JP2000236856A - 柑橘系果汁ならびに果汁飲料の製造方法 - Google Patents

柑橘系果汁ならびに果汁飲料の製造方法

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】pH3〜10の領域で結晶あるいは沈澱となっ
ているヘスペリジンおよびナリジン等のフラボノイド等
を可溶化し、沈澱のない柑橘果汁飲料を提供する。 【解決手段】ヘスペリジン配糖体を柑橘果汁飲料に添加
し、加熱処理することにより、フラボノイド化合物の大
部分を溶解する。保存中に再結晶化することがない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヘスペリジン配糖
体を柑橘果汁ならびに果汁飲料(以下、柑橘果汁飲料と
称する)に添加したのち、加熱することにより柑橘果汁
中に含まれるフラボノイドを可溶化する方法及び可溶化
したフラボノイドを高濃度含む柑橘果汁飲料の製造方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来からビタミンPには、高血圧、アレ
ルギー、ガン、高コレステロール症、高脂血症などの予
防ならびに治療といった様々な生理活性があることが知
られている。ビタミンPとして知られているヘスペリジ
ン及びルチン等、並びに、ナリンジン、ネオヘスペリジ
ン等のフラボノイド類はpH3〜10の領域で難溶性で
あることから、柑橘果汁飲料では沈澱物として生じるた
め見栄えの悪さや、消費者が異物と判断しクレームの原
因になるという問題点があった。
【0003】このため、各種の有用な生理活性を有しな
がら、柑橘果汁飲料においては不要物として除去してか
ら製品化されることすらあった。溶解度が低いため、柑
橘果汁飲料中にパルプ等とともに浮遊、沈澱物として存
在するフラボノイド類結晶、並びに保存中に析出するフ
ラボノイド類は、当該業者にとって悩みの種であった。
【0004】そこで溶解性を改良するためにこのような
フラボノイド類に糖を転移させたフラボノイド糖転移物
が開発されている。フラボノイド糖転移物に関する特許
(特開平8−80177及び特開平03−7593)で
ヘスペリジン配糖体をヘスペリジンが溶解している水溶
液、缶詰シロップおよびみかん果汁に添加する事によっ
てヘスペリジン結晶の析出を防止する方法が書かれてい
るが、いずれも溶解しているヘスペリジンが溶解度の低
さゆえに結晶化し析出することを防止しようとするもの
であり、すでに結晶あるいは沈澱となっているヘスペリ
ジンを溶解させようというものではなかった。事実、ヘ
スペリジン配糖体をヘスペリジン結晶沈澱を含む液に添
加しても既に結晶沈澱となったヘスペリジンが新たに溶
解することはなかった。したがって工業的に見れば生
産、出荷の段階で溶存しているヘスペリジンなどのフラ
ボノイドが流通段階で沈澱することを防ぐことはできた
が、溶解度が低いため生産、出荷の段階ですでに析出し
ているヘスペリジンなどのフラボノイドについてはなん
ら対処できるものではなかった。
【0005】
【本発明が解決しようとする課題】上記の方法では、結
晶あるいは沈澱となっているヘスペリジン及びナリンジ
ン等のフラボノイドを一旦溶解させる方法としては、特
開平8−80177及び特開平03−7593で述べら
れているようにアルカリ性にする方法や加熱する方法が
とられていた。しかしながらアルカリ性にする事は食品
産業上好ましくなく、また加熱によりヘスペリジン等の
フラボノイドを溶解しようとすると、果汁本来の味質や
香りを損なう。加熱によりフラボノイドを溶解させる場
合、95℃で5分間加熱処理しても全ヘスペリジンの約
60%程度しか溶解しない(日本食品工業学会誌32巻
第5号344頁)。これ以上の過激な加熱条件では仮に
ヘスペリジンを溶解させることができたとしても味質や
香りが飲用に耐えなくなるほか、着色がひどく見た目に
も劣るようになる。したがって、より温和な条件でヘス
ペリジンを溶解させることが望まれていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】本願発明者は鋭意研究の
結果、ヘスペリジン配糖体を柑橘果汁飲料に添加したう
えで加熱処理することにより果汁飲料中に含まれるヘス
ペリジン及びナリンジン等のフラボノイド化合物の大部
分を溶解する方法を発明した。
【0007】本発明にいうフラボノイドとは、ビタミン
Pとして知られているヘスペリジン及びルチン等、並び
に、ナリンジン、ネオヘスペリジン及びジオスミン等
で、いずれも難溶性である。またヘスペリジン配糖体と
は、例えば特開平05−256141によって調製され
るヘスペリジンにブドウ糖が1から20個程度結合した
化合物をいい、混合物であってもあるいは特定の重合度
のブドウ糖が結合した1種類の精製されたヘスペリジン
配糖体であってもよい。すなわち以下のような条件で調
製される。
【0008】糖供与体として可溶性澱粉を5重量%、及
び受容体としてヘスペリジンを0.5重量%含有するp
H9.5の基質溶液に、例えばAlkalophilic Bacillus
sp. A2-5a(工業技術院生命工学工業技術研究所受託番
号p−13864)の生産するアルカリ耐性のサイクロ
デキストリングルカノトランスフェラーゼ(以下「CG
Tase」という)すなわち1,4-α-D-Glucan:4-α-D-
(1,4-glucano)-transferase(E.C.2.4.1.19)を2ユニッ
ト/mlとなるように加えて、40度で反応を開始させ
た。16時間の反応後、100度で10分間の加熱等に
より、反応を停止させた。ここでは、ヘスペリジンの溶
解性を上げるために、pH9.5というアルカリ性領域
で反応を行っているが、この方法以外に、ヘスペリジン
の溶解性を上げて生産性を高める方法として、β−サイ
クロデキストリン(以下β−CDという)を反応液中に
添加し、β−CDとヘスペリジンを包接させる方法、メ
チルセルロース等の増粘多糖類を添加して、ヘスペリジ
ンを可溶化させる方法などがある。またこれらの方法を
組み合わせる事により、ヘスペリジンの溶解度を高める
事ができる。酵素反応を行った液は、凍結乾燥、噴霧乾
燥等の操作により粉末化でき、このように調製されたヘ
スペリジン配糖体は、反応液に添加したヘスペリジンの
70〜80%が配糖化されている。したがって、ヘスペ
リジン配糖体としての純度は、添加する酵素量、糖供与
体及び受容体濃度等で変わってくるが、通常2〜50%
程度であり、未反応のヘスペリジン及びデキストリンを
含んでいる。このようにして製造されたヘスペリジン配
糖体は、ヘスペリジン1分子にグルコースが1から20
程度結合した物質の混合物である。
【0009】ヘスペリジン配糖体はビタミンPとしての
生理効果はヘスペリジンと同じで、むしろ溶解度の高さ
のため生体への吸収効率は飛躍的に高くなっている。従
来、生理効果が期待されながら柑橘果汁飲料中では不要
物で除去するしかなかったフラボノイドの結晶沈澱を溶
解させ、ビタミンPとして利用することがヘスペリジン
配糖体によって可能である。
【0010】ヘスペリジン配糖体の柑橘果汁飲料への添
加方法は特別なものである必要はない。ヘスペリジン配
糖体を粉末状態あるいは水溶液として柑橘果汁、柑橘果
汁飲料及びその原料に混合すればよい。
【0011】加熱方法は特別なものである必要はない。
しかし、味質や香り、色などをできるだけ本来のものに
近くするためには、95℃で数秒から10分程度を限度
として行うことが望ましい。加熱温度がこれ以下で行う
場合は、加熱時間をいくぶん長くすることによって目的
を達成できる。必要に応じて、加熱温度と加熱時間を組
み合せれば良い。
【0012】ここで言う柑橘果汁とは、例えば平凡社版
「大百科辞典」(1985年版)に「柑橘類」として記
載されているものの果汁をさす。つまり分類学上はミカ
ン属、キンカン属及びカラタチ属に属し、ミカン科植物
の総称である。この中には、温州ミカン、夏みかん、オ
レンジ、ブンタン、グレープフルーツ、レモン、八朔、
伊予柑、キンカン、ポンカン等がある。つまり柑橘果汁
とは上記の柑橘類の果汁を含むものであって単独であっ
ても、数種類の柑橘類の果汁を混合したものであっても
よい。
【0013】従来、溶解度が低いため保存中に析出しや
すいフラボノイドを析出させないためにヘスペリジン配
糖体を添加する技術は報告されていたが、すでに析出し
ているフラボノイドを、ヘスペリジン配糖体を共存させ
ることにより、温和な加熱条件で溶解させることができ
るという事実は報告がなかった。本願技術により、結晶
のフラボノイドをふくんだまま出荷せざるを得ず、保存
中に沈澱の生成(通常全フラボノイドの半量以上)が必
然だった柑橘果汁製品を、ほぼ完全に(90%以上)フ
ラボノイドを溶解させた状態で出荷することが可能とな
った。このようにして製造された柑橘果汁製品は、保存
中に結晶のフラボノイドが析出することがほとんどなか
った。
【0014】
【実施例】(実施例1)ブラジル産濃縮オレンジ果汁
(6倍濃縮液, Bx62)を蒸留水で6倍(w/w)
希釈し,果汁含有率100%オレンジ果汁飲料を作製し
た.このオレンジ果汁飲料中にヘスペリジン配糖体を
0、0.017、0.030、0.043、0.086
%(w/v)となるように添加した後,プレート殺菌機
を用いて93℃で10秒間加熱した. ついでペットボ
トル(1500ml)に瓶詰めし,ただちに1ml分取
した。分取したオレンジ果汁飲料を遠心分離(1200
0回転で2分間)し上清中のヘスペリジン量つまり溶存
ヘスペリジン量をHPLCで測定した。加熱前には全ヘ
スペリジン量の24%が溶解している。加熱により溶存
ヘスペリジン量は増加するものの、ヘスペリジン配糖体
無添加のサンプルでは全ヘスペリジン量の約50%が溶
解しているのみである。しかしながらヘスペリジン配糖
体を添加したうえで加熱することにより溶存ヘスペリジ
ン量が増加し、0.03%以上添加すれば全ヘスペリジ
ンの90%以上が溶解していた。その結果を図1に示
す。HPLCの条件は以下に示す。 HPLCの条件 カラム;ODSカラム(4.6×250mm,メルク社
製),溶媒;アセトニトリル−水(20:80,v/
v),流速;0.5ml/minカラム温度;40℃,
検出;280nm.
【0015】(実施例2)ブラジル産濃縮オレンジ果汁
(6倍濃縮液, Bx62)を蒸留水で12倍(w/
w)希釈し,果汁含有率50%オレンジ果汁飲料を作製
した.クエン酸濃度は、0.3g/100ml,Bx1
0(蔗糖にて)に調整した。このオレンジ果汁飲料中に
ヘスペリジン配糖体を0、0.017、0.030、
0.043、0.086%(w/v)となるように添加
した後,プレート殺菌機を用いて93℃まで加熱した。
ついでペットボトル(1500ml)に瓶詰めし,ただ
ちに1ml分取した。分取したオレンジ果汁飲料を遠心
分離(12000回転で2分間)し上清中のヘスペリジ
ン量つまり溶存ヘスペリジン量をHPLCで測定した。
加熱前には全ヘスペリジン量の24%が溶解している。
加熱により溶存ヘスペリジン量は増加するものの、ヘス
ペリジン配糖体無添加のサンプルでは全ヘスペリジン量
の約50%が溶解しているのみである。しかしながらヘ
スペリジン配糖体を添加したうえで加熱することにより
溶存ヘスペリジン量が増加し、0.03%以上添加すれ
ば全ヘスペリジンの90%以上が溶解していた。その結
果を図2に示す。
【0016】(実施例3)ブラジル産濃縮オレンジ果汁
(6倍濃縮液, Bx62)を蒸留水で20倍(w/
w)希釈し,果汁含有率30%オレンジ果汁飲料を作製
した。クエン酸濃度は、0.3g/100ml,Bx1
0(蔗糖にて)に調整した。このオレンジ果汁飲料中に
ヘスペリジン配糖体を0、0.017、0.030、
0.043、0.086%(w/v)となるように添加
した後,プレート殺菌機を用いて93℃で10秒間加熱
した. ついでペットボトル(1500ml)に瓶詰め
しただちに1ml分取した。分取したオレンジ果汁飲料
を遠心分離(12000回転で2分間)し上清中のヘス
ペリジン量つまり溶存ヘスペリジン量をHPLCで測定
した。加熱前には全ヘスペリジン量の29%が溶解して
いる。加熱により溶存ヘスペリジン量は増加するもの
の、ヘスペリジン配糖体無添加のサンプルでは全ヘスペ
リジン量の約50%が溶解しているのみである。しかし
ながらヘスペリジン配糖体を添加したうえで加熱するこ
とにより溶存ヘスペリジン量が増加し、0.03%以上
添加すれば全ヘスペリジンの90%以上が溶解していた
その結果を図3に示す。
【0017】(実施例4)ブラジル産濃縮オレンジ果汁
(6倍濃縮液, Bx62)を蒸留水で6倍(w/w)
希釈し,果汁含有率100%オレンジ果汁飲料を作製し
た。このオレンジ果汁飲料中にヘスペリジン配糖体を
0、0.017、0.030、0.043、0.086
%(w/v)となるように添加した後,プレート殺菌機
を用いて93℃で30秒間加熱した。ついで,ペットボ
トル(1500ml)に瓶詰めし,ただちに1ml分取
した。分取したオレンジ果汁飲料を遠心分離(1200
0回転で2分間)し上清中のヘスペリジン量つまり溶存
ヘスペリジン量をHPLCで測定した。加熱前には全ヘ
スペリジン量の24%が溶解している。加熱により溶存
ヘスペリジン量は増加するものの、ヘスペリジン配糖体
無添加のサンプルでは全ヘスペリジン量の約50%が溶
解しているのみである。しかしながらヘスペリジン配糖
体を添加したうえで加熱することにより溶存ヘスペリジ
ン量が増加し、0.03%以上添加すれば全ヘスペリジ
ンの90%以上が溶解していた。
【0018】(実施例5)ブラジル産濃縮オレンジ果汁
(6倍濃縮液, Bx62)を蒸留水で6倍(w/w)
希釈したオレンジ果汁に同様の濃縮ミカン果汁を希釈し
たミカン果汁を1対1で混合し,オレンジとミカンから
なる柑橘果汁飲料を作製した。この柑橘果汁飲料中にヘ
スペリジン配糖体を0、0.017、0.030、0.
043、0.086%(w/v)となるように添加した
後,プレート殺菌機を用いて93℃で30秒間加熱し
た。ついで,ペットボトル(1500ml)に瓶詰めし,
ただちに1ml分取した。分取したオレンジ果汁飲料を
遠心分離(12000回転で2分間)し上清中のヘスペ
リジン量つまり溶存ヘスペリジン量をHPLCで測定し
た。加熱前には全ヘスペリジン量の25%が溶解してい
る。加熱により溶存ヘスペリジン量は増加するものの、
全ヘスペリジン量の約50%が溶解しているのみであ
る。しかしながらヘスペリジン配糖体を添加したうえで
加熱殺菌することにより溶存ヘスペリジン量が増加し、
0.03%以上添加すれば全ヘスペリジンの90%以上
が溶解していた。
【0019】(実施例6)濃縮グレープフルーツ果汁
(6倍濃縮液)を蒸留水で6倍(w/w)希釈し、果汁
含有率100%グレープフルーツ果汁飲料を作製した。
このグレープフルーツ果汁飲料中にヘスペリジン配糖体
を0、0.017、0.030、0.043、0.08
6%(w/v)となるように添加した後,プレート殺菌
機を用いて93℃で20秒間加熱した。ついでペットボ
トル(1500ml)に瓶詰めし、ただちに1ml分取
した。分取したグレープフルーツ果汁飲料を遠心分離
(12000回転で2分間)し上清中のナリンジン量つ
まり溶存ナリンジン量をHPLCで測定した。加熱前に
は全ナリンジン量の約20%が溶解している。加熱によ
り溶存ナリンジン量は増加するものの、全ナリンジン量
の約50%が溶解しているのみである。しかしながらヘ
スペリジン配糖体を添加したうえで加熱殺菌することに
より溶存ナリンジン量が増加し、0.03%以上添加す
れば全ナリンジンの80%以上が溶解していた。
【0020】(実施例7)ブラジル産濃縮オレンジ果汁
(6倍濃縮液, Bx62)を蒸留水で12倍(w/
w)希釈し,果汁含有率50%オレンジ果汁飲料を作製
した。クエン酸濃度は、0.3g/100ml,Bx1
0(蔗糖にて)に調整した。このオレンジ果汁飲料中に
ヘスペリジン配糖体を0、0.017、0.030、
0.043、0.086%(w/v)となるように添加
した後,プレート殺菌機を用いて80℃で30秒間加熱
加熱した。ついで、ペットボトル(1500ml)に瓶
詰めし、ただちに1ml分取した。分取したオレンジ果
汁飲料を遠心分離(12000回転で2分間)し上清中
のヘスペリジン量つまり溶存ヘスペリジン量をHPLC
で測定した。加熱前には全ヘスペリジン量の24%が溶
解している。加熱殺菌により溶存ヘスペリジン量は増加
するものの、全ヘスペリジン量の約50%が溶解してい
るのみである。しかしながらヘスペリジン配糖体を添加
したうえで加熱することにより溶存ヘスペリジン量が増
加し、0.03%以上添加すれば全ヘスペリジンの90
%以上が溶解していた。
【0021】(実施例8)ブラジル産濃縮オレンジ果汁
(6倍濃縮液, Bx62)を蒸留水で6倍(w/w)
希釈し,果汁含有率100%オレンジ果汁飲料を作製し
た。この状態で果汁中の全ヘスペリジン量の24%が溶
解している。このオレンジ果汁飲料中にヘスペリジン配
糖体を0、0.02、0.03、0.04、0.09%
(w/v)となるように添加した後、加熱しないもの、
および加熱最高温度が夫々63℃、75℃、80℃、8
3℃、95℃まで加熱したものについてヘスペリジンの
溶存率を測定した。各加熱温度における溶存率を図4か
ら図9に示す。加熱しないものについてはヘスペリジン
は30%程度しか溶解しなかった。ヘスペリジン配糖体
濃度が同じであれば温度が高くなるほどヘスペリジンの
溶存率は高くなることが示された。
【0022】
【発明の効果】本発明により、ビタミンPとして知られ
ているヘスペリジンが溶解した柑橘果汁飲料をつくるこ
とができた。この柑橘果汁飲料は沈澱量が少なく見た目
にきれいである。またこの柑橘果汁飲料はビタミンPと
しての生理効果から健康飲料、健康加工食品及び医薬品
に利用できる。
【0023】
【図面の簡単な説明】
【図1】果汁含有率100%でのヘスペリジン溶存率
【図2】果汁含有率50%でのヘスペリジン溶存率
【図3】果汁含有率30%でのヘスペリジン溶存率
【図4】非加熱でのヘスペリジン溶存率
【図5】63℃でのヘスペリジン溶存率
【図6】75℃でのヘスペリジン溶存率
【図7】80℃でのヘスペリジン溶存率
【図8】83℃でのヘスペリジン溶存率
【図9】95℃でのヘスペリジン溶存率
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 滝井寛 兵庫県尼崎市水堂町1−30−33−504 Fターム(参考) 4B017 LC02 LC07 LE10 LG02 LG04 LK11 LK16 LL09 LP13 4B018 LB08 LE05 MD23 ME14 MF02 MF04

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヘスペリジン配糖体を柑橘果汁ならびに
    果汁飲料に添加ののち加熱し、含まれているフラボノイ
    ド化合物を溶解する事を特徴とする柑橘果汁ならびに果
    汁飲料の製造方法。
  2. 【請求項2】 ヘスペリジン配糖体を柑橘果汁ならびに
    果汁飲料に添加ののち加熱し、含まれているヘスペリジ
    ンを溶解する事を特徴とする柑橘果汁ならびに果汁飲料
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 ヘスペリジン配糖体を柑橘果汁ならびに
    果汁飲料に添加ののち加熱し、含まれているナリンジ
    ン、ネオヘスペリジンを溶解する事を特徴とする柑橘果
    汁ならびに果汁飲料の製造方法。
  4. 【請求項4】 柑橘果汁ならびに果汁飲料がオレンジ果
    汁ならびに果汁飲料である事を特徴とする請求項2の製
    造方法。
  5. 【請求項5】 柑橘果汁ならびに果汁飲料が温州ミカン
    果汁ならびに果汁飲料である事を特徴とする請求項2の
    製造方法。
  6. 【請求項6】 柑橘果汁ならびに果汁飲料がオレンジや
    温州ミカン等の1種以上の柑橘類の混合物の果汁ならび
    に果汁飲料である事を特徴とする請求項1の製造方法。
JP04594499A 1999-02-24 1999-02-24 柑橘系果汁ならびに果汁飲料の製造方法 Expired - Lifetime JP3878763B2 (ja)

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