JP7052954B2 - 耐震壁構造 - Google Patents

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Description

本発明は、耐震壁構造に関する。
近年、意匠性や軽量化の観点から、中高層建物に木質壁を適用することが検討されている。例えば特許文献1には、木質の壁体の上端及び下端が梁接合部を介して一対の鉄骨梁にそれぞれ接合された木質耐震壁が開示されている。
特開2018-80569号公報
特許文献1の木質耐震壁では、例えば壁体から鉄骨梁に偶力(引張力)を伝達するラグスクリューボルトと、壁体から鉄骨梁にせん断力を伝達するドリフトピンと、によって梁接合部が構成されている。しかし、ラグスクリューボルトを木質の壁体に定着させているため、ラグスクリューボルトの耐力を増大させても、木質の壁体がラグスクリューボルトより先に損傷し、木質耐震壁の耐力を増大させることは難しかった。
また、例えば鉄骨梁に複数の壁体が接合されている場合、地震時に端部の壁体に形成される圧縮束によって鉄骨梁が変形することで、中央部の壁体の効き(水平力の負担効率)が低下する虞があった。
本発明は上記事実に鑑み、耐力を増大させることができるとともに、木質壁の設置位置の自由度を高めることができる耐震壁構造を提供することを目的とする。
第1態様に記載の耐震壁構造は、鉄骨造又はコンクリート造の一対の梁の間に配置され、せん断力伝達部材のみによって前記梁に接合された木質壁と、前記木質壁の両側に設けられ、一対の前記梁同士を繋ぐ連結部材と、を有する。
上記構成によれば、鉄骨造又はコンクリート造の一対の梁の間に配置された木質壁が、せん断力伝達部材のみによって梁に接合されており、一対の梁同士を繋ぐ連結部材が木質壁の両側に設けられている。
すなわち、木質壁と梁との間で引張力を伝達する引張力伝達部材の代わりに、一対の梁同士の間に連結部材が設けられている。このため、引張力伝達部材を木質壁に定着させる構成と比較して、連結部材の耐力を増大させることにより、耐震壁構造の耐力を容易に増大させることができる。
また、地震時に木質壁に圧縮束が形成された場合にも、梁の変形を連結部材によって拘束することができ、木質壁の効き(水平力の負担効率)を向上させることができる。これにより、梁に対する木質壁の設置数や設置位置等の自由度を高めることができる。
第2態様に記載の耐震壁構造は、第1態様に記載の耐震壁構造であって、一対の前記梁と、前記梁が架設される一対の柱とによって架構が形成されており、前記木質壁は、前記架構内に前記柱から離間して設けられ、前記柱と前記木質壁との間に前記連結部材が設けられている。
上記構成によれば、一対の梁と、一対の柱とによって形成された架構内に木質壁が設けられており、柱と木質壁との間に連結部材が設けられている。このように、梁が架設される柱とは別に連結部材を設けることで、梁の変形をより拘束することができ、耐震壁構造の耐力をより増大させることができる。
第3態様に記載の耐震壁構造は、第1態様に記載の耐震壁構造であって、一対の前記梁と、前記梁が架設される一対の柱とによって架構が形成されており、前記木質壁は、前記架構内に互いに隙間をあけて複数配置され、前記木質壁同士の隙間に前記連結部材が設けられている。
上記構成によれば、一対の梁と、一対の柱とによって形成された架構内に複数の木質壁が配置されており、木質壁同士の隙間に連結部材が設けられている。このように、梁が架設される柱とは別に連結部材を設けることで、耐震壁構造の耐力をより増大させることができる。
また、地震時に木質壁に圧縮束が形成された場合にも、木質壁同士の隙間に設けられた連結部材によって梁の変形を拘束することができるため、中央部に位置する木質壁の効き(水平力の負担効率)が低下することを抑制することができる。
第4態様に記載の耐震壁構造は、第1~第3態様のいずれか1態様に記載の耐震壁構造であって、前記木質壁には、前記連結部材に向かって延び、前記連結部材の少なくとも一部を覆う延出部が設けられている。
上記構成によれば、連結部材の少なくとも一部を覆う延出部が木質壁に設けられているため、連結部材の露出を抑制することができ、美観を高めることができる。
本発明に係る耐震壁構造によれば、耐力を増大させることができるとともに、木質壁の設置位置の自由度を高めることができる。
(A)は第1実施形態に係る耐震壁構造を示す立面図であり、(B)はそのA-A線断面図である。 (A)は第2実施形態に係る耐震壁構造を示す立面図であり、(B)はそのB-B線断面図である。 第3実施形態に係る耐震壁構造を示す立面図である。 図3におけるC-C線断面図である。 第4実施形態に係る耐震壁構造を示す立面図である。 (A)は図5におけるD-D線断面図であり、(B)は図5におけるE-E線断面図である。
以下、本発明の第1~第4実施形態における耐震壁構造について、図1~図6を用いて説明する。なお、図中において、矢印Xは水平方向又は木質壁の幅方向を指し、矢印Yは鉛直方向又は木質壁の高さ方向を指す。
<第1実施形態>
まず、本発明の第1実施形態における耐震壁構造について、図1(A)、図1(B)を用いて説明する。
図1(A)に示すように、本実施形態の耐震壁構造10は、水平方向に延び、上下に配置された一対の梁12と、鉛直方向に延び、梁12が架設される一対の柱14と、一対の梁12間に設けられた1枚の木質壁18と、を有している。なお、本実施形態では、柱14は連結部材の一例であり、木質壁18の両側に設けられて一対の梁12同士を繋いでいる。
梁12及び柱14は、例えばそれぞれH形鋼及び角形鋼管で構成されており、一対の梁12と一対の柱14とによって鉄骨(S)造の架構16が構成されている。なお、梁12及び柱14は、種々の形鋼や鋼管鋼によって形成することができる。
木質壁18は、架構16の構面内に設けられた耐震壁であり、正面視で矩形状とされている。また、図1(B)に示すように、木質壁18は、複数のラミナ材20を繊維方向が直交するように積層接着した直交集成板(CLT、Cross Laminated Timber)で構成されており、梁12の幅と略同じ厚さとされている。
図1(A)に示すように、木質壁18は、一対の柱14との間に例えば100mm~200mm程度の幅の隙間を空けて配置されており、一対の柱14と接合されておらず、縁が切られている。
また、木質壁18は、一対の梁12との間に隙間を空けて配置されており、幅方向の略中央部に設けられたせん断力伝達部材22のみによって一対の梁12にそれぞれ接合されている。なお、本発明において、「せん断力伝達部材のみによって接合される」とは、せん断力以外の力(例えば引張力)を伝達しない接合形式の他、設計耐力上、せん断力以外の力を考慮しない接合形式全般を指す。
本実施形態では、せん断力伝達部材22は、例えばブラケット24及びドリフトピン26で構成されている。なお、本実施形態では、木質壁18と上下の梁12との接合構造が同じ構造とされているため、以下では、木質壁18と上側の梁12との接合構造について説明する。
図1(B)に示すように、ブラケット24は、ベースプレート部24Aと、ベースプレート部24Aから延出する接合プレート部24Bとを有する断面T字形状の鋼材で構成されている。ブラケット24のベースプレート部24Aは、ボルト28及びナット30によって梁12の下フランジ12Aに接合されている。
一方、接合プレート部24Bは、平板状に形成されており、ベースプレート部24Aから木質壁18側へ延出され、木質壁18の上端面に形成されたスリット(溝部)32に挿入されている。
また、接合プレート部24Bは、木質壁18及び接合プレート部24Bを厚さ方向に貫通する複数のドリフトピン26によって、木質壁18に固定されている。これにより、ブラケット24によって木質壁18と梁12とがせん断力を伝達可能に接合されている。
また、木質壁18と梁12との隙間には、セメント系硬化体34が設けられている。セメント系硬化体34は、例えば、ブラケット24によって木質壁18と梁12とを接合した状態で、木質壁18と梁12との間にモルタルやグラウト、コンクリート等を充填することにより形成されている。
このセメント系硬化体34により、梁12の下面が耐火被覆されている。また、セメント系硬化体34の内部には、ブラケット24の接合プレート部24Bの一部が埋設されている。これにより、接合プレート部24Bの一部も耐火被覆されている。
なお、図1(A)に部分的に図示されているように、梁12の上面及び側面も、例えば、けい酸カルシウムボードや石こうボード等の耐火ボードによって形成された耐火被覆材36によって耐火被覆されている。なお、耐火被覆材36は耐火ボードに限らず、シート状の巻き付け系耐火材や、吹付けロックウール等であっても良い。
また、梁12の両端部の下側におけるセメント系硬化体34が存在していない部分や、柱14の周囲も、図示しない耐火被覆材によって適宜被覆されている。なお、柱14の周囲に被覆される耐火被覆材の厚さは、柱14と木質壁18との隙間の幅よりも小さくされており、一例として80mm程度とされている。
ここで、本実施形態では、架構16が長期荷重(長期軸力)を負担し、木質壁18は長期荷重を負担しないように設計されている。この場合、木質壁18には耐火被覆が不要となるため、本実施形態では、木質壁18の耐火被覆を省略し、木質壁18を現しとしている。
本実施形態の耐震壁構造10によれば、鉄骨造の一対の梁12の間に配置された木質壁18が、せん断力伝達部材22のみによって梁12に接合されており、一対の梁12同士を繋ぐ柱14が木質壁18の両側に設けられている。
これにより、地震時には、せん断力伝達部材22を構成するブラケット24を介して梁12と木質壁18の間でせん断力が伝達されるため、耐震壁構造10の耐震性能を向上させることができる。
また、木質壁18と梁12との間で引張力を伝達する引張力伝達部材の代わりに、木質壁18の両側に連結部材としての柱14が設けられている。このため、引張力伝達部材を木質壁18に定着させる構成と比較して、柱14の耐力を増大させることにより、耐震壁構造10の耐力を容易に増大させることができる。
さらに、地震時に木質壁18に圧縮束が形成された場合にも、梁12の変形を柱14によって拘束することができ、木質壁18の効き(水平力の負担効率)を向上させることができる。これにより、梁12に対する木質壁18の設置数や設置位置等の自由度を高めることができる。
また、耐震壁として木質壁18を用いているため、耐震壁構造10の軽量化を図ることができるとともに、意匠性を高めることができる。さらに、木質壁18が、複数のラミナ材20を繊維方向が直交するように積層接着した直交集成板で構成されているため、平面2方向に対して耐力を発揮させることができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態における耐震壁構造について、図2(A)、図2(B)を用いて説明する。なお、第1実施形態と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。
図2(A)に示すように、本実施形態の耐震壁構造40は、例えばH形鋼からなる一対の梁42と、例えば角形鋼管からなり、梁42が架設される一対の柱44とを、有しており、一対の梁42と一対の柱44とによって鉄骨造の架構46が構築されている。
また、架構46内の略中央部には、例えば直交集成板で構成された正面視で矩形状の木質壁48が、柱44から離間して設けられている。本実施形態では、第1実施形態と比較して、架構46(梁42)がロングスパンとされており、木質壁48と柱44との間には、例えば木質壁48の幅程度の空間50がそれぞれ形成されている。
一方、木質壁48と梁42は、第1実施形態と同様に、ブラケット24及びドリフトピン26で構成されたせん断力伝達部材22によって接合されており、梁42と木質壁48の隙間にはセメント系硬化体34が設けられている。また、梁42の周囲及び柱44の周囲は、図示しない耐火被覆材によって適宜被覆されている。
また、本実施形態では、柱44と木質壁48との間の空間50内において、例えば平板状の一対のフラットバーからなる連結部材としての引張プレート52が、木質壁48の両側にそれぞれ設けられている。
図2(B)に示すように、上側の梁42の下フランジ42A及び下側の梁42の上フランジ42Bには、それぞれガセットプレート54が溶接されており、このガセットプレート54に引張プレート52がボルト56によって固定されている。これにより、引張プレート52がガセットプレート54を介して上下の梁42同士を繋いでいる。
なお、引張プレート52は梁42のみに接合されており、木質壁48には接合されていない。また、引張プレート52は、ボルト56を用いずに溶接によってガセットプレート54に接合されていてもよい。さらに、引張プレート52は、フラットバーに限らず、種々の形状の鋼材等によって形成することができる。
本実施形態の耐震壁構造40によれば、一対の梁42と、一対の柱44とによって形成された架構46内に木質壁48が設けられており、一対の梁42同士を繋ぐ引張プレート52が柱44と木質壁48との間に設けられている。
このように、梁42が架設される柱44とは別に引張プレート52を設けることで、第1実施形態のように連結部材として柱14を用いる構成と比較して、梁42の変形をより拘束することができ、耐震壁構造40の耐力をより増大させることができる。
また、木質壁48と柱44の間の空間50は、例えば図示しないサッシ等を嵌め込むことで、通路等として利用することができる。このとき、木質壁48の両側に設けられた引張プレート52をサッシによって覆う(隠す)ことで、引張プレート52が木質壁48の主面側に露出することを抑制することができ、美観を高めることができる。
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態における耐震壁構造について、図3、図4を用いて説明する。なお、第1、第2実施形態と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。
図3に示すように、本実施形態の耐震壁構造60は、例えばH形鋼からなる一対の梁62と、例えば角形鋼管からなり、梁62が架設される一対の柱64とを、有しており、一対の梁62と一対の柱64とによって鉄骨造のロングスパンの架構66が構築されている。
また、本実施形態では、架構66内に複数(本実施形態では3枚)の木質壁68(68A、68B、68C)が設けられている。木質壁68は、正面視で矩形状とされているとともに、それぞれ同一の大きさとされており、図4に示すように、複数のラミナ材20を繊維方向が直交するように積層接着した直交集成板で構成されている。
図3に示すように、木質壁68同士、及び両端部の木質壁68A、68Cと柱64は、互いに隙間を空けて配置されており、縁が切られている。一方、木質壁68と梁62は、第1、第2実施形態と同様に、ブラケット24及びドリフトピン26で構成されたせん断力伝達部材22によって接合されており、梁62と木質壁68の隙間には、セメント系硬化体34が設けられている。また、梁62の周囲及び柱64の周囲は、図示しない耐火被覆材によって適宜被覆されている。
また、本実施形態では、木質壁68同士の隙間に、連結部材としての引張プレート52がそれぞれ設けられている。引張プレート52は第2実施形態と同様の構成とされており、ガセットプレート54を介して一対の梁62に接合されて梁62同士を繋いでおり、木質壁68には接合されていない。
また、図4に示すように、木質壁68の両主面の幅方向における端部には、木質壁68の高さ方向に延びる切欠70がそれぞれ形成されており、隣合う木質壁68の切欠70間には、延出部としてのラミナ材72が嵌込まれている。
換言すれば、木質壁68から引張プレート52に向かって延びる一対のラミナ材72が、引張プレート52を間に挟んで木質壁68同士に跨るようにそれぞれ配置されている。これにより、一対のラミナ材72によって、木質壁68同士の隙間、及び隙間に設けられた引張プレート52が覆われて(隠されて)いる。
本実施形態によれば、一対の梁62と、一対の柱64とによって形成された架構66内に複数の木質壁68が配置されており、一対の梁62同士を繋ぐ引張プレート52が、木質壁68同士の隙間に設けられている。このように、梁62が架設される柱64とは別に引張プレート52を設けることで、耐震壁構造60の耐力をより増大させることができる。
また、地震時に木質壁68に圧縮束が形成された場合にも、木質壁68同士の隙間に設けられた引張プレート52によって梁62の変形を拘束することができる。このため、中央部に位置する木質壁68Bの効き(水平力の負担効率)が低下することを抑制することができる。
さらに、本実施形態によれば、木質壁68同士の隙間、及び隙間に設けられた引張プレート52を覆う(隠す)ラミナ材72が木質壁68の切欠70に嵌込まれている。これにより、引張プレート52が木質壁68の主面側に露出することを抑制することができ、美観を高めることができる。
<第4実施形態>
次に、本発明の第4実施形態における耐震壁構造について、図5、図6を用いて説明する。なお、第1~第3実施形態と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。
図5に示すように、本実施形態の耐震壁構造80は、例えばH形鋼からなる一対の梁82と、例えば角形鋼管からなり、梁82が架設される一対の柱84とを、有しており、一対の梁82と一対の柱84とによって鉄骨造のロングスパンの架構86が構築されている。
また、本実施形態では、図6(A)、図6(B)に示すように、梁82の軸心が柱84の軸心に対して一方向(図6(A)における下側)に偏心しており、これにより、正面視(図5)において、梁82が柱84より手前側に突出している。また、梁82の上フランジ82Bの上面にコンクリートが打設されることにより、梁82上に床スラブ90が構築されている。
架構86内には、第3実施形態と同様に、直交集成板で構成された複数(本実施形態では3枚)の木質壁88が設けられている。なお、図6(A)に示すように、木質壁88は、平面視で梁82と重なる位置に設けられており、一方(図6(A)における下側)の主面が柱84の側面より突出した位置とされている。
図5に示すように、木質壁88同士、及び両端部の木質壁88A、88Cと柱84は、互いに隙間を空けて配置されており、縁が切られている。一方、木質壁88と梁82は、第1~第3実施形態と同様に、ブラケット24及びドリフトピン26で構成されたせん断力伝達部材22によって接合されている。
また、上側の梁82と木質壁88の隙間にはセメント系硬化体34が設けられており、下側の梁82と木質壁88の隙間には床スラブ90が設けられている。なお、梁82の周囲及び柱84の周囲は、図示しない耐火被覆材によって適宜被覆されている。
また、図6(A)に示すように、木質壁88同士の隙間には、例えば一対の溝形鋼からなる連結部材としての鋼材92がそれぞれ設けられている。図5に示すように、鋼材92は、上側の梁82の下フランジ82A及び下側の梁82の上フランジ82Bにそれぞれ溶接されたガセットプレート94に接合されており、ガセットプレート94を介して上下の梁82同士を繋いでいる。
なお、鋼材92は梁82のみに接合されており、木質壁88には接合されていない。また、鋼材92は、溝形鋼に限らず、種々の形鋼や鋼管鋼によって形成することができる。
また、図5、図6(A)、図6(B)に示すように、複数の木質壁88の一方(図6(A)における下側)の主面には、例えば直交集成板で構成された延出部としての仕上げ材96がそれぞれ設けられている。
仕上げ材96は、例えば工場等で木質壁88に接合されて予め一体化されており、仕上げ材96の幅は木質壁88の幅より広くされている。また、仕上げ材96の幅方向の端部は、木質壁88から鋼材92及び柱84に向かってそれぞれ延びており、隣合う仕上げ材96の幅方向の端面同士が突合せられている。
これにより、木質壁88の一方の主面側において、鋼材92及び柱84がそれぞれ仕上げ材96によって覆われて(隠されて)いる。なお、仕上げ材96は、必ずしも木質壁88と一体化されている必要はなく、現場にて木質壁88の主面に仕上げ材96を取付ける構成としても構わない。
本実施形態によれば、一対の梁82と、一対の柱84とによって形成された架構86内に複数の木質壁88が配置されており、一対の梁82同士を繋ぐ鋼材92が木質壁88同士の隙間に設けられている。このように、梁82が架設される柱84とは別に鋼材92を設けることで、耐震壁構造80の耐力をより増大させることができる。
また、地震時に木質壁88に圧縮束が形成された場合にも、木質壁88同士の隙間に設けられた鋼材92によって梁82の変形を拘束することができる。このため、中央部に位置する木質壁88Bの効き(水平力の負担効率)が低下することを抑制することができる。
さらに、本実施形態によれば、木質壁88の一方の主面側において、鋼材92及び柱84を覆う仕上げ材96が設けられている。これにより、鋼材92及び柱84が木質壁88の一方の主面側に露出することを抑制することができ、美観を高めることができる。
ここで、本実施形態によれば、木質壁88は、一方の主面が柱84の側面より突出した位置とされている。これにより、木質壁88の一方の主面に設けられた仕上げ材96が、柱84と干渉することを抑制することができ、スペーサ等を用いることなく木質壁88に仕上げ材96を設けることができる。
また、例えば木質壁88を剛性の高いスギやカラマツ等の木材を用いて構成し、仕上げ材96をヒノキ等の木材を用いて構成することで、耐震壁構造80としての耐力を保ちつつ、正面視における美観をより高めることができる。
<その他の実施形態>
以上、本発明について第1~第4実施形態を説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能である。また、第1~第4実施形態の構成は、適宜組み合わせることが可能である。
例えば第4実施形態では、梁82及び木質壁88を柱84に対して偏心させ、木質壁88の主面に仕上げ材96を直接接合していた。しかし、例えば木質壁88の主面にスペーサとして軽量鉄骨等を接合し、この軽量鉄骨に仕上げ材96をビス留めすることにより、木質壁88に仕上げ材96を設けてもよい。この場合、梁82及び木質壁88を柱84に対して偏心させることなく、仕上げ材96と柱84との干渉を防ぐことができる。
また、第1~第4実施形態では、せん断力伝達部材22がブラケット24及びドリフトピン26で構成されていた。しかし、せん断力伝達部材22は、木質壁18、48、68、88にせん断力を伝達することができる構成とされていればよく、実施形態には限らない。
また、第1~第4実施形態では、架構16、46、66、86を構成する柱14、44、64、84及び梁12、42、62、82が鉄骨(S)造とされていたが、鉄筋コンクリート(RC)造や鉄骨鉄筋コンクリート(SRC)造とされていてもよい。
同様に、連結部材として引張プレート52や鋼材92が用いられていた。しかし、連結部材は、梁12、42、62、82の変形を抑制することができる程度の剛性を有していればよく、少なくとも木質壁18、48、68、88を構成する木質材料より剛性の高い材料で構成されていればよい。
また、第1~第4実施形態では、木質壁18、48、68、88や仕上げ材96が直交集成材(CLT)で構成されていた。しかし、木質壁18、48、68、88及び仕上げ材96は、例えばラミナ材の繊維方向を揃えて積層接着した単板積層材(LVL、Laminated Veneer Lumber)や、集成材、合板、単層の無垢材等で構成されていてもよい。
さらに、架構16、46、66、86内に設けられる木質壁18、48、68、88の設置数や設置位置、形状、大きさ等も上記実施形態には限らず、異なる大きさの複数の木質壁が架構内に設けられていてもよい。
10、40、60、80 耐震壁構造
12、42、62、82 梁
14、44、64、84 柱
16、46、66、86 架構
18、48、68、88 木質壁
22 せん断力伝達部材
52 引張プレート(連結部材の一例)
72 ラミナ材(延出部の一例)
92 鋼材(連結部材の一例)
96 仕上げ材(延出部の一例)

Claims (3)

  1. 鉄骨造又はコンクリート造の一対の梁の間に配置され、せん断力伝達部材のみによって前記梁に接合された木質壁と、
    前記木質壁の両側に設けられ、一対の前記梁同士を繋ぐ連結部材と、を有し、
    前記木質壁には、前記連結部材に向かって延び、前記連結部材の少なくとも一部を覆う延出部が設けられている耐震壁構造。
  2. 一対の前記梁と、前記梁が架設される一対の柱とによって架構が形成されており、
    前記木質壁は、前記架構内に前記柱から離間して設けられ、前記柱と前記木質壁との間に前記連結部材が設けられている、
    請求項1に記載の耐震壁構造。
  3. 一対の前記梁と、前記梁が架設される一対の柱とによって架構が形成されており、
    前記木質壁は、前記架構内に互いに隙間をあけて複数配置され、前記木質壁同士の隙間に前記連結部材が設けられている、
    請求項1に記載の耐震壁構造。
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