JP2018117602A - ヘスペリジンの異臭が抑制された容器詰ヘスペリジン含有飲料 - Google Patents

ヘスペリジンの異臭が抑制された容器詰ヘスペリジン含有飲料 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の第1の目的は、ヘスペリジンの異臭(絆創膏様の異臭)が抑制された容器詰ヘスペリジン含有飲料、及びその製造方法等を提供することにある。また、本発明の第2の目的は、ヘスペリジンと高甘味度甘味料を併用することによって増強されたヘスペリジンの異臭(絆創膏様の異臭)が抑制された容器詰ヘスペリジン含有飲料、及びその製造方法等を提供することにある。また、本発明の第3の目的は、ヘスペリジンと高甘味度甘味料とクエン酸を併用することにより生じた特有の異味(エグ味)が抑制された容器詰ヘスペリジン含有飲料、及びその製造方法等を提供することにある。【解決手段】ヘスペリジンの異臭は、特定量のクエン酸を飲料に含有させることによって抑制することができる。また、ヘスペリジンと高甘味度甘味料を併用することによって増強されたヘスペリジンの異臭も、特定量のクエン酸を飲料に含有させることによって抑制することができる。また、ヘスペリジンと高甘味度甘味料とクエン酸を併用することにより生じた特有の異味(エグ味)は、4VGを飲料に含有させることによって抑制することができる。【選択図】なし

Description

本発明は、ヘスペリジンの異臭(絆創膏様の異臭)が抑制された容器詰ヘスペリジン含有飲料、及びその製造方法に関する。また、本発明は、ヘスペリジンと高甘味度甘味料を併用することによって増強されたヘスペリジンの異臭(絆創膏様の異臭)が抑制された容器詰ヘスペリジン含有飲料、及びその製造方法に関する。さらに、本発明は、ヘスペリジンと高甘味度甘味料とクエン酸を併用することにより生じた特有の異味(エグ味)が抑制された容器詰ヘスペリジン含有飲料、及びその製造方法等に関する。
人々の健康志向のさらなる高まりにより、機能性成分を含有する飲料が多種上市されている。そのような機能性成分の1つに、ヘスペリジンが挙げられる。へスペリジンは、温州みかん等の柑橘類に多く含まれるフラボノイドの一種であり、血行促進作用、血中中性脂肪低減、骨形成促進作用等の有益な生理作用を有することが知られている。
ヘスペリジンは、水への溶解性が低いため、従来は、使用用途が限られていたが、近年、ヘスペリジンにブドウ糖を結合させることにより水溶性を高めた水溶性ヘスペリジン(ヘスペリジン配糖体)が開発された。ヘスペリジン配糖体は、水への溶解性が高く、かつヘスペリジンの生理活性を保持しているため、食品への利用に優れ、広く利用されている。しかし、ヘスペリジン配糖体等のヘスペリジンは、特有の不快味(苦味)や特有の異臭(絆創膏様臭)を有しており、これを容器詰飲料に含有させると、飲用に適さない場合があるという問題があった。
ヘスペリジン配糖体の特有の不快味(苦味)を改善するための技術として、ヘスペリジン配糖体と共に、トレハロース及びオリゴ糖を飲料に含有させる方法(特許文献1)や、ヘスペリジン配糖体と共に、特定の割合でリンゴ酸を含有させる方法(特許文献2)が提案されている。また、ヘスペリジン配糖体に特有の異臭(絆創膏様の異臭)を改善するための技術として、飲料中におけるヘスペリジン配糖体の含有量に対するラクトン類の合計含有量を特定の割合に調整する方法が提案されている(特許文献3)。
しかし、ヘスペリジン配糖体等のヘスペリジンの不快味(苦味)ではなく、異臭(絆創膏様の異臭)を、特定濃度のクエン酸によって好適に抑制できることは知られていなかった。また、ヘスペリジン配糖体等のヘスペリジンと高甘味度甘味料を併用すると、ヘスペリジンの異臭が持続的に感じられて異臭が増強されることや、特定濃度のクエン酸がその増強された異臭に対して好適な抑制作用を有することもこれまでに知られていなかった。また、ヘスペリジン配糖体等のヘスペリジンと高甘味度甘味料とクエン酸を併用すると、それぞれ僅かに有する異味が重なり、特に後味において特有の異味(エグ味)が感じられることや、4−ビニルグアヤコール(4VG)がそのエグ味に対して抑制作用を有することもこれまでに知られていなかった。
特開2006−67946号公報 特開2011−126849号公報 特開2014−168437号公報
前述したような背景技術の状況下、本発明者らは、ヘスペリジンを含有する容器詰飲料において、ヘスペリジンの異臭(絆創膏様の異臭)を抑制する方法について検討を行った。かかる検討を行っている中で、ヘスペリジンと高甘味度甘味料を併用すると、ヘスペリジンの異臭(絆創膏様の異臭)が持続的に感じられて異臭が増強されるという新規な課題(新規課題A)を発見した。
また、本発明者らは、ヘスペリジンと高甘味度甘味料とクエン酸を併用すると、それぞれ僅かに有する異味が重なり、特に後味において特有の異味(エグ味)が感じられるという新規な課題(新規課題B)を発見した。
本発明の第1の課題は、ヘスペリジンの異臭(絆創膏様の異臭)が抑制された容器詰ヘスペリジン含有飲料、及びその製造方法等を提供することにある。また、本発明の第2の課題は、ヘスペリジンと高甘味度甘味料を併用することによって増強されたヘスペリジンの異臭(絆創膏様の異臭)が抑制された容器詰ヘスペリジン含有飲料、及びその製造方法等を提供することにある。また、本発明の第3の課題は、ヘスペリジンと高甘味度甘味料とクエン酸を併用することにより生じた特有の異味(エグ味)が抑制された容器詰ヘスペリジン含有飲料、及びその製造方法等を提供することにある。
前述したような背景技術の状況下、本発明者らは、ヘスペリジンを含有する容器詰飲料において、ヘスペリジンの異臭(絆創膏様の異臭)を抑制する方法について様々な検討を行っていたところ、特定濃度のクエン酸を併用すると、ヘスペリジンの異臭が抑制されることを初めて見いだした。この知見に基づき、本発明者らは本発明を完成するに至った。
その過程で本発明者らは、ヘスペリジンと高甘味度甘味料を併用すると、ヘスペリジンの異臭(絆創膏様の異臭)が持続的に感じられてその異臭が増強されるという新規な課題(課題A)を発見した。本発明者らは、かかる増強された異臭を改善する方法について検討を行ったところ、ヘスペリジンと高甘味度甘味料に加えて、特定濃度のクエン酸を併用すると、前述の増強された異臭が抑制されることを初めて見いだした。これらの知見に基づき、本発明者らは本発明を完成するに至った。
また、その過程で本発明者らは、ヘスペリジンと高甘味度甘味料とクエン酸を併用すると、それぞれ僅かに有する異味が重なり、特に後味において特有の異味(エグ味)が感じられるという新規な課題(課題B)を発見した。本発明者らは、かかる特有の異味(エグ味)を改善する方法について検討を行ったところ、ヘスペリジンと高甘味度甘味料とクエン酸に加えて、4−ビニルグアヤコール(4VG)を併用すると、前述のエグ味が抑制されることを初めて見いだした。これらの知見に基づき、本発明者らは本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)飲料全量に対し0.02〜0.1重量%のヘスペリジンを含有する容器詰ヘスペリジン飲料において、飲料全量に対し0.3〜1.4重量%のクエン酸を含有させた容器詰ヘスペリジン含有飲料や、
(2)更に、高甘味度甘味料を含有する上記(1)に記載の容器詰ヘスペリジン含有飲料や、
(3)更に、4−ビニルグアヤコールを含有する上記(2)に記載の容器詰ヘスペリジン含有飲料に関する。
また、本発明は、
(4)飲料全量に対し0.02〜0.1重量%のヘスペリジンを含有する容器詰ヘスペリジン飲料の製造において、前記容器詰ヘスペリジン含有飲料に、飲料全量に対し0.3〜1.4重量%のクエン酸を含有させることを特徴とする容器詰ヘスペリジン含有飲料の製造方法や、
(5)容器詰ヘスペリジン含有飲料に、更に、高甘味度甘味料を含有させることを特徴とする上記(4)に記載の容器詰ヘスペリジン含有飲料の製造方法や、
(6)容器詰ヘスペリジン含有飲料に、更に、飲料全量に対し3〜100ppbの4−ビニルグアヤコールを含有させることを特徴とする上記(5)に記載の容器詰ヘスペリジン含有飲料の製造方法に関する。
さらに、本発明は、
(7)飲料全量に対し0.02〜0.1重量%のヘスペリジンを含有する容器詰ヘスペリジン飲料の製造において、前記容器詰ヘスペリジン含有飲料に、飲料全量に対し0.3〜1.4重量%のクエン酸を含有させることを特徴とする、容器詰ヘスペリジン含有飲料の異臭の抑制方法や、
(8)容器詰ヘスペリジン含有飲料に、更に、高甘味度甘味料を含有させることを特徴とする上記(7)に記載の容器詰ヘスペリジン含有飲料の異臭の抑制方法に関する。
また、本発明は、
(9)飲料全量に対し0.02〜0.1重量%のヘスペリジンと、飲料全量に対し0.3〜1.4重量%のクエン酸と、高甘味度甘味料とを含有する容器詰ヘスペリジン飲料の製造において、更に、飲料全量に対し3〜100ppbの4−ビニルグアヤコールを含有させることを特徴とする、ヘスペリジンと高甘味度甘味料とクエン酸を併用することにより生じる異味の抑制方法に関する。
本発明によれば、ヘスペリジンの異臭(絆創膏様の異臭)が抑制された容器詰ヘスペリジン含有飲料、及びその製造方法等を提供することができる。また、本発明によれば、ヘスペリジンと高甘味度甘味料を併用することによって増強されたヘスペリジンの異臭(絆創膏様の異臭)が抑制された容器詰ヘスペリジン含有飲料、及びその製造方法等を提供することができる。また、本発明によれば、ヘスペリジンと高甘味度甘味料とクエン酸を併用することにより生じた特有の異味(エグ味)が抑制された容器詰ヘスペリジン含有飲料、及びその製造方法等を提供することができる。
本発明は、
[1]飲料全量に対し0.02〜0.1重量%のヘスペリジンを含有する(又は添加された)容器詰ヘスペリジン飲料において、飲料全量に対し0.3〜1.4重量%のクエン酸を含有させた(又は添加した)容器詰ヘスペリジン含有飲料(以下、「本発明の容器詰飲料」とも表示する。);
[2]飲料全量に対し0.02〜0.1重量%のヘスペリジンを含有する(又は添加された)容器詰ヘスペリジン飲料の製造において、前記容器詰ヘスペリジン含有飲料に、飲料全量に対し0.3〜1.4重量%のクエン酸を含有させる(又は添加した)ことを特徴とする容器詰ヘスペリジン含有飲料の製造方法(以下、「本発明の製造方法」とも表示する。);
[3]飲料全量に対し0.02〜0.1重量%のヘスペリジンを含有する(又は添加された)容器詰ヘスペリジン飲料の製造において、前記容器詰ヘスペリジン含有飲料に、飲料全量に対し0.3〜1.4重量%のクエン酸を含有させる(又は添加した)ことを特徴とする、容器詰ヘスペリジン含有飲料の異臭の抑制方法(以下、「本発明の異臭の抑制方法」とも表示する。);
[4]飲料全量に対し0.02〜0.1重量%のヘスペリジンと、飲料全量に対し0.3〜1.4重量%のクエン酸と、高甘味度甘味料とを含有する(又は添加された)容器詰ヘスペリジン飲料の製造において、更に、飲料全量に対し3〜100ppbの4−ビニルグアヤコールを含有させる(又は添加した)ことを特徴とする、ヘスペリジンと高甘味度甘味料とクエン酸を併用することにより生じる異味の抑制方法(以下、「本発明の異味の抑制方法」とも表示する。);
を含む。
なお、本明細書において、「〜」で表された数値範囲には、特に言及がない限り、「〜」の両端の数値も当然含まれる。また、「含有」と「添加」は同義ではないが、本明細書には、本発明を説明する記載において、「含有」を「添加」に置き換えた発明も記載されているものとし、例えば、「含有する」との語句を「添加された」に置き換えた発明や、「含有させる」を「添加する」に置き換えた発明も記載されているものとする。
(ヘスペリジン)
本発明に用いるヘスペリジンは配糖体であっても非配糖体であってもよいが、水への溶解度が高く、飲料中に多くのヘスペリジンを含有できる点で、ヘスペリジンは配糖体であることが好ましい。ヘスペリジン非配糖体の例として、柑橘類から抽出精製したヘスペリジンが挙げられる。柑橘類の種類は、特に限定されるものでないが、みかん等が好適に用いられる。
ヘスペリジン配糖体の例として、上記のヘスペリジン非配糖体を酵素処理したものが挙げられる。酵素処理の種類は特に限定されるものでないが、ヘスペリジンの糖部分(ルチノース部分)の水酸基等に、糖転位酵素によってグルコースを付加すること等が汎用されている。
ヘスペリジン配糖体の種類は特に限定されるものでないが、より高い水溶性を有することから、グルコシルヘスペリジンであることが好ましく、モノグルコシルへスペリジンであることがより好ましい。
ヘスペリジン配糖体は市販されており、市販品として、林原ヘスペリジン(登録商標)S(林原社製)、αGヘスペリジン(東洋精糖社製)等が挙げられる。
本発明におけるヘスペリジンの使用量(飲料における含有量又は飲料への添加量)は、飲料全量に対し0.02〜0.1重量%である限り特に制限されないが、ヘスペリジンの異臭が増加し、本発明の意義がより大きくなる観点から、ヘスペリジンの使用量の下限として、好ましくは0.03重量%以上、より好ましくは0.05重量%以上が挙げられ、飲料の香味バランス等の観点から、ヘスペリジンの使用量の上限として、好ましくは0.07重量%以下が挙げられる。なお、ヘスペリジンの使用量に関する上限値と下限値とのすべての組合せは、本願明細書に開示されているものとする。
(クエン酸)
本発明に用いるクエン酸としては、食品に添加可能なクエン酸であればいずれのクエン酸であってもよく、また、クエン酸の塩であってもよい。クエン酸やその塩は、無水物であってもよいし、水和物であってもよい。クエン酸の塩としては、クエン酸のナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩等が挙げられ、ナトリウム塩、カリウム塩が好ましく挙げられ、ナトリウム塩がより好ましく挙げられる。本発明で用いるクエン酸の塩の好適な例として、クエン酸三ナトリウム、クエン酸一カリウム、クエン酸三カリウム、クエン酸カルシウムが挙げられ、中でも、クエン酸三ナトリウム、クエン酸一カリウム、クエン酸三カリウムが好ましく挙げられ、クエン酸三ナトリウムがより好ましく挙げられる。なお、本発明に用いるクエン酸は、1種類であっても2種類以上であってもよく、特に好ましい組合せとして、クエン酸(無水)とクエン酸三ナトリウムの組合せが挙げられる。なお、本発明のクエン酸含有酸性飲料中の「クエン酸濃度」は、飲料中のクエン酸及びクエン酸塩を、「クエン酸(無水物)」に換算して表示される。
クエン酸やその塩等は、市販されているものを用いることができる。
本発明におけるクエン酸の使用量(飲料における含有量又は飲料への添加量)は、飲料全量に対し0.3〜1.4重量%である限り特に制限されないが、ヘスペリジンの異臭に対する抑制効果をより十分に得る観点から、クエン酸の使用量の下限として、好ましくは0.4重量%以上、より好ましくは0.5重量%以上、さらに好ましくは0.6重量%以上が挙げられ、クエン酸の収斂味をよりわずかにとどめる観点から、クエン酸の使用量の上限として、好ましくは1.2重量%以下、より好ましくは1.0重量%以下、さらに好ましくは0.8重量%以下、より好ましくは0.6重量%以下が挙げられる。
本発明において、ヘスペリジンの使用量に対するクエン酸の使用量の重量比としては、3〜70である限り特に制限されないが、ヘスペリジンの異臭が増加し、本発明の意義がより大きくなることと、クエン酸の収斂味をよりわずかにとどめることのバランスの観点から、かかる重量比の下限値として、4、4.3、5.7、6、8が好ましく挙げられ、かかる重量比の上限値として、46.7、40、30、26.7、20が好ましく挙げられる。なお、クエン酸の使用量に関する上限値と下限値とのすべての組合せは、本願明細書に開示されているものとする。
(高甘味度甘味料)
本発明において、ヘスペリジンとクエン酸は必須成分として用いられる。一方、高甘味度甘味料は任意成分であり、必須成分に加えてさらに用いてもよいし用いなくてもよいが、本発明の効果をより多く享受する(すなわち、ヘスペリジンと高甘味度甘味料を併用することによって増強されたヘスペリジンの異臭を抑制するという本発明の効果の1つをさらに享受する)観点から、高甘味度甘味料をさらに用いることが好ましい。
本発明における高甘味度甘味料としては、天然高甘味度甘味料であっても、合成高甘味度甘味料であってもよく、例えば、スクラロース、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、サッカリン、サッカリンナトリウム、ステビア抽出物、ステビア末、酵素処理ステビア、ネオテーム、ソーマチン、グリチルリチン酸二ナトリウム、グリチルリチン酸三ナトリウム、グリチルリチン酸二カリウム及びタウマチンからなる群から選択される1種又は2種以上が挙げられる、中でも、スクラロース、アセスルファムカリウム、アスパルテームのうち1種又は2種以上を少なくとも含む高甘味度甘味料の組合せが好ましく挙げられ、中でも、ヘスペリジンの異臭がより強く増強され、本発明の意義がより高い点で、スクラロースを少なくとも含む高甘味度甘味料の組合せがより好ましく挙げられる。本発明に用いる高甘味度甘味料の好適な態様として、スクラロース、アセスルファムカリウム及びアスパルテームからなる群から選択される1種又は2種以上が挙げられ、中でも、スクラロースを少なくとも含む高甘味度甘味料の組合せ(すなわち、スクラロースとアセスルファムカリウムの組合せ、スクラロースとアスパルテームの組合せ、スクラロースとアセスルファムカリウムとアスパルテームの組合せ)が好ましく挙げられる。
本発明に用いる高甘味度甘味料は、市販されているものを用いてもよいし、公知の方法に従って製造したものを用いてもよい。また、本発明において用いる高甘味度甘味料は、目的の高甘味度甘味料を含む植物等の抽出物(例えば、ステビアであればステビア抽出物)を使用することもできる。
本発明において高甘味度甘味料を用いる場合、その使用量(飲料における含有量又は飲料への添加量)は、目的とする飲料の香味設計に応じて適宜設定することができるが、香味バランス等の観点から、高甘味度甘味料の合計の甘味度(同等の甘味を与えるショ糖水溶液濃度)が好ましくは0.6〜40、より好ましくは3〜15となるように調整することが好ましい。なお、高甘味度甘味料の使用量に関する上限値と下限値とのすべての組合せは、本願明細書に開示されているものとする。
(4−ビニルグアヤコール)
本発明において4VGは任意成分であるが、ヘスペリジンと高甘味度甘味料とクエン酸を併用する場合には、本発明の効果をより多く享受する(すなわち、ヘスペリジンと高甘味度甘味料とクエン酸を併用した場合に生じる、後味における異味を抑制するという、本発明の効果の1つをさらに享受する)観点から、4VGをさらに用いることが好ましい。
4−ビニルグアヤコール(4VG)は、焼酎を製造する際などに生成する香気成分であり、焼酎が熟成されるとバニリンに変化する物質である。4VGは高濃度では木クレオソート様の薬品臭を発揮することが知られている。
本発明に用いる4VGは、市販されているものを用いてもよいし、公知の方法に従って製造したものを用いてもよい。かかる製造方法としては、フェルラ酸をフェルラ酸脱炭酸酵素で処理することにより4VGを製造する方法が挙げられる。
本発明において4VGを用いる場合、その使用量(飲料における含有量又は飲料への添加量)は、目的とする飲料の香味設計に応じて適宜設定することができるが、香味バランス等の観点から、好ましくは3〜100ppb、より好ましくは5〜100ppb、さらに好ましくは10〜90ppbが挙げられる。なお、4VGの使用量に関する上限値と下限値とのすべての組合せは、本願明細書に開示されているものとする。
(ヘスペリジンの異臭の抑制)
本発明において、「ヘスペリジンの異臭(絆創膏様の異臭)が抑制された」容器詰ヘスペリジン含有飲料とは、クエン酸を含有させない(又は添加しない)こと、又は、クエン酸の含有量(又は添加量)を飲料全量に対し0.2重量%以下とすること以外は、同種の原料を同じ最終濃度になるように用いて同じ製法で製造した容器詰ヘスペリジン含有飲料(以下、「コントロール飲料A」とも表示する。)と比較して、ヘスペリジンの初発及び/又は後引きの異臭(絆創膏様の異臭)が抑制された(低下した)容器詰ヘスペリジン含有飲料を意味する。
ある容器詰ヘスペリジン含有飲料におけるヘスペリジンの異臭(絆創膏様の異臭)が、コントロール飲料Aと比較してどのようであるか(例えば、抑制されているかどうか)は、訓練されたパネラーであれば、容易かつ明確に決定することができる。評価の基準や、パネラー間の評価のまとめ方は、一般的な方法を用いることができ、例えば、後述の実施例の試験1に記載の評価基準(表2)等を用いた方法と同様の方法、好ましくは、後述の実施例の試験1に記載の評価基準(表2)等を用いた方法と同じ方法を好適に用いることができる。より具体的には、コントロール飲料Aにおけるヘスペリジンの初発及び/又は後引きの異臭(絆創膏様の異臭)を、後述の実施例の試験1に記載の評価基準(表2)を用いて評価した評価点と比較して、初発及び/又は後引きの異臭に関する評価点が向上している容器詰ヘスペリジン含有飲料は、ヘスペリジンの異臭が抑制された容器詰ヘスペリジン含有飲料に含まれる。
(増強されたヘスペリジンの異臭の抑制)
本発明において、「増強されたヘスペリジンの異臭(絆創膏様の異臭)が抑制された」容器詰ヘスペリジン含有飲料とは、クエン酸を含有させない(又は添加しない)こと、又は、クエン酸の含有量(又は添加量)を飲料全量に対し0.2重量%以下とすること以外は、同種の原料(少なくとも、ヘスペリジン、高甘味度甘味料を含む)を同じ最終濃度になるように用いて同じ製法で製造した容器詰ヘスペリジン含有飲料(以下、「コントロール飲料B」とも表示する。)と比較して、ヘスペリジンの初発及び/又は後引きの異臭(絆創膏様の異臭)が抑制された(低下した)容器詰ヘスペリジン含有飲料を意味する。
高甘味度甘味料を含有する、ある容器詰ヘスペリジン含有飲料におけるヘスペリジンの異臭(絆創膏様の異臭)が、コントロール飲料Bと比較してどのようであるか(例えば、抑制されているかどうか)は、訓練されたパネラーであれば、容易かつ明確に決定することができる。評価の基準や、パネラー間の評価のまとめ方は、一般的な方法を用いることができ、例えば、後述の実施例の試験1に記載の評価基準(表2)等を用いた方法と同様の方法、好ましくは、後述の実施例の試験1に記載の評価基準(表2)等を用いた方法と同じ方法を好適に用いることができる。より具体的には、コントロール飲料Bにおけるヘスペリジンの初発及び/又は後引きの異臭(絆創膏様の異臭)を、後述の実施例の試験1に記載の評価基準(表2)を用いて評価した評価点と比較して、初発及び/又は後引きの異臭に関する評価点が向上している容器詰ヘスペリジン含有飲料は、増強されたヘスペリジンの異臭が抑制された容器詰ヘスペリジン含有飲料に含まれる。
(ヘスペリジンと高甘味度甘味料とクエン酸を併用することにより生じた特有の異味(エグ味)の抑制)
本発明において、「ヘスペリジンと高甘味度甘味料とクエン酸を併用することにより生じた特有の異味(エグ味)が抑制された」容器詰飲料ヘスペリジン含有飲料とは、4VGを含有させない(又は添加しない)こと以外は、同種の原料(少なくとも、ヘスペリジン、高甘味度甘味料及びクエン酸を含む)を同じ最終濃度になるように用いて同じ製法で製造した容器詰ヘスペリジン含有飲料(以下、「コントロール飲料C」とも表示する。)と比較して、上記の異味(エグ味)が抑制された(低下した)容器詰ヘスペリジン含有飲料を意味する。
ある容器詰ヘスペリジン含有飲料における上記異味(エグ味)が、コントロール飲料Cと比較してどのようであるか(例えば、抑制されているかどうか)は、訓練されたパネラーであれば、容易かつ明確に決定することができる。評価の基準や、パネラー間の評価のまとめ方は、一般的な方法を用いることができ、例えば、後述の実施例の試験3に記載の評価基準(表12)等を用いた方法と同様の方法、好ましくは、後述の実施例の試験3に記載の評価基準(表12)等を用いた方法と同じ方法を好適に用いることができる。より具体的には、コントロール飲料Cにおける上記異味(エグ味)を、後述の実施例の試験3に記載の評価基準(表12)を用いて評価した評価点と比較して、その評価点が向上している容器詰ヘスペリジン含有飲料は、上記異味(エグ味)が抑制された容器詰ヘスペリジン含有飲料に含まれる。
<本発明の容器詰飲料>
本発明の容器詰飲料としては、飲料全量に対し0.02〜0.1重量%のヘスペリジンを含有する容器詰ヘスペリジン飲料において、飲料全量に対し0.3〜1.4重量%のクエン酸を含有させた容器詰ヘスペリジン含有飲料である限り特に制限されない。本発明の容器詰飲料は、飲料全量に対し、0.02〜0.1重量%のヘスペリジンと0.3〜1.4重量%のクエン酸を含有すること以外は、用いる製造原料、製造方法並びに製造条件において、通常の容器詰飲料と特に相違する点はない。
本発明の容器詰飲料は、任意成分として、高甘味度甘味料をさらに含有していなくてもよいが、本発明の効果をより多く享受する(すなわち、ヘスペリジンと高甘味度甘味料を併用することによって増強されたヘスペリジンの異臭を抑制するという本発明の効果の1つをさらに享受する)観点から、高甘味度甘味料をさらに含有していることが好ましい。
本発明の容器詰飲料は、任意成分として、4VGをさらに含有していなくてもよいが、本発明の効果をより多く享受する(すなわち、ヘスペリジンと高甘味度甘味料とクエン酸を併用した場合に生じる、後味における異味を抑制するという、本発明の効果の1つをさらに享受する)観点から、4VGをさらに含有していることが好ましい。
本発明の容器詰飲料は、必須成分であるヘスペリジン及びクエン酸の他、任意成分として、高甘味度甘味料、4VG、pH調整剤、乳化成分、着色成分、酸味成分、香料、果汁、野菜汁、ハーブ、ビタミン類、ミネラル類、ハーブ成分等を含有していてもよい。
本発明の容器詰飲料における必須成分や任意成分の含有量(濃度)は、例えばHPLC法、GC−MS法、LC−MS法などの公知の方法を適用することにより測定することができる。なお、本発明におけるヘスペリジンのうち、好適なヘスペリジンであるモノグルコシルヘスペリジンの含有量(濃度)の測定法について以下に説明する。
測定対象飲料を水/アセトニトリル/酢酸混液(80:20:0.01)で適宜希釈し、試料溶液とすることができる。定量に用いる標準溶液としては、乾燥したモノグルコシルヘスペリジン標準品を水/アセトニトリル/酢酸混液(80:20:0.01)で溶解した溶液を用いることができる。前述の試料溶液と前述の標準溶液を、0.45μmのメンブレンフィルターでろ過し、10μLを分取して、以下の条件で液体クロマトグラフィーを行うことができる。
[HPLC条件]
・カラム:CapcellpakC18 UG120 4.6mm×250mm(資生堂製)を用いた。
・移動相:水/アセトニトリル/酢酸混液(80:20:0.01)
・流速:0.7mL/min
・カラム温度:40℃
・検出:測定波長280nmの紫外吸光光度計
本発明の容器詰飲料のpHとしては、6.5以下であることが好ましく、2.0〜4.5であることがより好ましく、3.0〜4.0であることがさらに好ましい。飲料のpHが前記範囲であると、香味を損なうことなくほどよい酸味を与えることができる。pHの調製は、pH調整剤の添加等、公知の方法を用いて行うことができる。
本発明の容器詰飲料の種類としては特に制限されず、例えば、アルコール飲料であっても、非アルコール飲料であってもよいが、非アルコール飲料であることが好ましい。非アルコール飲料としては、茶系飲料、野菜飲料、果汁飲料、炭酸飲料(好ましくは非アルコールビールテイスト飲料及び非アルコールチューハイテイスト飲料を除く)、コーヒー飲料、機能性飲料、スポーツドリンク、ニアウォーター、乳飲料、乳酸菌飲料等が挙げられる。
本発明の容器詰飲料は、加熱殺菌処理を経ていなくてもよいが、保存性向上の観点から、加熱殺菌処理を経ていることが好ましい。
本発明の容器詰飲料における容器としては、ペットボトル、ポリプロピレンボトル、ポリ塩化ビニルボトル等の樹脂ボトル容器;ビン容器;缶容器;等の容器が挙げられる。
<本発明の製造方法>
本発明の容器詰飲料は、飲料全量に対し、0.02〜0.1重量%のヘスペリジンと0.3〜1.4重量%のクエン酸を含有させること以外は、従来公知の容器詰飲料の製造方法にしたがって製造することができる。本発明の製造方法としては、飲料全量に対し0.02〜0.1重量%のヘスペリジンを含有する容器詰ヘスペリジン飲料の製造において、前記容器詰ヘスペリジン含有飲料に、飲料全量に対し0.3〜1.4重量%のクエン酸を含有させる方法が挙げられ、より具体的には、飲料全量に対し0.02〜0.1重量%のヘスペリジンを含有する容器詰ヘスペリジン飲料の製造に際して、前記容器詰ヘスペリジン飲料の製造原料(例えば、「水」、「ヘスペリジンを含有する水」、あるいは「これら2種のいずれかの水に、任意成分の一部又は全部をさらに含有させた水」)に、飲料全量に対し0.3〜1.4重量%のクエン酸を含有させる方法が挙げられる。あるいは、上記特定量のクエン酸を、上記特定量のヘスペリジンと同時に水等に含有させる方法や、上記特定量のクエン酸と上記特定量のヘスペリジンをあらかじめ混合した後、水等に含有させる方法も挙げられる。
本発明の製造方法としては、任意成分として、高甘味度甘味料をさらに含有させなくてもよいが、本発明の効果をより多く享受する(すなわち、ヘスペリジンと高甘味度甘味料を併用することによって増強されたヘスペリジンの異臭を抑制するという本発明の効果の1つをさらに享受する)観点から、高甘味度甘味料をさらに含有させることが好ましい。
本発明の製造方法としては、任意成分として、4VGをさらに含有させなくてもよいが、本発明の効果をより多く享受する(すなわち、ヘスペリジンと高甘味度甘味料とクエン酸を併用した場合に生じる、後味における異味を抑制するという、本発明の効果の1つをさらに享受する)観点から、4VGをさらに含有させることが好ましい。
本発明の製造方法においては、必須成分であるヘスペリジン及びクエン酸の他、任意成分として、高甘味度甘味料、4VG、pH調整剤、乳化成分、着色成分、酸味成分、香料、果汁、野菜汁、ハーブ、ビタミン類、ミネラル類、ハーブ成分等を含有させてもよい。
かかる製造方法においては、用いる製造原料を含有する、本発明の容器詰飲料を製造し得る限り、製造原料を含有させる(例えば添加する)順序等は特に制限されない。製造原料が混合されている液を調製した後、容器に充填して密封し、本発明の容器詰飲料を得ることができる。加熱殺菌処理は行わなくてもよいが、保存性向上の観点から、加熱殺菌処理を行うことが好ましい。加熱殺菌処理する方法としては、特に制限されず、例えば、高温短時間殺菌法(HTST法)、パストライザー殺菌法、超高温加熱処理法(UHT法)等を挙げることができる。
本発明の製造方法において、本発明の容器詰飲料のpHを調整しなくてもよいが、香味を損なうことなくほどよい酸味を与える観点から、飲料のpHを6.5以下、好ましくは2.0〜4.5、より好ましくは3.0〜4.0に調整することが好ましい。pHの調製は、pH調整剤の添加等、公知の方法を用いて行うことができる。
<本発明の異臭の抑制方法>
本発明の「容器詰ヘスペリジン含有飲料の異臭の抑制方法」としては、飲料全量に対し0.02〜0.1重量%のヘスペリジンを含有する容器詰ヘスペリジン飲料の製造において、前記容器詰ヘスペリジン含有飲料に、飲料全量に対し0.3〜1.4重量%のクエン酸を含有させることを含んでいる限り特に制限されない。飲料全量に対し0.02〜0.1重量%のヘスペリジンを含有する容器詰ヘスペリジン飲料の製造において、前記容器詰ヘスペリジン含有飲料に、飲料全量に対し0.3〜1.4重量%のクエン酸を含有させる方法は、上記の<本発明の製造方法>に記載した方法と同様の方法を用いることができる。
<本発明の異味の抑制方法>
本発明の「ヘスペリジンと高甘味度甘味料とクエン酸を併用することにより生じる異味の抑制方法」としては、飲料全量に対し0.02〜0.1重量%のヘスペリジンと、飲料全量に対し0.3〜1.4重量%のクエン酸と、高甘味度甘味料とを含有する容器詰ヘスペリジン飲料の製造において、更に、4−ビニルグアヤコールを含有させることを含んでいる限り特に制限されない。飲料全量に対し0.02〜0.1重量%のヘスペリジンと、飲料全量に対し0.3〜1.4重量%のクエン酸と、高甘味度甘味料とを含有する容器詰ヘスペリジン飲料の製造において、更に、4−ビニルグアヤコールを含有させる方法は、上記の<本発明の製造方法>に記載した方法であって、4VGをさらに含有させる態様と同様の方法を用いることができる。
以下に、本発明を実施例によって詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
試験1[ヘスペリジンの異臭、及び、その異臭に高甘味度甘味料が与える影響]
ヘスペリジンの異臭、及び、その異臭に高甘味度甘味料が与える影響を以下の実験により調べた。
(飲料の調製)
以下の表1に示すとおりに、ヘスペリジンと、高甘味度甘味料又はショ糖とを配合し、試験区1〜5の各サンプル飲料を調製した。試験区2〜5のサンプル飲料の高甘味度甘味料やショ糖の配合量は、甘味度(同等の甘味を与えるショ糖水溶液濃度)がいずれも7.3となるように設定した。いずれのサンプル飲料も、リン酸でpHを3.2に調整した。
(官能評価)
調製した各サンプル飲料の異臭に関する官能評価は、訓練されたパネリスト5名によって以下の表2の基準で行った。異臭は、サンプル飲料を口内に入れたときの始めの異臭(初発)と、サンプル飲料を飲んだ後に口内に残る異臭(後引き)とを分けて評価した。最も多数のパネラーが示した結果を、その試験区のその異臭の評価として採用した。
表1の各サンプル飲料について官能評価を行った結果を、上記表1の「異臭(初発)」、「異臭(後引き)」の項目に示す。表1の結果から分かるように、高甘味度甘味料、ショ糖のいずれも配合していない試験区1では、ヘスペリジンの異臭(初発)の評価は「3」(絆創膏様の異臭を感じる)であるものの、異臭(後引き)の評価は「7」(絆創膏様の異臭を全く感じない)であった。それに対し、高甘味度甘味料を配合した試験区2〜4では、異臭(初発)、異臭(後引き)共に、「2」(絆創膏様の異臭を強く感じる)あるいは「1」絆創膏様の異臭を非常に強く感じる)となった。このことから、高甘味度甘味料を併用するとヘスペリジンの異臭が、初発、後引き、共に増強され、特に、後引きで増強される程度が高い(評価「7」から、「2」又は「1」へ)ことが示された。一方、ショ糖を配合した試験区5では、異臭(初発)は評価「5」(絆創膏様の異臭を僅かに感じる)、異臭(後引き)は評価「7」(絆創膏様の異臭を全く感じない)となり、高甘味度甘味料を配合した場合とは逆に、ヘスペリジンの異臭の程度は低下することが示された。
表1の結果から、ヘスペリジンと高甘味度甘味料を併用すると、ヘスペリジンの異臭が初発、後引きのいずれでも増強されること、特に、後引きで異臭が増強される程度が高く、異臭が持続的に感じられてしまうことが示された。これらのことは、これまでに知られておらず、本発明者らが初めて見いだした事項である。
試験2[ヘスペリジン及び高甘味度甘味料の併用により増強された異臭に、クエン酸が与える影響]
ヘスペリジンと高甘味度甘味料の併用により増強された異臭に、クエン酸が与える影響を以下の実験により調べた。
(飲料の調製)
以下の表3〜7に示すとおりに、ヘスペリジン、高甘味度甘味料、クエン酸を配合し、試験区6〜25の各サンプル飲料を調製した。いずれのサンプル飲料も、リン酸でpHを3.2に調整した。高甘味度甘味料としては、市販の飲料で比較的よく用いられるスクラロースとアセスルファムカリウムを用い、それらの配合量は、サンプル飲料の甘味度が7.3となるように設定した。なお、表3の試験区6、7、8、9の配合に0.2重量%のクエン酸を添加したものが、それぞれ表4の試験区10、11、12、13であり、表3の試験区6、7、8、9の配合に0.4重量%のクエン酸を添加したものが、表5のそれぞれ試験区14、15、16、17であり、表3の試験区6、7、8、9の配合に0.6重量%のクエン酸を添加したものが、表6のそれぞれ試験区18、19、20、21であり、表3の試験区6、7、8、9の配合に1.5重量%のクエン酸を添加したものが、表7のそれぞれ試験区22、23、24、25である。
(官能評価)
調製した試験区6〜25のサンプル飲料の官能評価を、上記試験1に記載の方法で行った。その結果を、上記表3〜7の「異臭(初発)」、「異臭(後引き)」の項目に示す。
表3の結果から分かるように、ヘスペリジンの濃度が高くなるにしたがって、ヘスペリジンの異臭が、初発、後引き、共に増強されることが示された。
また、ヘスペリジンが同濃度の試験区を、表3(クエン酸非添加)と表4(クエン酸濃度0.2重量%)で比較すると分かるように、0.2重量%となるようにクエン酸を添加しても、異臭(初発)、異臭(後引き)共に、評価は変わらなかった。それに対し、ヘスペリジンが同濃度の試験区を、表3(クエン酸非添加)と表5(クエン酸濃度0.4重量%)で比較すると分かるように、0.4重量%となるようにクエン酸を添加すると、ヘスペリジン濃度が0.02重量%以上である試験区で、異臭(初発)、異臭(後引き)共に、評価が改善した。また、ヘスペリジンが同濃度の試験区を、表3(クエン酸非添加)と表6(クエン酸濃度0.6重量%)、あるいは、表3(クエン酸非添加)と表7(クエン酸濃度1.5重量%)で比較すると分かるように、0.6重量%又は1.5重量%となるようにクエン酸を添加した場合も、ヘスペリジン濃度が0.02重量%以上である試験区で、異臭(初発)、異臭(後引き)共に、評価が改善した。ただ、クエン酸濃度が1.5重量%である試験区22〜25(表7)は、クエン酸による収斂味が非常に強く、飲用に適さない香味であった。
表3〜7の結果から以下のことが示された;
高甘味度甘味料と併用する場合のヘスペリジンの異臭の問題は、ヘスペリジン濃度が0.02重量%以上で生じること;
一定濃度以上(例えば0.3重量%以上、好ましくは0.4重量%以上)のクエン酸が、高甘味度甘味料によって後引きされた、ヘスペリジンの異臭に対して抑制作用を有すること;
高甘味度甘味料によって後引きされた、ヘスペリジンの異臭に対する抑制作用と、クエン酸による収斂味を併せ考慮すると、クエン酸濃度は0.3〜1.4重量%の範囲内が好ましく、0.4〜1.2重量%の範囲内がより好ましいこと;
高甘味度甘味料によって後引きされた、ヘスペリジンの異臭に対する抑制作用を考慮すると、クエン酸濃度の下限は、好ましくは0.4重量%以上、より好ましくは0.5重量%以上、さらに好ましくは0.6重量%以上であること。
クエン酸の収斂味をよりわずかにとどめる観点から、クエン酸の使用量の上限は、好ましくは1.2重量%以下、より好ましくは1.0重量%以下、さらに好ましくは0.8重量%以下、より好ましくは0.6重量%以下が挙げられる。
また、クエン酸濃度が0.6重量%である試験区19〜21、及びクエン酸濃度が0.4重量%である試験区15〜17においては、強い収斂味こそ感じないが、クエン酸とヘスペリジンと高甘味度甘味料がそれぞれ僅かに有する異味が重なり、特に後味において特有の異味(エグ味)が感じられることが分かった。
試験3[ヘスペリジン、クエン酸及び高甘味度甘味料の併用による異味に、4VGが与える影響]
ヘスペリジン、クエン酸及び高甘味度甘味料を併用することにより生じる特有の異味(エグ味)(以下、単に「異味」とも表示する。)に、4VG(4−ビニルグアヤコール)が与える影響を以下の実験により調べた。
(飲料の調製)
以下の表8〜11に示すとおりに、ヘスペリジン、高甘味度甘味料、クエン酸を配合し、試験区19〜21、26〜34の各サンプル飲料を調製した。いずれのサンプル飲料も、リン酸でpHを3.2に調整した。高甘味度甘味料としては、市販の飲料で比較的よく用いられるスクラロースとアセスルファムカリウムを用い、それらの配合量は、サンプル飲料の甘味度が7.3となるように設定した。なお、表8の試験区19、20、21の配合に5ppbの4VGを添加したものが、それぞれ表9の試験区26、27、28であり、表8の試験区19、20、21の配合に50ppbの4VGを添加したものが、それぞれ表10の試験区29、30、31であり、表8の試験区19、20、21の配合に90ppbの4VGを添加したものが、それぞれ表11の試験区32、33、34である。
(官能評価)
調製した試験区19〜21、26〜34のサンプル飲料の異臭に関する官能評価を、上記試験1に記載の方法で行った。また、試験区19〜21、26〜34のサンプル飲料の異味に関する官能評価を、訓練されたパネリスト5名によって以下の表12の基準で行った。最も多数のパネラーが示した結果を、その試験区の異味の評価として採用した。
表8〜11の各サンプル飲料について、異臭、異味について官能評価を行った結果を、上記表8、9の「異臭(初発)」、「異臭(後引き)」の項目及び「異味」の項目にそれぞれ示す。
ヘスペリジンが同濃度の試験区を、表8(4VG非添加)と、表9(5ppbの4VG添加)と、表10(50ppbの4VG添加)と、表11(90ppbの4VG添加)で比較すると分かるように、いずれの濃度の4VGを添加した場合であっても、異味の評価が改善した。このことから、ヘスペリジン、クエン酸及び高甘味度甘味料を併用することにより生じる異味に対して、4VGが抑制作用を有することが示された。また、かかる異味を抑制するための4VGの好ましい濃度としては、3〜100ppbが好ましく、5〜100ppbがより好ましく、10〜90ppbがより好ましいことが示された。
本発明によれば、ヘスペリジンの異臭(絆創膏様の異臭)が抑制された容器詰ヘスペリジン含有飲料、及びその製造方法等を提供することができる。また、本発明によれば、ヘスペリジンと高甘味度甘味料を併用することによって増強されたヘスペリジンの異臭(絆創膏様の異臭)が抑制された容器詰ヘスペリジン含有飲料、及びその製造方法等を提供することができる。また、本発明によれば、ヘスペリジンと高甘味度甘味料とクエン酸を併用することにより生じた特有の異味(エグ味)が抑制された容器詰飲料ヘスペリジン含有飲料、及びその製造方法等を提供することができる。

Claims (9)

  1. 飲料全量に対し0.02〜0.1重量%のヘスペリジンを含有する容器詰ヘスペリジン飲料において、飲料全量に対し0.3〜1.4重量%のクエン酸を含有させた容器詰ヘスペリジン含有飲料。
  2. 更に、高甘味度甘味料を含有する請求項1に記載の容器詰ヘスペリジン含有飲料。
  3. 更に、4−ビニルグアヤコールを含有する請求項2に記載の容器詰ヘスペリジン含有飲料。
  4. 飲料全量に対し0.02〜0.1重量%のヘスペリジンを含有する容器詰ヘスペリジン飲料の製造において、前記容器詰ヘスペリジン含有飲料に、飲料全量に対し0.3〜1.4重量%のクエン酸を含有させることを特徴とする容器詰ヘスペリジン含有飲料の製造方法。
  5. 容器詰ヘスペリジン含有飲料に、更に、高甘味度甘味料を含有させることを特徴とする請求項4に記載の容器詰ヘスペリジン含有飲料の製造方法。
  6. 容器詰ヘスペリジン含有飲料に、更に、飲料全量に対し3〜100ppbの4−ビニルグアヤコールを含有させることを特徴とする請求項5に記載の容器詰ヘスペリジン含有飲料の製造方法。
  7. 飲料全量に対し0.02〜0.1重量%のヘスペリジンを含有する容器詰ヘスペリジン飲料の製造において、前記容器詰ヘスペリジン含有飲料に、飲料全量に対し0.3〜1.4重量%のクエン酸を含有させることを特徴とする、容器詰ヘスペリジン含有飲料の異臭の抑制方法。
  8. 容器詰ヘスペリジン含有飲料に、更に、高甘味度甘味料を含有させることを特徴とする請求項7に記載の容器詰ヘスペリジン含有飲料の異臭の抑制方法。
  9. 飲料全量に対し0.02〜0.1重量%のヘスペリジンと、飲料全量に対し0.3〜1.4重量%のクエン酸と、高甘味度甘味料とを含有する容器詰ヘスペリジン飲料の製造において、更に、飲料全量に対し3〜100ppbの4−ビニルグアヤコールを含有させることを特徴とする、ヘスペリジンと高甘味度甘味料とクエン酸を併用することにより生じる異味の抑制方法。
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