端面
から前記空部14に通じる緊張材Tdを通す対の挿通孔
12aを設ける。そして、下側のHFC柱10A〜1
0Cの上側の端面と上側のHFC柱10A〜10Cの下
側の端面とをそれらの間にモルタルMtを介在させて密
着させ、コンクリート層の挿通孔12aに、緊張材T
dを通して、それらTdの端部を各空部13に出して、
これらの空部13に適宜の引張力導入手段を入れて、緊
張材Tdに引張力を導入して、導入した引張力を緊張材
Tdの端部に嵌めた定着具Adにて保持して、一方のH
FC柱の端面を他方のHFC柱の端面に強く圧接した状
態を保持し、前記空部13をモルタル又はコンクリート
で満たし、HFC柱同士を接合する。なお、HFC柱1
0A〜10Cの長さは、運搬に適するように、階高寸法
の2倍〜3倍程度にする。
【0014】HFC梁20Aは、図5及び図6に示すよ
うに、H形鋼の梁鉄骨21とそのフランジ21a,21
a間のみにあって梁鉄骨に付着したコンクリート層22
とで構成される。図示のHFC梁20Aでは、その梁鉄
骨21の成Hとそのフランジ幅Wとが同じになっている
が、成Hと幅Wとが異なっていてもよい。HFC梁20
Aの梁鉄骨21には、そのウェブ21bの両側に、多数
本の頭付スタッドSdが、その略全域にわたって長手方
向及び幅方向に間隔をおいて、それらの基端部をウェブ
11bに対して直角になるように溶接にて固着されてい
る。HFC梁20Aのコンクリート層22は、梁鉄骨2
1のウェブ21bの両側のフランジ21aの内側の面、
ウェブ21bの表面、両方のフランジ21aの幅方向の
端縁を含む平面、梁鉄骨21の長手方向の両方の端面を
含む平面により囲まれる空間内にコンクリートを充填し
て形成される。なお、HFC柱10A〜10C、HFC
梁20A及び後記HFC梁20B,20Cの梁鉄骨とし
ては、鉄骨11,21のウェブ11b,21bに多数本
の頭付スタッドSdを固着する代わりに、図8に示すよ
うに、鉄骨11,21の両方のフランジ11a,21a
の内側面に、ウェブ11b,21bと平行に異形棒鋼
(異形鉄筋)Dbをそれぞれ配し、それらの異形棒鋼D
bをフランジ11a,21aの内側面に溶接にて固着す
るようにして製作したものを使ってもよい。
【0015】HFC梁20AをHFC柱10A,10B
に長ボルト接合する場合には、梁鉄骨21の端よりの部
分のウェブ21bの両側の両方のフランジ21a及びコ
ンクリート層22aに、図15及び図16に示すよう
に、長ボルトLbを通す挿通孔21a,22aを設
ける。そして、所定の位置に建てたHFC柱10A,1
0Bのフランジ11aの梁取付部の下側に梁受アングル
25Aの垂直部をそれぞれ当てがい、梁受アングル25
の垂直部のボルト孔及びHFC柱10Aの挿通孔11a
,12bに長ボルトLbを通し、長ボルトLbのね
じ部にナットnをねじ込んで、下側の梁受アングル25
Aの垂直部をHFC柱10A,10Bに固定する。HF
C柱10A,10Bに固定した下側の梁受アングル25
Aの水平部の上側にHFC梁20Aの端部を載置し、H
FC梁20Aの端部の上側に梁受アングル25Bの水平
部を当てがい、梁受アングル25Bの垂直部のボルト孔
及びHFC柱の挿通孔11a,12bに長ボルトL
bを通し、長ボルトLbのねじ部にナットnをねじ込ん
で、上側の梁受アングル25Bの垂直部をHFC柱に固
定するとともに、上側の梁受アングル25Bの水平部の
ボルト孔、HFC梁20Aの端部の挿通孔21a,2
2a及び下側の梁受アングル25Aの水平部のボルト
孔に長ボルトLbを通し、長ボルトLbのねじ部にナッ
トnをねじ込んで、HFC梁20Aの端部を上側及び下
側の梁受アングル25A,25Bに固定する。
【0016】HFC梁20AをHFC柱10A,10B
に圧着接合する場合には、図21及び図22に示すよう
に、HFC梁20Aの端部から所定の距離はなれた処の
ウェブの両側にコンクリートのない空部23を設け、H
FC梁20Aの端部よりコンクリート層22aにHFC
梁の端面から前記空部23に通じる緊張材Tdを通す対
の挿通孔22aを設ける。そして、HFC柱10A,
10Bの両側の梁取付面にHFC梁20Aの端面をそれ
らの間にモルタルMtを介在させて密着させ、各HFC
梁20Aの挿通孔22a及びHFC柱10A,10B
の挿通孔11a,12bに、緊張材Tdを通して、
それらの緊張材Tdの端部を各空部23に出して、適宜
の引張力導入手段により、緊張材Tdに引張力を導入
し、導入した引張力を緊張材の端部に嵌めた定着具Ad
にて保持して、HFC梁20Aの端面をHFC柱10A
の梁取付面に強く圧接した状態を保持し、前記空部23
をモルタル又はコンクリートで満たし、HFC梁20A
をHFC柱10A,10Bに接合する。
【0017】HFC梁20Bは、図7、図23及び図2
4に示すように、HFC梁20Aと同様にH形鋼の梁鉄
骨21とそのフランジ21a,21a間のみにあって梁
鉄骨21に付着したコンクリート層22とで構成され
る。図示のHFC梁10Bでは、その梁鉄骨21の成H
とそのフランジ幅Wとが同じであるが、成Hと幅Wとが
異なっていてもよい。HFC梁20Bの梁鉄骨21への
頭付スタッドSdの配設の仕方等はHFC梁20Aの場
合と同じある。HFC梁20Bのコンクリート層22
は、図7に示すように、梁鉄骨21のウェブ21bの両
側のフランジ21aの内側の面、ウェブ21bの表面、
両方のフランジ21aの幅方向の端面を含む平面と平行
でウェブ21b側に少々寄った平面22f、梁鉄骨21
の長手方向の両方の端面を含む平面により囲まれる空間
内にコンクリートを充填して形成される。HFC梁20
Cは、その長さがHFC梁20Bより短いがその構成は
HFC梁20Bと同じである。なお、平面視が長い矩形
の建物の長辺方向の両端のHFC柱10A,10Bに接
合するHFC梁20Cは、その短辺の外側に面するコン
クリート層22の表面をフランジ21aの幅方向の外側
の端面を含む平面と面一にしてある。
【0018】HFC梁20B,20CをHFC柱10
A,10Bに長ボルト接合する場合は、図17及び図1
8に示すように、HFC柱10A,10Bのコンクリー
ト層12bの梁取付部の下側及び上側に梁受アングル2
5Aの垂直部をそれぞれ当てがい、梁受アングル25A
の垂直部のボルト孔及びHFC柱10A,10Bの挿通
孔11b,12bに長ボルトLbを通し、長ボルト
Lbのねじ部にナットnをねじ込んで、梁受アングル2
5Aの垂直部をHFC柱10A,10Bに固定する。H
FC柱10A,10Bに固定した下側の梁受アングル2
5Aの水平部の上側にHFC梁20B,20Cの端部を
載置し、HFC梁20B,20Cの端部の上方に上側の
梁受アングル25Bの水平部を当てがい、この梁受アン
グル25Bの垂直部のボルト孔及びHFC柱の挿通孔1
1b,12bに長ボルトLbを通し、長ボルトLb
のねじ部にナットnをねじ込んで、上側の梁受アングル
25の垂直部をHFC柱に固定するとともに、上側の梁
受アングル25Bの水平部のボルト孔、HFC梁20
B,20Cの端部の挿通孔21a,22a及び下側
の梁受アングル25Aの水平部のボルト孔に長ボルトL
bを通し、長ボルトLbのねじ部にナットnをねじ込ん
で、HFC梁20B,20Cの端部を上側及び下側の梁
受アングル25A,25Bに固定する。HFC梁20B
のHFC柱10Cへの固着の仕方は、HFC梁20Aを
HFC柱10A,10Bへ長ボルト接合する場合と同じ
である。HFC柱10Cの両方のフランジにHFC梁2
0Bを圧着接合する場合のHFC梁20Bの端部の構成
及びそのHFC柱10Cへの固着の仕方は、HFC梁2
0AをHFC柱10A,10Bへ圧着接合する場合と同
じである。
【0019】HFC梁20A〜20Cの端部をHFC柱
10A,10Bのコンクリート層の面に圧着接合する場
合には、図23及び図24に示すように、HFC梁20
B,20Cの端部から所定の距離はなれた処のウェブ2
1bの両側にコンクリートのない空部23を設け、端部
よりのコンクリート層22aにHFC梁20B,20C
の端面から前記空部23に通じる緊張材Tdを通す対の
挿通孔22aを設ける。そして、HFC柱10A,1
0Bの内側のコンクリート層22aの梁取付面にHFC
梁20B,20Cの端面をそれらの間にモルタルMtを
介在させて密着させ、HFC梁20B,20Cの挿通孔
22a及びHFC柱10A,10Bの挿通孔11
,12bに、緊張材Tdを通して、それらの一方
の端部をHFC梁20B,20Cの各空部23に出し、
他方の端部をHFC柱10A,10Bの外側に出して、
適宜の引張力導入手段にて緊張材Tdに引張力を導入
し、導入した引張力を緊張材Tdの端部に嵌めた定着具
Adにて保持して、HFC梁20B,20Cの端面をH
FC柱10A,10Bの梁取付面に強く圧接した状態を
保持し、前記空部23をモルタル又はコンクリートで満
たし、HFC梁20B,20CをHFC柱10A,10
Bに接合する。なお、実施例1では、HFC柱10A,
10Bの挿通孔11b,12b,11b,12b
,は、その挿通孔11a,12b,11a,1
2bよりHFC梁20B,20Cの成と略同じ寸法だ
け高い位置のHFC柱10A,10Bのウェブ11b及
びコンクリート層12bに設けられている。
【0020】また、建物の長辺方向の両方の端に位置す
るHFC柱10A,10BにHFC梁20Aを圧着接合
する場合には、HFC柱10A,10Bの一方のフラン
ジの梁取付面にHFC梁20Aの端面をそれらの間にモ
ルタルを介在させて密着させ、HFC梁20Aのコンク
リート層12aの挿通孔22a及びHFC柱の挿通孔
11a,12bに、緊張材Tdを通して、それらの
一方の端部を各空部23に出して、それらの他方の端部
をHFC柱10A,10Bの外側に出して、適宜の引張
力導入手段にて緊張材Tdに引張力を導入し、導入した
引張力を緊張材Tdの端部に嵌めた定着具Adにて保持
して、HFC梁10Aの端面をHFC柱10A,10B
の梁取付面に強く圧接した状態を保持し、前記空部23
をモルタル又はコンクリートで満たし、前記HFC梁2
0Aを前記HFC柱10A,10Bに接合する。
【0021】耐震壁30は、例えば、図11及び図12
に示されている構成を有し、縦方向に間隔(例えば、2
00mm)をおいて配した多数の縦鉄筋(例えば、D1
6)31aと横方向に間隔(例えば、200mm)をお
いて配した多数の横鉄筋(例えば、D16)31bとを
結合してなる格子状鉄筋31の2枚を間隔をおいて平行
に配置し、これらの格子状鉄筋31,31の周りに型枠
を配置し、型枠内にコンクリート32を打設して、横断
面が長い矩形の厚くて長いプレキャストコンクリート造
の板状体として形成される。耐震壁30の縦方向の寸法
は、運搬に適するように、階高寸法、又は階高寸法の2
〜3倍程度の長さにする。耐震壁30にHFC梁20B
をボルト接合する場合には、耐震壁30の梁取付部の下
側及び上側に、山形鋼からなる梁受部材33を固定する
ために用いるボルトをねじ込む埋込ナットを耐震壁30
の梁取付部の下側及び上側に予め埋設(ボルトの一方の
端を埋め込んでもよい)して、耐震壁30を形成する。
耐震壁30にHFC梁20Cを圧着接合する場合には、
耐震壁30の梁取付部に対応する部分に緊張材を通す挿
通孔を複数箇設けて耐震壁を形成する。そして耐震壁3
0の各挿通孔とHFC梁20Cの各挿通孔22aに緊
張材をそれぞれ通し、それらの緊張材に引張力を導入
し、導入した引張力を定着具にて保持して、HFC梁1
0Cを耐震壁30に接合する。
【0022】耐震壁30の側面の床板取付部には、床板
41の端部41aを挿入する水平方向の溝を形成してお
くか、或は、図11及び図12に示すように、床板取付
部に山形鋼又は溝形鋼からなる床板受部材34を適宜の
接合手段、例えば、ボルト接合にて耐震壁30の側面に
接合する。下側の耐震壁30の上端に上側の耐震壁30
の下端を接合する場合には、例えば、下側のHFC柱1
0A,10Bの上端に上側のHFC柱10A,10Bの
下端を接合する場合のやり方、すなわち、図13及び図
14に示す長ボルト接合又は図19及び図20に示す圧
着接合と同様のやり方にて行なうが、それ以外のやり方
で接合してもよい。なお、圧着接合する場合には、必要
に応じて、HFC柱10A〜10Cの空部13内及びH
FC梁20A〜20Cの空部23内に、ウェブ11b,
21bに立設した多数本の頭付スタッドSdのうちの少
なくとも1本の少なくともその頭部が位置するようにす
る。
【0023】次に、図1及び図2に示す多層の集合住宅
の構築の仕方を説明する。図2に示すよに、集合住宅が
構築される箇所の地盤中に多数のコンクリート造の現場
打ち杭1を構築し、地表面GLから所定の深さのところ
に杭頭と一体にコンクリート造の平らな基盤2を構築
し、この基盤2の上側に基礎2との間に隙間をあけて、
基礎梁等からなる鉄筋コンクリート造の下部支持躯体4
を構築する。そして、基盤2の上側の多数の設置部2a
と下部支持躯体4の下側の前記設置部2aに対応する受
け部4aとの間に免震装置3をそれぞれ配し、免震手段
3の下側を設置部2aに取り付け、免震手段3の上側を
各受け部4aに取り付ける。免震装置3としては、積層
ゴム等からなる免震装置、滑り支承体を使う免震装置等
を用いる。下部支持躯体4の柱及び耐震壁の樹立位置に
は、鉛直方向の凹部4a,4bがそれぞれ設けられ、各
凹部4a内にHFC柱10A〜10C及び耐震壁30の
下部を差し込み、それらの下部と凹部4aの内周面との
間の隙間にモルタル又はコンクリートを充填して、下部
支持躯体4の所定位置にHFC柱及び耐震壁を樹立す
る。
【0024】建物の平面視が長い矩形の一方の長辺に沿
って同じ間隔をおいて多数本の第1HFC柱10Aを樹
立し、他方の長辺に沿って同じ間隔をおいて多数本の第
2HFC柱10Bを樹立し、第1HFC柱10Aと第2
HFC柱10Bの中間には、第3HFC柱10C又は耐
震壁30を樹立する。各HFC柱10A,10Bは、そ
の柱鉄骨11のフランジ11a面が建物の平面視が長い
矩形の短辺に平行になるように配置し、各HFC柱10
Cは、その柱鉄骨11のフランジ11a面が建物の前記
矩形の長辺に平行になるように配置する。建物の前記矩
形の長辺の両端においては、第1HFC柱10Aと第2
HFC柱10Bとの間には、通常は耐震壁30を配置す
るが、耐震壁30の代わりにHFC柱10Cを配置して
もよい。また、建物の前記矩形の長辺の両端以外の第1
HFC柱10Aと第2HFC柱10Bとの間において
も、第1HFC柱10A列の1本又は複数本おいた第1
HFC柱10Aとこけに対向する第2HFC柱10Bと
間にも耐震壁30を配置する。耐震壁30を配置しない
第1HFC柱10Aと第2HFC柱10Bとの間には、
通常はHFC柱10Cを配置する実施例1では、下部支
持躯体4上に、例えば、プレキャストコンクリート造の
床板を配置して、1階の床を形成する。
【0025】各HFC柱10A,10Bの2階の梁取付
部間に、HFC梁20Aをそれぞれ配し、それらの端部
を、前述した長ボルト接合又は圧着接合にて、各HFC
柱10A,10Bに接合する。HFC柱10A,10B
の2階の梁取付部と、耐震壁30の2階の梁取付部との
間にHFC梁20Cをそれぞれ配し、それらのHFC梁
20Cの端部を前述した長ボルト接合又は圧着接合にて
各HFC柱10A,10B及び耐震壁30に接合する。
各HFC柱10A,10Bの2階の内側の梁取付部と、
各HFC柱10Cの2階の両側の梁取付部との間にHF
C梁20Bをそれぞれ配し、それらのHFC梁20Bの
端部を前述した長ボルト接合又は圧着接合にて各HFC
柱10A〜10Cに接合する。第1実施例では、各HF
C柱10A,10BへのHFC梁20B,20Cの取付
位置は、各HFC柱10A,10BへのHFC梁20A
の取付位置よりも、HFC梁20B,20Cの成と略同
じ寸法だけ高い位置になっている。
【0026】2階のHFC梁20BとHFC梁20Cと
間、2階のHFC梁20BとHFC梁20Bと間、2階
のHFC梁20Bと耐震壁30の床板取付部との間に、
図10に示すようなプレキャストコンクリート造の床板
41を配し、床板41の両方の端部41aをHFC梁2
0B,20Cの梁鉄骨21の下側のフランジ21aの幅
方向の端よりの部分の上面又は耐震壁30に固着した床
板受部材34の上面にて支持する。それから、図9図及
び10に示すように、床板41の上側に格子状のスラブ
鉄筋42を配し、スラブ鉄筋42を梁鉄骨21の上側の
フランジ21aに固着し、床板41の上側にコンクリー
ト43を打設して、2階の床スラブ40を形成する。な
お、床板41には、そのコンクリート部41aにその幅
方向に間隔をおいて互いに平行な長手方向に延びる多数
の開口部41bが形成され、そのコンクリート部41a
の下側の部分に幅方向に間隔をおいて長手方向に延びる
多数本のPC鋼材41cが埋め込まれ、それらのPC鋼
材41cに引張力を導入することにより床板41にプレ
ストレスが導入されている。コンクリート43を打設す
る際に、床板41の端面と、HFC梁20B,20C等
のコンクリート層22の表面、フランジ21aの表面等
との間の隙間にもコンクリートを充填し、床板41がH
FC梁に対して移動できないようにする。
【0027】上記と同様のやり方にて、各HFC柱10
A,10Bの3階の梁取付部間に配したHFC梁20A
を、前述した長ボルト接合又は圧着接合にて、各HFC
柱に接合し、各HFC柱10A,10Bの3階の梁取付
部と耐震壁30の3階の梁取付部との間にHFC梁20
Cを配したHFC梁20Cを、前述した長ボルト接合又
は圧着接合にて、各HFC柱及び耐震壁に接合し、各H
FC柱10A,10Bの3階の内側の梁取付部と各HF
C柱10Cの3階の両側の梁取付部との間に配したHF
C梁20Bを、前述した長ボルト接合又は圧着接合に
て、各HFC柱に接合する。そして、3階のHFC梁2
0BとHFC梁20Cと間、3階のHFC梁20B間、
3階のHFC梁20Bと耐震壁30の床板受部材34と
の間に床板41を配して、3階の床スラブ40を形成す
る。そして、下側のHFC柱10A〜10Cの上端に上
側のHFC柱10A〜10Cを、前述した長ボルト接合
又は圧着接合にて接合して継ぎ足し、下側の耐震壁30
の上端に上側の耐震壁30を、前述した長ボルト接合又
は圧着接合にて継ぎ足し、上記と同様のやり方にて更に
上層の階を構築し、例えば、9階の集合住宅の建物躯体
を構築する。例えば、長辺方向の1スパンを7.2mと
し、短辺方向の1スパンを7.25mとし、一戸当たり
の占有空間を、長辺方向の2スパンと短辺方向の2スパ
ンとで区切られる空間とし、図1に示すように、長辺方
向の一方の辺に沿って部分をバルコニー51とし、他方
の辺に沿って部分を廊下52とするために、長辺に沿っ
てそれぞれ壁53,54を設ける。また、建物の短辺に
沿って配置したHFC柱10A,10Bと耐震壁30と
を連結する各HFC梁10Cの外側には、それぞれ壁5
5を設ける。
【0028】実施例2は、図25〜図28に示され、こ
の発明を多層の集合住宅に適用した例である。HFC柱
10A〜10C、HFC梁20A〜20C及び耐震壁3
0の構成、スラブ40の形成の仕方等は実施例1と同じ
であるが、例えば、一戸当たりの占有空間の中央には第
3HFC柱10Cを設けないようにする点と、このHF
C柱10Cを設けない処の上側に、実施例1で用いたH
FC梁20Bに替えて、HFC梁20Dを配置する点が
実施例1のものと相違している。HFC梁20Dとして
は、プレストレスを導入したアンボンドPCプレキャス
トHFC梁20Dを用いる。その端部はHFC柱10
A,10Bのコンクリート層の面(弱軸方向の面)に接
合する。この場合は,梁成やたわみに対する十分な配慮
が必要である。HFC梁20Dの長さは、HFC梁20
Bの長さの2倍にHFC柱10Cの柱鉄骨21の成を加
えた寸法であり、頭付スタッドSdやコンクリート層2
2の配置は、HFC梁20A〜20Cと同じであるが、
HFC梁20Dでは、長い緊張材Tdを、梁鉄骨21
のウェブ21bの両側のコンクリート層22中に、その
両方の端をコンクリート層の長手方向の端面から出しか
つコンクリートに接着しない状態にして、それぞれ埋め
込み、各緊張材Tdに引張力を導入し、導入した引張
力を緊張材Tdの端部に嵌めた定着具Adにて保持
して、梁鉄骨21及びコンクリート層22にプレストレ
スを導入して、製作されている。
【0029】第1HFC柱10Aと第2HFC柱10B
との間に、HFC梁20Dを配し、HFC梁20Dの両
端を、前述した長ボルト接合又は圧着接合にて、各HF
C柱10A,10Bに着脱可能に接合する。HFC梁1
0DをHFC柱10A,10Bに圧着接合する場合に、
例えば、図28に示すように、前記各緊張材Tdの両
方の端部よりの部分をHFC柱10A,10Bに設けて
おいた挿通孔に通してHFC柱10A,10Bの外側に
出し、他の圧着接合用の緊張材TdをHFC梁10Dの
端部よりのコンクリート層の部分の挿通孔及びHFC柱
10A,10Bに設けた挿通孔に通してHFC柱10
A,10Bの外側に出し、緊張材Tdに引張力を導入
し、導入した引張力をHFC柱10A,10Bの外側に
配した定着具Adにて保持してから、HFC梁10Dの
端部から所定距離はなれた処の空部をコンクリートで満
たし、このコンクリートが硬化してから、緊張材Td
に引張力を導入し、その導入した引張力をHFC柱10
A,10Bの外側に配した定着具Adにて保持するよ
うにすると、緊張材Tdを圧着接合とHFC梁10D
のプレストレス化とに兼用することができる。実施例2
では、一戸当たりの占有空間の中央に第3HFC柱10
Cを設けないようにすることができるから、前記占有空
間内において所望の広さの空間をつくることができる。
なお、実施例2において、HFC梁20Dの中央部の上
側に上階のHFC柱10Cがある場合は、HFC梁20
Dの中央部を上階のHFC柱10Cの下端に連結する。
【0030】実施例3は、図29〜図32に示され、こ
の発明を多層の集合住宅に適用した例である。HFC柱
10A〜10C、HFC梁20A及び耐震壁30の構
成、HFC柱10A,10BとHFC梁20Aとの接合
の仕方等は実施例1と同じであるが、結果としてHFC
梁となる第2梁鉄骨20E及び第3梁鉄骨20F、梁鉄
骨20E,20FとHFC柱10A〜10C又は耐震壁
30と接合の仕方、及びスラブの形成の仕方等が実施例
1のものと少々相違している。梁鉄骨20E,20Fと
しては、図31に示すように、実施例1のHFC梁20
B,20Cの梁鉄骨21と同じ構成のものを用いる。例
えば、HFC柱10A〜10Cの柱鉄骨にはH−458
×417×30×50を用い、HFC梁20Aの梁鉄骨
にはH−400×400×13×21を用い、梁鉄骨2
0E,20FにはH−300×300×10×15を用
い、HFC柱10A〜10C及びHFC梁20Aのコン
クリート層にはFc42を用いる。
【0031】次に、図29及び図30に示す多層の集合
住宅の構築の仕方を説明する。図29に示すよに、現場
打ち杭1、基盤2、下部支持躯体4、免震装置3の設置
の仕方等は実施例1と概ね同じである。下部躯体4のH
FC柱又は耐震壁の樹立位置の凹部内にHFC柱10A
〜10C及び耐震壁30の下部を差し込み、それらの下
部と凹部4aの内周面との間の隙間にモルタル又はコン
クリートを充填して、各HFC柱及び耐震壁を樹立す
る。建物の平面視が長い矩形の両方の長辺に沿って一定
の間隔で配置した多数(図示例では一長辺あたり10
本)の第1HFC柱10A及び第1HFC柱10Bは、
その柱鉄骨11のフランジ11a面が建物の短辺と平行
になるように配置され、第1HFC柱10Aと第2HF
C柱10Bとの中間に配置した多数(図示例では6本)
の第3HFC柱10Cは、その柱鉄骨11のフランジ1
1a面が建物の長辺と平行になるように配置される。図
示例では、前記矩形の一方の長辺に沿って配置した第1
HFC柱10A列の1番目、第4番目、7番目及び10
番目の第1HFC柱10Aと、これらと対向する他方の
長辺に沿って配置した第2HFC柱10B列の1番目、
第4番目、7番目及び10番目の第2HFC柱10Bと
の間に、耐震壁30がそれぞれ配置され、各耐震壁30
はそれらの広い表面が前記矩形の短辺と平行になるよう
に配置され、前記第1HFC柱10A列の2番目、3番
目、第5番目、第6番目、8番目及び9番目の第1HF
C柱10Aと、第2HFC柱10B列の2番目、3番
目、第5番目、第6番目、8番目及び9番目の第2HF
C柱10Bとの間に、第3HFC柱10Cが配置されて
いる。1階の床は実施例1の1階の床と同じやり方で形
成される。
【0032】建物の各HFC柱10A,10Bの2階の
梁取付部間に第1HFC梁20Aをそれぞれ配し、それ
らのを前述した長ボルト接合又は圧着接合にて各HFC
柱に接合する。各耐震壁30の2階の梁取付部とこれら
に対向する各第1HFC柱10A及び各第2HFC柱1
0Bの2階の梁取付部と間に第3梁鉄骨20Fをそれぞ
れ配し、それらの端部を、例えば、長ボルト接合にて、
各HFC柱及び耐震壁の梁取付部に着脱可能に接合す
る。各第3HFC柱10Cの2階の梁取付部とこれらに
対向する第1HFC柱10A及び第2HFC柱10Bの
2階の梁取付部との間に、第2梁鉄骨20Eをそれぞれ
配し、それらを、例えば、長ボルト接合にて、各HFC
柱10A〜10Cに着脱可能に接合する。上記のように
長ボルト接合する場合には、その幹部にコンクリートの
付着を防ぐアンボンド処理を施した長ボルトを使い、第
2及び第3梁鉄骨20E,20FをHFC梁化した後で
も、着脱可能とする。各HFC柱10A,10Bへの第
2梁鉄骨20E又は第3梁鉄骨20Fの取付位置は、実
施例1と同様に各HFC柱10Aへの第1HFC梁20
Aの取付位置よりも、梁鉄骨梁20E,20Fの成と略
同じ寸法だけ高い位置にするが、各HFC柱10A,1
0BへのHFC梁20Aの取付位置と各HFC柱10
A,10Bへの梁鉄骨20E又は20Fの取付位置とを
同じレベルしてもよい。
【0033】2階の第2梁鉄骨20Eと第3梁鉄骨20
Fとの間、2階の第2梁鉄骨20E間、2階の第2HF
C梁20Eとこれに対応する耐震壁30の床板受け部と
に間に、図32に示すように、プレキャストコンクリー
ト造の床板41を配し、床板41の両方の端部41aを
梁鉄骨20E,20Fの下側のフランジ21aの上面又
は耐震壁30の床板受部材34の支持面にて支持する。
それから、図31に示すように、床板41の上側に格子
状のスラブ鉄筋42を配し、スラブ鉄筋42を梁鉄骨2
0E,20Fの上側のフランジ21aに固着し、床板4
1の上側にコンクリート43を打設して、2階の床スラ
ブ40を形成する。コンクリート23を打設する際に、
床板41の端部と梁鉄骨20E,20Fのフランジ21
aの内側面及びウェブ21bの表面との間の隙間にコン
クリートを充填し、床板41が鉄骨梁20E,20Fに
対して移動できないようにするとともに、梁鉄骨20
E,20Fを、H形鋼の梁鉄骨とそのフランジ間にあっ
て梁鉄骨に多数の頭付スタッドSdを介して付着したコ
ンクリート層22とで構成されたHFC梁とする。
【0034】上記と同様のやり方にて、各HFC柱10
A,10Bの3階の梁取付部間にそれぞれ配した第1H
FC梁20Aを、前述した長ボルト接合又は圧着接合に
て、各HFC柱に着脱可能に接合し、各HFC柱10
A,10Bの3階の梁取付部と耐震壁30の3階の梁取
付部材との間にそれぞれ配した鉄骨梁20Fを、例え
ば、長ボルト接合にて、各HFC柱及び耐震壁に着脱可
能に接合し、各HFC柱10Cの3階の両側の梁取付部
と各HFC柱10A,10Bの3階の内側の梁取付部と
の間にそれぞれ配した梁鉄骨20Eを、例えば、長ボル
ト接合にて、各HFC柱に着脱可能に接合する。そし
て、3階の梁鉄骨20Eと梁鉄骨20Fとの間、3階の
梁鉄骨20E間、3階のHFC梁20Eとこれに対応す
る耐震壁30の床板受け部との間に、プレキャストコン
クリート造の床板41を配して、前記と同様のやり方に
て3階の床スラブ40を形成する。そして、下側のHF
C柱10A〜10Cの上に上側のHFC柱10A〜10
Cを前述した長ボルト接合又は圧着接合にて接合して継
ぎ足し、下側の耐震壁30の上に上側の耐震壁30を前
述した長ボルト接合又は圧着接合にて接合して継ぎ足
し、上記と同様のやり方にて更に上層階の建物躯体を構
築し、9階の集合住宅の建物躯体を構築する。なお、各
HFC柱の各節の長さは、図示例では、第1節の各HF
C柱10A〜10Cが階高寸法の2.5倍に凹部への差
込長さを加えた寸法、第2節及び第3節の各HFC柱が
階高寸法の2倍の寸法、第4節の各HFC柱が階高寸法
の略2.5倍の寸法になっている。長辺方向の1スパン
の寸法、短辺方向の1スパンの寸法は、実施例1と同じ
にし、実施例1と同様に、長辺方向の一方の辺に沿って
部分をバルコニーとし、他方の辺に沿って部分を廊下と
するために、長辺方向にそれぞれ壁を設ける。
【0035】実施例4は、図33及び図34に示され、
この発明を多層の集合住宅に適用した例であり、HFC
柱、HFC梁及び耐震壁の構成、HFC柱とHFC梁と
の接合の仕方等は実施例3と同じであるが、床スラブの
形成の仕方が実施例3のものと少々相違している。図3
3に示すように、実施例3のH形鋼の鉄骨梁20E,2
0Fとこれと平行に設けられたH形鋼の鉄骨梁と間に、
例えば、下部41dがコンクリート中に埋め込まれ上
部41dが畝状又は凸状にコンクリート層の上面から
突出するようになっいるトラス状の部分のある鉄筋41
dを備えたプレキャストコンクリート造の床板41Aを
配して、床板41Aの端部を鉄骨梁20E,20Fの下
側のフランジ21aの上面で支持し、各床板41Aの上
側に格子状のスラブ鉄筋42を配し、スラブ鉄筋42を
梁鉄骨20E,20Fの上側のフランジ21aに固着
し、床板41Aの上側及び床板41Aと鉄骨梁との間の
隙間にコンクリート43を打設して、床スラブ40Aを
形成する。成の大きい鉄骨梁20E,20Fを使う場合
には、図34に示すように、鉄骨梁20E,20Fの下
側のフランジ21aの上側面上に、例えば、プレキャス
トコンクリート造の長い間隔保持部材Slを配し、必要
に応じて、間隔保持部材Slをフランジ21aの上側面
に固着し、床板41Aの端部を前記間隔保持部材Slの
上側面で支持して、床板41上に形成する現場打ちコン
クリート層の厚さが所望の厚さになるようにする。コン
クリート層の形成の仕方は、図33に示す場合と同じで
ある。鉄骨梁20E,20Fとしては、例えば、図31
に示されているようなH形鋼のウェブの両側の略全域に
わたって多数本の頭付スタッドを間隔をおいて立設した
梁鉄骨、又は図8に示されているようなH形鋼の上側及
び下側のフランジの内側面にフランジの長手方向の略全
域にわたって延在するように異形棒鋼を配して該異形棒
鋼をフランジの内側面に溶接にて固定した梁鉄骨を用い
る。なお、図34に示すH型鋼の鉄骨梁の下側のフラン
ジの上側面上に、間隔保持部材Slを載設し、床板の端
部を間隔保持部材Slの上側面で支持し、床板を鉄骨梁
の下側のフランジの上側面よりも高い位置に支持する支
持方法は、実施例1において、床板41を第2HFC梁
20E、第3HFC梁20F及び耐震壁30に支持させ
る場合にも適用することができる。
【0036】実施例5は、図35〜図38に示され、こ
の発明を多層の集合住宅に適用した例である。図11及
び図12に示す耐震壁30の代わりに、図35〜図38
に示す耐震ブレース壁架構30Aを用いる点が実施例3
と相違している。耐震ブレース壁架構30Aは、例え
ば、次のように製作される。中央部の鋼製のガセット板
35aにてH形鋼のブレース部材35b,35b,35
c,35cをX字状に互いに結合してX形ブレース35
を製作する。階高寸法の略2倍の長さのH形鋼からなる
対の縦材36,36を同じ平面上に一定の間隔をおいて
平行に配置し、各縦材36の前側のフランジの上部及び
中央部にそれぞれ鋼製のガセット板37Aを配置し、上
部の各ガセット板37Aの下側の縦材の取付部37bを
縦材36の上部の前側のフランジにボルト・ナットb・
nにて固定し、中央部の各ガセット板37Aの上側及び
下側の縦材の取付部37a,37bを縦材36,36の
中央部の前側のフランジにボルト・ナットb・nにて固
定する。縦材36,36の上半分間に上側のX形ブレー
ス35を配し、上側のX形ブレース35の上側のブレー
ス部材35b,35bの外方の端部を、上部の各ガセッ
ト板37Aの下側の取付部37dにボルト・ナットb・
nにて固定し、上側のX形ブレース35の下側のブレー
ス部材35c,35cの外方の端部を、中央部のガセッ
ト板37Aの上側の取付部37cにボルト・ナットb・
nにて固定する。縦材36,36の下半分間に下側のX
形ブレース35を配し、下側のX形ブレース36の上側
のブレース部材36b,36bの外方の端部を、中央部
の各ガセット板37Aの下側の取付部37dにボルト・
ナットb・nにて固定する。
【0037】上部及び中央部のガセット板37A間に第
4の鉄骨梁となるH形鋼の鉄骨梁38をそれぞれ配し、
各鉄骨梁38の端部のウェブの部分を中央部のガセット
板37Aの内側の梁取付部37eにボルト・ナットb・
nにて固定する。さらに、各縦材36の後側のフランジ
の上部及び中央部にも前記ガセット板37Aに対応させ
て鋼製のガセット板37Bをそれぞれ配し、各ガセット
板37Bを上記ガセット板37Aと同じやり方で、各縦
材36、上側のX形ブレース35の上側及び下側のブレ
ース部材35b,35c又は下側のX形ブレース35の
上側のブレース部材35bに固着して、耐震ブレース壁
架構30Aが製作される。なお、耐震ブレース壁架構3
0Aの上部及び中央部のガセット板37Aの外側には梁
取付部37fがそれぞれ設けられている。この梁取付部
37fには、例えば、実施例3のH形鋼の第3鉄骨梁2
0Fの端部のウェブの部分をボルト・ナットb・nにて
固定することにより、第3鉄骨梁20Fを耐震ブレース
壁架構30Aの縦材36,36に固着するようになって
いる。なお、ガセット板37Bは、ガセット板37Aの
外側の梁取付部37f及び内側の梁取付部37eを欠い
ているものであってもよい。
【0038】耐震ブレース壁架構30Aを使って実施例
3の図29及び図30に示されている多層の集合住宅を
建築する場合は、例えば、次のようにする。図30に示
す下部躯体4の耐震壁の樹立位置の凹部内の両端部に、
前記ガセット板37A,37Bと同様に縦材36の取付
部とブレース部材35cの取付部とを備えた対のガセッ
ト板をそれぞれ埋め込んで固定しておき、それらの対の
ガセット板に対応させて第1節の耐震ブレース壁架構3
0Aを立て、それらの対のガセット板の各取付部に第1
節の耐震ブレー壁ス架構30Aの縦材36の下部及び下
側のX形ブレース35の下側のブレース部材35cをボ
ルト・ナットを使って固定する。耐震ブレース架構30
Aの中央部のガセット板37Aの外側の梁取付部37f
に、2階の第3鉄骨梁20Fの端部のウェブの部分をボ
ルト・ナットを使って固定し、耐震ブレース壁架構30
Aの上部のガセット板37Aの外側の梁取付部37f
に、3階の第3鉄骨梁20Fの端部のウェブの部分をボ
ルト・ナットを使って固定する。それから、第1節の耐
震ブレース壁架構30Aの上端のガセット板37A,3
7B間に第2節の耐震ブレース壁架構30Aの縦材36
の下端部を立てて配置し、第1節の耐震ブレース壁架構
30Aの上部の各ガセット板37A,37Bの上側の取
付部37a,37cに第2節の耐震ブレース壁架構30
Aの縦材36の下部及び第2節の下側のX形ブレース3
5の下側のブレース部材35cの外方の端部をボルト・
ナットを使って固定する。上記と同様のやり方で、第2
節の耐震ブレース壁架構30Aのガセット板37Aの外
側の梁取付部37fに、第4階及び第5階の第3鉄骨梁
20Fを取り付ける。耐震ブレース壁架構30Aの鉄骨
梁38は、縦材36と縦材36間とを水平方向に連結す
る部材であるだけでなく、図11及び図12に示す耐震
壁30の床板受部材34と同様な機能を果たすものであ
る。耐震ブレース壁架構30Aの鉄骨梁38の下側のフ
ランジの上面で直接に実施例3の床板41又は実施例4
の床板41Aの端部を支持し、或はH形鋼梁38の下側
のフランジの上側面上に図34に示す間隔保持部材Sl
を載設する場合には、該間隔保持部材Slの上側面で床
板41,床板41Aの端部を支持して、床板41,41
Aの上側にコンクリートスラブ40,40Aを形成する
ようにする。その他の多層の集合住宅の建築の仕方は実
施例3と同じである。なお、耐震ブレース壁架構30A
は、そのX形ブレース35の両側に適当な板材等を取り
付けて仕切壁又は外壁とする。実施例5の耐震ブレース
壁架構30Aは、実施例1又は2において、その耐震壁
30の代わりに使用できるものである。
【0039】各実施例におけるHFC柱同士、耐震壁同
士、HFC柱とHFC梁又は梁鉄骨又は耐震壁との間の
長ボルト接合部は、長ボルトのねじ部からナットを外し
て長ボルトを抜くことにより、容易にその接合を解くこ
とができる。各実施例におけるHFC柱同士、耐震壁同
士、HFC柱とHFC梁又は梁鉄骨又は耐震壁との間の
圧着接合部は、圧着に使っている緊張材を切断するか、
又はその緊張材の定着具を外すことにより、容易にその
圧着接合を解くことができる。定着具がコンクリート中
に埋まっている場合には、そのコンクリートを壊して定
着具を外す。
【0040】
【発明の効果】この発明は、特許請求の範囲の各請求項
に記載した要件を備えることにより、次の(イ)〜
(ヲ)の効果を奏する。 (イ)請求項1の中高層建造物は、次の(1)〜(4)
の効果を奏する。 (1)地盤中に構築された基礎の上側に前記基礎との間
に隙間をあけて下部支持基体が構築され、基礎と下部支
持基体との間の多数の箇所に免震手段が配置され、下部
支持基体上にHFC柱、耐震壁又は耐震ブレース壁架
構、HFC梁、床スラブ等からなる平面視が長辺と短辺
からなる長い矩形の上部多層躯体が構築されているか
ら、建造物の上部多層躯体に入ってくる地震力を大幅に
低減させることができ、上部多層躯体をHFC柱、HF
C梁等を使ってスリムに構築しても、地震力に充分に耐
えることができる。 (2)建造物を構成する少なくとも第1HFC柱乃至第
3HFC柱及び第1HFC梁が、H形鋼の柱鉄骨とその
フランジ間にのみあって鉄骨に付着したコンクリート層
とで構成されているものであるから、柱及び梁の占有空
間を増大させることなく、その強度、剛性及び耐火性能
を高めることができる。 (3)第2HFC梁又は第2梁鉄骨と第3HFC梁又は
第3梁鉄骨との間、又は第2HFC梁又は第2梁鉄骨と
耐震壁又は耐震ブレース壁架構との間に、プレキャスト
された床板がそれぞれ配され、各床板の端部が、第2H
FC梁の梁鉄骨、第3HFC梁の梁鉄骨、第2梁鉄骨又
は第3梁鉄骨の下側のフランジの上面或いは耐震壁又は
耐震ブレース壁架構の床板受け部の支持面で直接支持さ
れ、或いは前記上面又は前記支持面上に載設した間隔保
持部材を介して支持され、各床板又は各床板上に設けら
れた床形成材により床スラブが形成されるから、上記H
FC梁又は梁鉄骨がスラブの下側に張り出す量が少な
く、室内に梁型が出ないか又は少ししか出ない極めて快
適な住空間を提供できる。
【0041】(ロ)請求項2の中高層建造物は、前記
(1)〜(3)の効果のほかに、次の(4)及び(5)
の効果を奏する。 (4)第1及び第2HFC柱の柱鉄骨のフランジ面が建
造物の平面視が長い矩形の短辺と平行になり、第3HF
C柱の柱鉄骨のフランジ面が前記矩形の長辺と平行にな
るように配置されているから、第1乃至第3HFC柱が
力のかかる方向に応じて、強軸方向(フランジ面に直角
な方向)と弱軸方向(フランジ面に平行な方向)とがあ
っても、その方向による強度差を補うことができ、平面
視が長い矩形の中高層建造物を少ない経費で所望の耐力
を有するものとすることができる。 (5)第1HFC梁が着脱可能な接合手段により第1H
FC柱及び第2HFC柱に接合され、第2HFC梁が着
脱可能な接合手段により第1乃至第3HFC柱に接合さ
れ、第3HFC梁が着脱可能な接合手段により耐震壁又
は耐震ブレース壁架構及び第1又は第2HFC柱に接合
されているから、建築する際には施工性がよくなり、解
体する際には解体が容易になり、解体した後には、HF
C柱、HFC梁等を再利用することができ、資源の再利
用(リサイクル)、廃棄物及びエネルギーの削減が可能
となる。 (ハ)請求項3の中高層建造物は、前記(1)〜(4)
の効果のほかに、次の(6)の効果を奏する。 (6)第1HFC梁が着脱可能な接合手段により第1H
FC柱及び第2HFC柱に接合され、第2梁鉄骨が着脱
可能な接合手段により第1乃至第3HFC柱に接合さ
れ、第3梁鉄骨が着脱可能な接合手段により耐震壁又は
耐震ブレース壁架構及び第1又は第2HFC柱に接合さ
れているから、建築の際には施工性がよくなり、解体の
際には解体が容易であり、解体の後は、HFC柱、HF
C梁等を再利用することができ、資源の再利用(リサイ
クル)、廃棄物及びエネルギーの削減が可能となる。
【0042】(ニ)請求項4の中高層建造物は、前記
(1)〜(4)の効果のほかに、次の(7)の効果を奏
する。 (7)所望の層の所望の箇所の第1HFC柱とこれに対
向する第2HFC柱との中間に第3HFC柱を設けない
ようにする場合には、前記箇所に対応する前記層の上側
の第2HFC梁又は第2梁鉄骨の代わりに、長い第4H
FC梁が前記箇所に対応する前記層の上側の第1HFC
柱と第2HFC柱との間に配され、第4HFC梁が着脱
可能な接合手段により第1HFC柱と第2HFC柱の梁
取付部に接合され、第4HFC梁のコンクリート層中に
複数本の緊張材が梁の長手方向に延在させてコンクリー
トに付着しないように埋め込まれ、各緊張材に引張力が
導入されて第4HFC梁にプレストレスが付与されてい
る状態にされているから、居住者のニーズの変化や社会
環境の変化に応じて、室空間の中央に位置する第3HF
C柱を省いて、広い室空間を容易に得ることができる。 (ホ)請求項5の中高層建造物は、前記(1)〜(4)
及び(7)の効果のほかに、次の(8)の効果を奏す
る。 (8)第4HFC梁のコンクリート層中に複数本の緊張
材が梁の長手方向に延在させてコンクリートに付着しな
いように埋め込まれ、各緊張材の両方の端よりの部分が
第1HFC柱及び第2HFC柱の挿通孔に通されて各H
FC柱の外側に出され、各緊張材に引張力が導入され、
導入した引張力が、各HFC柱の外側に配された定着具
にて保持され、第4HFC梁の端部と各HFC柱の梁取
付部との圧着に寄与するようになっているから、第4H
FC梁の端部を各HFC柱に圧着接合させるための緊張
材の一部又は全部を省くことができる。
【0043】(ヘ)請求項6の中高層建造物は、前記
(1)〜(4)の効果のほかに、次の(9)の効果を奏
する。 (9)第2又は第3HFC梁或いは第2又は第3梁鉄骨
を取付ける第1HFC柱及び第2HFC柱の梁取付部を
第1HFC梁を取付ける第1HFC柱及び第2HFC柱
の梁取付部より第2又は第3HFC梁或いは第2又は第
3梁鉄骨の成と略同じ寸法だけ上方に位置させるように
なっているから、第2又は第3HFC梁或いは第2又は
第3梁鉄骨を第1及び第2HFC柱に接合するために、
第1及び第2HFC柱の柱鉄骨やコンクリート層に挿通
孔を穿設しても、挿通孔の穿設箇所が集中することな
く、第1及び第2HFC柱の強度の低下を抑えることが
できる。 (ト)請求項7の発明の建造物は、前記(1)〜(4)
の効果のほかに、次の(10)の効果を奏する。 (10)第1HFC柱、第2HFC柱及び第2HFC柱
として、成と幅との差の小さいH形鋼の鉄骨にそのウェ
ブの両側の全域にわたって多数本の頭付スタッドを間隔
をおいて立設して柱鉄骨又は前記H形鋼の鉄骨の上側及
び下側のフランジの内側面にフランジの長手方向の略全
域にわたって延在させて配した異形棒鋼をフランジの内
側面に固定した柱鉄骨と、柱鉄骨の両方のフランジの内
側面、ウェブの両方の表面、柱鉄骨のフランジの幅方向
の端面を含む平面、及び柱鉄骨の長手方向の端面を含む
平面により囲まれる空間内にコンクリートを充填して柱
鉄骨に付着させたコンクリート層とで構成されたHFC
柱を使うから、柱の占有空間を増加させることなく、柱
の強度、剛性及び耐火性能を高めることができる。その
うえ、柱鉄骨のウェブの両側に立設した多数本の頭付ス
タッド又はそのフランジの内側面に固定した異形棒鋼に
より、柱鉄骨とコンクリート層とを完全に一体化させる
ことができる。
【0044】(チ)請求項8の中高層建造物は、前記
(1)〜(4)の効果のほかに、次の(11)の効果を
奏する。 (11)第1HFC梁として、フランジ幅の広いH形鋼
の鉄骨にそのウェブの両側の全域にわたって多数本の頭
付スタッドを間隔をおいて立設して梁鉄骨又は前記H形
鋼の鉄骨の上側及び下側のフランジの内側面にフランジ
の長手方向の略全域にわたって延在させて配した異形棒
鋼をフランジの内側面に固定した梁鉄骨と、梁鉄骨の両
方のフランジの内側面、ウェブの両方の表面、梁鉄骨の
フランジの幅方向の端面を含む平面、及び梁鉄骨の長手
方向の端面を含む平面により囲まれる空間内にコンクリ
ートを充填して梁鉄骨に付着させたコンクリート層とで
構成されたHFC梁を使うから、梁の占有空間を増加さ
せることなく、梁の強度、剛性及び耐火性能を高めるこ
とができる。そのうえ、梁鉄骨のウェブの両側に立設し
た多数本の頭付スタッド又はそのフランジの内側面に固
定した異形棒鋼により、梁鉄骨とコンクリート層とを完
全に一体化させることができる。 (リ)請求項9の中高層建造物は、前記(1)〜(4)
及び(11)の効果のほかに、次の(12)の効果を奏
する。 (12)第2HFC梁及び第3HFC梁として、フラン
ジ幅の広いH形鋼の鉄骨にそのウェブの両側の全域にわ
たって多数本の頭付スタッドを間隔をおいて立設して梁
鉄骨又は前記H形鋼の鉄骨の上側及び下側のフランジの
内側面にフランジの長手方向の略全域にわたって延在さ
せて配した異形棒鋼をフランジの内側面に固定した梁鉄
骨と、梁鉄骨の両方のフランジの内側面、ウェブの両方
の表面、梁鉄骨のフランジの幅方向の端面を含む平面に
平行で前記端面からウェブ側に少々寄った平面、及び梁
鉄骨の長手方向の端面を含む平面により囲まれる空間内
にコンクリートを充填して梁鉄骨に付着させたコンクリ
ート層とで構成されたHFC梁を使うから、HFC梁で
あっても、梁間等に配したプレキャストコンクリート造
の床板の端部をHFC梁の梁鉄骨の下側のフランジの上
面で直接支持し、又は前記上面上に載設した間隔保持部
材を介して支持することができ、床板の支持が容易で、
床板上でのスラブの形成作業が容易になる。
【0045】(ヌ)請求項10の方法は、複数のHFC
梁が互いに平行でかつ水平に配されて、各HFC梁の端
が複数の柱に接合されている建造物の床スラブの形成方
法において、HFC梁がH形鋼の柱鉄骨とそのフランジ
間にあって柱鉄骨に付着したコンクリート層とで構成さ
れ、前記コンクリート層の表面が各フランジの幅方向の
端部の内側面が露出するようなウェブ面に略平行な面に
され、HFC梁とHFC梁との間にプレキャストコンク
リート造の床板を配し、前記床板の両方の端部をHFC
梁の梁鉄骨の下側のフランジの幅方向の端部の内側面の
上面で直接支持し、又は前記上面上に載設した間隔保持
部材を介して支持し、床板の上側にスラブ鉄筋を配し、
スラブ鉄筋を梁鉄骨に固着し、床板及びHFC梁の上側
にコンクリートを打設して、床スラブを形成するととも
に、床板の端面とHFC梁のコンクリート層の表面との
間の隙間をコンクリートで満たすから、床板のHFC梁
に対する移動を完全に防止し、上記HFC梁が天井(床
板)の下側に張り出す量を少なくし、室内に梁型が出な
いか又は少ししか出ない極めて快適な住空間を提供でき
る。上記HFC梁の成をスラブの厚さ程度にする場合に
は、経費の増加なしに自由に使用できる室空間を広める
ことができる。
【0046】(ル)請求項11の方法は、複数のH形鋼
の梁鉄骨が互いに平行でかつ水平に配されて、各梁鉄骨
の端が複数の柱に接合されている建造物の床スラブの形
成方法において、梁鉄骨と梁鉄骨との間にプレキャスト
コンクリート造の床板を配し、前記床板の両方の端部を
梁鉄骨の下側のフランジの上面で直接支持し、又は前記
上面上に載設した間隔保持部材を介して支持し、床板の
上側にスラブ鉄筋を配し、スラブ鉄筋を梁鉄骨の上側の
フランジに固着し、床板の端部と梁鉄骨との隙間をコン
クリートで満たしてHFC梁化とするとともに、梁鉄骨
の上側及び床板の上側にコンクリートを打設して床スラ
ブを形成するから、床板の梁鉄骨に対する移動を完全に
防止し、梁鉄骨がスラブの下側に張り出す量を少なく
し、室内に梁型が出ないか又は少ししか出ない極めて快
適な住空間を提供できる。そのうえ、コンクリートの打
設時等に梁鉄骨のフランジ間の床板の端部と梁鉄骨との
間の隙間をコンクリートで満たすから、梁鉄骨を容易に
HFC梁化することができる。 (ヲ)請求項12の方法は、請求項11の方法の前記効
果を奏することができるだけでなく、梁鉄骨として、H
形鋼のウェブの両側の略全域にわたって多数本の頭付ス
タッドを間隔をおいて立設した梁鉄骨又は前記H形鋼の
上側及び下側のフランジの内側面にフランジの長手方向
の略全域にわたって延在させて配した異形棒鋼を固定し
た梁鉄骨を用いるから、梁鉄骨のウェブの両側に立設し
た多数本の頭付スタッド又はそのフランジの内側面に固
着した異形棒鋼により、梁鉄骨とそのウェブの両側の隙
間を満たしたコンクリート層とを完全に一体化させるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の建物を図2のB−B線で断面した要
部の平面図
【図2】図1に示す建物をそのA−A線で断面した側面
【図3】実施例1の建物のHFC柱の要部の正面図
【図4】図3に示すHFC柱をそのC−C線で断面した
平面図
【図5】実施例1の建物のHFC梁の要部の正面図
【図6】図5に示すHFC梁をそのD−D線で断面した
側面図
【図7】実施例1の建物の他のHFC梁を図5のD−D
線と同じ線で断面した側面図
【図8】実施例1の建物のその他のHFC梁を図5のD
−D線と同じ線で断面した側面図
【図9】実施例1の建物のスラブの形成の仕方等を示す
断面図
【図10】図9に示すスラブの要部をそのE−E線で断
面した側面図
【図11】実施例1の建物の耐震壁の要部の正面図
【図12】図10に示す耐震壁をそのF−F線で断面し
た平面図
【図13】実施例1のHFC柱同士のボルト接合部を図
12のH−H線で断面した平面図
【図14】図13に示すボルト接合部をそのG−G線で
断面した正面図
【図15】実施例1のHFC柱とHFC梁とのボルト接
合部を図16のK−K線で断面した平面図
【図16】図15に示すボルト接合部をそのJ−J線で
断面した平面図
【図17】実施例1のHFC柱と他のHFC梁とのボル
ト接合部を図18のM−M線で断面した平面図
【図18】図17に示すボルト接合部をそのL−L線で
断面した平面図
【図19】実施例1のHFC柱同士の圧接接合部の正面
【図20】図19に示す圧接接合部の側面図
【図21】実施例1のHFC柱とHFC梁との圧接接合
部の正面図
【図22】図21に示す圧接接合部の平面図
【図23】実施例1のHFC柱と他のHFC梁との圧接
接合部の正面図
【図24】図23に示す圧接接合部の平面図
【図25】実施例2の建物を図2の線B−Bと同じ線で
断面した要部の平面図
【図26】実施例2の建物に使うHFC梁の正面図
【図27】図26に示すHFC梁をそのQ−Q線で断面
した正面図
【図28】実施例2のHFC梁をHFC柱に圧接接合し
た状態の図25のP−P線に沿って見た側面図
【図29】実施例3の建物の基準階の平面図
【図30】図29に示す建物をそのR−R線で断面した
正面図
【図31】実施例3の建物で使う鉄骨梁の横断図
【図32】実施例3の建物のスラブの形成の仕方等を示
す断面図
【図33】実施例4の建物のスラブの形成の仕方等を示
す断面図
【図34】実施例4の建物のスラブのその他の形成の仕
方等を示す断面図
【図35】実施例5の建物に使う耐震ブレース壁架構の
正面図
【図36】図35に示す耐震ブレース壁架構をそのS−
S線で断面した要部の平面図
【図37】図35に示す耐震ブレース壁架構の左側の中
間部を拡大した正面図
【図38】図35に示す耐震ブレース壁架構の右側の中
間部を拡大した正面図
【符号の説明】
1 杭 2 基板 3 免震手段 4 下部躯体 10A,10B HFC柱 11 柱鉄骨 11a フランジ 11b ウェブ 11a,〜11a,11b,11b 挿通孔 12 コンクリート層 12a 端よりのコンクリート層 12a,12a 挿通孔 12b 梁取付部のコンクリート層 12b〜12b 挿通孔 13 空部 14 梁受アングル 20A〜20D HFC梁 20E,20F 鉄骨梁 21 梁鉄骨 21a フランジ 21b ウェブ 22 コンクリート層 22a 端よりのコンクリート層 22a〜22a 挿通孔 23 空部 25A,25B 接合用アングル 30 耐震壁 30A 耐震ブレース壁架構 31 格子状の鉄筋 32 コンクリート 33 梁受部材 34 床板受部材 35 X形ブレース 36 縦材 37A,37A ガセット板 38 鉄骨梁 40 コンクリートスラブ 41,41A 床板 42 格子状鉄筋 43 コンクリート 51 バルコニー 52 廊下 53,54,55 壁 Ad,Ad 定着具 Db 異形棒鋼 Lb 長ボルト H 成 Mt モルタル Sd 頭付スタッド Sl 間隔保持部材 Sp 添え板 Td,Td 緊張材 W フランジ幅
フロントページの続き (72)発明者 川合 拓 東京都中央区銀座八丁目21番1号 株式会 社竹中工務店東京本店内 (72)発明者 岡本 晴彦 千葉県印西市大塚一丁目5番地1 株式会 社竹中工務店技術研究所内 (72)発明者 鈴木 清丈 東京都中央区銀座八丁目21番1号 株式会 社竹中工務店東京本店内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】地盤に基礎が構築され、この基礎の上側に
    下部支持基体が構築され、基礎と下部支持基体との間の
    多数の箇所に免震手段がそれぞれ配設され、下部支持基
    体上にHFC柱、耐震壁又は耐震ブレース壁架構、HF
    C梁、床スラブ等からなる上部多層躯体が構築されてい
    る平面視が長い矩形の中高層建造物において、下部支持
    基体上に、多数本の第1HFC柱が前記矩形の一方の長
    辺に沿って一定の間隔をおいて樹立され、多数本の第2
    HFC柱が前記矩形の他方の長辺に沿って前記と同じ間
    隔をおいて樹立され、多数の第1HFC柱の列の1本〜
    数本おきの第1HFC柱とこれに対向する第2HFC柱
    との中間に前記短辺と平行に耐震壁又は耐震ブレース壁
    架構が樹立され、多数の第1HFC柱の列のほかの第1
    HFC柱とこれに対向する第2HFC柱との中間部付近
    に第3HFC柱が樹立され、前記長辺に沿った各第1H
    FC柱及び各第2各HFC柱の梁取付部間に配された第
    1HFC梁が第1HFC柱又は第2HFC柱の梁取付部
    に接合され、各第1HFC柱及び各第2HFC柱の梁取
    付部と第3HFC柱の梁取付部との間に配された第2H
    FC梁又は第2梁鉄骨が第3HFC柱及び第1HFC柱
    又は第2HFC柱の梁取付部に接合され、第1HFC柱
    及び第2HFC柱の梁取付部と耐震壁又は耐震ブレース
    壁架構の梁取付部との間に配された第3HFC梁又は第
    3梁鉄骨が耐震壁又は耐震ブレース壁架構及び第1HF
    C柱又は第2HFC柱の梁取付部に接合され、第2HF
    C梁又は第2梁鉄骨と第3HFC梁又は第3梁鉄骨との
    間、及び第2HFC梁又は第2梁鉄骨と耐震壁又は耐震
    ブレース壁架構との間に、プレキャストされた床板がそ
    れぞれ配され、各床板の端部が、第2HFC梁の梁鉄
    骨、第3HFC梁の梁鉄骨、第2梁鉄骨又は第3梁鉄骨
    の下側のフランジの上面或いは耐震壁又は耐震ブレース
    壁架構の床板受け部の支持面で直接支持され、或いは前
    記上面又は前記支持面上に載設した間隔保持部材を介し
    て支持され、各床板又は各床板上に設けられた床形成材
    により床スラブが形成されていることを特徴とするHF
    C柱、HFC梁等を用いた中高層建造物。
  2. 【請求項2】地盤に基礎が構築され、この基礎の上側に
    下部支持基体が構築され、基礎と下部支持基体との間の
    多数の箇所に免震手段がそれぞれ配設され、下部支持基
    体上にHFC柱、耐震壁又は耐震ブレース壁架構、HF
    C梁、床スラブ等からなる上部多層躯体が構築されてい
    る平面視が長い矩形の中高層建造物において、下部支持
    基体上に、多数の第1HFC柱が前記矩形の一方の長辺
    に沿って一定の間隔をおいて樹立され、多数の第2HF
    C柱が他方の長辺に沿って前記と同じ間隔をおいて樹立
    され、前記各長辺の両端に位置する第1HFC柱と第2
    HFC柱との中間に前記矩形の短辺に沿って耐震壁又は
    耐震ブレース壁架構がそれぞれ樹立され、前記各長辺の
    両端以外の多数の第1HFC柱の列の1本〜数本おきの
    第1HFC柱とこれに対向する第2HFC柱との中間に
    耐震壁又は耐震ブレース壁架構が樹立され、中間に耐震
    壁又は耐震ブレース架構が樹立されないほかの第1HF
    C柱と第2HFC柱との中間に第3HFC柱が樹立さ
    れ、第1HFC柱及び第2HFC柱の柱鉄骨のフランジ
    面が前記矩形の短辺と平行になり、第3HFC柱の柱鉄
    骨のフランジ面が前記矩形の長辺と平行になるように各
    HFC柱が配置され、前記長辺に沿った各第1HFC柱
    及び各第2HFC柱の梁取付部間に配された第1HFC
    梁が着脱可能な接合手段により第1HFC柱及び第2H
    FC柱の梁取付部に接合され、第1HFC柱又は第2H
    FC柱の梁取付部と第3HFC柱の梁取付部との間に配
    された第2HFC梁が着脱可能な接合手段により第3H
    FC柱及び第1HFC柱又は第2HFC柱の梁取付部に
    接合され、第1HFC柱又は第2HFC柱の梁取付部と
    耐震壁又は耐震ブレース架構の梁取付部との間に配され
    た第3HFC梁が着脱可能な接合手段により耐震壁又は
    耐震ブレース架構及び第1HFC柱又は第2HFC柱の
    梁取付部に接合され、第2HFC梁と第3HFC梁との
    間、又は第2HFC梁と耐震壁又は耐震ブレース壁架構
    との間にプレキャストされた床板が配され、床板の両方
    の端部が第2HFC梁及び第3HFC梁の梁鉄骨の下側
    のフランジの幅方向の端よりの部分の上面或いは耐震壁
    又は耐震ブレース壁架構の床板受け部の支持面で直接支
    持され、或いは前記上面又は前記支持面上に載設した間
    隔保持部材を介して支持され、各床板又は各床板上に設
    けられた床形成材により床スラブが形成されていること
    を特徴とするHFC柱、HFC梁等を用いる中高層建造
    物。
  3. 【請求項3】地盤に基礎が構築され、この基礎の上側に
    下部支持基体が構築され、基礎と下部支持基体との間の
    多数の箇所に免震手段がそれぞれ配設され、下部支持基
    体上にHFC柱、耐震壁又は耐震ブレース壁架構、HF
    C梁、床スラブ等からなる上部多層躯体が構築されてい
    る平面視が長い矩形の中高層建造物において、多数の第
    1HFC柱が前記矩形の一方の長辺に沿って一定の間隔
    をおいて樹立され、多数の第2HFC柱が他方の長辺に
    沿って前記と同じ間隔をおいて樹立され、前記各長辺の
    多数の第1HFC柱の列の1本〜数本おきの第1HFC
    柱とこれに対向する第2HFC柱との中間に耐震壁又は
    耐震ブレース壁架構が樹立され、中間に耐震壁又は耐震
    ブレース壁架構が樹立されないほかの第1HFC柱と第
    2HFC柱との中間に第3HFC柱が樹立され、第1H
    FC柱及び第2HFC柱の柱鉄骨のフランジ面が前記矩
    形の短辺と平行になり、第3HFC柱の柱鉄骨のフラン
    ジ面が前記矩形の長辺と平行になるように各HFC柱が
    配置され、前記長辺に沿った各第1HFC柱及び各第2
    HFC柱の梁取付部間に配された第1HFC梁が着脱可
    能な接合手段により第1HFC柱及び第2HFC柱の梁
    取付部に接合され、第1HFC柱及び第2HFC柱の梁
    取付部と第3HFC柱の梁取付部との間に配された第2
    梁鉄骨が着脱可能な接合手段により第3HFC柱及び第
    1HFC柱又は第2HFC柱の梁取付部に接合され、第
    1HFC柱及び第2HFC柱の梁取付部と耐震壁又は耐
    震ブレース壁架構の梁取付部との間に配された第3梁鉄
    骨が着脱可能な接合手段により耐震壁又は耐震ブレース
    壁架構及び第1HFC柱又は第2HFC柱の梁取付部に
    接合され、第2梁鉄骨と第3梁鉄骨との間、及び第2梁
    鉄骨と耐震壁又は耐震ブレース壁架構との間にプレキャ
    ストされた床板がそれぞれ配され、各床板の両方の端部
    が第2梁鉄骨及び第3梁鉄骨の下側のフランジの上面又
    は耐震壁又は耐震ブレース壁架構の床板受け部の支持面
    で直接支持され、或いは前記上面又は前記支持面上に載
    設した間隔保持部材を介して支持され、各床板又は各床
    板上に設けられた床形成材により床スラブが形成されて
    いることを特徴とするHFC柱、HFC梁等を用いた中
    高層建造物。
  4. 【請求項4】所望の層の所望の箇所の第1HFC柱とこ
    れに対向する第2HFC柱との中間に第3HFC柱を設
    けないようにする場合において、前記箇所に対応する前
    記層の上側に配する第2HFC梁又は第2梁鉄骨の代わ
    りに、長い第4HFC梁が前記箇所に対応する前記層の
    上側の第1HFC柱と第2HFC柱との間に配され、第
    4HFC梁が着脱可能な接合手段により第1HFC柱及
    び第2HFC柱に接合され、複数本の緊張材が第4HF
    C梁のコンクリート層中に梁の長手方向に延在させてコ
    ンクリートに付着しないように埋め込まれ、各緊張材に
    引張力を導入した状態が維持されて第4HFC梁にプレ
    ストレスが付与されていることを特徴とする請求項1〜
    3のいずれか一つの項記載のHFC柱、HFC梁等を用
    いる中高層建造物。
  5. 【請求項5】第4HFC梁を第1HFC柱及び第2HF
    C柱に圧着接合する場合において、第4HFC梁のコン
    クリート層中に複数本の緊張材が梁の長手方向に延在さ
    せてコンクリートに付着しないように埋め込まれ、各緊
    張材の両方の端よりの部分が第1HFC柱及び第2HF
    C柱の挿通孔に通されて、各HFC柱の外側に出され、
    各緊張材に引張力が導入され、導入した引張力が、各H
    FC柱の外側に配された定着具にて保持され、第4HF
    C梁の端部と各HFC柱の梁取付部との圧着に寄与する
    ようになっていることを特徴とする請求項4記載のHF
    C柱、HFC梁等を用いる中高層建造物。
  6. 【請求項6】第2及び第3HFC梁又は第2及び第3梁
    鉄骨を取付ける第1HFC柱及び第2HFC柱の梁取付
    部が第1HFC梁を取付ける第1HFC柱及び第2HF
    C柱の梁取付部より第2及び第3HFC梁又は第2及び
    第3梁鉄骨の成と略同じ寸法だけ上方に位置しているこ
    とを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つの項記載の
    HFC柱、HFC梁等を用いる中高層建造物。
  7. 【請求項7】第1HFC柱、第2HFC柱及び第2HF
    C柱として、成と幅との差が小さいH形鋼の鉄骨にその
    ウェブの両側の略全域にわたって多数本の頭付スタッド
    を間隔をおいて立設した柱鉄骨又は前記H形鋼の鉄骨の
    上側及び下側のフランジの内側面にフランジの長手方向
    の略全域にわたって延在させて配した異形棒鋼をフラン
    ジの内側面に固定した柱鉄骨と、柱鉄骨の両方のフラン
    ジの内側面、ウェブの両側の表面、柱鉄骨のフランジの
    幅方向の端面を含む平面、柱鉄骨の長手方向の端面を含
    む平面により囲まれる空間内にコンクリートを充填して
    柱鉄骨に付着させたコンクリート層とで構成されている
    HFC柱を使うことを特徴とする請求項請求項1〜4の
    いずれか一つの項記載のHFC柱、HFC梁等を用いる
    中高層建造物。
  8. 【請求項8】第1HFC梁として、フランジの幅の広い
    H形鋼の鉄骨にそのウェブの両側の全域にわたって多数
    本の頭付スタッドを間隔をおいて立設した梁鉄骨又は前
    記H形鋼の鉄骨の上側及び下側のフランジの内側面にフ
    ランジの長手方向の略全域にわたって延在させて配した
    異形棒鋼をフランジの内側面に固定した梁鉄骨と、梁鉄
    骨の両方のフランジの内側面、ウェブの両側の表面、梁
    鉄骨のフランジの幅方向の端面を含む平面、梁鉄骨の長
    手方向の端面を含む平面により囲まれる空間内にコンク
    リートを充填して梁鉄骨に付着させたコンクリート層と
    で構成されているHFC梁を使うことを特徴とする請求
    項請求項1〜4のいずれか一つの項記載のHFC柱、H
    FC梁等を用いる中高層建造物。
  9. 【請求項9】第2HFC梁及び第3HFC梁として、フ
    ランジの幅の広いH形鋼の鉄骨にそのウェブの両側の全
    域にわたって多数本の頭付スタッドを間隔をおいて立設
    して梁鉄骨又は前記H形鋼の鉄骨の上側及び下側のフラ
    ンジの内側面にフランジの長手方向の略全域にわたって
    延在させて配した異形棒鋼をフランジの内側面に固定し
    た梁鉄骨と、梁鉄骨の両方のフランジの内側面、ウェブ
    の両側の表面、梁鉄骨のフランジの幅方向の端面を含む
    平面に平行で前記端面からウェブ側に少々寄った平面、
    梁鉄骨の長手方向の端面を含む平面により囲まれる空間
    内にコンクリートを充填して梁鉄骨に付着させたコンク
    リート層とで構成されているHFC梁を使うことを特徴
    とする請求項請求項1〜4のいずれか一つの項記載のH
    FC柱、HFC梁等を用いる中高層建造物。
  10. 【請求項10】複数のHFC梁を互い平行でかつ水平に
    配し、各HFC梁の端を複数の柱に接合してなる建造物
    の床スラブの形成方法において、各HFC梁がH形鋼の
    柱鉄骨とそのフランジ間のみにあって柱鉄骨に付着した
    コンクリート層とで構成され、前記コンクリート層の表
    面が各フランジの幅方向の端部の内側面を露出させるよ
    うなウェブ面に略平行な面とされ、HFC梁とHFC梁
    との間にプレキャストコンクリート造の複数の床板を配
    し、各床板の両方の端部をHFC梁の梁鉄骨の下側のフ
    ランジの幅方向の端部の上面で直接支持し、又は前記上
    面上に載設した間隔保持部材を介して支持され、各床板
    の上側にスラブ鉄筋を配し、スラブ鉄筋をHFC梁の梁
    鉄骨に固着し、床板及びHFC梁の上側にコンクリート
    を打設して、床スラブを形成するとともに、床板の端面
    とHFC梁のコンクリート層の表面との間の隙間をコン
    クリートで満たすことを特徴とする床スラブの形成方
    法。
  11. 【請求項11】複数のH形鋼の梁鉄骨を互いに平行でか
    つ水平に配し、各梁鉄骨の端を複数の柱に接合してなる
    建造物の床スラブの形成方法において、梁鉄骨と梁鉄骨
    との間にプレキャストコンクリート造の複数の床板を配
    し、各床板の両方の端部を梁鉄骨の下側のフランジの上
    面にて直接支持し、又は前記上面上に載設した間隔保持
    体を介して支持し、各床板の上側にスラブ鉄筋を配し、
    スラブ鉄筋を梁鉄骨に固着し、床板の端部と梁鉄骨との
    間の隙間をコンクリートで満たして、各梁鉄骨をHFC
    梁化とするとともに、梁鉄骨及び床板の上側にコンクリ
    ートを打設して床スラブを形成することを特徴とする床
    スラブの形成方法。
  12. 【請求項12】梁鉄骨として、H形鋼のウェブの両側の
    略全域にわたって多数本の頭付スタッドを間隔をおいて
    立設した梁鉄骨又はH形鋼の上側及び下側のフランジの
    内側面にフランジの長手方向の略全域にわたって延在さ
    せて配した異形棒鋼をフランジの内側面に固定した梁鉄
    骨を用いることを特徴とする請求項10又は11記載の
    床スラブの形成方法。
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