JP5579403B2 - 組積造壁の補強構造、及び組積造構造物 - Google Patents
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Description
したがって、緊張材が組積造壁の面外方向に離れて配置されていない構成と比較し、緊張材による組積造壁の面外変形の抑制効果が向上し、その結果、組積造壁の耐震性が向上する。
また、緊張端として機能する上部固定部材が複数の緊張材の上端部を固定することよって、緊張材毎に上部固定部材が設けられている構成と比較し、組積造壁の上端に作用する圧縮応力が分散する。この結果、組積造壁に付与される圧縮力が長手方向に分散する。これにより、例えば、組積造壁の長手方向に沿って配置する緊張材の間隔を広くすることができる。
なお、上部固定部材を組積造壁の長手方向の略全域に亘って設けることで、組積造壁の上端に作用する圧縮応力が更に分散化する。また、組積造壁の長手方向の略全域に亘って設けられた上部固定部材を、臥梁として機能させることができる。
また、縦リブによって形鋼材の上下方向の剛性が向上するので、縦リブが設けられていない形鋼材を用いる構成と比較し、圧縮応力が組積造壁の上端により確実に作用する。
また、水平又は略水平に設けられた上部固定部材に貫通孔を形成する削孔装置を設置することで、貫通孔を鉛直方向に精度良く形成することができる。或いは、組成造壁を傷つけることなく、削孔装置を設置することができる。
したがって、緊張材が組積造壁の面外方向に離れて配置されていない構成と比較し、緊張材による組積造壁の面外変形の抑制効果が向上し、その結果、組積造壁の耐震性が向上する。
また、緊張材の下端部を固定する下部固定部材が、組積造壁の基礎部の壁面に形成された横穴に設けられると共に、横穴に充填された充填材で固定されている。よって、緊張材の下端部が基礎部に定着される。例えば、組積造壁を構築した後であっても、組積造壁の基礎部に下部固定部材で緊張材の下端部を強固に定着させることができる。
請求項9の発明では、面外方向に離れて配置された前記緊張材が、正面視において、重ならないように前記組積造壁の長手方向にずれて配置されている。
請求項9の発明では、正面視において、緊張材が重ならないように長手方向にずれて配置されることで、例えば、同数の緊張材が組積造壁の面外方向中央部分に長手方向に沿って一列に配置された構成と比較し、略同等の面内変形の抑制効果を確保しつつ、面外変形の抑制効果が向上する。
請求項10の発明は、前記組積造壁の長手方向に沿って並んだ前記緊張材の列が、前記組積造壁の面外方向に離れて配置されている。
請求項10の発明では、組積造壁の長手方向に沿って並んだ緊張材の列が、組積造壁の面外方向に離れて配置されている。よって、組積造壁の耐震性能が更に向上する。
なお、緊張材が長手方向に並んだ列が面外方向にずれた構成であればよい。つまり、緊張材が並んだ列は二列に限定されない。三列以上であってもよい。
よって、水で濡れたり目地から水が染み出みでたりすることで問題が生じる組積造壁、例えば、歴史的な建築物であっても、耐震性能を向上させることできる。
レンガ壁100の上端120における面外方向(矢印Y方向)の中央部分には、長手方向の略全域に沿って木製の既設臥梁50が設けられている(図1と図2参照)。なお、この木製の既設臥梁50は、耐震補強される前の屋根72(図20参照)を支える部材とされている。
新設臥梁250におけるフランジ252、254とウエブ256で囲まれた中空部258には、縦リブ260が、長手方向に間隔をあけて、複数設けられている。なお、本実施形態においては、縦リブ260は、PC鋼棒300(詳細は後述する)の固定部位(図1、図2、図6を参照)と、固定部位間と、に設けられている。また、本実施形態においては、縦リブ260は、溶接にて接合されているが、他の方法、例えば、ボルトで固定されてもよい。
横穴210には、内壁214に沿って螺旋状に巻かれたスパイラル筋216が埋設されている。
そして、下端部304が基礎200に定着されたPC鋼棒302に、緊張力が付与され、レンガ壁100の上端120と下端110との間に圧縮力が付与されている。
なお、既存の屋根72(図20参照)を撤去しなくても作業ができる場合は、当然撤去する必要はない。また、屋根72全体を撤去する必要はなく、PC鋼材302で耐震補強を行なう場所に対応する部分のみ撤去することも有効である。つまり、屋根72の一部のみを撤去してもよい。
図8−1(B)に示すように、地盤20に穴22を堀って、基礎200の側壁202を露出させる。基礎200の側壁202から面外方向に横穴210を形成する。
また、レンガ壁100の上端120を均しモルタル122A、122Bで水平又は略水平に均す。なお、レンガ壁100の上端120を削っても問題ない場合は、上端120を削って水平又は略水平にしてもよい。
図8−1(C)に示すように、均しモルタル122A,120Bの上に削孔装置80を設置し、貫通孔150を形成する。
ことのき、−5℃〜−40℃の冷却気体(例えば、固定二酸化炭素を気化させた二酸化炭素ガス)を、切刃等で構成された削孔工具82に吹き付けて冷却しながら削孔する。つまり、無水工法で貫通孔150A,150Bを形成する。無水工法によって削孔する装置及び工法としては、特開2007−160617号公報や特開2007−1069号公報等に記載の装置及び工法を適用することができる。
また、貫通孔150を形成後、シース管を挿入してもよい。
図8−1(D)に示すように、貫通孔150A,150Bの上に新設臥梁250A,250Bを設置する。
図8−2(F)に示すように、PC鋼棒300を途中まで挿入すると、カプラ310でPC鋼棒300を接続し、長尺のPC鋼棒302とする。そして、PC鋼棒302の高さのレベル調整を行い、PC鋼棒302の上端部304にナット311で新設臥梁250の上側のフランジ252に取り付ける。また、PC鋼棒302の下端部306に定着板350を取り付ける。
そして、図10に示すように、PC鋼棒302の下端部306におけるナット312間の軸部307を切込部356に通して定着板350の挿通孔354に挿通させる。挿通させた後、ナット312を締めて定着板3050を下端部306に取り付ける。
図8−2(H)に示すように、合成繊維や鋼繊維などで補強された早強コンクリート212を横穴210に充填する。そして、早強コンクリート212が固化し、所望の強度が得られることによって、定着板350が固定される。つまり、PC鋼棒302の下端部306が基礎200に定着する。
図8−3(I)に示すように、横穴210に充填された早強コンクリート212が固化し、所望の強度が発現されていることを確認し、地盤20に掘られた穴22を埋める。
ジャッキやテンションバー等で構成されている緊張力付与装置88を新設臥梁250の上に設置し、PC鋼棒302に緊張力を付与する。
図8−3(K)に示すように、新設臥梁250の中空部258にモルタル259を充填する。また、PC鋼棒302の上端部304における新設臥梁250の上に露出した部位とナット311に防錆塗装を施し、キャップ257を被せる。
そして、新設臥梁250の上に元の屋根72(図20参照)を設け、素屋根(図示略)を取り外し撤去する。
例えば、図8−3(I)と図8−3(J)との順番を入れ替えてもよい。つまり、貫通孔150内にグラウト158を充填し(図8−3(J))、グラウト158が固まらないうちに、PC鋼棒302に緊張力を付与してもよい(図8−3(I))。
また、各工程間に他の工程を適宜行なってもよい。
レンガ壁100の上端120と下端110との間を貫通し緊張力が付与された複数のPC鋼棒302によって、レンガ壁100の上端120と下端110との間に圧縮力が付与される(図11を参照)。
更に、既存のレンガ壁100下のコンクリート製の基礎200にPC鋼棒302の下端部306を定着させることで、レンガ壁100の剛性を高め、地盤(支持地盤)20へ地震時の外力をスムーズに伝達させることができる。
これにより、レンガ壁100の長手方向に沿って配置するPC鋼棒302の間隔を広くすることができる。
なお、PC鋼棒302の上端部304を固定する固定部位(固定場所)には、PC鋼棒302が固定されている部位(場所)のみならず、その近傍を含む。例えば、PC鋼材302の長手方向両側50〜100mm程度の範囲に縦リブ260を設けることが望ましい。
更に、所望の強度が確保されれば、コンクリート以外の充填材、例えば、モルタルやグラウトを横穴210に充填してもよい。
よって、水で濡れたり目地から水が染み出みでたりすることで問題が生じる組積造壁や組積造構造物、例えば、歴史的な建築物であっても、本発明の補強構造を適用して耐震性能を向上することできる。
また、レンガ壁100の内外に補強して痕跡を殆ど残さないので、歴史的な建造物であっても、本発明の補強構造を適用して耐震性能を向上することできる。更に、耐震補強工事中であっても、洋館70の居室内仕上げは略そのままで、内部の殆どの施設の利用が可能である。
また、レンガ壁100そのものの構造耐力を上げるので、剛床のための2階や屋根階の床補強が不要である。
図11には、確認実験に用いる試験体(レンガ壁)101が示されている。試験体101には、レンガ壁100と同様の補強構造が適用される。つまり、PC鋼棒300が面外方向に互いに離して配置されている(図1、図4(A)参照)。また、試験体101はコンクリート製の壁脚部201の上に構築され、試験体101の上にはコンクリート製の加力スタブ251が設けられている。PC鋼棒300の下端部は、壁脚部201に埋設された定着板(図示略)に固定され壁脚部201に定着されている。PC鋼棒300の上端部は加力スタブ251の上に設けられた定着板(図示略)によって固定されている。そして、PC鋼棒300に、緊張力が付与され、試験体101に圧縮力が付与されている。
また、グラフ中のBW−1はPC鋼棒300に緊張力を加えて、試験体101に圧縮応力度(プレストレス)を0.2N/mm2付与した場合であり、グラフ中のBW−2はPC鋼棒300に緊張力を加えて、試験体101に圧縮応力度(プレストレス)を1.0N/mm2付与した場合である。
このように、耐震補強した試験体101(レンガ壁100)のPC鋼棒300を緊張してプレストレス力を大きくすることで、せん断破壊する耐力が向上することが判る。つまり、PC鋼棒300に緊張力を付与し、試験体101(レンガ壁100)に圧縮力を付与することによって、面内方向の耐力が向上することが実験によって確認された。
まず、補強工程の変形例について、図15を用いて説明する。
図15に示すように、新設臥梁250A,250Bの上に削孔装置80を設置してもよい。この場合、図8−1(B)の工程の後に図8−1(D)の工程を行い図15のように貫通孔150を形成する。
図4(B)に示す変形例のように、面外方向に離れて配置されたPC鋼棒300A,300Bが、平面視において、面外方向に重ならないように、長手方向にずれて配置されていてもよい。言いかえると、平面視において、PC鋼棒が千鳥配置されていてもよい。
なお、三列以上の場合においても、PC鋼棒の配置は、平面視において千鳥状に配置されていてもよい。
また、図16に示す変形例のように、PC鋼棒302A,302B(及び貫通孔150A,150B)を正面視でX形状に配置してもよい。このようにX形状に配置すること、すなわち、筋交いのように、レンガ壁100に対角線状にPC鋼棒302A,302Bを配置することで、三角形を構成する構造部が形成され、面内変形を抑制する効果が向上する。
なお、この場合、PC鋼棒302の上端部304を固定する部材380には、PC鋼棒300を斜めに配置しても固定可能なように傾斜面382が形成されている。
図17に示す第一変形例の新設臥梁510A,510Bは、断面がL形状の山形鋼材で構成されている。新設臥梁510のフランジ514を均しモルタル122の上に設置し、フランジ512を既設臥梁50に当接させるよう配置する。なお、フランジ514をレンガ壁100の上端100の端部よりも面外方向外側まで延在するよう設置し、その延在部分515を利用し、挟込部材82(図16参照)を用いて削孔装置80(図16参照)を固定することで、レンガ壁100を傷つけることなく、削孔装置80を固定することができる。
なお、図18(B)のように、レンガ壁100の上端120(均しモルタル122)の上に板鋼材140を設け、この板鋼材140の上にフランジ522の端部を載せることで、圧縮応力が分散される。
なお、本変形例においても、図18(B)のように、レンガ壁100の上端120(均しモルタル122)の上に板鋼材140を設けてもよい。
図9(B)に示す変形例の定着板351は、PC鋼棒302Aの下端部306Aが挿通される挿通孔354Aと、PC鋼棒302Bの下端部306Bが挿通される挿通孔354Bと、が形成されている。また、端面353から挿通孔354A,354Bまで切り込まれた切込部356A,356Bが形成されている。そして、PC鋼棒302A,302Bの下端部306A,306Bの両方を切込部356A,356Bに通して定着板351の挿通孔354A,354Bに挿通させる。つまり、一つの定着板351がPC鋼棒302Aの下端部306AとPC鋼棒302Bの下端部306Bとの両方が固定される。よって、1度の定着板351の取り付け作業で、複数本(本実施形態では2本)のPC鋼棒302の下端部306への取り付け作業ができるので、作業効率が向上する。
なお、長手方向に並んだ複数本のPC鋼棒302の下端部306が、一つの横穴210に固定(定着)される構成であってもよい。この場合、一つの定着板を、長手方向に並んだ複数のPC鋼棒302の下端部306に取り付けてもよい。
例えば、図22に示す基礎400のように、略逆T字形状の布基礎であってもよい。この場合、横穴210を形成する部位は、図22に示すように、上部の立ち上り部402に形成してもよいし、図示は省略するが、逆T字形状の底辺のフーチング部404に横穴210を形成してもよい。
なお、本明細書の基礎部とは、組積造壁の下部に存在する支持部を表し、地盤面より下に設けられるものの他、例えば、下階はRC造で組積造壁が当該RC造部材の上に支持されている場合は、基礎部=RC壁や梁の両者を含む概念である。
グラウトや固定材(薬品)等を地盤に注入する方法としては、基礎200を貫通した貫通孔150の上部から注入する方法や、地盤面からパイプを地盤中に挿入し、パイプからグラウトや固定剤(薬品)を注入する方法(例えば、特開平9−78564号公報)を適用又は応用することができる。
また、図示は省略するが、所定の高さ以下は圧縮力によって補強する必要がなければ、組積造壁の途中に面外方向に凹んだ棚部を形成し、この棚部に緊張端として機能する下部固定部材を設けてもよい。
既設のレンガ壁100を別の場所に移設する際に、本発明を適用した耐震補強を行なってもよい。
或いは、新設のレンガ壁100に本発明の補強構造を適用してもよい。
また、基礎200を打設する際に、PC鋼棒300の下端部306を固定しておき、上述した予め貫通孔150となる孔や側壁に半円状の縦溝が形成されたレンガ10を積み上げていってもよい。
また、組積造壁は、平面板状に限定されない。曲面板状(湾曲形状)であってもよい。
12 目地材
70 レンガ造の洋館(組積造構造物)
80 削孔装置
82 削孔工具
100 レンガ壁(組積造壁)
103 レンガ壁(組積造壁)
107 底面(上端)
110 上端
120 下端
122 均しモルタル(レベル調整部材)
150 貫通孔
200 基礎(基礎部)
202 側壁(壁面)
210 横穴
212 早強コンクリート(充填材、繊維補強コンクリート)
216 スパイラル筋(鉄筋)
250 新設臥梁(上部固定部材)
258 中空部
260 縦リブ
300 PC鋼棒(緊張材)
302 PC鋼棒(緊張材)
304 上端部
306 下端部
350 定着板(下部固定部材)
351 定着板(下部固定部材)
354 挿通孔
356 切込部
510 新設臥梁(上部固定部材)
520 新設臥梁(上部固定部材)
530 新設臥梁(上部固定部材)
Claims (12)
- 組積造壁の上端と下端との間を貫通する貫通孔に挿通され、軸方向に緊張力が付与されることによって、前記組積造壁の上端と下端との間に圧縮力を付与する複数の緊張材を有し、
前記緊張材が、前記組積造壁の面外方向に互いに離れて配置され、
前記組積造壁の上端に前記組積造壁の長手方向に沿って、緊張端として機能する上部固定部材を設け、
前記上部固定部材に、長手方向に並んだ複数の前記緊張材の上端部が固定され、
前記上部固定部材は、形鋼材で構成され、
前記形鋼材の中空部には、縦リブが設けられている、
組積造壁の補強構造。 - 前記上部固定部材は、前記組積造壁の上端を水平又は略水平に均すレベル調整部材の上に設けられている、
請求項1に記載の組積造壁の補強構造。 - 組積造壁の上端と下端との間を貫通する貫通孔に挿通され、軸方向に緊張力が付与されることによって、前記組積造壁の上端と下端との間に圧縮力を付与する複数の緊張材を有し、
前記緊張材が、前記組積造壁の面外方向に互いに離れて配置され、
前記緊張材の下端部を固定する下部固定部材が、前記組積造壁の基礎部の壁面に形成された横穴に設けられると共に前記横穴に充填された充填材で固定されている、
組積造壁の補強構造。 - 前記下部固定部材は、
前記緊張材の下端部が挿通する挿通孔と、端部から前記挿通孔に切り込まれた切込部と、が形成された板状の定着板を有する、
請求項3に記載の組積造壁の補強構造。 - 前記横穴には、内壁に沿って鉄筋が設けられている、
請求項3又は請求項4に記載の組積造壁の補強構造。 - 前記鉄筋が、螺旋状に巻かれたスパイラル筋で構成されている、
請求項5に記載の組積造壁の補強構造。 - 前記横穴に充填する充填材が、早強コンクリートで構成されている、
請求項3〜請求6のいずれか1項に記載の組積造壁の補強構造。 - 前記横穴に充填する充填材が、繊維補強コンクリートで構成されている、
請求項3〜請求項7のいずれか1項に記載の組積造壁の補強構造。 - 面外方向に離れて配置された前記緊張材が、
正面視において、重ならないように前記組積造壁の長手方向にずれて配置されている、
請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の組積造壁の補強構造。 - 前記組積造壁の長手方向に沿って並んだ前記緊張材の列が、
前記組積造壁の面外方向に離れて配置されている、
請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の組積造壁の補強構造。 - 前記貫通孔は、冷却気体を接触させて冷却した削孔工具で削孔された孔で構成されている、
請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載の組積造壁の補強構造。 - 請求項1〜請求項11いずれか1項に記載の組積造壁の補強構造が適用された組積造構造物。
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