JP2021085247A - 架構構造及びこれを備えた建物 - Google Patents

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Abstract

【課題】組立、解体作業が簡単であり、且つ柱の仕口を構成するPCa部材を再利用可能な架構構造を提供する。【解決手段】架構構造1は、複数の柱2と、X方向に架設される複数の第1梁3と、Y方向に架設される複数の第2梁5とを備える。架構構造1は、X方向の中間部又は端部に配置されて柱2の仕口をなす仕口部21及び、仕口部21に一体形成され、仕口部21からX方向の少なくとも一方に延出して第1梁3の一部をなす少なくとも1つの第1梁本体部22を有し、X方向に延在する第1PC材25が仕口部21を貫通するように第1梁本体部22の上部に埋設されたPCaPC製の複数の第1梁部材11を有する。X方向に互いに隣接する1対の第1梁部材11、11は第1梁3の長手方向の中間部にて第1アンボンド緊張材26によって互いに圧接される。【選択図】図2

Description

本開示は、第1方向及び第2方向に配置された複数の柱と、第1方向の柱の仕口間に架設される複数の第1梁と、第2方向の柱の仕口間に架設される複数の第1梁とを備え、柱の仕口をなす仕口部を少なくとも有するPCaPC製の複数の第1梁部材又は仕口部材を有する架構構造、及び、この架構構造と複数の内装ユニットとを備えた建物に関する。
プレキャストコンクリート部材を用いたラーメン構造体として、柱仕口部が一体形成されたプレキャストコンクリート(以下、PCaコンクリートと記す)製柱の柱仕口部に水平方向に複数の貫通孔を形成し、柱仕口部に水平方向に取り付けられるPCaコンクリート製梁(以下、PCa梁と記す)には、長手方向の一方側端面から複数の接続鉄筋を突出させると共に他方側の端面の内方に複数の継手部材を設け、1つのPCa梁の接続鉄筋を柱仕口部の貫通孔を貫通させ、配置済みの隣のPCa梁の継手部材に挿入・接合することで、PCa梁同士を、柱仕口部を介して接合したものが公知である(特許文献1参照)。
このようなラーメン構造体における梁のロングスパン化などを目的として、柱の少なくとも仕口部と仕口部に接合される第1方向の梁の少なくとも端部とを一体に構成するPCaプレストレストコンクリート(以下、PCaPCと記す)製の柱梁部材と、第2方向の梁を構成するPCaPC製の梁部材とを有するラーメン構造体を本出願人は提案している(特許文献2参照)。このラーメン構造体では、梁部材が、梁本体部と、梁本体部の軸方向の両端において両側方に拡幅するように形成された一対の梁拡幅部とを有し、梁部材と柱梁部材とが、梁拡幅部及び仕口部を貫通するように設けられるPC鋼棒の緊張力によって互いに圧着(圧着接合又は圧接)される。
特許第4781687号公報 特許第6271377号公報
しかしながら、特許文献2記載のラーメン構造体では、第1方向に連続する2つの柱梁部材(柱の仕口をなす仕口部を有するPCa部材)は、一方の柱梁部材の端面から突出する複数の梁主筋が他方の柱梁部材に設けられた複数のスリーブ継手に挿入され、スリーブ継手にグラウトが注入されることによって互いに接続されている。したがって、梁部材と柱梁部材との接続のためのPC鋼棒の緊張作業の他に、柱梁部材同士の接続のためのグラウト注入作業が必要である。そのため、組立時の作業工数が増え、組立作業が煩雑になる。また、両柱梁部材は、グラウトの注入によって一度接続されると、その後は分離できないため、ラーメン構造体の解体時には両部材を破壊しなければならず、解体作業も煩雑になる。そのうえ、柱梁部材を再利用することができない。
本発明は、このような背景に鑑み、組立、解体作業が簡単であり、且つ柱の仕口を構成するPCa部材を再利用可能にすることを課題とする。
このような課題を解決するために、本発明のある実施形態は、第1(X)方向及び前記第1方向に交差する第2(Y)方向に互いに離間して配置された複数の柱(2)と、前記第1方向に互いに隣接する各対の前記柱の仕口間に架設される複数の第1梁(3)と、前記第2方向に互いに隣接する各対の前記柱の前記仕口間に架設される複数の第2梁(5)とを備える架構構造(1)であって、前記第1方向の中間部又は端部に配置されて前記柱の前記仕口をなす仕口部(21)及び、前記仕口部に一体形成され、前記仕口部から前記第1方向の少なくとも一方に延出して前記第1梁の一部をなす少なくとも1つの第1梁本体部(22)を有し、前記第1方向に延在する第1PC材(25)が前記仕口部を貫通するように前記第1梁本体部の上部に埋設されたPCaPC製の複数の第1梁部材(11)を有し、前記第1方向に互いに隣接する1対の前記第1梁部材(11、11)が前記第1梁の長手方向の中間部にて第1アンボンド緊張材(26)によって互いに圧接されている。ここで、PC材とは、コンクリートにプレストレスを導入するための細長い部材を意味し、PC鋼線やPC鋼棒、PC鋼撚り線、FRPロッド、その他の線又は棒状の部材を含む。
この構成によれば、柱の仕口及び第1梁の一部を構成する2つの第1梁部材は、第1梁の長手方向の中間部にて第1アンボンド緊張材によって互いに圧接される。そのため、両第1梁部材を接続するためのグラウト注入作業が不要である。これにより組立時の作業工数が減り、組立作業が簡単になる。また、両第1梁部材は、第1アンボンド緊張材を取り外すことで組立後に再度分離できるため、架構構造の解体時に両部材を破壊する必要がなく、解体作業も簡単になる。そのうえ第1梁部材を再利用することができる。
好ましくは、前記第1梁部材の前記第1方向の端面にカバー部材(28)が設けられ、前記第1方向に互いに隣接する各対の前記第1梁部材(11、11)の前記カバー部材の間に硬化性の目地材(29)が充填されている。
この構成によれば、第1梁部材の接合端面同士が直接圧接されることによって発生する局所的な応力によって第1梁部材が破損することを防止することができる。また、第1梁部材の製造誤差や組立時の施工誤差を目地材によって吸収することができる。
好ましくは、前記第2梁(5)をなし、前記第2(Y)方向に延在する第2PC材(35)が下部に埋設されたPCaPC製の複数の第2梁部材(12)を更に有し、前記第2梁部材が長手方向の両端部にて第2アンボンド緊張材(36)によって1対の前記第1梁部材(11)の前記仕口部(21)に圧接されている。
この構成によれば、第2梁を構成する第2梁部材が長手方向の両端部にて第2アンボンド緊張材によって1対の仕口部に圧接されるため、第2梁部材の接続のためのグラウト注入作業も不要であり、組立、解体作業が簡単になる。また、第2梁部材は、第2アンボンド緊張材を取り外すことで組立後に第1梁部材から分離できるため、第1梁部材及び第2梁部材の再利用が可能になる。
好ましくは、複数の前記第2梁部材(12)が前記仕口部(21)を挟んで前記第2(Y)方向に連続するように設けられ、前記第2方向に互いに隣接する各対の前記第2梁部材(12、12)が共通の前記第2アンボンド緊張材(36)によって前記第1梁部材の前記仕口部に圧接されている。
この構成によれば、第2方向に隣接して設けられた2つの第2梁部材のそれぞれを第1梁部材の前記仕口部に圧接する場合に比べて圧接箇所を半減することができる。また、これらの第2梁部材が別々の第2アンボンド緊張材によって仕口部に接合される場合に比べ、第2アンボンド緊張材の配置自由度を高めることができる。
好ましくは、前記柱(2)の本体をなすPCaコンクリート製の複数の柱部材(13)を更に備え、前記第1梁部材(11)の前記仕口部(21)を挟んで上下方向に互いに隣接する各対の前記柱部材(13、13)が第3アンボンド緊張材(46)によって前記第1梁部材の前記仕口部に圧接されている。
この構成によれば、上下方向に隣接する2つの柱部材が第3アンボンド緊張材によって仕口部に圧接されるため、柱部材の接続のためのグラウト注入作業も不要であり、組立、解体作業が簡単になる。また、柱部材は、第3アンボンド緊張材を取り外すことで組立後に第1梁部材から分離できるため、第1梁部材及び柱部材の再利用が可能になる。
好ましくは、前記柱部材(13)が、前記第2(Y)方向を向く側面の上部にて前記第2方向に突出する上端突起(42)と、前記第2方向を向く前記側面の下部にて前記第2方向に突出する下端突起(43)とを有し、前記第3アンボンド緊張材(46)が、前記第2梁部材(12)を上下方向に貫通し、下側の前記柱部材の前記上端突起及び上側の前記柱部材の前記下端突起を前記第2梁部材(12)に圧接する。
この構成によれば、上下方向に隣接する2つの柱部材を、第2梁部材を貫通する共通の第3アンボンド緊張材によって第1梁部材の仕口部に圧接することができる。これにより柱部材の接続に関する組立作業及び解体作業が簡単になる。
好ましくは、前記第1梁部材(11)が、前記仕口部(21)から前記第2(Y)方向に向けて突出する仕口突起(44)を有し、前記第3アンボンド緊張材(46)が、前記仕口突起を上下方向に貫通し、下側の前記柱部材(13)の前記上端突起(42)及び上側の前記柱部材の前記下端突起(43)を前記仕口突起に圧接する。
この構成によれば、第3アンボンド緊張材の緊張力が上端突起及び下端突起から直接第1梁部材の仕口突起に伝達される。そのため、上端突起と下端突起との間に空間がある場合に比べ、上端突起及び下端突起を、せん断耐力が小さな簡単な構造にすることができる。
また上記課題を解決するために、本発明のある実施形態は、上記構成の架構構造(1)と、前記架構構造の内部に配置される複数の内装ユニット(150)とを備える建物(200)であって、複数の前記第1梁部材(11)、複数の前記第2梁部材(12)及び複数の前記柱部材(13)が互いに分離可能であり、複数の前記内装ユニットが前記架構構造に対して設置及び撤去が可能に構成されている。
この構成によれば、架構構造の組立及び解体並びに、内装ユニットの架構構造設置及び撤去が容易である。よって、建物を期限付き建築物などに好適に利用することができる。
また上記課題を解決するために、本発明のある実施形態は、第1(X)方向及び前記第1方向に交差する第2(Y)方向に互いに離間して配置された複数の柱(2)と、前記第1方向に互いに隣接する各対の前記柱の仕口間に架設される複数の第1梁(3)と、前記第2方向に互いに隣接する各対の前記柱の前記仕口間に架設される複数の第2梁(5)とを備える架構構造(101)であって、前記第1方向の中間部又は端部に配置されて前記柱の前記仕口をなす仕口部(21)及び、前記仕口部に一体形成され、前記仕口部から前記第1方向の少なくとも一方に延出して前記第1梁の端部をなす少なくとも1つの第1梁端部(122)を有し、前記第1方向に延在する第1PC材(25)が前記仕口部を貫通するように前記第1梁端部の上部に埋設されたPCaPC製の複数の仕口部材(111)と、前記第1梁の中間部をなす複数の梁中間部材(112)とを備え、前記第1方向に互いに隣接する前記仕口部材及び前記梁中間部材が第1アンボンド緊張材(26)によって互いに圧接されている。
この構成によれば、柱の仕口及び第1梁の端部を構成する仕口部材及び梁中間部材は、第1梁の長手方向の端部近傍の中間部にて第1アンボンド緊張材によって互いに圧接される。そのため、仕口部材と梁中間部材とを接続するためのグラウト注入作業が不要である。これにより組立時の作業工数が減り、組立作業が簡単になる。また、仕口部材と梁中間部材とは、第1アンボンド緊張材を取り外すことで組立後に再度分離できるため、架構構造の解体時に両部材を破壊する必要がなく、解体作業も簡単になる。そのうえ仕口部材及び梁中間部材を再利用することができる。また、長さが異なる複数種類の梁中間部材を用意することにより、第1方向の柱のスパンを変えることができる。
好ましくは、前記仕口部材(111)の前記第1(X)方向の端面にカバー部材(28)が設けられ、前記第1方向に互いに隣接する前記仕口部材の前記カバー部材と前記梁中間部材との間に硬化性の目地材(29)が充填されている。
この構成によれば、仕口部材の接合端面が梁中間部材の接合端面に直接圧接されることによって発生する局所的な応力によって仕口部材の第1梁端部が破損することを防止することができる。また、仕口部材の製造誤差や組立時の施工誤差を目地材によって吸収することができる。
好ましくは、前記仕口部材(111)が前記仕口部(21)から前記第1(X)方向の両方に延出する2つの前記第1梁端部(122)を有し、前記第1アンボンド緊張材(26)が、前記仕口部を貫通して前記仕口部材の前記第1方向の全長にわたって配設され、前記仕口部材の前記第1方向の両側に隣接する2つの前記梁中間部材(112)を前記仕口部材の両端面に圧接する。
この構成によれば、仕口部材の2つの第1梁端部のそれぞれを第1アンボンド緊張材によって対応する梁中間部材に接続する場合に比べて圧接箇所を半減することができる。
好ましくは、複数の前記仕口部材(111)が、対応する前記柱(2)の本体部をなす柱本体部(141)を更に有し、上下方向に互いに隣接する各対の前記仕口部材(111、111)が第3アンボンド緊張材(46)によって互いに圧接されている。
この構成によれば、仕口部材と柱の本体部材とが別々に構成される場合に比べ、上下方向に接続するべき部材の接続箇所を半減することができる。
また上記課題を解決するために、本発明のある実施形態は、上記構成の架構構造(101)と、前記架構構造の内部に配置される複数の内装ユニット(150)とを備える建物(200)であって、前記架構構造が、前記第2梁(5)をなし、前記第2(Y)方向に延在する第2PC材(35)が下部に埋設されたPCaPC製の複数の第2梁部材(12)を更に有し、前記第2梁部材が長手方向の両端部にて第2アンボンド緊張材(36)によって1対の前記仕口部材(111)の前記仕口部(21)に圧接されており、複数の前記仕口部材、複数の前記梁中間部材(112)及び複数の前記第2梁部材が互いに分離可能であり、複数の前記内装ユニットが前記架構構造に対して設置及び撤去が可能に構成されている。
この構成によれば、架構構造の組立及び解体並びに、内装ユニットの架構構造設置及び撤去が容易である。よって、建物を期限付き建築物などに好適に利用することができる。
このように本発明によれば、組立、解体作業が簡単であり、且つ柱の仕口を構成するPCa部材を再利用可能にすることができる。
第1実施形態に係る架構構造を一部分解して示す斜視図 第1梁の接続構造を示す(A)側面図(図1中のII矢視図)、(B)断面図(A中のB−B断面) 図2中のIII部の(A)側面図、(B)断面図(A中のB−B断面) 第2梁の接続構造を示す(A)側面図(図1中のIV矢視図)、(B)断面図(A中のB−B断面) 柱の接続構造を示す側面図(図1中のIV矢視図) 第1変形例に係る架構構造の図3に対応する(A)側面図、(B)断面図 第2変形例に係る架構構造の図3に対応する(A)側面図、(B)断面図 第3変形例に係る架構構造の図3に対応する(A)側面図、(B)断面図 第4変形例に係る架構構造の図3に対応する(A)側面図、(B)断面図 第5変形例に係る架構構造の図4に対応する第2梁の側面図 第6変形例に係る架構構造の図5に対応する柱の接続構造を示す側面図 第7変形例に係る架構構造の図5に対応する柱の接続構造を示す側面図 第2実施形態に係る架構構造の図2に対応する側面図 第8変形例に係る架構構造の図13に対応する側面図 本発明に係る架構構造の使用例を示す、建設中の建物の斜視図
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。以下の説明で「内側」及び「外側」というときは、建築物の内側及び外側を意味する。
≪第1実施形態≫
まず、図1〜図11を参照して本発明の第1実施形態について説明する。図1に示されるように、架構構造1は、水平面上で交差する(本実施形態では直交する)第1方向であるX方向及び第2方向であるY方向に所定の間隔を空けて互いに離間するように配置された強化コンクリートからなる複数の柱2が配列されている。本実施形態では、柱2はX方向に3列以上に、Y方向に2列に配置されている。したがって、X方向の端部に配置される4本の柱2は全て隅柱である。
ここで強化コンクリートとは、コンクリートの強度(特に引張強度)を高めるために鉄筋や、補強繊維(カーボン繊維、ガラス繊維、アラミド繊維など)、PC材(コンクリートにプレストレスを導入するための細長い部材;PC鋼線やPC鋼棒、PC鋼撚り線、FRPロッド、その他の線又は棒状の部材)の補強材が埋め込まれた或いは混入されたコンクリート系の材料を意味する。強化コンクリートは、鉄筋コンクリート(RC)、FRC(Fiber Reinforced Concrete)PRC(Prestressed Reinforced Concrete)PC(Prestressed Concrete)であってよく、コンクリート系の材料を主な材料とするものであればその他のものであってもよい。
X方向に互いに隣接する柱2、2間には、X方向に延在する強化コンクリートからなる複数の第1梁3が架設されており、これらの柱2、2及び第1梁3によってX方向に延在するX方向架構4が構成される。また、Y方向に互いに隣接する柱2、2間には、Y方向に延在する強化コンクリートからなる複数の第2梁5が架設されており、これらの柱2、2及び第2梁5によってY方向に延在するY方向架構6が構成される。第1梁3及び第2梁5は、鉛直方向に互いに重なる位置で柱2に接合されている。柱2と第1梁3との仕口及び柱2と第2梁5との仕口が、柱2における(鉛直方向について)共通の仕口を構成している。
これらの第1梁3及び第2梁5の上方或いは上部には図示しないスラブが構築される。第2梁5は第1梁3よりも長く、Y方向の柱2のピッチはX方向の柱2のピッチよりも大きい。X方向に互いに隣接する2本の第2梁5、5間には、X方向に延在する1又は複数の小梁が架設されてもよい。第1梁3、第2梁5及びスラブは鉛直方向の異なる位置に複数層に構築される。すなわち架構構造1は多層ラーメン構造となっている。
この架構構造1は後述する構成を有することにより組立及び解体が容易であり、且つリユースが可能である。したがって、この架構構造1は期限付き建築物(万博施設や被災者のための仮設住宅など、仮設建物と恒久建物との中間的な建築物)に好適である。また架構構造1は、建築物の広さを拡大、縮小したり、建築物の高さを高層化、低層化したりする用途にも好適である。或いは、架構構造1は物流倉庫やオフィスビル、集合住宅、商用施設などの建築物に利用されてもよい。
架構構造1は、プレキャストコンクリートからなる複数種類のPCaコンクリート製の部材(以下、PCa部材という)を組み立てて構築される。これらのPCa部材は、階層ごとに、複数の第1梁部材11と、複数の第2梁部材12と、複数の柱部材13とを含んでいる。第1梁部材11は、柱部材13の上面に接合され、柱2の仕口をなす仕口部21と、仕口部21に一体形成され、仕口部21からX方向の少なくとも一方に延出して第1梁3の一部をなす少なくとも1つの第1梁本体部22とを有している。
柱部材13は、柱2の本体(図示例では、仕口よりも下の部分の全体)をなしており、基礎上或いは下層の第1梁部材11の仕口部21の上面に接合される。なお、階高が大きい場合や柱2の断面寸法が大きく重量が重くなる場合など、取り扱いが困難な場合には、柱部材13が上下に分割されて2つ以上のPCa部材によって1層分の柱2の仕口部21を除く部分が構成されてもよい。本実施形態では、柱部材13はプレストレスが導入されないRC造のPCa部材とされている。
下層の柱部材13の上面に下層の第1梁部材11の仕口部21が接合され、下層の第1梁部材11の仕口部21の上面に上層の柱部材13が接合され、これらが繰り返されることで建築物の階層が増える。つまり、柱部材13は、当該層(下層)の第1梁部材11と上層の第1梁部材11との間に設けられる。
X方向の端部に位置する柱2の柱部材13の上面に接合される第1梁部材11は、仕口部21と1つの第1梁本体部22とを有する。それ以外の柱2の柱部材13の上面に接合される第1梁部材11は、仕口部21と2つの第1梁本体部22とを有している。これらの第1梁部材11は互いに異なる形状をしているが、ここでは共に第1梁部材11と称する。各第1梁部材11の第1梁本体部22は、第1梁3の約半分の部分である梁半部を構成している。他の例では、第1梁部材11の一方の第1梁本体部22が他方の第1梁本体部22と異なる長さであってもよい。X方向に隣接して配置される柱2の仕口をなす2つの第1梁部材11は、第1梁本体部22の先端面を互いに隣接して対峙させ、X方向に連続するように配置される。
第2梁部材12は第2梁5の全体をなしており、柱2の仕口部21とは別体に形成される。他の例では、第2梁5の端部が柱部材13の仕口部21に一体形成されてもよい。第2梁部材12は、Y方向に互いに隣接配置された一対の柱2の仕口部21に両端を接合される。
図2は第1梁3の(A)側面図(図1中のII矢視図)、(B)断面図(A中のB−B断面)である。図2に示されるように、第1梁部材11の第1梁本体部22は、先端部23において矩形断面形状を有し、それ以外の部分(以下、一般部24という)において上下方向の中間部にて両側面が凹んだI字断面形状を有している。言い換えれば、第1梁本体部22の先端部23は上下方向の少なくとも一部において一般部24に対して拡幅された拡幅部をなす。この拡幅部により、先端部23の一般部24側の端部には、仕口部21に向く肩面が形成されている。他の例では、第1梁本体部22の一般部24が、仕口部21側の端部に先端部23と同様の断面形状の基端部を備えていてもよい。
第1梁部材11の上部には、X方向に延在する複数の第1PC材25が第1梁部材11の全長にわたって配置されている。第1PC材25は、PC鋼線、PC鋼棒、PC鋼撚り線、FRPロッドなどの部材のいずれであってもよく、本実施形態ではPC鋼撚り線とされている。第1PC材25は、第1梁部材11を工場で製作する際にプレテンション工法で第1梁部材11の内部に配置され、第1梁部材11に部材軸方向のプレストレスを導入する。即ち、第1梁部材11はPCaPC製とされている。X方向に連続するように配置された2つの第1梁部材11は、複数の第1アンボンド緊張材26によって互いに接合される。これにより、2つの第1梁部材11の第1梁本体部22はX方向に接続され、2つの第1梁部材11の第1梁部材11によって第1梁3の全体が構成される。第1アンボンド緊張材26による接合構造については後に詳細に説明する。
図3は図2中のIII部の(A)側面図、(B)断面図(A中のB−B断面)である。図3を参照して、第1梁部材11の接合構造について詳細に説明する。第1梁部材11の先端部23(詳細には拡幅部)には、先端部23をX方向に貫通するように複数の第1シース27が埋設されている。また第1梁部材11の先端部23の端面にはカバー部材としてカバープレート28が設けられている。カバープレート28は、例えば金属製や樹脂製であってよく、第1梁部材11に一体に取り付けられてもよく、着脱可能に設けられてもよい。或いは、カバー部材としてカバーシートが設けられてもよい。カバープレート28の第1シース27に対応する位置には貫通孔が形成されている。X方向に連続するように配置された2つの第1梁部材11は、カバープレート28が互いに近接し且つ離間する位置で対峙するように配置される。2つの第1梁部材11の隙間(カバープレート28間)には、無収縮モルタルや樹脂モルタルなどの硬化性の充填材からなる目地材29が充填される。カバープレート28には、目地材29の付着力を高めるために、目地側の表面に凹凸部が設けられているとよい。各対の第1シース27間には、目地材29が第1シース27内に進入しないように図示しない連結シースが設けられる。
X方向に連続する2つの第1梁部材11は、これらの第1シース27を貫通するように挿入された複数の第1アンボンド緊張材26によって互いに圧接(圧着接合)される。第1アンボンド緊張材26は、これらの第1シース27に挿通される第1緊張材26aと、それぞれの第1梁部材11の先端部23の肩面に反力をとって第1緊張材26aの緊張力を維持する一対の第1定着金物26bとを有している。本実施形態では、第1緊張材26aの両端には雄ねじが形成されており、第1定着金物26bは、第1梁部材11の肩面に設けられた孔開き鋼板及び雌ねじが形成されたナットを備える。第1定着金物26bのナットを第1緊張材26aの雄ねじに螺着して所定のトルクで締め付けることにより、第1緊張材26aに所期の緊張力が付与され、2つの第1梁部材11、11が互いに圧接される。
これらの第1シース27の内部及び間には充填材は充填されず、第1アンボンド緊張材26は第1定着金物26bのナットを緩めて取り外すことができる。このようにX方向に互いに隣接する1対の第1梁部材11、11が第1梁3の長手方向の中間部にて第1アンボンド緊張材26によって互いに圧接されるため、2つの第1梁部材11、11を接続するためのグラウト注入作業が不要である。また、第1アンボンド緊張材26を取り外すことで2つの第1梁部材11、11を組立後に再度分離することができる。
上記のように、第1梁部材11のX方向の端面にはカバープレート28が設けられ、X方向に互いに隣接する各対の第1梁部材11、11のカバープレート28の間には硬化性の目地材29が充填される。そのため、第1梁部材11の接合端面同士が直接圧接されることによって発生する局所的な応力によって第1梁部材11が破損することが防止される。またこの構成により、第1梁部材11の製造誤差や組立時の施工誤差を目地材29によって吸収することができ、製造コストや施工コストの低減が可能である。
図4は、第2梁5の(A)側面図(図1中のIV矢視図)、(B)断面図(A中のB−B断面)である。図4に示されるように、第2梁部材12は、長手方向(Y方向)の両方の先端部33において矩形断面形状を有し、それ以外の部分(以下、一般部34という)では、上下方向の中間部にて両側面が凹んだI字断面形状を有している。言い換えれば、第2梁部材12の先端部33は上下方向の少なくとも一部において一般部34に対して拡幅された拡幅部をなす。この先端部33の拡幅部により、先端部33の一般部34側の端部には、端面と相反する方向に向く肩面が形成されている。
第2梁部材12の下部には、Y方向に延在する複数の第2PC材35が第2梁部材12の全長にわたって配置されている。第2PC材35は、PC鋼線、PC鋼棒、PC鋼撚り線、FRPロッドなどの部材のいずれであってもよく、本実施形態ではPC鋼撚り線とされている。第2PC材35は、第2梁部材12を工場で製作する際にプレテンション工法で第2梁部材12の内部に配置され、第2梁部材12に部材軸方向のプレストレスを導入する。即ち、第2梁部材12はPCaPC製とされている。第2梁部材12は、Y方向に離間して配置された2つの第1梁部材11の仕口部21に対し、複数の第2アンボンド緊張材36によって接合される。
第2アンボンド緊張材36による、第2梁部材12の第1梁部材11の仕口部21に対する接合構造は、図3を参照して説明した接合構造と同様であるため、拡大図を省略して説明する。第2梁部材12の先端部33(詳細には拡幅部)及び第1梁部材11の仕口部21のそれぞれには、Y方向に貫通するように複数の第2シース(図示省略)が埋設されている。また第2梁部材12の先端部33の端面及び、第1梁部材11の仕口部21のY方向内側の側面には、カバープレート28(図3参照)が取り付けられている。カバープレート28の第2シースに対応する位置には貫通孔が形成されている。第2梁部材12は、Y方向の両側に配置された2つの第1梁部材11の仕口部21の間に、カバープレート28が互いに近接し且つ離間する位置で対峙するように配置される。第2梁部材12と仕口部21との隙間(カバープレート28間)には、無収縮モルタルや樹脂モルタルなどの硬化性の充填材からなる目地材29(図3参照)が充填される。各対の第2シース間には、目地材29が第2シース内に進入しないように図示しない連結シースが設けられる。他の例では、カバープレート28や目地材29が設けられず、第2梁部材12が端面を仕口部21の側面に直接接触させるように配置されてもよい。
Y方向に隣接する第2梁部材12の先端部33及び第1梁部材11の仕口部21は、各対の第2シースを貫通するように挿入された複数の第2アンボンド緊張材36によって互いに圧接(圧着接合)される。第2アンボンド緊張材36は、1対の第2シースに挿通される第2緊張材36a(図5参照)と、第2梁部材12の先端部33の肩面及び第1梁部材11の仕口部21のY方向外側の側面に反力をとって第2緊張材36aの緊張力を維持する一対の第2定着金物36b(図5参照)とを有している。本実施形態では、第2緊張材36aの両端には雄ねじが形成されており、第2定着金物36bは、第2梁部材12の肩面及び第1梁部材11の仕口部21の外側の側面に設けられた孔開き鋼板及び雌ねじが形成されたナットを備える。第2定着金物36bのナットを第2緊張材36aの雄ねじに螺着して所定のトルクで締め付けることにより、第2緊張材36aに所期の緊張力が付与され、両部材が互いに圧接される。
これらの第2シースの内部及び間には充填材は充填されず、第2アンボンド緊張材36は第2定着金物36bのナットを緩めて取り外すことができる。このように第2梁部材12が長手方向の両端部にて第2アンボンド緊張材36によって1対の第1梁部材11の仕口部21に圧接されるため、第2梁部材12の接続のためのグラウト注入作業が不要である。また、両端部の第2アンボンド緊張材36を取り外すことで第2梁部材12を組立後に再度分離することができる。
図5は、柱2の接続構造を示す側面図(図1中のIV矢視図)である。なお、図5中の上部及び下部は、共に図4中の左部と同じ部位を示している。ただし、図4は第2梁部材12の接続構造の説明図であるため、図5に示される柱2の接続構造が省略されていることに注意されたい。
図5に示されるように、柱部材13は、矩形の一定断面形状を有する柱本体部41と、Y方向を向く側面の上部にてY方向に突出する内側及び外側の上端突起42と、Y方向を向く側面の下部にてY方向に突出する内側及び外側の下端突起43とを有している。各上端突起42及び各下端突起43は、柱部材13の上端及び下端にて柱本体部41の他の部分に対して拡幅した拡幅部である。各上端突起42は下端に下方を向く肩面を形成しており、各下端突起43は上端に上方を向く肩面を形成している。
第1梁部材11は、仕口部21からY方向外側に向けて突出する仕口突起44を有している。仕口突起44は、仕口部21と同じ高さ寸法とされ、上端突起42及び下端突起43と対応する形状を有している。
第1梁部材11は、当該層の柱部材13の柱本体部41に仕口部21が連続するように柱部材13の上に目地材29(図3参照)を介して載置され、第1梁部材11の仕口部21の上には上層の第1梁部材11が連続するように目地材29(図3参照)を介して載置される。第2梁部材12の端部は下側の柱部材13の内側の上端突起42の上に目地材29を介して載置され、第2梁部材12の端部の上には上側の柱部材13の内側の下端突起43が目地材29を介して載置される。下側の柱部材13の外側の上端突起42の上には第1梁部材11の仕口突起44が目地材29を介して載置され、仕口突起44の上には上側の柱部材13の内側の下端突起43が目地材29を介して載置される。他の例では、目地材29は設けられなくてもよい。
第1梁部材11を挟んで上下方向に隣接する2つの柱部材13は、上端突起42及び下端突起43を上下方向に貫通するように設けられる内側及び外側の第3アンボンド緊張材46によって第1梁部材11の仕口部21に接合される。内側の第3アンボンド緊張材46は、更に第2梁部材12の端部を上下方向に貫通するように設けられ、上下の端部を上端突起42及び下端突起43に定着される。外側の第3アンボンド緊張材46は、更に仕口突起44を上下方向に貫通するように設けられ、上下の端部を上端突起42及び下端突起43に定着される。
第3アンボンド緊張材46による、上下の2つの柱部材13の第1梁部材11の仕口部21に対する接合構造は、図3を参照して説明した接合構造と同様であるため、拡大図を省略して説明する。上端突起42、下端突起43及び第2梁部材12の端部、並びに、上端突起42、下端突起43及び仕口突起44には、水平面上の対応する位置にてそれらを貫通する第3シース(図示省略)がそれぞれ埋設されている。第3アンボンド緊張材46は、これらの第3シースに挿通される第3緊張材46aと、上側の柱部材13の下端突起43の肩面及び下側の柱部材13の上端突起42の肩面に反力をとって第3緊張材46aの緊張力を維持する一対の第3定着金物46bとを有している。本実施形態では、第3緊張材46aの両端には雄ねじが形成されており、第3定着金物46bは、上側の柱部材13の肩面及び下側の柱部材13の肩面に設けられた孔開き鋼板及び雌ねじが形成されたナットを備える。第3定着金物46bのナットを第3緊張材46aの雄ねじに螺着して所定のトルクで締め付けることにより、第3緊張材46aに所期の緊張力が付与され、2つの柱部材13が第1梁部材11の仕口部21に圧接される。
上記の第1緊張材26a、第2緊張材36a及び第3緊張材46aは、PC鋼線、PC鋼棒、PC鋼撚り線、FRPロッドなどの部材のいずれであってもよく、本実施形態ではPC鋼線とされている。
3つの第3シースの内部及び間には充填材は充填されず、第3アンボンド緊張材46は第3定着金物46bのナットを緩めて取り外すことができる。このように第1梁部材11の仕口部21を挟んで上下方向に互いに隣接する各対の柱部材13、13が第3アンボンド緊張材46によって第1梁部材11の仕口部21に圧接されるため、柱部材13の接続のためのグラウト注入作業も不要である。また、柱部材13は、第3アンボンド緊張材46を取り外すことで、組立後に柱部材13を第1梁部材11から分離することができる。
上記の第1緊張材26a、第2緊張材36a及び第3緊張材46aは、PC鋼線、PC鋼棒、PC鋼撚り線、FRPロッドなどの部材のいずれであってもよく、本実施形態ではPC鋼線とされている。
このように第1梁部材11、第2梁部材12及び柱部材13が、第1アンボンド緊張材26、第2アンボンド緊張材36及び第3アンボンド緊張材46による圧接によって組み立てられるため、架構構造1を組立時にグラウト注入作業が不要である。これにより組立時の作業工数が減り、組立作業が簡単になる。またこれらのアンボンド緊張材(26、36、46)を取り外すことで、架構構造1を組立後に再度分離することができるため、架構構造1の解体時にこれらの部材(11、12、13)を破壊する必要がなく、解体作業も簡単になる。また解体時には、騒音や振動、粉塵の発生がほとんどなく、特殊な重機等も不要である。そのうえこれらの部材(11、12、13)を再利用することができる。
また、内側の第3アンボンド緊張材46は、第2梁部材12を上下方向に貫通し、下側の柱部材13の上端突起42及び上側の柱部材13の下端突起43を第2梁部材12に圧接する。これにより、上下方向に隣接する2つの柱部材13、13が、第2梁部材12を貫通する共通の内側の第3アンボンド緊張材46によって第1梁部材11の仕口部21に圧接され、柱部材13の接続に関する組立作業及び解体作業が簡単になる。
更に、外側の第3アンボンド緊張材46は、仕口突起44を上下方向に貫通し、下側の柱部材13の上端突起42及び上側の柱部材13の下端突起43を仕口突起44に圧接する。これにより、外側の第3アンボンド緊張材46の緊張力が上端突起42及び下端突起43から直接第1梁部材11の仕口突起44に伝達される。そのため、上端突起42と下端突起43との間に空間がある場合に比べ、上端突起42及び下端突起43が、せん断耐力の小さな簡単な構造で済む。
次に、図6〜図9を参照して、第1実施形態に係る架構構造1の第1〜第4変形例について説明する。第1〜第4変形例では、第1梁部材11の接続構造が上記実施形態と異なっている。変形例の説明においては、上記実施形態と異なる点を説明し、重複する説明は省略する。なお、上記実施形態と同一又は類似する要素には同一の符号を付している。
図6は、第1変形例に係る架構構造1の図3に対応する(A)側面図、(B)断面図である。X方向に連続するように配置された2つの第1梁部材11は、鉛直方向に配置された複数の第1アンボンド緊張材26によって互いに接合される。以下、具体的に説明する。
第1梁部材11の第1梁本体部22の先端部23の上面及び下面には、切欠き51が形成されている。上面の切欠き51は第1梁本体部22の先端に向けて上方に傾斜しており、下面の切欠き51は第1梁本体部22の先端に向けて下方に傾斜している。2つの第1梁部材11の接合部には、上面の切欠き51に受容される楔形状の突起52を両端に有する上側の接合金具53と、下面の切欠き51に受容される楔形状の突起52を両端に有する下側の接合金具53とが架け渡されている。2つの第1梁部材11は、2つの接合金具53が複数の第1アンボンド緊張材26によって圧縮方向の緊張力を加えられることにより互いに圧接される。
2つの第1梁部材11がこのように接合されていても、第1定着金物26bのナットを緩めて第1アンボンド緊張材26を取り外すことができ、第1実施形態と同様に2つの第1梁部材11、11を組立後に再度分離することができる。
図7は、第2変形例に係る架構構造1の図3に対応する(A)側面図、(B)断面図である。X方向に連続するように配置された2つの第1梁部材11は、鉛直方向及びY方向に配置された複数の第1アンボンド緊張材26によって互いに接合される。以下、具体的に説明する。
第1梁部材11の第1梁本体部22では、先端部23が一般部24と同一の断面形状とされている。他の例では、先端部23が第1実施形態と同様に矩形断面形状を有してもよい。2つの第1梁部材11の接合部には、上面、下面、右側面及び左側面に沿って4枚の添接板61が接合面を跨ぐように配置されている。上下の添接板61は鉛直方向に配置された複数の第1アンボンド緊張材26によって圧縮方向の緊張力を加えられることにより2つの第1梁部材11に圧接される。また、左右の添接板61はY方向に配置された複数の第1アンボンド緊張材26によって圧縮方向の緊張力を加えられることにより2つの第1梁部材11に圧接される。
2つの第1梁部材11がこのように接合されていても、第1定着金物26bのナットを緩めて第1アンボンド緊張材26を取り外すことができ、第1実施形態と同様に2つの第1梁部材11、11を組立後に再度分離することができる。
図8は、第3変形例に係る架構構造1の図3に対応する(A)側面図、(B)断面図である。X方向に連続するように配置された2つの第1梁部材11は、互いに異なる形状をしており、鉛直方向に配置された複数の第1アンボンド緊張材26によって互いに接合される。以下、具体的に説明する。
一方(図示例では左側)の第1梁部材11では、第1梁本体部22の先端部23が一般部24の上部のみから延出している。他方(図示例では右側)の第1梁部材11では、第1梁本体部22の先端部23が一般部24の下部のみから延出している。2つの第1梁部材11の先端部23は、相補完形状をなしており、上下に重なり合うことで一般部24と略同じ梁成となる。左側の第1梁部材11の先端部23には上面に沿って上側添接板71が配置され、右側の第1梁部材11の先端部23には下面に沿って下側添接板72が配置される。2つの第1梁部材11は、上側添接板71及び下側添接板72を貫通するように鉛直方向に配置された複数の第1アンボンド緊張材26によって鉛直方向の緊張力を加えられることにより鉛直方向に互いに圧接される。上側添接板71及び下側添接板72は必要強度に応じて省略されてもよい。
2つの第1梁部材11がこのように接合されていても、第1定着金物26bのナットを緩めて第1アンボンド緊張材26を取り外すことができ、第1実施形態と同様に2つの第1梁部材11、11を組立後に再度分離することができる。
図9は、第4変形例に係る架構構造1の図3に対応する(A)側面図、(B)断面図である。X方向に連続するように配置された2つの第1梁部材11は、フラットジャッキ81によって緊張力を付与される、X方向に配置された複数の第1アンボンド緊張材26によって互いに接合される。以下、具体的に説明する。
フラットジャッキ81は2つの第1梁部材11の第1梁本体部22の間に配置されている。複数の第1アンボンド緊張材26は、フラットジャッキ81を取り囲むように配置されている。フラットジャッキ81に流体が圧送され、フラットジャッキ81がX方向に伸長することによって複数の第1アンボンド緊張材26に緊張力が付与され、2つの第1梁部材11が複数の第1アンボンド緊張材26によって互いに圧接される。フラットジャッキ81に圧送される流体は、硬化性のものであっても非硬化性のものであってもよい。
2つの第1梁部材11がこのように接合されていても、第1定着金物26bのナットを緩めて第1アンボンド緊張材26を取り外すことができ、第1実施形態と同様に2つの第1梁部材11、11を組立後に再度分離することができる。フラットジャッキ81に圧送される流体が非硬化性のものであれば、フラットジャッキ81を減圧することで瞬時に第1アンボンド緊張材26の緊張力を取り除くことができる。この機構は、柱部材13の第1梁部材11に対する圧接や柱部材13同士の圧接に用いられてもよい。
次に、図10を参照して、第1実施形態に係る架構構造1の第5変形例について説明する。図10は、第5変形例に係る架構構造1の図4に対応する第2梁5の側面図である。本変形例では、柱2がY方向に4列以上配置されており、複数の第2梁部材12が仕口部21を挟んでY方向に連続するように設けられている。Y方向に互いに隣接する各対の第2梁部材12、12は、第1実施形態の第2アンボンド緊張材36よりも長い、共通の第2アンボンド緊張材36によって第1梁部材11の仕口部21に圧接される。
このように複数の第2梁部材12が仕口部21を挟んでY方向に連続する場合には、各対の第2梁部材12、12が共通の第2アンボンド緊張材36によって第1梁部材11の仕口部21に圧接されることにより、それぞれが第2アンボンド緊張材36によって圧接される場合に比べて圧接箇所が半減する。また、これらの第2梁部材12が別々の第2アンボンド緊張材36によって仕口部21に接合される場合に比べ、第2アンボンド緊張材36の配置自由度が高く、第2梁部材12や仕口部21の大型化を防止することができる。
次に、図11を参照して、第1実施形態に係る架構構造1の第6変形例について説明する。図11は、第6変形例に係る架構構造1の図5に対応する柱2の接続構造を示す側面図である。本変形例では、第5変形例と同様に、複数の第2梁部材12が仕口部21を挟んでY方向に連続するように設けられている。そのため、上下方向に互いに隣接する2つの柱部材13の接続構造が上記実施形態と若干異なっている。以下、具体的に説明する。
第1梁部材11は、仕口部21からY方向外側に向けて突出する仕口突起44(図5)を有していない。仕口部21に対してY方向の両側に配置される2つの第2梁部材12の端部は共に、下側の柱部材13の対応する上端突起42の上に載置され、それらの上には共に、上側の柱部材13の対応する下端突起43が載置される。
第1梁部材11を挟んで上下方向に隣接する2つの柱部材13は、上端突起42、下端突起43及び第2梁部材12の端部を上下方向に貫通するように設けられる複数の第3アンボンド緊張材46によって第1梁部材11の仕口部21に接合される。
2つの柱部材13がこのように接合されていても、第3定着金物46bのナットを緩めて第3アンボンド緊張材46を取り外すことができ、第1実施形態と同様に2つの柱部材13、13を組立後に再度第1梁部材11から分離することができる。
次に、図12を参照して、第1実施形態に係る架構構造1の第7変形例について説明する。図12は、第7変形例に係る架構構造1の図5に対応する柱2の接続構造を示す側面図である。本変形例では、上下方向に互いに隣接する2つの柱部材13の接続構造が上記実施形態や第6変形例と異なっている。以下、具体的に説明する。
柱部材13及び仕口部21には、水平面上の対応する位置にてそれらを上下方向に貫通する複数の第3シース(拡大図参照)がそれぞれ埋設されている。第3アンボンド緊張材46は、第3シースに挿通される第3緊張材46aと、第3緊張材46aの上端を仕口部21の上面又は柱部材13の上面に反力をとって第3緊張材46aの緊張力を維持する第3定着金物46bと、第3定着金物46bから上方へ突出する第3緊張材46aの上端とその上方に配置される第3緊張材46aの下端とを連結する接続カプラー46cとを有している。
図12の拡大図に示されるように、本実施形態では、第3緊張材46aは上下の両端には雄ねじが形成されたPC鋼棒であり、第3定着金物46bは、仕口部21の上面に設けられた孔開き鋼板及び雌ねじが形成されたナットを備える。第3定着金物46bのナットを第3緊張材46aの雄ねじに螺着して所定のトルクで締め付けることにより、第3緊張材46aに所期の緊張力が付与され、第1梁部材11の仕口部21が下方の柱部材13に、この柱部材13が下方の第1梁部材11の仕口部21にそれぞれ圧接される。接続カプラー46cは、上下に隣接して配置される第3緊張材46aの上端及び下端に螺着することでこれらの第3緊張材46aを連結する。
第3シースの内部及び間には充填材は充填されず、第3アンボンド緊張材46は第3定着金物46bのナットや接続カプラー46cを緩めて取り外すことができる。柱2の接続構造がこのように構成されていても、柱部材13の接続のためのグラウト注入作業も不要である。また、柱部材13は、第3アンボンド緊張材46を取り外すことで、組立後に柱部材13を第1梁部材11から分離することができる。
本実施形態では柱部材13が上端突起42や下端突起43(図5、図11参照)を有していない。他の形態では、柱部材13が、第2梁部材12の端部を支持するべく、上端突起42を有してもよい。この場合、第2梁部材12は、ボルト・ナットや嵌め合い構造などの適宜な構成の脱落防止構造によって上端突起42に固定されるとよい。
≪第2実施形態≫
次に、図13及び図14を参照して本発明の第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同一又は類似する要素には同一の符号を付し、対応する要素には100を追加した符号を付す。上記変形例と同様に重複する説明は省略する。
図13は、第2実施形態に係る架構構造101の図2に対応する側面図である。図13に示されるように、本実施形態の架構構造101では、X方向架構4を構成するPCa部材が、階層ごとに、複数の仕口部材111と、複数の梁中間部材112とを含んでいる。
仕口部材111は、柱2の仕口をなす仕口部21と、仕口部21に一体形成され、仕口部21からX方向の少なくとも一方に延出して第1梁3の端部をなす少なくとも1つの第1梁端部122と、仕口部21に一体形成され、仕口部21から上下の少なくとも一方に延出して柱2の本体部をなす柱本体部141とを有している。本実施形態では、仕口部材111は、仕口部21から上下に延出する上下の柱本体部141を有しており、下層の仕口部材111の上側の柱本体部141の上面に下側の柱本体部141の下面が接合されることで下層の仕口部材111に接続される。
具体的には、上下方向に互いに隣接する各対の仕口部材111、111は、複数の第3アンボンド緊張材46によって互いに圧接される。そのため、仕口部材111と柱2の本体部材とが別々に構成される場合に比べ、上下方向に接続するべき部材の接続箇所が半減する。他の例では、X方向架構4を構成するPCa部材が、仕口部材111とは別体の柱部材13(図1参照)を含んでもよい。
梁中間部材112は、第1梁3の中間部をなし、X方向の両側に配置される仕口部材111の各第1梁端部122と協働して第1梁3を構成する。梁中間部材112は、PCa部材、PCaPC部材、鉄骨部材、プレキャストSRC部材、木質部材のいずれであってもよい。X方向に互いに隣接する仕口部材111及び梁中間部材112は、第1梁3の長手方向の端部近傍の中間部にて複数の第1アンボンド緊張材26によって互いに圧接される。各第1アンボンド緊張材26は、仕口部材111の第1梁端部122の先端に形成された先端部23と、梁中間部材112の対応する側の端部に形成された先端部123とをX方向に貫通するように設けられている。
仕口部材111のX方向の端面には、第1実施形態同様のカバープレート28(図3参照)が設けられ、X方向に互いに隣接する仕口部材111のカバープレート28と梁中間部材112との間に硬化性の目地材29(図3参照)が充填されている。これにより、仕口部材111の接合端面が梁中間部材112の接合端面に直接圧接されることによって発生する局所的な応力によって仕口部材111の第1梁端部122が破損することが防止される。また、仕口部材111の製造誤差や組立時の施工誤差を目地材29によって吸収することができ、製造コストや施工コストの低減が可能である。
このように、X方向に互いに隣接する仕口部材111及び梁中間部材112が第1アンボンド緊張材26によって互いに圧接されるため、仕口部材111と梁中間部材112とを接続するためのグラウト注入作業が不要である。これにより組立時の作業工数が減り、組立作業が簡単になる。また、仕口部材111と梁中間部材112とは、第1アンボンド緊張材26を取り外すことで組立後に再度分離できるため、架構構造101の解体時に両部材(111、112)を破壊する必要がなく、解体作業も簡単になる。そのうえ仕口部材111及び梁中間部材112を再利用することができる。また、長さが異なる複数種類の梁中間部材112を用意することにより、X方向の柱2のスパンを変えることができる。
次に、図14を参照して、第2実施形態に係る架構構造101の第8変形例について説明する。図14は、第8変形例に係る架構構造101の図13に対応する側面図である。本変形例では、第1アンボンド緊張材26の構成が上記第2実施形態と異なっている。以下、具体的に説明する。
X方向の中間部に位置する柱2の仕口をなす仕口部材111は、仕口部21からX方向の両方に延出する2つの第1梁端部122を有する。この仕口部材111では、第1アンボンド緊張材26が、仕口部21を貫通して仕口部材111のX方向の全長にわたって配設されており、仕口部材111のX方向の両側に隣接する2つの梁中間部材112を仕口部材111の両端面に圧接する。これにより、仕口部材111の2つの第1梁端部122のそれぞれを第1アンボンド緊張材26によって対応する梁中間部材112に接続する第2実施形態に比べ、圧接箇所が半減する。
なお、X方向の端部に位置する柱2の仕口をなす仕口部材111は、仕口部21からX方向の一方に延出する1つの第1梁端部122を有する。この仕口部材111では、第1アンボンド緊張材26一端が仕口部21のX方向の他方の端面に定着される。
最後に、以上のように構成される架構構造1、101の使用例を説明する。図15は、本発明に係る架構構造1、101の使用例を示す、建設中の建物200の斜視図である。建物200は、上記構成の架構構造1、101と、架構構造1、101の内部に配置される複数の内装ユニット150とを備えている。図示の例では、架構構造1、101の第1梁3及び第2梁5上に強化コンクリートからなる床部材151が載置され、床部材151上に内装ユニット150が載置される。他の例では、第1梁3及び第2梁5上に床部材151が直接載置されてもよい。
この建物200では、架構構造1の複数の第1梁部材11、複数の第2梁部材12及び複数の柱部材13が、互いに分離可能に構成されている。或いは、架構構造101の複数の仕口部材111、複数の第2梁部材12及び複数の梁中間部材112が、互いに分離可能に構成されている。
内装ユニット150は、架構構造1、101に対する設置及び撤去が可能に構成されている。具体的には、内装ユニット150は、図示されるように上方の第1梁3及び第2梁5が設けられていない状態でクレーンによって吊り上げられ、架構構造1、101内の所定の位置に搬入され、或いは所定の位置から搬出される。内装ユニット150は下方に隣接する第1梁3及び第2梁5の上面から上方に隣接する第1梁3及び第2梁5の下面までの高さよりも大きな高さ寸法を有している。内装ユニット150の上方に隣接する第1梁3及び第2梁5に対応する部分は切り欠かれている。上方に隣接する第1梁3及び第2梁5が構築されることにより、内装ユニット150は架構構造1、101によって所定の位置に固定される。他の実施形態では、固定部材によって内装ユニット150が架構構造1、101に固定されてもよい。
或いは、内装ユニット150は、上方に隣接する第1梁3及び第2梁5が構築されている状態で、架構構造1、101の側方に配置された図示しない支持台上をスライドさせて架構構造1、101の内部に搬入されてもよい。同様に、内装ユニット150は、架構構造1、101の内部から、側方に配置された支持台上をスライドさせて外部に搬出されてもよい。この場合、内装ユニット150は固定部材を用いて架構構造1、101に固定されるとよい。
このように複数のPCa部材が互いに分離可能に構成され、且つ内装ユニット150が架構構造1、101に対して設置及び撤去が可能に構成されることにより、架構構造1、101の組立及び解体並びに、内装ユニット150の架構構造1、101に対する設置及び撤去が容易であり、建物200を期限付き建築物などに好適に利用することができる。
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されることなく幅広く変形実施することができる。例えば、各部材や部位の具体的構成や配置、数量、角度、素材など、本発明の趣旨を逸脱しない範囲であれば適宜変更することができる。一方、上記実施形態に示した各構成要素は必ずしも全てが必須ではなく、適宜選択することができる。
1 架構構造
2 柱
3 第1梁
4 X方向架構
5 第2梁
6 Y方向架構
11 第1梁部材
12 第2梁部材
13 柱部材
21 仕口部
22 第1梁本体部
25 第1PC材
26 第1アンボンド緊張材
28 カバープレート(カバー部材)
29 目地材
35 第2PC材
36 第2アンボンド緊張材
41 柱本体部
42 上端突起
43 下端突起
44 仕口突起
46 第3アンボンド緊張材
101 架構構造
111 仕口部材
112 梁中間部材
122 第1梁端部
141 柱本体部
150 内装ユニット
200 建物
X方向 第1方向
Y方向 第2方向

Claims (13)

  1. 第1方向及び前記第1方向に交差する第2方向に互いに離間して配置された複数の柱と、前記第1方向に互いに隣接する各対の前記柱の仕口間に架設される複数の第1梁と、前記第2方向に互いに隣接する各対の前記柱の前記仕口間に架設される複数の第2梁とを備える架構構造であって、
    前記第1方向の中間部又は端部に配置されて前記柱の前記仕口をなす仕口部及び、前記仕口部に一体形成され、前記仕口部から前記第1方向の少なくとも一方に延出して前記第1梁の一部をなす少なくとも1つの第1梁本体部を有し、前記第1方向に延在する第1PC材が前記仕口部を貫通するように前記第1梁本体部の上部に埋設されたPCaPC製の複数の第1梁部材を有し、
    前記第1方向に互いに隣接する1対の前記第1梁部材が前記第1梁の長手方向の中間部にて第1アンボンド緊張材によって互いに圧接されていることを特徴とする架構構造。
  2. 前記第1梁部材の前記第1方向の端面にカバー部材が設けられ、
    前記第1方向に互いに隣接する各対の前記第1梁部材の前記カバー部材の間に硬化性の目地材が充填されていることを特徴とする請求項1に記載の架構構造。
  3. 前記第2梁をなし、前記第2方向に延在する第2PC材が下部に埋設されたPCaPC製の複数の第2梁部材を更に有し、
    前記第2梁部材が長手方向の両端部にて第2アンボンド緊張材によって1対の前記第1梁部材の前記仕口部に圧接されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の架構構造。
  4. 複数の前記第2梁部材が前記仕口部を挟んで前記第2方向に連続するように設けられ、
    前記第2方向に互いに隣接する各対の前記第2梁部材が共通の前記第2アンボンド緊張材によって前記第1梁部材の前記仕口部に圧接されていることを特徴とする請求項3に記載の架構構造。
  5. 前記柱の本体をなすPCaコンクリート製の複数の柱部材を更に備え、
    前記第1梁部材の前記仕口部を挟んで上下方向に互いに隣接する各対の前記柱部材が第3アンボンド緊張材によって前記第1梁部材の前記仕口部に圧接されていることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の架構構造。
  6. 前記柱部材が、前記第2方向を向く側面の上部にて前記第2方向に突出する上端突起と、前記第2方向を向く前記側面の下部にて前記第2方向に突出する下端突起とを有し、
    前記第3アンボンド緊張材が、前記第2梁部材を上下方向に貫通し、下側の前記柱部材の前記上端突起及び上側の前記柱部材の前記下端突起を前記第2梁部材に圧接することを特徴とする請求項5に記載の架構構造。
  7. 前記第1梁部材が、前記仕口部から前記第2方向に向けて突出する仕口突起を有し、
    前記第3アンボンド緊張材が、前記仕口突起を上下方向に貫通し、下側の前記柱部材の前記上端突起及び上側の前記柱部材の前記下端突起を前記仕口突起に圧接することを特徴とする請求項6に記載の架構構造。
  8. 請求項5〜請求項7のいずれかに記載の架構構造と、前記架構構造の内部に配置される複数の内装ユニットとを備える建物であって、
    複数の前記第1梁部材、複数の前記第2梁部材及び複数の前記柱部材が互いに分離可能であり、
    複数の前記内装ユニットが前記架構構造に対して設置及び撤去が可能に構成されていることを特徴とする建物。
  9. 第1方向及び前記第1方向に交差する第2方向に互いに離間して配置された複数の柱と、前記第1方向に互いに隣接する各対の前記柱の仕口間に架設される複数の第1梁と、前記第2方向に互いに隣接する各対の前記柱の前記仕口間に架設される複数の第2梁とを備える架構構造であって、
    前記第1方向の中間部又は端部に配置されて前記柱の前記仕口をなす仕口部及び、前記仕口部に一体形成され、前記仕口部から前記第1方向の少なくとも一方に延出して前記第1梁の端部をなす少なくとも1つの第1梁端部を有し、前記第1方向に延在する第1PC材が前記仕口部を貫通するように前記第1梁端部の上部に埋設されたPCaPC製の複数の仕口部材と、
    前記第1梁の中間部をなす複数の梁中間部材とを備え、
    前記第1方向に互いに隣接する前記仕口部材及び前記梁中間部材が第1アンボンド緊張材によって互いに圧接されていることを特徴とする架構構造。
  10. 前記仕口部材の前記第1方向の端面にカバー部材が設けられ、
    前記第1方向に互いに隣接する前記仕口部材の前記カバー部材と前記梁中間部材との間に硬化性の目地材が充填されていることを特徴とする請求項9に記載の架構構造。
  11. 前記仕口部材が前記仕口部から前記第1方向の両方に延出する2つの前記第1梁端部を有し、
    前記第1アンボンド緊張材が、前記仕口部を貫通して前記仕口部材の前記第1方向の全長にわたって配設され、前記仕口部材の前記第1方向の両側に隣接する2つの前記梁中間部材を前記仕口部材の両端面に圧接することを特徴とする請求項9又は請求項10に記載の架構構造。
  12. 複数の前記仕口部材が、対応する前記柱の本体部をなす柱本体部を更に有し、
    上下方向に互いに隣接する各対の前記仕口部材が第3アンボンド緊張材によって互いに圧接されていることを特徴とする請求項10又は請求項11に記載の架構構造。
  13. 請求項10〜請求項12のいずれかに記載の架構構造と、前記架構構造の内部に配置される複数の内装ユニットとを備える建物であって、
    前記架構構造が、前記第2梁をなし、前記第2方向に延在する第2PC材が下部に埋設されたPCaPC製の複数の第2梁部材を更に有し、前記第2梁部材が長手方向の両端部にて第2アンボンド緊張材によって1対の前記仕口部材の前記仕口部に圧接されており、
    複数の前記仕口部材、複数の前記梁中間部材及び複数の前記第2梁部材が互いに分離可能であり、
    複数の前記内装ユニットが前記架構構造に対して設置及び撤去が可能に構成されていることを特徴とする建物。
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