JP2004305090A - 茶飲料の混濁防止方法 - Google Patents

茶飲料の混濁防止方法 Download PDF

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Abstract

【課題】飲料に甘味を付与したり、茶本来の渋味・苦味を抑制したりするなど、風味に影響を与えたりすることなく、しかも充分に混濁が防止された茶飲料が得られる、茶飲料の混濁防止剤、茶飲料の混濁防止方法、混濁が防止された茶飲料の製造方法、並びに混濁が防止された茶飲料を提供することを目的とする。
【解決手段】▲1▼コンドロイチン硫酸又はコンドロイチン硫酸を含有する抽出物からなる、茶飲料の混濁防止剤、▲2▼茶飲料の製造時にコンドロイチン硫酸又はコンドロイチン硫酸を含有する抽出物を添加することを特徴とする、茶飲料の混濁防止方法、▲3▼茶飲料を製造するにあたり、コンドロイチン硫酸又はコンドロイチン硫酸を含有する抽出物を添加することを特徴とする、混濁が防止された茶飲料の製造方法、▲4▼前記方法により製造された、混濁の防止された茶飲料をそれぞれ提供する。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、茶飲料の混濁防止方法に関し、詳しくは茶飲料の混濁防止剤、茶飲料の混濁防止方法、混濁が防止された茶飲料の製造方法、並びに混濁が防止された茶飲料に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近、茶飲料の市場の伸長が著しく、代表的な茶飲料、緑茶、ウーロン茶、紅茶はもとより、これらにハーブ、穀類といった原料を添加した、いわゆる混合茶や、さらにこれらに糖類、酸味料、香料などを添加したりした多種多様な茶飲料が流通・販売されている。特に、近年、透明容器(PETボトル等)に充填された茶飲料が、消費者の簡便性、汎用性などから市場の拡大する傾向が続いている。
【0003】
しかしながら、これら茶飲料は長期保存中に茶成分が混濁したり、沈殿したりして製品の外観を損ないやすい。特に、pH4.0以下の茶飲料については激しく混濁及び沈殿が生じる。
【0004】
従来、この混濁や沈殿を防止する方法としては、例えばフルクトースやエタノールを添加して紅茶抽出液の混濁の発生を防止する方法(例えば、特許文献1参照)、紅茶煎液にペクチン及び/又はアルギン酸プロピレングリコールエステル及び/又はカルボキシメチルセルローズを添加する方法(例えば、特許文献2参照)、紅茶抽出液にサイクロデキストリンを添加して混濁の発生を防止する方法(例えば、特許文献3参照)、紅茶、ウーロン茶、緑茶、その他の茶類飲料に水易溶性フラボノイド類を添加し、濁り、オリの発生を防止する方法(例えば、特許文献4参照)、紅茶抽出液にオリゴ糖を添加して混濁の発生を防止する方法(例えば、特許文献5参照)、茶飲料及び茶抽出液にフコイダン含有物を添加することによる茶飲料の綿状沈殿物の沈殿防止方法(例えば、特許文献6参照)などが提案されている。
【0005】
しかしながら、いずれの方法も、飲料に甘味を付与したり、茶本来の渋味・苦味を抑制したりするなど、風味に影響を与えたり、或いは必ずしも混濁防止が充分でなかったりする、などといった欠点を有している。
【0006】
【特許文献1】
特開昭61−187747号公報
【特許文献2】
特開昭62−228227号公報
【特許文献3】
特開昭63−317044号公報
【特許文献4】
特開平2−100632号公報
【特許文献5】
特開平3−216150号公報
【特許文献6】
特開2000−116327号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来技術の欠点を解消し、飲料に甘味を付与したり、茶本来の渋味・苦味を抑制したりするなど、風味に影響を与えたりすることなく、しかも充分に混濁が防止された茶飲料が得られる、茶飲料の混濁防止剤、茶飲料の混濁防止方法、混濁が防止された茶飲料の製造方法、並びに混濁が防止された茶飲料を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は上記の課題を解決すべく鋭意研究を行った。その結果、驚くべきことに茶飲料の製造時にコンドロイチン硫酸又はコンドロイチン硫酸を含有する抽出物を添加することにより、茶飲料の混濁が顕著に抑制できることを突き止め、この知見に基づいて本発明を完成するに到った。コンドロイチン硫酸又はコンドロイチン硫酸を含有する抽出物が茶飲料の混濁防止効果を有することは、これまで全く知られていない。
【0009】
請求項1に係る本発明は、コンドロイチン硫酸又はコンドロイチン硫酸を含有する抽出物からなる、茶飲料の混濁防止剤を提供するものである。
請求項2に係る本発明は、茶飲料の製造時にコンドロイチン硫酸又はコンドロイチン硫酸を含有する抽出物を添加することを特徴とする、茶飲料の混濁防止方法を提供するものである。
請求項3に係る本発明は、茶飲料を製造するにあたり、コンドロイチン硫酸又はコンドロイチン硫酸を含有する抽出物を添加することを特徴とする、混濁が防止された茶飲料の製造方法を提供するものである。
請求項4に係る本発明は、コンドロイチン硫酸又はコンドロイチン硫酸を含有する抽出物の飲料に対する添加量が、飲用時の重量換算でコンドロイチン硫酸として0.005 %以上0.100%以下である請求項3記載の茶飲料の製造方法を提供するものである。
請求項5に係る本発明は、請求項3又は請求項4記載の方法により製造された、混濁の防止された茶飲料を提供するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明における茶飲料とは、紅茶、ウーロン茶、緑茶、プアール茶のいずれか一つ以上を主原料若しくは原料の一部として使用し、これを熱水、温水、又は冷水で抽出した後、得られた抽出液を缶、ガラス瓶、紙パック、ペットボトルなどの密閉容器に充填したものを指す。
また、本発明においては、上記抽出液を濃縮した茶エキスや、さらにスプレードライヤーや凍結乾燥器などで粉末にしたものも茶飲料に含む。
【0011】
本発明においては、これらの茶飲料に、砂糖などの糖類、果汁といった食品原料や、クエン酸などの酸味料、香料、色素、乳化剤、安定剤といった食品添加物を適宜添加することもできる。
【0012】
コンドロイチン硫酸は、硫酸化したN−アセチルガラクトサミンとグルクロン酸からなる二糖類を基本単位とする多糖類である。
本発明において用いるコンドロイチン硫酸としては、例えば、コンドロイチン硫酸A、コンドロイチン硫酸B、コンドロイチン硫酸C、コンドロイチン硫酸D、コンドロイチン硫酸E、コンドロイチン硫酸H、コンドロイチン硫酸K等が挙げられる。
本発明においては、これらのコンドロイチン硫酸は単独で使用してもよく、また2種以上組み合わせて使用してもよい。
【0013】
本発明においては、コンドロイチン硫酸の代わりに、又は必要に応じてコンドロイチン硫酸と共に、サメ軟骨、ウシ鼻軟骨、ブタ肋軟骨・気管軟骨、ニワトリ軟骨、サケ鼻軟骨等を原料としたコンドロイチン硫酸を含有する抽出物を使用することができる。具体的には、例えば粉末フカヒレエキスなどが挙げられる。抽出は常法に従い、サメ軟骨を粉砕した後、苛性ソーダ水溶液等のアルカリ水溶液で処理し、これを中和後に酵素処理し、その消化液を遠心分離等の清澄化処理を施したものについてエタノールを加えて沈殿を生じさせ、この沈殿物を減圧乾燥させて得た抽出物を用いることができる。
【0014】
請求項1に係る本発明は、このようなコンドロイチン硫酸又はコンドロイチン硫酸を含有する抽出物からなる、茶飲料の混濁防止剤である。
請求項1に係る本発明の茶飲料の混濁防止剤は、コンドロイチン硫酸又はコンドロイチン硫酸を含有する抽出物をそのまま茶飲料の混濁防止剤として用いるが、必要に応じて適当な賦形剤等を用いても良い。
【0015】
次に、請求項2に係る本発明は、茶飲料の製造時にコンドロイチン硫酸又はコンドロイチン硫酸を含有する抽出物を添加することを特徴とする、茶飲料の混濁防止方法である。
また、請求項3に係る本発明は、茶飲料を製造するにあたり、コンドロイチン硫酸又はコンドロイチン硫酸を含有する抽出物を添加することを特徴とする、混濁が防止された茶飲料の製造方法である。
【0016】
ここで、一般的な茶飲料の製造方法を説明すると以下の通りである。
まず原料を温水又は熱水で抽出した後、ろ過等により茶殻や抽出液中の微粒子を取り除く。次いで、砂糖などの糖類、果汁といった食品原料や、クエン酸などの酸味料、香料、色素、乳化剤、安定剤といった食品添加物を適宜添加し、抽出液を適当な濃度に希釈する。この作業を調合と称する。容器としてペットボトル等を使用する場合には、容器に充填する前に調合液の加熱殺菌を行う。一方、缶等に充填する場合には充填後に容器ごと加熱殺菌を行う。
【0017】
請求項2に係る本発明においては、このような茶飲料の製造時にコンドロイチン硫酸又はコンドロイチン硫酸を含有する抽出物を添加する。
ここでコンドロイチン硫酸又はコンドロイチン硫酸を含有する抽出物の添加は、茶飲料の製造時であれば良く、例えば抽出用水に添加することもできるが、上記工程中の調合時に添加するのが作業効率上好ましい。
【0018】
コンドロイチン硫酸又はコンドロイチン硫酸を含有する抽出物の飲料に対する添加量は、原料の種類や使用量、抽出方法、及び最終製品の形態によって適宜調節するが、請求項4に記載したように、飲用時の重量換算でコンドロイチン硫酸として0.005%以上0.100%以下、好ましくは0.010%以上0.100%以下、より好ましくは0.010%以上0.050%以下である。0.005%未満では目的とする効果が期待できない。また、0.050%以上であると若干味に影響が出るものの、0.100%までは充分に許容レベルである。但し、0.100%を超えると、目的の効果は発揮するものの、風味に大きく影響を与えたり、経済的に不利となったりするため望ましくない。
【0019】
上記したように、コンドロイチン硫酸又はコンドロイチン硫酸を含有する抽出物は、飲料に対して飲用時の重量換算でコンドロイチン硫酸として0.005%以上0.100%以下、好ましくは0.010%以上0.100%以下、より好ましくは0.010%以上〜0.050%以下の割合で添加することが必要である。従って、飲用時に希釈する濃縮飲料については、例えば10倍希釈する飲料の場合には、飲料に対して希釈前の状態では重量換算でコンドロイチン硫酸として0.050%以上1.000%以下、好ましくは0.100%以上1.000%以下、より好ましくは0.100%以上0.500%以下の添加が望ましい。
【0020】
このようにして、請求項2に係る本発明の方法により、茶飲料の混濁が防止され、また、請求項3に係る本発明の方法により、混濁が防止された茶飲料が製造される。
【0021】
このようにして得られた混濁が防止された茶飲料を提供するのが、請求項5に係る本発明である。
すなわち、請求項5に係る本発明は、請求項3又は請求項4記載の方法により製造された、混濁の防止された茶飲料である。
【0022】
なお、請求項2や請求項3に係る本発明の方法においては、必要に応じて、例えば糖類、乳化剤、安定剤を添加する方法や、茶抽出液をタンナーゼなどによる酵素処理する方法、茶抽出液を精密なろ過をすることによる方法等のような従来公知の混濁防止方法を併用することができる。このように公知の混濁防止方法を併用することにより、一層混濁が抑えられ、より透明容器に適した茶飲料を提供することができる。
【0023】
茶抽出液を濃縮して茶エキスとする場合には、濃縮前の抽出液にコンドロイチン硫酸又はコンドロイチン硫酸を含有する抽出物を添加しても良いし、濃縮後に添加しても良い。また、これらエキスをスプレードライ等で粉末化することもできる。
上記茶エキスや粉末は水等で希釈することにより飲料として使用する他、キャンディー、ガム、ゼリー等菓子類や、医薬部外品、化粧料などの原料としても使用される。本発明品は、これら菓子類などに使用された場合にも効果が持続される。この場合には、コンドロイチン硫酸又はコンドロイチン硫酸を含有する抽出物の添加量は、飲用時の重量換算ではなく、食用時の重量換算で、コンドロイチン硫酸として0.005%以上0.100%以下、好ましくは0.010%以上0.100%以下、より好ましくは0.010%以上0.050%以下である。
【0024】
【実施例】
以下、実施例をもって本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0025】
実施例1(紅茶飲料)
液体飲料用にブレンドした紅茶20 gを、80℃のイオン交換水600 gで5分間抽出し、続いて濾紙 (No.26、アドバンテック(株)製)で濾過することにより茶葉を除去して、525 gの紅茶抽出液(pH 4.9、タンニン量300 mg%)を得た。
この紅茶抽出液を飲用濃度(タンニン量40 mg%)となるようにイオン交換水で希釈し、L−アスコルビン酸を300 ppmとなるように添加した後、無水クエン酸でpH 3.0に調整し、調合液を得た。
この調合液に、重量換算でコンドロイチン硫酸として0.025%となるようにコンドロイチン硫酸A、コンドロイチン硫酸C(以上、和光純薬工業(株)製)、コンドロイチン硫酸B(SIGMA社製)、粉末フカヒレエキスC(三栄源F.F.I.(株)製;コンドロイチン硫酸含有)をそれぞれ添加した。
これらの調合液をガラス容器に100 gずつ充填・密封して紅茶飲料とした。
【0026】
得られた紅茶飲料を室温(25℃)で1.5ヶ月間保存した後、これら紅茶飲料の混濁状況を目視により評価した。また、濁度については、分光光度計により720nmの吸光度を測定した。濁度(720nmの吸光度)は、数値が小さいほど水色は透明であることを示し、数値が大きいほど濁っていることを示している。
それらの結果を表1に示した。なお、混濁状況についての評価方法は次の通りである。○:混濁は認めらない。△:若干の混濁が認められる。×:混濁が認められる。
【0027】
【表1】
Figure 2004305090
【0028】
この結果、紅茶飲料にコンドロイチン硫酸又はコンドロイチン硫酸を含有する抽出物(粉末フカヒレエキスC)を添加することによって、紅茶飲料の混濁が防止されることが明らかになった。
濁度を示す分光光度計による720nmの吸光度の測定では、コンドロイチン硫酸又はコンドロイチン硫酸を含有する抽出物(粉末フカヒレエキスC)を添加することにより、測定値の上昇が抑制されていた。
従って、720nmの吸光度の測定結果からも、コンドロイチン硫酸又はコンドロイチン硫酸を含有する抽出物(粉末フカヒレエキスC)を添加することにより、紅茶飲料の混濁が抑制されていることが確認された。
【0029】
実施例2(緑茶飲料)
液体飲料用にブレンドした緑茶20 gを、60℃のイオン交換水600 gで5分間抽出し、続いて濾紙 (No.27、アドバンテック(株)製)で濾過することにより茶葉を除去して、500 gの緑茶抽出液(pH 5.8、タンニン量300 mg%)を得た。
この緑茶抽出液を飲用濃度(タンニン量50 mg%)となるようにイオン交換水で希釈し、L−アスコルビン酸を300 ppmとなるように添加した後、炭酸水素ナトリウムでpH 6.2に調整し、調合液を得た。
この調合液に重量換算で0.025%となるようにコンドロイチン硫酸A、コンドロイチン硫酸B、粉末フカヒレエキスCをそれぞれ添加した。
これらの調合液をガラス容器に300 gずつ充填・密封し、121℃で10分間レトルト殺菌して緑茶飲料とした。
【0030】
得られた緑茶飲料を55℃で2週間保存した後、これらの緑茶飲料の混濁状況を目視により評価した。また、濁度については分光光度計により、720nmの吸光度を測定した。
それらの結果を表2に示した。混濁についての評価方法は次の通りである。○:混濁は認めらない。×:混濁が認められる。
【0031】
【表2】
Figure 2004305090
【0032】
この結果、緑茶飲料にコンドロイチン硫酸又はコンドロイチン硫酸を含有する抽出物(粉末フカヒレエキスC)を添加することによって、緑茶飲料の混濁が防止されることが明らかになった。
また、濁度を示す720nmの吸光度の測定結果からも、コンドロイチン硫酸又はコンドロイチン硫酸を含有する抽出物(粉末フカヒレエキスC)を添加することにより緑茶飲料の混濁が抑制されていることが確認された。
【0033】
実施例3(添加量の決定)
液体飲料用にブレンドした紅茶20 gを、80℃のイオン交換水600 gで5分間抽出し、続いて濾紙 (No.26、アドバンテック(株)製)で濾過することにより茶葉を除去して、525 gの紅茶抽出液(pH 4.9、タンニン量300 mg%)を得た。
この紅茶抽出液を飲用濃度(タンニン量40 mg%)となるようにイオン交換水で希釈し、L−アスコルビン酸を300 ppmとなるように添加した後、無水クエン酸でpH 3.0に調整し、調合液を得た。
この調合液に、重量換算で0.001%、0.005%、0.010%、0.025%、0.050%、0.100%となるように、コンドロイチン硫酸A、粉末フカヒレエキスCをそれぞれ添加した。
これらの調合液をガラス容器に100 gずつ充填・密封して紅茶飲料とした。
【0034】
得られた紅茶飲料を室温(25℃)で1ヶ月間保存した後、これら紅茶飲料の混濁状況を目視により評価した。また、濁度については、分光光度計により720nmの吸光度を測定した。
さらに、得られた紅茶飲料の香味を官能により無添加区と比較して評価した。
それらの条件及び結果を表3及び表4に示した。混濁についての評価方法は、次の通りである。○:混濁は認めらない。△:若干の混濁が認められる。×:混濁が認められる。また、香味についての評価方法は次の通りである。○:同等。△:若干異味がある。×:異味がある。
【0035】
【表3】
Figure 2004305090
【0036】
【表4】
Figure 2004305090
【0037】
この結果、紅茶飲料にコンドロイチン硫酸又はコンドロイチン硫酸を含有する抽出物(粉末フカヒレエキスC)を重量換算で0.005%以上、好ましくは0.010%以上添加することによって、紅茶飲料の混濁が防止されることが明らかになった。なお、香味については、無添加区と比較したため、0.050%と0.100%では若干異味があると評価されたが、比較しないと分からないレベルであり、充分に許容レベルであった。
【0038】
実施例4(混合茶飲料)
(1)混合茶抽出液の調製
液体飲料用にブレンドした混合茶(烏龍茶80%・ローズヒップ10%・ハイビスカス5%・バナバ2.5%・ラフマ2.5%)20 gを、70℃のイオン交換水600 gで5分間抽出し、続いて濾紙 (No.26、アドバンテック(株)製)で濾過することにより茶葉を除去して、540 gの混合茶抽出液(pH 4.5、タンニン量150 mg%)を得た。
(2)混濁が防止された茶飲料の製造
上記(1)で得られた混合茶抽出液を使用し、下記表5に示す組成の各成分をイオン交換水で溶解し、全量を1,000gとした。これを80℃で容器に充填し、混濁が防止された混合茶飲料を得た。
【0039】
【表5】
Figure 2004305090
【0040】
実施例5(レモンティー)
(1)紅茶抽出液の調製
液体飲料用にブレンドした紅茶20 gを、80℃のイオン交換水600 gで5分間抽出し、続いて濾紙 (No.26、アドバンテック(株)製)で濾過することにより茶葉を除去して、525 gの紅茶抽出液(pH 4.9、タンニン量300 mg%)を得た。
(2)混濁が防止された茶飲料(レモンティー)の製造
このようにして得た紅茶抽出液を使用し、下記表6に示す組成の各成分をイオン交換水で溶解し、全量を1,000gとした。これを80℃で容器に充填し、混濁が防止された茶飲料(レモンティー)を得た。
【0041】
【表6】
Figure 2004305090
【0042】
実施例6(希釈用ハーブティー)
下記表7に示す組成の各成分をイオン交換水で溶解し、全量を1,000gとした。これを80℃で容器に充填し、混濁が防止された希釈用茶飲料(希釈用ハーブティー)を得た。この希釈用茶飲料(希釈用ハーブティー)は、水で重量換算で7.5倍に希釈して飲用する。
【0043】
【表7】
Figure 2004305090
【0044】
実施例7(レモンティー)
(1)紅茶抽出液の調製
液体飲料用にブレンドした紅茶20 gを、80℃のイオン交換水600 gで5分間抽出し、続いて濾紙 (No.26、アドバンテック(株)製)で濾過することにより茶葉を除去して、525 gの紅茶抽出液(pH 4.9、タンニン量300 mg%)を得た。
(2)混濁が防止された茶飲料(レモンティー)の製造
このようにして得た紅茶抽出液を使用し、下記表8に示す組成の各成分をイオン交換水で溶解し、全量を1,000gとした。これを80℃で容器に充填し、混濁が防止された茶飲料(レモンティー)を得た。
【0045】
【表8】
Figure 2004305090
【0046】
実施例8(レモンティー)
(1)紅茶抽出液の調製
液体飲料用にブレンドした紅茶20 gを、80℃のイオン交換水600 gで5分間抽出し、続いて濾紙 (No.26、アドバンテック(株)製)で濾過することにより茶葉を除去して、525 gの紅茶抽出液(pH 4.9、タンニン量300 mg%)を得た。
(2)混濁が防止された茶飲料(レモンティー)の製造
このようにして得た紅茶抽出液を使用し、下記表9に示す組成の各成分をイオン交換水で溶解し、全量を1,000gとした。これを80℃で容器に充填し、混濁が防止された茶飲料(レモンティー)を得た。
【0047】
【表9】
Figure 2004305090
【0048】
【発明の効果】
本発明によれば、茶飲料の混濁を防止乃至顕著に抑制することができる。
しかも本発明は、飲料に甘味を付与したり、茶本来の渋味・苦味を抑制したりするなど、風味に影響を与えたりすることがない。
従って、本発明によれば、混濁が抑えられ、より透明容器に適した茶飲料を提供することができる。

Claims (5)

  1. コンドロイチン硫酸又はコンドロイチン硫酸を含有する抽出物からなる、茶飲料の混濁防止剤。
  2. 茶飲料の製造時にコンドロイチン硫酸又はコンドロイチン硫酸を含有する抽出物を添加することを特徴とする、茶飲料の混濁防止方法。
  3. 茶飲料を製造するにあたり、コンドロイチン硫酸又はコンドロイチン硫酸を含有する抽出物を添加することを特徴とする、混濁が防止された茶飲料の製造方法。
  4. コンドロイチン硫酸又はコンドロイチン硫酸を含有する抽出物の飲料に対する添加量が、飲用時の重量換算でコンドロイチン硫酸として0.005 %以上0.100%以下である請求項3記載の茶飲料の製造方法。
  5. 請求項3又は請求項4記載の方法により製造された、混濁の防止された茶飲料。
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