JP6960759B2 - 軽量部材を用いた構造物 - Google Patents

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Description

本発明は、軽量部材を用いた構造物に関するものであり、詳しくは、施工、設計、メンテナンス、リユース等において、各工事の作業を容易かつ迅速に行うことができるようにした軽量部材を用いた構造物に関する。
建設分野(建築および土木)における構造物は、鉄筋コンクリート造(以下、RC造)、鉄骨造(以下、S造)、または異種材料を組み合わせて構造部材とした合成構造(例えば、鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)、コンクリート充填鋼管構造(CFT造))および異種部材を接合して構造体とした混合構造(例えば、柱RC造/梁S造(RCS造))といった複合構造が一般的である。これらの構造形式は建築・土木構造物において、一般的であり、材料および施工方法は長年革新的な大きな変化は遂げていないのが現状である。
将来的な建設業界における社会的問題として、建設市場規模の縮小や生産年齢人口の減少等が予測されている。今後これらの問題に対応するため、建設生産システムの省力化・効率化・高度化による生産性向上技術の開発が必要不可欠となる。そこで、自動化・ロボット化施工を実現し、既存と異なる施工法を確立することで、飛躍的に生産性を向上させる技術の開発が望まれている。
従来の構造物は、主材料としてコンクリートおよび鉄で構築されているのが一般的であり、これらの材料で造られる構造物および部材(柱、梁、柱梁接合部、壁、床スラブ等)は相当な重量物と言える。この点に鑑み、軽量部材を用いた構造物に関する技術が種々提案されている(例えば、特許文献1〜特許文献4参照)。
特許文献1に記載された技術は、FRPをはじめとする軽量で強度及び耐久性に優れた樹脂系材料よりなるパネルを積層するパネル構造、下層の平板パネル表面に接着剤を塗布し、該平板パネルの前後、左右方向に各々半枚ずらして上層の平板パネルを密着積層し、それら複数枚の積層を繰り返すことにより所定の大きさの面体を形成する平板パネルの重ね構造に関するものである。そして、隣接する平板パネルは小口部分においても塗布した接着剤により接合されている。
特許文献2に記載された技術は、パネルの材質をFRPをはじめとする軽量で強度及び耐久性に優れた樹脂系材料とした立体パネルと平板パネル(又は立体パネル)を用い、下層のパネル表面に接着剤を塗布し、該下層パネルの前後、左右方向に各々半枚ずらして上層のパネルを密着積層し、それら複数枚の積層を繰り返すことにより所定の大きさの面体を形成するパネルの重ね構造に関するものである。そして、隣接するパネルは、小口部分に塗布した接着剤により接合されている。
特許文献3に記載された技術は、中空のFRPパネルを梁により支持して床材として敷き並べ、各FRPパネルの少なくとも四隅部を梁に対してボルト締結により接合するとともに、隣り合うFRPパネルの側部同士をボルト締結により連結するようにしたものである。
特許文献4に記載された技術は、複数の節点部での結合を介して複数のFRP製棒状部材が三次元的に組織され、全節点部でFRP製棒状部材同士が剛接されて材料力学上のラーメン構造を構成しているFRP製三次元ユニットに関するものである。
特許第3938856号公報 特許第3938893号公報 特許第4247482号公報 特開2015−168372号公報
しかし、特許文献1及び特許文献2に記載された技術は、FRP等からなる樹脂系材料よりなるパネルを積層する際に接着剤のみを使用している。また、特許文献3に記載された技術は、FRPパネルと梁や隣り合うFRPパネル同士をボルトのみで締結している。したがって、特許文献1〜特許文献3に記載された技術では、構造部材の接合が脆弱であったり、接合に手間が掛かったりするという問題がある。また、特許文献4に記載された技術は、ラーメン構造に限定された技術であり、他の構造物について適用することはできない。
また、従来の技術における施工において、部材の搬入および揚重では、重量制限により一度に運搬できる部材数量が決まるため、生産性が低下するとともに、搬入及び揚重に使用する重機が大型化してしまうという問題がある。
また、従来の技術における設計において、構造物の高層化および大規模化に伴い、部材の大断面化および部材数の増加が生じてしまう。また、プレキャスト工法は。現在において高速化施工技術と言われているが、接合方法はグラウト材を充填することで一体化するため、ある程度の養生時間が必要となる。さらに、ノロ漏れ等の不具合が発生するため、手戻りによる工期遅延の可能性が生じるという問題がある。
また、従来の技術におけるメンテナンス・リユースにおいて、例えば、大地震により部材に損傷が生じた場合に、大規模な補修および建替えが必要となる。また、人口分布変化や災害復旧に対応した構造物の移築は不可能である。
本発明は、上述した事情に鑑み提案されたもので、施工、設計、メンテナンス、リユース等において、各工事の作業を容易かつ迅速に行うことができるようにして、生産性の向上を図ることが可能な軽量部材を用いた構造物を提供することを目的とする。
本発明に係る軽量部材を用いた構造物は、上述した目的を達成するため、以下の特徴点を有している。すなわち、本発明に係る軽量部材を用いた構造物は、軽量部材を主たる構造部材として構築するラーメン構造の柱用の構造物またはラーメン構造の梁用の構造物である。そして、断面の外形形状が矩形状であるとともに、互いに接合する接合部分に、互いに嵌合する嵌合部を設けた構造部材と、嵌合部を嵌合させた状態の構造部材において、嵌合部同士を機械的に接合する複数のスライドコッター及びコッターからなる接合部材とを備えている。そして、互いに嵌合する嵌合部は、嵌合前の状態において、互いに密着しない状態であり、嵌合後の状態において、互いに密着した状態となる。また、嵌合後の構造部材は、一体となった柱または一体となった梁として機能する。また、接合部材は、嵌合した際に対向する構造部材の各側面において複数設けられている。なお、軽量部材とは、FRP製部材、ファインセラミックス製部材、軽量金属合金部材、セラミック複合材料等のことである。
また、本発明に係る軽量部材を用いた構造物は、軽量部材を主たる構造部材として構築するラーメン構造の柱用の構造物またはラーメン構造の梁用の構造物である。そして、構造部材は、断面の外形形状が矩形状であるとともに、断面の内部形状が格子状、トラス状、ハニカム状のいずれか一つまたはこれらの組み合わせであって、互いに接合する接合部分に、互いに嵌合する嵌合部を設けてある。また、接合部材は、嵌合部を嵌合させた状態の構造部材において、嵌合部同士を機械的に接合する複数のボルト及びナットからなる構成とすることが可能である。また、互いに嵌合する嵌合部は、嵌合前の状態において、互いに密着しない状態であり、嵌合後の状態において、互いに密着した状態となる。また、嵌合後の構造部材は、一体となった柱または一体となった梁として機能する。また、嵌合部は、複数の嵌合面を有している。また、接合部材は、嵌合した際に対向する構造部材の各側面において複数設けられている。
また、本発明に係る軽量部材を用いた構造物は、軽量部材を主たる構造部材として構築する構造物であって、互いに接合する接合部分に、互いに嵌合する嵌合部を設けた構造部材と、嵌合部を嵌合させた状態の構造部材を機械的に接合する接合部材とを備えている。そして、互いに嵌合する嵌合部は、嵌合前の状態において、互いに密着しない状態であり、嵌合後の状態において、互いに密着した状態となる。また、接合部材は、嵌合した状態の嵌合部に一連に挿通する棒状部材と、当該棒状部材を嵌合部に固定する固定部材とを備えるとともに、固定部材を用いて棒状部材の一端部を嵌合部材に固定した状態で棒状部材に引っ張り力が付与され、固定部材を用いて棒状部材の他端部を嵌合部材に固定した状態で引っ張り力を解放することにより嵌合部同士を密着状態とする。
また、上述した軽量部材を用いた構造物において、構造部材の少なくとも一部は、中空形状とすることが可能である。また、構造部材は、引抜成形法、押出成形法、プレス成形法、射出成形法、又はこれらを組み合わせて成形したリブ構造を有するようにして製造することが可能である。
また、上述した軽量部材を用いた構造物は、ラーメン構造を主たる構造とするが、この他に、壁ラーメン構造、壁式ラーメン構造、壁式構造のうちの少なくとも一つ又はその組み合わせとすることが可能である。
本発明に係る軽量部材を用いた構造物によれば、運搬作業および揚重作業において、一度に運搬および揚重できる部材数量が増加し、搬送の効率化を図ることができる。また、従来使用していた重機や、自動化・ロボット化施工に使用する装置(例えば、自動搬送装置、把持ロボット、接合ロボット等)を小型化することが可能となる。
また、FRP製部材、ファインセラミックス製部材、軽量金属合金部材、セラミック複合材料等の軽量部材を主たる構造部材としているため、構造部材が軽量化するので、地震時等において構造物に入力される水平力(層せん断力)を低減することができ、部材断面の縮小および部材数の低減が可能となる。また、建物重量を減少させることで、建物に入力される地震力を低減させ、簡易な接合部(継手)形状とすることが可能となる。さらに、シンプルな継手とすることで、損傷部材だけの取替えや移築が可能となる。
本発明の実施形態に係る構造物がラーメン構造である柱部材(1)の斜視図。 本発明の実施形態に係る構造物がラーメン構造である梁部材(1)の斜視図。 本発明の実施形態に係る構造物がラーメン構造である柱部材(2)の斜視図。 本発明の実施形態に係る構造物がラーメン構造である梁部材(2)の斜視図。 壁式構造の構造物を構築する手順を示す斜視図。 壁式構造の構造物を構築する手順を示す斜視図。 壁式構造の構造物を構築する手順を示す斜視図。 壁式構造の構造物を構築する手順を示す斜視図。 リブ構造を示す斜視図。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る軽量部材を用いた構造物を説明する。図1〜図9は本発明の実施形態に係る軽量部材を用いた構造物を説明するもので、図1はラーメン構造の柱部材(1)の斜視図、図2はラーメン構造の梁部材(1)の斜視図、図3はラーメン構造の柱部材(2)の斜視図、図4はラーメン構造の梁部材(2)の斜視図、図5〜図8は壁式構造の構造物を構築する手順を示す斜視図、図9はリブ構造(格子断面、トラス断面、ハニカム断面)を示す斜視図である。
<軽量部材を用いた構造物の概要>
本発明の実施形態に係る軽量部材を用いた構造物は、FRP製部材、ファインセラミックス製部材、軽量金属合金部材、セラミック複合材料等の軽量部材を主たる構造部材としている。この構造部材は柱、梁、壁、床板等となる。そして、構造部材同士を簡易的な接合方法で接合することにより、ラーメン構造、壁ラーメン構造、壁式ラーメン構造、壁式構造のうちの少なくとも一つ又はこれらを組み合わせた構造物(建築構造物および土木分野のラーメン高架橋等)を作成する。なお、軽量部材は、FRP製部材、ファインセラミックス製部材、軽量金属合金部材、セラミック複合材料に限られず、他の軽量な部材を用いることもできる。
ここで、ラーメン構造とは、柱と梁をもつフレーム構造であり、主として高層用の構造形式に用いられる。壁ラーメン構造とは、壁状のラーメン構造形式のことである、壁式ラーメン構造とは、1方向が壁式構造、他の1方向が壁ラーメン構造の混構造形式のことである。壁式構造とは、柱形・梁形のない箱型形状の構造物であり、主として中低層用の構造形式に用いられる。
本発明の実施形態では、主要な構造部材として、FRP製部材、ファインセラミックス製部材、軽量金属合金部材、セラミック複合材料等の材端部を加工(鋳造、穴あけ、切削等)し、構造部材同士を簡易的な機械的接合により接続することで構築される。ここで、構造部材の一部および層が既存の構造形式であってもよい。例えば、柱がRCで梁がFRP、あるいは、低層がRC構造、主体構造がFRP構造等である。このような構成とすることにより、経済的に優れた設計が可能となる。
また、構造材の一部として利用されるブレース材やトラス材に応用して、構造物を形成してもよい。また、FRP製部材、ファインセラミックス製部材、軽量金属合金部材、セラミック複合材料等の断面形状は、高強度化を図るために引抜成形法、押出成形法、プレス成形法、射出成形法、又はこれらを組み合わせて成形したリブ構造(例えば、格子形状、トラス形状、ハニカム形状)とすることができる。さらに、リブ構造の内部に、コンクリートやモルタル等を充填してもよい。
また、FRP製部材、ファインセラミックス製部材、軽量金属合金部材、セラミック複合材料等の表面に塗料用フッ素樹脂を塗布することで、紫外線劣化等を防止して、耐候性を向上させることができる。また、熱伝導率が高く除熱されて着火しない特徴があるピッチ系炭素繊維を部材表面に用いることにより、耐火性を向上させることができる。また、FRP製部材、ファインセラミックス製部材、軽量金属合金部材、セラミック複合材料等の内部を中空形状とすることにより、熱を外部に逃がすことが可能となる。
<ラーメン構造(タイプ1)>
本発明の実施形態に係る構造物がラーメン構造である場合の一例について説明する。図1はラーメン構造(タイプ1)の柱部材の斜視図、図2はラーメン構造(タイプ1)の梁部材の斜視図である。このタイプ1では、一方の構造部材10の一端部に、構造部材10から突出した凸部20を形成し、他方の構造部材10であって、一方の構造部材10の一端部に対応する端部に凸部20が嵌まり込む凹部30を形成してある、また、隣り合う構造部材10は、凹部30内に凸部20を嵌め込んだ状態で、複数のスライドコッター40aとコッター40b(接合部材)により接合して締結することにより、一体となる。
さらに接合強度が必要な場合は、接合前に接着面や、スライドコッター40a及びコッター40bに接着剤を塗布してもよい。また、接着剤にはあらかじめスライドコッター40aの凹側内部に接着剤カプセルを挿入しておき、凸部20と凹部30が嵌まり込むと同時にスライドコッター40aの凸部20が接着カプセルを破壊するような構成として、接着を行ってもよい。また、このような技術は、コッター40bにも適用可能である。このタイプ1では、部材全てをFRP製部材、ファインセラミックス製部材、軽量金属合金部材、セラミック複合材料等としてもよいし、強度が必要となる接合部分に鋼材を使用してもよい。
<ラーメン構造(タイプ2)>
本発明の実施形態に係る構造物がラーメン構造である場合の他の例について説明する。図3はラーメン構造(タイプ2)の柱部材の斜視図、図4はラーメン構造(タイプ2)の梁部材の斜視図である。このタイプ2では、構造部材10は格子断面形状となっており、さらなる軽量化が図られている。そして、一方の構造部材10の一端部に、構造部材10から突出した凸部20を形成し、他方の構造部材10であって、一方の構造部材10の一端部に対応する端部に凸部20が嵌まり込む凹部30を形成してある。なお、図3において、他方の構造部材10(上方に位置する構造部材10)において、凹部30を図示していないが、凹部30は、他方の構造部材10(下方に位置する構造部材10)の凸部20の形状に対応して、凸部20が嵌まり込むように形成してある。
また、隣り合う構造部材10は、凹部30内に凸部20を嵌め込んだ状態で、予め穴あけ加工したボルト挿通孔60にボルト(図示せず)を挿通して、ナット(図示せず)で締め付けることにより締結されて一体となる。なお、タイプ2では、ボルト及びナットが接合部材として機能する。さらに接合強度が必要な場合や施工誤差を吸収したい場合は、接合前に接着面に接着剤を塗布してもよい。また、弾性接着剤を用いることで、接合部におけるエネルギーを吸収することも可能である。また、タイプ2では、部材全てをFRP製部材、ファインセラミックス製部材、軽量金属合金部材、セラミック複合材料等としてもよいし、強度が必要となる接合部分に鋼材を使用してもよい。
<壁式構造>
壁式構造を構築する構造部材は壁部材100である。この壁部材100は、図5〜図8に示すように、側端面に凹凸部70を備えている。この凹凸部70は、一方の壁部材100と他方の壁部材100を接合する際に、互いに嵌合するように形成してある。互いに嵌合する凹凸部70(嵌合部)は、嵌合前の状態において、互いに密着しない状態であり、嵌合後の状態において、互いに密着した状態となる。すなわち、凹凸部70を嵌め合わせた状態では、隣り合う接合部材100の各凹凸部70の間に数ミリ程度の隙間が生じるようになっており、容易に嵌め合わせを実施することができる。
また、凹凸部70には、その連続方向に沿って(図5〜図8では縦方向)、接合部材50を一連に挿通するための接合部材挿通孔80を設けてある。接合部材挿通孔80に挿通する接合部材50は、例えばPC鋼棒からなり、凹凸部70を嵌め合わせた状態で、接合部材挿通孔80に一連に挿通して、一端部(図5〜図8では下端部)にナットを取り付けた状態で伸長方向に引っ張り力を付与し、他端部(図5〜図8では上端部)にナットを取り付け、当該ナットを締め付けた状態で引っ張り力を解放することにより、隣り合う壁部材100を一体とする。これにより、凹凸部70(嵌合部)を嵌め合わせた壁部材100同士には圧縮力が生じ常時密着状態となる。
この壁部材100は、例えば、引抜成形法、押出成形法、プレス成形法、射出成形法、又はこれらを組み合わせて形成することができ、成形後に穴開け加工を行うことにより、接合部材挿通孔80を形成する。なお、壁部材100の断面形状は、格子状に限られず、トラス状やハニカム状であってもよい。
<壁式構造の構築例>
図5〜図8を参照して、壁式構造の構造物を構築する場合の一例について説明する。壁式構造の構造物を構築するには、下層階90の壁式構造を組み立て、その上層階に壁部材100をセットして(図5)、下層階90の接合部材挿通孔80の全体及び上層階110の接合部材挿通孔80の下層階90側の一部に接合部材50を挿通し、接合部材50にナット120を締め付けることにより、下層階90の壁式構造を構築するとともに、下層階90と上層階110とを一体とする(図6)。
続いて、上層階110において側面の壁部材100を設置して、凹凸部70を嵌め合わせた状態で、接合部材挿通孔80に接合部材50を挿通する(図7)。この状態で、接合部材挿通孔80の上端部側から突出した接合部材50にナット120を締め付けて、上層階110の壁式構造を構築する(図8)。なお、図5〜図8に示す例では、上下二層構造の構造物を構築した状態を示しているが、同様の工程を繰り返すことにより、三層以上の構造物とすることもできる。
<ハイブリッド構造>
図示しないが、本実施形態の軽量部材を用いた構造物では、構造物全体を軽量部材により構築するのではなく、S構造、RC構造等を組み合わせてもよい。例えば、柱部材として軽量部材を使用し、梁部材として鉄骨を使用することができる。低層階をRC構造とし、高層階では軽量部材を用いて構造物を構築してもよい。また、軽量部材として使用するFRP及びファインセラミックスは、一般的に靱性能に乏しく、脆性的な破壊挙動を示すことが懸念される。したがって、靱性能又は部材強度を向上させるために部材内部に芯材としてH鋼や角型鋼を挿入してもよい。芯材は軽量部材を貫通させて構築することも可能である。さらに、構造物全体を免震構造または制振構造とすることで、構造物(構造部材)に入力される地震力を低減させた設計が可能である。
<構造部材の断面形状>
本実施形態の軽量部材を用いた構造物は、構造部材10として、引抜成形法、押出成形法、プレス成形法、射出成形法、又はこれらを組み合わせて成形したリブ構造部材10を用いることができる。この際、構造部材10の全体をリブ構造(中空形状)とするのではなく、一部を中空形状として、他の部分を中実形状とすることができる。また、中実形状と中空形状との組み合わせはどのような態様であってもよく、中実形状/中空形状、中実形状/中空形状/中実形状、中空形状/中実形状/中空形状等のように、種々の態様とすることができる。
図9(a)は格子断面の構造部材10の模式図、図9(b)はトラス断面の構造部材10の模式図、図9(c)はハニカム断面の構造部材10の模式図である。このように、本実施形態の軽量部材を用いた構造物では、種々の断面形状の構造部材10を用いることができるが、これらの断面形状を組み合わせて構造部材10を構成してもよい。
10 構造部材
20 凸部
30 凹部
40a スライドコッター
40b コッター
50 接合部材
60 ボルト挿通孔
70 凹凸部
80 接合部材挿通孔
90 下層階
100 壁部材
110 上層階
120 ナット

Claims (6)

  1. 軽量部材を主たる構造部材として構築するラーメン構造の柱用の構造物またはラーメン構造の梁用の構造物であって、
    断面の外形形状が矩形状であるとともに、互いに接合する接合部分に、互いに嵌合する嵌合部を設けた構造部材と、
    嵌合部を嵌合させた状態の構造部材において、嵌合部同士を機械的に接合する複数のスライドコッター及びコッターからなる接合部材と、
    を備え、
    前記互いに嵌合する嵌合部は、嵌合前の状態において、互いに密着しない状態であり、嵌合後の状態において、互いに密着した状態となり、
    嵌合後の構造部材は、一体となった柱または一体となった梁として機能し、
    前記接合部材は、嵌合した際に対向する構造部材の少なくとも一つの側面において複数設けられている、
    ことを特徴とする軽量部材を用いた構造物。
  2. 軽量部材を主たる構造部材として構築するラーメン構造の柱用の構造物またはラーメン構造の梁用の構造物であって、
    断面の外形形状が矩形状であるとともに、断面の内部形状が格子状、トラス状、ハニカム状のいずれか一つまたはこれらの組み合わせであって、互いに接合する接合部分に、互いに嵌合する嵌合部を設けた構造部材と、
    嵌合部を嵌合させた状態の構造部材において、嵌合部同士を機械的に接合する複数のボルト及びナットからなる接合部材と、
    を備え、
    前記互いに嵌合する嵌合部は、嵌合前の状態において、互いに密着しない状態であり、嵌合後の状態において、互いに密着した状態となり、
    嵌合後の構造部材は、一体となった柱または一体となった梁として機能し、
    前記嵌合部は、複数の嵌合面を有し、
    前記接合部材は、嵌合した際に対向する構造部材の少なくとも一つの側面において複数設けられている、
    ことを特徴とする軽量部材を用いた構造物。
  3. 軽量部材を主たる構造部材として構築する構造物であって、
    互いに接合する接合部分に、互いに嵌合する嵌合部を設けた構造部材と、
    嵌合部を嵌合させた状態の構造部材を機械的に接合する接合部材と、
    を備え、
    前記互いに嵌合する嵌合部は、嵌合前の状態において、互いに密着しない状態であり、嵌合後の状態において、互いに密着した状態となり、
    前記接合部材は、嵌合した状態の嵌合部に一連に挿通する棒状部材と、当該棒状部材を嵌合部に固定する固定部材とを備えるとともに、前記固定部材を用いて前記棒状部材の一端部を嵌合部材に固定した状態で前記棒状部材に引っ張り力が付与され、前記固定部材を用いて前記棒状部材の他端部を嵌合部材に固定した状態で引っ張り力を解放することにより嵌合部同士を密着状態とする、
    ことを特徴とする軽量部材を用いた構造物。
  4. 前記構造部材の少なくとも一部は、中空形状である、
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の軽量部材を用いた構造物。
  5. 前記構造部材は、引抜成形法、押出成形法、プレス成形法、射出成形法、又はこれらを組み合わせて成形したリブ構造を有している、
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の軽量部材を用いた構造物。
  6. 前記構造物は、ラーメン構造、壁ラーメン構造、壁式ラーメン構造、壁式構造のうちの少なくとも一つ又はその組み合わせである、
    ことを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載の軽量部材を用いた構造物。
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