JPH0882002A - Rc構造物およびその構築方法 - Google Patents

Rc構造物およびその構築方法

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JPH0882002A
JPH0882002A JP24075394A JP24075394A JPH0882002A JP H0882002 A JPH0882002 A JP H0882002A JP 24075394 A JP24075394 A JP 24075394A JP 24075394 A JP24075394 A JP 24075394A JP H0882002 A JPH0882002 A JP H0882002A
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girder
precast concrete
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steel material
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JP24075394A
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English (en)
Inventor
Shinichi Miyoshi
伸一 三好
Sumuto Watanabe
澄人 渡辺
Haruo Kobayashi
治男 小林
Ka Ou
珂 王
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Taisei Corp
Original Assignee
Taisei Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 施工が容易で工期の短縮化を図ることがで
き、しかも各構成部材およびその接続部における機械的
強度に優れ、かつ容易に上記構成部材を解体して再利用
することが可能となるRC構造物およびその構築方法を
得る。 【構成】 柱10間に梁16,22が架設されて構築さ
れたRC造の架構の階層に、床スラブ31が敷設されて
なるRC構造物において、少なくとも柱10および梁1
6,22が、それぞれ階層間の高さ寸法および柱間隔よ
りも短い単位のPC部材11,17,23等が互いに連
結され、かつこれらに挿通された緊張鋼材13によって
圧着されることにより構成されていることを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、単位長さの短い複数の
プレキャストコンクリート部材を圧着・一体化して構成
した柱や梁等によって構築したRC構造物およびその構
築方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、鉄筋コンクリート(RC)造の
構造物においては、その柱や梁等の構造部材として、工
場において強度に優れる部材を一体成形することができ
て工期の短縮にも寄与するといった利点から、プレキャ
ストコンクリート(以下、PCと略称する。)造のもの
が多々用いられている。図9は、従来のこの種のPC造
の柱等を用いたRC構造物を示すもので、図中符号1
は、基礎上に立設されたPC柱を示すものである。この
PC柱1は、上記RC構造物の一階層の高さ寸法とほぼ
等しい長さに一体成形されたもので、これらPC柱1、
1間には、ほぼそのスパン長と等しい長さ寸法に一体成
形されたPC大梁2が架設され、さらに上記PC大梁2
と隣接するPC大梁2との間において、互いの梁主筋3
がスリーブジョイント4または溶接等により接合されて
コンクリートが打設されることにより、一体的に接合さ
れている。また、上記PC柱1、1間には、2分割によ
り成形されたPC壁5、5が、周縁部に形成された凹部
5a…内に上記PC柱1およびPC大梁2の対向面に形
成された凸部1a…、2a…が係合されることにより配
設されている。そして、これらPC柱1およびPC大梁
2と、PC壁5、5との間隙部には、モルタル等のグラ
ウトが充填・固化されている。このようにして架設され
た上記PC大梁2上には、現場打ちコンクリートによっ
て床スラブ6が敷設されるようになっている。なお、図
中符号7は、上記PC柱1の上面から延出して上部の柱
内に挿通される柱主筋である。
【0003】また、図10は、PC柱等を用いた従来の
他のRC構造物を示すもので、このRC構造物において
は、PC柱1、1間に、そのスパン長に一体成形された
PC大梁2が架設され、これらPC柱1およびPC大梁
2は、それぞれの内部に挿通された緊張鋼材8の端部が
緊張されて定着されることにより、圧着・一体化されて
いる。そして、上記緊張鋼材8が挿通された孔部内に
は、モルタル等のグラウトが充填・固化されている。そ
して、上記PC大梁2上にも、同様に現場打ちコンクリ
ートによって床スラブ6が敷設されるようになってい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような従来のRC
構造物のうち、図9に示した従来のRC構造物にあって
は、各PC大梁2自体は強度的に優れるものの、これら
PC大梁2同士を梁主筋3を介した現場打ちコンクリー
トによって接合しているため、当該接合部における機械
的強度に劣るという欠点がある。この点、図10に示し
たものによれば、PC大梁2同士を、PC柱1を通じて
挿通した緊張鋼材8のテンションによって圧着・一体化
させているので、当該接合部を含めた構造物としての機
械的強度に優れるという利点がある。
【0005】しかしながら、図9および図10に示す従
来のRC構造物においては、いずれも、PC柱1および
PC大梁2を、一階層の高さ寸法あるいは柱のスパンと
ほぼ同じ長さ寸法に成形しているので、いきおい各PC
柱1あるいはPC大梁が長尺物となって重量が嵩んでし
まい、この結果、施工時に大型の揚重機械を必要として
その取り扱い性に劣るという欠点があった。このため、
特に上記大型の揚重機械を設置できないような、狭い敷
地内の建築物等においては、現場施工自体が不可能にな
ってしまうという問題点があった。
【0006】加えて、図9に示すRC構造物にあって
は、互いに接合部に現場打ちコンクリートを打設した
り、あるいはモルタル等のグラウトを充填・固化させた
りして各部材を接合しており、さらに図10に示すもの
にあっても、緊張鋼材8を挿通した孔部にモルタル等の
グラウトを充填・固化させているため、これらの接合あ
るいは充填作業に手間を要するとともに、一旦構築した
後は、これらPC柱1やPC大梁2といった構成部材を
解体することが困難であり、よって上記各構成部材を再
利用することができないという欠点もあった。さらに、
大梁2を架設した後に、その上面に現場打ちコンクリー
トによって床スラブ6を敷設しているため、作業性に劣
り、現場における施工期間が長期化するという問題点も
あった。
【0007】本発明は、上記従来のRC構造物が有する
課題を有効に解決すべくなされたもので、施工が容易で
あるとともに工期の短縮化を図ることができ、しかも各
構成部材およびその接続部における機械的強度に優れ、
かつ容易に上記構成部材を解体して再利用することが可
能となるRC構造物およびその構築方法を提供すること
を目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明
のRC構造物は、柱間に梁が架設されて構築されたRC
造の架構の階層に、床スラブが敷設されてなるRC構造
物において、少なくとも上記柱および梁が、それぞれ階
層間の高さ寸法および柱間隔よりも短い単位のPC部材
が互いに連結されるとともに、これらPC部材に挿通さ
れた緊張鋼材によって圧着されることにより構成されて
いることを特徴とするものである。
【0009】ここで、請求項2に記載の発明は、上記請
求項1に記載の柱および梁を構成するPC部材の接合面
に、互いに係合する凹凸部を形成したものであり、さら
に請求項3に記載の発明は、上記請求項1または2に記
載の梁が、上記柱間に架設された大梁と、これら大梁間
に架設された小梁とからなり、かつ上記柱を構成するP
C部材の大梁との接合面および上記大梁を構成するPC
部材の小梁との接合面に、それぞれ上記大梁または小梁
の端部が係合する接合用凹部を形成するとともに、上記
柱と上記大梁および上記大梁と上記小梁とに上記緊張鋼
材を挿通したものである。
【0010】また、請求項4に記載の発明は、上記請求
項1〜3のいずれかに記載のRC構造物が、柱間に耐震
壁を有してなり、かつこの耐震壁およびその両端部の柱
が、上記耐震壁部分とその両端部の柱部分とが一体に形
成されるとともに上記階層間の高さ寸法よりも短い単位
のPC部材が互いに上下方向に連結され、かつこれらP
C部材に挿通された緊張鋼材によって圧着されることに
より構成されていることを特徴とするものであり、さら
に請求項5に記載の発明は、上記請求項1〜4のいずれ
かに記載のPC部材の上記緊張鋼材が挿通される孔部
に、グラウトとしてグリース状の物質を充填したもので
ある。
【0011】次に、請求項6に記載のRC構造物の構築
方法は、先ず地上において、予め柱間隔よりも短い単位
を有し、接合面に互いに係合する凹凸部が形成された複
数のPC部材を連結するとともに、これらPC部材に挿
通した緊張鋼材によって圧着・一体化することにより大
梁および小梁を製造し、他方現場において、階層間の高
さ寸法よりも短い単位を有し、上下方向の接合面に互い
に係合する凹凸部が形成された複数のPC部材を順次積
層するとともに、これらPC部材に挿通した緊張鋼材に
よって圧着・一体化することにより柱を構築し、次いで
上記柱を構成するPC部材の大梁との接合面に形成され
た接合用凹部に、大梁の端部を係合させるとともに、こ
れら柱および大梁に挿通した緊張鋼材を緊張させて圧着
・一体化せしめ、さらに上記大梁を構成するPC部材の
小梁との接合面に形成された接合用凹部に、小梁の端部
を係合させるとともに、これら大梁および小梁に挿通し
た緊張鋼材を緊張させて圧着・一体化せしめることを特
徴とするものである。この際に、請求項7に記載の発明
は、上記緊張鋼材を緊張させた後に、当該緊張鋼材を挿
通したPC部材の孔部にグリース状の物質を充填するこ
とを特徴とするものである。
【0012】
【作用】請求項1に記載のRC構造物にあっては、少な
くとも上記柱および梁を、それぞれ階層間の高さ寸法お
よび柱間隔よりも短い単位のPC部材を連結することに
よって構成しているので、各PC部材の重量が軽量であ
ってその取り扱いが容易であり、よって敷地面積等によ
り設置可能な揚重機械の能力に応じて、多様な施工方法
を選択的に採用することが可能となる。しかも、これら
柱および梁を、上記PC部材に挿通した緊張鋼材にテン
ション加えて互いに圧着することにより構成しているの
で、高い部材強度を得ることが可能となる。
【0013】特に、請求項2に記載の発明によれば、柱
および梁を構成するPC部材の接合面に、互いに係合す
る凹凸部を形成しているので、これら凹凸部の係合によ
り剪断応力に抗することができ、よって上記緊張鋼材に
よる圧着と相俟って、柱および梁全体としての機械的強
度が大幅に向上する。また、請求項3に記載の発明にあ
っては、柱に形成した接合用凹部内に大梁の端部を係合
させ、大梁に形成した接合用凹部内に小梁の端部を係合
させることにより、これら大梁および小梁から柱および
大梁に作用する垂直荷重を上記接合用凹部によって直接
垂直方向に受けることができる。加えて、上記柱と大梁
あるいは大梁と小梁とに緊張鋼材を挿通して、当該緊張
鋼材のテンションにより一体的に圧着・接合しているた
め、上記柱と大梁および大梁と小梁との接合部分におけ
る接合強度が向上する。
【0014】さらに、請求項4に記載の発明によれば、
RC構造物が柱間に耐震壁を有している場合において、
この耐震壁およびその両端部の柱を、上記耐震壁部分と
その両端部の柱部分とが一体に形成されたPC部材を互
いに上下方向に連結することによって構成しているの
で、施工が容易であるとともに、同様にして当該柱およ
び耐震壁として高い機械的強度が得られる。また、請求
項5に記載の発明は、上記PC部材の緊張鋼材が挿通さ
れる孔部に、グラウトとしてグリース状の物質を充填し
ているので、容易に解体することが可能となり、この結
果上記柱等を構成しているPC部材の再利用が図れる。
【0015】次に、請求項6に記載のRC構造物の構築
方法によれば、予め地上において、PC部材を連結して
圧着することにより、大梁および小梁を一体に組立てて
おくことが可能となるため、施工が容易であるととも
に、工期を大幅に短縮することが可能となる。さらに、
請求項7に記載の発明のように、上記緊張鋼材を緊張さ
せた後に、当該緊張鋼材を挿通したPC部材の孔部にグ
リース状の物質を充填しておけば、後に当該RC構造物
を容易に解体することができ、延いては上記PC部材の
再利用を図ることが可能となる。
【0016】
【実施例】図1〜図8は、本発明のRC構造物の一実施
例を示すものである。図1において、図中符号10は、
このRC構造物のPC柱を示すものである。このPC柱
10は、図2に示すような、上記RC構造物の階層間の
高さ寸法よりも短い単位の角柱状のPC(プレキャスト
コンクリート)部材11…が互いに連結されることによ
って構成されたものであり、上記各PC部材11には、
上下方向に貫通する複数の孔部12が穿設されている。
上記各孔部12にはシースが嵌入されており、このシー
ス内にPC鋼棒、PCストランド、鉄筋等の緊張鋼材1
3が挿通されている。また、上記PC部材11の接合端
面の一方には、角柱状に突出する凸部14が形成され、
他方には、この凸部14が係合する凹部が形成されてい
る。そして、これらPC部材11が、互いの上記凹凸部
を係合させて上下方向に連結され、さらに孔部12のシ
ース内に挿通された緊張鋼材13の両端部が、テンショ
ンを加えられたうえで定着されることにより、上記PC
柱10が一体に構築されている。
【0017】そして、上記PC柱10間にPC大梁
(梁)16が架設されている。このPC大梁16は、図
3に示すような柱10、10の間隔よりも短い単位の角
柱状のPC部材17…が連結されることによって構成さ
れたもので、各PC部材17には、水平方向に貫通する
複数の孔部18が穿設されている。上記各孔部18には
シースが嵌入されており、このシース内に同様にして緊
張鋼材13が挿通されている。また、上記PC部材17
の接合端面の一方には、角柱状に突出する凸部19が形
成され、他方には、この凸部19が係合する凹部が形成
されている。そして、これらPC部材17が、互いの上
記凹凸部を係合させて連結され、さらにそれらの内に挿
通された緊張鋼材13の両端部が、テンションを加えら
れたうえで定着されることにより、上記PC大梁16が
一体に構築されている。
【0018】また、図7および図8に示すように、上記
PC柱10のPC大梁16を接合すべき箇所には、上記
PC部材11よりも僅かに大型の接合用PC部材20が
介装されている。この接合用PC部材20の側面には、
この側面と上面側とに開口する接合用凹部21が形成さ
れており、この接合用凹部21に、地組されて一体化さ
れた上記PC大梁16の端部が差込まれ、その下面が上
記接合用凹部21の底面に載置されている。そして、上
記PC大梁16とPC柱10とは、PC大梁16内に挿
通された数本の緊張鋼材13がさらに上記接合用PC部
材20内にも挿通されて緊張されることにより圧着さ
れ、一体的に接合されている。
【0019】そして、上記PC大梁16間に、PC小梁
(梁)22が架設されている。このPC小梁22は、図
2に示すPC大梁16を構成するPC部材17より断面
積が小さく形成されたPC部材23が、図6に示すよう
に、地上において、互いの凹凸部を係合させて連結さ
れ、内部に挿通された緊張鋼材13によって一体的に圧
着されたものである。他方、上記PC大梁16のPC小
梁22を接合すべき箇所には、上記PC部材17とほぼ
同寸法で、かつ上記PC小梁22側に突出した接合用P
C部材24が介装されている。この接合用PC部材24
の上記突出部には、PC小梁22との接合面と上面側と
に開口する接合用凹部25が形成されており、この接合
用凹部25に、地組されて一体化された上記PC小梁2
2の端部が差込まれ、その下面が上記接合用凹部25の
底面に載置されている。そして、上記PC大梁16とP
C小梁22とは、接合用PC部材24の孔部26内に挿
通された数本の緊張鋼材13がさらに上記PC小梁22
内にも挿通されて緊張されることにより圧着され、一体
的に接合されている。
【0020】また、上記RC構造物の所定の箇所には、
PC柱10、10間に耐震壁27が設けられており、当
該箇所は、図5に示すようなPC部材28によって構成
されている。すなわち、上記PC部材28は、耐震壁部
分27aとその両端部の柱部分10aとが一体に形成さ
れたもので、その単位長さである高さ寸法は、上記階層
間の高さ寸法よりも短くなるように設定されている。ま
た、このPC部材28には、上下方向に貫通してシース
が嵌入された孔部30…が穿設されており、これら孔部
30…のシース内に上記緊張鋼材13…が挿通されてい
る。さらに、上記PC部材28の柱部分10aの接合面
には、一方に凸部29が形成され、他方にこの凸部29
と係合する凹部が形成されている。そして、上記柱10
および耐震壁27は、上記PC部材28…が互いの凹凸
部を係合させて上下方向に連結され、かつこれらPC部
材28…に挿通された緊張鋼材13にテンションが加え
られて互いに圧着されることにより一体的に構成されて
いる。
【0021】さらに、このようにして構築された架構の
PC大梁16およびPC小梁22上には、PC造のスラ
ブ31が敷設されている。このスラブ31は、図4に示
すように、PC床板32…から構成されたものであっ
て、各PC床板32の周縁には、隣接するPC床板32
と互いに係合する凹凸部33が形成され、さらにこの凹
凸部33に沿ってボルト挿入孔34が穿設されている。
そして、上記スラブ31は、PC床板32が互いの凹凸
部33を係合させ、かつ上記ボルト挿入孔34内に、P
C大梁16もしくはPC小梁22上に立設されたスタッ
ドボルトが挿入されることにより、上記PC大梁16お
よびPC小梁22上に敷設されている。なお、上記PC
床板32間および上記ボルト挿入孔34内には、グラウ
トが注入されている。
【0022】次に、以上の構成からなるPC構造物の構
築方法の一例について説明する。先ず工場において、上
記各PC部材11、17、20、23、24、28およ
びPC床板32を製造する。次いで、地上において、予
め上記PC部材17、24を連結するとともに緊張鋼材
13により圧着・一体化させて、柱間隔の長さ寸法を有
するPC大梁16を組立てておく。これと並行して、上
記PC部材23を同様に連結して圧着・一体化させるこ
とにより、上記PC大梁16間の長さ寸法のPC小梁2
2を組立てておく。次いで、上記RC構造物の基礎上
に、順次PC部材11およびPC部材20を互いの凹凸
部を係合させて積層しつつ、緊張鋼材13にテンション
を加えて圧着・一体化させることにより、PC柱10を
構築する。また、耐震壁27を設ける箇所については、
同様にして上記PC部材28…を順次積層するととも
に、緊張鋼材13により圧着・一体化して、上記PC柱
10およびこれと一体の耐震壁27を構築する。
【0023】次に、予め地組しておいた上記PC大梁1
6を、クレーン等の揚重手段によって吊上げ、その端部
を各PC柱10の上記PC部材20の接合用凹部21内
に差込んで載置することにより、上記PC柱10、10
間に架設し、さらに緊張鋼材13によってこれら柱10
とPC大梁16との接合部を圧着・一体化する。次い
で、同様に予め地組しておいた上記PC小梁22を吊上
げ、その端部を各PC大梁のPC部材24における接合
用凹部25内に差込んで一旦載置し、さらに上記緊張鋼
材13によってこれらPC大梁16とPC小梁22との
接合部を圧着・一体化することにより、上記PC小梁2
2をPC大梁16間に架設する。そして、上記各緊張鋼
材13…を緊張させた後に、これら緊張鋼材13…を挿
通した上記PC部材11、17、20、23、24、2
8の孔部12、18、26、30等のシース内にグリー
ス状の物質を充填する。
【0024】次いで、このようにして構築された架構の
上記PC大梁16およびPC小梁22上に、上記PC床
板32を順次敷設してスラブ31を形成するとともに、
各PC床板32間および上記ボルト挿入孔34内に、グ
ラウトを注入する。
【0025】このように、上記RC構造物にあっては、
柱や梁等の構成部材を総てPC造とし、かつPC柱1
0、PC大梁16、PC小梁22、耐震壁27およびス
ラブ31を、それぞれ階層間の高さ寸法あるいは柱間隔
よりも短い単位のPC部材11、17、20、23、2
4、28あるいはPC床板32を連結することによって
構成しているので、各PC部材11等の重量が軽量であ
るため取り扱いが容易であり、よって敷地面積等により
設置可能な揚重機械の能力に応じて、多様な施工方法を
選択的に採用することが可能となる。しかも、これらP
C柱10等を、互いの接合面に形成された凹凸部を係合
させて連結し、かつ上記PC部材11等に挿通された緊
張鋼材13にテンション加えて圧着することにより構成
しているので、これらの相乗効果により、剪断応力に対
しても高い部材強度を得ることができる。
【0026】また、PC柱10に形成した接合用凹部2
0内にPC大梁16の端部を係合させ、かつPC大梁1
6に形成した接合用凹部24内にPC小梁22の端部を
係合させているので、これらPC大梁16又はPC小梁
22からPC柱10又はPC大梁16に作用する垂直荷
重を直接垂直方向に受けることができるため、安定な支
持構造とすることができる。しかも、これらの接合部に
おいて、上記PC柱10とPC大梁16、あるいはPC
大梁16とPC小梁22とに緊張鋼材13を挿通して、
緊張鋼材13のテンションにより一体的に接合している
ため、上記PC柱10とPC大梁16およびPC大梁1
6とPC小梁22との接合強度を大幅に向上させること
ができる。
【0027】さらに、耐震壁27およびその両端部のP
C柱10を、上記耐震壁部分27aとその両端部の柱部
分10aとが一体に形成されたPC部材28を、互いの
凹凸部を係合させて上下方向に積層することにより構築
しているので、当該耐震壁27の施工が容易であるとと
もに、同様にして当該PC柱10および耐震壁27とし
て、高い機械的強度が得られる。加えて、上記PC部材
11等の緊張鋼材13が挿通される孔部12等に、グラ
ウトとしてグリース状の物質を充填しているので、容易
に上記PC部材11等を解体することが可能となり、こ
の結果上記PC柱10等を構成しているPC部材11等
を規格の寸法単位に形成しておけば、これらPC部材1
1等の再利用を図ることが可能となる。
【0028】次に、上記RC構造物の構築方法によれ
ば、工場においてPC部材11、17、20、23、2
4、28等を製造し、かつ予め地上において、PC部材
17、23、24を連結して圧着することにより、PC
大梁16およびPC小梁22を一体に組立てておくこと
ができるため、施工が容易になるとともに、上記RC構
造物の構築に要する現場工期を大幅に短縮することが可
能となる。しかも、上記緊張鋼材13を挿通するシース
内にグリース状のグラウトを充填しているので、解体も
容易に行うことができる。
【0029】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、請求項1に
記載の本発明に係るRC構造物によれば、柱等を構成す
る各PC部材の重量が軽量となるため取り扱いが容易で
あり、よって敷地面積等により設置可能な揚重機械の能
力に応じて、多様な施工方法を選択的に採用することが
できるとともに、構造物として高い部材強度を得ること
が可能となる。また、請求項2に記載の発明によれば、
PC部材の接合面に形成した凹凸部の係合により、上記
緊張鋼材による圧着と相俟って、柱および梁全体として
の機械的強度を大幅に向上させることができ、さらに請
求項3に記載の発明によれば、柱、大梁および小梁の接
合が容易であるうえに、柱および大梁に作用する垂直荷
重を直接垂直方向に受けることができるため構造上有利
である等の効果が得られる。
【0030】さらに、請求項4に記載の発明によれば、
RC構造物が柱間に耐震壁を有している場合において
も、当該耐震壁の施工が容易であるとともに、当該柱お
よび耐震壁として高い機械的強度が得られ、また、請求
項5に記載の発明によれば、これらPC部材を、容易に
解体することが可能となり、この結果上記PC部材の再
利用が図れる。
【0031】また、請求項6に記載の本発明に係るRC
構造物の構築方法によれば、予め地上において、PC部
材を連結して圧着することにより、大梁および小梁を一
体に組立てておくことが可能となるため、施工が容易で
あるとともに、工期を大幅に短縮することが可能とな
り、さらに、請求項7に記載の発明によれば、後に当該
RC構造物を容易に解体することができ、延いては上記
PC部材の再利用を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のRC構造物の一実施例を示す全体の斜
視図である。
【図2】図1のPC柱を構成するPC部材を示す斜視図
である。
【図3】図1のPC大梁を構成するPC部材を示す斜視
図である。
【図4】図1のスラブを構成するPC床板の接合部分を
示す斜視図である。
【図5】図1の耐震壁とPC柱とを構成するPC部材を
示す斜視図である。
【図6】図1のPC大梁とPC小梁との接合部分を示す
分解斜視図である。
【図7】図1のPC柱とPC大梁との接合部分を示す平
面図である。
【図8】図7の正面図である。
【図9】従来のRC構造物を示す正面図である。
【図10】従来の他のRC構造物を示す正面図である。
【符号の説明】
10 PC柱 10a 柱部分 11、17、23、28 PC部材 12、18、26、30 孔部 13 緊張鋼材 14、19、29 凸部 16 PC大梁(梁) 20、24 接合用PC部材 21、25 接合用凹部 22 PC小梁(梁) 27 耐震壁 27a 耐震壁部分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 王 珂 東京都新宿区西新宿一丁目25番1号 大成 建設株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 柱間に梁が架設されて構築されたRC造
    の架構の上記梁上に、床スラブが敷設されてなるRC構
    造物において、少なくとも上記柱および梁が、それぞれ
    上記架構の階層間の高さ寸法および上記柱間隔よりも短
    い単位のプレキャストコンクリート部材が互いに連結さ
    れ、かつこれらプレキャストコンクリート部材に挿通さ
    れた緊張鋼材によって圧着されることにより構成されて
    いることを特徴とするRC構造物。
  2. 【請求項2】 上記柱および梁を構成する上記プレキャ
    ストコンクリート部材の接合面には、互いに係合する凹
    凸部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載
    のRC構造物。
  3. 【請求項3】 上記梁は、上記柱間に架設された大梁
    と、これら大梁間に架設された小梁とからなり、かつ上
    記柱を構成する上記プレキャストコンクリート部材の上
    記大梁との接合面および上記大梁を構成する上記プレキ
    ャストコンクリート部材の上記小梁との接合面には、そ
    れぞれ上記大梁または上記小梁の端部が係合する接合用
    凹部が形成されているとともに、上記柱と上記大梁およ
    び上記大梁と上記小梁とに、圧着用の上記緊張鋼材が挿
    通されていることを特徴とする請求項1または2に記載
    のRC構造物。
  4. 【請求項4】 上記RC構造物は、柱間に耐震壁を有し
    てなり、かつ上記耐震壁およびその両端部の柱は、上記
    耐震壁部分とその両端部の柱部分とが一体に形成される
    とともに上記階層間の高さ寸法よりも短い単位のプレキ
    ャストコンクリート部材が互いに上下方向に連結され、
    かつこれらプレキャストコンクリート部材に挿通された
    緊張鋼材によって圧着されることにより構成されている
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のRC
    構造物。
  5. 【請求項5】 上記プレキャストコンクリート部材の上
    記緊張鋼材が挿通される孔部には、グラウトとしてグリ
    ース状の物質が充填されていることを特徴とする請求項
    1〜4のいずれかに記載のRC構造物。
  6. 【請求項6】 地上において、予め柱間隔よりも短い単
    位を有し、接合面に互いに係合する凹凸部が形成された
    複数のプレキャストコンクリート部材を連結するととも
    に、これらプレキャストコンクリート部材に挿通した緊
    張鋼材にテンションを加えて圧着・一体化することによ
    り大梁および小梁を製造し、他方現場において、階層間
    の高さ寸法よりも短い単位を有する複数のプレキャスト
    コンクリート部材を、互いの接合面に形成された凹凸部
    を係合させて順次積層するとともに、これらプレキャス
    トコンクリート部材に挿通した緊張鋼材によって圧着・
    一体化することにより柱を構築し、次いで上記柱を構成
    する上記プレキャストコンクリート部材の上記大梁との
    接合面に形成された接合用凹部に上記大梁の端部を係合
    させるとともに、これら柱および大梁に挿通した緊張鋼
    材を緊張させて圧着・一体化せしめ、さらに上記大梁を
    構成する上記プレキャストコンクリート部材の上記小梁
    との接合面に形成された接合用凹部に上記小梁の端部を
    係合させるとともに、これら大梁および小梁に挿通した
    緊張鋼材を緊張させて圧着・一体化せしめることを特徴
    とするRC構造物の構築方法。
  7. 【請求項7】 上記緊張鋼材を緊張させた後に、当該緊
    張鋼材を挿通した上記プレキャストコンクリート部材の
    孔部にグリース状の物質を充填することを特徴とする請
    求項6に記載のRC構造物の構築方法。
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