JP2021059902A - 壁構造、及び壁構造の構築方法 - Google Patents

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【課題】きわめて軽量で耐震性に優れた壁構造を提供する。【解決手段】壁構造1は、構造物の架構2と、架構2内に配置される木質パネル壁体3であって、複数のパネルユニット4、・・・が互いに連結されて構成される、木質パネル壁体3と、を備えている。架構2のパネルユニット4に対向する表面にはアンカーボルト5が打ち込まれ、アンカーボルト5を介してガセットプレート7が架構2に固定されるとともに、ガセットプレート7を両側から挟み込むように一対のパネルユニット4、4を配置して、ドリフトピン8によって一対のパネルユニット4、4及びガセットプレート7を貫通して、架構2と木質パネル壁体3とが接合されている。【選択図】図1

Description

本発明は、直交集成板(CLT)や単板積層材(LVL)を用いた耐震性に優れた壁構造に関するものである。
従来から、木造では木質の壁を耐震要素とし、鉄筋コンクリート造(RC造)では鉄筋コンクリートの壁を耐震要素として架構を形成している。さらに、RC造では、鋼製パネルによる耐震補強技術があり、鉄骨造では、減衰性能を付加した鋼製パネルの制震部材の技術がある。
また、既設のRC造に対して、耐震改修時の補強部材として、直交集成材(CLT)や単板積層材(LVL)を採用する工法が現存している。例えば、特許文献1には、RC耐震壁を室内空間側から覆うようにして、木質板部材を架構内に配置する壁構造が開示されている。このような構成によって、室内空間側に耐震部材が露出されることをなくして美観を向上させるとともに、せん断力を木質板部材に分担させることで、耐震性を向上させることができる、とされている。
特開2015−40401号公報
しかしながら、特許文献1の壁構造を含む従来の技術は、既設架構(コンクリート構造物)に対する補強部材としてCLTやLVLを使用している。しかしながら、従来の技術は、接着剤によって架構と接合するものであり、表面近傍が薄く剥離してしまうことで十分な耐震性を得ることが出来ない可能性があった。
そこで、本発明は、きわめて軽量で耐震性に優れた壁構造を提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本発明の壁構造は、構造物の架構と、前記架構内に配置される木質パネル壁体であって、複数のパネルユニットが互いに連結されて構成される、木質パネル壁体と、を備えている。
また、本発明の壁構造の構築方法は、架構内における壁構造の構築方法であって、直交集成板又は単板積層材から構成される複数のパネルユニットを準備する工程と、前記架構内にアンカーボルトを打ち込む工程と、前記アンカーボルトを介してガセットプレートを前記架構に固定する工程と、複数の前記パネルユニットを前記ガセットプレートを挟み込むように建込む工程と、ドリフトピンによって一対の前記パネルユニット及び前記ガセットプレートを貫通して、前記架構と前記パネルユニットを接合する工程と、複数の前記パネルユニットを互いに連結して木質パネル壁体を構築する工程と、を備えている。
このように、本発明の壁構造は、構造物の架構と、架構内に配置される木質パネル壁体であって、複数のパネルユニットが互いに連結されて構成される、木質パネル壁体と、を備えている。このような構成であれば、軽量化が図れることによって水平力も軽減されるため、耐震性に優れた壁構造となる。
また、本発明の壁構造の構築方法は、架構内における壁構造の構築方法であって、直交集成板又は単板積層材から構成される複数のパネルユニットを準備する工程と、架構内にアンカーボルトを打ち込む工程と、アンカーボルトを介してガセットプレートを架構に固定する工程と、複数のパネルユニットをガセットプレートを挟み込むように建込む工程と、ドリフトピンによって一対のパネルユニット及びガセットプレートを貫通して、架構とパネルユニットを接合する工程と、複数のパネルユニットを互いに連結して木質パネル壁体を構築する工程と、を備えている。このような構成であれば、パネルユニットから構成されることで輸送や施工の際に取扱いが容易であり、軽量化が図れることによって水平力も軽減されるため、耐震性に優れた壁構造を構築できる。
実施例の壁構造の正面図である。 実施例の壁構造の断面図である。 パネルユニットの構成を示す正面図である。(a)は柱に接する箇所に使用されるパネルユニットであり、(b)は中間に使用されるパネルユニットである。 架構とパネルユニットの接合部の構成を示す断面図である。 パネルユニット間の連結部の構成を示す断面図である。 壁構造の構築手順を示す説明図である。(a)はパネルユニットを準備する工程であり、(b)はアンカーボルトを打ち込む工程であり、(c)はガセットプレートを固定する工程である。 壁構造の構築手順を示す説明図である。(a)はパネルユニットを建込む工程であり、(b)はパネルユニット間を連結する工程である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、以下の実施例では、鉄筋コンクリート造(RC造)の架構に対して本発明の壁構造を適用する場合について説明するが、これに限定されるものではなく、S造、SRC造、PC造にも本発明の壁構造を適用することができる。
(壁構造の全体構成)
まず、図1、図2を用いて本発明の壁構造1の全体構成を説明する。
本発明の壁構造1は、図1、図2に示すように、主に、構造物の架構としての鉄筋コンクリート造(RC造)の架構2と、この架構2内に配置される木質パネル壁体3であって複数のパネルユニット4、・・・が互いに(水平方向に)連結されて構成される、木質パネル壁体3と、から構成される。そして、本実施例の壁構造1では、木質パネル壁体3は、既設のRC造の架構2に対して耐震改修(補強)する際又は新設する際に、RC造の架構2に後付けで構築される。
鉄筋コンクリート造(RC造)の架構2は、柱21a、21bと、梁22a、22bと、他の要素(例えば基礎23a、23b)と、から構成される、いわゆるラーメン構造である。すなわち、架構2は、後述するように、鉄筋24を配筋し、鉄筋24の回りに型枠25を設置し、型枠25内にコンクリート26を打設することによって構築される。
そして、本実施例の架構2の内部には、木質パネル壁体3が配置される。架構2の柱21a、21b及び梁22a、22bと、木質パネル壁体3の左右の端面31a、31b及び上下の端面32a、32bとは、後述するようにドリフトピン8とガセットプレート7とアンカーボルト5を介して一体に接合されている。
(木質パネル壁体の構成)
木質パネル壁体3は、図1に示すように、複数のパネルユニット4、・・・が互いに(水平方向に)連結されて構成されている。木質パネル壁体3を構成するパネルユニット4は、直交集成板(CLT)又は単板積層材(LVL)から構成されることが好ましい。木質パネル壁体3は、これらに限定されるものではなく、板を積層した構成を備えるものであれば、広く本発明の木質パネル壁体3に含まれる。
このうち、直交集成板(CLT、Cross Laminated Timber)は、ひき板(ラミナ)の繊維方向を、交互に直交するようにして積層・接着した木質構造用材料である。直交集成板は、厚みのある大きな板であり、建築の構造材の他、土木用材、家具などにも使用されている。
また、単板積層材(LVL、Laminated Veneer Lumber)は、単板(Veneer)の繊維方向(木理)を、すべて平行となるようにして積層・接着した木質構造用材料である。単板積層材には、幅方向の反りを防止するために、直交層(クロスバンド)を数層挿入する場合がある。
図3(a)は柱に接する箇所に使用されるパネルユニットであり、図3(b)は中間(柱に接しない箇所)に使用されるパネルユニットである。パネルユニット4は、図3(a)、(b)に示すように、上述した直交集成板又は単板積層材から構成される長方形の板材であり、パネルユニット4を2枚ずつ一体にしつつ、水平方向に連結することで、より大きな断面をなす木質パネル壁体3を構成する。すなわち、本実施例のパネルユニット4は、2枚の本体部40、40を、ガセットプレート7を挟み込むように配置し、一方の表面から他方の表面へとドリフトピン8を挿入することで一体化させつつ、同時に架構2に対して固定するようになっている。
パネルユニット4の本体部40の大きさは、架構2の床面から梁下までの高さ寸法や搬送性(幅2400mm以下)を考慮して決めることができる。さらに、人力での運搬についても考慮したうえで、例えば、厚さ90mmで幅500mmを最小サイズの目安とすることができる。なお、ここで説明したパネルユニット4の寸法は一例であり、どのような寸法に定めることもできる。
柱と接触する端部のパネルユニット4は、図3(a)に示すように、本体部40の一方の側縁と上縁と下縁の近傍に、架構2の柱21a(21b)や梁22a、22bに固定されたガセットプレート7を介してドリフトピン接合するための、複数の接合孔43、・・・、45、・・・が板面を貫通して形成されている。さらに、本体部40の他方の端面には、隣接するパネルユニット4と連結するためのアンカーボルト(5)を挿入するための複数の連結孔44、・・・が設けられている。
柱と接触しない中間部のパネルユニット4は、図3(b)に示すように、本体部40の上縁と下縁の近傍に、架構2の梁22a、22bに固定されたガセットプレート7を介してドリフトピン接合するための、複数の接合孔45、・・・が板面を貫通して形成されている。さらに、本体部40の両方の端面には、隣接するパネルユニット4と連結するためのアンカーボルト(5)を挿入するための複数の連結孔44、・・・が設けられている。なお、この連結孔44、・・・は、左右の端面で交互にずれた位置に配置されており、全体として千鳥配置となる。ただし、連結孔44(アンカーボルト5)の配置は、千鳥配置でなくてもよく、アンカーボルト5どうしが干渉しなければ、どのような配置であってもよい。
なお、連結孔44や接合孔43、45の間隔・深さは、必要とされる耐力に応じて決めることができる。さらに、接合孔43、45や連結孔44の末端には、接着剤排出用の排出孔(不図示)が削孔されることが好ましい。
(架構と木質パネル壁体との接合の構成)
架構2と木質パネル壁体3の接合部は、図4に示すように、いわゆるドリフトピン接合とあと施工アンカー接合を用いて、架構2と木質パネル壁体3とが接合されている。すなわち、架構2にあと施工アンカー接合を用いて断面T字形のガセットプレート7を固定し、このガセットプレート7にドリフトピン接合を用いて一対の本体部40、40を固定することによって、パネルユニット4(本体部40、40)を、ガセットプレート7を介して架構2に固定している。
具体的に言うと、梁22a、22bや柱21a、21bに、鉄筋24の位置を避けて削孔し、アンカーボルト5を挿入した状態で、接着剤を注入してアンカーボルト5を架構2に対して固定する(あと施工アンカー)。アンカーボルト5としては、鋼棒又は異形鉄筋を用いることができる。なお、あと施工アンカーは、接着系のものに限定されるものではなく、この他、打ち込み方式や締付け方式等の金属系のものであってもよい。さらに、新設の構造物の場合には、アンカーボルト5は、ここで説明したあと施工アンカーではなく、埋設することもできる。
そして、梁22a、22bや柱21a、21bから突出したアンカーボルト5によって、T字断面のガセットプレート7を取り付ける。ガセットプレート7の突出片には、複数の孔71、・・・が設けられており、この複数の孔71、・・・に本体部40、40に設けた複数の接合孔43、・・・、45、・・・の位置を合わせ、本体部40、ガセットプレート7、本体部40の順にドリフトピン8を貫通させて挿入する。
上述したように、接着剤6の付着力とアンカーボルト5と、ガセットプレート7とドリフトピン8とを介して、摩擦と支圧力で、ドリフトピン8を介して応力伝達を行うことができる。(なお、アンカーボルト5は、新築時に埋設される方式も含まれる。)
(パネルユニット間の連結の構成)
パネルユニット4どうしの連結部は、図5に示すように、いわゆるGIR接合を用いて、パネルユニット4どうしが連結されている。すなわち、パネルユニット4の隣接するパネルユニット4に対向する端面41a、41bには、隣接するパネルユニットが並設された状態で互いに連通する連結孔44、・・・が設けられ、連通する一対の連結孔44、・・・に共通するアンカーボルト5が挿入された状態で接着剤6が充填されて、隣接するパネルユニット4、4が水平方向に互いに連結されるようになっている。
上述したように、接着剤6の付着力とアンカーボルト5を介して、応力伝達を行うことができる。具体的には、パネルユニット4、4の間の引張力とせん断力を伝達することができる。この他、引張力のみ、又は、せん断力のみを伝達するように構成することも可能である。
(壁構造の構築方法)
次に、図6(a)〜(c)、図7(a)、(b)を用いて、本実施例の壁構造1の構築方法の手順について説明する。以下に示すように、本実施例の壁構造1の構築方法は、木質パネル壁体3は、既設のRC造の架構2に対して耐震改修(補強)する際や、RC造の構造物を新築する際に、RC造の架構2に後付けで構築される。
はじめに、図6(a)〜(c)に示す(1)〜(3)の工程が実施される。
(1)パネルユニット4の製作
本体部40の加工とアンカーボルト5の取付け。工場において、複数のパネルユニット4、・・・を準備する工程である。さらに、準備する工程は、接合孔43、45と連結孔44を削孔する工程を含む。
(2)鉄筋探査等により、既存鉄筋の位置を避けて、あと施工アンカーを施工する
柱21a、21bや梁22a、22bに削孔し、アンカーボルト5を挿入した状態で接着剤6を注入する。(この他、金属系のあと施工アンカーであってもよいし、新築時には、アンカーボルト5は埋設することもできる。)
(3)ドリフトピン取付け用の鋼製GPLを取付ける
ガセットプレート7の孔71をアンカーボルト5に合わせ、ガセットプレート7をボルト等によって締め付け固定する。
次に、図7(a)、(b)に示す(4)、(5)の工程が実施される。
(4)パネルユニット4の建込み
・パネルユニット4の2枚の本体部40、40をガセットプレート7を両側から建込み、仮止めを行う。
・最後のパネルユニット4を建込んだ後、アンカーボルト5の挿入位置を調整
・ドリフトピンの打ち込み
すなわち、ドリフトピン8、・・・を、本体部40、ガセットプレート7、本体部40の順に貫通させることで、摩擦と支圧力によって、架構2と木質パネル壁体3とが強固に接合される。
(5)パネルユニット4、4間の連結
連通する一対の連結孔44、44に共通するアンカーボルト5を挿入し、連結孔44に接着剤6を注入することで、アンカーボルト5を介して、複数のパネルユニット4、・・・を水平方向に互いに連結する。すなわち、木質パネル壁体3を構築する工程は、アンカーボルト5を挿入する工程と、連結孔44に接着剤6を注入する工程と、を含む。
(作用・効果)
次に、本実施例の壁構造1の奏する作用・効果を列挙して説明する。
(1)上述してきたように、本実施例の壁構造1は、構造物の架構2と、架構2内に配置される木質パネル壁体3であって、複数のパネルユニット4、・・・が互いに連結されて構成される、木質パネル壁体3と、を備えている。このような構成であれば、軽量化が図れることによって水平力も軽減されるため、耐震性に優れた壁構造となる。さらに、RC造に適用する場合は、RC耐震壁で補強する場合に比べて軽量化が図れることにより、水平力も軽減される。加えて、長期の鉛直力と地震時の軸力変動の減少により、基礎の負担も軽減できる。
さらに、本実施例の壁構造1は、鉛直力を負担しないので、耐火被覆が不要である。鉛直力は、架構2が負担し、木質パネル壁体3は、その剛性に応じた水平力のみを負担する。そして、水平力は、架構2と木質パネル壁体3のそれぞれが負担するので、それぞれの耐力を加算して評価することができる。
また、RC造で、木質パネル壁体3の剛性は、木質パネル壁体3単体の剛性を初期剛性とした場合でも、RC耐震壁の剛性より低くなるので、応力集中の程度が緩和され、剛性のバランスの良い架構の形成が可能になる。S造に対しても、鋼製ブレース程度の剛性で架構計画が可能となる。
さらに、架構2による拘束効果があり、ドリフトピン接合部の降伏以降も、木質パネル壁体3に形成される圧縮ストラッドによって、フレームに生じるせん断力を伝達し、木質パネル壁体3によってせん断力を負担できる。加えて、木質パネル壁体3に圧縮ストラッドが形成され、応力伝達が行われる場合でも、周囲の躯体には著しい損傷が生じない設計としている。
(2)また、架構2のパネルユニット4に対向する表面にはアンカーボルト5が打ち込まれ、アンカーボルト5を介してガセットプレート7が架構2に固定されるとともに、ガセットプレート7を両側から挟み込むように一対のパネルユニット4、4を配置して、ドリフトピン8によって一対のパネルユニット4、4及びガセットプレート7を貫通して、架構2と木質パネル壁体3とが接合されている。このように簡単な構成によって、架構2と木質パネル壁体3を接合して、水平力を分担させることができる。
(3)また、パネルユニット4の隣接するパネルユニット4に対向する端面には、隣接するパネルユニット4、4が並設された状態で互いに連通する連結孔44、44が設けられ、連通する一対の連結孔44、44に共通するアンカーボルト5が挿入された状態で接着剤6が充填されて、隣接するパネルユニット4、4が互いに連結されている。このように簡単な構成によって、パネルユニット4どうしを連結して、水平力を分担させることができる。この際、GIR接合部は、木質パネル壁体3の外に出てこないので、現しの仕上げとすることも可能である。
(4)また、複数のパネルユニット4、・・・は、直交集成板又は単板積層材から構成されることが好ましい。
(5)また、本実施例の壁構造の構築方法は、新築又は既設の架構2内における壁構造1の構築方法であって、直交集成板又は単板積層材から構成される複数のパネルユニット4、・・・を準備する工程と、架構2内にアンカーボルト5、・・・を設置する工程と、アンカーボルト5、・・・を介してガセットプレート7を架構2に固定する工程と、複数のパネルユニット4、・・・をガセットプレート7を挟み込むように建込む工程と、ドリフトピン8によって一対のパネルユニット4、4及びガセットプレート7を貫通して、架構2とパネルユニット4、4を接合する工程と、複数のパネルユニット4、・・・を互いに連結して木質パネル壁体3を構築する工程と、を備えている。このような構成であれば、RC耐震壁を設ける場合に比べて軽量化が図れることによって水平力も軽減されるため、耐震性に優れた壁構造1となる。
(6)また、複数のパネルユニット4、・・・を準備する工程は、パネルユニット4の隣接するパネルユニット4に対向する端面に、隣接するパネルユニット4、4が並設された状態で互いに連通する連結孔44を削孔する工程を有し、木質パネル壁体3を構築する工程は、連通する一対の連結孔44、44に共通するアンカーボルト5を挿入する工程と、連結孔44、44に接着剤6を充填する工程と、を有している。このように簡単な構成によって、パネルユニット4どうしを連結して、水平力を分担させることができる。この際、GIR接合部は、木質パネル壁体3の外に出てこないので、現しの仕上げとすることも可能である。
以上、図面を参照して、本発明の実施例を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施例に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
例えば、実施例では、架構2と木質パネル壁体3の接合が、四辺すべてを接合するものとして記載したが、これに限定されるものではなく、二辺(木質パネル壁体3と梁22a、22b)のみを接合するものであってもよい。
また、実施例では、パネルユニット4どうしは、アンカーボルト5を使用して連結するものとして説明したが、これに限定されるものではなく、パネルユニット4どうしはドリフトピン8とプレートを使用して連結することも可能である。
1 :壁構造
2 :架構
21a、21b:柱
22a、22b:梁
23a、23b:基礎
24 :鉄筋
25 :型枠
26 :コンクリート
3 :木質パネル壁体
31a、31b:端面
32a、32b:端面
4 :パネルユニット
40 :本体部
41a、41b:端面
42a、42b:端面
43 :接合孔
44 :連結孔
45 :接合孔
5 :アンカーボルト
6 :接着剤
7 :ガセットプレート
71 :孔
8 :ドリフトピン

Claims (6)

  1. 構造物の架構と、
    前記架構内に配置される木質パネル壁体であって、複数のパネルユニットが互いに連結されて構成される、木質パネル壁体と、
    を備える、壁構造。
  2. 前記架構の前記パネルユニットに対向する表面にはアンカーボルトが打ち込まれ、前記アンカーボルトを介してガセットプレートが前記架構に固定されるとともに、
    前記ガセットプレートを両側から挟み込むように一対の前記パネルユニットを配置して、ドリフトピンによって一対の前記パネルユニット及び前記ガセットプレートを貫通して、前記架構と前記木質パネル壁体とが接合される、請求項1に記載された壁構造。
  3. 前記パネルユニットの隣接する前記パネルユニットに対向する端面には、隣接する前記パネルユニットが並設された状態で互いに連通する連結孔が設けられ、連通する一対の前記連結孔に共通するアンカーボルトが挿入された状態で接着剤が充填されて、隣接する前記パネルユニットが互いに連結される、請求項1又は請求項2に記載された壁構造。
  4. 複数の前記パネルユニットは、直交集成板又は単板積層材から構成される、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載された壁構造。
  5. 架構内における壁構造の構築方法であって、
    直交集成板又は単板積層材から構成される複数のパネルユニットを準備する工程と、
    前記架構内にアンカーボルトを設置する工程と、
    前記アンカーボルトを介してガセットプレートを前記架構に固定する工程と、
    複数の前記パネルユニットを前記ガセットプレートを挟み込むように建込む工程と、
    ドリフトピンによって一対の前記パネルユニット及び前記ガセットプレートを貫通して、前記架構と前記パネルユニットを接合する工程と、
    複数の前記パネルユニットを互いに連結して木質パネル壁体を構築する工程と、を備える、壁構造の構築方法。
  6. 複数の前記パネルユニットを準備する工程は、前記パネルユニットの隣接する前記パネルユニットに対向する端面に、隣接する前記パネルユニットが並設された状態で互いに連通する連結孔を削孔する工程を有し、
    前記木質パネル壁体を構築する工程は、連通する一対の前記連結孔に共通するアンカーボルトを挿入する工程と、前記連結孔に接着剤を充填する工程と、を有する、請求項5に記載された壁構造の構築方法。
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