JP4618431B2 - 呈味改善材および容器詰め飲料 - Google Patents

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Description

本発明は、ヒアルロン酸またはその塩を含有する呈味改善材、およびその呈味改善材を含有する容器詰め飲料に関する。
500ml内容積のポリエチレンテレフタレートボトル(以下、ペットボトルと略称すことがある)や樹脂ライニングを施した金属缶に、様々な種類の飲料を充填した容器入り飲料が広く市場に出回っている。そのようなペットボトルや金属缶に充填する飲料の例としては、電解質を含有したイオンサプライ飲料、バリン、ロイシン、イソロイシンなどを含有するアミノ酸・ペプタイド系飲料、クエン酸を含有するクエン酸系飲料、酢酸を含有する酢酸系飲料、ポリフェノールを含有する茶系飲料、ホップエキスを含有するビールまたはビール様飲料などが挙げられる。
ところで、これらの飲料が充填された容器詰め飲料に関し、容器材質に由来する樹脂臭が飲料に移ってしまうという共通した問題がある。特に、イオンサプライ飲料の場合には、味自体が薄いため、樹脂臭が強く感じられるという問題がある。また、アミノ酸・ペプタイド系飲料の場合には、アミノ酸特有の収斂味や苦みが生じ、クエン酸系飲料や酢酸系飲料の場合には酸味が強すぎ、茶系飲料の場合にはポリフェノール類に由来する独特の苦みが生じ、ビールやビール様飲料の場合にもホップに由来する苦みが生じ、青汁飲料の場合にも青臭い特徴的な苦みが強いという問題がある。
このため、従来、これらの飲料の飲み難さを緩和し、その呈味を改善するために、一種のマスキング剤として、スクラロース、アスパルテーム、ステビアなどの甘味料を飲料に添加することが行われている(特許文献1〜2)。
しかしながら、これら飲料に、従来のマスキング剤であるスクラロースなどの甘味料を添加する場合、マスキング効果を得るためには、ある程度の量を添加しなければならず、飲料自体の風味が損なわれてしまうという問題がある。
特開平10−215793号公報 特開平10−248501号公報
本発明は、背景技術の課題を解決しようとするものであり、容器詰め飲料の風味を損なわずに、その飲み難さを緩和できる呈味改善材を提供すること、及び呈味改善された容器詰め飲料を提供することを目的とする。
本発明者は、非常に少量のヒアルロン酸またはその塩を添加した飲料を容器に充填すると、予想外にも、容器材質に由来する樹脂臭を軽減でき、しかもアミノ酸やペプタイド特有の収斂味や苦み、クエン酸系飲料や酢酸系飲料の酸味、茶系飲料のポリフェノール類に由来する独特の苦み、そしてビールやビール様飲料のホップエキスに由来する苦みを緩和できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、ヒアルロン酸またはその塩を含有する呈味改善材を提供する。
本発明の呈味改善材によれば、ヒアルロン酸またはその塩を含有するので、呈味改善材を容器詰め飲料に配合すると、容器材質に由来する樹脂臭を軽減でき、しかもアミノ酸やペプタイド特有の収斂味や苦み、クエン酸系飲料や酢酸系飲料の酸味、茶系飲料のポリフェノール類に由来する独特の苦み、ビールやビール様飲料のホップエキスに由来する苦み、そして青汁飲料の青臭い特徴的な苦みを緩和できる。
本発明の呈味改善材は、ヒアルロン酸またはその塩を含有する。ここで、ヒアルロン酸とは、グルクロン酸とN−アセチルグルコサミンの2糖を反復構成単位とする多糖類に分類される高分子化合物である。ヒアルロン酸の平均分子量は、小さすぎると発明の効果が得られ難くなり、大きすぎると飲料中に非常に溶解し難くなるので、好ましくは1〜200万、より好ましくは1〜150万、特に好ましくは1〜120万である。なお、この分子量範囲であれば、分子量が高い方がマスキング効果が大きい傾向がある。
また、本発明で使用するヒアルロン酸の平均分子量は、分子量の大小に応じてサンプル摂取量が異なるが、基本的には下記の方法により求めた値として定義される。
即ち、ヒアルロン酸の分子量が100万程度の場合には約0.05g、ヒアルロン酸の分子量が50〜70万程度の場合には約0.1g、ヒアルロン酸の分子量が20万程度の場合には約0.5g、そしてヒアルロン酸の分子量が5〜10万程度の場合には約1gのヒアルロン酸を精密に量り、0.2mol/l濃度の塩化ナトリウム溶液に溶かし、正確に100mlとした溶液及びこの溶液8ml、12ml並びに16mlを正確に量り、それぞれに0.2mol/l濃度の塩化ナトリウム溶液を加えて正確に20mlとした溶液を試料溶液とする。この試料溶液及び0.2mol/l濃度の塩化ナトリウム溶液につき、日本薬局方(第十四改正)一般試験法の粘度測定法(第1法 毛細管粘度計測法)により30.0±0.1℃で比粘度を測定し(式(1))、各濃度における還元粘度を算出する(式(2))。還元粘度を縦軸に、本品の換算した乾燥物に対する濃度(g/100ml)を横軸にとってグラフを描き、各点を結ぶ直線と縦軸との交点から極限粘度を求める。ここで求められた極限粘度をLaurentの式(式(3))に代入し、平均分子量を算出する。
Figure 0004618431
ヒアルロン酸の塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、亜鉛塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩等が挙げられる。ヒアルロン酸の塩の製造は、公知の方法により行うことができる。
本発明の呈味改善材の使用形態には、特に制限はなく、粉末状、高濃度液状、低濃度液状等の使用形態とすることができる。また、呈味改善材中のヒアルロン酸またはその塩の配合量は、使用形態と飲料への添加量に応じて適宜決定することができる。
なお、呈味改善材には、必要に応じて、増量剤、結合剤、滑沢剤、保存剤、酸化防止剤、香料、甘味料、酸味料、賦形剤等を配合することができる。また、ビタミンC、ビタミンB2、ビタミンB12、ビタミンE等のビタミン類、核酸、コンドロイチン硫酸、コラーゲン等の栄養成分、鉄、亜鉛等のミネラル成分、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸等の高度不飽和脂肪酸等の各種栄養成分を配合することもできる。
本発明で使用するヒアルロン酸は、市販品を使用することができるが、以下の製造法1〜3に従って製造することもできる。
<製造法1(鶏冠からの抽出)>
まず、鶏冠に加熱処理を施す。これは、鶏冠に含まれる蛋白質を熱変性させたり、酵素を失活させるためである。加熱処理は如何なる方法をとってもよいが、熱水中に鶏冠を浸漬する方法をとると効率よく行なうことができる。加熱温度や時間は、鶏冠中の蛋白質が熱変性したり、酵素が失活する範囲内であれば、特に制限がなく、熱水による加熱法を採用する場合は、60〜100℃の熱水中に原料を20〜90分間浸漬するとよい。
なお、凍結した鶏冠を用いる場合には、鶏冠をそのまま加熱してもよいが、凍結鶏冠を流水中等に入れ緩慢解凍した後、加熱処理を施したほうが一定の品位のものが得られやすく好ましい。
次に、加熱処理した鶏冠をペースト化する。このペースト化によりヒアルロン酸の収率が向上する。ペースト化に先立ち、加熱処理後の鶏冠を細断機により薄く切断したり、または肉挽き用チョッパー等で細断しておくと、ペースト化がしやすくなる。ペースト化の一例を示せば、鶏冠に対して約1〜5倍量の清水を加え、ホモゲナイザーにて10〜60分間ホモゲナイズを行なえば、鶏冠は破砕・微粒子化され、ペーストに仕上げることができる。なお、ペースト化には、ホモゲナイザーの他に、高速撹拌機や擂潰機を用いてもよい。
次に、ペースト化した鶏冠に、塩酸、硫酸等の酸剤、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ剤等を添加し酸処理又はアルカリ処理してヒアルロン酸を低分子化し、処理後のヒアルロン酸の平均分子量が60万〜120万、好ましくは70万〜100万となるように調整する。調整方法としては、酸剤あるいはアルカリ剤の濃度、添加量及び処理時間等を適宜組み合わせて、処理後のヒアルロン酸が所望の分子量となるようにすればよいが、アルカリ処理による方法がヒアルロン酸の分子量をコントロールし易く好ましい。アルカリ処理による一例を示せば、ペースト化した鶏冠に、鶏冠に対し10〜30%濃度のアルカリ水溶液を約1〜5%添加し、25〜70℃で約15〜90分間処理を行なった後、塩酸等で中和し、分子量を調整する。
次に、分子量を調整した原料に蛋白分解酵素を添加して、プロテアーゼ処理する。使用する蛋白分解酵素は、市販しているものであれば種類を問わず使用することができ、例えば、ペプシン、トリプシン、パパイン、プロメリン等が挙げられる。蛋白分解酵素の添加量は、鶏冠に対して0.01〜1%が適当である。また、プロテアーゼ処理の温度と時間は、35〜65℃で1〜10時間の範囲が適当である。
最後に、得られたプロテアーゼ処理物からヒアルロン酸を分取して、粗製のヒアルロン酸を得た後、このヒアルロン酸を精製することにより純度90%以上、平均分子量60万〜120万のヒアルロン酸が得られる。
ここで、ヒアルロン酸の分取・精製は、常法に従って行うことができる。例えば、まず、プロテアーゼ処理した原料を濾過して固形物を除去して、粗製のヒアルロン酸を含有した濾液を得る。なお、濾過に先立ち、脱臭・脱色や一部の蛋白分解物を除去する目的で、プロテアーゼ処理物に活性炭を添加し処理してもよい。そして得られた濾液に食塩を溶解させた後、エタノールを添加してヒアルロン酸を沈殿させ、沈殿物を分取する。その後、この沈殿物にエタノール濃度約80〜95容量%の含水エタノールを添加し、ホモゲナイザーで洗浄し、沈殿物を分取する。この含水エタノールによる洗浄を2〜10回程度繰り返し、分取した沈殿物を乾燥することで本発明で使用するヒアルロン酸を得ることができる。
<製造法2(微生物発酵法)>
ヒアルロン酸産出ストレプトコッカス属の微生物(Streptococcus Zooepidemicus)の培養液に活性炭を添加して脱臭・脱色処理を行った後、濾過処理する。得られた濾液に食塩を溶解させた後、エタノールを添加してヒアルロン酸を沈殿させ、沈殿物を分取する。その後、この沈殿物にエタノール濃度約80〜95容量%の含水エタノールを添加し、ホモゲナイザーで洗浄し、沈殿物を分取する。この含水エタノールによる洗浄を2〜10回程度繰り返し、分取した沈殿物を乾燥することで本発明で使用できるヒアルロン酸(平均分子量20〜60万)を得ることができる。
<製造法3(ヒアルロン酸の製造)>
前述の製造法1で製造したヒアルロン酸を水に再溶解し、ヒアルロン酸の2質量%水溶液を調製する。この水溶液に、添加後の濃度が4質量%となるように塩酸を添加する。得られた混合液を50℃で1〜2時間撹拌し、水酸化ナトリウム水溶液で中和を行う。中和後、反応液にエタノールを添加してヒアルロン酸を沈殿させ、沈殿物を分取する。その後、この沈殿物にエタノール濃度約80〜95容量%の含水エタノールを添加し、ホモゲナイザーで洗浄し、沈殿物を分取する。この含水エタノールによる洗浄を2〜10回程度繰り返し、分取した沈殿物を乾燥することで本発明で使用できるヒアルロン酸(平均分子量2〜20万)を得ることができる。
なお、本発明において使用するヒアルロン酸の純度は、食品で使用できるレベルであればよく、好ましくは90%以上であればよい。その純度は乾物換算で100%よりヒアルロン酸以外の不純物を除いた値として定義される。ここで、不純物としては、蛋白分解物、脂肪分(粗脂肪)、コンドロイチン硫酸等が挙げられる。具体的に鶏冠を原料とするヒアルロン酸の純度は、以下式(4)で求めることができる。
Figure 0004618431
式(4)中、蛋白分解物(%)はLowry法により求めた値であり、粗脂肪(%)は新・食品分析法(光琳(株)発行)「第1章一般成分および関連成分、1−4脂質、1−4−2エーテル抽出法」により求めた値であり、また、コンドロイチン硫酸(%)は、以下に説明する方法により得た値である。
まず、ヒアルロン酸を乾燥し、その50mgを精密に量り、精製水を加えて溶かし、正確に100mlとして試験溶液とし、その試験溶液4mlを試験管にとり、0.5mol/l濃度の硫酸1mlを加えて混和し、水浴中で10分間加熱し、その後冷却して得られた溶液に0.04mol/l濃度の臭化セチルトリメチルアンモニウムを0.2ml加えて混和し、室温で1時間放置し、層長10mm、波長660nmにおける吸光度を測定する。
次に、得られた吸光度データをコンドロイチン硫酸の検量線に適用して精製ヒアルロン酸中のコンドロイチン硫酸量(%)を求める。ここで、その検量線は、クジラ軟骨由来のコンドロイチン硫酸Aナトリウム塩(SG(Special Grade)、生化学工業株式会社製)を乾燥(減圧、五酸化リン、60℃、5時間)させたものを精密に量り、精製水を加えて溶かし、1ml中に10μg、20μg、30μg、40μgのコンドロイチン硫酸Aナトリウム塩を含む溶液をそれぞれ調製し、それぞれの溶液4mlについて、0.5ml/l濃度の硫酸1mlを加えて混和後、0.04mol/l濃度の臭化セチルトリメチルアンモニウムを0.2ml加えて混和し、室温で1時間放置後同様に吸光度を測定し、その吸光度を縦軸に、対応するコンドロイチン硫酸Aナトリウム塩溶液(μg/ml)を横軸にプロットすることによって作成したものである。
以上説明した本発明の呈味改善材は、容器詰め飲料の呈味改善に好ましく適用することができる。即ち、この容器詰め飲料は、本発明の呈味改善材を含有する飲料が、容器に充填されてなるものである。ここで、容器としては、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂性ボトル、ガラスボトル、ポリプロピレン樹脂等で内壁をライニング処理した金属缶、ポリプロピレン樹脂等で内壁をライニング処理した紙製ブリックパック容器やスパウト付きパウチ容器等を使用することができる。
この容器詰め飲料中の呈味改善材の含有量は、飲料中のヒアルロン酸またはその塩の濃度を基準に決定する。従って、呈味改善材中のヒアルロン酸またはその塩濃度を考慮して、呈味改善材の使用量を決定する。具体的には、本発明においては、容器詰め飲料中のヒアルロン酸またはその塩の濃度は、多すぎると飲料の物性に影響を与える可能性があるので好ましくは0.1質量%以下、より好ましくは0.01質量%以下である。一方、その濃度の下限は、所望のマスキング効果が認められる限り少なければ少ないほど好ましいが、少なすぎると発明の効果が得られ難くなるので、好ましくは0.0001質量%以上である。
本発明の容器詰め飲料の対象は、容器材質に由来する樹脂臭や、飲料に由来する異臭や異味が問題となるような容器詰め飲料であり、例えば、所謂、イオンサプライ飲料、アミノ酸・ペプタイド飲料、クエン酸飲料(例えば、泡盛の製造で副成するもろみ酢飲料)、食酢飲料(例えば、バーモント飲料)などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
なお、飲料がイオンサプライ飲料である場合、等張液に近づけるためにナトリウム陽イオンを好ましくは10mEq/L以上、より好ましくは20mEq/L以上の濃度で含有することが好ましいが、風味の点で50mEq/Lを超えないことが好ましい。なお、ナトリウム陽イオンの濃度調整は、食塩を飲料に溶解させることにより行うことができる。
飲料がアミノ酸および/またはペプタイド飲料である場合、アミノ酸補給による栄養効果を得るために、バリン、ロイシンおよびイソロイシンを含有することが好ましい。この場合、アミノ酸およびペプタイドを合計で、好ましくは0.2質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上含有することが好ましいが、風味の点で、3質量%を超えないことが望まれる。
飲料がクエン酸を含有する飲料である場合、クエン酸補給による栄養効果を得るために、クエン酸を好ましくは0.3質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上含有することが好ましいが、風味の点で2質量%を超えないことが望まれる。
飲料が食酢を含有する飲料である場合、食酢補給の栄養効果を得るために、食酢を酢酸換算で好ましくは0.2質量%以上、より好ましくは0.3質量%以上含有することが好ましいが、風味の点で2質量%を超えないことが望まれる。
飲料が茶葉抽出物を含有する飲料である場合、茶葉抽出物として、緑茶、ほうじ茶、烏龍茶、プアール茶および紅茶の少なくとも一種であることが好ましい。抽出物であるカテキンなどのポリフェノールの抗酸化作用の観点からは、飲料がポリフェノールを好ましくは0.03質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上含有することが好ましいが、風味の点で、0.2質量%を超えないことが望まれる。
飲料がビールまたはビール様飲料(例えばホップを使用した発泡酒)である場合、飲料中のホップの含有量は、意図した風味に応じて決定される。また、飲料が種々の野菜(例えば、ケール、セロリ、ほうれん草、キャベツ、ブロッコリ、モロヘイヤ、パセリ、大麦若葉、トマト、にんじん等)の搾り汁、特にケール、セロリおよびほうれん草の少なくとも一種の搾り汁を含有したものである場合、飲料中のそれらの搾り汁の含有量は、意図したそれらの摂取量に応じて決定される。
以上説明した容器詰め飲料は、飲料に本発明の呈味改善材を所望のヒアルロン酸またはその塩の濃度となるように常法に従って添加し混合し、その混合物を容器に密封充填することにより製造することができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。
実施例1a〜1f、比較例1
表1の配合の成分を均一に混合することによりイオンサプライ飲料を調製した。これを95℃以上に加熱した後、350ml容積のペットボトルに充填し、キャッピング封入した。
Figure 0004618431
<官能試験>
実施例1a〜1fおよび比較例1の飲料について、“風味”、“のど越し”、“総合評価”を、訓練された評価パネラー7名により7点法(7:非常にすぐれている、6:優れている、5:やや優れている、4:差なし、3:やや劣っている、2:劣っている、1:非常に劣っている)により評価し、その7人の平均スコアを表2示した。なお、総合評価については、平均スコアが5.5以上を“AA”、5.0以上5.5未満を“A”、4.5以上5.0未満を“B”、3.5以上4.5未満を“C”、3.0以上3.5未満を“D”、3.0未満をEとランク分けした。表2から、ヒアルロン酸を添加した実施例1a〜1fのペットボトル詰めのイオンサプライ飲料は、ヒアルロン酸が添加されていない比較例1のイオンサプライ飲料に比べ、総合評価が優れていることがわかる。
Figure 0004618431
実施例2a〜2f、比較例2
表3の配合の成分を均一に混合することによりアミノ酸・ペプタイド飲料を調製した。これを95℃以上に加熱した後、250ml容積のガラスボトルに充填し、キャッピング封入した。

Figure 0004618431
<官能試験>
実施例2a〜2fおよび比較例2の飲料について、“風味”、“のど越し”、“総合評価”を実施例1と同様に官能評価し、その結果を表4に示した。表4から、ヒアルロン酸を添加した実施例2a〜2fのガラスボトル詰めのアミノ酸・ペプタイド飲料は、ヒアルロン酸が添加されていない比較例2のアミノ酸・ペプタイド飲料に比べ、総合評価が優れていることがわかる。
Figure 0004618431
実施例3a〜3g、比較例3
表5の配合の成分を均一に混合することによりクエン酸飲料を調製した。これを95℃以上に加熱した後、350ml容積のステインオンタブ付きアルミ缶に充填し、シーマーにて密封した。
Figure 0004618431
<官能試験>
実施例3a〜3gおよび比較例3の飲料について、“風味”、“のど越し”、“総合評価”を実施例1と同様に官能評価し、その結果を表6に示した。表6から、ヒアルロン酸を添加した実施例3a〜3gのアルミ缶詰めのクエン酸飲料は、ヒアルロン酸が添加されていない比較例3のクエン酸飲料に比べ、総合評価が優れていることがわかる。



Figure 0004618431
実施例4a〜4f、比較例4
表7の配合の成分を均一に混合することにより黒酢飲料を調製した。これをアセプティック殺菌機を用い、直接蒸気吹き込み式により、105℃、3秒相当の加熱を行った後、200ml容積のブリックパック容器に無菌的に充填した。
Figure 0004618431
<官能試験>
実施例4a〜4fおよび比較例4の飲料について、“風味”、“のど越し”、“総合評価”を実施例1と同様に官能評価し、その結果を表8に示した。表8から、ヒアルロン酸を添加した実施例4a〜4fのプリックパック容器詰めの黒酢飲料は、ヒアルロン酸が添加されていない比較例4の黒酢飲料に比べ、総合評価が優れていることがわかる。









Figure 0004618431
実施例5a〜5f、比較例5
表9の配合の成分を均一に混合することにより緑茶飲料を調製した。これをアセプティック殺菌機を用い、直接蒸気吹き込み式により、110℃、2秒相当の加熱を行った後、500ml容積のペットボトルに無菌的に充填した。
Figure 0004618431
<官能試験>
実施例5a〜5fおよび比較例5の飲料について、“風味”、“のど越し”、“総合評価”を実施例1と同様に官能評価し、その結果を表10に示した。表10から、ヒアルロン酸を添加した実施例5a〜5fのペットボトル詰めの緑茶飲料は、ヒアルロン酸が添加されていない比較例5の緑茶飲料に比べ、総合評価が優れていることがわかる。
Figure 0004618431
実施例6a〜6f、比較例6
市販の発泡酒(麒麟淡麗<生>)に、製造法3で得られた低分子量のヒアルロン酸Naの5%水溶液を、発泡酒に表11の配合割合となるように添加した。
Figure 0004618431
<官能試験>
実施例6a〜6fおよび比較例6の飲料について、“風味”、“のど越し”、“総合評価”を実施例1と同様に官能評価し、その結果を表12に示した。表12から、ヒアルロン酸を添加した実施例6a〜6fの発泡酒は、ヒアルロン酸が添加されていない比較例6の発泡酒に比べ、総合評価が優れていることがわかる。
Figure 0004618431
実施例7a〜7f、比較例7
表13の配合の成分を均一に混合することにより野菜ジュースを調製した。なお、野菜搾り汁としては、ケール10質量部、セロリ10質量部、ほうれん草10質量部、ブロッコリ5質量部、モロヘイヤ3質量部、パセリ1質量部および大麦若葉1質量部を混合し、その混合物をジューサーで処理して得られた搾り汁を使用した。得られた野菜ジュース200mlをポリプロピレン製のパウチに充填、密封し、85℃で30分間、湯中で加熱殺菌した。その後、直ちに冷却し、更に−25℃以下で急速凍結し、冷凍緑黄色野菜ジュース飲料を得た。








Figure 0004618431
<官能試験>
実施例7a〜7fおよび比較例7の飲料について、“風味”、“のど越し”、“総合評価”を実施例1と同様に官能評価し、その結果を表14に示した。表14から、ヒアルロン酸を添加した実施例7a〜7fの野菜ジュース飲料は、ヒアルロン酸が添加されていない比較例7の野菜ジュース飲料に比べ、総合評価が優れていることがわかる。
Figure 0004618431
本発明の呈味改善材は、ヒアルロン酸またはその塩を主成分として含有するので、この呈味改善材を容器詰め飲料に添加すると、容器材質に由来する樹脂臭を軽減することができ、しかもアミノ酸特有の収斂味や苦み、クエン酸系飲料や酢酸系飲料の酸味、茶系飲料のポリフェノール類に由来する独特の苦み、ビールやビール様飲料のホップに由来する苦み、そして野菜の搾り汁の青臭い独特の苦味を緩和できる。

Claims (2)

  1. 樹脂製ボトル、又は内壁が樹脂でライニング処理された、金属缶、紙製ブリックパック容器若しくはスパウト付きパウチ容器に、飲料が充填されてなる容器詰め飲料の樹脂臭軽減方法であって、
    該飲料に、ヒアルロン酸又はその塩を0.0001質量%以上0.01質量%以下の濃度で含有させることを特徴とする容器詰め飲料の樹脂臭軽減方法。
  2. 飲料が、ナトリウム陽イオンを10mEq/L以上50mEq/L以下の濃度で含有するイオンサプライ飲料である請求項1記載の容器詰め飲料の樹脂臭軽減方法。
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